説明

金属製棚及び金属製ワゴン

【課題】棚板に対する支柱の傾きを防止して、構造的安定性に優れる金属製ワゴンを提供する。
【解決手段】金属板を折曲して形成され且つ矩形板状の平板4の4辺で側片6を直角に折曲してなる棚板3の3枚と、金属板を折曲して形成され且つ3枚の棚板3,3,3を上下所要間隔で支持し得る4本の支柱5を具える。支柱5は、互いに直角をなす両垂直片15,15の内面19の所要高さ部位に下支持片20,20が隣り合わせて付設されている。その上端に設けられた下支持面21,21は、垂直片15の先端から基端に向けて水平状態で直線状に延長し、両下支持面21,21は同一高さである。棚板3の4つの角隅部12が、支柱5の両垂直片15,15間の凹所16に挿入され、角隅部12の下面25が下支持面21,21で支持される。この支持された状態で、垂直片15と側片6とが、孔心が合致するボルト孔を挿通するボルト59により固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製棚及び金属製ワゴンに関するものであり、より詳しくは、組立て作業を簡易に行うことができると共に構造的安定性に優れる金属製棚及び金属製ワゴンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にスチール棚と称されている金属製棚や該金属製棚にキャスターを付設してなる金属製ワゴンは、工場や事務所、厨房等で広く使用されている。
【0003】
この種の金属製棚や金属製ワゴンaは、例えば図22(A)(B)に示すように、金属板を折曲して形成された浅い矩形箱状を呈する棚板bの複数枚と、金属板を折曲して形成され且つ該複数枚の棚板bを上下所要間隔で支持する4本のアングル状の支柱c,c,c,cとを具えており、支柱c,c間が開放状態にあって、どの方向からでも物品を棚板b上に載せることができると共に、どの方向からでも棚板b上の物品を取り出せるために使い勝手がよく、かかることから、前記のように広く使用されているのである。
【0004】
該金属製棚や金属製ワゴンaの基本的な構成を説明すれば、図22(A)(B)に示すように、横断面L字状を呈する4本の支柱c,c,c,cの両垂直片d,d間の凹所eに、前記棚板bの4つの角隅部f,f,f,fを嵌め入れ、該角隅部fを形成する両側片g,gの外面h,hを該支柱cの両垂直片d,dの内面j,jに当接させると共に、この状態で、対向する側片gと垂直片dとを1本のボルトkで固定してなるものであり、該ボルトkを、該側片gと該垂直片dに同心に貫設されたボルト孔m,nに挿通し、ナットpを螺合し締め付けることにより棚板bを支柱cに固定する構成のものであった。
【0005】
このように、側片gと垂直片dとを1本のボルトkで固定することとしていたため、ボルト固定箇所を少なくできて、金属製棚等の組立て作業を能率化できる利点があったが、その反面、これらに物品を載せた状態で横方向からの力が加えられると支柱cが棚板bに対して傾きやすい(即ち、金属製棚等が側面視で菱形状に変形しやすい)という欠点があった。支柱cがこのように傾くのは、支柱cが前記一本のボルトkの軸心回りに回転しようとするのを抑制できないからであった。かかる欠点は、金属製ワゴンaにあっては一層顕著であった。これは、金属製ワゴンaに物品を載せて移動させようとする際にワゴンを押したときや、ワゴンが走行中に、そのキャスターが段差部分に衝突したりキャスターが溝に嵌まってワゴンが急停止したとき等において、支柱cに急激な力が作用して支柱cが傾きやすいからであった。
【0006】
かかる問題点に鑑み、棚板の側片と支柱の垂直片とを1本のボルトで簡便に固定できて組立て作業の能率化を達成できながらも、支柱が棚板に対して傾くのを防止せんとして、例えば特開2000−60656号公報(特許文献1)が開示する金属板製棚及び金属板製ワゴンが提供されている。該公報が開示する金属板製棚と金属板製ワゴンは、次に述べる同一の基本構成を有していた。
【0007】
即ち図23(A)(B)に示すように、前記棚板bは、矩形板状を呈する平板qの4辺において縁片rを折曲してなる浅い箱状に形成されており、各縁片rの先端で、折り返し片sが外側に折り返されており、該折り返し片sは、縁片rの少なくとも上半分を覆っており、該折り返し片sの下端tは該縁片rの下端uよりも僅かに上方に位置されていた。そして該折り返し片sは、棚板bの角隅部vで矩形状に欠切されることによって、互いに直角をなす縁片r,rが露出されており、各露出部分w,wの中央にボルト孔x,xが設けられていた。
【0008】
又前記支柱cは、直交する2つの垂直片d,dからなるアングル状を呈し、該支柱cの入隅側の部分zを棚板bの角隅部vに当接させると、図23(B)に示すように、支柱cの側面a1,b1は、前記折り返し片s,sの切断によって生じた側面c1,d1に夫々密接するようになされていた。
【0009】
そして、支柱cの両側面a1,b1を前記折り返し片s,sの側面c1,d1に密接させ、この状態で、縁片rの露出部分wに設けられた前記ボルト孔xと、前記支柱cの垂直片dに設けられたボルト孔e1とを位置合わせして両ボルト孔x,e1にボルトkを挿通し固定すると、支柱cの両側面a1,b1と折り返し片s,sの側面c1,d1とが密接した状態で支柱cと棚板bとが固定されるようになされていた。これによって、支柱cが棚板bに対して傾く余地が全くなくなるようにせんとするものであった。
