説明

重量測定機

【課題】計量精度の改良部材を備え、搬送中に重量測定を行なう重量測定機において、常に所期の高い計量精度を保障する。
【解決手段】重量測定機1aは、測定精度改良手段である風防9で覆われた搬送手段7a,7bと、搬送手段7bに設けられた重量測定手段8を有する。投光及び受光の機能を備えるセンサ11は本体側に設けられ、反射ミラー12が風防9の内面に設けられる。測定時の風の影響が風防で防がれ測定精度が改良される。風防が取り外されると、反射ミラーも本体側から除去され、センサは被測定物を検出しなくなるので、測定タイミング信号が得られず、重量測定不能となる。風防で得られる高い測定精度が保障されない重量測定値が誤使用されるおそれがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物を搬送しながら重量測定を行う重量測定機に係り、特に測定精度に影響する被測定物への外乱を可及的に減少せしめるために測定精度改良手段を備えた重量測定機において、この測定精度改良手段を使用した正規の測定状態で測定することを保障できる重量測定機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、計量用ベルトコンベアを重量検出手段に負荷した計量装置のベルト上に被計量物を載せて搬送しながら、上記被計量物の重量を測定する計量方法が記載されている。この方法では、上記被計量物を搬送するごとに、搬送中の上記被計量物に作用する空気力のうち重量としての成分に対応する空気力を測定し、この測定値で上記被計量物の重量を補正することを特徴としている。この方法で使用する装置によれば、計量用ベルトコンベアの上方に空気力作用部材が配置されており、これが被計量物の上方を覆い、計量用ベルトコンベアで搬送中の被計量物に作用する空気力のうち、重量としての成分に対応(相殺)する空気力を受ける。また、この空気力作用部材は風防に覆われており、計量装置が設置されている室内に流れる空気(風)が空気力作用部材に当たるのを防止して所期の測定精度が維持できるようになっている。
【0003】
また、被測定物を搬送しながら重量を測定する重量測定機においては、例えば図8に示すような構成で重量測定を行なっている例がある。同図に示すように、この重量測定機100は、被測定物の搬送手段として第1ベルトコンベア101と、これに連続的に隣接して配置された第2ベルトコンベア102を有しており、第2ベルトコンベア102に重量測定手段103が設けられて搬送中の被測定物の重量を測定できるようになっている。第1ベルトコンベア101の本体であるフレームには、第2ベルトコンベア102の直前の位置に、被測定物を検出する検出手段104が設けられている。この検出手段104は、投光及び受光の機能を備えるセンサ104aと、センサ104aからの光を該センサ104aに反射する反射部材104bからなり、第2ベルトコンベア102に乗り移った被測定物の重量を重量測定手段103が測定するタイミング信号を得るために被測定物を検出することができる。以上の構成において、第1ベルトコンベア101で搬送されてきた被測定物は、検出手段104の光路を横切ることによって存在が検出され、検出手段104は検出信号を重量測定手段103に出力する。これによって、第2ベルトコンベア102に乗り移って適当な時間が経過した適当な測定タイミングにおいて、重量測定手段103が被測定物の重量測定を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−100489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明によれば、前述のように空気力作用部材を風防で覆うことによって測定精度の低下を防止しているが、この風防を使用した状態での測定が本計量装置における正規の測定状態であり、正規の測定状態で得られる計量値について所定の計量精度が保障されている。ところが、風防はベルトコンベアの清掃や調整のために着脱可能であり、これを外しても計量することも可能であるため、ユーザー側における何らかの理由で風防を外した状態で計量が行なわれてしまうと、得られた計量値については所定の計量精度が保障されないこととなってしまい、計量の目的が達成できなくなってしまう。例えば、計量の結果を利用して後段の工程において被計量物の重量選別を行なう場合、計量結果に所定の精度が保障されないことが判明した場合、この計量装置で計量した被計量品は工程から一旦排除して再度計量しなおしたり、出荷後の場合にあっては回収せざるを得ない。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、前述した風防のように着脱可能に設けられて所定の計量精度を保障するための測定精度保障手段を備えており、搬送しながら被測定物の重量を測定する重量測定機において、使用者側の意識に頼ることなく、常に測定精度保障手段による計量精度の保障が確保できるようにした重量測定機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された重量測定機1a,1b,1cは、
