説明

重合法

本発明は、モノマー溶液の不活性化を含む吸水性ポリマー粒子の製造方法において、該モノマー溶液が、溶解されたモノマーに対して、0.001〜0.016質量%の少なくとも1種の重合抑制剤を含有し、モノマー溶液の不活性化のために使用された不活性ガスの少なくとも50体積%を、不活性化されたモノマー溶液と一緒に重合反応器中に移送することを特徴とする方法並びに該方法の実施のための装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化の程度が低いモノマー溶液の不活性化を含む、吸水性ポリマー粒子の製造方法並びに該方法の実施のための装置に関する。
【0002】
本発明の更なる実施態様は、特許請求の範囲、発明の詳細な説明並びに実施例に参照される。上述の及び以下に更に説明する本発明による対象の特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、それぞれ示される組み合わせで使用できるだけでなく、他の組み合わせでも使用することができることは自明である。
【0003】
吸水性ポリマーは、殊に(共)重合された親水性モノマーからのポリマー、適当なグラフト主鎖上の1つ以上の親水性モノマーのグラフト(共)重合体、架橋されたセルロースエーテル又はデンプンエーテル、架橋されたカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋されたポリアルキレンオキシド又は水性液体中で膨潤可能な天然製品、例えばグアール誘導体であり、その際、部分中和されたアクリル酸を基礎とする吸水性ポリマーが好ましい。このようなポリマーは、おむつ、タンポン、生理帯及びその他の衛生用品を製造するための、水性溶液を吸収する製品として使用されているが、しかし、農業園芸における保水剤としても使用されている。
【0004】
吸水性ポリマーの製造は、例えば小論文"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998又はUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第6版、第35巻、第73頁〜第103頁に記載されている。好ましい製造方法は、溶液重合もしくはゲル重合である。前記の技術では、まず、モノマー混合物を製造し、断続的に中和させ、次いで重合反応器中に移送するか、又は既に重合反応器中に装入される。後続の断続的もしくは連続的な方法では、反応の実施によりポリマーゲルが得られ、該ポリマーゲルは、撹拌型の重合の場合には既に粉砕されている。該ポリマーゲルは、引き続き乾燥させ、粉砕し、そして篩別し、次いで更なる表面処理に移される。
【0005】
連続的な重合法の基礎となるのは、例えばWO−A−01/38402号であり、その際、水性モノマー溶液は、開始剤及び不活性ガスと一緒に連続的に少なくとも2つの軸平行に回転する軸を有する混合混練機に供給される。
【0006】
連続的なゲル重合は、更に、WO−A−03/004237号、WO−A−03/022896号及びWO−A−01/016197号から公知である。
【0007】
モノマー溶液は、重合前に残留酸素の除去が行われる。それというのも、酸素はラジカル重合を抑制し、重合反応に影響を及ぼすからである。溶解された酸素を、重合の前及び重合の間に非常に広範に除去することは、重合反応の抑制もしくは中断を防ぎ、そして特に連続的な製造方法において、その制御された重合の開始と経過を可能にし、それによって所望の吸水性ポリマーの製造を可能にする。従って、過去に、溶解された酸素をモノマー溶液から除去する方法及び/又は装置を提供する試みには事欠かなかった。通常は、これらの方法は、モノマー溶液を不活性ガスですすいで、酸素で富化された気相を分離することに基づいている。その不活性化に際して、不活性ガスは、大抵は、向流でモノマー溶液中に導かれる。良好な混和は、例えばノズル、静的混合機もしくは動的混合機又は気泡塔によって達成することができる。
【0008】
DE−A−19938574号は、モノマー溶液の不活性化のために使用される一般的な気泡塔を記載している。当該出願によれば、不活性化は、気泡塔中の付加的な混合装置によって支持され、かつ不活性化されたモノマー溶液の酸素含有率が監視される。
【0009】
向流での不活性化のための一例を、DE−A−3540994号が開示している。当該出願によれば、不活性ガスは、水流ポンプを介してモノマー溶液中に吸引される。
【0010】
全ての方法に共通していることは、比較的多量の不活性ガス量が必要となること、使用される装置が不活性化されたモノマー溶液の高い重合傾向に基づき、特に不活性ガスとモノマー溶液との間の接触がより長くなると容易に閉塞することである。DE−A−3540994号によれば、従って該接触時間は、最大で20秒間に限定されるべきであった(第11頁第2段落)。
【0011】
EP−A−1097946号は、酸素で富化された不活性ガスを重合の前に除去せねばならないことを改めて指摘している。当該出願は、そのために種々の方法、例えば超音波による脱ガスを提案している(第9頁第34行〜42行)。
【0012】
EP−A−0827753号は、多孔質の吸水性ポリマーの製造を教示している。多孔質のポリマーの製造のためには、多量の不活性ガスをもって発泡させたモノマー溶液が重合される。その場合に必然的に、いくらか酸素で富化された不活性ガスが重合反応器に到達する。
