説明

金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラム

【課題】正規の口座利用者側の口座へ、第三者による不正なアクセスがあった場合に、正規の口座利用者にとって金銭盗難等の不利益を被ることがないようにする。
【解決手段】金融機関口座取扱システム10は、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者によりATM18にて入力された手続データの内、暗証番号データを比較照合する金融機関11側に備えたデータ比較照合手段21と、両暗証番号データが一致した場合に、手続可否通報信号a3を口座利用者側の通信端末13へ送信する一方、通信端末13から返信される手続了解信号a4または手続中断信号a5を金融機関11側の通信手段24が受信することにより、ATM18にて入力された手続データに基いて手続きを実行する一方、手続き中断信号を受信することにより、手続きを中止する金融機関11側に備えた管理コンピュータ15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネット等のネットワークを利用して、口座利用者側への第三者による不正行為を防止し得るサービスを提供する金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラムに係るもので、特に預金(貯金)通帳および印鑑(届出印)が盗用されたり、キャッシュカード等の取扱カードが悪用されて、口座利用者側にて損害を被ることのないようにする金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の金融機関口座取扱システムとして、第三者による不正アクセスによる不正取引を防止しながら、安全且つ確実に口座の取扱いができる金融機関口座取扱システムとして、特開2002−358417号公報([特許文献1]参照)に開示されたものがある。
【0003】
この金融機関口座取扱システムは、図4に示すように、金融機関側のコンピュータと、口座利用者側の通信端末との間で、種々の取引を行うことができる金融機関口座取扱システム1である。金融機関口座取扱システム1は、預金口座を取扱う金融機関2と、この金融機関2とインターネット3を介して口座利用者側の複数の通信端末4a〜4nとから構成される。
【0004】
金融機関2は、この金融機関2に通信接続される全ての口座利用者の口座へのアクセスに応じてデータ処理する管理コンピュータ5およびデータを保存するメモリ6とを備えている。従って、特定の口座利用者が、当該口座利用者側の通信端末4aから、金融機関2の自口座にアクセスして、例えばX銀行のY支店の口座9999へ為替振込みすることができる。この為替振込みの際には、通信端末4a側から、振込先銀行、利用者番号、振込先口座の口座情報、暗証番号等の口座情報データが入力されるようになっている。
【0005】
また、特定の口座利用者とは別の口座利用者側の、例えば通信端末4b側から特定口座利用者の口座情報データが用いられて、金融機関2側に不正アクセスを試みたとする。
【0006】
管理コンピュータ5側には、予め振込先銀行、利用者番号、振込先口座の口座情報、暗証番号等の口座情報データが入力されているため、例えば通信端末4b側から不正アクセスを試みた場合には、金融機関2側のメモリ6に予め記憶されている口座情報データと不正行為時に入力したデータとを比較照合した際に、通常は一致しないため、アクセスされないようになっている。
【0007】
従って、金融機関口座取扱システム1によれば、第三者からの不正アクセスによる取引は、不正アクセスの試みの段階で手続きが拒否されるようになっている。
【特許文献1】特開2002−358417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の金融機関口座取扱システム1によれば、第三者からの不正アクセスを不正アクセスの試みの段階で防止できる機能を備えたものであるが、取引の都度、種々の口座利用者情報データを入力させる仕組みになっていることから、正規の口座利用者にとっては、その口座情報データの入力作業が面倒であったり、また、間違った入力が行なわれた場合には、その後の処理が中止されたり、正規の口座利用者側の通信端末4aを再起動させたり、最初からアクセス作業をやり直さざるをえない等、甚だ不便であった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、正規の口座利用者側から当該口座へのアクセス、また、正規でない第三者から口座利用者側の口座への不正アクセスに関わらず、口座利用者側の口座へアクセスのあった時点(即ち、一時的に通信接続される)で、このアクセス情報が、口座利用者側の通信端末へ通報されるようになされ、第三者による不正アクセスに基づく、不正処理の実行を未然に防止することができる金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラムを提供することを主な目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、正規の口座利用者側の取扱通帳および印鑑による口座へのアクセス、また、正規でない第三者による口座利用者側の取扱通帳および印鑑による当該口座への不正アクセスに関わらず、アクセスがあった時点で口座利用者側の通信端末へ通報がなされるようにして、第三者による不正アクセスに基づく不正処理の実行を防止することができる金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側よりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データとを金融機関側の管理コンピュータに記憶された暗証番号データとを比較照合するステップと、上記両暗証番号データが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続きを上記金融機関の管理コンピュータが実行するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法を提供する。