本体側に取り付けられて被測定物を搬送する搬送手段7,7a,7bと、
本体側に取り付けられて前記搬送手段7,7a,7bによって搬送されている被測定物の重量を測定する重量測定手段8と、
本体側に着脱可能に取り付けられ、前記重量測定手段8が被測定物の重量を測定する際に被測定物に加わる外乱を減少させて測定精度を高める測定精度改良手段9,15,20と、
投光及び受光の機能を備えるセンサ11と前記センサ11からの光を前記センサ11に反射する反射部材12からなり前記重量測定手段8が被測定物の重量を測定するタイミングを計るために被測定物を検出する検出手段10と、
を有する重量測定機1a,1b,1cにおいて、
前記センサ11が本体側に設けられ、前記反射部材12が前記測定精度改良手段9,15,20に設けられたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載された重量測定機1aは、請求項1記載の重量測定機1a,1b,1cにおいて、
前記測定精度改良手段9,15,20が、前記搬送手段7,7a,7bで搬送される被測定物を覆う風防9であることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載された重量測定機1bは、請求項1記載の重量測定機1a,1b,1cにおいて、
前記搬送手段7,7a,7bが、第1の搬送手段7aと、前記第1の搬送手段7aに隣接して配置され搬送中の被測定物の重量を前記重量測定手段8で測定する第2の搬送手段7bとを有しており、
前記測定精度改良手段9,15,20が、前記第1の搬送手段7aと前記第2の搬送手段7bの間に設置されて前記第1の搬送手段7aから前記第2の搬送手段7bに乗り移る被測定物を案内する渡し板15であることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載された重量測定機1cは、請求項1記載の重量測定機1a,1b,1cにおいて、
前記測定精度改良手段9,15,20が、前記搬送手段7,7a,7bに沿って配置されて前記搬送手段7,7a,7bに搬送される被測定物の移動を案内するガイド部材20であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された重量測定機によれば、測定時に被測定物に加わる外乱を測定精度改良手段が減少させるので、重量測定手段が被測定物の重量を測定する際の測定精度が改良される。また、仮に測定精度改良手段が取り外された場合には、測定精度改良手段と共に、測定精度改良手段に設けられた反射部材も装置の本体側から除去されることとなり、検出手段は機能しなくなって被測定物を検出できなくなるので、重量測定手段が被測定物の重量を測定するタイミングを計るための信号を得ることができなくなり、被測定物の重量は測定不能となる。よって、測定精度改良手段によって改良された高い測定精度が保障されない重量測定値が出力され、これが誤って使用されるというおそれがない。
【0012】
請求項2に記載された重量測定機によれば、請求項1記載の重量測定機において、前記測定精度改良手段が前記搬送手段を覆う風防であるため、測定時には被測定物に対する風の影響を減少させることによって高い測定精度が保障される。また、風防を取り外すと検出手段の反射部材が装置の本体側から除去されることとなり、重量測定機は測定不能となる。
【0013】
請求項3に記載された重量測定機によれば、請求項1記載の重量測定機における搬送手段は第1の搬送手段と重量測定用の第2の搬送手段の2つを有しているが、両搬送手段の間に測定精度改良手段としての渡し板が設けられているため、測定時に被測定物が第1の搬送手段から第2の搬送手段に乗り移る際に揺れ動くことがないので、高い測定精度が保障される。また、渡り板を取り外すと検出手段の反射部材が装置の本体側から除去されることとなり、重量測定機は測定不能となる。
