野菜収穫機
【課題】高畝栽培による根菜類の収穫に際して、周回履帯の側方脱落を招くことなく、畝溝による機体の左右傾斜を抑えて安定した収穫作業走行を可能とする根集類収穫機を提供する。
【解決手段】根菜類収穫機は、列設された複数の支持転輪3〜6にその側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法Wを有する周回履帯9を巻回して構成する無限軌道式の走行装置1と、該走行装置1により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置Pとを備える根菜類収穫機において、前記走行装置1に支持転輪3〜6の側端よりも機体外側に前外側補助輪11を設け、該前外側補助輪11は前外側補助輪11と走行装置1の前側で周回履帯9を圃場に接地させる支持転輪3との距離L1が前外側補助輪11と支持転輪3の後方に隣接する支持転輪4との距離L2よりも短くなる位置に配置したものである。
【解決手段】根菜類収穫機は、列設された複数の支持転輪3〜6にその側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法Wを有する周回履帯9を巻回して構成する無限軌道式の走行装置1と、該走行装置1により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置Pとを備える根菜類収穫機において、前記走行装置1に支持転輪3〜6の側端よりも機体外側に前外側補助輪11を設け、該前外側補助輪11は前外側補助輪11と走行装置1の前側で周回履帯9を圃場に接地させる支持転輪3との距離L1が前外側補助輪11と支持転輪3の後方に隣接する支持転輪4との距離L2よりも短くなる位置に配置したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周回履帯による無限軌道式の左右の走行装置と圃場から作物を収穫する引抜搬送装置とを備える根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無限軌道式の左右の走行装置と引抜搬送装置とを備える根菜類収穫機が知られている。この根菜類収穫機の左右の走行装置は、例えば、特許文献1に示すように、機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪によりその側端外方に及ぶ幅寸法を有する周回履帯を介して機体を支持する。
【0003】
上記根菜類収穫機は、引抜搬送装置側の走行装置が、引抜搬送装置が作物を引き抜いた後方でその支持転輪により周回履帯を介して機体を走行支持し.他側の走行装置が、前回の走行で収穫済みの畝上に機体を走行支持し、これら左右の走行装置の前進動作と協調して引抜搬送装置が圃場から根菜類を引き抜きつつ機体後部に送ることにより収穫走行をすることができる。
【0004】
また、走行装置の支持転輪は、その幅方向長さを畝溝の幅より狭い所定の長さ範囲に規制することにより、畝条と畝溝の起伏を有する圃場において、周回履帯の中心から離れた位置で走行支持した場合の周回履帯の横ずれによる側方脱落を防止することができる。
【特許文献1】特開2005−192426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ニンジン等の高畝圃場における根菜類の収穫に際しては、走行装置の支持転輪が畝条から外れて畝溝に落ち込み、機体が車幅方向に大きく傾斜することから、収穫走行が不安定となるという問題があった。
【0006】
本発明は、ニンジン等の高畝栽培による根菜類の収穫に際して、周回履帯の側方脱落を招くことなく、畝溝による機体の左右傾斜を抑えて安定した収穫作業走行を可能とする根集類収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪(3〜6)に、該支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法(W)を有する周回履帯(9)を巻回して構成する無限軌道式の走行装置(1)と、該走行装置(1)により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置(P)とを備える根菜類収穫機において、前記走行装置(1)に支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に前外側補助輪(11)を設け、該前外側補助輪(11)は前外側補助輪(11)と走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)との距離(L1)が前外側補助輪(11)と支持転輪(3)の後方に隣接する支持転輪(4)との距離(L2)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする根菜類収穫機とした。
【0008】
前記根菜類収穫機は、支持転輪(3〜6)の回転により地面に接地する幅広の周回履帯(9)が移動する走行装置(1)により走行するものであり、この支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側方に配置した前外側補助輪(11)が作業中の畝条の端部に接触する場合あるいは隣接の畝条の端部に接触する場合、前外側補助輪(11)が周回履帯(9)に接触して押圧するので、周回履帯(9)の端部が作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触して機体を支持することができる。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)が周回履帯(9)を後方に送ると共に、周回履帯(9)が横ずれし始める前に前外側補助輪(11)が周回履帯(9)を後方に送るため、周回履帯(9)の脱落を防止することができる。
【0009】
請求項2の発明は、前記走行装置(1)は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に後外側補助輪(12)を設け、該後外側補助輪(12)は後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)との距離(L3)が後外側補助輪(12)と支持転輪(6)の前方に隣接する支持転輪(5)との距離(L4)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
前記根菜類収穫機は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側方に配置した後外側補助輪(12)が作業中の畝条の端部に接触する場合あるいは隣接の畝条の端部に接触する場合、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)に接触して押圧するので、周回履帯(9)の端部が作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触して機体を支持することができる。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)を後方に送ると共に、周回履帯(9)が横ずれし始める前に走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)が周回履帯(9)を後方に送るため、周回履帯(9)の脱落を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、前外側補助輪(11)が支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に配置されていることにより、走行装置(1)の支持転輪(3〜6)が畝溝上を通過する場合でも、前外側補助輪(11)が周回履帯(9)の端部を作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触させて機体を支持することができるので、機体が畝溝方向に傾くことが無く、機体の走行や根菜類の引抜作業が安定する。