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明によれば、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側よりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データとを金融機関側の管理コンピュータに記憶された暗証番号データとを比較照合するステップと、上記両暗証番号データが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する処理中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、上記処理中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記金融機関側の管理コンピュータにて、上記ATMに入力された手続データに基づく手続きを中断するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法を提供する。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明によれば、口座利用者名義の取扱通帳と、印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを金融機関側の管理コンピュータにて比較照合するステップと、上記提示された印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、上記手続了解信号を上記金融機関の通信手段が受信することにより、上記金融機関の管理コンピュータが手続を実行するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法を提供する。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明によれば、利用者名義の取扱通帳と、印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを金融機関側の管理コンピュータにて比較照合するステップと、上記提示された印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する手続中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、上記処理中断信号を上記金融機関の通信手段が受信することにより、上記金融機関側の管理コンピュータが手続を中断するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法を提供する。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明によれば、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側によりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、上記データ比較照合手段による比較照合により、上記両暗証番号データが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続きを実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する上記金融機関側に備えた管理コンピュータとを具備したことを特徴とする預金口座取扱システムを提供する。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明によれば、口座利用者名義の取扱通帳および印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、上記データ比較照合手段による比較照合により、上記印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から送信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、上記手続了解信号を上記通信手段が受信することにより、手続内容を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する上上記金融機関側に備えた管理コンピュータとを具備したことを特徴とする預金口座取扱システムを提供する。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明によれば、金融機関側の管理コンピュータの演算処理装置の演算処理に用いられる預金口座取扱プログラムであって、上記管理コンピュータを、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側によりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、上記データ比較照合手段による比較照合により、上記両暗証番号データが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する取扱実行手段として機能させることを特徴とする預金口座取扱プログラムを提供する。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明によれば、金融機関側の管理コンピュータの演算処理装置の演算処理に用いられる預金口座取扱プログラムであって、上記管理コンピュータを、口座利用者名義の取扱通帳および印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、上記データ比較照合手段による比較照合により、上記印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記金融機関の管理コンピュータが手続を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する取扱実行手段として機能させることを特徴とする預金口座取扱プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、正規の口座利用者側の口座へ、第三者による不正なアクセスがあった場合に、このアクセスのあった時点で正規の口座利用者側の通信端末へ処理の可否の通報がなされるので、正規の口座利用者にとって第三者の不正による金銭盗難等の不利益を被ることがないようにする金融機関口座取扱方法およびシステム並びにプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る金融機関口座取扱システムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の金融機関口座取扱システム10の実施形態を示す概要図である。