【0014】
請求項4に記載された重量測定機によれば、請求項1記載の重量測定機において、前記測定精度改良手段が前記搬送手段に沿って配置されたガイド部材であるため、測定時には前記搬送手段で搬送される被測定物はガイド部材によって案内されるために揺れにくく、高い測定精度が保障される。また、ガイド部材を取り外すと検出手段の反射部材が装置の本体側から除去されることとなり、重量測定機は測定不能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る重量測定機の外観斜視図である。
【図2】(a)は第1実施形態の重量測定機を被測定物の搬送方向と平行な視線で見た図であって、風防を装着した正規の測定状態を示す模式的断面図、(b)は同じく風防を装着しない非正規の測定状態を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る重量測定機の外観斜視図である。
【図4】第2実施形態の重量測定機の要部拡大斜視図である。
【図5】第2実施形態の重量測定機の模式的正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る重量測定機の外観斜視図である。
【図7】第3実施形態の重量測定機の模式的平面図である。
【図8】(a)は従来の重量測定機の一例の構成を模式的に示す平面図であり、(b)は同正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態(図1及び図2)
本発明の第1実施形態に係る重量測定機1aについて説明する。
図1に示すように、重量測定機1aは、床面上に安定して設置するための脚2を備えた本体としてのフレーム3を有しており、フレーム3には測定部4と、測定部4を制御するとともに装置の操作や測定結果の表示等を行なう制御部5が設けられている。図1又は図2に示すように、フレーム3に設けられている測定部4は、筐体5と、筐体5内に設けられた搬送手段としてのベルトコンベア7と、筐体5内に設けられた重量測定手段8と、ベルトコンベア7を覆うように筐体5の上面側に設けられた測定精度改良手段としての風防9を有している。
【0017】
ベルトコンベア7と重量測定手段8の構成は図8を参照して説明したものと略同一であり、ベルトコンベア7には被測定物を導入・搬送する第1ベルトコンベア7aと、これに隣接して配置され、第1ベルトコンベア7aから被測定物を受け入れてさらに搬送する第2ベルトコンベア7bがある。第2ベルトコンベア7bには重量測定手段8が設けられており、搬送中の被測定物の重量を測定できる。そして、これら第1コンベア7aの後半部と、第2ベルトコンベア7bの略全体を前述した風防9が覆っている。図2(a)中に示すように、風防9は、入口となる前面側と出口となる後面側が開口した箱型蓋状の部材であり、被測定物の搬送方向と直交する断面での形状は下面が開口した略コ字形である。この風防9によって、少なくとも第1ベルトコンベア7aの末尾から第2ベルトコンベア7bに乗り移った後は、被測定物に風の影響が加わらないようになっており、重量測定手段8による重量測定の精度については所定のレベルが達成されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、この風防9は本体側(測定部4の筐体5)に対して着脱可能となっており、同図(a)に示す使用時には風防9を装着して重量測定を行い、同図(b)に示すベルトコンベア7の清掃等のメンテナンス時等には本体側から取り外すことができる。
【0019】
図2に示すように、搬送方向について第2ベルトコンベア7bの直前の位置には、被測定物を検出する検出手段10が設けられている。この位置は図8に示した検出手段104と同様の位置である。この検出手段10は、センサ11と反射部材としての反射ミラー12等からなり、第2ベルトコンベア7bに乗り移った被測定物の重量を重量測定手段8が測定するタイミングをとるために被測定物を検出する。
【0020】
なお、本実施形態では、センサ11は、被測定物を検出するための光を放出する投光素子と、反射してきた投光素子からの光を受けて信号を出力する受光素子とによって構成されている。また、反射ミラー12は、センサ11からの光をセンサ11に反射するように配置等が設定されている。
【0021】
