説明

金属化合物及びキサンタンを含む組成物

本発明は、(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、(ii)キサンタンガム、(iii)(a)ポリビニルピロリドン、(b)ローカストビーンガム、(c)メチルセルロースのうち少なくとも1つを含む組成物を提供し、ここで、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水不溶性無機混合金属化合物を含む、液体製剤に関する。本発明はさらに、前記液体の製造方法および経口投与のユニットおよび多重投与形態におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
液体投与形態
水不溶性化合物の液体投与形態によって、飲み込むことが困難である対象に対する投与の有益な方法が提供可能である。とりわけ、薬理学的領域において、投与の簡便さはまた、最適な患者のコンプライアンスを確かにすることを補助しうる。さらに、液体形態は、投与されるべき、連続して可変な投与量を可能にする。
【0003】
不溶性化合物の多くの液体投与形態が、本技術分野で公知である。例えば、アルタサイト・プラス・サスペンジョン(Altacite Plus Suspension)(ペックホートン・ファーマシューティカルズ社(Peckforton Pharmaceuticals Limited))が、消化不良、鼓腸および異常胃酸過多、胃炎、胃潰瘍、特に裂孔ヘルニアに関連した場合の胸焼けまたは妊娠中の胸焼けの症状の軽減のための制酸剤として市販されている。活性成分の一つは、「ハイドロタルサイト ライト」、水酸化アルミニウムマグネシウム炭酸塩水和物である。アルタサイトは、たった1Paの降伏応力を示し、この低い降伏応力において、活性成分が、マグネシウムや鉄を含む、ハイドロタルサイト型のものである安定製剤を維持するために好適ではないか、望ましい粒子サイズで安定した製剤を提供する、および/または用量レベルを提供するのに不十分な降伏応力である。
【0004】
ペックフォートン・ファーマシューティカルズ社からの別の製品としては、ハイドロタルサイト・サスペンジョン(Hydrotalcite Suspension)があり、これはまたハイドロタルサイトを含む。製剤にはまた、液体製剤のレオロジーを変更するために使用する、ケイ酸マグネシウムアルミニウムである、ビーガム(Veegum)が含まれる。しかしながら、アルミニウム供給源であることから、本製品は、腎臓患者に対しては適切であるとは考えられない。
【0005】
タルシドが、胸焼け、胃酸過多の場合の症状の軽減のために意図される。活性成分は「ハイドロタルサイト ライト」、水酸化アルミニウムマグネシウム炭酸塩水和物であり、これは、アルミニウム放出と蓄積という同一の欠点を持つ。さらに、本製剤には、より高い濃度で、製剤のレオロジー特性を変更しうる、ベントナイトが含まれる。ベントナイトはまたアルミニウムを放出しうる、カルシウム水和アルミノシリケートである。カルボキシメチルセルロースナトリウムが、増粘剤として使用される。タルシドは、いくらかの降伏応力を示すが、望ましい粒子サイズでの安定した製剤を提供するには不十分である。
【0006】
混合金属化合物の送達は、混合金属化合物が典型的に、(約1.9g/mlの密度のような)高い微粒子密度を持つことから、とりわけ問題になる。そのような化合物と、典型的な水性担体流体間の密度の大きな違いによって、混合金属化合物が、保存に際して沈殿する傾向を持つ。担体流体のレオロジーを、流体の粘度を増加させ、したがって懸濁した固体の沈殿速度を遅らせるために変更してよい。しかしながら、特殊な高微粒子密度のために、沈殿速度が減少する一方で、沈殿が、比較的短い時間フレームにわたって起こりうるという不都合が生じる。さらに、高い流体粘度により、任意の沈殿した混合金属化物を再分散させることが難しくなる。
【0007】
米国特許出願第4,689,219号明細書は、特定の比範囲での、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物を含む組成物を記載している。本製剤は、摂取の直前に飲み物に加える、乾燥顆粒としてパッケージされている。
【0008】
国際公開第2007/135362号パンフレットは、懸濁非ステロイド抗炎症薬を含む、キサンタンガム、PVPおよびグリセロールに基づく製剤を記載しており、そこで、PVPは分散剤として、グリセロールは密度増加剤として作用する。開示されている最適なPVP濃度は、0.5〜約3.5%w/vである。さらに、懸濁非ステロイド抗炎症薬は、〜5%w/vの濃度で存在する。これは、混合金属化合物に対する典型的にようきゅうされる10%w/vの送達レベルに匹敵する。
【0009】
愛国特許出願第IE153343号明細書は、ペンジメタリン、殺虫剤の水性懸濁液濃縮組成物を開示している。よりとりわけ、愛国特許出願第IE153343号明細書は、ポリビニルピロリドン(PVP)のような増粘剤との組み合わせで、0.02〜3.0%w/vの濃度での、キサンタンガムのような懸濁剤の使用を開示している。提案されている組成物にはまた、安定懸濁液を提供するために、界面活性剤、沈殿剤または湿潤剤、および消泡剤が含まれる。
【0010】
米国特許出願第5,300,302号明細書は、キサンタンガムか、またはキサンタンガムとメチルセルロースの混合物を含む、水分散性ゲル賦形剤中に均一に分布した薬剤を含む、組成物を含む薬物送達系を開示している。
【0011】
国際公開第03/013473 A1号パンフレットは、実質的に安定である薬物粒子の懸濁液を提供するために、キサンタンガムと湿潤剤と組み合わせてよい、コロイド状二酸化ケイ素を教示している。二酸化ケイ素は、キサンタンガムと相乗効果を持ち、他の可能なものよりもより安定な懸濁液を提供することが言及されている。
【0012】
米国特許出願第5112604号明細書では、薬物;コロイド状二酸化ケイ素;親水コロイドガム;湿潤剤;消泡剤および炭水化物を含む水性製剤を開示しており、前記製剤は90日間安定している。
【0013】
米国特許出願第7300670号明細書には、約0.9〜約1.6g/mlの密度、約20ミクロンより小さな平均粒子サイズを持つ少なくとも1つの微粒子薬剤、約0.2〜約15Paの最終懸濁液に対する収率値と、少なくとも約50cpsの100sec−1での見かけの粘度を提供する、粘度構築剤を追加するか追加しないかで、塑性流動を示す少なくとも1つの懸濁ポリマー、約0.2g/ml未満の各微粒子薬剤と絶対密度差を持つ液相を含む、経口投与のための水性の医薬品の懸濁液が開示されている。
【0014】
無菌組成物を提供するために、先行技術によって、液体組成物に放射線照射してよいことが教示されてきた。例えば、米国特許出願第527367号明細書には、非照射キサンタンガムを電離放射線で照射することによって調製した、変更され、急速に水和されたキサンタンガムと、およびさらにゲル化ヒドロコロイドとして、非照射キサンタンガムを含む食品を無菌化するための工程が開示されている。
【0015】
照射は無菌性を提供しうるが、不溶性生成物を含む液体に適用する時に、多数の問題が明らかになる。例えば、「Formulation of Sterile Surgical Lubricant」Adams,I.,S.S.Davis and R,Kenshaw.1972,J.Pharm.Pharmacol.,24:178Pによって、照射後、メチルセルロース内のゲル構造の完全な喪失が記載されている。Robert James Woods and Aleksei Konstantinovich PikaevによるApplied Radiation Chemistryによって、25kGyの標準照射用量が多くの国で使用されており、スカンジナビア諸国では35kGyが使用されていること、しかしながら、産出環境を制御することによって、微生物の混入が、10kGyまで減少可能であることが教示されている(Publisher Wiley−IEEE,1994.ISBN0471544523,9780471544524)。米国特許出願第7259192号明細書では、10〜150kGyの好ましい用量で、キサンタンガムの高エネルギービーム照射による脱重合が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
第1の様態において、本発明は、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含む組成物を提供し、ここで、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。
【0017】
第2の様態において、本発明は、医薬品としての使用のための組成物を提供し、ここで本組成物は、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含み、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。
【0018】
第3の様態において、本発明は、リン酸塩を結合するための組成物を提供し、ここで本組成物は、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含み、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。
【0019】
第4の様態において、本発明は、高リン血症の処置における使用のための組成物を提供し、ここで、本組成物は、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含み、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。
【0020】
本発明は、不溶性混合金属化合物、すなわち鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含むものを送達するための、担体システムを提供する。本システムは、担体の摂取に関する問題、または不溶性化合物上で担体が持ちうる有害な効果のいずれかに関して、先行技術のシステムの不都合を回避する。重要なことに、多くの先行技術担体は、混合金属化合物のリン酸塩結合能力に対して、有意に有害である。リン酸塩結合能力は、そのような化合物の鍵となる特性である。
【0021】
担体流体のレオロジーを変更するために使用される多くの先行技術賦形剤は、本質的にアニオン性であり、したがって、混合金属化合物と反応し得、その混合金属化合物は、アニオン交換によってリン酸塩に結合する。その結果として、混合金属化合物の続くアニオン結合能力(この場合リン酸塩に対する)が妨げられる。
【0022】
本発明は、油脂に基づく担体の使用が回避されるシステムを提供する。そのような担体は、高い相対カロリー値の欠点を持ちうる。そのような高いカロリー値は一般的に、望ましくないものと考えられ、特に、カロリー制限食をとっている対象に対して、および/または長時間、該組成物を摂取しうる対象に対して望ましくない。
【0023】
本発明はさらに、高負荷の混合金属化合物を送達可能にするという利点がある。これは、定量の混合金属化合物を送達するのに必要な産物の量を、許容可能な量内で維持するという利点である。このような高負荷の使用が、流体摂取を制御することを望む、または要求される対象にとってとりわけ都合がよい。そのような群は、摂取する流体の量を典型的に制限しなければならない透析患者である。任意の水性液体投与製剤が、患者が摂取する液体の量に寄与し、したがって液体の量が最小に維持されなければならない。混合金属化合物は、対象においてリン酸塩を結合するため、または高リン血症を治療するために使用されてよく、組成物は、連続して透析を受けているであろう、腎臓疾患を患う化合物に投与されるべきである。したがって、高負荷を送達するための要求が、混合金属化合物を送達するときにとりわけ適用できる。
【0024】
本発明はさらに、保存された液体組成物のために提供され、保存成分の添加が必要ない、という利点がある。先行技術の教示とは逆に、本発明者らは、懸濁物質の特定の組み合わせの選択、および特定の放射線用量の選択によって、安定で、保存された組成物が提供されうることを示してきた。排水取り扱い(クロム酸固定化)の領域における先行技術によって、1000〜6000kGyでの放射線照射が、混合金属化合物に対して有害であり、およびスピネルの形成を促進することが示された。とりわけ、本発明者らは、保存成分を必要としないことを示してきた。対象の濃度範囲(およそ10% w/v)での未平衡化水性システム中の混合金属化合物は、相対的に高いpH(およそ9.2〜9.4)を提供する。高いpHは、細菌の制御のために効果的な濃度、かつ人間母集団で組成物を使用のために安全なレベルでの、あらゆる公知の、市販されている保存剤の使用を除外する。化学的保存について、人間母集団で安全な濃度で保存剤を使用するために、製剤のpHは、約8.2またはそれ未満に制限されなければならない。保存剤は、pH8.2以上で効果を持ちうるが、例えば保存に際し、製剤のpH増加に対しては、ほとんどマージンはない。pHの有意な低下、すなわちおよそpH8.0以下は、混合金属化合物構造からマグネシウムを放出することなしになしえない。このことは、混合金属化合物構造を変化させる効果を有し、および混合金属化合物のリン酸塩結合能のような特性を損なうこともありうる。
【0025】
高リン血症
一つの様態において本明細書で議論するように、本発明は、高リン血症の治療における使用のための組成物を提供し、そこで、本組成物は、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含み、本組成物は、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射される。
【0026】
高リン血症は、血中のリン酸塩のレベルが異常に上昇する、電解質の障害である。高リン血症は、透析患者で頻繁にみられ、標準の透析レジメでは、低リン酸塩食でさえも、摂取したリン酸塩量を除去できないために、死のリスクの増加と血管石灰化の発生に関連する。高リン血症の存在によって、高カルシウム血症、二次副甲状腺機能亢進症、1,25ビタミンD3減少および進行性代謝骨疾患が導かれる。血中のリン酸塩レベルの増加は、最終的に血管石灰化の増加の原因となるが、最近の研究ではまた、病状経過が、1,25ビタミンD3と上昇したリン酸塩カルシウム産物によってさらに影響を受けうることが示唆されてきている。慢性的に制御されていない高リン血症の患者は、皮膚、関節、腱、靱帯内へのカルシウム/リン酸塩産物の沈着のために、進行性の広範囲な軟組織石炭化を発生させる。カルシウム/リン酸塩産物の眼沈着もまた記載されてきた。
【0027】
経口リン酸塩結合剤を用いた血清リン酸塩レベルの制御が、したがって、透析患者のマネージメントにおける鍵となる治療標的となる。食料とともに取るこれらの結合剤は、含まれるリン酸塩を不溶性にし、したがって吸収されなくする。
【0028】
参照しやすいように、本発明のこれらの、そしてさらなる様態をここで、以下の適切な項目の表題で議論する。しかしながら、各セクション下の教示は、それぞれ特定の項目に必ずしも制限されない。
【0029】
好ましい様態
成分(i)−混合金属化合物
本明細書で使用される混合金属化合物は、鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む任意の混合金属化合物であってよい。一つの好ましい様態において、混合金属化合物は、少なくとも鉄(III)と少なくともマグネシウムを含む。
【0030】
好ましくは、化合物は式I
【化1】