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、周回履帯(9)が横ずれし始める前に走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)と前外側補助輪(11)とが周回履帯(9)を後方に移送するため、周回履帯(9)の脱落を防止することができるので、作業が中断されることが防止されると共に、周回履帯(9)の脱落による機体の横転等の事故を防止でき、安全性が向上する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加え、後外側補助輪(12)が支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に配置されていることにより、走行装置(1)の支持転輪(3〜6)が畝溝上を通過する場合でも、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)の端部を作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触させて機体を支持することができるので、機体が畝溝方向に傾くことが無く、機体の走行や根菜類の引抜作業が安定する。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、周回履帯(9)が横ずれし始める前に後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)とが周回履帯(9)を後方に移送するため、周回履帯(9)の脱落を防止することができるので、作業が中断されることが防止されると共に、周回履帯(9)の脱落による機体の横転等の事故を防止でき、安全性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の構成例に係る野菜収穫機は、機体を走行させる無限軌道式の左右の走行装置1と、機体の左右一側に搭載した引抜搬送装置Pとを備えて構成され、該引抜搬送装置Pが圃場に植生する根菜類を引き抜き、機体後部へ搬送するものである、
【0013】
(走行装置)
上記走行装置1は、詳細には、その左側面図および要部平面図を図1、図2に夫々示すように、機体フレーム2の前後方向に並ぶ複数軸(図例は4軸)の支持転輪3〜6とミッション軸から動力を受ける駆動ホイール7をクローラフレーム8に軸支し、これら支持転輪3〜6および駆動ホイール7を周回履帯9によって巻回する。
この周回履帯9は肉厚のゴム材に芯金を埋め込んで駆動ホイール7と咬み合うように駆動構成され、支持転輪3〜6の側端の外側方に及ぶ所定の幅寸法Wに形成する。
【0014】
上記支持転輪3〜6の外側位置には、前端の第1支持転輪3から後端の第4支持転輪6までの間の範囲で周回履帯9の幅W内に前後外側補助輪11,12を設け、これら前後外側補助輪11,12を支持する補助フレーム13を同様に周回履帯9の幅内に構成する。前側の外側補助輪11は、前端位置の第1支持転輪3の近傍、すなわち、支持接地位置について第1支持転輪3の接地位置までの距離L1がその隣接支持転輪4の崖地位置までの距離L2以下の範囲に、また、後側の外側補助輪12は、後端位置の第4支持転輪6の近傍、すなわち第4支持転輪6の接地位置までの距離L3がその隣接支持転輪5の設置位置までの距離L4以下の範囲に配置する。
【0015】
上記前後外側補助輪11,12は、平坦面で周回履帯9の接地面内側に接触しないように、支持転輪3〜6よりも僅かに高い位置に配置する。また、周回履帯9が撓んだ際の損傷を防止するべく、前後外側補助輪11,12の踏面外側端はテーパ形状に形成してもよい。また、補助フレーム13を周回履帯9が撓んで接触しないように前後外側補助輪11,12の軸位置より高く配置する。
【0016】
上記構成の走行装置1は、支持転輪3〜6より外側位置に前後外側補助輪11,12が周回履帯9の接地面内側に接触することなく配置されていることにより、支持転輪3〜6が畝溝上を走行する際、前後外側補助輪11,12が作業中の畝条の端部、あるいは隣接の畝条の端部に周回履帯9を押圧して接地させるので、機体が畝溝方向に傾くことが防止され、機体の走行姿勢や根菜類の引抜作業姿勢が安定し、作業能率や安全性が向上する。
【0017】
また、周回履帯9が撓んでも、後述のように周回履帯9が横ずれし始める前に第1支持転輪3と前外側補助輪11及び第4支持転輪6と後外側補助輪12とが周回履帯9を後方に移動させるため、そのまま走行を続けても周回履帯9の側方脱落が防止され、且つ補助フレーム13を高位置に構成していることにより、周回履帯9が補助フレーム13に接触することによる損傷や後触制動に伴う根菜類の引き抜きタイミングのずれを防止することができるので、機体の走行姿勢や引抜作業姿勢が安定する。そして、周回履帯9の幅内に前後外側補助輪11,12および補助フレーム13を構成することにより、未堀り側の作物との接触による根菜類の損傷を防止することができ、作物の商品価値が向上する。
【0018】
前記前外側補助輪11と第1支持転輪3とを所定距離L1に配置することにより、周回履帯9が横ずれして外れることを防止することができる。すなわち、第1支持転輪3は周回履帯9を下に向かって引っ張られていることから、その張力の分力により周回履帯9が横ずれして外れることが防止される。また、前外側補助輪11は通常走行時には必要ないため、周回履帯9の接地面内側より僅かに上方に取付けることにより、前外側補助輪11と補助フレーム13にかかる負担を減らすことができるとともに、通常走行時は周回履帯9と非接触であるため、周回履帯9の摩耗を軽減することができ、機体の耐久性が向上する。
また、前外側補助輪11が周回履帯9と接触していないことにより、前外側補助輪11の取付け及び取外しが容易となり、機体のメンテナンス性が向上する。
【0019】
また、前記後外側補助輪12と第4支持転輪6とを所定距離L3に配置することにより、周回履帯9が横ずれして外れることを防止することができる。すなわち、第4支持転輪6は、テンションスプロケットとして他の支持転輪より周回履帯9の巻き付け角度が180°程度あることから、周回履帯9が横ずれする前に周回履帯9を上方に移送するため、周回履帯9が外れることが防止される。この後外側補助輪12は通常走行には必要ないため、周回履帯9の接地面内側より僅かに上方に取付けることにより、後外側補助輪12と補助フレーム13に対する負担を減らすことができるとともに、通常走行時は周回履帯9と非接触であるため、周回履帯9の摩耗を軽減することができ、機体の耐久性が向上する。
また、後外側補助輪12が周回履帯9と接触していないことにより、前外側補助輪11の取付け及び取外しが容易となり、機体のメンテナンス性が向上する。
【別構成例】
【0020】
