説明

金属基材用ベースコート塗料組成物

【課題】金属基材やトップコート塗料との付着性に優れ、金属基材に高い防錆性を付与できるベースコートを生産性よく形成する。
【解決手段】塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンからなる群より選ばれる1種以上の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と活性エネルギー線硬化性モノマー(B)との合計100質量%中、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の割合が30〜95質量%である金属基材用ベースコート塗料組成物により解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムなどの金属基材のベースコート形成に好適に使用される塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建材、車両部品などには、アルミニウムなどの金属基材の表面に、メタリック塗料などによるトップコートが設けられ、意匠性が付与されたものが広く使用されているが、トップコートの塗装前には、金属基材に防錆性を付与したり、トップコートの金属基材への付着性を高めたりするために、あらかじめベースコートが形成される場合が多い。
ベースコートを形成するためのベースコート塗料としては、例えば特許文献1に記載されているような熱硬化性の粉体塗料組成物や、熱硬化性の溶剤型塗料がある。
【特許文献1】特開2005−162930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような熱硬化型の塗料の場合には、硬化に長時間を要するために、生産性に劣るという問題があった。
また、従来のベースコート塗料から形成されたベースコートでは、金属基材やトップコートへの付着性が不十分な場合や、金属基材に高い防錆性を付与できない場合が多かった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、金属基材やトップコートとの付着性に優れ、金属基材に高い防錆性を付与できるベースコートを生産性よく形成できるベースコート塗料組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の金属基材用ベースコート塗料組成物は、塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンからなる群より選ばれる1種以上の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、前記塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と前記活性エネルギー線硬化性モノマー(B)との合計100質量%中、前記塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の割合が30〜95質量%であることを特徴とする。
前記活性エネルギー線硬化性モノマー(B)は、3官能以上の化合物であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンは、酸無水物で変性された塩素化ポリオレフィンに、グリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む(メタ)アクリルモノマーまたはその重合物を反応させたものであることが好ましい。
本発明の金属基材用ベースコート塗料組成物は、アルミニウム基材用として好適である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のベースコート塗料組成物によれば、金属基材やトップコートとの付着性に優れ、金属基材に高い防錆性を付与できるベースコートを生産性よく形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属基材用ベースコート塗料組成物(以下、塗料組成物という。)は、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、銅、これらの合金などの金属基材にトップコート塗料を塗装する前に、下塗りとしてベースコートを形成するために使用される活性エネルギー線硬化性の塗料組成物であって、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する。
【0008】
塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)としては、塩素化ポリオレフィンおよび/または(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンが使用され、これを使用することによって、塗料組成物の金属基材やトップコートへの付着性を高めることができる。
塩素化ポリオレフィンとしては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、その塩素含有率が10〜45質量%のものが好ましい。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンは、上述の塩素化ポリオレフィンを無水マレイン酸などの酸無水物で変性して得られた酸無水物変性塩素化ポリオレフィンに、(メタ)アクリルモノマーまたはその重合物を反応させたものであって、(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーや、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むものを使用する。(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン中における酸無水物変性塩素化ポリオレフィンと(メタ)アクリルモノマーから構成される重合物((メタ)アクリル樹脂)との質量比率は、5〜30:95〜70(合計100質量%)であることが好ましい。また、(メタ)アクリル樹脂中における水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーまたはグリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーの含有量は、0.5〜10質量%が好ましい。
【0009】
塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)としては、塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンのうちの1種以上を使用できるが、特に金属基材への付着性に優れることから、酸無水物で変性された塩素化ポリオレフィンに、グリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む(メタ)アクリルモノマーまたはその重合物を反応させた(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンが好ましい。
【0010】