本実施形態における検出手段10の取付構造は図8に示したものとは異なる。図2(a)乃至(b)に模式的に示すように、検出手段10のセンサ11は、本体側、例えば第1ベルトコンベア7aのフレーム、筐体5又は本体としてのフレーム3等に固定されて第1ベルトコンベア7aの一方側に配置されており、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って第1ベルトコンベア7aの他方側に光を照射するようになっている。このセンサ11には本体側からの図示しない配線が接続されている。また、検出手段10の反射ミラー12は風防9の内面にセンサ11に向けて取り付けられている。そして、前記センサ11から出た光は、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って反射ミラー12に当たり、ここで反射されてセンサ11に戻るようになっている。
【0022】
従って、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲に被検出物が存在しない場合は、センサ11から出た光は反射ミラー12で反射されてセンサ11で受光され、センサ11からは被検出物を検出しないことを意味する非検知信号が出力される。第1ベルトコンベア7a上の移動範囲に被検出物が存在する場合は、センサ11から出た光は被測定物に遮られて反射ミラー12で反射されないので、センサ11で受光されることがなく、センサ11からは被検出物を検出したことを意味する検知信号が出力される。
【0023】
以上の構成において、第1ベルトコンベア7aで搬送されてきた被測定物は、検出手段10の光路を横切ることによってその存在が検出され、センサ11は検出信号を重量測定手段8に出力する。これによって、第2ベルトコンベア7bに乗り移って適当な時間が経過した適当な測定タイミングで重量測定手段8が被測定物の重量測定を行なうことができる。
【0024】
本実施形態の重量測定機1aによれば、図2(a)に示すように測定時には被測定物に加わる風による影響を風防9が減少させるので、高い測定精度が保障される。また、図2(b)に示すように風防9を取り外すと検出手段10の反射部材である反射ミラー12が装置の本体側から除去されることとなり、センサ11からの光がセンサ11に戻ってこなくなるので、測定タイミングを計るための被測定物の検出信号が得られなくなるため、重量測定は不能となる。重量測定機1aが測定不能となった状況は、制御部5の表示部等によって外部に報知することができる。
【0025】
本実施形態の重量測定機1aによれば、ベルトコンベア7で搬送される被測定物を風防9で覆うことによって重量測定精度の低下を防止しているが、この風防9を使用した状態での測定が本装置における正規の測定状態であり、正規の測定状態で得られる計量値について所定の測定精度が保障されている。ところが、風防9は着脱可能であり、これを外して測定することも可能であるため、ユーザー側における何らかの理由で風防9を外した状態で測定が行なわれないとも限らない。しかし、検出手段10の配置について本発明の構成を採用しなかった場合に、そのように風防9を外して測定を行なえば、得られた測定値については所定の測定精度が保障されないこととなってしまい、重量測定の目的が達成できなくなってしまう。例えば、重量測定の結果を利用して後段の工程で被計量物の重量選別を行なう場合、重量測定結果に所定の精度が保障されなければ、測定結果を基準とした選別も無意味となり、この計量装置で計量した被計量品はNG品として工程から排除せざるを得ない。
【0026】
ところが、本実施形態の重量測定機1aによれば、上述したように風防9を取り外した状態で重量測定を実行しようとしても、測定に必須のタイミング信号を生成するための検出手段10が機能しないようになっているため、装置の制御部5は測定部4に測定を行なわせることができず、測定不能となり、精度が保障されない測定結果が出力されないこととなる。
【0027】
重量測定機において、測定が正規の状態で行なわれないような場合には、ベルトコンベアを停止したり、測定はするが後段の工程で当該非測定物を排除したり、測定を行い後段で排除もしないが当該非測定物は風防なしの非正規状態で測定されたものであることを記録に残す等の種々の対応方法が考えられる。しかし、ベルトコンベアを停止する方法では、工程が停止して作業の円滑な進行に多大な影響がある。測定して後段で排除する方法では、NGとなる測定に費やす時間が無駄となる。また、測定を行なってそのまま通過させ、NG品としての記録に残す方法では、NGとなる測定に費やす時間が無駄となり、不要な記録を残すコストも要することとなる。