【0010】
しかしながら、支柱の両側面a1,b1を折り返し片s,sの側面c1,d1に密接させることは、製作上の寸法設定の面からして、又、製作上の寸法誤差も生ずること等からして、非常に困難であり、支柱cの側面a1,b1と折り返し片s,sの側面c1,d1との間には若干の隙間が生じざるを得ない。従って、支柱cが棚板bに対して傾く余地が全くなくなるように構成することは、現実的には不可能であり、支柱cが棚板bに対して傾く余地があった。
【0011】
又、特許文献1に係る発明は、金属板製棚や金属板製ワゴンの組立て作業の能率化を達成せんとして、前記支柱cの垂直片dと前記棚板bの縁片rとを1本のボルトkで固定することとしていたのであるが、このボルト固定に際しては、支柱側のボルト孔e1と棚板側のボルト孔xとを正しく位置合わせして両ボルト孔e1,xにボルトを挿通する作業を要した。しかしながら、両ボルト孔e1,xの位置合わせは意外と手間の掛かる作業であり、金属板製棚等の組立て作業能率の向上のためには更に改善の余地があった。
【0012】
更に、かかる金属板製棚や金属板製ワゴンにあっては、各棚板bがボルトkだけで支柱cに固定されていたことから、棚板bの載荷重の安定支持の面でも改善の余地があった。
【0013】
この種の金属板製棚において、前記棚板bに対する支柱cの傾きを防止する他の手段としては、特開2007−7066号公報(特許文献2)に係る金属製棚装置と金属製ワゴンが提供されている。これは、特許文献1が開示する技術の改良を目的とするものであった。即ち、特許文献1が開示する金属板製棚等にあっては、前記折り返し片sの側面c1,d1と前記支柱cの側面a1,b1との接触面積が小さいことと、折り返し片を形成しただけでは棚板の周壁の剛性がさほど高くないことから、特許文献1に係る金属板製棚や金属製ワゴンの強度向上を目的として提案されたものである。その構成の特徴とする部分は、図24(A)(B)に示すように、浅い箱状を呈する棚板bの側壁f1の外側に、該側壁f1のコーナ部分を除いて、断面略コ字状の折り曲げ部g1を形成し、該折り曲げ部g1の端面h1を支柱cの側面j1に当てた状態で、棚板bの周壁k1と支柱cの内面部m1とをボルトkで締結し、該折り曲げ部g1と支柱cとの接触面積を大きくして支柱cの傾きを確実に防止せんとするものであった。
【0014】
しかしながら、かかる構成を有する金属製棚装置や金属製ワゴンにあっても、特許文献1に関して説明したと同様、断面略コ字状の折り曲げ部g1の端面h1と支柱cの側面j1とを完全に密着させるのが難しく、両者間に若干の隙間が生じざるを得ず、従って、支柱cが棚板bに対して傾くのを防止するのが難しかった。
【0015】
金属製棚や金属製ワゴンにおける支柱の傾きを防止せんとするその他の構成のものとしては、特開平9−23935号公報(以下特許文献3という)の図11が開示する組立棚や、特開昭53−98618号公報(以下特許文献4という)の第9図が開示する組立棚が提案されている。
【0016】
該特許文献3に係る組立棚は、図25に示すように、アングル状を呈する支柱cの両垂直片d,dの幅方向の中央部分において上下に切り込みを設け、該上下の切り込み間の部分を内側に膨らませて支持突起n1を形成し、該支持突起n1の上端p1で棚板bの周壁q1を下方から支持する構成を有していた。そして、該棚板bを、直角に折曲形成された取付金具r1を介して支柱cにボルト固定するもので、支柱cと棚板bの周壁q1と取付金具r1とをボルトkで一体に固定する構成のものであった。
【0017】
しかしながら前記組立棚にあっては、前記支持突起n1は、前記垂直片dの幅方向の中間部分で設けざるを得ず位置が限定されていた。しかも、上下の切り込み間の部分を膨らませて形成していた。かかることから、該支持突起n1による棚板bの周壁q1の支持は点接触状態とならざるを得ず、棚板bの支持が不安定化しやすい問題があった。又、棚板bや支柱cとは別体の特別な取付金具r1を介して棚板bと支柱cとをボルト固定していたため、棚板bと支柱cとの固定作業が複雑化して棚の組立て作業能率が悪い問題があったばかりか、部品点数が多くなる分だけ組立て精度が悪くなる問題もあった。
【0018】
又、特許文献4が開示する組立棚は、図26に示すように、アングル状を呈する支柱cの両垂直片d,dの先端に支持突片s1を突設し、該支持突片s1によって棚板bの周壁面t1の下端u1を下方から支持する構成を採用すると共に、図26(B)に示すように、支柱cと棚板bとを、これらとは別体に製作された取付金具v1を用いて固定する構成を採用していた。
【0019】
しかしながら、かかる組立棚にあっては、棚板bの周壁面t1を、垂直片d,dの先端で突設された支持突片s1,s1で点接触状態で支持するだけであるため、棚板bの支持状態が不安定化しやすい問題があった。又、支柱cと棚板bとを別体の取付金具v1を介してボルトw1で固定する構成であったため、棚の組立て作業に手間を要して組立て作業能率が悪い問題があった。又、部品点数が多くなる分だけ組立て精度が悪くなる問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2000−60656号公報
