説明

金ナノプレートの製造方法

【課題】 短い製造時間で形状が制御された金ナノプレートを効率良く製造が可能な金ナノプレートの製造方法を提供すること。
【解決手段】 (I)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させ、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程、及び(II)前記ヒドロゲルと塩化金イオンとを混合して金をプレート状にする工程、からなる金ナノプレートの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金のナノプレートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貴金属ナノプレート材料は、球状のナノ粒子と異なり、一つの金属結晶面を大きく成長させたものであり、触媒、光学、バイオセンサー、情報電子などの分野において高い応用可能性を有する材料である。
【0003】
金のナノプレートを製造する方法としては、近年幾つかの方法が提案されている。例えば、天然化合物を用い、塩化金酸を還元することにより、サブミクロン大きさの三角形金ナノプレートを得る方法が開示されている(非特許文献1)。また、低分子アミン類化合物、例えば、o−フェニレンジアミンを還元剤に用い、塩化金酸と反応させると六角形の金ナノプレートを製造する方法(非特許文献2)、あるいは、ポリアミン類として、ポリエチレンイミンとポリエチレングリコールのブッロク共重合体を還元剤として用い、塩化金酸を還元することで三角系と六角形を有する金ナノプレートを製造する方法などが報告されている(非特許文献3)。
【0004】
しかし、上記した金ナノプレートの製造方法では、塩化金イオンのモル濃度がいずれも10−4〜10−3mol/L以下の低い条件でなければ製造できないため、製造効率が悪いという問題点があった。また、例えば48時間程度の長時間の反応時間を要する、定形のプレートの生成効率が低い、あるいは得られる金のナノプレート形状の制御ができないといった問題の少なくとも何れかを有するものであった。
【0005】
【非特許文献1】Shankar et al., Nature Mater. (2004),3, pp482-488.
【非特許文献2】Sun et al., Angew. Chem. Int. Ed. (2004) 43, pp6360-6363.
【非特許文献3】Yu et al., J. Nanosci. Nanotech. (2004), 4, pp291-298.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、短い製造時間で形状が制御された金ナノプレートを効率良く製造が可能な金ナノプレートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記課題を解決すべく、直鎖状ポリエチレンイミンが有する二つの機能、結晶性ヒドロゲル形成機能と貴金属還元機能を巧みに併せ用いることにより、本発明を完成することに至った。即ち、本発明においては、金ナノプレートを得るための還元剤として、金属イオンと強い配位結合を形成する直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを使用する。直鎖状ポリエチレンイミンは加熱状態では水中可溶であるが、室温では繊維状結晶を形成し、少量のポリマー量でも物理的なヒドロゲルを与えることができる。
【0008】
ポリエチレンイミンは貴金属の還元剤として有用なポリマーであるが、その還元能力はポリマーと金属イオンとの錯体形成などにも依存すると考えられる。特に、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーからなるヒドロゲル中に、塩化金イオンを混合させると、塩化金イオンは該親水性ポリマー中のポリエチレンイミン骨格に配位される。この際、塩化金イオンは該ポリエチレンイミン骨格により自発還元反応を引き起こし、イオンから金ナノ粒子に変換され、該親水性ポリマーと金との複合体が得られる。この様な過程では、直鎖状ポリエチレンイミン分子構造そのものの働きが予想される。即ち、ポリマー分子構造により、ヒドロゲルの構造、ポリマーと金属イオンとの配位結合状態、還元された金とポリマーとの複合構造・形状など、変わって行くことが可能となる。
【0009】
これで得られる複合体形成過程において、ヒドロゲル中のポリマー濃度とその中に含ませた金属イオンの濃度の比を変えることで、得られる金の形状を制御し、それをナノプレートに成長させることが可能である。
【0010】
上記のように、金イオンソースとして塩化金ナトリウムを用い、それを少量の親水性ポリマーで形成できるヒドロゲル中に効率的に配位固定させると同時に、金イオンを還元し、ワンポットで親水性ポリマーと金属の複合体を作り上げ、それを多様な形状の金ナノプレートに成長させる。
【0011】