【0028】
本実施形態では、風防9が取り去られて重量測定機1aが正規の測定状態にない場合には、測定タイミング信号を出力できないようにして重量測定を不能としているので、上述したような不都合がなく、非測定物はそのままベルトコンベア7で連続的に後段に搬送され、不必要な測定を行なう必要もなく、非正規の測定記録を残す必要もない。後段に運ばれた未測定の被測定品は、正規品と仕分けして再度工程の始点に運んで投入するだけで済む。
【0029】
2.第2実施形態(図3〜図5)
本発明の第2実施形態に係る重量測定機1bについて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成部分については、第1実施形態の説明を援用して本実施形態での再度の説明を適宜省略する。
図3に示すように、重量測定機1bは、フレーム3と、測定部4と、制御部5を有している。図3乃至図5に示すように、測定部4は、フレーム3に取り付けられた第1及び第2ベルトコンベア7a,7bと、第2ベルトコンベア7bに設けられた重量測定手段8を有している。
【0030】
図3乃至図5に示すように、測定部4には、第1ベルトコンベア7aと第2ベルトコンベア7bの間に測定精度改良手段としての渡し板15が設置されている。
円筒形のローラに無端ベルトを掛け回してなるコンベアの端部は、コンベア中央付近における無端ベルトの表面から見て低くなっており、第1ベルトコンベア7aと第2ベルトコンベア7bの間には間隔を設ける必要がある。従って、第1ベルトコンベア7aと第2ベルトコンベア7bの間には、段差及び空隙が生じている。これをそのままにしておけば、第1ベルトコンベア7aと第2ベルトコンベア7bの間を被測定物が安定して乗り移ることは難しく、物品の形状によっては転倒することも考えられるし、転倒せずに乗り移っても、乗り移ったショックで被測定物に生じた振動が継続すれば重量測定に支障が生じる。そこで、本実施形態では、第1ベルトコンベア7aと第2ベルトコンベア7bの間に、上記空隙を隠し、第1ベルトコンベア7aの搬送面と第2ベルトコンベア7bの搬送面をつなぐ渡し板15を設置した。この渡し板15は、細長い矩形の板であり、被測定物の搬送方向に直交する長手方向の長さはベルトの幅と略一致し、被測定物の搬送方向に平行な短手方向の長さは前述した両コンベアの段差乃至隙間を覆い隠す程度の長さに略一致する。渡し板15は、測定部4に取り付けられており、例えば第1ベルトコンベア7a又は第2ベルトコンベア7bのフレーム16に取り付けられている。
【0031】
本実施形態では、図4に示すように、検出手段10のセンサ11は、本体側、例えば第1ベルトコンベア7aのフレーム16や本体としてのフレーム3等に取付部材17を介して固定され、第1ベルトコンベア7aの一方側に配置されている。センサ11には、本体側からの図示しない配線が接続されており、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って第1ベルトコンベア7aの他方側に光を照射することができるとともに、反射された光を受光して被測定物が検出された場合には検出信号を出力することができる。また、検出手段10の反射部材である反射ミラー12は、渡し板15に取り付けられており、第1ベルトコンベア7aを間にしてセンサ11と反対側に配置されている。そして、前記センサ11から出た光は、第1ベルトコンベア7a上に被測定物がない場合には、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って反射ミラー12に当たり、ここで反射されてセンサ11に戻るようになっている。
【0032】
以上の構成において、第1ベルトコンベア7aで搬送されてきた被測定物は、センサ11の光路を横切ることによってその存在が検出され、センサ11は検出信号を測定タイミング信号として重量測定手段8に出力する。被測定物は渡し板15を経て第2ベルトコンベア7bに抵抗なく乗り移り、大きな振動を生じることなく第2ベルトコンベア7bで搬送されていく。第2ベルトコンベア7bに移ってから適当な時間が経過した適当な測定タイミングで重量測定手段8が被測定物の重量測定を行なう。
【0033】