上記の別構成例としての走行装置は、図3a、3bに示すように、前記外側補助輪11に代えて、第1支持転輪3と第2支持転輪4との外側方に延長転輪3a,4aを夫々装着する。これら延長転輪3a,4aを設けたことによって、第1支持転輪3及び第2支持転輪4と転輪周回履帯9の中心との間の空間部が埋められるので、走行装置1が土塊や石等に乗り上げるなどして周回履帯9が撓んでも、延長転輪3a,4aが周回履帯9を押圧するので、周回履帯9が外れることが防止できる。また、走行装置1が周回履帯9が圃場の起伏等を乗り越えるために若干撓むことのできる構成としているため、第3支持転輪5よりも機体前側にガイドを設けられないので、第3支持転輪5に延長転輪を設けることは困難である。そのため、後外側補助輪12を第4支持転輪6との距離がL3となる位置に設けることによって、周回履帯9が土塊や石等によって撓んで横ずれする前に、後外側補助輪12と第4支持転輪とが周回履帯9を後方に移送するので周回履帯9が脱落することを防止でき、機体の走行姿勢や作業姿勢が安定するので、作業能率や安全性が向上する。
【0021】
(フレーム)
次に、走行装置の補助フレーム13は、その要部平面図(a)、側面図(b)を図4に、図4(b)のC矢視図を図5に夫々示すように、荷重による圧縮は前後連結アーム21,22により受け、荷重による曲げは前後のステー23、24によって受けるように構成する。上記のように補助フレーム13を構成することにより、機体荷重に耐えることができる。
また、前連結アーム21は機体フレーム2の角パイプ25に差込式とすること1:よって取付け及び取外しが容易となり、メンテナンス性が向上する。また、前後連結アーム21,22は、隣接条の根菜類の茎等に接触しないように下部を機体内側方向に傾斜させて構成し、さらに、全体を左右にスライド可能に構成することで、幅の異なる周回履帯9にも対応することができる。
【0022】
(転輪延長構成)
次に、走行装置1の別の構成例として、図6a、6bに示すように、機体の
未掘り側、通常は機体の進行方向左側に配置の引抜搬送装置Pの側について、第1〜第3の支持転輪3,4,5の外側方に外側延長部3a,4a,5aを延長形成し、これら第1〜第3の支持転輪3,4,5は、受ける荷重を低減するために、キャリアと反対側に取付ける。
また、外側延長部3a、4a,5aは、通常の走行時は周回履帯9と接触せず、曲げモーメントの増加に伴うシャフトヘの負担を低減するために、その径が支持転輪3〜5の径より小さく形成する。
【0023】
(別構成例)
次に、走行装置の別の構成例の側面図および平面図を図7、図8にそれぞれ示す。走行装置1と隣接条のニンジンとの接触を防止するために、前後外側補助輪11,12を支持する補助フレーム13を周回履帯9の幅内に設ける。また、周回履帯9の撓みによっても接触しないように、前後外側補助輪11,12の中間部13bを上に逃がして高く配置する。
【0024】
(補助輪支持例)
次に、前後外側補助輪11,12は、別例の平面図を図9に示すように、その補助フレーム13の前後位置に左右の支持プレート13c,13cによって両持ち支持に構成する。前後支持転輪11,12を上記構造とすることにより、片持ち支持による捻り剛性を要しないので、補助フレーム13の厚さ寸法を小さくすることができ、前後外側補助輪11,12の幅を大きくすることができる。
また、前部の前外側補助輪11の前方に支持プレート13cの延長部13dを設けてシャフトに茎等が巻き付くのを防止し、後外側補助輪12は、茎等が絡みつこうとした場合の抜けをよくするために、支持プレート13cの長さはシャフト端までとする。
【0025】
(延長部構成例)
次に、第4支持転輪6については、図10a、10bに示すように、第1支持転輪3の外側延長部3aと共に、外側延長部6aを形成する。
第4支持転輪6はテンションローラとして他の支持転輪より周回履帯9の巻き付け角度が180°近くあることから、周回履帯9が外れることが防止される。また、第1支持転輪3はその前方で周回履帯9が上方に向かって引っ張られていることから、その張力の分力により周回履帯9が外れることが防止される。
【0026】
したがって、前後の外側延長部3a,6aの存在によっても周回履帯9が外れることを防止できるのみならず、圃場状態などによる機体の前後傾斜を抑えることができる。また、外側延長部6aの基部位置には周回履帯9の芯金9aを案内するように溝部6bを形成することにより、さらに周回履帯9が外れることを防止することができる。
【0027】
(排土板)
既刈り側の機体前方には、図11の機体要部の平面図(a)および側面図(b)に示すように、ゲージ輪31で支持されて圃場の土を内側に向けて寄せる排土板32を配置する。ゲージ輪31の支持アーム31aと排土板32の支持アーム32aはスライド構造によって長さ調節可能に構成し、その取付部33aを機体から延びる支持フレーム33に対して回動可能に支持することにより、ゲージ輪31によって畝に追従可能に構成する。
【0028】
上記排土板32により、その正面視の作用説明図を図12に示す。畝土A1を内側に向けて寄せ、中割り走行の際にまだ植えてある側に土が寄るのを防ぐとともに、2条目の作業を行う際にも排土板32を使用することで、畝土A1,A2を内側に向けて寄せて畝の間の溝Bを埋め、3条目以降で周回履帯9Rが畝間Bに入った際に、機体が右傾するのを抑えることができる。
【0029】
また、一方の周回履帯9Lが軌条U1の端Dに位置する時に、上記排土板32により隣接畝U2の上に位置する周回履帯9Rの前方を排土板32によって掘り下げ溝Eを作り、その周回履帯9Rを溝Eに落とすことで機体が畝U1側に傾くのを防止できる。掘り下げ溝Eの幅は、周回履帯9Rの接地幅Cが反対側の周回履帯9Lが接地している畝端幅Dと同程度とすることによって、機体の左右方向の水平を保つことができる。
【0030】
(伝動系)
次に、伝動系について、図13〜図16において説明する。
油圧変速機構(HST)45のベベルギア46に駆動軸47を軸着し、該駆動軸47の他端を引抜搬送装置Pの搬送ベルト44やカッタ43に駆動力を伝達するベベルギア48に軸着する。また、前記駆動軸47に第1スプロケット49を装着し、クリーンコンベア41aにクリーンコンベア駆動スプロケット50を装着すると共に、第1スプロケット49とクリーンコンベア駆動スプロケット50との間に第1チェーン51を無端状に巻き掛ける。そして、クリーンコンベア駆動スプロケット50に軸52を装着し、該軸52に第2スプロケット53を装着し、くみ上げコンベア41bに連結軸56を介してくみ上げコンベア駆動スプロケット54を装着すると共に、第2スプロケット53とくみ上げコンベア駆動スプロケット54との間に第2チェーン55を無端状に巻き掛けて、クリーンコンベア41aとくみ上げコンベア41bとを引抜搬送フレーム42に連結させる連結ユニット57を構成する。
【0031】
上記構成により、クリーンコンベア41aとくみ上げコンベア41bとの伝動を油圧変速機構45の伝動軸47と兼用することができ、図16に示す従来の伝動系統よりも簡易に伝動系統を構成することができる。また、油圧変速機構45の駆動軸47から連結ユニット57が駆動力を受けることによって、引抜搬送装置Pのベルト44とクリーンコンベア41aとの作業速度を連動させることが出来るので、クリーンコンベア41aに根菜類が停滞し、落下してくる根菜類とぶつかって傷付くことを防止できる。
【0032】
さらに、連結ユニット57が引抜搬送フレーム42と連結されていることによって、引抜搬送装置Pの作業高さを変更すると、クリーンコンベア41aも連動して傾斜するため、カッタ43とクリーンコンベア41aとの距離が変わらず、落下の衝撃で根菜類が傷付くことを防止することができる。
【0033】
図面に示した根菜類収穫機は、機体を自走させる走行装置1と、搭乗した操縦者によって操作される操作具を配置した操縦部と、圃場に植生する根菜類の茎葉部を挟持して後側斜め上方に搬送して引抜き収穫する収穫部Pと、収穫物を収容する容器を設置可能とする収容部と、前記収穫部Pから収穫物を受け取って前記収容部に搬送する搬送部と、収穫物を収容した容器を複数体載置可能とする収穫物載置部とを設けた構成としている。また、前記走行装置1は駆動回転する左右一対のクローラ9L,9Rを備え、前記収穫部Pは機体の左右一方側に配置し、前記収穫物載置部は機体の左右他方側に配置し且つ該収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの左右外端部より収穫物載置部の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置している。そして、前記収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動可能に設けている。