すなわち本発明は、(I)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させ、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程、及び(II)前記ヒドロゲルと塩化金イオンとを混合して金をプレート状にする工程、からなる金ナノプレートの製造方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、(i)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させ、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程、及び(ii)前記ヒドロゲルと金ナノ粒子とを混合して金をプレート状にする工程、からなる金ナノプレートの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法によれば、少ない親水性ポリマー量でヒドロゲルを形成でき、且つ該親水性ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格が効率よく金イオンを配位固定さらには還元できることから、簡便に金ナノプレートを得ることができる。
【0014】
また、本発明の製造方法によれば、ヒドロゲル中のポリマー濃度とその中に含ませた金属イオンの濃度の比などを制御することにより、高い生成効率で金ナノプレートを得ることが可能である。
【0015】
さらに、本発明の金ナノプレートの製造方法によれば、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーの分子構造設計により、得られる金ナノプレートの多様な形状誘導が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[ヒドロゲルを得る工程(I)、(i)]
本発明の製造方法においては、工程(I)及び(i)により、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させることにより、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る。
【0017】
(直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマー)
本発明でいう直鎖状ポリエチレンイミン骨格とは、二級アミンのエチレンイミン単位を主たる構造単位とするポリマー骨格をいう。該直鎖状ポリエチレンイミン骨格は水中可溶であるが、室温では繊維状のポリマー結晶を形成し、それらの繊維が三次元空間で配置されることにより、少量のポリマー量で物理的なヒドロゲルを与える。該骨格中においては、エチレンイミン単位以外の構造単位が存在していてもよいが、ポリマー結晶を形成させるためには、ポリマー鎖の一定鎖長が連続的なエチレンイミン単位であることが好ましい。該直鎖状ポリエチレンイミン骨格の長さは、該骨格を有するポリマーが結晶を形成できる範囲であれば特に制限されないが、好適にポリマー結晶を形成するためには、該骨格部分のエチレンイミン単位の繰り返し単位数が10以上であることが好ましく、20〜10000の範囲であることが特に好ましい。
【0018】
本発明において使用するポリマーは、その構造中に直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するものであればよく、その形状が線状、星状または櫛状であっても、水の存在下で結晶体を与えることができる。
【0019】
また、これら線状、星状または櫛状のポリマーは、直鎖状ポリエチレンイミン骨格のみからなるものであっても、直鎖状ポリエチレンイミン骨格からなるブロック(以下、ポリエチレンイミンブロックと略記する。)と他のポリマーブロックとのブロックコポリマーからなるものであってもよい。他のポリマーブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリアクリルアミドなどの水溶性のポリマーブロック、あるいは、ポリスチレン、ポリオキサゾリン類のポリフェニルオキサゾリン、ポリオクチルオキサゾリン、ポリドデシルオキサゾリン、ポリアクリレート類のポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどの疎水性のポリマーブロックを使用できる。これら他のポリマーブロックとのブロックコポリマーとすることで、ポリマー結晶の形状や特性を調整することができる。
【0020】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーが、ブロックコポリマーである場合の該ポリマー中における直鎖状ポリエチレンイミン骨格の割合は、ポリマー結晶を形成できる範囲であれば特に制限されないが、好適にポリマー結晶を形成するためには、ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格の割合が40モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましい。
【0021】