であり、式中MIIは1つ以上の二価金属であり、少なくともMg2+であり、
IIIは1つ以上の三価金属であり、少なくともFe3+であり、
n−は1つ以上のn−価アニオンであり、少なくともCO2−であり、
(Σyn)/xは0.5〜1.5であり、
0<x≦0.4、
0<y≦1および
0<m≦10である、
【0031】
(Σyn)/xは好ましくは、0.7〜1.3、0.8〜1.2、0.9〜1.1、およそ1、1.0のような0.6〜1.4であってよい。
【0032】
一つの好ましい様態において、化合物は、10,000ppm未満、より好ましくは7,000ppm未満、より好ましくは5,000ppmよりすくない、より好ましくは3,000ppm未満、より好ましくは1000ppm未満、より好ましくは700ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より好ましくは300ppm未満、より好ましくは200ppm未満、最も好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、最も好ましくは30ppm未満量のアルミニウムを含む。
【0033】
一つの様態において、混合金属化合物は、国際公開第99/015189号パンフレットにて記載の化合物である。
【0034】
一つの様態において、混合金属化合物は、国際公開第2006/085079号パンフレットにて記載の化合物である。
【0035】
一つの様態において、混合金属化合物は、国際公開第2009/050468号パンフレットにて記載の化合物である。
【0036】
一つの様態において、混合金属化合物は、英国特許出願第0913525.2号明細書に従って調製される化合物である。
【0037】
好ましくは、化合物は、300μm未満のd50平均粒子サイズを持つ。好ましくは、化合物は、200μm未満のd50平均粒子サイズを持つ。好ましくは、化合物は、100μm未満のd50平均粒子サイズを持つ。好ましくは、化合物は、2〜50μm未満のd50平均粒子サイズを持つ。好ましくは、化合物は、2〜30μm未満のd50平均粒子サイズを持つ。
【0038】
本発明は、さらなる処理により得られた産物を包含する。一つの様態において、乾燥粗産物を粉砕する。より好ましくは、乾燥未精製産物を、10μm未満のd50平均粒子サイズまで粉砕し、またより好ましくは、乾燥未精製産物を、2〜10μm未満のd50平均粒子サイズまで粉砕し、最も好ましくは乾燥未精製産物を、2〜7μm未満のd50平均粒子サイズまで粉砕し、また最も好ましくは乾燥粗産物を、およそ5μmのd50平均粒子サイズまで粉砕する。
【0039】
本組成物の物理的安定性をさらに、例えばミクロ化または湿式粉砕によって、混合金属化合物の粒子サイズを減少させることによって改善してよい。
【0040】
本組成物の物理的安定性をさらに、組成物内へ取り込む前に、混合金属化合物を乾燥させることによっても改善してよい。本発明者らは、驚くべきことに、混合金属化合物を、<15% w/wの水分含量まで乾燥させることによって、本水性液体製剤内で安定した混合金属化合物が産出されることがわかった。反対に、乾燥していない混合金属化合物(すなわち通常の方法での反応によって合成したが、乾燥させずに洗浄し、および濾過した混合金属化合物)は、液体に調製したときに、安定ではなかった。
【0041】
一つの好ましい様態において、混合金属化合物は、8〜12w/vの量で存在し、好ましくは混合金属化合物は、おおよそ10w/vの量で存在する。
【0042】
混合金属化合物は、1.6g/mlより大きな、または1.9g/mlより大きな、(方法20に従って測定したように)粒子密度であってよい。さらに、混合金属化合物と、(典型的に、成分(ii)と成分(iii)を含む)組成物の流体間の粒子密度の差は、0.2g/mlより大きい。
【0043】
照射
本明細書で議論するように、本組成物に、少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射する。好ましくは、組成物を、少なくとも6kGyの量で、例えば少なくとも8kGyの量で、例えば少なくとも10kGyの量で、電離放射線で照射した。好ましくは、組成物に、20kGy以下の量で、15kGy以下の量で、12kGy以下の量で、10kGy以下の量で、電離放射線で照射した。本組成物に、1〜15kGyの量、例えば2〜14kGy、4〜12kGy、6〜10kGyの量で、電離放射線で照射した。好ましくは、組成物に、4〜20kGyの量、例えば4〜15kGyの量、例えば4〜12kGyの量、例えば4〜10kGyの量で電離放射線で照射した。好ましくは、組成物に、6〜20kGyの量、例えば6〜15kGyの量、例えば6〜12kGyの量、例えば6〜10kGyの量で、電離放射線で照射した。
【0044】
電離照射線の任意の好適な供給源を用いて、望ましいレベルの照射を提供してよい。電子ビーム、ガンマおよびx線照射が好ましいことが予想される。
【0045】
成分(ii)−キサンタンガム
キサンタンガムは、異なるモノサッカライド、マンノース、グルコースおよびグルクロン酸からなる、天然のアニオン性のバイオポリサッカライド(biopolysaccharide)である。前記キサンタンガムは、他の一般的な天然ポリマーと比べて、酵素による分解に対して抵抗性であるという利点を持つ。キサンタンガムを用いた懸濁液には、いったん降伏応力を超えると、剪断が減粘し、すなわち剪断入力が増加するとともに粘度が減少する、という利点がある。したがって、沈殿が発生した場合、粘度を減少させ、および任意の沈殿した固体を再分散することを助けるために、(例えば液体容器を振ることによって)剪断入力を適用することができる。本明細書で議論するように、本組成物は、キサンタンガムを含まなければならない。当業者は、キサンタンガムが、本発明の目的を達成するために十分な任意の好適な量で存在してよいことを理解するであろう。
【0046】
一つの様態において、キサンタンガムは、組成物の重量を基準に、10wt%以下の量で、好ましくは7wt%以下の量で、好ましくは5wt%以下の量で、好ましくは3wt%以下の量で、好ましくは2wt%以下の量で、好ましくは1.5wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.8wt%以下の量で、好ましくは0.6wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で存在する。
【0047】
一つの様態において、キサンタンガムは、組成物の重量を基準に、0.01wt%以上の量で、好ましくは0.02wt%以上の量で、好ましくは0.03wt%以上の量で、好ましくは0.05wt%以上の量で、好ましくは0.08wt%以上の量で、好ましくは0.1wt%以上の量で、好ましくは0.2wt%以上の量で、好ましくは0.3wt%以上の量で存在する。
【0048】
一つの様態において、キサンタンガムは、組成物の重量を基準に、0.01〜10wt%の量で、好ましくは0.02〜7wt%の量で、好ましくは0.03〜5wt%の量で、好ましくは0.05〜3wt%の量で、好ましくは0.08〜2wt%の量で、好ましくは0.1〜1wt%の量で、好ましくは0.2〜0.8wt%の量で、好ましくは0.2〜0.6wt%の量で、好ましくは0.2〜0.5wt%の量で、好ましくは0.3〜0.5wt%の量で存在する。
【0049】
成分(iii)
本明細書で議論するように、本組成物は、少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン、(b)ローカストビーンガムおよび(c)メチルセルロースを含まなければならない。少なくとも1つのそれによって、列記した成分の1つが存在してよく、列記した2つの成分が存在してよく、または列記した成分3つすべてが存在してよいことが、当業者により理解されるであろう。1、2または3つの列記した成分は、本発明の目的を達成するために十分な、任意の好適な量で存在してよい。
【0050】
一つの様態において、本組成物はポリビニルピロリドンを含む。一つの様態において、本組成物は、ローカストビーンガムを含む。一つの様態において、本組成物は、メチルセルロースを含む。一つの様態において、本組成物は、ポリビニルピロリドンとローカストビーンガムを含む。一つの様態において、本組成物はポリビニルピロリドンとメチルセルロースを含む。一つの様態において、本組成物は、ローカストビーンガムとメチルセルロースを含む。一つの様態において、本組成物は、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガムおよびメチルセルロースを含む。
【0051】
ローカストビーンガムは、高分子量の、親水性ポリサッカライドである。非イオン性であり、したがって混合金属化合物へ結合することによってリン酸塩と競合する可能性はない。
【0052】
一つの様態において、成分(iii)は、組成物の重量を基準に、10wt%以下の量で、好ましくは7wt%以下の量で、好ましくは5wt%以下の量で、好ましくは3wt%以下の量で、好ましくは2wt%以下の量で、好ましくは1.5wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.8wt%以下の量で、好ましくは0.6wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で存在する。各上記量は、(a)ポリビニルピロリドン、(b)ローカストビーンガムおよび(c)メチルセルロースの総量の合計を意味する。
【0053】
一つの様態において、ポリビニルピロリドンは、組成物の重量を基準に、10wt%以下の量で、好ましくは7wt%以下の量で、好ましくは5wt%以下の量で、好ましくは3wt%以下の量で、好ましくは2wt%以下の量で、好ましくは1.5wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.8wt%以下の量で、好ましくは0.6wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で存在する。
【0054】
一つの様態において、ローカストビーンガムは、組成物の重量を基準に、10wt%以下の量で、好ましくは7wt%以下の量で、好ましくは5wt%以下の量で、好ましくは3wt%以下の量で、好ましくは2wt%以下の量で、好ましくは1.5wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.8wt%以下の量で、好ましくは0.6wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で存在する。
【0055】
一つの様態において、メチルセルロースは、組成物の重量を基準に、10wt%以下の量で、好ましくは7wt%以下の量で、好ましくは5wt%以下の量で、好ましくは3wt%以下の量で、好ましくは2wt%以下の量で、好ましくは1.5wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.8wt%以下の量で、好ましくは0.6wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で存在する。
【0056】
一つの様態において、成分(iii)は、組成物の重量を基準に、0.01wt%以上の量で、好ましくは0.02wt%以上の量で、好ましくは0.03wt%以上の量で、好ましくは0.05wt%以上の量で、好ましくは0.08wt%以上の量で、好ましくは0.1wt%以上の量で、好ましくは0.2wt%以上の量で、好ましくは0.3wt%以上の量で存在する。上記量のそれぞれは、(a)ポリビニルピロリドン、(b)ローカストビーンガムおよび(c)メチルセルロースの総量の合計を意味することが理解される。
【0057】
一つの様態において、ポリビニルピロリドンは、組成物の重量を基準に、0.01wt%以上の量で、好ましくは0.02wt%以上の量で、好ましくは0.03wt%以上の量で、好ましくは0.05wt%以上の量で、好ましくは0.08wt%以上の量で、好ましくは0.1wt%以上の量で、好ましくは0.2wt%以上の量で、好ましくは0.3wt%以上の量で存在する。
【0058】
一つの様態において、ローカストビーンガムは、組成物の重量を基準に、0.01wt%以上の量で、好ましくは0.02wt%以上の量で、好ましくは0.03wt%以上の量で、好ましくは0.05wt%以上の量で、好ましくは0.08wt%以上の量で、好ましくは0.1wt%以上の量で、好ましくは0.2wt%以上の量で、好ましくは0.3wt%以上の量で存在する。
【0059】
一つの様態において、メチルセルロースは、組成物の重量を基準に、0.01wt%以上の量で、好ましくは0.02wt%以上の量で、好ましくは0.03wt%以上の量で、好ましくは0.05wt%以上の量で、好ましくは0.08wt%以上の量で、好ましくは0.1wt%以上の量で、好ましくは0.2wt%以上の量で、好ましくは0.3wt%以上の量で存在する。
【0060】
一つの様態において、成分(iii)は、組成物の重量を基準に、0.01〜10wt%の量で、好ましくは0.02〜7wt%の量で、好ましくは0.03〜5wt%の量で、好ましくは0.05〜3wt%の量で、好ましくは0.08〜2wt%の量で、好ましくは0.1〜1wt%の量で、好ましくは0.2〜0.8wt%の量で、好ましくは0.2〜0.6wt%の量で、好ましくは0.2〜0.5wt%の量で、好ましくは0.3〜0.5wt%の量で存在する。上記量のそれぞれは、(a)ポリビニルピロリドン、(b)ローカストビーンガムおよび(c)メチルセルロースの総量の合計を意味することが理解されるであろう。
【0061】
一つの様態において、ポリビニルピロリドンは、組成物の重量を基準に、0.01〜10wt%の量で、好ましくは0.02〜7wt%の量で、好ましくは0.03〜5wt%の量で、好ましくは0.05〜3wt%の量で、好ましくは0.08〜2wt%の量で、好ましくは0.1〜1wt%の量で、好ましくは0.2〜0.8wt%の量で、好ましくは0.2〜0.6wt%の量で、好ましくは0.2〜0.5wt%の量で、好ましくは0.3〜0.5wt%の量で存在する。
【0062】
一つの様態において、ローカストビーンガムは、組成物の重量を基準に、0.01〜10wt%の量で、好ましくは0.02〜7wt%の量で、好ましくは0.03〜5wt%の量で、好ましくは0.05〜3wt%の量で、好ましくは0.08〜2wt%の量で、好ましくは0.1〜1wt%の量で、好ましくは0.2〜0.8wt%の量で、好ましくは0.2〜0.6wt%の量で、好ましくは0.2〜0.5wt%の量で、好ましくは0.3〜0.5wt%の量で存在する。
【0063】
一つの様態において、メチルセルロースは、組成物の重量を基準に、0.01〜10wt%の量で、好ましくは0.02〜7wt%の量で、好ましくは0.03〜5wt%の量で、好ましくは0.05〜3wt%の量で、好ましくは0.08〜2wt%の量で、好ましくは0.1〜1wt%の量で、好ましくは0.2〜0.8wt%の量で、好ましくは0.2〜0.6wt%の量で、好ましくは0.2〜0.5wt%の量で、好ましくは0.3〜0.5wt%の量で存在する。
【0064】
成分(iv)甘味剤