【0034】
根菜類収穫機を作業走行させて畝の上面に成育している根菜類を収穫するとき、収穫部Pを配置した側のクローラ9Lは畝の上面を走行し、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rは畝間の溝を走行して、収穫物載置部を配置した側が低くなるように機体が左右に傾斜する状態となる場合がある。このとき、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rが走行する溝が深いと、そのクローラ9Rの左右外端部より左右方向外側に位置する収穫物載置部の左右外端部が隣接する畝上面に接地してしまうことがある。しかしながら、この根菜類収穫機は、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動させることで、収穫物載置部の左右外端部を上昇させて隣接する畝上面への接地を回避することが可能となる。従って、収穫物載置部の左右外端部が地面に接地することによって機体の進行方向が左右にずれて収穫部Pが根菜類の茎葉部を確実に挟持し難くなるのを回避できて、適確な収穫作業が行なえるようになる。また、収穫作業開始時において収穫作業する畝に隣接する畝の根菜類が未だ収穫されていない状態で収穫作業を行なう場合があるが、このような場合、上記のように機体が左右に傾いて収穫物載置部の左右外端部が隣接する畝の根菜類の茎葉部を引っかけたり押し倒したりして、その畝の根菜類の収穫作業を適確に行い難くすることがある。しかし、この根菜類収穫機は、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動させることで、収穫物載置部の左右外端部を上昇させて隣接する畝の根菜類の茎葉部を引っかけたり押し倒したりしないようにできる。
【0035】
走行装置1は、駆動回転する左右一対のクローラ9L,9Rにより構成している。このクローラ9L,9Rの駆動機構は、まず、操縦部の操縦座席の下側に配置したエンジンの動力が、機体前部の低位置に設けたミッションに伝動し、該ミッションから左右両側に延出させた走行駆動軸が駆動回転し、この走行駆動軸の左右両外端部に取り付けた駆動スプロケット7,7が駆動回転して左右のクローラ9L,9Rが駆動される構成となっている。クローラ9L,9Rは、駆動スプロケット7,7と機体後部側の転動輪6,6、そして、その転動輪6,6と駆動スプロケット7,7との間に取り付けた転輪4,5;4,5の周りに巻き掛けて取り付けている。
【0036】
収穫部Pを配置している側(左側)のクローラ9Lについては、その転動輪6と転輪4,5を、機体(機体フレーム2)に設けた前側支持フレームと後側支持フレームとに固着された左側転輪支持フレームに回転自在に取付けている。従って、収穫部Pを配置している側(左側)のクローラ9Lの下面である接地部は機体に対して上下動操作不能となっている。
【0037】
収穫物載置部を配置した側(右側)のクローラ9Rについては以下のように構成している。まず、機体(機体フレーム2)に設けた前側支持フレームと後側支持フレームとにそれぞれ軸心が横方向のスイング軸を設け、該前後のスイング軸に上方と後方にアーム部がのびるスイングアームを回動自在に取付け、該スイングアームの上方にのびるアーム部の先端部を連結ロッドの前後端部に横軸回り回転自在に連結し、スイングアームの後方にのびるアーム部の先端部を右側転輪支持フレームに横軸回り回転自在に取付けている。そして、右側転輪支持フレームに転動輪6と転輪4,5を回転自在に取付けている。また、後側のスイングアームの上方にのびるアーム部の先端部には、更に、シリンダ基部を機体(機体フレーム2)の後部側に横軸回り回動自在に取付けた油圧シリンダのピストンロッド先端部を連結している。従って、油圧シリンダが作動してそのピストンロッドが機体前後方向に移動すると、前後のスイングアームがスイング軸回りに回動して右側転輪支持フレームが上下動するとともに転動輪6と転輪4,5が上下動して、収穫物載置部を配置した側(右側)のクローラ9Rの下面である接地部は機体に対して上下動操作可能となっている。なお、後側支持フレームのスイング軸には、クローラ9Rの上側の内側面に転動可能に接する転輪を回転自在に設けている。
【0038】
クローラ9L,9Rの内側面の左右中央側に転動輪6の外周部が左右にずれないよう転動輪6の外周部の左右両側部を挟むように突出する左右の突起が形成されている。また、この左右の突起の間に入り込んでクローラを案内する棒状のガイド部材がクローラ下側の内面側に接するように転輪支持フレームに取付けている。このガイド部材の転動輪6,6に近接する後端部の上側は、後下がり傾斜面を形成して転動輪6,6とクローラの間にできるだけ入り込むように設けていて、ガイド部材の下面側ガイド作用部ができるだけ長く形成されるようにし、クローラの外れ防止効果を向上させている。なお、クローラの外周面には、横方向にのびるラグをクローラ回転方向一定間隔ごとに形成している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】走行装置の左側面図である。
【図2】図1の走行装置の平面断面図である。
【図3】別構成例の走行装置の正面図(a)を伴う平面図(b)である、
【図4】走行装置の要部平面図(a)および側面図(b)である。
【図5】図4(b)におけるC矢視図である。
【図6】走行装置の別の構成例の正面図(a)を伴う平面図(b)である。
【図7】走行装置の別の構成例の側面図である。
【図8】図7の走行装置の平面図である。
【図9】外側補助輪の別構成例の平面図である。
【図10】別例についての正面図(a)を伴う平面図(b)である。
【図11】機体要部の平面図(a)および側面図(b)である。
【図12】正面視の作用説明図である。
【図13】野菜収穫機の側面図である。
【図14】野菜収穫機の背面図である。
【図15】本件の伝動系統図である。
【図16】従来の伝動系統図である。
【符号の説明】
【0040】
1 走行装置
3 第1支持転輪
3a 外側延長部
4,5 中間支持転輪
6 第4支持転輪
6a 外側延長部
7 駆動ホイール
8 クローラフレーム
9 周回履帯
11 前外側補助輪
12 後外側補助輪
13 補助フレーム
13b 中間部
B 畝問
L1〜L4 距離
P 引抜搬送装置
W 幅寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、周回履帯による無限軌道式の左右の走行装置と圃場から作物を収穫する引抜搬送装置とを備える根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無限軌道式の左右の走行装置と引抜搬送装置とを備える根菜類収穫機が知られている。この根菜類収穫機の左右の走行装置は、例えば、特許文献1に示すように、機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪によりその側端外方に及ぶ幅寸法を有する周回履帯を介して機体を支持する。
【0003】