本実施形態の重量測定機1bによれば、両ベルトコンベア7a,7bの間に測定精度改良手段としての渡し板15が設けられているため、測定時に被測定物が第1ベルトコンベア7aから第2ベルトコンベア7bに乗り移る際に揺れ動くことが少ないので、高い測定精度が保障される。また、渡し板15を取り外すと、検出手段10の反射部材である反射ミラー12が装置の本体側から除去されることとなり、重量測定機1bは測定不能となる。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
3.第3実施形態(図6及び図7)
本発明の第3実施形態に係る重量測定機1cについて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成部分については、第1実施形態の説明を援用して本実施形態での再度の説明を適宜省略する。
図6に示すように、重量測定機1cは、フレーム3と、測定部4と、制御部5を有している。図6又は図7に示すように、測定部4は、フレーム3に取り付けられた第1及び第2ベルトコンベア7a,7bと、第2ベルトコンベア7bに設けられた重量測定手段8を有している。
【0035】
図6又は図7に示すように、測定部4には、測定精度改良手段としてのガイド部材20が第1ベルトコンベア7aに設置されている。ガイド部材20は、第1ベルトコンベア7aの搬送面の上方に小さな隙間をおいて配置された一対のガイド板21,21から構成される。これら一対のガイド板21,21は、搬送方向に平行かつ搬送面に対して垂直な案内面21aをそれぞれ有するとともに、搬送方向と直交するベルトの幅方向についての各案内面21aの間隔が被測定物Wの幅に対応した所定の寸法となるように配置されている。
【0036】
すなわち、第1ベルトコンベア7aの上にある一対のガイド板21,21の各案内面21a,21aの前記間隔は、第1ベルトコンベア7aで搬送される被測定物Wの搬送方向に直交する幅方向の寸法よりも若干大きく設定されており、これら一対のガイド板21,21の各内面側が案内面21a,21aとなって搬送される被測定物Wを両側からガイドするようになっている。
【0037】
従って、第1ベルトコンベア7aで搬送される被測定物Wは、一対のガイド板21,21の案内面21a,21aの間で保持されながら移動するので、搬送中に転倒する恐れが少なく、また振動も起こしにくい。
【0038】
なお、ガイド部材20の一対のガイド板21,21は、第1ベルトコンベア7aに対して固定ねじ22によって取り付けられているので着脱可能であるとともに、詳細は図示しないが固定ねじ22が挿通する板側の孔を長孔とすることによって一対のガイド板21,21の間隔を適宜に調整して搬送すべき被測定物Wのサイズに対応することができる。
【0039】
本実施形態では、図6又は図7に示すように、検出手段10のセンサ11は、本体側、例えば第1ベルトコンベア7aのフレーム16や本体としてのフレーム3等に取付部材23を介して固定され、第1ベルトコンベア7aの一方側に配置されている。センサ11には、本体側からの図示しない配線が接続されており、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って第1ベルトコンベア7aの他方側に光を照射することができるとともに、反射された光を受光して被測定物が検出された場合には検出信号を出力することができる。また、検出手段10の反射部材である反射ミラー12は、第1ベルトコンベア7aの他方側に配置されているガイド部材20の一方のガイド板21に取り付けられている。そして、前記センサ11から出た光は、第1ベルトコンベア7a上に被測定物がない場合には、第1ベルトコンベア7a上にある被測定物の移動範囲を横切って反射ミラー12に当たり、ここで反射されてセンサ11に戻るようになっている。
【0040】
以上の構成において、第1ベルトコンベア7aで搬送されてきた被測定物は、ガイド部材20の一対のガイド板21,21によって幅方向を案内保持されながら転倒することなく安定して搬送される。そして、センサ11の光路を横切ることによってその存在が検出され、センサ11は検出信号を測定タイミング信号として重量測定手段8に出力する。被測定物はガイド部材20の保持作用により安定した状態で搬送されながら、第2ベルトコンベア7bに安定して乗り移り、大きな振動を生じることなく第2ベルトコンベア7bで搬送されていく。第2ベルトコンベア7bに移ってから適当な時間が経過した適当な測定タイミングで重量測定手段8が被測定物の重量測定を行なう。
【0041】