任意に、甘味剤(単独で、またはソルビトールとの組み合わせでのいずれかで)、および/または香料の添加によって、製剤の味を改善してよい。例えば、アセスルファームK/アスパルテーム、キシリトール、サウマチン(タリン)およびサッカリンのような甘味剤、およびバタースコッチキャンディー、カラメル、バニラ、マイルドペパーミントおよびストロベリーのような香料を使用してよい。
【0065】
組成物
好ましい絶対量のキサンタンガムと成分(iii)、すなわち少なくとも1つの(a)ポリビニルピロリドン(b)ローカストビーンガムおよび(c)メチルセルロースが本明細書で定義される。キサンタンガムと成分(iii)の比は、本明細書で記載した絶対量範囲で任意の好適な比であってよい。一つの様態において、キサンタンガムと成分(iii)は、2:1〜1:2の比で存在する。好ましくはキサンタンガムおよび成分(iii)は、おおよそ1:1の比で存在する。
【0066】
組成物は、少なくともポリビニルピロリドンを含む場合、好ましくは、組成物は(ii)キサンタンガムおよび(iii)ポリビニルピロリドンを含み、そこで、キサンタンガムとポリビニルピロリドンは、およそ2:1の比で存在する。本様態において、好ましくは、組成物に、少なくとも8kGyの量で電離放射線を照射する。
【0067】
組成物が、少なくともローカストビーンガムを含む場合、好ましくは、組成物は(ii)キサンタンガムおよび(iii)ローカストビーンガムを含み、そこで、キサンタンガムとローカストビーンガムは、おおよそ1:1の比で存在する。本様態において、好ましくは、組成物に、少なくとも6kGyの量で電離放射線を照射する。
【0068】
組成物が、少なくともメチルセルロースを含む場合、好ましくは、組成物は(ii)キサンタンガムおよび(iii)メチルセルロースを含み、そこで、キサンタンガムとローカストビーンガムは、おおよそ1:1の比で存在する。本様態において、好ましくは、組成物に、少なくとも10kGyの量で電離放射線を照射する。
【0069】
以下の組成物が好ましい。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【0070】
非常に好ましい組成物には、
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)総組成物に基づいて、0.3〜0.5wt%の量で、キサンタンガム
(iii)総組成物に基づいて、0.3〜0.5wt%の量で、ローカストビーンガム
が含まれ、ここで組成物に、4〜10kGyのような、6kGyのような、または6〜10kGyのような、少なくとも4kGyの量で、電離放射線を放射する。
【0071】
本組成物は、1つ以上のさらなる成分を含んでよい。1つの好ましい様態において、組成物は、医薬組成物であり、さらに、(iv)1つ以上の薬理学的に許容可能なアジュバント、賦形剤、希釈液または担体を含む。
【0072】
一つの好適な様態において、組成物は本質的に、湿潤剤を含まない。多くの不溶性薬剤は、例えば薬剤を分散させるために湿潤剤を要し、または製剤の中の空気泡の混入を防止するために、消泡剤を要する。本発明者らは、本組成物に組み込まれる時に、混合金属化合物は、湿潤剤を要しないことがわかった。この効果および湿潤剤の排除はとりわけ、混合金属化合物が、1.5〜2.5のマグネシウムイオン比を持ち、炭酸塩アニオンを含む場合に顕著である。「湿潤剤を本質的に含まない」ことにより、組成物が、組成物の重量に基づいて、10wt%以下の量で、好ましくは1wt%以下の量で、好ましくは0.5wt%以下の量で、好ましくは0.3wt%以下の量で、好ましくは0.22wt%以下の量で、好ましくは0.1wt%以下の量で、好ましくは0.05wt%以下の量で、好ましくは0.02wt%以下の量で、好ましくは0.01wt%以下の量で、好ましくは0.005wt%以下の量で、好ましくは0.001wt%以下の量で、好ましくは0.0001wt%以下の量で、好ましくは測定できないほどの量で、湿潤剤を含むことを意味する。
【0073】
本発明に対する他の様態として、賦形剤の組み合わせが、混合金属化合物成分により発生する「ざらざら感」といった口腔内の感覚を防止する効果を有する。
【0074】
任意に、甘味剤(単独で、またはソルビトールとの組み合わせでのいずれかで)、および/または香料の添加によって、製剤の味を改善してよい。例えば、アセスルファームK/アスパルテーム、キシリトール、サウマチン(タリン)およびサッカリンのような甘味剤、およびバタースコッチキャンディー、カラメル、バニラ、マイルドペパーミントおよびストロベリーのような香料を使用してよい。
【0075】
梱包
本発明者らは、小袋が、照射に耐えうる梱包物質を本発明者らが選択したという利点をさらに有する1回分の服用量の製剤のための容器の使い勝手のよい形態であることがわかった。好ましくは、微生物が安定した製剤を長期にわたり使用する必要性を回避するためだけに、1回分の使用に適した小袋を選択し、これは、保存剤を、混合金属化合物と組み合わせて使用することを禁止するからである。本発明者らはしたがって、本明細書の上述で言及したすべての要求を満たし、小袋を使用することの両立性(すなわち注ぐことができること、均質性など)も提供するような製剤を開発した。あるいは、無菌状態を確保するために、どんなに後発製剤の調剤および梱包工程から微生物および細菌の混入源を排除しなければいけないといっても、原材料は照射され得る。したがって、この方法は好ましくない。
【0076】
製剤の調製後5日以内、好ましくは2日以内、より好ましくは1日以内、さらにより好ましくは製剤の調製後すぐに、典型的には製剤に照射する。原材料の初期細菌および真菌含量および製剤の調製(すなわち放射前)の清潔度は、細菌および真菌の混入を最小限にするほどのものであることは、当業者に理解されるであろう。
【0077】
放射へ抵抗性を示す、小袋のような梱包で使用するポリマーとして、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル類、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリウレタン、PVC、ケイ素、ナイロン、ポリプロピレン(照射グレード)およびフロロプラスチックが挙げられる。
【0078】
金属箔を、小袋を構成する物質として使用する場合、例えば小袋の中身に浸出する、または反応することを避けるための物質を選択するときに、注意しなければならなく、または浸出を回避することに適したポリマーでコーティングすべきである。
【0079】
使用
本明細書で記載したように、一つの様態において、本発明は、高リン血症の治療に使用する組成物を提供する。しかしながら、組成物は、この特定の使用に限定はされない。組成物を、国際公開第2009/016349号パンフレットの技術にしたがって、制酸剤として使用してよい。
【0080】
さらに好ましい様態および利点
初期および保存の両方で、液体の投与形態内でリン酸塩結合能を伝達し、適切な微生物学的特性を有し、物理的に安定で、および好適な外観である、それぞれ混合金属化合物をそれぞれ含む多くの製剤が同定されている。混合金属化合物のリン酸塩結合能は、賦形剤および他の添加物によって阻害されない。
【0081】
第1の製剤は、最適な線量レベル(6kGy)での照射によって保存される、キサンタンガム(0.35%w/v)およびローカストビーンガム(0.35%w/v)の最適な組み合わせに基づく(以下E24を参照のこと)。本製剤は、物理的および微生物学的に安定していることと、リン酸塩結合の効果/安定性の良好な組み合わせを有し、小袋中での使用のために好適である。長期にわたって安定した使用が要求されない、1回使用の製剤にとりわけ好適である。
【0082】
PVP(0.5%w/v)とキサンタンガム(1.0%w/v)の組み合わせに基づく第二製剤(以下E22を参照のこと)は、線量レベル(8kGy)で照射することにより保存されることがわかった。本製剤は、物理的および微生物学的安定性と、リン酸塩結合の効果/安定性の良好な組み合わせを有し、好ましい。長期にわたって安定した使用が要求されない、1回使用の製剤のためにとりわけ好適である。
【0083】
メチルセルロースのキサンタンガムとの組み合わせに基づく第三製剤(以下E10を参照のこと)は、線量レベル(10kGy)での照射によって保存されることがわかった。本製剤は、保存安定性(物理的、微生物学的、およびリン酸塩結合の効果/安定性)を持つ。本製剤は、加速保存安定性試験の間に発生する、リン酸塩結合能におけるわずかな減少を示す。長期にわたって安定した使用が要求されない、1回使用の製剤のためにとりわけ好適である。
【0084】
本発明者らは、小袋が、梱包物質が照射に耐えるように選択可能であるというさらなる利点を持つ、1回投与製剤のために使い勝手がよい容器の形態であることがわかった。
【0085】
以下、本発明を、単に例示を目的として、添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】グラフを示しており、および
【図2】グラフを示している。
【発明を実施するための形態】
【0087】
本発明は、以下の実施例で、より詳細に説明する。
【0088】
レオロジー
降伏応力を有する製剤は、無制限に製剤内に固体を懸濁させる理論上の能力を有する。したがって、最小の降伏応力を測定する必要があった。
【0089】
混合金属化合物を懸濁させるための理論最小収率値(Pa)(方法2に従って計算した)は0.2Paであった。増粘剤を、重力が誘導する沈殿を防止するために、最小臨界値より上の降伏応力を提供しうる濃度で選択した。水性システムのレオロジーをついで、方法3に従い評価した。
【0090】
製剤を調製の間取り扱い、使用の間容器より注ぎおよび/または絞ることができなければならないので、収率値は、19Pa以下でなければならない。もちろん、小袋から製剤を絞る場合、より高い降伏応力値が適用可能でありうるが、(患者が感じる味および/または食感を維持するために)好ましくは30Pa未満に制限される。
【0091】
製剤は、混合金属化合物を懸濁液中で維持する一方、簡単に混合され、注がれ、または絞られ、および飲み込まれなければならず、および保存に際して安定でなければならない。その結果として、製剤は、高剪断にて低い粘度を、低剪断にて高い粘度を有する必要がある。
【0092】
したがって、降伏応力の最適な範囲、および高剪断にて低粘度、および低剪断にて高粘度が存在する。最小収率値を確立するための重量沈殿試験、および最大降伏応力を測定するために発見された「注入性」の視覚による評価を用いて、0.5〜約19Paの最適な降伏応力が実験的に同定された。
【0093】
賦形剤なし(対照)
水中の微粒子化した混合金属化合物の混合液(5%w/v混合金属化合物)を調製したが、混合金属化合物はすぐに沈殿し、降伏応力は0.5Pa未満であった。したがって、物理的に安定な製剤の基準を満たさなかった。
【0094】
単一物質
アルギン酸塩(比較)
アルギン酸(ナトリウム、褐藻類より、2%溶液に対して3,500cp)(それぞれ1および2%w/v)および水と微粒子化した混合金属化合物(5%w/v)の混合液を調製し、混合金属化合物は、比較的高濃度のアルギン酸塩の存在下でさえ、急速に沈殿した。製剤は測定可能な降伏応力を持たず、したがって、物理的に安定な製剤の基準を満たさなかった。
【0095】
カルボポール974 P NF(比較)
カルボマー974 P NFは、負電荷のカルボキシレート基を産出するために塩基を用いて酸性の官能基の中和を必要とする、ポリアクリル酸である。これにより、ポリマーのコイルがほどかれ、したがって水性系の粘度を高める。
【0096】
カルボポール974 P NF(0.2%w/v)および水と微粒子化した混合金属化合物(5%w/v)の混合液を調製した。本製剤のリン酸塩結合能は許容可能であり、カルボポールとの混合金属化合物の組み合わせによって、系は、「ゲル」化し、これ以上注ぐことはできなかった。
【0097】
微晶質性セルロース(比較)
微晶質性セルロース(2%w/v)との微小化混合金属化合物(5%w/v)と水の混合液を調製し、再び混合金属化合物は急激に沈殿した。したがって、物理的に安定な製剤の基準を満たさなかった。
【0098】
メチルセルロース(比較)
メチルセルロース(それぞれ2および3%w/v、400cPグレードおよび1%、1500cPグレード)および水と微粒子化した混合金属化合物(5%w/v)の混合液を調製し、再び混合金属化合物が急速に沈殿した。したがって、物理的に安定な製剤の基準を満たさなかった。
【0099】
コロイドシリカ(比較)
Aerosil 200(供給業者、エボニック(Evonik))のようなコロイドシリカは、液体懸濁液を構築するのを助けるために一般的に使用される。小さい粒子サイズおよび他の粒子特性のために、コロイドシリカは、液体系の中で、三次元のネットワークを形成する能力を有する。コロイドシリカを、組成物のレオロジーを変更するために効果的に使用することができる。しかしながら、それぞれ0.5および10%w/vの濃度での、コロイドシリカと混合金属化合物の組み合わせは、物理的に安定した製剤を産出することができなかった(24時間以内に沈殿)。
【0100】
キサンタンガム(比較)
種々の濃度のキサンタンガム(それぞれ0.2〜1%w/v)および水と混合金属化合物(5%w/v)の混合液を調製した。各製剤が、安定性の改善(1〜10Paの測定可能な降伏応力まで部分的に起因する)を示した一方で、混合金属化合物の目に見える凝集が観察された。これは許容できないとみなされた。凝集の形成は、一般的に、良好な物理的安定性を有する製剤と一致しない。
【0101】
要約
まとめると、使用した単一の賦形剤のどれもが、混合金属化合物の懸濁液に対して好適な降伏応力をもたらさなかった。
【0102】
1つ以上の物質の組み合わせ
目に見える凝集および好ましい降伏応力を最適化するという課題を解決するために、種々の賦形剤を、ある範囲の濃度で混合しおよび試験を行った。これらの製剤の組成物は、以下の表1、2および3に示す。
【0103】
キサンタンガムとシリカ(比較)
3つの異なる濃度のコロイドシリカを、3つの異なる濃度のキサンタンガムとともに試験を行い、9つの製剤のマトリックスを作成した。製剤のレオロジーおよび物理的安定性
を測定し、製剤外観を定性的に評価した。最適な製剤E1についてデータを示す。
【0104】
シリカとキサンタンガムのすべての組み合わせが安定した製剤をもたらしているのではないことがわかった。本発明者らは、驚くべきことに、シリカがおよそ0.1〜0.5%w/vの範囲で存在し、キサンタンガムが0.5〜1.0%w/vで存在し、およびそれらの薬剤の合計が、およそ0.5〜1.0%w/vであるもののみが好適であることがわかった(製剤E1)。
【0105】
コロイドシリカの含有は、製剤の好ましいレオロジーを有意に変更しなかった、すなわち製剤の有利な降伏応力および剪断減粘特性を維持した。先行技術に反して、混合金属化合物を適切に分散するための、湿潤剤または消泡剤の含有する必要はなかった。
【0106】
本発明者らのデータは、先行技術に反して、キサンタンガムとシリカのほとんどの組み合わせが、不溶性の産物を含む医薬品の不安定な懸濁液を産出することを示唆する。本発明者らは、照射する前に安定した、好適であるが狭い範囲(すなわちE1製剤)を認めたが、照射では、シリカ製剤は、照射が非常に高いレベル(10kGy以上)で照射されたときに無菌の製剤をもたらすことがわかり、次々に液体の物理的安定性の低下を引き起こす(理論に束縛されるものではないが、賦形剤中での変化によると思われる)。
【表4】