上記根菜類収穫機は、引抜搬送装置側の走行装置が、引抜搬送装置が作物を引き抜いた後方でその支持転輪により周回履帯を介して機体を走行支持し.他側の走行装置が、前回の走行で収穫済みの畝上に機体を走行支持し、これら左右の走行装置の前進動作と協調して引抜搬送装置が圃場から根菜類を引き抜きつつ機体後部に送ることにより収穫走行をすることができる。
【0004】
また、走行装置の支持転輪は、その幅方向長さを畝溝の幅より狭い所定の長さ範囲に規制することにより、畝条と畝溝の起伏を有する圃場において、周回履帯の中心から離れた位置で走行支持した場合の周回履帯の横ずれによる側方脱落を防止することができる。
【特許文献1】特開2005−192426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ニンジン等の高畝圃場における根菜類の収穫に際しては、走行装置の支持転輪が畝条から外れて畝溝に落ち込み、機体が車幅方向に大きく傾斜することから、収穫走行が不安定となるという問題があった。
【0006】
本発明は、ニンジン等の高畝栽培による根菜類の収穫に際して、周回履帯の側方脱落を招くことなく、畝溝による機体の左右傾斜を抑えて安定した収穫作業走行を可能とする根集類収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪(3〜6)に、該支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法(W)を有する周回履帯(9)を巻回して構成する無限軌道式の走行装置(1)と、該走行装置(1)により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置(P)とを備える根菜類収穫機において、前記走行装置(1)に支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に前外側補助輪(11)を設け、該前外側補助輪(11)は前外側補助輪(11)と走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)との距離(L1)が前外側補助輪(11)と支持転輪(3)の後方に隣接する支持転輪(4)との距離(L2)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする根菜類収穫機とした。
【0008】
前記根菜類収穫機は、支持転輪(3〜6)の回転により地面に接地する幅広の周回履帯(9)が移動する走行装置(1)により走行するものであり、この支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側方に配置した前外側補助輪(11)が作業中の畝条の端部に接触する場合あるいは隣接の畝条の端部に接触する場合、前外側補助輪(11)が周回履帯(9)に接触して押圧するので、周回履帯(9)の端部が作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触して機体を支持することができる。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)が周回履帯(9)を後方に送ると共に、周回履帯(9)が横ずれし始める前に前外側補助輪(11)が周回履帯(9)を後方に送るため、周回履帯(9)の脱落を防止することができる。
【0009】
請求項2の発明は、前記走行装置(1)は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に後外側補助輪(12)を設け、該後外側補助輪(12)は後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)との距離(L3)が後外側補助輪(12)と支持転輪(6)の前方に隣接する支持転輪(5)との距離(L4)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
前記根菜類収穫機は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側方に配置した後外側補助輪(12)が作業中の畝条の端部に接触する場合あるいは隣接の畝条の端部に接触する場合、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)に接触して押圧するので、周回履帯(9)の端部が作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触して機体を支持することができる。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)を後方に送ると共に、周回履帯(9)が横ずれし始める前に走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)が周回履帯(9)を後方に送るため、周回履帯(9)の脱落を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、前外側補助輪(11)が支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に配置されていることにより、走行装置(1)の支持転輪(3〜6)が畝溝上を通過する場合でも、前外側補助輪(11)が周回履帯(9)の端部を作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触させて機体を支持することができるので、機体が畝溝方向に傾くことが無く、機体の走行や根菜類の引抜作業が安定する。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、周回履帯(9)が横ずれし始める前に走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)と前外側補助輪(11)とが周回履帯(9)を後方に移送するため、周回履帯(9)の脱落を防止することができるので、作業が中断されることが防止されると共に、周回履帯(9)の脱落による機体の横転等の事故を防止でき、安全性が向上する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加え、後外側補助輪(12)が支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に配置されていることにより、走行装置(1)の支持転輪(3〜6)が畝溝上を通過する場合でも、後外側補助輪(12)が周回履帯(9)の端部を作業中の畝条の端部あるいは隣接の畝条の端部に接触させて機体を支持することができるので、機体が畝溝方向に傾くことが無く、機体の走行や根菜類の引抜作業が安定する。
また、圃場の起伏や石等により周回履帯(9)が撓んでも、周回履帯(9)が横ずれし始める前に後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)とが周回履帯(9)を後方に移送するため、周回履帯(9)の脱落を防止することができるので、作業が中断されることが防止されると共に、周回履帯(9)の脱落による機体の横転等の事故を防止でき、安全性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の構成例に係る野菜収穫機は、機体を走行させる無限軌道式の左右の走行装置1と、機体の左右一側に搭載した引抜搬送装置Pとを備えて構成され、該引抜搬送装置Pが圃場に植生する根菜類を引き抜き、機体後部へ搬送するものである、
【0013】
(走行装置)
上記走行装置1は、詳細には、その左側面図および要部平面図を図1、図2に夫々示すように、機体フレーム2の前後方向に並ぶ複数軸(図例は4軸)の支持転輪3〜6とミッション軸から動力を受ける駆動ホイール7をクローラフレーム8に軸支し、これら支持転輪3〜6および駆動ホイール7を周回履帯9によって巻回する。