上記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーは、その前駆体となるポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を有するポリマー(以下、前駆体ポリマーと略記する。)を、酸性条件下またはアルカリ条件下で加水分解することで容易に得ることができる。従って、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーの線状、星状、または櫛状などの形状は、この前駆体ポリマーの形状を制御することで容易に設計することができる。また、重合度や末端構造も、前駆体ポリマーの重合度や末端機能団を制御することで容易に調整できる。さらに、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するブロックコポリマーを形成する場合には、前駆体ポリマーをブロックコポリマーとし、該前駆体中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を選択的に加水分解することで得ることができる。
【0022】
前駆体ポリマーは、オキサゾリン類のモノマーを使用して、カチオン型の重合法、あるいは、マクロモノマー法などの合成方法により合成が可能であり、合成方法や開始剤を適宜選択することにより、線状、星状、あるいは櫛状などの各種形状の前駆体ポリマーを合成できる。
【0023】
ポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を形成するモノマーとしては、メチルオキサゾリン、エチルオキサゾリン、メチルビニルオキサゾリン、フェニルオキサゾリンなどのオキサゾリンモノマーを使用できる。
【0024】
重合開始剤としては、分子中に塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基、トルエンスルホニルオキシ基、あるいはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基などの官能基を有する化合物を使用できる。これら重合開始剤は、多くのアルコール類化合物の水酸基を他の官能基に変換させることで得られる。なかでも、官能基変換として、臭素化、ヨウ素化、トルエンスルホン酸化、およびトリフルオロメチルスルホン酸化されたものは重合開始効率が高いため好ましく、特に臭化アルキル、トルエンスルホン酸アルキルが好ましい。
【0025】
また、ポリ(エチレングリコール)の末端水酸基を臭素あるいはヨウ素に変換したもの、またはトルエンスルホニル基に変換したものを重合開始剤として使用することもできる。その場合、ポリ(エチレングリコール)の重合度は5〜100の範囲であることが好ましく、10〜50の範囲であれば特に好ましい。
【0026】
また、カチオン開環リビング重合開始能を有する官能基を有し、かつ光による発光機能、エネルギー移動機能、電子移動機能を有するポルフィリン骨格、フタロシアニン骨格、またはピレン骨格のいずれかの骨格を有する色素類は、得られるポリマーに特殊な機能を付与することができる。
【0027】
線状の前駆体ポリマーは、上記オキサゾリンモノマーを1価または2価の官能基を有する重合開始剤により重合することで得られる。このような重合開始剤としては、例えば、塩化メチルベンゼン、臭化メチルベンゼン、ヨウ化メチルベンゼン、トルエンスルホン酸メチルベンゼン、トリフルオロメチルスルホン酸メチルベンゼン、臭化メタン、ヨウ化メタン、トルエンスルホン酸メタンまたはトルエンスルホン酸無水物、トリフルオロメチルスルホン酸無水物、5−(4−ブロモメチルフェニル)−10,15,20−トリ(フェニル)ポルフィリン、またはブロモメチルピレンなどの1価のもの、ジブロモメチルベンゼン、ジヨウ化メチルベンゼン、ジブロモメチルビフェニレン、またはジブロモメチルアゾベンゼンなどの2価のものが挙げられる。また、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、または、ポリ(メチルビニルオキサゾリン)などの工業的に使用されている線状のポリオキサゾリンを、そのまま前駆体ポリマーとして使用することもできる。
【0028】
星状の前駆体ポリマーは、上記したようなオキサゾリンモノマーを3価以上の官能基を有する重合開始剤により重合することで得られる。3価以上の重合開始剤としては、例えば、トリブロモメチルベンゼン、などの3価のもの、テトラブロモメチルベンゼン、テトラ(4−クロロメチルフェニル)ポルフィリン、テトラブロモエトキシフタロシアニンなどの4価のもの、ヘキサブロモメチルベンゼン、テトラ(3,5−ジトシリルエチルオキシフェニル)ポルフィリンなどの5価以上のものが挙げられる。
【0029】
櫛状の前駆体ポリマーを得るためには、多価の重合開始基を有する線状のポリマーを用いて、該重合開始基からオキサゾリンモノマーを重合させることができるが、例えば、通常のエポキシ樹脂やポリビニルアルコールなどの側鎖に水酸基を有するポリマーの水酸基を、臭素やヨウ素等でハロゲン化するか、あるいはトルエンスルホニル基に変換させた後、該変換部分を重合開始基として用いることでも得ることができる。