【0022】
この金融機関口座取扱システム10は、預金口座等の口座を有する金融機関、例えば銀行11と、通信ネットワーク、例えばインターネット12を介して通信接続される預金口座等の口座利用者が通常時携帯する通信端末、例えば携帯端末13とから構成される。
【0023】
銀行11は、口座利用者側と取引を直接扱う窓口14と、この窓口14にて取扱った業務に関わるデータを管理する管理コンピュータ15とを備えている。
【0024】
窓口14には、口座利用者と取引の際に、窓口14にてデータの入出力を行う窓口コンピュータである窓口PC(パソコン)17と、窓口14に設置されるATM(現金自動預け払い機)18とを備えている。
【0025】
窓口PC17は、窓口14にて口座利用者から提示された預金通帳が窓口14にて提示されることにより、現金引出し等の取扱手続の際に、口座番号データ、処理手続データおよび暗証番号データが入力されると共に、これらの各データを含む口座番号手続データ信号a1が出力されるものである。
【0026】
また、ATM18は、口座利用者が取扱カードとして利用する、例えばキャッシュカードを用いて、ATM18の操作の際に、口座番号データ、処理手続データおよび暗証番号データが入力され、これらの各データを含む口座番号手続データ信号a1が出力されるものである。
【0027】
管理コンピュータ15は、窓口PC17およびATM18と通信接続される演算処理装置20と、データ比較照合手段21と、メモリ22と、表示手段23および通信手段24とを備えている。
【0028】
演算処理装置20は、銀行11側にて登録されている口座利用者側の口座番号を対象として銀行11の窓口14側から何らかの手続きやアクセスがなされると、口座番号の口座利用者側の携帯端末13へ手続可否通報信号a3が送信されるようになっている。この手続可否通報信号a3は、銀行11側における利用者側への「アクセス(手続)内容通知」サービスとして提供されるようになっており、口座利用者側にて銀行11側へ前以て届出がなされることにより提供を受けることができるようになっている。
【0029】
演算処理装置20は、窓口14側の窓口PC17から送信される口座番号手続データ信号a1またはATM18から送信される口座番号アクセスデータ信号a2を受信すると共に、データ比較照合手段21側へ送信されるようになっている。また、演算処理装置20は、口座利用者側の携帯端末13が受信した手続可否通報信号a3の返信として手続了解信号a4または手続中断信号a5を受信して、口座番号手続データ信号a1および口座番号アクセスデータ信号a2に含まれる処理データ内容に基いて処理が実行されるようになっている。
【0030】
手続了解信号a4は、口座利用者側の携帯端末13が、手続可否通報信号a3を受信することにより、このまま処理を実行したい場合に、携帯端末13側から銀行11の管理コンピュータ15側へ返信されるものである。
【0031】
手続中断信号a5は、口座利用者側の携帯端末13が、手続可否通報信号a3を受信した後に、直ちに手続処理の実行をさせないで、一時中断させる場合に返信されるものである。この手続中断信号a5は、携帯端末13側から銀行11側の管理コンピュータ15へ返信する場合には、口座利用者側において、手続きのみを先に完了させておいて、処理の実行を所望時間先送りする際に用いられる信号である。
【0032】
口座利用者側の携帯端末13にて、手続中断信号a5を返信する場合には、処理の実行を先送りすることが可能となるので口座利用者側においては、必ずしも銀行11側の窓口14にてその場で処理の実行をする必要はない。
【0033】
データ比較照合手段21は、窓口PC17およびATM18側から送信される口座番号手続データ信号a1および口座番号アクセスデータ信号a2を受信し、メモリ22に保存された口座利用者情報データbを受信して暗証番号同士を比較照合して一致した場合に、可否通報信号a3を生成して演算処理装置17側へ送信するようになっている。
【0034】
メモリ22は、口座利用者側が銀行11側と取引するにあたって、図2に示すように、データ番号0001〜0007に対応させて、利用者名、利用者番号、預金残高、口座情報(支店、科目、番号)、暗証番号、携帯電話番号および電子メールアドレスの各データにより口座利用者情報データbが保存されるようになっている。
【0035】
表示装置23は、演算処理装置20にて受信する各情報データを画面表示することができるようになっている。更に、通信手段24は、銀行11側の管理コンピュータ15と口座利用者側の携帯端末13との間で信号の送受信を行うために設けられる。
【0036】
一方、口座利用者側の携帯端末13は、銀行11側の管理コンピュータ15の通信手段24との間でインターネット12を介して信号の送受信を行うことができるように設けられる。
【0037】
次に、金融機関口座取扱システム10の作用について図1〜3を参照して説明する。
【0038】
口座利用者が、銀行11の窓口14にて手続きを行うにあたって、通帳および印鑑を用いて行う場合と、取扱カードとしてのキャッシュカードを用いる場合とに区分して説明する。
【0039】
[通帳および印鑑を使用する場合]
口座利用者が、通帳および印鑑を使用する場合には、窓口14にて自口座へのアクセス手続きが行なわれる。この利用者口座へのアクセス手続きにより、窓口PC17により自口座の暗証番号等の口座データが入力されることにより、窓口PC17から出力される口座番号手続データ信号a1に含まれる暗証番号と、メモリ22に保存される口座利用者情報データ信号bに含まれる暗証番号とをデータ比較照合手段21により比較照合し、一致することを確認する<ステップ1a>。