本実施形態の重量測定機1cによれば、第1ベルトコンベア7aの上に測定精度改良手段としてのガイド部材20が設けられているため、測定前に被測定物が第1ベルトコンベア7aで搬送されている段階から被測定物が安定し、第2ベルトコンベア7bに乗り移った後に揺れ動くことが少なくなるので、高い測定精度が保障される。また、ガイド部材20を取り外すと、検出手段10の反射部材である反射ミラー12が装置の本体側から除去されることとなり、重量測定機1cは測定不能となる。なお、本実施形態では、反射ミラー12をガイド部材20の一対のガイド板の一方のみに設け、これと対向する位置にセンサ11を設けて検出手段10を構成したが、変形例として、この検出手段10に加え、他方のガイド板にも別の反射ミラー12’を設け、この反射ミラー12’と対向する位置に他のセンサ11’を設け、これら反射ミラー12’とセンサ11’で対をなす第2の検出手段10’(いずれも図示せず)を備えるようにしてもよい。また、ガイド部材20は、一対のガイド板21、21を有する構成に限定されず、被測定物Wの安定した搬送が可能な状態を保障できるように設けられた単一のガイド板21により構成されるようにしてもよい。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
以上説明した各実施形態によれば、検出手段10の反射部材としては反射ミラー12を挙げたが、板状のミラーでなくとも、可撓性のシール状の反射部材であっても、センサ11からの光を反射する検出手段10の反射部材として使用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1,1a,1b…重量測定機
3…本体としてのフレーム
7…搬送手段としてのベルトコンベア
7a…搬送手段としての第1ベルトコンベア
7b…搬送手段としての第2ベルトコンベア
8…重量測定手段
9…測定精度改良手段としての風防
10…検出手段
11…センサ
12…反射部材としての反射ミラー
15…測定精度改良手段としての渡し板
16…コンベアのフレーム
20…測定精度改良手段としてのガイド部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体側に取り付けられて被測定物を搬送する搬送手段(7,7a,7b)と、
本体側に取り付けられて前記搬送手段によって搬送されている被測定物の重量を測定する重量測定手段(8)と、
本体側に着脱可能に取り付けられ、前記重量測定手段が被測定物の重量を測定する際に被測定物に加わる外乱を減少させて測定精度を高める測定精度改良手段(9,15,20)と、
投光及び受光の機能を備えるセンサ(11)と前記センサからの光を前記センサに反射する反射部材(12)からなり前記重量測定手段が被測定物の重量を測定するタイミングを計るために被測定物を検出する検出手段(10)と、
を有する重量測定機(1a,1b,1c)において、
前記センサが本体側に設けられ、前記反射部材が前記測定精度改良手段に設けられたことを特徴とする重量測定機(1a,1b,1c)。
【請求項2】
前記測定精度改良手段(9,15,20)が、前記搬送手段(7,7a,7b)で搬送される被測定物を覆う風防(9)であることを特徴とする請求項1記載の重量測定機(1a)。
【請求項3】
前記搬送手段(7)が、第1の搬送手段(7a)と、前記第1の搬送手段に隣接して配置され搬送中の被測定物の重量を前記重量測定手段で測定する第2の搬送手段(7b)とを有しており、
前記測定精度改良手段(9,15,20)が、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段の間に設置されて前記第1の搬送手段から前記第2の搬送手段に乗り移る被測定物を案内する渡し板(15)であることを特徴とする請求項1記載の重量測定機(1b)。
【請求項4】
前記測定精度改良手段(9,15,20)が、前記搬送手段(7,7a,7b)に沿って配置されて前記搬送手段に搬送される被測定物の移動を案内するガイド部材(20)であることを特徴とする請求項1記載の重量測定機(1c)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−180016(P2011−180016A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45428(P2010−45428)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)