【0030】
また、櫛状の前駆体ポリマーを得る方法として、ポリアミン型重合停止剤を用いることもできる。例えば、一価の重合開始剤を用い、オキサゾリンを重合させ、そのポリオキサゾリンの末端をポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリプロピルアミンなどのポリアミンのアミノ基に結合させることで、櫛状のポリオキサゾリンを得ることができる。
【0031】
上記により得られる前駆体ポリマーのポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格の加水分解は、酸性条件下またはアルカリ条件下のいずれの条件下でもよい。
酸性条件下での加水分解は、例えば、塩酸水溶液中でポリオキサゾリンを加熱下で攪拌することにより、ポリエチレンイミンの塩酸塩を得ることができる。得られた塩酸塩を過剰のアンモニウム水で処理することで、塩基性のポリエチレンイミンの結晶粉末を得ることができる。用いる塩酸水溶液は、濃塩酸でも、1mol/L程度の水溶液でもよいが、加水分解を効率的に行うには、5mol/Lの塩酸水溶液を用いることが望ましい。また、反応温度は80℃前後が望ましい。
【0032】
アルカリ条件下での加水分解は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いることで、ポリオキサゾリンをポリエチレンイミンに変換させることができる。アルカリ条件下で反応させた後、反応液を透析膜にて洗浄することで、過剰な水酸化ナトリウムを除去し、ポリエチレンイミンの結晶粉末を得ることができる。用いる水酸化ナトリウムの濃度は1〜10mol/Lの範囲であればよく、より効率的な反応を行うには3〜5mol/Lの範囲であることが好ましい。また、反応温度は80℃前後が好ましい。
【0033】
酸性条件下またはアルカリ条件下での加水分解における、酸またはアルカリの使用量は、ポリマー中のオキサゾリン単位に対し、1〜10当量でよく、反応効率の向上と後処理の簡便化のためには、3当量程度とすることが好ましい。
【0034】
上記加水分解により、前駆体ポリマー中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格が、直鎖状ポリエチレンイミン骨格となり、該ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーが得られる。
【0035】
また、直鎖状ポリエチレンイミンブロックと他のポリマーブロックとのブロックコポリマーを形成する場合には、前駆体ポリマーをポリオキサゾリン類からなる直鎖状のポリマーブロックと、他のポリマーブロックとからなるブロックコポリマーとし、該前駆体ポリマー中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状のブロックを選択的に加水分解することで得ることができる。
【0036】
他のポリマーブロックが、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)などの水溶性ポリマーブロックである場合には、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)が、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)やポリ(N−アセチルエチレンイミン)に比べて、有機溶媒への溶解性が高いことを利用してブロックコポリマーを形成することができる。即ち、2−オキサゾリンまたは2−メチル−2−オキサゾリンを、前記した重合開始化合物の存在下でカチオン開環リビング重合した後、得られたリビングポリマーに、さらに2−エチル−2−オキサゾリンを重合させることによって、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)ブロックまたはポリ(N−アセチルエチレンイミン)ブロックと、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックとからなる前駆体ポリマーを得る。該前駆体ポリマーを水に溶解させ、該水溶液にポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックを溶解する水とは非相溶の有機溶媒を混合して攪拌することによりエマルジョンを形成する。該エマルジョンの水相に、酸またはアルカリを添加することによりポリ(N−ホルミルエチレンイミン)ブロックまたはポリ(N−アセチルエチレンイミン)ブロックを優先的に加水分解させることにより、直鎖状ポリエチレンイミンブロックと、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックとを有するブロックコポリマーを形成できる。
【0037】
ここで使用する重合開始化合物の価数が1および2の場合には、直鎖状のブロックコポリマーとなり、それ以上の価数であれば星型のブロックコポリマーが得られる。また、前駆体ポリマーを多段のブロックコポリマーとすることで、得られるポリマーも多段のブロック構造とすることも可能である。