【0013】
先行技術から公知の全てのモノマー溶液の不活性化のための方法は、一般に、比較的高い装置費用を基礎としている。モノマー溶液の不活性化は、大抵は、特有の方法工程を意味する。更に、いくらか酸素で富化されたガス混合物を排出する排ガス導管をなおも必要とする。高い装置費用の他に、必要な不活性ガス量は、コスト要因である。欠点として、装置が故障を起こしやすいことも判明している。それというのも、抑制剤の除去によって酸素は装置自体においてもしくは排ガス導管中で早期重合を容易に起こすからである。
【0014】
WO−A−03/051940号は、特に着色が少ない吸水性ポリマー粒子の製造を開示している。当該出願によれば、安定化の程度が低い水性の部分中和されたアクリル酸溶液は重合される。より低い安定性に基づき、モノマー溶液の重合傾向は相応して高まる。
【0015】
本発明の課題は、着色していないもしくは僅かにのみ着色しているにすぎない吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、不活性化の間の重合傾向が低減された方法を提供することであった。
【0016】
本発明の更なる課題は、吸水性ポリマー粒子の改善された製造方法であって、不活性化に使用される不活性ガスが最適に用いられ故障が起こりづらい方法を提供することであった。
【0017】
更に、本発明による方法は、連続的な重合のためにも適していることが望ましい。
【0018】
前記課題は、モノマー溶液を不活性化し、そして不活性化されたモノマー溶液を重合反応器に移送する吸水性ポリマー粒子の製造方法において、該モノマー溶液が、溶解されたモノマーに対して、0.001〜0.016質量%の少なくとも1種の重合抑制剤を含有し、モノマー溶液の不活性化のために使用された不活性ガスの少なくとも50体積%を、不活性化されたモノマー溶液と一緒に重合反応器中に移送することを特徴とする方法によって解決された。
【0019】
不活性化と重合は、有利には連続的に実施される。
【0020】
溶解されたポリマーに対する、重合抑制剤の含有率は、有利には0.001〜0.013質量%、特に有利には0.003〜0.007質量%、殊に有利には0.004〜0.006質量%である。好適な重合抑制剤は、ラジカル重合を抑制及び/又は遅延させることができ、かつ十分な可溶性を有する全ての重合抑制剤である。
【0021】
重合を遅延させる、とは、重合抑制剤が、あるラジカルと反応して、モノマーのラジカルより低い反応性を有するラジカルとなることを意味する。
【0022】
十分な可溶性、とは、重合抑制剤が、モノマー溶液中に所望の量で可溶性であることを意味する。
【0023】
好適な不活性ガスは、ラジカル反応に介入しえない全ての不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、水蒸気である。好ましい不活性ガスは、窒素である。概念"不活性ガス"は、当然のように不活性ガス混合物も含む。
【0024】
不活性ガスは、できる限り純粋であることが望ましい。例えば、有利には少なくとも99体積%の、特に有利には少なくとも99.9体積%の、殊に有利には少なくとも99.99体積%の窒素含有率を有する窒素を使用することができる。
【0025】
不活性ガスは、1つ以上の供給路を介して供給される。不活性ガスの供給路は、モノマー導管の周りに環状に配置されていてよい。
【0026】
不活性化のために使用される不活性ガスは、引き続き有利には少なくとも80%まで、特に有利には少なくとも90%まで、殊に有利には完全に、モノマー溶液と一緒に重合反応器中に移送される。
【0027】
不活性ガスとモノマー溶液との体積比は、有利には0.01〜10、特に有利には0.05〜7、殊に有利には0.1〜1.5である。
【0028】
不活性ガスの供給と重合との間でのモノマー溶液の滞留時間は、有利には1〜120秒、特に有利には5〜60秒、殊に有利には10〜30秒である。
【0029】
モノマー溶液の粘度は、15℃で、有利には5〜200mPas、特に有利には10〜100mPas、殊に有利には20〜50mPasであり、その際、粘度は、ブルックフィールド粘度計(スピンドル2、100rpm)で測定される。
【0030】
モノマー溶液中のモノマー濃度は、有利には10〜80質量%、特に有利には20〜60質量%、殊に有利には30〜50質量%である。
【0031】
モノマー溶液は、少なくとも1種の一エチレン性不飽和モノマー、有利にはアクリル酸及び/又はそれらの塩を含有する。全モノマー量に対するアクリル酸及び/又はそれらの塩の割合は、有利には少なくとも50モル%、特に有利には少なくとも90モル%、殊に有利には少なくとも95モル%である。
【0032】
本発明の好ましい一実施態様においては、不活性ガスを1つのベンチュリ管を介して配量する。
【0033】
ベンチュリ管は、制限された長さの狭窄管であり、その部分で圧力損失は十分に可逆的に運動エネルギーに変換される。それに関して、断面積F1は、区間L1(流入区間)で断面積F2に低下し、断面積F2は、区間L2(くびれ領域)で一定に保持され、そして引き続き断面積F2は、区間L3(拡散部)で再び断面積F1に広がる。その際に、断面積F1は、断面積F2よりも大きく、長さL3は、長さL1よりも長い。
【0034】