この周回履帯9は肉厚のゴム材に芯金を埋め込んで駆動ホイール7と咬み合うように駆動構成され、支持転輪3〜6の側端の外側方に及ぶ所定の幅寸法Wに形成する。
【0014】
上記支持転輪3〜6の外側位置には、前端の第1支持転輪3から後端の第4支持転輪6までの間の範囲で周回履帯9の幅W内に前後外側補助輪11,12を設け、これら前後外側補助輪11,12を支持する補助フレーム13を同様に周回履帯9の幅内に構成する。前側の外側補助輪11は、前端位置の第1支持転輪3の近傍、すなわち、支持接地位置について第1支持転輪3の接地位置までの距離L1がその隣接支持転輪4の崖地位置までの距離L2以下の範囲に、また、後側の外側補助輪12は、後端位置の第4支持転輪6の近傍、すなわち第4支持転輪6の接地位置までの距離L3がその隣接支持転輪5の設置位置までの距離L4以下の範囲に配置する。
【0015】
上記前後外側補助輪11,12は、平坦面で周回履帯9の接地面内側に接触しないように、支持転輪3〜6よりも僅かに高い位置に配置する。また、周回履帯9が撓んだ際の損傷を防止するべく、前後外側補助輪11,12の踏面外側端はテーパ形状に形成してもよい。また、補助フレーム13を周回履帯9が撓んで接触しないように前後外側補助輪11,12の軸位置より高く配置する。
【0016】
上記構成の走行装置1は、支持転輪3〜6より外側位置に前後外側補助輪11,12が周回履帯9の接地面内側に接触することなく配置されていることにより、支持転輪3〜6が畝溝上を走行する際、前後外側補助輪11,12が作業中の畝条の端部、あるいは隣接の畝条の端部に周回履帯9を押圧して接地させるので、機体が畝溝方向に傾くことが防止され、機体の走行姿勢や根菜類の引抜作業姿勢が安定し、作業能率や安全性が向上する。
【0017】
また、周回履帯9が撓んでも、後述のように周回履帯9が横ずれし始める前に第1支持転輪3と前外側補助輪11及び第4支持転輪6と後外側補助輪12とが周回履帯9を後方に移動させるため、そのまま走行を続けても周回履帯9の側方脱落が防止され、且つ補助フレーム13を高位置に構成していることにより、周回履帯9が補助フレーム13に接触することによる損傷や後触制動に伴う根菜類の引き抜きタイミングのずれを防止することができるので、機体の走行姿勢や引抜作業姿勢が安定する。そして、周回履帯9の幅内に前後外側補助輪11,12および補助フレーム13を構成することにより、未堀り側の作物との接触による根菜類の損傷を防止することができ、作物の商品価値が向上する。
【0018】
前記前外側補助輪11と第1支持転輪3とを所定距離L1に配置することにより、周回履帯9が横ずれして外れることを防止することができる。すなわち、第1支持転輪3は周回履帯9を下に向かって引っ張られていることから、その張力の分力により周回履帯9が横ずれして外れることが防止される。また、前外側補助輪11は通常走行時には必要ないため、周回履帯9の接地面内側より僅かに上方に取付けることにより、前外側補助輪11と補助フレーム13にかかる負担を減らすことができるとともに、通常走行時は周回履帯9と非接触であるため、周回履帯9の摩耗を軽減することができ、機体の耐久性が向上する。
また、前外側補助輪11が周回履帯9と接触していないことにより、前外側補助輪11の取付け及び取外しが容易となり、機体のメンテナンス性が向上する。
【0019】
また、前記後外側補助輪12と第4支持転輪6とを所定距離L3に配置することにより、周回履帯9が横ずれして外れることを防止することができる。すなわち、第4支持転輪6は、テンションスプロケットとして他の支持転輪より周回履帯9の巻き付け角度が180°程度あることから、周回履帯9が横ずれする前に周回履帯9を上方に移送するため、周回履帯9が外れることが防止される。この後外側補助輪12は通常走行には必要ないため、周回履帯9の接地面内側より僅かに上方に取付けることにより、後外側補助輪12と補助フレーム13に対する負担を減らすことができるとともに、通常走行時は周回履帯9と非接触であるため、周回履帯9の摩耗を軽減することができ、機体の耐久性が向上する。
また、後外側補助輪12が周回履帯9と接触していないことにより、前外側補助輪11の取付け及び取外しが容易となり、機体のメンテナンス性が向上する。
【別構成例】
【0020】
上記の別構成例としての走行装置は、図3a、3bに示すように、前記外側補助輪11に代えて、第1支持転輪3と第2支持転輪4との外側方に延長転輪3a,4aを夫々装着する。これら延長転輪3a,4aを設けたことによって、第1支持転輪3及び第2支持転輪4と転輪周回履帯9の中心との間の空間部が埋められるので、走行装置1が土塊や石等に乗り上げるなどして周回履帯9が撓んでも、延長転輪3a,4aが周回履帯9を押圧するので、周回履帯9が外れることが防止できる。また、走行装置1が周回履帯9が圃場の起伏等を乗り越えるために若干撓むことのできる構成としているため、第3支持転輪5よりも機体前側にガイドを設けられないので、第3支持転輪5に延長転輪を設けることは困難である。そのため、後外側補助輪12を第4支持転輪6との距離がL3となる位置に設けることによって、周回履帯9が土塊や石等によって撓んで横ずれする前に、後外側補助輪12と第4支持転輪とが周回履帯9を後方に移送するので周回履帯9が脱落することを防止でき、機体の走行姿勢や作業姿勢が安定するので、作業能率や安全性が向上する。
【0021】
(フレーム)
次に、走行装置の補助フレーム13は、その要部平面図(a)、側面図(b)を図4に、図4(b)のC矢視図を図5に夫々示すように、荷重による圧縮は前後連結アーム21,22により受け、荷重による曲げは前後のステー23、24によって受けるように構成する。上記のように補助フレーム13を構成することにより、機体荷重に耐えることができる。
また、前連結アーム21は機体フレーム2の角パイプ25に差込式とすること1:よって取付け及び取外しが容易となり、メンテナンス性が向上する。また、前後連結アーム21,22は、隣接条の根菜類の茎等に接触しないように下部を機体内側方向に傾斜させて構成し、さらに、全体を左右にスライド可能に構成することで、幅の異なる周回履帯9にも対応することができる。
【0022】
(転輪延長構成)
次に、走行装置1の別の構成例として、図6a、6bに示すように、機体の
未掘り側、通常は機体の進行方向左側に配置の引抜搬送装置Pの側について、第1〜第3の支持転輪3,4,5の外側方に外側延長部3a,4a,5aを延長形成し、これら第1〜第3の支持転輪3,4,5は、受ける荷重を低減するために、キャリアと反対側に取付ける。
また、外側延長部3a、4a,5aは、通常の走行時は周回履帯9と接触せず、曲げモーメントの増加に伴うシャフトヘの負担を低減するために、その径が支持転輪3〜5の径より小さく形成する。
【0023】
(別構成例)
次に、走行装置の別の構成例の側面図および平面図を図7、図8にそれぞれ示す。走行装置1と隣接条のニンジンとの接触を防止するために、前後外側補助輪11,12を支持する補助フレーム13を周回履帯9の幅内に設ける。また、周回履帯9の撓みによっても接触しないように、前後外側補助輪11,12の中間部13bを上に逃がして高く配置する。
【0024】
(補助輪支持例)
次に、前後外側補助輪11,12は、別例の平面図を図9に示すように、その補助フレーム13の前後位置に左右の支持プレート13c,13cによって両持ち支持に構成する。前後支持転輪11,12を上記構造とすることにより、片持ち支持による捻り剛性を要しないので、補助フレーム13の厚さ寸法を小さくすることができ、前後外側補助輪11,12の幅を大きくすることができる。