【0040】
次に、口座利用者側から銀行11側が「アクセス(手続)内容通知」サービスの提供を受ける旨の届出の有無を確認する<ステップ2>。
【0041】
届出がある場合には、銀行11側の管理コンピュータ15から口座利用者側の携帯端末13へ手続可否通報信号a3を送信する<ステップ3>。
【0042】
そして、手続可否通報信号a3を受信した口座利用者側の携帯端末13から、次の処理(手続き内容の実行)へ移行させるために送信される手続了解信号a4を受信する<ステップ4a>。
【0043】
また、次の処理(手続き内容の実行)へ移行させない場合には、口座利用者側の携帯端末13から手続中断信号a5を受信する<ステップ4b>。
【0044】
なお、ここで<ステップ4b>により、手続中断信号a5を受信した後、手続了解信号a4を受信すると、<ステップ4a>に戻る。
【0045】
そして、手続了解信号a4を受信した銀行11側の管理コンピュータ15により、先に受信した口座番号手続データ信号a1に含まれる手続処理データの内容に基いて処理を実行する<ステップ5>。
【0046】
[キャッシュカードを使用する場合]
口座利用者がキャッシュカードを使用する場合には、ATM18にてアクセス手続きがなされる。ATM18により、キャッシュカードに記憶される暗証番号と、入力される暗証番号とが一致したことを確認する<ステップ1b>。
【0047】
次の<ステップ2>〜<ステップ5>までの各ステップは、[通帳および印鑑を使用する場合]と同様であるので説明を省略する。
【0048】
上述の金融機関口座取扱システム10によれば、以上の<ステップ1b>〜<ステップ5>のステップを踏むことにより、正規の口座利用者側の口座へ第三者による不正なアクセスがあった場合でも、このアクセスのあった時点で、正規の口座利用者側の携帯端末13へ処理の可否についての通報がなされるので、正規の口座利用者にとって第三者の不正による盗難等の不利益を被ることがない。
【0049】
また、金融機関口座取扱システム10によれば、図3に示すように、<ステップ2>による「アクセス(手続)内容通知」サービスは、必ずしも提供を受ける必要はなく、この場合には、銀行11側の管理コンピュータ15にて従来通りの手続処理がなされる。
【0050】
従って、口座利用者側にて、携帯端末13を操作して、銀行11側の管理コンピュータ15へサービスの提供を受けない旨の信号(図示せず)を送信して行うことができる。
【0051】
更にまた、金融機関口座取扱システム10によれば、銀行11側の管理コンピュータ15の通信手段24から送信される手続可否通報信号a3に対して、送信される手続中断信号a5を受信して処理を中断させることができるようにしたから、銀行11の窓口14側での口座の取扱いは、自口座へのアクセスのみの手続きを行い、すなわち手続可否通報信号a3の受信までとし、手続了解信号a4による返信は、例えば自宅等の別の場所にて行うこともできる。
【0052】
従って、このように、手続中断信号a5を使用する場合には、手続処理内容に不備や誤認の恐れがある案件処理の場合には、手続き処理の再確認ができるという点で口座利用者側にとって便利となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の金融機関口座取扱システムの概要図。
【図2】本発明の金融機関口座取扱システムにおける口座取扱にあたって用いられる口座利用者情報データ例を示す図。
【図3】本発明の金融機関口座取扱システムにおける口座取扱の手順をステップ別に示すフロー図。
【図4】従来の金融機関口座取扱システムの概要図。
【符号の説明】
【0054】
10 金融機関口座取扱システム
11 銀行(金融機関)
12 インターネット(通信ネットワーク)
13 携帯端末(通信端末)
14 窓口
15 管理コンピュータ
17 窓口PC(コンピュータ)
18 ATM
20 演算処理装置
21 データ比較照合手段
22 メモリ
23 表示手段
24 送受信手段
a1 口座番号手続データ信号
a2 口座番号アクセスデータ信号
a3 処理可否通報信号
a4 処理了解信号
a5 処理中断信号
b 口座利用者情報データ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側よりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データとを金融機関側の管理コンピュータに記憶された暗証番号データとを比較照合するステップと、
上記両暗証番号データが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、
上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、
上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続きを上記金融機関の管理コンピュータが実行するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法。
【請求項2】
口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側よりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データとを金融機関側の管理コンピュータに記憶された暗証番号データとを比較照合するステップと、
上記両暗証番号データが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、
上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する処理中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、