不活性ガスの配量は、有利には断面積F2を有する区間L2の範囲内で行われる。
【0035】
図1は、典型的なベンチュリ管を示しており、その際、符号は、以下の意味を有する:
A: 不活性ガス配量前のモノマー溶液
B: 不活性ガスの供給路
C: モノマー溶液及び不活性ガス
1: 流入区間
2: くびれ領域
3: 拡散部
1: 管状導管の直径
2: くびれ領域の直径
最適なベンチュリ管の設計は、当業者に自体公知である。有利には、ベンチュリ管は、区間L2の範囲の圧力が、周囲圧より低い(吸引輸送)及び/又は区間L2の範囲の流動が乱流であるように設計され、その際、レイノルズ数は、少なくとも1000、有利には少なくとも2000、特に有利には少なくとも3000、殊に有利には少なくとも4000、通常は10000000未満であることが望ましい。
【0036】
1つのベンチュリ管が使用される場合に、不活性ガスとモノマー溶液とのより低い体積比、有利には0.01〜7、特に有利には0.05〜5、殊に有利には0.12〜0.5を選択することができる。
【0037】
不活性ガス供給路と重合反応器との間の接続が、少なくとも部分的に、有利には少なくとも表面積の50%まで、特に有利には構成的に可能である限りは完全に、水に対して少なくとも60゜の、有利には少なくとも90゜の、特に有利には少なくとも100゜の接触角を有する材料表面を有する場合に、重合傾向が更に低下しうる。
【0038】
接触角は、濡れ挙動についての尺度であり、通常の方法に従って、有利にはDIN53900に従って測定することができる。
【0039】
相応の濡れ挙動を有する好適な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロリド、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂である。殊に、ポリプロピレンが好ましい。
【0040】
吸水性ポリマーは、例えば以下の
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基を有するモノマーと、
b)少なくとも1種の架橋剤と、
c)場合により、モノマーa)と共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和のモノマーと、
d)場合により、モノマーa)と、b)と、場合によりc)とが少なくとも部分的にグラフトしうる1種以上の水溶性ポリマーと
を含有するモノマー溶液の重合によって得られる。
【0041】
好適なモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸又はそれらの誘導体、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルである。特に好ましいモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。殊に、アクリル酸が好ましい。
【0042】
モノマーa)、特にアクリル酸は、有利には0.016質量%までのヒドロキノン半エーテルを含む。好ましいヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はトコフェロールである。
【0043】
トコフェロールとは、以下の式
【化1】

[式中、R1は、水素もしくはメチルを意味し、R2は、水素もしくはメチルを意味し、R3は、水素もしくはメチルを意味し、かつR4は、水素もしくは1〜20個の炭素原子を有する酸基を意味する]で示される化合物を表す。
【0044】
4についての好ましい基は、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル及び他の生理学的に認容性のカルボン酸である。カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸もしくはトリカルボン酸であってよい。
【0045】
有利には、R1=R2=R3=メチルであるα−トコフェロール、特にラセミ体のα−トコフェロールである。R1は、特に有利には水素又はアセチルである。特に有利には、RRR−α−トコフェロールである。
【0046】
モノマー溶液は、それぞれアクリル酸に対して、有利には高くても130質量ppm、特に有利には高くても70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、特に好ましくは少なくとも30質量ppm、特に約50質量ppmのヒドロキノン半エーテルを含有し、その際、アクリル酸塩は、アクリル酸としてともに考慮される。例えば、モノマー溶液の製造のために、ヒドロキノン半エーテルの相応の含有率を有するアクリル酸を使用することができる。
【0047】
架橋剤b)は、少なくとも2つの重合可能な基を有し、それらがラジカル的に重合してポリマー網目構造を形成しうる化合物である。好適な架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン(例えばEP−A−0530438号に記載される)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP−A−0547847号、EP−A−0559476号、EP−A−0632068号、WO−A−93/21237号、WO−A−03/104299号、WO−A−03/104300号、WO−A−03/104301号及びDE−A−10331450号に記載される)、アクリレート基の他に更なるエチレン性不飽和基を有する混合型アクリレート(例えばDE−A−10331456号及びWO−A−04/013064号に記載される)又は架橋剤混合物(例えばDE−A−19543368号、DE−A−19646484号、WO−A−90/15830号及びWO−A−02/32962号に記載される)である。