【特許文献2】特開2007−7066号公報
【特許文献3】特開平9−23935号公報
【特許文献4】特開昭53−98618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、組立て作業を容易且つ確実に行い得ると共に、棚板に対する支柱の傾きを防止でき、然も、棚板の載荷重を安定的に支持でき、又、製造能率の向上と製造コストの低減を期し得る金属製組立棚の提供を課題とするものであり、又、金属製ワゴンの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る金属製棚は、金属板を折曲して形成された棚板の複数枚と、金属板を折曲して形成され且つ該複数枚の棚板を上下所要間隔で支持し得る4本の支柱とを具え、前記棚板は、平面視で矩形板状又は正方形板状を呈する平板の4辺で側片を直角に折曲して浅い箱状に形成されている。前記支柱は、横断面L字状を呈する如く折曲されてなり、互いに直角をなす両垂直片の夫々の内面の所要高さ部位に、下支持片が隣り合わせて付設されており、該両下支持片の上端に設けられた下支持面は、前記垂直片の先端からその基端に向けて水平状態で直線状に延長し、該両下支持面は同一高さに設定されている。又、前記棚板の四つの角隅部が、前記支柱の両垂直片間の凹所に、前記側片の外面が該側片と相対する垂直片の内面に当接する状態で挿入され、該角隅部の下面が前記両下支持面で下方から支持される如くなされ、該支持された状態で、対向する垂直片と側片とが、孔心が合致するように両者に貫設されたボルト孔を挿通するボルトにより固定されるようになされていることを特徴とするものである。
【0023】
前記金属製棚において、前記下支持片は、前記支柱の前記垂直片の先端で一連に突設された突出片を該垂直片の内面側に折り返して形成し、折り返し片の上端が前記下支持面を形成するように構成するのがよい。
【0024】
前記金属製棚において、前記下支持片は、前記支柱の前記垂直片の先端で一連に突設された突出片を該垂直片の内面側に、該垂直片の内面の先側部分との間に空間部が形成されるように膨らみ状態で折り返すと共に、折り返し片の先端部分を該内面に当接させ、該折り返し片の上端を前記下支持面とするのがよい。
【0025】
前記金属製棚において、前記下支持片は、金属板小片を前記垂直片の内面に溶接により付設して構成することもできる。
【0026】
前記の各金属製棚において、前記両垂直片の夫々の内面に、前記角隅部を前記下支持面との間で上下から挟む上支持面が下端に設けられた上支持片を付設されたものとして構成するのがよい。
【0027】
本発明に係る金属製ワゴンは、前記の各金属製組立棚を用いて構成された金属製ワゴンであって、下端部にキャスターが付設されて移動可能なものとなされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る金属製棚、金属製ワゴンによるときは、棚板の4つの角隅部が4本の支柱の両垂直片間の凹所に、棚板の側片の外面が該側片と相対する垂直片の内面に当接する状態で挿入される。これに加えて、各角隅部の下面が、垂直片の先端から基端に向けて水平状態で直線状に延長し同一高さにある隣り合う両下支持面に当接状態となされるため、各角隅部の下面は、支持長さの長い線接触状態で下方から支持されることとなる。そしてこの状態で、対向する側片と垂直片とが、両者に貫設されたボルト孔を挿通するボルトにより固定される。従って、棚板上に物品を載せた状態で支柱に横方向からの力が加わった場合も、支柱が前記ボルトの軸心回りに回転しようとするのを抑制でき、支柱が棚板に対して傾くのを防止できることになる。
かかることから本発明によるときは、棚板と支柱とを従来通りにボルトで固定するだけで、従来と同様の組立ての容易化を達成できながら、支柱の傾きが防止されて構造的安定性に優れた金属製棚や金属製ワゴンを提供できることになる。
【0029】
(2) 又、前記角隅部の下面が、隣り合う両下支持面で下方から支持されるため、本発明に係る金属製棚や金属製ワゴンは、載荷重を安定的に支持できることとなる。
【0030】
(3) 又、角隅部を支柱の凹所に挿入すると共に該角隅部の下面を、隣り合う両下支持面に当接させさえすれば、支柱の垂直片と棚板の側片とに設けられている両ボルト孔を自ずから合致させることができるため、特許文献1や特許文献2に記載した組立棚等における場合とは異なり、ボルトによる固定作業を容易に行うことができ、金属製棚や金属製ワゴンの組立て作業の能率化を期し得る。
【0031】
(4) 又、本発明に係る金属製棚や金属製ワゴンは、特許文献3や特許文献4に記載されているような別体の取付金具を必要とせず、棚板と支柱とを直接ボルト固定するだけで棚やワゴンを組立てることができる。かかることから、組立て作業能率の向上を期し得ると共に、部品点数を削減して製造コストの低減を期すことができるばかりでなく、部品点数の少ない分だけ、棚やワゴンを、より精度よく構成できることになる。