【0038】
(ヒドロゲル)
本発明の製造方法における工程(I)及び(i)は、上記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させることによりヒドロゲルを得る工程であり、具体的には、上記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを使用して、(イ)直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーと水系溶媒とを混合し、該混合液を加熱した後冷却する方法、又は(ロ)直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーと有機溶媒を混合し、該混合液に水を加える方法などの方法を使用できる。
【0039】
上記(イ)の方法においては、まず直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを一定量水系溶媒と混合し、該混合液を加熱することにより、該親水性ポリマーの透明な水系溶媒溶液を得る。次いで、加熱状態の該親水性ポリマーの水系溶媒溶液を室温に冷やすことによりヒドロゲルを容易に得ることができる。該ヒドロゲルは、剪断力等の外力により変形を生じるが、概ねの形状を保持できるアイスクリームのような状態を有し、多様な形状に変形させることが可能である。
【0040】
上記(イ)の方法における親水性ポリマーを一定量水系溶媒との混合液の加熱温度は100℃以下が好ましく、90〜95℃の範囲であることがより好ましい。また、親水性ポリマーと水系溶媒との混合液中の親水性ポリマー含有量は、ヒドロゲルが得られる範囲であれば特に限定されないが、0.01〜20質量%の範囲であることが好ましく、安定形状の結晶体からなるヒドロゲルを得るためには0.1〜10質量%の範囲がさらに好ましい。このように、本発明においては、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを使用することにより、ごく少量のポリマー濃度でヒドロゲルを形成することができる。
【0041】
ここで使用する水系溶媒とは、水又は水と水溶性有機溶剤の混合溶媒をいい、該ヒドロゲルの調製時に、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を使用することで、有機溶剤を含有したヒドロゲルが得られる。該親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォンオキシド、ジオキシラン、ピロリドンなどの水溶性有機溶剤を取りあげることができる。
【0042】
有機溶剤の含有量は、水の体積に対し、0.1〜5倍の範囲であることが好ましく、1〜3倍の範囲であればより好ましい。
【0043】
また、上記(ロ)の方法は、直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを有機溶媒に溶解し、該溶液に水を加える方法により前記親水性ポリマーのヒドロゲルを得る方法である。得られるヒドロゲルは上記(イ)と同様に水系溶媒を含有するヒドロゲルである。
【0044】
上記(ロ)の方法において加える水の量は、ヒドロゲルが得られる範囲であれば特に制限されないが、上記親水性ポリマーの溶解に使用した有機溶媒の0.2〜10倍量の範囲であることが好ましい。
【0045】
上記いずれの方法によっても、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーは、一次構造中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格が、水系溶媒中で結晶性を発現してナノメートルオーダーの繊維状ポリマー結晶(以下、該結晶を繊維状ナノ結晶と略記する。)を形成し、該繊維状ナノ結晶表面に存在するフリーなエチレンイミン鎖により、繊維状ナノ結晶同士が水素結合による物理的な結合で繋がれて空間に配置され、各種形状の三次元形状に成長して結晶性ポリマーフィラメントを形成していると考えられる。該結晶性ポリマーフィラメントは、水の存在下での結晶性ポリマーフィラメント同士の物理的な結合により三次元網目構造を有するヒドロゲルを形成し、さらに結晶性ポリマーフィラメント同士を架橋剤で架橋することにより化学的な架橋結合を有する架橋ヒドロゲルを形成することもできる。これらは水の存在下で生じるため、結果的には該三次元網目構造中に水系溶媒を包含したヒドロゲルが与えられる。
【0046】
ここでいう三次元網目構造とは、通常の高分子ヒドロゲルと異なり、マイクロ、またはナノスケールの結晶同士が、その結晶表面に存在するフリーなエチレンイミン鎖の水素結合により、物理的に架橋化された網目構造をいう。
【0047】