【0048】
適切な架橋剤b)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリレート又はトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレート又はエチレングリコールジアクリレート、又はブタンジオールジメタクリレート又はエチレングリコールジメタクリレート並びにトリメチロールプロパントリアクリレート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びに例えば、EP−A−0343427中に記載されているようなビニルホスホン酸誘導体である。更に適した架橋剤b)は、ペンタエリトリトールジ−、ペンタエリトリトールトリ−及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジ−及びグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールを基礎とするポリアリルエーテル、並びにそれらのエトキシ化された別形である。本発明による方法においては、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレートを使用可能であり、その際、使用されるポリエチレングリコールは、300〜1000の分子量を有する。
【0049】
しかしながら、特に好ましい架橋剤b)は、3箇所ないし15箇所でエトキシ化されたグリセリンの、3箇所ないし15箇所でエトキシ化されたトリメチロールプロパンの、3箇所ないし15箇所でエトキシ化されたトリメチロールエタンのジ−及びトリアクリレート、特に2箇所ないし6箇所でエトキシ化されたグリセリンの又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレート、3箇所でプロポキシ化されたグリセリンの又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレートであり、並びに3箇所での混合エトキシ化された又はプロポキシ化されたグリセリンの又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレート、15箇所でエトキシ化されたグリセリンの又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレート、並びに40箇所でエトキシ化されたグリセリンの、トリメチロールエタンのもしくはトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレートである。
【0050】
殊に好ましい架橋剤b)は、例えばWO−A−03/104301号に記載される、アクリル酸もしくはメタクリル酸とエステル化してジ−又はトリアクリレートとなった複数箇所でエトキシ化された及び/又はプロポキシ化されたグリセリンである。特に有利には、3箇所ないし10箇所でエトキシ化されたグリセリンのジアクリレート及び/又はトリアクリレートである。殊に、1箇所ないし5箇所でエトキシ化された及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリレートが好ましい。最も好ましくは、3箇所ないし5箇所でエトキシ化された及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。これらは、吸水性ポリマー中での特に低い残留含有率(一般に、10質量ppm未満)の点で優れており、かつそれを用いて製造された吸水性ポリマーの水性抽出物は、同じ温度の水と比較して、ほぼ不変の表面張力(一般に、少なくとも0.068N/m)を有する。
【0051】
架橋剤b)の量は、それぞれモノマーa)に対して、有利には0.01〜1質量%、特に有利には0.05〜0.5質量%、殊に有利には0.1〜0.3質量%である。
【0052】
モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーc)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。
【0053】
水溶性ポリマーd)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコール又はポリアクリル酸、有利にはポリビニルアルコール及びデンプンを使用することができる。
【0054】
好ましい重合抑制剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。通常は、モノマー溶液を、重合前に、例えば不活性ガス、有利には窒素での流通によって、十分に酸素不含(不活性化)にする。それによって、重合抑制剤は、その作用において明らかに弱まる。有利には、モノマー溶液の重合前の酸素含有率は、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に低下される。