【0032】
(5) 前記下支持片を、前記垂直片の先端で一連に突設された突出片を該垂直片の内面側に膨らみ状態で折り返し該折り返し片の先端部分を該内面に当接状態として構成するときは、膨らみ部分があることによって下支持面を幅広に形成できるため、該幅広の下支持面によって、角隅部の下面をより安定状態で支持できることとなる。
従って、棚板の載荷重をより安定状態で支持できることになる。又、このように安定的な支持が得られるため、支柱の傾き防止をより効果的に達成できる。更に、下支持面が幅広に形成されるため、棚板を支柱に組付ける際の棚板の位置決めを容易化し得る。
【0033】
(6) 前記両垂直片の夫々の内面に、前記角隅部を前記下支持面との間で上下から挾む上支持面が下端に設けられた上支持片を付設する場合は、該上支持面による規制作用によって、支柱が傾き傾向となったときにもその傾きをより小さく規制できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る金属製棚を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る金属製ワゴンを示す斜視図である。
【図3】金属製ワゴンの分解斜視図である。
【図4】棚板を示す斜視図と部分断面図である。
【図5】支柱に設けられた挾持嵌入部と、該挾持嵌入部に嵌め入れられる棚板の角隅部の位置関係を示す斜視図である。
【図6】支柱の挾持嵌入部に棚板の角隅部を嵌め入れた状態と、棚板と支柱とをボルトとナットとで仮締めした状態と、棚板と支柱とを本締めした状態を示す斜視図である。
【図7】下支持片の構成を示す支柱横断面図である。
【図8】支柱を示す斜視図である。
【図9】棚板を支柱にボルト固定した状態を示す部分断面図である。
【図10】金属製ワゴンを組み立てるに際して、2本の支柱を作業面に設置した状態を示す斜視図である。
【図11】この2本の支柱に3枚の棚板の下端部分を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図12】棚板と支柱とをボルト固定する工程を説明する断面図である。
【図13】ボルトを仮締めして組立てられた金属製ワゴンを示す斜視図である。
【図14】棚板の角隅部が左右隣り合う下支持面で支持された状態を示す平面図である。
【図15】支柱が傾き防止されていることを説明する金属製ワゴンの正面図と側面図である。
【図16】下支持面の他の態様を示す斜視図である。
【図17】下支持面のその他の態様を示す斜視図である。
【図18】下支持面のその他の態様を示す斜視図である。
【図19】下支持面と上支持面のその他の態様を示す断面図である。
【図20】下支持面のその他の態様を示す断面図である。
【図21】支柱の上端が最上段の棚板の上方に突出する金属製ワゴンの他の実施例を示す部分断面図である。
【図22】従来の一般的な金属製ワゴンを示す斜視図とその部分断面図である。
【図23】支柱が棚板に対して傾くのを防止せんとする従来の金属板製ワゴンを説明する部分斜視図である。
【図24】支柱が棚板に対して傾くのを防止せんとする従来の金属板製ワゴンのその他の態様を示す部分斜視図と部分平面図である。
【図25】支柱が棚板に対して傾くのを防止せんとする従来の金属板製ワゴンのその他の態様を示す部分斜視図である。
【図26】支柱が棚板に対して傾くのを防止せんとする従来の金属板製ワゴンのその他の態様を示す部分斜視図と部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0035】
図1は本発明に係る金属製棚1aを示すと共に、図2〜3は本発明に係る金属製ワゴン1bを示している。該金属製ワゴン1bは、該金属製棚1aの下端にキャスター2を付設して移動可能となされている。両者の違いはキャスター2の有無だけであるため、以下の説明は、金属製ワゴン1bに代表させて行なう。
【0036】
該金属製ワゴン1bは、金属板を折曲して形成された棚板3の複数枚、本実施例においては3枚と、金属板を折曲して形成され且つ該複数枚の棚板3を上下所要間隔で支持し得るアングル状を呈する4本の支柱5,5,5,5とを具えている。
【0037】
前記棚板3は、図4(A)(B)に示すように、例えば0.8mm厚さのステンレス板を折曲して形成されており、平面視で矩形板状を呈する平板4の4辺で側片6,6,6,6を直角に折曲して浅い箱状に形成されている。該側片6の上下長さは例えば35mmに設定されている。本実施例において該側片6は、図4(B)に示すように、側片本体7の先端9で一連に延設されていた延設部10が、該側片本体7の内面11の先端側の部分(側片6の幅の1/3程度の幅部分)で内側に折り返されており、側片6の先端で怪我をしないようになされている。又、該棚板3の4つの角隅部12,12,12,12において、互いに直角をなす側片6,6、6,6、6,6、6,6に、該側片6,6の幅の中央部分においてボルト孔13,13が設けられている。該ボルト孔13の直径は、本実施例においては6.5mmに設定されている。又、前記棚板3の長辺長さは例えば600〜1000mmに設定され、本実施例においては750mmに設定されている。又その短辺長さは、例えば400〜500mmに設定され、本実施例においては500mmに設定されている。