活性エネルギー線硬化性モノマー(B)は、後述の光重合開始剤(C)から発生したラジカルによって重合し、硬化することによって、水が浸透しにくく金属基材に対して高い防錆性を付与できるベースコートを形成するための成分であって、公知のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを1種以上使用できる。このようなものとしては、具体的には、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物などの2官能以上の化合物が挙げられるが、好ましくは、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する3官能以上の化合物を使用すると、より架橋密度が高く水の浸透をより抑制できる防錆性に優れたベースコートを形成できる。
【0011】
分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート等が挙げられる。
【0012】
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
【0013】
塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と活性エネルギー線硬化性モノマー(B)の量は、これらの合計100質量%中、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の割合が30〜95質量%であり、好ましくは40〜90質量%である。塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)が30質量%未満では、塗料組成物から形成されるベースコートの金属基材への付着性が悪く、金属基材に十分な防錆性を付与することも困難となる。また、トップコートへの付着性も低下する傾向にある。一方、90質量%を超えると、形成されるベースコートは金属基材やトップコートへの付着性は良好であっても、架橋密度が低いために水が浸透しやすく、十分な防錆性を金属基材に付与できない。
【0014】
光重合開始剤(C)としては公知のものを1種以上使用でき、例えば商品名として、イルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア149(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア651(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア907(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア754(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア819(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア500(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア1000(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア1800(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア754(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、ルシリンTPO(BASF製)、カヤキュアDETX−S(日本化薬製)、カヤキュアEPA(日本化薬製)、カヤキュアDMBI(日本化薬製)等が挙げられる。
また、光重合開始剤(C)とともに、光増感剤や光促進剤を使用してもよい。
【0015】
光重合開始剤(C)の使用量には特に制限はなく、十分な架橋密度となる量を適宜使用できるが、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と活性エネルギー線硬化性モノマー(B)との合計100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。
【0016】
塗料組成物は、必要に応じて各種溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が挙げられ、これらを1種以上使用できる。
また、塗料組成物は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、可塑剤、顔料沈降防止剤など、通常の塗料に用いられる添加剤を適量含んでいてもよい。
【0017】
塗料組成物は、上述の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じて使用される溶剤や添加剤とを混合することにより調製できる。
こうして調製された塗料組成物を硬化後の塗膜厚さが30〜300μm程度となるように、スプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法などで金属基材に塗装した後、例えば100〜1000mJ程度(日本電池社製UVR−N1による測定値)の紫外線をヒュージョンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いて1〜10分間程度照射することにより、ベースコートを形成できる。活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、ガンマ線なども使用できる。
金属基材の材質には特に制限はないが、上述の塗料組成物は特にアルミニウムに対する付着性や防錆性が優れている。
また、金属基材の用途としても特に制限はなく、アルミサッシなどの建材や、自動車などの車両部品など、種々のものが例示できる。
【0018】
このように形成されたベースコート上には、トップコート塗料が塗装され、厚みが通常10〜50μm程度のトップコートが形成される。
トップコート塗料としては、特に制限はなく、例えばメタリック調などの熱硬化型塗料や、活性エネルギー線硬化型塗料などが使用できる。
また、トップコートの上には、さらに必要に応じて、アクリル系ラッカー塗料、アクリルメラミン硬化系クリヤー塗料、アルミキレート硬化型アクリル系塗料などの熱硬化型のトップクリヤー塗料からなるトップクリヤー層などを形成してもよい。
【0019】
以上説明した塗料組成物は、塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンからなる群より選ばれる1種以上の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と活性エネルギー線硬化性モノマー(B)との合計100質量%中、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の割合が30〜95質量%であるので、金属基材やトップコートとの付着性に優れ、金属基材に高い防錆性を付与できるベースコートを形成することができる。
また、この塗料組成物は活性エネルギー線硬化性であるので、熱硬化性のものにくらべて硬化に要する時間が短時間ですみ、生産性よくベースコートを形成できる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
表1に示す固形分比率(質量比)で各成分をキシレン溶剤中に投入、混合して、固形分((A)成分+(B)成分)が35質量%の液状の塗料組成物を調製した。