【0055】
好適な基礎ポリマーの製造並びに更なる好適な親水性のエチレン性不飽和モノマーd)は、DE−A−p19941423号、EP−A−0686650号、WO−A−01/45758号及びWO−A−03/104300号に記載されている。
【0056】
吸水性ポリマーは、通常は、水性モノマー溶液の重合と、場合により引き続いてのヒドロゲルの粉砕によって得られる。好適な製造方法は、文献に記載されている。吸水性ポリマーは、例えば以下の方法によって得られる:
− バッチ法もしくは管形反応器中でのゲル重合と、引き続いての肉挽き機、押出機もしくは混練機中での粉砕(EP−A−0445619号、DE−A−19846413号)
− 混練機中での重合、その際、例えば二重反転撹拌軸によって連続的に粉砕される(WO−A−01/38402号)
− ベルト上での重合と、引き続いての肉挽き機、押出機もしくは混練機中での粉砕(DE−A−3825366号、US−6,241,928号)
− 乳化重合、その際、既に比較的狭いゲルサイズ分布のパール重合体が生ずる(EP−A−0457660号)
− 大部分は連続的な作業において事前に水性モノマー溶液が噴霧され、引き続き光重合に供された織物層の現場重合(WO−A−02/94328号、WO−A−02/94329号)。
【0057】
反応は、有利には、例えばWO−A−01/38402号に記載されるように、混練機中で、又は例えばEP−A−0955086号に記載されるようにベルト型反応器上で実施される。
【0058】
中和は、部分的に重合後に、ヒドロゲルの段階で実施することもできる。従って、40モル%までの、有利には10〜30モル%の、特に有利には15〜25モル%の酸基を重合前に中和することが可能であり、その際、一部の中和剤が既にモノマー溶液に添加され、そして所望の最終中和度が、重合後にはじめてヒドロゲルの段階で調整される。モノマー溶液は、中和剤の混加によって中和することができる。ヒドロゲルは、例えば肉挽き機を用いて機械的に微粉砕でき、その際、中和剤は、噴霧されるか、散布されるか、又は注入され、次に注意深く混合してよい。そのために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために粉砕することができる。モノマー溶液を最終中和度にまで中和することが好ましい。
【0059】
中和されたヒドロゲルは、次いで、ベルト型乾燥機又はローラ型乾燥機を用いて、残留湿分含量が、好ましくは15質量%未満、特に10質量%未満になるまで乾燥され、その際、含水率は、EDANA(欧州不織布工業会)によって推奨される試験法第430.2−02"湿分含量(Moisture content)"に従って測定される。しかしながら、選択的に、乾燥のために、流動床乾燥機もしくは加熱された鋤刃混合機を使用することもできる。特に白色な生成物を得るためには、有利には、このゲルの乾燥に際して、気化水の迅速な排出を保証することが好ましい。このために、乾燥温度は最適化されるべきであり、空気の供給と排出は、制御されて行われねばならず、かつその都度において十分な通風を顧慮すべきである。ゲルの固体含有率が高くなればなるほど、乾燥は、当然のように容易になり、生成物はより白色となる。有利には、ゲルの乾燥前の固体含有率は、従って30〜80質量%である。特に、乾燥機を、窒素もしくは他の非酸化性の不活性ガスで通風することが好ましい。しかしながら選択的には、乾燥の間に、酸化的な黄変過程を避けるために、酸素分圧のみを軽く下げることもできる。しかしながら一般な場合には、十分な通風と水蒸気の排出も、更に許容可能な生成物をもたらす。色と生成物品質に関して好ましいのは、一般に、できる限り短い乾燥時間である。
【0060】
乾燥されたヒドロゲルは、有利には、微粉砕され、篩別され、この場合には、微粉砕のために通常、シリンダーミル、ピンドディスクミル(Stiftmuehlen)又はボールミルが使用されてよい。篩別され乾燥されたヒドロゲルの粒度は、有利には1000μm未満、特に有利には900μm未満、殊に有利には800μm未満であり、好ましくは100μmより大きく、特に好ましくは150μmより大きく、殊に有利には200μmより大きい。
【0061】
殊に有利には、粒度(篩別分)は、106〜850μmである。粒度は、EDANA(欧州不織布工業会)によって推奨された試験方法第420.2−02"粒度分布(Particle size distribution)"によって測定される。
【0062】
基礎ポリマーは、有利には引き続き表面後架橋される。このために適切な後架橋剤は、ヒドロゲルのカルボキシル基と共有結合を形成しうる少なくとも2つの基を有する化合物である。好適な化合物は、例えばアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−もしくはポリグリシジル化合物(例えばEP−A−0083022号、EP−A−0543303号及びEP−A−0937736号に記載される)、二官能性もしくは多官能性のアルコール(例えばDE−C−3314019号、DE−C−3523617号及びEP−A−0450922号に記載される)又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE−A−10204938号及びUS−6,239,230号に記載される)である。