【0107】
微晶質性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム(比較)およびキサンタンガムとローカストビーンガム
アビセル(Avicel)RC591は、薬理学的懸濁液およびエマルジョンの調製で使用される、水分散性ハイドロコロイドである。これは、微晶質性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの噴霧乾燥ブレンドである。本産物に関するデータは、以下で製剤E2として報告している。
【0108】
アビセルCL611もまた、微晶質性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合であるが、使用時点でのみ液体を加えることにより乾燥製剤として保存することに非常に適する。
【表5】

1.保存に際し、上清液の小さな層を形成する。
【0109】
アビセルRC591を含む製剤E2が、容認できる製剤を産出するが、E4およびE5と比較して、分離の程度が高いことがわかった。製剤E3は物理的に安定ではなく、したがって評価不可能であった。これは、製剤調製方法に制限があるという結果でありうる。
【0110】
製剤E4およびE5を、物理的安定性を提供できるように、賦形剤の組み合わせを最適化した範囲で開発した。驚くべきことに、本発明者らは、少量のローカストビーンガムの添加(すなわち製剤E5)が、その典型的な使用とは異なり、液体として保存することに好適であった製剤を提供することがわかった。
【0111】
キサンタンガムおよびメチルセルロース
表3は、すべて、異なる濃度でのメチルセルロースとキサンタンガムの組み合わせに基づく、製剤E6〜E14を表している。
【0112】
3つの異なる濃度のメチルセルロースを、3つの異なる濃度のキサンタンガムで試験を行い、9つの製剤のマトリックスを作製した。製剤のレオロジーと物理的安定性を測定し、製剤の外観を定性的に評価した。
【表6】

