説明

野菜の冷凍保存方法とこの方法で冷凍保存された野菜

【課題】
野菜、特に直ちに調理したり生食に供したり出来るように刻んだ刻み野菜や葉物野菜、のシャキシャキ感を失なうことなく冷凍保存する方法、及び、その方法で保存した野菜、特に直ちに調理したり生食に供したり出来るように刻んだ刻み野菜や葉物野菜
【解決手段】
多糖類の水溶液、特にトレハロース水溶液、に野菜、特に直ちに調理したり生食に供したり出来るように刻んだ刻み野菜や葉物野菜、を浸し、水を切り、袋に入れ、袋の空気を抜いて密封し、冷凍庫に入れて冷凍保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、特に、直ちに炒めるなど調理したり生食したり出来るように刻んだ野菜(「刻み野菜」)や葉物野菜を、冷凍保存する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、野菜を含め、ますます多くの食品が直ちに調理又は生食出来る状態の冷凍食品として販売されるようになり、また、家庭においても食品を冷凍保存することが多くなって来ている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、野菜を冷凍保存した場合、特に、刻み野菜や葉物野菜の場合、解凍したときに水分が失なわれ、シナっとし、シャキシャキした食感が失なわれるという問題がある。
【0004】
このため、冷凍保存した後解凍してもシャキシャキした食感が損なわれない冷凍保存方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る冷凍保存方法は、多糖類が保水力を有することから化粧品に保水剤として使用されていること、また、粘性を有することからアイスクリームなどの食品に増粘剤として使用されており人体に無害であること、かつ、ほんのりとした甘みを有することから野菜の味を損なわないこと、に着目し、多糖類を用いて野菜、特に、刻み野菜や葉物野菜をシャキシャキした食感を失なうことなく冷凍保存することを目的とする。
【0006】
すなわち、本発明は、冷凍保存しようとする野菜、特に、刻み野菜や葉物野菜を、多糖類の水溶液に浸した後袋に入れて冷凍庫に入れ冷凍保存することにより、解凍しても野菜の水分が失なわれることがなく、解凍して炒めたりして調理しても、また、生食に供しても、シャキシャキした食感を保つことができる。また、多糖類は人体に無害であり、かつ、ほんのりとした甘みを有するので、解凍して、水洗いして多糖類を除去することなく、そのまま調理したり生食したりしても、人体に無害であり、また、冷凍保存した後解凍した野菜、特に、刻み野菜や葉物野菜の味を損ねることがない。
【0007】
冷凍保存する場合において、野菜を入れた袋に空気が残っていると、空気が熱伝導率が悪いため、冷凍が妨げられるので、多糖類の水溶液に浸した野菜を袋に入れた際、手で押したり吸気したりして、袋の中の空気を除去することが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、冷凍保存した野菜、特に刻み野菜や葉物野菜を解凍したときに、水分が失なわれてシナっとすることなく、シャキシャキした食感を有したまま調理したり、生で食したりすることが出来ることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかる野菜の冷凍保存方法に関し実施の形態につて説明するが、この発明の実施の形態によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
市販の、刻んだキャベツ、モヤシ、及び、刻んだニンジン500g入り袋から刻んだキャベツ、モヤシ、及び、刻んだニンジンを取り出し、常温の水道水2リットルにトレハロース200gを溶融させた10%トレハロース水溶液に10分浸した。然る後、該刻んだキャベツ、モヤシ、及び、刻んだニンジンを該10%トレハロース水溶液から取り出し、水を切り、ビニールの袋に入れ、手で押して該袋から空気を排出し、該袋を密封して、冷凍庫に入れ、−30℃で15分間冷凍した後、該刻んだキャベツ、モヤシ、及び、刻んだニンジンを袋から取り出し、250gずつに分け、250gの片方をフライパンで油で炒め、250gのもう一方を鉄製の中華鍋で素炒めしたが、いずれも冷凍保存した該刻んだキャベツ、モヤシ、及び、刻んだニンジンのシャキシャキした食感が保存されていた。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、野菜、とりわけ刻み野菜及び葉物野菜の冷凍保存方法であり、該冷凍保存方法により冷凍保存した野菜、とりわけ刻み野菜及び葉物野菜であり、冷凍食品の製造販売への利用の可能性がある。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜を多糖類の水溶液に浸した後冷凍保存することを特徴とする、野菜の冷凍保存方法
【請求項2】
請求項1記載の方法で冷凍保存した野菜
【請求項3】
野菜が直ちに調理又は生食出来るように刻んだ刻み野菜であることを特徴とする、請求項1記載の野菜の冷凍保存方法
【請求項4】
請求項1記載の方法で冷凍保存した直ちに調理又は生食出来るように刻んだ刻み野菜
【請求項5】
多糖類がトレハロースであることを特徴とする、請求項1記載の野菜の冷凍保存方法
【請求項6】
野菜が直ちに調理又は生食出来るように刻んだ刻み野菜であることを特徴とする、請求項5記載の野菜の冷凍保存方法
【請求項7】
請求項5記載の方法で冷凍保存した野菜
【請求項8】
請求項5記載の方法で冷凍保存した直ちに調理又は生食出来るように刻んだ刻み野菜


【公開番号】特開2009−278931(P2009−278931A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135306(P2008−135306)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(300062832)
【Fターム(参考)】