【0063】
更に、DE−A−4020780号において、環状カーボネートが、DE−A−19807502号において、2−オキサゾリドン及びそれらの誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE−A−19807992号において、ビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE−A−19854573号において、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びそれらの誘導体が、DE−A−19854574号においては、N−アシル−2−オキサゾリドンが、DE−A−10204937号においては、環状尿素が、DE−A−10334584号においては、二環状アミドアセタールが、EP−A−1199327号においては、オキセタン及び環状尿素が、そしてWO−A−03/031482号においては、モルホリン−2,3−ジオン及びそれらの誘導体が、好適な表面後架橋剤として記載されている。
【0064】
後架橋は、通常は、表面後架橋剤の溶液を、ヒドロゲル上にもしくは乾燥された基礎ポリマー粉末上に噴霧して実施される。噴霧に引続き、ポリマー粉末は、熱的に乾燥され、この場合架橋反応は、乾燥前並びに乾燥中に起こりうる。
【0065】
架橋剤の溶液の噴霧は、有利には、可動式の混合装置を有する混合機、例えばスクリュー混合機、パドル混合機、ディスク混合機、鋤刃混合機及びブレード混合機中で行われる。特に有利には、垂直混合機、殊に有利には、鋤刃混合機及びパドル混合機である。好適な混合機は、例えばLoedige(登録商標)混合機、Bepex(登録商標)混合機、Nauta(登録商標)混合機、Processall(登録商標)混合機及びSchugi(登録商標)混合機である。
【0066】
熱的乾燥は、有利には、接触乾燥機中で、特に有利にはパドル乾燥機、殊に有利にはディスク乾燥機中で実施される。好適な乾燥機は、例えばBepex(登録商標)乾燥機及びNara(登録商標)乾燥機である。更に、流動床乾燥機も使用することができる。
【0067】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉又は加熱可能なスクリューは、同様に適当である。しかし、例えば共沸蒸留を乾燥方法として利用することもできる。
【0068】
好ましい乾燥温度は、50〜250℃の範囲内、有利に50〜200℃、特に有利に50〜150℃である。反応型混合機又は乾燥機中での前記温度での好ましい滞留時間は、30分間未満、特に有利には10分未満である。
【0069】
本発明による方法は、後架橋された吸水性ポリマー粒子の経済的な連続的な製造を可能にする。使用されるモノマー溶液は、確実に僅かな不活性ガスで不活性化することができる。反応器の前での不活性化されたモノマー溶液の重合傾向は低い。
【0070】
本発明の更なる対象は、本発明による方法の実施のための装置であって、
i)重合反応器と、
ii)重合反応器i)への少なくとも1つの供給路と、
iii)供給路ii)中への少なくとも1つの供給路と
を有し、その際、重合反応器i)と供給路iii)との間の供給路ii)の内表面が、少なくとも部分的に水に対して、少なくとも60゜の、有利には少なくとも90゜の、特に有利には少なくとも100゜の接触角を有する装置である。
【0071】
接触角は、濡れ挙動についての尺度であり、通常の方法に従って、有利にはDIN53900に従って測定することができる。
【0072】
相応の濡れ挙動を有する好適な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロリド、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂である。殊に、ポリプロピレンが好ましい。
【0073】
重合反応器i)と供給路iii)との間の供給路ii)の長さは、有利には、0.5〜20m、特に有利には1〜10m、殊に有利には1.5〜5mである。
【0074】
供給路ii)の断面積は、有利には10〜1000cm2、特に有利には25〜500cm2、殊に有利には50〜200cm2である。供給路ii)は、有利には円形の断面を有する。
【0075】
好ましい一実施態様においては、供給路iii)は、供給路ii)の周りに環状で、有利には流動方向に対して垂直に存在する。供給路iii)と供給路ii)との間の共通の中間壁は、複数の孔を有し、それらの孔を介して不活性ガスは供給路ii)中に、それによりモノマー溶液中に流動しうる。孔の数は、通常は、5〜500であり、有利には10〜100であり、特に有利には20〜50である。孔径は、その際、不活性ガスの出口速度が、通常少なくとも0.1m/s、有利には少なくとも0.5m/s、特に有利には少なくとも1m/s、殊に有利には少なくとも1.5m/sであるように選択される。10m/sを超える出口速度は、通常は必要とされない。
【0076】
それらの孔は、通常は一様に並んで配置されている。穿孔の軸は、有利にはモノマー溶液の輸送方向に対して、例えば100〜140゜の角度をもって指し示しており、それによって完全混和が支持される。
【0077】