【0113】
表3および図1および図2より、メチルセルロースの最適な範囲が、0.5〜1.0%w/vであることがわかる。このことにより、空気混入がなく、目に見える凝集がない、物理的に安定した製剤が産出される。
【0114】
データから、過剰な沈降(方法5)が、2.6Paまでの降伏応力値で発生することを示す。より高い降伏応力(8Pa)においてさえも、合計増粘剤値が、0.6%w/v以上で維持されない場合には、沈降は発生しうる(方法6)。
【0115】
注入性は、17Paまでの降伏応力値で許容可能であるが、30Paの値では乏しい。
【0116】
さらに、過剰量(1%w/v以上)のメチルセルロースが、Pi結合を妨害することがわかった。
【0117】
メチルセルロースの含有により、凝集の発生を防止することができるが、凝集は、1%w/vキサンタンガムを含む製剤では依然として発生しうる。
【0118】
メチルセルロースとキサンタンガムのいくつかの組み合わせがより好ましいことがわかった。(すべて、6%w/vソルビトール、10%w/vフェルマゲート混合金属化合物を含む)0.1%w/vのキサンタンガムおよびそれぞれそれぞれ0.1、0.5および1%w/vのメチルセルロースを含む製剤に対する加速沈殿試験により、それぞれの条件で(10%v/vより大きいと定義された)過剰な量の沈殿物が産出された。1%w/vのキサンタンガムと0.1、0.5および1%w/vでのメチルセルロースとを組み合わる製剤は、どれもわずかな程度の凝集を示したが、いくつかの条件では、注ぐことが難しかった(約19Paの降伏応力に相当する)。0.5%w/vキサンタンガムと0.1%w/vメチルセルロースを含む製剤に対する加速沈殿試験が、過剰な量の沈殿物を産出する一方で、0.5%w/vキサンタンガムと1%w/vメチルセルロースを含む製剤では、調製の間、過剰な空気混入があった。さらに、後者の製剤は、全体の懸濁剤の含量がより高いという不都合と共に、最適な0.5%w/vキサンタンガム/0.5%w/vメチルセルロースの製剤と同じ用量の沈殿物を有した。
【0119】
(表3の)データは、製剤の凝集を防止する増粘剤または「液体構築」剤としてのシリカの使用における、メチルセルロースの利点を示唆している。シリカの使用とは反対に、本発明者らは、メチルセルロースが、照射による影響を受けないことがわかった。
【0120】
先行技術(Adams et al 1972)の教示に反して、本発明者らは、本明細書の以下で議論する好ましい製剤の下で、混合金属化合物およびキサンタンガムを含む液体の照射の後に、メチルセルロース内のゲル構造の欠損は観測されなかった。
【0121】
さらに、リン酸塩(Pi)結合は当初は、メチルセルロースの存在による影響を受けなかった。保存に際し、メチルセルロースの存在下、Pi結合の阻害がわずかにあったが、本発明者らは、これは、メチルセルロースのレベル(0.5〜1%w/v)をより低く好適に維持することによって制御可能であることがわかった。より低いレベルのメチルセルロースの選択することにより、また、要求される降伏応力(2.6〜19Pa)を維持し、凝集または沈殿についての潜在性は増加しなかった。製剤の粘度により、混合し、小袋から注ぎまたは絞り出すことを可能にし、および口の中でざらざら感を感じることなく飲み込めるようにした。とりわけ、高剪断で低い粘度、低剪断で高い粘度を有し、および照射の後にゲル構造を欠損しない製剤を必要とする。
【0122】
その結果として、メチルセルロースの使用は、混合金属化合物とキサンタンを含む液体に対して、物理的に安定な製剤を提供するといったような利点をもたらす。
【0123】
好ましい様態において、以下の条件が維持される
−増粘剤の合計は、0.6%w/v以上で維持される
−メチルセルロース濃度は、1%w/v未満に、およびより好ましくは0.5〜1%w/vに制限される
−キサンタンガム濃度は、1%w/v未満に制限される
−降伏応力は、2.6Pa〜30Paに制限されるべきである。さらに、増粘剤合計は0.6%w/v未満の場合、沈降を防止する最小降伏応力は8Paである。
【0124】
キサンタンとメチルセルロースのある好ましい比で、キサンタンガムを含む製剤内にメチルセルロースを含有することはまた、混合金属化合物の目に見える凝集の形成を防止することがわかった。
【0125】
したがって製剤E10は好ましい(混合金属化合物の高い濃度、最適な範囲内での降伏応力、沈殿成分の再分散を可能にする剪断減粘特性、目に見える凝集が存在しない、加速遠心分離試験下の物理的安定性)。ここでも、製剤の有利なレオロジーが維持され、混合金属化合物を適切に分散するための、湿潤剤または消泡剤の含有は必要なかった。
【0126】
キサンタンガムとポリビニルピロリドン(PVP)
表4は、すべて、異なる濃度でのPVP(ポリビニルピロリドン)とキサンタンガムの組み合わせに基づく製剤E15〜E23を示している。
【表7】

【0127】
製剤E15〜E23(表4)
驚くべきことに、キサンタンガムとの組み合わせで調製した際に、PVPの組み合わせが、混合金属化合物の目に見える凝集の形成を防止したことがわかった。例えば、保存における物理的安定性(加速沈殿試験方法6および7)が、0.5〜1%w/vの投与レベルにて、キサンタンガムおよびPVPの投与レベルを維持することによって改善された。0.1%w/vでキサンタンガム、それぞれ0.1、0.5および1%w/vでPVPを含む、および0.5%w/vでキサンタンガム、0.1、0.5および1%w/vでPVPを含む、製剤(すべて、6%w/vソルビトール、10%w/v混合金属化合物を含む)における加速沈殿試験によって、すべての条件で、ある用量の沈降物を産出した。残りの製剤のうち、1%w/vのキサンタンガムを1%w/vのPVPと混合した製剤はゲル状であり、および製剤E21は、ある程度の沈殿を示した。要約すると、表3は、キサンタンガムおよびPVPが0.5〜1のレベルである場合に、最も安定な製剤が得られたことを示す。最も安定した製剤(E22)は、キサンタンガムとPVPのレベルが、それぞれ1および0.5%w/vの時に得られ、および降伏応力は10〜20Paで、より好ましくは15Paである。したがって製剤22は、10%w/vの混合金属化合物の高い濃度、10〜20Paの好ましい範囲での降伏応力、沈殿した成分の再分散を可能にする剪断減粘特性、目に見える凝集が存在しないこと、加速遠心試験方法6および7の条件下で物理的に安定しているときに好ましい。ここでも、製剤の有利なレオロジーを維持し、および混合金属化合物を適切に分散するのための湿潤剤または消泡剤の含有は必要なかった。
【0128】
キサンタンガムおよびローカストビーンガム
表5は、製剤E5〜E30を示し、PVPを異なる濃度のローカストビーンガムとキサンタンガムの組み合わせに基づくローカストビーンガム(LBG)により置き換えた。製剤E5はさらにアビセルCL611を含んだ。
【表8−1】

【表8−2】

【0129】
データから、過剰な沈降(方法7)が、2.5Pa未満の降伏応力値で発生することがわかる(方法3のデータ)。
【0130】
注入性は、降伏応力値が5.5まで許容可能であるが(方法3)、19Paおよびそれ以上の値で乏しい。
【0131】
PVPの含有は、凝集の外観を防止可能であるが、増粘剤の合計濃度が0.2%w/vまでである場合、凝集は依然として発生しうる。
【0132】
したがって、最適な製剤は
−増粘剤の合計を、0.2%w/v以上に維持する
−降伏応力を、5.5Pa以上、19Pa以内に制限する
場合に存在する。
【0133】
驚くべきことに、製剤E26〜E30のように、ローカストビーンガムとキサンタンガムの組み合わせは、混合金属化合物の目に見える凝集がない懸濁液を産出することがわかった。キサンタンガムおよびローカストビーンガム両方が0.1%w/vである製剤E25は凝集した。製剤E28、E29およびE30は、粘度の高いゼリーが見られ、E26およびE27についても粘度の高いゼリーが見られたものの、良好な注入性を有した。したがって、製剤E26およびE27の物理的形態は、キサンタンガムをたった0.1%w/vで調剤する場合に好ましいことがわかった。沈殿試験の結果は、それぞれに対して良好であった。E26およびE27に関する結果に基づき、0.35%w/vキサンタンガムおよび0.35%w/vローカストビーンガムから成る製剤が、最終的に先にすすめるために選択され、製剤E24と表す。これは、E26およびE27の有利な物理的形状を有し、凝集がないことを共有する。
【0134】
照射研究
多数の好ましい製剤に照射した(調査のパラメータには、物理的特性、リン酸塩結合および微生物学的な安定性を含む)。以下、製剤を表6に列記する。
【表9】

【0135】
要約すると、本発明者らは、成分(i)混合金属化合物、成分(ii)キサンタンガム(0.1〜1.0%w/v)、コロイドシリカ(アエロシル200)、メチルセルロース、微晶質性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(アビセルRC591およびCL611グレード)の混合、PVP(コリドンCL M)およびローカストビーンガム(0.1〜1%w/v)の1つ(または組み合わせ)から選択される成分(iii)および成分(iv)ソルビトール(6%、好ましい範囲は3〜12%)として選択された甘味料を組み合わせた好適な製剤を開発した。
【0136】
成分(i)混合金属化合物の主な機能は、リン酸塩結合能を提供し、湿潤剤として機能することである。
【0137】
成分(ii)キサンタンガムの機能は、液体の粘度を大きく増加させ、および製剤に降伏応力を与える能力である。キサンタンガム溶液の粘度は、より高い剪断率で有意に減少する。このことによって、キサンタンガムが小袋内で静止した状態で、均質性を維持できるほど十分に粘度がある点で、小袋に充填するための好適な製剤を提供する。しかしながら、例えば、充填、取り扱いおよび絞り出しによって生じる剪断力が製剤の粘度を低下させ、それによって、製剤を容易に小袋に添加し、およびすぐに小袋から分注することができる。
【0138】
成分(iii)の機能は、凝集および沈殿を防止することである。照射の後凝集および沈殿を防止するために、本発明者らは、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガムおよびメチルセルロースが好ましいことがわかった。
【0139】
成分(iv)は、低カロリー値の甘味料として、糖置換物として選択され、長期間本組成物を摂取しうる対象にとって好ましい。
【0140】
好ましい濃度範囲での、賦形剤および混合金属化合物の上記混合物が、リン酸塩結合を有意に妨げず、保存において安定な製剤を提供し(安定したレオロジー、リン酸塩結合および無菌)、混合金属化合物による口の中で感じる「ざらざら感」を防止し、および照射による無菌にする処置と両立でき、および小袋で使用できる適切なレオロジーを提供すること、の要求を満たすことがわかった。
【0141】
照射無菌化による保存
表7で記載した製剤に対する、ガンマ照射の最適な線量レベルを同定するために研究を実施した。
【0142】
各製剤の物理的および化学的特性をついで、以下の時点で試験を行った。
1)各バッチの調製後の初期解析
2)照射後:すべての製剤に10kGyの平均用量で照射した。
3)保存安定性:すべての製剤に、照射後一週間、60℃にてストレスを加えた。これにより、負担の少ない条件で、長期安定性試験で確認されうる、任意の可能性ある変質を同定することを補った。
【0143】
微生物学的安定性、物理的安定性およびリン酸塩結合の安定性の矛盾する要求を満たすために、照射の最適な線量レベルを定義すべきである。
【0144】
そのために、製剤に3つの放射強度レベル、6、8および10kGyで照射した。18個のシステムについて特徴づけられたデータを、以下表8および9にまとめる。
【0145】
賦形剤および混合金属化合物基質を、1回分の材料から取り出した。
【表10−1】