【0038】
前記支柱5は、図5に示すように、例えば1.5〜2mm程度の厚さのステンレス板を、横断面L字状を呈する如く折曲して形成されてなり、互いに直角をなす両垂直片15,15を具えている。そして前記棚板3の角隅部12が、該支柱5の両垂直片15,15間の凹所16に、前記側片6の外面17が該側片6と相対する垂直片15の内面19に当接する状態で嵌め入れられるようになされている。又、該両垂直片15,15の夫々の内面19,19の所要高さ部位に、左右の下支持片20,20が隣り合わせて付設されている。該両下支持片20,20の上端に設けられた下支持面21,21は、前記垂直片15,15の先端22から基端23に向けて水平状態で直線状に延長しており、該両下支持面21,21は同一高さに設定され、図6に示すように、前記角隅部12の下面25を下方から支持する。
【0039】
該下支持片20は、本実施例においては図5、図7に示すように、前記垂直片15の先端22で一連に突設された矩形板状の突出片27を、該垂直片15の内面側に折り返して形成されている。本実施例においては図7に示す如く、該垂直片15の内面19の先側部分29との間に空間部30が形成されるように内側に例えば円弧状の膨らみ状態で折り返されると共に、折り返し片31の先端部分32が該内面19に当接されている。又本実施例においては、該下支持面21による前記棚板3の支持状態の安定性とベンダーによる折曲作業の容易性を考慮して、該折り返し片31で形成された下支持片20の水平方向での長さが設定されている。
【0040】
前記支柱5の高さは、例えば600〜1100mmに設定されるが、本実施例においては770mmに設定されている。又、前記垂直片15の幅は例えば34mmに設定されると共に、前記下支持面21の水平方向の長さは例えば10〜15mmに設定され、本実施例においては15mmに設定されている。前記突出片27の折り返し基端部分(膨らみ部分)33の、前記垂直片15の内面19からの最大膨出量Lは例えば6mmに設定されている。
【0041】
そして図6(A)、図7に示すように、該両下支持面21,21で前記角隅部12が支持された状態で、前記垂直片15,15に、前記側片6,6に設けられているボルト孔13,13と孔心を合致させて同径のボルト孔35,35が設けられている。該ボルト孔35,35は本実施例においては、前記下支持面21の長さ方向の先側部分の上側に位置させて設けられている。
【0042】
又、本実施例においては図3、図5、図8に示すように、前記支柱5には、下段の棚板3aの棚板取付部36と中段の棚板3bの棚板取付部分37において、前記両垂直片15,15の夫々の内面19,19に、前記両下支持面21,21で下方から支持された状態の前記角隅部12を該下支持面21,21との間で上下から挾む上支持面39,39が下端に設けられた上支持片40,40が、左右隣り合わせて付設されている。本実施例においては、前記下支持片20,20を形成すると同様の要領により、前記垂直片15の先端22で一連に突設された矩形板状の突出片41が、該垂直片15の内面側に、該垂直片15の内面19の先側部分29との間に空間部42が形成されるように内側に例えば円弧状の膨らみ状態で折り返されると共に、折り返し片43の先端部分45が該内面19に当接されている。なお本実施例においては、例えば図8に示すように、前記下支持片20と前記上支持片40とが上下一連に連なっている。
【0043】
上段の棚板3cの棚板取付部分46は、図8に示すように、下支持片20によって下支持面21だけが形成されている。そして図2(A)、図9(A)に示すように、隣り合う下支持面21,21で前記角隅部12が支持された状態において、支柱上端で怪我をしないように棚板3の上端47(上面)が支柱5の上端49から若干(例えば2mm程度)突出している。
【0044】
そして、前記構成を有する4本の支柱5,5,5,5の夫々の下端50には、図2、図8に示すように、下端底面部51を介してキャスター2の取着部52が取り付けられている。
【0045】
然して、かかる構成を有する3枚の棚板3,3,3と4本の支柱5,5,5,5とを用いて金属製ワゴン1bを組立てるに際しては、図3に示すように、4本の支柱5,5,5,5の前記凹所16,16,16,16を内側に向けて、下段の棚板3aと中段の棚板3bと上段の棚板3cの夫々について、4つの角隅部12,12,12,12を、対応の凹所16に嵌め入れるのであるが、図3においては、下段の棚板3aと中段の棚板3bは、前記平板4が底板53として機能して上方に開放した状態とされており、上段の棚板3cは、前記平板4が頂板55として機能して下方に開放した状態とされている。そして下段の棚板3aと中段の棚板3bにあっては、図9(B)に示すように、その角隅部12が前記した下支持面21と上支持面39との間で挾まれた状態となされている。又、上段の棚板3cは、図9(A)に示すように、両下支持面21,21で支持されている。この状態で、前記ボルト孔13,35を挿通するボルト59にナット(例えば袋ナット)61が螺合され締め付けられている。