特に好ましい実施態様においては、供給路iii)は、供給路ii)の中間接合部分として構成されており、フランジ接続の間に挿入することができる。
【0078】
更なる好ましい実施態様においては、供給路ii)は、供給路iii)との接続部でベンチュリ管として構成されている。
【0079】
ベンチュリ管は、有利にはくびれ領域の範囲内に、不活性ガスをモノマー溶液中に流動させうる1つ以上の孔を有する。孔の数は、通常は、1〜20、有利には1〜10、特に有利には1〜5である。孔径は、その際、不活性ガスの出口速度が、通常少なくとも0.05m/s、有利には少なくとも0.1m/s、特に有利には少なくとも0.2m/s、殊に有利には少なくとも0.3m/sであるように選択される。1m/sを超える出口速度は、乱流型の流動に基づき、通常は必要とされない。
【0080】
供給路ii)のくびれ領域における断面積は、少なくとも20%だけ、有利には少なくとも30%だけ、特に有利には少なくとも40%だけ、殊に有利には少なくとも50%だけ低減される。
【0081】
くびれ領域L2の長さと流入区間L1の長さとの比率は、有利には0.5〜20、特に有利には1〜10、殊に有利には2〜5であり、かつ/又はくびれ領域L2の長さと拡散部L3の長さとの比率は、有利には0.1〜5、特に有利には0.5〜2.5、殊に有利には1〜2である。
【0082】
該装置は、有利にはデッドスペースがなく、その表面は、できる限り低い粗度を有することが望ましい。
【0083】
デッドスペースは、所定の運転に際して平均滞留時間が高められている装置区間である。
【0084】
本発明による装置は、モノマー溶液の不活性化のために極めて適している。特に、その特殊な内表面に基づき、重合傾向が低い。
【0085】
実施例
実施例1:
1時間ごとに、31.4質量%のアクリル酸ナトリウムと、8.0質量%のアクリル酸と、0.0016質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルと、0.65質量%のトリメチロールプロパンとを含有するモノマー溶液17250kg(14780l/h)を、3kg(2400l/h)の窒素で不活性化した。モノマー溶液の粘度は、15℃で28mPasであった。モノマー溶液の表面張力は、0.04N/mであった。
【0086】
不活性化のために、93.2cm長のベンチュリ管を使用し(図1)、その際、その管状導管は、8.4cmの区間にわたって9cmの直径から3.6cmに狭まり(区間L1)、27.6cmの区間にわたって3.6cmの直径を保持し(区間L2)、そして57cmの区間にわたって再び3.6cmの直径から9cmに広がっていた(区間L3)。
【0087】
不活性ガス(99体積%より多い窒素)を、2つの向かい合った供給路を介してくびれ領域(区間L2)の中央に供給した。それらの供給路は、それぞれ内径5mmを有していた。ガス/液体−混合物を、完全に重合反応器中に移送した。
【0088】
窒素供給路と重合反応器との間の間隔は、2mであった。導管中でのガス/液体−混合物の滞留時間は、約3秒であった。
【0089】
不活性化及び重合は、支障なく進行した。
【0090】
実施例2:
1時間ごとに、31.4質量%のアクリル酸ナトリウムと、8.0質量%のアクリル酸と、0.0016質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルと、0.65質量%のトリメチロールプロパンとを含有するモノマー溶液17250kg(14780l/h)を、8kg(6400l/h)の窒素で不活性化した。モノマー溶液の粘度は、10〜15℃で28〜46mPasであった。モノマー溶液の表面張力は、0.04N/mであった。
【0091】
それらのモノマー導管は、直径9cmを有していた。モノマー導管中に、1つのリングを流動方向に垂直にはめ込んだ。その際、該リングの内径は、モノマー導管の外径に相当していた。該リングは、内幅13mmを有していた。
【0092】
不活性ガス(99体積%より多い窒素)を、孔径1.8mmを有するリング中の32個の孔を介してモノマー溶液を供給した。それらの孔は、均等に配分され、リング中心方向に整列していた。ガス/液体−混合物を、完全に重合反応器中に移送した。
【0093】
窒素供給路と重合反応器との間の間隔は、2mであった。導管中でのガス/液体−混合物の滞留時間は、約3秒であった。
【0094】
不活性化及び重合は、支障なく進行した。
【0095】
不活性化のために使用された少ない不活性ガス量に基づき、モノマー溶液は、従来技術において通例とされるより多く溶解された酸素を含有している。恐らく、それによって、より低い含有率のヒドロキノンモノメチルエーテルが補償される。
【0096】
同時に、それによって、気相中の酸素分圧は比較的高い。その気相がモノマー溶液と一緒に重合反応器に輸送されるので、この酸素は、モノマー溶液を重合反応器中に輸送する間に更に利用され、重合反応器前での不所望な重合が低減される。その輸送時の大きな相界面に基づき、消費される溶解された酸素を、拡散によって気相から迅速に交換することができる。重合反応器において、その際、この拡散は、明らかにより低い相界面に基づき大きく抑圧される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、典型的なベンチュリ管を示している。
【符号の説明】
【0098】