【表10−2】


【表11】

【0146】
結論
物理的安定性
先述したように、2つの賦形剤を組み合わせて使用することにより凝集が存在しない状態が達成される。
【0147】
製剤E1の遠心分離試験(沈殿に対する可能性を確認する指標)において、調製の直後および照射後に試験した試料中で、2%未満の分離が発生し、および保存安定試験の後16%まで増加した。
【0148】
製剤E10に関して、調製直後および照射直前に試験した試料にて、2%未満の分離が発生し、および保存安定試験の後は9%までしか増加しなかった。
【0149】
すべての段階における製剤E3に関して。固体層の割合が、開始の製剤が均一でなかったために、変動する。重量分離試験において、30分後、初期、照射後および保存安定試験の後の試料に関して、目に見える分離層が観察された。
【0150】
上清に関する好ましい値(%基準)はゼロであり、このことは、加速分離試験下で分離されなかったことを示唆する。試料E22およびE24は、本試験に従い、最もよく機能する。
【0151】
粒子サイズ
本発明者らは、混合金属化合物について、最適な粒子サイズは、1〜30ミクロンで存在することがわかった。粒子サイズが大きすぎる場合、粒子を懸濁するために必要とする降伏応力は高すぎ、続いて製剤の取り扱いの特性は最適ではないだろう。例えば、ボトルから製剤を注ぐこと、または小袋から製剤を絞り出すことは非常に難しくなりうる。さらに、約200ミクロン以上の粒子サイズでは、リン酸塩結合が低下する。さらに、およそ30ミクロン以上の粒子サイズでは、「ざらざら感」を感じうる。スラリーの均一性を維持するために、賦形剤(すなわち成分iiおよびiii)の最適な粒子サイズを、混合金属化合物のそれと非常に類似する(すなわち30ミクロン未満)ように選択した。
【0152】
粘度
粘度または損失率は、製剤の液体様挙動の一つの尺度である。位相角、δを、弾性係数および粘性係数より計算し、ゲル強度の測定とした。
【数1】

【0153】
δ<45°である場合、物質はゲルであり、位相角が低ければ低いほど、ゲルは強い。弾性係数は、製剤の固体様挙動の一つの尺度である。
【0154】
弾性係数および粘性係数は、調製後試験した初期E1試料に対して最も高かったが、照射後減少し、保存安定性試験後さらに減少した。位相角は、31.3°の初期値から、照射後48.75°、保存安定性試験後80.64°まで増加した。このことは、製剤が、保存後主に挙動としてより液体になり、照射は有意には寄与しなかったことを示唆している。降伏応力は、約6から、照射後約4Paまで減少したが、驚くべきことに、凝集(沈殿)の増加を引き起こさなかった。
【0155】
弾性係数および粘性係数は、調製後試験した初期E10に対して最も高かったが、照射後減少し、ついで保存安定性試験後にさらに減少した。位相角は、16.75°の初期値から、照射後44.30°、保存安定性試験後49.24°へと増加した。このことは、製剤が、照射後、主に挙動としてより液体となり、および保存は有意には寄与しなかったことを示唆しているが、しかしこれらの特性は、小袋での使用のために、これらの適性を維持することがわかった。降伏応力は、約12.5から、照射後約6Paまで減少したが、このことは驚くべきことに、凝集の増加を導かなかった。
【0156】
不安定した懸濁液を形成したため、製剤E3においてレオロジーがはたらかなった。製剤は速く沈殿したため、試料不均一が問題であり、非常に変わりやすい結果をもたらす。
【0157】
照射
分離データ(表7)から、照射に対する応答および保存が、製剤ごとに異なることがわかる。製剤E10、E22およびE24はすべて、上清試験、降伏応力の値、凝集がないことによって示されたように、物理的安定性を示したが、一方で比較としての製剤E3およびE4は示さない。
【0158】
E2およびE4は、アビセル(Avicel)を含み、およびデータは、これらの製剤が安定していないことを示している。E10はメチルセルロースとキサンタンを含み、一方でアビセル(すなわちメチルセルロースとカルボキシメチルの混合物)からなるE2およびE4は、照射の間安定していない。
【0159】
方法3で定義したような対応する好ましい降伏応力範囲は、(適用した実際の照射線量に依存して)照射前の試料に対して約7〜17.5Pa、照射後の試料に対して約5〜10.5Paである。照射前の試料に対して、位相角、デルタに関する好ましい範囲は約14〜16°である。また照射前の試料に関して、好ましい複素粘度範囲は、約3〜6Pasである。
【0160】
リン酸塩結合
表7より、試料において、照射は、リン酸塩結合に影響を与えないことが見て取れる。実施例E4〜E24の物質に対する加速保存安定性試験において、リン酸塩結合がわずかに低下したが、国際公開第1999/015189号パンフレットの方法に従って調製した、2:1比混合金属化合物の保存で見られた低下と完全に一致する。試料E10およびE22に関して、6kGyで変化は小さいが、8kGyでより顕著となり、したがって、好ましい微生物学的および物理的安定性を維持する最も低い照射を選択することが重要である。製剤E1とE10のリン酸塩結合は、照射の効果によって有意には低下しなかった。
【0161】
初期のE3試料は、わずかに高いリン酸塩結合を示し、これは、試料の不均一性によるものであろう(速く沈殿した試料)。照射および照射ならびに加速保存安定性試験の試料は、より典型的なリン酸塩結合能を示した。
【0162】
混合金属化合物のハイドロタルサイト構造(XRD解析)
E1およびE10の回析線半値幅は、照射によって、および保存安定性試験治療の後、有意に影響を受けなかった。
【0163】
XRDは、好ましい照射線量で照射したときに、ハイドロタルサイト構造の分解または変化に起因している、(スピネルのような)さらなる新規の結晶相の外観を示さなかった。
【0164】
滅菌(微生物学)
微生物学的データ(表7)より、照射の量を変化させることが、確実に滅菌するために必要であることがわかる。例えば、製剤E22に関して、最適な照射線量は8kGyであり、一方で製剤E24に関して、最適照射線量は6kGyである。
【0165】
製剤E1に関して、微生物学的結果は、製剤が照射後に無菌ではなく、製剤を無菌にする唯一の方法が、照射線量を10kGy以上に増やすことであることを示している。このことは、製剤の物理的特性をさらに低下させ、分離するという問題を悪化させる可能性が高い。したがって、照射はこの製剤を保存するために、好適な方法とは考えられない。調製後に試験を行った試料についての微生物の総数は、680,000cfu/1ml試料であり、照射後に広がったことを示す。すべての微生物を、バチルス菌種(優性タイプ:グラム陰性桿菌)として視覚的に同定した。このことは、製剤の照射が、シリカの存在下で成功しなかったことを示唆している。
【0166】
製剤E10に関して、調製後に試験を行った試料に対する微生物の総数は、450,000cfu/1ml試料であった。照射後の試料は、無菌である、すなわち微生物数がゼロであることを示した。すべての微生物を、バチルス菌種(優性タイプ:グラム陰性桿菌)として視覚的に同定した。製剤10に対する微生物学的結果は、製剤が照射後無菌であることを示した。
【0167】
調製後取り出したE3試料において、微生物の総数は数えなかったが、試料は放射後に無菌であることを示した。
【0168】
梱包
好適な梱包の形態として、小袋、ボトルおよび食品が挙げてもよい。
【0169】
したがって、製剤の許容可能な特性(味、ざらざら感)および梱包(小袋およびボトル)と共に、有効で無菌の製剤を産出するために、混合金属化合物、賦形剤および照射線量の最適な組み合わせを、良好なリン酸塩結合(初期および保存時)、物理的安定性および微生物学上の数を維持しながら、同定した。
【0170】
要約
結果は、照射後および保存安定性試験後の両方で、製剤E1およびE10の物理的特性が低下することを明らかに示している。しかしながら、製剤E10は無菌であり、一方でE1はそうではないことがわかった。
【0171】
驚くべきことに、本発明者らは、E10の安定性を改善するために、より低い照射線量を使用することがふさわしいことがわかった。より低い容量は、製剤を保存するが、照射による製剤の物理的特性に対する影響は低下する。
【0172】
製剤E3は、照射前でさえ、物理的に安定ではなく、したがって評価できなかった。これは、製剤を合成する方法の限界を示す結果であり得る。
【0173】
表7は、無菌化可能な好ましい製剤が、好ましい範囲の用量から好ましく選択された、PVP、LBG、メチルセルロースの1つの、キサンタンガムの組み合わせを含む製剤であることを示している。キサンタンガムとコロイドシリカ、またはアビセルの組み合わせは、照射において、凝集および沈降を防止することはわかったが、分解を観察した。
【0174】
4kGy照射研究
試験を行った製剤の組成物を以下に示す。
【表12】

【0175】
各製剤を、3.5リットルスケールにて調製し、125mlの半透明HDPEボトル内に梱包した。
【0176】
以下の時点で、各製剤の物理的および化学的特性の試験を行った。
1)各バッチの調製後の初期解析
2)照射後:すべての製剤に、平均4kGyの線量で照射した。3.6〜4.4kGyの間を周回することで実施した。
【0177】
4つの125mlのボトルを、解析の各ステージでの試験で使用できた。
【0178】
微生物の解析を、アイソトロン(Isotoron)によって実施し、照射前後のバイオバーデンを数えた。
【0179】
以下に関して、3つ製剤のいずれに対して照射前後で試験を行った。
・外観、pHおよび密度
・レオロジー(方法15および16)
・回転粘度(方法17)
・動粘度(方法21)
・遠心分離(方法18)
・重力分離(方法22)
・微生物学(方法12)
【表13】