また、前部の前外側補助輪11の前方に支持プレート13cの延長部13dを設けてシャフトに茎等が巻き付くのを防止し、後外側補助輪12は、茎等が絡みつこうとした場合の抜けをよくするために、支持プレート13cの長さはシャフト端までとする。
【0025】
(延長部構成例)
次に、第4支持転輪6については、図10a、10bに示すように、第1支持転輪3の外側延長部3aと共に、外側延長部6aを形成する。
第4支持転輪6はテンションローラとして他の支持転輪より周回履帯9の巻き付け角度が180°近くあることから、周回履帯9が外れることが防止される。また、第1支持転輪3はその前方で周回履帯9が上方に向かって引っ張られていることから、その張力の分力により周回履帯9が外れることが防止される。
【0026】
したがって、前後の外側延長部3a,6aの存在によっても周回履帯9が外れることを防止できるのみならず、圃場状態などによる機体の前後傾斜を抑えることができる。また、外側延長部6aの基部位置には周回履帯9の芯金9aを案内するように溝部6bを形成することにより、さらに周回履帯9が外れることを防止することができる。
【0027】
(排土板)
既刈り側の機体前方には、図11の機体要部の平面図(a)および側面図(b)に示すように、ゲージ輪31で支持されて圃場の土を内側に向けて寄せる排土板32を配置する。ゲージ輪31の支持アーム31aと排土板32の支持アーム32aはスライド構造によって長さ調節可能に構成し、その取付部33aを機体から延びる支持フレーム33に対して回動可能に支持することにより、ゲージ輪31によって畝に追従可能に構成する。
【0028】
上記排土板32により、その正面視の作用説明図を図12に示す。畝土A1を内側に向けて寄せ、中割り走行の際にまだ植えてある側に土が寄るのを防ぐとともに、2条目の作業を行う際にも排土板32を使用することで、畝土A1,A2を内側に向けて寄せて畝の間の溝Bを埋め、3条目以降で周回履帯9Rが畝間Bに入った際に、機体が右傾するのを抑えることができる。
【0029】
また、一方の周回履帯9Lが軌条U1の端Dに位置する時に、上記排土板32により隣接畝U2の上に位置する周回履帯9Rの前方を排土板32によって掘り下げ溝Eを作り、その周回履帯9Rを溝Eに落とすことで機体が畝U1側に傾くのを防止できる。掘り下げ溝Eの幅は、周回履帯9Rの接地幅Cが反対側の周回履帯9Lが接地している畝端幅Dと同程度とすることによって、機体の左右方向の水平を保つことができる。
【0030】
(伝動系)
次に、伝動系について、図13〜図16において説明する。
油圧変速機構(HST)45のベベルギア46に駆動軸47を軸着し、該駆動軸47の他端を引抜搬送装置Pの搬送ベルト44やカッタ43に駆動力を伝達するベベルギア48に軸着する。また、前記駆動軸47に第1スプロケット49を装着し、クリーンコンベア41aにクリーンコンベア駆動スプロケット50を装着すると共に、第1スプロケット49とクリーンコンベア駆動スプロケット50との間に第1チェーン51を無端状に巻き掛ける。そして、クリーンコンベア駆動スプロケット50に軸52を装着し、該軸52に第2スプロケット53を装着し、くみ上げコンベア41bに連結軸56を介してくみ上げコンベア駆動スプロケット54を装着すると共に、第2スプロケット53とくみ上げコンベア駆動スプロケット54との間に第2チェーン55を無端状に巻き掛けて、クリーンコンベア41aとくみ上げコンベア41bとを引抜搬送フレーム42に連結させる連結ユニット57を構成する。
【0031】
上記構成により、クリーンコンベア41aとくみ上げコンベア41bとの伝動を油圧変速機構45の伝動軸47と兼用することができ、図16に示す従来の伝動系統よりも簡易に伝動系統を構成することができる。また、油圧変速機構45の駆動軸47から連結ユニット57が駆動力を受けることによって、引抜搬送装置Pのベルト44とクリーンコンベア41aとの作業速度を連動させることが出来るので、クリーンコンベア41aに根菜類が停滞し、落下してくる根菜類とぶつかって傷付くことを防止できる。
【0032】
さらに、連結ユニット57が引抜搬送フレーム42と連結されていることによって、引抜搬送装置Pの作業高さを変更すると、クリーンコンベア41aも連動して傾斜するため、カッタ43とクリーンコンベア41aとの距離が変わらず、落下の衝撃で根菜類が傷付くことを防止することができる。
【0033】
図面に示した根菜類収穫機は、機体を自走させる走行装置1と、搭乗した操縦者によって操作される操作具を配置した操縦部と、圃場に植生する根菜類の茎葉部を挟持して後側斜め上方に搬送して引抜き収穫する収穫部Pと、収穫物を収容する容器を設置可能とする収容部と、前記収穫部Pから収穫物を受け取って前記収容部に搬送する搬送部と、収穫物を収容した容器を複数体載置可能とする収穫物載置部とを設けた構成としている。また、前記走行装置1は駆動回転する左右一対のクローラ9L,9Rを備え、前記収穫部Pは機体の左右一方側に配置し、前記収穫物載置部は機体の左右他方側に配置し且つ該収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの左右外端部より収穫物載置部の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置している。そして、前記収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動可能に設けている。
【0034】
根菜類収穫機を作業走行させて畝の上面に成育している根菜類を収穫するとき、収穫部Pを配置した側のクローラ9Lは畝の上面を走行し、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rは畝間の溝を走行して、収穫物載置部を配置した側が低くなるように機体が左右に傾斜する状態となる場合がある。このとき、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rが走行する溝が深いと、そのクローラ9Rの左右外端部より左右方向外側に位置する収穫物載置部の左右外端部が隣接する畝上面に接地してしまうことがある。しかしながら、この根菜類収穫機は、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動させることで、収穫物載置部の左右外端部を上昇させて隣接する畝上面への接地を回避することが可能となる。従って、収穫物載置部の左右外端部が地面に接地することによって機体の進行方向が左右にずれて収穫部Pが根菜類の茎葉部を確実に挟持し難くなるのを回避できて、適確な収穫作業が行なえるようになる。また、収穫作業開始時において収穫作業する畝に隣接する畝の根菜類が未だ収穫されていない状態で収穫作業を行なう場合があるが、このような場合、上記のように機体が左右に傾いて収穫物載置部の左右外端部が隣接する畝の根菜類の茎葉部を引っかけたり押し倒したりして、その畝の根菜類の収穫作業を適確に行い難くすることがある。しかし、この根菜類収穫機は、収穫物載置部を配置した側のクローラ9Rの接地部を左右反対側のクローラ9Lの接地部より下方に位置する状態に下動させることで、収穫物載置部の左右外端部を上昇させて隣接する畝の根菜類の茎葉部を引っかけたり押し倒したりしないようにできる。
【0035】
走行装置1は、駆動回転する左右一対のクローラ9L,9Rにより構成している。このクローラ9L,9Rの駆動機構は、まず、操縦部の操縦座席の下側に配置したエンジンの動力が、機体前部の低位置に設けたミッションに伝動し、該ミッションから左右両側に延出させた走行駆動軸が駆動回転し、この走行駆動軸の左右両外端部に取り付けた駆動スプロケット7,7が駆動回転して左右のクローラ9L,9Rが駆動される構成となっている。クローラ9L,9Rは、駆動スプロケット7,7と機体後部側の転動輪6,6、そして、その転動輪6,6と駆動スプロケット7,7との間に取り付けた転輪4,5;4,5の周りに巻き掛けて取り付けている。