A 不活性ガス配量前のモノマー溶液、 B 不活性ガスの供給路、 C モノマー溶液及び不活性ガス、 L1 流入区間、 L2 くびれ領域、 L3 拡散部、 D1 管状導管の直径、 D2 くびれ領域の直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー溶液を不活性化し、そして不活性化されたモノマー溶液を重合反応器に移送する吸水性ポリマー粒子の製造方法において、該モノマー溶液が、溶解されたモノマーに対して、0.001〜0.016質量%の少なくとも1種の重合抑制剤を含有し、かつモノマー溶液の不活性化のために使用された不活性ガスの少なくとも50体積%が、不活性化されたモノマー溶液と一緒に重合反応器中に移送されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、不活性ガス供給路と重合反応器との間の接続部の表面が、少なくとも部分的に、水に対して少なくとも60゜の接触角を有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、不活性ガスとモノマー溶液との体積比が10未満であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、不活性ガスが1つのベンチュリ管を介して供給され、かつ不活性ガスとモノマー溶液との体積比が、0.01〜7であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、不活性ガス供給路と重合反応器との間でのモノマー溶液の滞留時間が、1〜120秒であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、モノマー溶液の粘度が、15℃で5〜200mPasであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法において、モノマー溶液中のモノマー濃度が、10〜80質量%であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法において、モノマー溶液のモノマーの少なくとも50モル%が、アクリル酸及び/又はそれらの塩であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法において、不活性ガスの少なくとも99体積%までが窒素からなることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法において、重合反応器中のモノマー溶液を重合させてヒドロゲルを得て、それを乾燥させ、粉砕し、そして分級することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、分級されたポリマー粒子を表面後架橋させることを特徴とする方法。
【請求項12】
以下の
i)重合反応器と、
ii)重合反応器i)への少なくとも1つの供給路と、
iii)供給路ii)中への少なくとも1つの供給路と
を有し、その際、重合反応器i)と供給路iii)との間の供給路ii)の内表面が、少なくとも部分的に水に対して、少なくとも60゜の接触角を有する、連続的な重合のための装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、重合反応器i)と供給路iii)との間の供給路ii)の長さが、0.5〜20mであることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の装置であって、供給路iii)が環状で供給路ii)の周りにあり、かつ共通の中間壁が複数の孔を有することを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、共通の中間壁が5〜500個の孔を有することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項12又は13に記載の装置であって、供給路iii)との接続部にある供給路ii)がベンチュリ管として構成されており、かつ供給路iii)が該ベンチュリ管のくびれ領域中に合流していることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、供給路ii)の断面積が、くびれ領域において、少なくとも20%だけ低減されていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の装置であって、くびれ領域L2の長さと流入区間L1の長さとの比率が、0.5〜20であり、かつ/又はくびれ領域L2の長さと拡散部L3の長さとの比率が、0.1〜5であることを特徴とする装置。

【図1】
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【公表番号】特表2009−507117(P2009−507117A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529601(P2008−529601)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065844
【国際公開番号】WO2007/028748
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】