【0180】
外観、pHおよび密度
製剤31
・調製後に空気が混入した最上層をもつ、さびたオレンジ褐色懸濁液。照射後外観に変化はない。
・pHは調製時9.2、照射後9.0であった。
・密度は調製時1.08g/ml、照射後1.11g/mlであった。
【0181】
製剤32
・調製後にさびたオレンジ褐色懸濁液。照射後外観に変化はない。
・pHは調製時9.2、照射後9.1であった。
・密度は調製時1.12g/ml、照射後1.12g/mlであった。
【0182】
製剤33
・調製後にさびたオレンジ褐色懸濁液。照射後外観に変化はない。
・pHは調製時9.2、照射後9.0であった。
・密度は調製時1.12g/ml、照射後1.11g/mlであった。
【0183】
レオロジー
製剤31
弾性係数および粘性係数は、調製後に試験した初期試料について最も高かったが、照射後減少した。位相角は20.3°の初期値から、照射後26.4°に増加した。このことは、製剤が、照射後の振る舞いにおいてより液体になったことを示唆している。45°より大きな位相角は一般的に、ゲルと液体間の遷移であると考えられる。
【0184】
製剤32
弾性係数および粘性係数は、調製後に試験した初期試料に対して最も高かったが、照射後減少した。位相角は12.5°の初期値から、照射後12.0°にごくわずか減少した。このことは、照射が、製剤のゲル特性に対する影響がごくわずかであったことを示している。
【0185】
製剤33
弾性係数は、調製後に試験した初期試料に対して最も高いが、照射後減少した。調製から照射後まで、粘性係数は、ごくわずしか増加しなかった。位相角は14.7°の初期値から、照射後24.0°に増加した。このことは、製剤が、照射後振る舞いにおいてより液体になったことを示唆している。
【0186】
回転粘度
製剤31
初期回転粘度は2706CPsであり、照射後1433CPsに減少した。
【0187】
製剤32
初期回転粘度は5756CPsであり、照射後4729CPsに減少した。
【0188】
製剤33
初期回転粘度は6256CPsであり、照射後4136CPsに減少した。
【0189】
運動学粘度
製剤31
流速は、流れの最初の中断に関して、照射後の製剤について、32秒から13秒に減少した。これらの時点で、75mlおよび90mlの試料が、それぞれ調製後および照射後の試料のための開口部を通って流れた。
【0190】
製剤32
調製後または照射後、連続した流れは試料について観察されなかった。製剤は液滴を形成し、データ表中で示した時間は、最初の液滴が落下した時間である。
【0191】
製剤33
流速は、照射後に製剤について、22秒から21秒に減少した。これらの時点で、45mlおよび73mlの試料が、それぞれ調製後および照射後の試料のための開口部を通って流れた。
【0192】
遠心分離
製剤31、32および33のそれぞれに関して、調製直後および照射後に試験した試料中、分離はおこらなかった。
【0193】
重力分離
製剤31、32および33のそれぞれに関して、調製直後および照射後に試験した試料中、分離はおこらなかった。
【0194】
微生物学
製剤31
調製後試験を行った試料に対する微生物の総数は、試料の6,600cfu/mlであった。試験した5つの試料のうち3つがCFU’sを示した。優性タイプは、バチリス菌種およびブドウ球菌菌種として視覚的に同定された。照射後試料は、試料の21cfu/mlを示した。試験を行った5つの試料のうち1つがCFU’sを示した。優性タイプは、ブドウ球菌菌種として視覚的に同定された。
【0195】
製剤32
調製後に試験した試料に対する微生物の総数は、試料の30cfu/mlであった。試験した5つの試料のうち1つがCFU’sを示した。優性タイプは、バチリス菌種およびブドウ球菌菌種として視覚的に同定された。照射後試料は、試料の0cfu/mlを示した。
【0196】
製剤33
調製後に試験した試料に対する微生物の総数は、試料の20cfu/mlであった。試験を行った5つの試料のうち1つがCFU’sを示した。優性タイプは、バチリス菌種およびブドウ球菌菌種として視覚的に同定された。照射後試料は、試料の0cfu/mlを示した。
【0197】
結論
製剤31
結果は、照射後、製剤のレオロジー特性に変化があり、これはより液体になったことを示唆していることを示した。これは、より高い照射線量ですでに観察されたことと一致するが、重要なことに、これらの変化が、製剤31の懸濁特性に影響を与えなかったことである。製剤31の懸濁特性は、照射によって影響を受けず、外観、pHおよび密度も同様である。
【0198】
微生物学的結果は、試験した5試料のうち4つにおいて、製剤が照射後無菌であったことを示した。
【0199】
製剤32
製剤2は製剤1と同様で、照射後のそのレオロジー特徴に対してわずかな変化が存在したが、これらの変化は、懸濁特性を変化させることはなかった。
【0200】
微生物学的結果は、すべての試料において、製剤2が照射後無菌であったことを示した。
【0201】
製剤33
照射に続き、製剤3は、製剤2と同じように振る舞った。4kGyの用量が製剤を滅菌するために十分であり、レオロジー特性のわずかな変化があるにもかかわらず、分離せず、物理的に安定した懸濁液のままであった。
【0202】
要約すると、4kGyですべての試験した製剤は、結果として、様々なレオロジー特性が低下した。このことは、製剤が特性上、より液体になったことを示唆しているが、これらの変化にもかかわらず、懸濁特性は、現行の薬剤負荷において影響を受けなかった。解析した3つの製剤のうち、製剤2(キサンタンガム/ローカストビーンガム)および製剤3(キサンタンガム/PVP)が、4kGyでの照射のあとに、すべての試料で無菌であることが示された。
実施例
【0203】
本明細書の実施例のそれぞれで使用される混合金属化合物は、イネオス・ヘルスケア・リミテッド(英国)より入手可能なフェルマゲートである。フェルマゲートは、式
【化2】

の炭酸ヒドロキシ鉄マグネシウムである。本産物は、国際公開第99/015189号パンフレットにて記載され、当該パンフレットの教示に従い調整してよい。
【0204】
製剤E1
100mlの懸濁液を調整する
【0205】
6gの70%ソルビトール溶液に、25mlの精製水を加える。混合しながら、0.5gのコロイドシリカおよび10gの混合金属化合物を加える。これに、十分な水を加えて、50ml懸濁液を作製し、よく混合する。
【0206】
35mlの水を50℃に温めたものに、混合しながら、0.5gのキサンタンガムを加える。溶液を室温まで冷やし、十分な水を加えて、50mlの溶液を作製する。よく混合する。
【0207】
溶液を前記懸濁液に加え、よく混合する。
【0208】
製剤E2
ライチン(Lightin)攪拌機および5リットルのブレーカーを用いる。
1.2250mlの精製水に、56.25gのアビセルRC591を加える。
2.アビセルを完全に水和するまで混合する。
3.混合しながら、375gの混合金属化合物を加える。
4.よく混合する。
5.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
6.バケツに注ぎ入れる。
【0209】
製剤E3
ライチン(Lightin)攪拌機および5リットルのブレーカーを用いる。
1.2250mlの精製水に、56.25gのアビセルRC591を加える。
2.アビセルを完全に水和するまで混合する。
3.混合しながら、225gの70%ソルビトール溶液、次いで375gの混合金属化合物を加える。
4.よく混合する。
5.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
6.バケツに注ぎ入れる。
【0210】
製剤E4
Lightin攪拌機と5リットルのブレーカーを用いる。
1.2250mlの精製水に、48.75gのアビセルRC591を加える。
2.アビセルを完全に水和するまで混合する。
3.11.25gのキサンタンガムを加える。
4.16分間混合する。
5.まだ混合しながら、225gの70%ソルビトール溶液、続いて375gの混合金属化合物を加える。
6.よく混合する。
7.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
8.バケツに注ぎ入れる。
【0211】
製剤E5
Lightin攪拌機と48.75gのアビセルRC611を用いる。
1.2250mlの精製水に、48.75gのアビセルRC611を加える。
2.アビセルを完全に水和化するまで混合する。
3.11.25gのキサンタンガムを加え、完全に水和するように混合する。
4.0.75gのローカストビーンガムを加える。
5.混合しながら、225gの70%ソルビトール溶液、次いで375gの混合金属化合物を加える。
6.よく混合する。
7.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
8.バケツに注ぎ入れる。
【0212】
製剤E10
懸濁液の調整
キッチンエイドミキサーを用いる。
1.450gの70%ソルビトール溶液に、1875mlの精製水を加える。
2.混合しながら、37.5gのメチルセルロースおよび750gの混合金属化合物を加える。
3.これに、十分な水を加え、3750mlの懸濁液とし、よく混合する。
【0213】
溶液相の調整
Lightin攪拌機を用いる。
1.2625mlの水を温める(50℃)。
2.混合しながら、37.5gのキサンタンガムを加え、よく混合する。
3.溶液を室温まで冷やす。
4.十分な水を加えて、3750mlの溶液を作製する。よく混合する。
【0214】
二相の組み合わせ
1.溶液相を懸濁相内に移す。
2.よく混合する。
3.標識したボトルに分注する。
【0215】
製剤E6〜E14
製剤E6〜E14を、E10についての方法に従い、ただし表3記載の量の賦形剤で作製した。
【0216】
製剤E22
懸濁液の調整
キッチンエイドミキサーを用いる。
1.1875mlの精製水に、37.5gのKollidon CLMを加える。
2.混合しながら、450gの70%ソルビトール溶液および750gの混合金属化合物を加える。
3.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
【0217】
溶液相の調整
Lightin攪拌機を用いる。
1.2250mlの水を温める(50℃)。
2.混合しながら、75gのキサンタンガムを加え、よく混合する。
3.溶液を室温まで冷やす。
4.十分な水を加えて、3750mlの溶液を作製する。よく混合する。
【0218】
二相の組み合わせ
1.溶液相を懸濁相内に移す。
2.よく混合する。
3.標識したボトルに分注する。
【0219】
製剤E15〜E23
上記製剤を、E22に関する方法に従い、ただし表3記載の量の賦形剤で作製した。
【0220】
製剤E24
1.1100mlの精製水に、13.125gのキサンタンガムを加え、混合して完全に水和させる(=相A)。
2.別のビーカー中、13.125gのローカストビーンガムを1100mlの精製水に加え、混合して完全に水和させる(=相B)。
3.相Bを相Aに加え、よく混合する。
4.225gのソルビトール溶液、次いで375gの混合金属化合物を加え、よく混合する。
5.これに、十分な水を加えて、3750mlの懸濁液を作製し、よく混合する。
6.バケツ内に注ぎ入れる。
【0221】
製剤E25〜E30
上記製剤を、E24に関する方法に従い、ただし表5記載の量の賦形剤で作製した。
【0222】
小袋充填
製剤の代表的な試料を小袋充填機内に配置し、必要量の試料を選択した小袋にポンプでくみ上げた。製剤バッチの攪拌が必要であり得る。いったん充填したらば、小袋の開口部を熱でシールする。
【0223】
照射
コバルト60を、ガンマ照射の供給源として使用する。照射されるべき産物を、必要とされる照射強度で、産物の均一な照射を確実に行うような方法で、コンベアシステムによって、照射プラントを通して移動させる。1つの特定の照射システムにおいて、産物を、コンベアシステム内に位置する「トートボックス」内部に配置することができる。産物による照射の吸収を、線量計を用いて間接的に測定する。
【0224】
方法
方法1−混合金属化合物の粒子サイズ解析
粒子サイズを、300RfレンズおよびDIF2012分散ユニットで調整したマスターサイザー(Mastersizer)「S」を用いて測定した。データを、マルベルン マスターサイザー(Malvern Mastersizer)ソフトウェアを用いて翻訳、解析した。マルベルンを、プロセスグレード給水へ連結した。以下のプログラムパラメータ、80%のポンプスピード、80%の撹拌速度、50%の超音波および3分間の滞留時間を用いた。バックグラウンドレベルを100ユニット未満であることを確認した。プログラムによって促された時に、15%〜25%のオブスキュレーションに達するまで試料をポーション内で加えた。解析を自動的に開始した。残渣が1%未満であることを確認した。試料を二重に解析した。結果を、1.85〜184ミクロンの粒子サイズ下の%容量をとることによって、ソフトウェアを用いて計算した。これを、平均粒子サイズ(D50、50パーセンタイル)、90パーセンタイル(D90)および10パーセンタイル(D10)で、パーセンタイルの結果として表現した。
【0225】
方法2−粒子を懸濁するために必要な理論上の流体降伏応力の計算
粒子を含む流体システムについて、それらの粒子の沈殿を防止するために必要とされる流体の降伏応力を理論上で測定してよい。希釈懸濁液中の球体粒子によっておよぼされる応力を、以下の式
【数2】