上記処理中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記金融機関側の管理コンピュータにて、上記ATMに入力された手続データに基づく手続きを中断するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法。
【請求項3】
口座利用者名義の取扱通帳と、印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを金融機関側の管理コンピュータにて比較照合するステップと、
上記提示された印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、
上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、
上記手続了解信号を上記金融機関の通信手段が受信することにより、上記金融機関の管理コンピュータが手続を実行するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法。
【請求項4】
利用者名義の取扱通帳と、印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを金融機関側の管理コンピュータにて比較照合するステップと、
上記提示された印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、上記金融機関側の通信手段から手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信するステップと、
上記手続可否通報信号を受信した上記口座利用者側の通信端末から、上記手続可否通報信号に対する処理中断信号を上記金融機関側の通信手段が受信するステップと、
上記手続中断信号を上記金融機関の通信手段が受信することにより、上記金融機関側の管理コンピュータが手続を中断するステップとを具備することを特徴とする預金口座取扱方法。
【請求項5】
上記金融機関側の通信手段により、口座利用者側の通信端末へ送信する手続可否通報信号を、通話および電子メールの少なくとも一方にて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の預金口座取扱方法。
【請求項6】
口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側によりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、
上記データ比較照合手段による比較照合により、上記両暗証番号データが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、
上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続きを実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する上記金融機関側に備えた管理コンピュータとを具備したことを特徴とする預金口座取扱システム。
【請求項7】
口座利用者名義の取扱通帳および印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、
上記データ比較照合手段による比較照合により、上記印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から送信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、
上記手続了解信号を上記通信手段が受信することにより、手続内容を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する上上記金融機関側に備えた管理コンピュータとを具備したことを特徴とする預金口座取扱システム。
【請求項8】
上記口座利用者側の所持する通信端末は、携帯端末であることを特徴とする請求項6または7記載の預金口座取扱システム。
【請求項9】
金融機関側の管理コンピュータの演算処理装置の演算処理に用いられる預金口座取扱プログラムであって、
上記管理コンピュータを、口座利用者名義の取扱カードに記憶された暗証番号データと、上記口座利用者側によりATMにて入力された手続データの内、暗証番号データを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、
上記データ比較照合手段による比較照合により、上記両暗証番号データが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、
上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記ATMにて入力された手続データに基づく手続を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する取扱実行手段として機能させることを特徴とする預金口座取扱プログラム。
【請求項10】
金融機関側の管理コンピュータの演算処理装置の演算処理に用いられる預金口座取扱プログラムであって、
上記管理コンピュータを、口座利用者名義の取扱通帳および印鑑の提示を受けることにより、この提示を受けた印鑑が、予め届出された口座利用者側の届出印鑑であるか否かを比較照合する金融機関側に備えたデータ比較照合手段と、
上記データ比較照合手段による比較照合により、上記印鑑の押印と上記予め届出された印鑑の印字とが一致した場合に、手続可否通報信号を上記口座利用者側の通信端末へ送信する一方、上記通信端末から返信される手続了解信号または手続中断信号を受信する上記金融機関側に備えた通信手段と、
上記手続了解信号を上記金融機関側の通信手段が受信することにより、上記金融機関の管理コンピュータが手続を実行する一方、手続中断信号を受信することにより、手続きを中止する取扱実行手段として機能させることを特徴とする預金口座取扱プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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