従来広く使用されてきたポリエチレンイミンは、環状エチレンイミンの開環重合により得られる分岐状ポリマーであり、その一次構造には一級アミン、二級アミン、三級アミンが存在する。従って、分岐状ポリエチレンイミンは水溶性であるが、結晶性は持たないため、分岐状ポリエチレンイミンを用いてヒドロゲルを作るためには、架橋剤による共有結合により網目構造を与えなくてはならない。しかしながら本発明に使用するポリマーが骨格として有する直鎖状ポリエチレンイミンは、二級アミンだけで構成されており、該二級アミン型の直鎖状ポリエチレンイミンは水溶性でありながら、優れた結晶性を有する。
【0048】
このような、直鎖状ポリエチレンイミンの結晶は、そのポリマー骨格中のエチレンイミン単位に含まれる結晶水数により、ポリマー結晶構造が大きく異なることが知られている(Y.Chatani et al.、Macromolecules、1981年、第14巻、p.315−321)。無水のポリエチレンイミンは二重螺旋構造を特徴とする結晶構造を優先するが、モノマー単位に2分子の水が含まれると、ポリマーはzigzag構造を特徴とする結晶体に成長することが知られている。実際、水中から得られる直鎖状ポリエチレンイミンの結晶は一つのモノマー単位に2分子水を含む結晶であり、その結晶は室温状態では水中不溶である。
【0049】
本発明において使用するヒドロゲル中の結晶性ポリマーフィラメントは、上記の場合と同様に直鎖状ポリエチレンイミン骨格の結晶発現により形成されるものであり、ポリマーが線状、星状、または櫛状などの形状であっても、一次構造に直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーであれば、結晶性ポリマーフィラメントが得られる。
【0050】
上記結晶性ポリマーフィラメントの存在はX線散乱により確認でき、広角X線回折計(WAXS)における2θ角度値で20°,27°,28°近傍の結晶性ヒドロゲル中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格に由来するピーク値により確認される。
【0051】
また、結晶性ポリマーフィラメントの示差走査熱量計(DSC)における融点は、上記親水性ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格の一次構造にも依存するが、概ねその融点が45〜90℃で現れる。
【0052】
さらにヒドロゲル調製時に、ヒドロゲルの粘性の制御や、ヒドロゲルの安定性を向上のため他の水溶性ポリマーを加えてもよい。該水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリンなどを取りあげることができる。
【0053】
水溶性ポリマーの含有量は、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーの質量に対し、0.1〜5倍の範囲であることが好ましく、0.5〜2倍の範囲であればより好ましい。
【0054】
[金ナノプレートを得る工程]
本発明の製造方法においては、(II)前記ヒドロゲルと塩化金イオンとを混合して金をプレート状にする工程、又は(ii)前記ヒドロゲルと金ナノ粒子とを混合して金をプレート状にする工程により、ナノメートルオーダーの厚さを有する金のナノプレートを得る。
【0055】
上記(II)の工程においては、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーからなるヒドロゲル中と塩化金イオンを混合させることにより、塩化金イオンが該親水性ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格に配位される。この際、塩化金イオンの該ポリエチレンイミン骨格による自発還元により、金属イオンが金属に変換されて金ナノ粒子を形成すると共にそれら金ナノ粒子の融合により、金ナノプレートが得られる。
【0056】
上記工程(II)において使用する塩化金イオンとしては、例えば、塩化金ナトリウムなどの塩化金化合物からなるものを使用できる。これら塩化金化合物は、固体粉末又は水系溶媒に溶解された溶液状態のいずれの状態で混合してもよい。
【0057】
上記ヒドロゲルと塩化金イオンを混合する際には、ヒドロゲル中のエチレンイミン単位(EI)と塩化金イオン(AuCl)とのモル比(EI/AuCl)、一定比での混合物の濃度、混合後の反応温度、反応時間、混合系有機溶剤の有無などを適宜調整することで好適に金ナノプレートを形成できる。
【0058】
ヒドロゲル中のエチレンイミン単位と塩化金イオンとのモル比(EI/AuCl)としては、0.6〜3の範囲であると、特に好適に金ナノプレートを形成できる。
【0059】
また、ヒドロゲル中に加える塩化金イオンの濃度は、0.05〜1Mの範囲であることが好ましく、最終全体混合物中の塩化金イオンの濃度は0.0005〜0.1Mの範囲で好ましく金ナノプレートを形成できる。このため、0.001より高い金イオン濃度でも好適に金ナノプレートを形成でき、高効率で製造可能である。
【0060】
ヒドロゲルと塩化金イオンとを混合することにより、塩化金イオンは室温または加熱状態で自発的に還元される。その還元における温度条件は得られる金ナノプレートの構造パラメータに影響を与えることもあるが、還元反応温度が室温〜100℃以下であることが好ましく、30〜80℃であることが特に好ましい。これらモル比、塩化金イオン濃度、及び還元反応温度の条件は全て満たす条件下で行うことが特に好ましい。