を用いて計算する。したがって、流体が、σを超える降伏応力を有する場合、懸濁した粒子は、理論上沈殿するはずがない。
σ=降伏応力、Pa
r=粒子の直径、m
g=重力による加速度=9.81m/s
d=粒子密度、kg/m
ρ=流体密度、kg/m
【0226】
方法3−降伏応力の測定
Z1ボブおよびMB−Z1/SMカップにて、フィシカ(アントン パール社(Anton Paar))レオラボ(Rheolab)MC1を用いて、種々のレベルの剪断速度で、試料の剪断応力の特徴付けを行った。剪断応力および剪断速度のデータより、降伏応力を容易に測定できる。
【0227】
方法4−注入性
流体の用量の注入性(「流れやすい」、「粘度が高い」など)の定量的な評価を、好適な容器、例えば透明ボトルから流体を注ぐことによって行うことができる。
【0228】
方法5−重力沈降試験
約45mlの試料をホモジナイズし、容量が50mlの側面がまっすぐな透明容器に配置する。沈殿物または上清の容量を、特定の時間間隔で観察し、および試料の総容量の%として示してよい。
【0229】
方法6−加速沈殿試験1
40mlの試料を、Labofuge400R遠心機を用いて、500rpmで15分間遠心分離した。その後、分離の程度を沈殿物または上清の容量を、試料の総容量の割合として計算することによって定量化した。
【0230】
方法7−加速沈殿試験2
40mlの試料を、Labofuge400R遠心機を用いて、2000rpmで15分間遠心分離した。分離の程度を沈殿物または上清の容量を試料の総容量の割合として計算することによって定量化した。
【0231】
方法8−照射
プラスチックボトル中で保存した500mlの試料に、6〜10kGyの線量レベルにて、ガンマ放射線を照射した。
【0232】
方法9−保存安定性試験1
プラスチックボトル中に保存した500mlの試料を、60℃の温度でオーブン内に1週間配置した。試料は試験の前に室温まで冷却した。
【0233】
方法10−保存安定性試験2
プラスチックボトル中に保存した500mlの試料を、50℃の温度でオーブン内に1週間配置した。試料を試験の前に室温まで冷却した。
【0234】
方法11−pH
10mlの試料を、ステリリンジャーに移し、および較正されたpH計測器を用いて攪拌しながらpHを測定した。
【0235】
方法12−微生物学的試験
広く認められている標準(BS EN 552/ISO11137、「医療機器の滅菌。照射による滅菌の検証と経路のコントロール」)に従い、微生物学的な容量の設定手順では、産物を低く、事前に定められた照射線量へ曝露することを必要とする。
【0236】
方法13−リン酸塩結合
5mlの試料を、37℃にて維持した7.5mlの67mMリン酸塩溶液に加え、オービタルシェーカー上で30分間かき混ぜた。次いでスラリーを、0.45μmのフィルターチップで濾過し、結果として得られる1mlの濾液を、AnalaR水で100mlまで希釈した。この溶液を、にて、モリブデンバナジウム比色法を用いてUV/Vis分光光度計で、375nmで解析した。
【0237】
方法14−回析線半値幅
液体投与試料を、50℃のオーブンで一晩乾燥させた。乾燥させた試料を乳棒および乳鉢ですりつぶし、および約2gをフルスキャン粉末x線回析のためにLGC Runcornに送った。粉末を深くパックされた試料ホルダーに受けたまま回析し、データを、40kVおよび55mM、ならびに4秒/カウント時点で産出された銅kα放射を用いて、PhilipsPW1800自動粉末x線回析計上で、2〜70度2シータから回収した。
【0238】
方法15−降伏応力の測定
錐体および平面幾何学(CP4°/40mm)@25℃を用い、BohlinCVO応力制御式レオメーターを用いて、種々のレベルの剪断速度で試料の剪断応力の特徴付けを行った。
【0239】
方法16−位相角の測定
錐体および平面幾何学(CP4°/40mm)@25℃を用い、BohlinCVO応力制御式レオメーターを用いて、位相角の特徴付けを行った。
【0240】
方法17−複素粘度
複素粘度を、BrookfieldLVDV−II+粘度計、スピンドル3セットを用いて、12rpmで複素粘度の特徴付けを行った。
【0241】
方法18−加速分離試験3
accuSPIN400フィッシャーFisher遠心分離機を用い、1000rpmで10分間走らせて遠心分離した。次いで分離の程度を沈殿または上清の容量を試料の総容量の割合として計算することによって、試料を定量化した。
【0242】
方法19−混合金属化合物についてのリン酸塩結合試験
リン酸塩結合能およびMg放出
【0243】
リン酸塩緩衝液(pH=4)を、リン酸塩二水素ナトリウムの重さが5.520g(+/−0.001g)である、AnalaR(商標)の水を添加し、1リットルの容量フラスコに移して調整した。
【0244】
1リットルの容量フラスコに、その後、1Mの塩化水素を滴下し、添加の間混合しながら、pHをpH4(+/−0.1)に調整した。その後、容量をAnalaR(商標)の水を用いて1リットルまでとし、徹底的に混合した。
【0245】
0.5g(+/−0.005g)の各試料を、Grant OLS200オービタルシェーカー中、37.5℃で、40mMリン酸塩緩衝溶液(12.5ml)を含む容量フラスコ(50ml)に加えた。すべての試料を二重に調整した。容器をオービタルシェーカー内で30分間攪拌した。次いで、0.45μmシリンジフィルターを用いて溶液を濾過した。上清の2.5mlの分取を上清からピペットして取り、新鮮な血液回収チューブ内に移した。7.5mlのAnalaR(商標)の水を、それぞれ2.5mlの分取にピペットし、ねじ口をはめこみ、徹底的に混合した。その後、溶液を、較正したUV Vis上で解析した。
【0246】
リン酸塩結合能を、
リン酸塩結合(mmol/g)=S(mmol/l)−T(mmol・l)/W(g/l)によって測定した。式中
=リン酸塩結合剤との反応後のリン酸塩溶液中のリン酸塩についての分析物の値=溶液P(mg/l)*4/30.97
=リン酸塩結合物との反応前のリン酸塩溶液中のリン酸塩ついての分析物の値
W=試験で使用した結合剤の濃度(g/l)(すなわち0.4g/10ml=40g/l)
【0247】
マグネシウム放出を、
【数3】

によって測定した。式中
Mg=リン酸塩結合剤との反応後のリン酸塩溶液中のマグネシウムについての分析物の値=溶液Mg(mg/l)*4/24.31
Mg=リン酸塩結合剤との反応前、リン酸塩溶液中のマグネシウムについての分析物の値
【0248】
方法20−粒子の密度
公知の質量およびバルク体積の混合金属化合物の試料内の、粒子内部の空間を満たすために必要な液体の量を測定することによって、粒子の密度を導くことができる。粒子の容量は、液体の容量をバルク体積から差し引くことによって計算する。粒子の密度は、本来の試料の質量を導かれた粒子の容量で割ることによって計算する。選択された液体中における混合金属化合物の可溶性は弱いはずである。
【0249】
方法21−動粘度
動粘度を、FordASTM D1200カップNo.5を用いて測定した。これは、既知の容量(100ml)が、特定の広がりを有する開口部を流れることによって、滞留時間を30〜100秒の間にするようにデザインされている。
【0250】
方法22−重力分離
重力分離を、ある期間にわたり、測定シリンダー中の10mlの試料をモニターすることにより評価した。任意の相分離に注意し、上清の容量を記録した。
【0251】
上の明細書で言及したすべての発行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載の方法およびシステムの種々の修正および変形が可能であることを、本発明の範囲および精神を逸脱することなしに、当業者は理解するであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、本明細書に記載の本発明は、そのような特定の実施形態に不当に制限されないことが理解されるだろう。実際、化学分野または関連分野の当業者に明らかである、本発明を実施するために記載された方法の種々の修正が、以下の請求項の範囲内であることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)鉄(III)およびアルミニウムから選択される少なくとも1つの三価金属、およびマグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、ランタンおよびセリウムから選択される少なくとも1つの二価金属を含む、混合金属化合物、
(ii)キサンタンガム
(iii)以下のうち少なくとも1つ
(a)ポリビニルピロリドン
(b)ローカストビーンガム
(c)メチルセルロース
を含む組成物(ここで、該組成物は少なくとも4kGyの量で、電離放射線で照射されている)。
【請求項2】
前記化合物が式I
【数1】

であり、式中MIIは1つ以上の二価金属であり、および少なくともMg2+であり、
IIIは1つ以上の三価金属であり、および少なくともFe3+であり、
n−は1つ以上のn価のアニオンであり、少なくともCO2−であり、
(Σyn)/xは0.5〜1.5であり、
0<x≦0.4、
0<y≦1および
0<m≦10である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が、10000ppm未満のアルミニウム含量を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、少なくとも6kGyの量で、電離放射線を照射された、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、少なくとも8kGyの量で、電離放射線を照射された、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、少なくとも10kGyの量で、電離放射線を照射された、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記キサンタンガムが、組成物の重量に基づき2wt%以下の量で存在する、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
成分(iii)が、組成物の重量に基づき2wt%以下の量で存在する、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記キサンタンガムおよび成分(iii)が、2:1〜1:2の比で存在する、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記キサンタンガムおよび成分(iii)が、約1:1の比で存在する、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が少なくともポリビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、(ii)キサンタンガムおよび(iii)ポリビニルピロリドンを含み、前記キサンタンガムおよびポリビニルピロリドンが、約2:1の比で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、少なくとも8kGyの量で、電離放射線で照射された、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、少なくともローカストビーンガムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、(ii)キサンタンガムおよび(iii)ローカストビーンガムを含み、前記キサンタンガムと前記ローカストビーンガムが、約1:1の比で存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、少なくとも6kGyの量で、電離放射線で照射された、請求項14または15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、少なくともメチルセルロースを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、(ii)キサンタンガムおよび(iii)メチルセルロースを含み、前記キサンタンガムと前記ローカストビーンガムが、約1:1の比で存在する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、少なくとも10kGyの量で、電離放射線を照射された、請求項17または18に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、医薬組成物であり、任意にさらに(iv)1つ以上の薬剤的に許容されるアジュバント、賦形剤、希釈液または担体を含む、上記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
薬剤としての使用のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
リン酸塩を結合させるための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
高リン血症の治療に使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
実施例を参照して本明細書に実質的に記載された組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−518868(P2013−518868A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551683(P2012−551683)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050185
【国際公開番号】WO2011/095812
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512014728)サイトクローマ・デベロップメント・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Cytochroma Development Inc.
【Fターム(参考)】