【0046】
かかる組立てをより容易に行うためには、例えば図10〜12に示す要領で組立るのがよい。まず図10に示すように、2本の支柱5,5を所要間隔を置いて床面等の作業面56に横に寝かせた状態とし、この状態で、図11に示すように、3枚の棚板3a,3b,3cを、その角隅部12を前記凹所16に嵌め入れる。その際、下段の棚板3aと中段の棚板3bに関しては、その下側の左右に位置する角隅部12a,12bを、前記下支持面21と上支持面39との間に形成されている挾持嵌入部57,57(図8、図10)に挿入する。これによって、該2本の支柱5a,5bに対する該棚板3,3の高さ位置が概略定まる。この状態で、該角隅部12a,12bを前記隣り合う下支持面21,21に押し付けると、図12(A)に示すように、対向する側片6と垂直片15に設けられているボルト孔13,35が合致する。そこで図12(B)に示すように、両ボルト孔13,35にボルト59を、例えば垂直片15の外面側から内方に向けて挿通し、該側片6の内面側で突出した突出ネジ軸部60にナット(例えば袋ナット)61を螺合し仮締めする。
【0047】
その後、図13に示すように、他の2本の支柱5c,5dを、その凹所16,16に各棚板3a,3b,3cの上側の左右に位置する角隅部12,12が嵌入されるように位置合わせして各棚板3a,3b,3cに取り付ける。その際、下段の棚板3aと中段の棚板3bに関しては、図9(B)に示すように、上側の左右に位置する角隅部12c,12dを、前記下支持面21と上支持面39との間に形成されている挾持嵌入部57,57に挿入する。これによって、該2本の支柱5,5に対する該棚板3a,3b,3cの高さ位置が自ずから概略定まる。この状態で、該角隅部12c,12dを前記隣り合う下支持面21,21に押し付けると、図12(A)に示すと同様に、対向する側片6と垂直片15に設けられているボルト孔13,35が合致する。そこで図12(B)に示すと同様に、両ボルト孔13,35にボルト59を、例えば垂直片15の外面側から内方に向けて挿通し、該側片6の内面側で突出した突出ネジ軸部60にナット(例えば袋ナット)61を螺合し仮締めする。
【0048】
その後、図2(A)に示すように、4本の支柱5,5,5,5を立設状態にすると共に、各角隅部12を下方向に押し付けて該角隅部12の下面25を、図9(A)(B)に示すように、隣り合う前記下支持面21,21に線接触状態で当接(密接)させる。この状態で、下段の棚板3aと中段の棚板3bにあっては、前記上支持面39と前記角隅部12の上端47との間に若干(0.4mm程度)の隙間が生ずる。そして、上段の棚板3cの上端(頂板55の上面)47は、支柱5の上端49よりも若干(2mm程度)突出した状態となる。この状態で、図12(C)に示すように、前記袋ナット61を本締めすると、所望の金属製ワゴン1bを完成できる。
【0049】
なお、本実施例においては図8に示すように、前記支柱5,5,5,5に、前記中段の棚板3bの角隅部12の夫々を上下から挟む、下支持面21と上支持面39とからなる支持面組63が上下3段に設けられており、所要の支持面組を選択することにより、該中段の棚板3bを所望高さで支柱5に支持させ得るようになされている。図2においては、中段の支持面組63a(図2)で支持されている。
【0050】
このようにして組立てられた金属製ワゴン1bにあっては、図14、図6に示すように、前記側片6の外面17と該側片6と相対する垂直片15の内面19とが当接状態にある。加えて図8〜9に示すように、角隅部12の下面25が、隣り合う両下支持面21,21に密接した状態で該両下支持面21,21で支持された状態にあり、然も、この密接した状態がボルト59で固定されている。この下支持面21,21による棚板支持について付言すれば、角隅部12の下面25が、前記した特許文献3や特許文献4におけるように点状で支持されるのではなく、垂直片15の先端22からその基端23に向けて水平状態で直線状に延長する下支持面21で、長い長さで下方から支持される。これによって、角隅部12の端部65からより離れた部位を下支持面21で支持できることになる。そして、該支持状態がボルト59で固定されるのである。
【0051】
かかることから、前記構成の金属製ワゴン1bによるときは、側片6と垂直片15とを1本のボルト59で固定しているだけであるにも拘わらず、支柱5が棚板3に対して傾くのを防止できることになるのである。より詳しくは、図14に示すように、角隅部12の互いに直角をなす側片6,6の外面17,17が両垂直片15,15の内面19,19に当接状態となっており、この状態で角隅部12の下面25が両下支持面21,21により線接触状態で支持されるため、棚板3上に物品を載せた状態で支柱5に横方向からの荷重が加わった場合も、支柱5が前記ボルト59の軸心回りに回転しようとするのを抑制でき、支柱5が棚板3に対して傾くのを防止できることになるのである。例えば図15(A)に示すように、支柱5が矢印F1方向やF2方向に傾いたり、図15(B)に示すように、支柱5が矢印F3方向やF4方向に傾いたりするのを効果的に防止できるのである。
【0052】