【0061】
本発明の金ナノプレートの製造方法は、反応時間が短いことが特徴である。該反応時間ポリエチレンイミンと塩化金ナトリウムを混合してから10〜60分程度の時間、好適な条件下では15〜30分程度の極めて短時間で金ナノプレートの形成が可能である。ただし、プレート厚みを大きく向上させるためなら、数時間程度反応させてもよい。
【0062】
本発明の製造方法によれば、導入した塩化金イオンの大部分が金ナノプレートの形成に携わり、概ね一定形状の金ナノプレートが得られる。
【0063】
本発明の製造方法によれば、厚みが5〜50nmの金ナノプレートを容易に形成することができる。また、金ナノプレートの大きさは、数百nm〜数十μmの範囲のものを特に効率よく形成することができる。
【0064】
また、使用する直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーの構造を制御することにより、得られる金ナノプレートの形状を制御することができる。該形状としては、三角形、六角形、あるいは円形等の形状に成長させることができる。特に円形の金ナノプレートは前例がなく、本発明での星状のポリマーを用いることで、円形のナノプレートを効率良く得ることができる。
【0065】
また、本発明の製造方法においては、上記(ii)の工程のように金属ナノ粒子を使用して、上記ヒドロゲルと金ナノ粒子とを混合する工程によっても金ナノプレートを製造できる。
【0066】
金ナノ粒子を使用する場合には、金ナノ粒子の量はヒドロゲルを形成する親水性ポリマー中のエチレンイミン単位の質量に対し、1〜50倍の質量となる範囲であることが好ましい。
【0067】
使用する金属ナノ粒子の大きさはナノプレートを得ることができれば、特に制限されないが、2〜10nmの範囲のものを好適に使用できる。
【0068】
本発明の製造方法おいては、製造工程において塩化金酸を使用しないため塩酸を発生させることがない。また、高い生成効率で、且つ短い反応時間で製造可能であり、更には煩雑な工程を必要としないことから、金ナノプレートを極めて容易に効率よく製造することができる。さらに、使用するポリマー構造を制御することにより得られる金ナノプレートの形状を制御することも可能である。
【実施例】
【0069】
以下、実施例および参考例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
[走査電子顕微鏡による形状分析]
単離乾燥した金ナノプレートをガラススライドに乗せ、それをキーエンス製表面観察装置VE−7800にて観察した。
[X線回折法による金結晶分析]
洗浄した金ナノプレートを測定試料用ホルダーにのせ、それを株式会社リガク製広角X線回折装置「Rint−Ultma」にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲10〜80°の条件で測定を行った。
【0071】
(合成例1)
<ポルフィリン中心の星状ポリエチレンイミン(P−PEI)合成>
Jin et al.,J.Porphyrin&Phthalocyanine,3,60−64(1999);Jin、Macromol.Chem.Phys.,204,403−409(2003)に示された方法により、前駆体ポリマーであるポルフィリン中心星型ポリメチルオキサゾリンの合成を次の通り行った。
【0072】
三方コック付の50mlの二口フラスコをアルゴンガスで置換した後、0.0352gのテトラ(p−ヨードメチルフェニル)ポリフィリン(TIMPP)、8.0mlのN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、室温で撹拌し、TIMPPを完全に溶解させた。この溶液にポルフィリンに対し、1280倍モル数に相当する2−メチル−2−オキサゾリン3.4ml(3.27g)を加えてから、反応液の温度を100℃にし、24時間撹拌した。反応液温度を室温に下げてから、10mlのメタノールを加えた後、混合液を減圧濃縮した。残留物を15mlのメタノール中に溶解し、その溶液を100mlのテトラヒドロフランに注ぎ、重合体を沈殿させた。同一方法で、重合体を再沈殿させ、吸引ろ過後、得られた重合体をPが置かれたデシケータに入れ、1時間アスピレータで吸引乾燥した。さらに、真空ポンプにて減圧し、真空下24時間乾燥して前駆体ポリマーを得た。収量は3.05g、収率は92.3%であった。
【0073】
得られた前駆体ポリマーのGPCによる数平均分子量は28000で、分子量分布は1.56であった。また、H−NMRにより、重合体アームにおけるエチレンプロトンと重合体中心におけるポルフィリンのピロル環プロトンとの積分比を計算した処、各アームの平均重合度は290であった。従って、H−NMRによる数平均分子量は99900と推定された。H−NMRによる数平均分子量値がGPCでの数平均分子量値を大きく上回ることは、星型高分子における一般特徴であることに一致する。
【0074】