【0036】
収穫部Pを配置している側(左側)のクローラ9Lについては、その転動輪6と転輪4,5を、機体(機体フレーム2)に設けた前側支持フレームと後側支持フレームとに固着された左側転輪支持フレームに回転自在に取付けている。従って、収穫部Pを配置している側(左側)のクローラ9Lの下面である接地部は機体に対して上下動操作不能となっている。
【0037】
収穫物載置部を配置した側(右側)のクローラ9Rについては以下のように構成している。まず、機体(機体フレーム2)に設けた前側支持フレームと後側支持フレームとにそれぞれ軸心が横方向のスイング軸を設け、該前後のスイング軸に上方と後方にアーム部がのびるスイングアームを回動自在に取付け、該スイングアームの上方にのびるアーム部の先端部を連結ロッドの前後端部に横軸回り回転自在に連結し、スイングアームの後方にのびるアーム部の先端部を右側転輪支持フレームに横軸回り回転自在に取付けている。そして、右側転輪支持フレームに転動輪6と転輪4,5を回転自在に取付けている。また、後側のスイングアームの上方にのびるアーム部の先端部には、更に、シリンダ基部を機体(機体フレーム2)の後部側に横軸回り回動自在に取付けた油圧シリンダのピストンロッド先端部を連結している。従って、油圧シリンダが作動してそのピストンロッドが機体前後方向に移動すると、前後のスイングアームがスイング軸回りに回動して右側転輪支持フレームが上下動するとともに転動輪6と転輪4,5が上下動して、収穫物載置部を配置した側(右側)のクローラ9Rの下面である接地部は機体に対して上下動操作可能となっている。なお、後側支持フレームのスイング軸には、クローラ9Rの上側の内側面に転動可能に接する転輪を回転自在に設けている。
【0038】
クローラ9L,9Rの内側面の左右中央側に転動輪6の外周部が左右にずれないよう転動輪6の外周部の左右両側部を挟むように突出する左右の突起が形成されている。また、この左右の突起の間に入り込んでクローラを案内する棒状のガイド部材がクローラ下側の内面側に接するように転輪支持フレームに取付けている。このガイド部材の転動輪6,6に近接する後端部の上側は、後下がり傾斜面を形成して転動輪6,6とクローラの間にできるだけ入り込むように設けていて、ガイド部材の下面側ガイド作用部ができるだけ長く形成されるようにし、クローラの外れ防止効果を向上させている。なお、クローラの外周面には、横方向にのびるラグをクローラ回転方向一定間隔ごとに形成している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】走行装置の左側面図である。
【図2】図1の走行装置の平面断面図である。
【図3】別構成例の走行装置の正面図(a)を伴う平面図(b)である、
【図4】走行装置の要部平面図(a)および側面図(b)である。
【図5】図4(b)におけるC矢視図である。
【図6】走行装置の別の構成例の正面図(a)を伴う平面図(b)である。
【図7】走行装置の別の構成例の側面図である。
【図8】図7の走行装置の平面図である。
【図9】外側補助輪の別構成例の平面図である。
【図10】別例についての正面図(a)を伴う平面図(b)である。
【図11】機体要部の平面図(a)および側面図(b)である。
【図12】正面視の作用説明図である。
【図13】野菜収穫機の側面図である。
【図14】野菜収穫機の背面図である。
【図15】本件の伝動系統図である。
【図16】従来の伝動系統図である。
【符号の説明】
【0040】
1 走行装置
3 第1支持転輪
3a 外側延長部
4,5 中間支持転輪
6 第4支持転輪
6a 外側延長部
7 駆動ホイール
8 クローラフレーム
9 周回履帯
11 前外側補助輪
12 後外側補助輪
13 補助フレーム
13b 中間部
B 畝問
L1〜L4 距離
P 引抜搬送装置
W 幅寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪(3〜6)に、該支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法(W)を有する周回履帯(9)を巻回して構成する無限軌道式の走行装置(1)と、該走行装置(1)により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置(P)とを備える根菜類収穫機において、
前記走行装置(1)に支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に前外側補助輪(11)を設け、該前外側補助輪(11)は前外側補助輪(11)と走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)との距離(L1)が前外側補助輪(11)と支持転輪(3)の後方に隣接する支持転輪(4)との距離(L2)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記走行装置(1)は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に後外側補助輪(12)を設け、該後外側補助輪(12)は後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)との距離(L3)が後外側補助輪(12)と支持転輪(6)の前方に隣接する支持転輪(5)との距離(L4)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項1】
機体の前後方向に並ぶ複数の支持転輪(3〜6)に、該支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に及ぶ幅寸法(W)を有する周回履帯(9)を巻回して構成する無限軌道式の走行装置(1)と、該走行装置(1)により圃場を走行する機体の左右一側に圃場に植生する根菜類を引き抜き機体後部へ搬送する引抜搬送装置(P)とを備える根菜類収穫機において、
前記走行装置(1)に支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に前外側補助輪(11)を設け、該前外側補助輪(11)は前外側補助輪(11)と走行装置(1)の前側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(3)との距離(L1)が前外側補助輪(11)と支持転輪(3)の後方に隣接する支持転輪(4)との距離(L2)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記走行装置(1)は、支持転輪(3〜6)の側端よりも機体外側に後外側補助輪(12)を設け、該後外側補助輪(12)は後外側補助輪(12)と走行装置(1)の後側で周回履帯(9)を圃場に接地させる支持転輪(6)との距離(L3)が後外側補助輪(12)と支持転輪(6)の前方に隣接する支持転輪(5)との距離(L4)よりも短くなる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−289416(P2008−289416A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138024(P2007−138024)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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