本実施例においては、前記支柱5に、図9に示すように、下段の棚板3aと中段の棚板3bに関して、前記角隅部12を前記下支持面21との間で上下から挾むように上支持面39が設けられている。そのため、支柱5が傾き傾向となったときには、角隅部12の上面47が上支持面39に当たることにより支柱の傾きをより小さく規制できる効果がある。より詳しくは、例えば、重量物を棚板3に載せた状態で該ワゴンを押した場合や、金属製ワゴン1bが走行中に、そのキャスター2が段差部分に衝突したり該キャスター2が溝に嵌まってワゴンが急停止した等の場合において、該支柱5に急激な力が作用して、角隅部12の下面25や下支持面21が変形して支柱5が傾き傾向となったときにも、角隅部12の上面47が上支持面39に当たることにより支柱の傾きをより小さく規制できる効果があるのである。
【0053】
なお本実施例においては、上段の棚板3cに対しては前記のような上支持面39が設けられていないが、前記のように、棚の土台となる支柱5の下側部分で支柱5の確実な傾き防止が図られていることから、上段の棚板3cに対して上支持面39が設けられていなくても、前記急停止等に伴う支柱の傾き防止を良好に達成でき、構造的に安定した金属製ワゴン1bを構成できることになるのである。
【0054】
そして本実施例に係る金属製ワゴン1bによるときは、棚板3に載せられた物品の荷重が、ボルトだけで支持されるのではなく、支柱5と一体に設けられている直線状の下支持面21でも支持されるため、棚板の載荷重を安定的に支持できる利点がある。
【0055】
然も本実施例においては、前記下支持片20を設けるに際し、支柱5の垂直片15の先端26で一連に突設された突出片27(図5、図8)を、図7に示すように、該垂直片15の内面側に、該垂直片15の内面19の先側部分29との間に空間部30が形成されるように内側に膨らみ状態で幅広に折り返すと共に、折り返し片31の先端部分32を垂直片15の内面19に当接させる構成を採用しているため、図9、図14に示すように、該幅広の下支持面21で角隅部12の下面25をより安定的に支持できることになる。そして、このように幅広の下支持面21で角隅部12の下面25を支持できることから、支柱5の傾きに対する抵抗力を増大させ得る。
【0056】
又本実施例においては、前記下支持片20と前記上支持片40を共に、突出片27,41(図5、図8)を垂直片15の内面側に折り返して構成しているため、該折り返し部分で支柱が二重構造になり、それだけ支柱の剛性を増大させ得る。
【実施例2】
【0057】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記棚板3は、金属板を折曲して形成されておればよいのであり、前記側片6の上端で外側に折り返されてもよく、又、該側片6の先端が折り返されていなくてもよい。本発明に係る金属製棚1aや金属製ワゴン1bにおける棚板3は、支柱5,5,5,5に複数段に取り付けられるものであり、2段や4段等で支柱に取り付けられることもある。又、複数枚の棚板3の取り付け状態は、金属製棚や金属製ワゴンの使用目的に応じて、全ての棚板を上端開放状態としてもよく、全ての棚板を下端開放状態としてもよい。
【0058】
(2) 前記棚板3は、平面視で正方形状に構成されることもある。
【0059】
(3) 前記下支持片20は、前記支柱5が例えば鉄製である場合において、例えば図16(A)(B)に示すように、金属板小片66(厚みは、例えば1〜4mmに設定できる)を、前記垂直片15の内面19に溶接により付設して構成されることもある。この場合も、図16(C)に示すように、前記角隅部12の下面25が両下支持面21,21で下方から支持される。なお図16(C)においては、金属板小片66が前記内面19に溶接により付設されて、前記と同様に機能する上支持面39,39が設けられている。この場合における金属板小片66の上端に設けられた下支持面21は、図16(B)に示すように、該垂直片15の先端22から基端23に亘って水平状態で直線状に延長したものとしてもよい。そして、該両下支持面21,21は同一高さに設定されている。
【0060】
又図17は、比較的厚肉(例えば3mm程度)に形成され且つ先端が円弧面67に形成された金属板小片66を前記垂直片15の内面19に溶接により付設して構成された下支持片20を示している。この場合も、該金属板小片66は、図17(B)に示すように、該垂直片15の先端22から基端23に亘って水平状態で直線状に延長したものとしてもよい。そして、該両下支持面21,21は同一高さに設定されている。この場合も、図17(C)に示すように、前記角隅部12の下面25が両下支持面21,21で下方から支持される。なお図16(C)においては、金属板小片66が前記内面19に溶接により付設されて、前記と同様に機能する上支持面39,39が設けられている。
【0061】
図18(A)(B)は、L字状に屈曲する下支持片20を、その外面69,69を前記両垂直片15,15の内面19,19に当接させた状態で該内面19に溶接により付設することにより構成された下支持面21を示しており、垂直片15の先端22からその基端23に向けて水平状態で直線状に延長する下支持面21,21が、同高さで隣り合わせて設けられている。