この前駆体ポリマーを用い、上記合成例1と同様の方法によりポリメチルオキサゾリンを加水分解し、4本のポリエチレンイミンがポルフィリン中心に結合された星状ポリエチレンイミン(P−PEI)を得た。H−NMR(TMS外部標準、重水中)測定の結果、加水分解前の前駆体ポリマーの側鎖メチルに由来した1.98ppmのピークは完全に消失した。
【0075】
(合成例2)
<線状のポリエチレンイミン(L−PEI)の合成>
開始剤としてメチルトシレートを用い、上記合成例2と同様な方法でメチルオキサゾリンを重合させ、重合度が80である線状のポリメチルオキサゾリンを得た。得られた線状のポリメチルオキサゾリンを合成例1で示した方法と同様に加水分解して、線状のポリエチレンイミン(L−PEI)を得た。
【0076】
(実施例1)
<星状ポリエチレンイミン(P−PEI)による金ナノプレートの製造>
合成例1で得られた星状ポリエチレンイミン(P−PEI)の粉末を、濃度が0.02Mとなるように蒸留水中に分散させ、その分散液をオイルバスにて、90℃に加熱し、完全透明な水溶液を得た。その水溶液を室温に放置し、自然に室温までに冷やし、不透明なヒドロゲル(G1)を得た。得られたヒドロゲル(G1)に、ヒドロゲル中のエチレンイミンユニットと塩化金イオンとのモル比(EI/AuCl)が、1.3となるように、0.5Mの塩化金酸ナトリウム水溶液を加えて混合液を調製した。これら混合物を80℃に15分間加熱した後、上澄みを取り除き、得られた固形物をエタノールで3回洗浄して、金ナノプレートを得た。
【0077】
得られた金ナノプレートのエタノール分散体のSEM写真を、図1に示した。全体的に、円形を主とした金ナノプレートが観察された。
【0078】
(実施例2)
<L−80ヒドロゲルからの金ナノプレートの製造>
合成例2で得られた線状ポリエチレンイミンL−PEIを用い、実施例1と同様な方法で、ポリマー濃度0.02M、モル比(EI/AuCl)が1.3となる混合液を調製し、金ナノプレートを得た。
【0079】
得られた金ナノプレートのエタノール分散体のSEM写真を、図2に示した。全体的に、六角形を主とした金ナノプレートが観察された。
【0080】
実施例1〜2より、金ナノプレートを極めて短時間で容易に製造でき、且つ還元された金の大部分がプレートを形成していることが確認された。また、使用するポリマー構造制御により、得られるプレートの制御が可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施例1で得られた金ナノプレートの走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた金ナノプレートの走査型電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させ、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程、及び(II)前記ヒドロゲルと塩化金イオンとを混合して金をプレート状にする工程、からなる金ナノプレートの製造方法。
【請求項2】
前記ヒドロゲルと混合する塩化金イオンの量が、前記ヒドロゲル中のエチレンイミン単位/塩化金イオンで表されるモル比が0.6〜3の範囲となる量である請求項1に記載の金ナノプレートの製造方法。
【請求項3】
(i)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーを溶媒に溶解させた後、水の存在下で析出させ、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程、及び(ii)前記ヒドロゲルと金ナノ粒子とを混合して金をプレート状にする工程、からなる金ナノプレートの製造方法。
【請求項4】
前記ヒドロゲルと混合する金ナノ粒子の量が、前記ヒドロゲル中のエチレンイミン単位に対して、1〜50倍の質量である請求項3に記載の金ナノプレートの製造方法。
【請求項5】
前記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーが線状、星状、又は櫛状のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の金ナノプレートの製造方法。
【請求項6】
前記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーが、直鎖状ポリエチレンイミンブロックと、他のポリマーブロックとのブロックコポリマーからなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の金ナノプレートの製造方法。
【請求項7】
前記ヒドロゲル中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーの濃度が、0.01〜20質量%の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の金ナノプレートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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