ついで、この塗料組成物を、硬化後の塗膜厚さが30μmになるように、アルミニウム基材の表面にスプレーガンでスプレー塗装した。ついで、80℃×3分間の条件で溶剤を乾燥させた後、高圧水銀灯により300mJ(日本電池社製UVR−N1による測定値)の紫外線を2〜3分間照射して、ベースコートを形成した。これを試験片Aとした。
また、試験片Aと同様にしてアルミニウム基材にベースコートを形成した後、その上に、藤倉化成(株)製の熱硬化型のメタリック塗料(商品名:レクラック440メタリック)を硬化後の塗膜厚さが15μm程度となるように塗布して80℃×60分間の条件で乾燥、硬化させ、トップコートを形成した。これを試験片Bとした。
また、試験片Bと同様にして、アルミニウム基材にベースコート、トップコートを形成した後、その上に、藤倉化成(株)製のトップクリヤー塗料(商品名:レクラック4800クリヤー)を硬化後の塗膜厚さが20μmとなるように塗布して80℃×60分間の条件で乾燥、硬化させ、トップクリヤー層を形成した。これを試験片Cとした。
一方、アルミニウム基材の代わりにブリキ基材を用い、これに試験片Aの場合と同様にしてベースコートを形成したものを作製し、これを試験片Dとした。
このようにして得られた試験片A〜Dについて、以下に示すように、付着性、防錆性を評価した。結果を表1に示す。
【0021】
[付着性]
各試験片を40℃の温水に240時間浸漬した後、塗膜に1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、碁盤目状の部分にテープを貼着し剥がす操作を実施した。テープに塗膜が全く付着しない場合を〇、碁盤目が1つでも付着して剥離した場合には×として表に示す。テープとしては、セロハンテープを使用した。
[防錆性]
キャス試験機(板橋理化工業社製、SQ−800−CA)を用い、JIS H 8681−2に準じ、120時間の条件において防錆性試験を実施した。目視により錆が確認されない場合を○、確認された場合を×として表に示す。
【0022】
[実施例2〜6、比較例1〜6]
表1および2に示す固形分比率(質量比)で各成分をキシレン溶剤中に投入、混合して、固形分((A)成分またはその他樹脂+(B)成分)が35質量%の液状の塗料組成物を調製した。こうして得られた塗料組成物を使用した以外は実施例1と同様にして、試験片AおよびBを作製、評価した。結果を表1および2に示す。
【0023】
なお、表中の各成分の内容は以下の通りである。
(1)(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン[1]:塩素含有率20質量%の塩素化ポリプロピレンが無水マレイン酸で変性された酸無水物変性塩素化ポリプロピレン10質量%と、グリシジルメタアクリレート2質量%を含む(メタ)アクリル樹脂90質量%から構成される。
(2)(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン[2]:塩素含有率21質量%の塩素化ポリプロピレンが無水マレイン酸で変性された酸無水物変性塩素化ポリプロピレン13質量%と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2質量%を含む(メタ)アクリル樹脂87質量%から構成される。
(3)塩素化ポリオレフィン:日本製紙社製、スーパークロン892L(商品名)、固形分含有量20質量%、塩素含有率22%、ガラス転移温度80〜90℃
(4)トリメチロールプロパントリアクリレート:ダイセルテック社製
(5)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬社製
(6)イルガキュア184(商品名):チバスペシャリティ・ケミカルズ社製
(7)イルガキュア819(商品名):チバスペシャリティ・ケミカルズ社製
(8)アクリルポリオール:日立化成社製、ヒタロイド3001(商品名)、水酸基価30、ガラス転移温度30℃、固形分含有量50質量%
(9)アクリルスチレンポリオール:大日本インキ工業社製、アクリデックA−801P(商品名)、水酸基価50、ガラス転移温度50℃、固形分含有量50質量%
(10)繊維素樹脂:イーストマンケミカル社製、CAB551−0.01(商品名)、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、固形分含有量100質量%
(11)ポリエステルポリオール:住友バイエルウレタン社製、デスモフェン670(商品名)、固形分含有量100質量%
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
表に示すように、実施例によれば、金属基材やトップコートとの付着性や、防錆性がともに優れたベースコートを形成できた。一方、(A)成分のみからなる比較例1の塗料組成物では、ベースコートの付着性は優れるものの、防錆性は悪かった。また、(A)成分の少ない比較例2の塗料組成物や、(A)成分が使用されていない比較例3〜6では、金属基材に対して付着性のよいベースコートを形成できず、そのため、防錆性も得られなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素化ポリオレフィン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンからなる群より選ばれる1種以上の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と、活性エネルギー線硬化性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、
前記塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と前記活性エネルギー線硬化性モノマー(B)との合計100質量%中、前記塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の割合が30〜95質量%であることを特徴とする金属基材用ベースコート塗料組成物。
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性モノマー(B)は、3官能以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属基材用ベースコート塗料組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィンは、酸無水物で変性された塩素化ポリオレフィンに、グリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む(メタ)アクリルモノマーまたはその重合物を反応させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属基材用ベースコート塗料組成物。
【請求項4】
アルミニウム基材用であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属基材用ベースコート塗料組成物。


【公開番号】特開2007−269951(P2007−269951A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96590(P2006−96590)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000224123)藤倉化成株式会社 (124)
【Fターム(参考)】