【0062】
(4) 図19(A)(B)、図20は、垂直片15の先端22で一連に突設された突出片27,41を該垂直片15の内面側に折り返すことによって構成された下支持片20、上支持片40のその他の態様を示すものであり、図19(A)(B)においては、前記下支持片20と前記上支持片40を、前記垂直片15の内面19に密着状態で折り返して構成している。
【0063】
(5) 前記両垂直片15,15の夫々の内面19,19に、前記角隅部12を前記下支持面21との間で上下から挾む上支持面39が下端に設けられた上支持片40を付設する場合は、該上支持面39による規制作用によって、支柱5が傾き傾向となったときにもその傾きをより小さく規制できることになるのであるが、支柱5の傾き防止のためには、該支柱5の根元側(最下段の棚板側)における傾きを防止できれば支柱5が全体として傾きにくくなることに鑑み、該上支持片40は、最下段の棚板3aに対してだけ設けられることもある。
【0064】
(6) 前記支柱5の上端49は、例えば図21に示すように、最上段の棚板3cの上方に突出することもある。この場合は、前記と同様にして、両垂直片15,15の夫々の内面19,19に、前記角隅部12を前記下支持面21との間で上下から挾む上支持面39が下端に設けられた上支持片40を付設することができる。
【0065】
(7) 本発明に係る金属製ワゴン1bを構成するに際し、前記キャスター2は、最下端の棚板の下面部に設けてもよい。
【0066】
(8) 本発明に係る金属製棚の前記支柱5の下端に、高さ調整の為のアジャスターが設けられることもある。
【符号の説明】
【0067】
1a 金属製棚
1b 金属製ワゴン
2 キャスター
3 棚板
5 支柱
6 棚板の側片
12 角隅部
13 ボルト孔
15 垂直片
16 凹所
17 側片の外面
19 垂直片の内面
20 下支持片 21 下支持面
35 ボルト孔
36 棚板取付部分
37 棚板取付部分
39 上支持面
40 上支持片
46 棚板取付部分
57 支持嵌入部
59 ボルト
61 ナット
66 金属板小片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を折曲して形成された棚板の複数枚と、金属板を折曲して形成され且つ該複数枚の棚板を上下所要間隔で支持し得る4本の支柱とを具え、
前記棚板は、平面視で矩形板状又は正方形板状を呈する平板の4辺で側片を直角に折曲して浅い箱状に形成されており、
前記支柱は、横断面L字状を呈する如く折曲されてなり、互いに直角をなす両垂直片の夫々の内面の所要高さ部位に、下支持片が隣り合わせて付設されており、該両下支持片の上端に設けられた下支持面は、前記垂直片の先端からその基端に向けて水平状態で直線状に延長し、該両下支持面は同一高さに設定されており、
又、前記棚板の四つの角隅部が、前記支柱の両垂直片間の凹所に、前記側片の外面が該側片と相対する垂直片の内面に当接する状態で挿入され、該角隅部の下面が前記両下支持面で下方から支持される如くなされ、該支持された状態で、対向する垂直片と側片とを、孔心が合致するように両者に貫設されたボルト孔を挿通するボルトにより固定されるようになされていることを特徴とする金属製棚。
【請求項2】
前記下支持片は、前記支柱の前記垂直片の先端で一連に突設された突出片を該垂直片の内面側に折り返して形成され、折り返し片の上端が前記下支持面を形成することを特徴とする請求項1記載の金属製棚。
【請求項3】
前記下支持片は、前記支柱の前記垂直片の先端で一連に突設された突出片が該垂直片の内面側に、該垂直片の内面の先側部分との間に空間部が形成されるように膨らみ状態で折り返されると共に、折り返し片の先端部分が該内面に当接されており、該折り返し片の上端が前記下支持面を形成することを特徴とする請求項1記載の金属製棚。
【請求項4】
前記下支持片は、金属板小片を前記垂直片の内面に溶接により付設して構成されていることを特徴とする請求項1記載の金属製棚。
【請求項5】
前記両垂直片の夫々の内面に、前記角隅部を前記下支持面との間で上下から挟む上支持面が下端に設けられた上支持片が付設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金属製棚。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の金属製組立棚を用いて構成された金属製ワゴンであって、下端部にキャスターが付設されて移動可能なものとなされていることを特徴とする金属製ワゴン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−92417(P2011−92417A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249277(P2009−249277)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(394006679)山金工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】