金銭授受部を備えた電子機器
【課題】顧客又は電子機器の操作者の映像、及び操作者が金銭を取り出す映像を録画することができる金銭授受部を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】電子キャッシュレジスタ10は、開状態及び閉状態となる金銭収納ケース25と、カメラ40と、を備えている。電子キャッシュレジスタ10は、金銭収納ケース25が閉状態の場合にはカメラ40が撮像した第1の位置の映像を録画し、金銭収納ケース25が開状態の場合にはカメラ40が撮像した第1の位置とは異なるとともに金銭収納ケース25を撮像範囲とする第2の位置の映像を録画する。
【解決手段】電子キャッシュレジスタ10は、開状態及び閉状態となる金銭収納ケース25と、カメラ40と、を備えている。電子キャッシュレジスタ10は、金銭収納ケース25が閉状態の場合にはカメラ40が撮像した第1の位置の映像を録画し、金銭収納ケース25が開状態の場合にはカメラ40が撮像した第1の位置とは異なるとともに金銭収納ケース25を撮像範囲とする第2の位置の映像を録画する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金銭授受部を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子キャッシュレジスタが設置された小売店では、防犯などのため、カメラが設置されている。
【0003】
しかし、露出したカメラが設置されていると、顧客は、監視されているという精神的圧迫を受け、不快であった。
【0004】
そこで、監視カメラが設置されていることが外観からは判明し難いように、カメラを電子キャッシュレジスタの中に設けることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−171590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
防犯などのため、顧客の映像に加えて、オペレータの映像及びオペレータが金銭を取り出す映像を録画することが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の電子キャッシュレジスタでは、カメラが顧客の方を向いているので、オペレータ及びオペレータが金銭を取り出す映像を撮影することができなかった。また、現金自動預払機(以下、ATMという)などの金銭を取り扱う電子機器も、共通の課題を有していた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、顧客又は電子機器の操作者の映像、及び操作者が金銭を取り出す映像を録画することができる金銭授受部を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る金銭授受部を備えた電子機器は、
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客又は電子機器の操作者の映像、及び操作者が金銭を取り出す映像を録画することができる金銭授受部を備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図5のVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るATMの斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るATMの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施形態に係るATMの斜視図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10は、図1に示すように、ドロア20と、カスタマーディスプレイ28と、支柱30と、レジスタ本体70と、を備えている。尚、以下の説明では、図1に示すように、電子キャッシュレジスタ10の前後方向をX方向、横方向をY方向、高さ方向をZ方向として説明する。また、+X方向をオペレータ側、−X方向を顧客側として説明する。
【0012】
図2に示すように、ドロア20は、金銭が収納される引き出しであり、ドロア筐体21と、ドロア筐体21の収納凹部21a内に収納されるとともに出入可能とされた金銭授受部としての金銭収納ケース25と、を備えている。
【0013】
金銭収納ケース25は、背面に、ロックピン26を有している。また、ドロア筐体21は、内部に、金銭収納ケース25のロックピン26と係合するフックレバー23と、フックレバー23を回動させるフックレバー回動装置24(図4参照)と、を有している。また、ドロア筐体21は、内部に、ドロア筐体21内に収納された金銭収納ケース25の背面に押圧されることにより圧縮する開放ばね22を有している。
【0014】
金銭収納ケース25は、背面に設けられたロックピン26がドロア筐体21のフックレバー23に係合されることにより、ドロア筐体21内に収納された状態(破線参照)、すなわち閉状態となる。また、金銭収納ケース25は、当該係合が解除されることにより、開放ばね22に押圧されて、ドロア筐体21内から+X方向にLだけ引き出された状態(実線参照)、すなわち開状態となる。
【0015】
カスタマーディスプレイ28は、ドロア20の後部から上方に延びる支柱30によって支承され、−X方向側(顧客側)に取引の合計金額などを表示する表示画面を有している。
【0016】
支柱30の内部には、カメラ40が設けられており、支柱30の側面には、カメラ40のレンズ41と対応する位置に透光板31が設けられている。透光板31は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性樹脂から形成されており、その表面にはスモーク調の着色シートが貼られている。また、透光板31は、ハーフミラー機能を有するガラスから形成されていてもよい。
【0017】
カメラ40は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えたビデオカメラであり、撮影範囲の被写体を撮影する。
【0018】
カメラ40は、図2及び図3に示すように、ピン52、カメラ回動ギア53、ラックギア55、ガイド56(図3参照)からなる回動機構によって、支柱30内に支持されている。
【0019】
カメラ40のY軸に垂直な側面には、支持孔42が形成されている。カメラ回動ギア53は、中心に孔部53aを有しており、孔部53aがカメラ40の指示孔42と連通するように、カメラ40の側面に固着されている。支柱30のY軸に垂直な内壁面には、一対のピン52が同軸上に設けられている。カメラ40及びカメラ回動ギア53は、支持孔42及び孔部53aにピン52を挿通させることにより、ピン52を回転軸として回転可能に構成されている。ラックギア55は、支柱30内に設けられたガイド56に沿って、鉛直方向(Z方向)に移動可能に配設されている。ラックギア55は、カメラ回動ギア53に噛合しており、鉛直方向に移動することによってカメラ回動ギア53を回動させる。
【0020】
図2に示すように、ドロア20の金銭収納ケース25と、ラックギア55は、連動機構部60により接続されている。連動機構部60は、遠隔操作ケーブル61、変速プーリ63及びラック側ケーブル65を備えている。
【0021】
遠隔操作ケーブル61は、軟質樹脂から形成されたアウターケーブル61aに、可撓性のワイヤー61bを挿通したものである。変速用プーリ63は、直径がmの大径プーリ63aと、直径がnの小径プーリ63bとが同軸に一体に形成されている。変速用プーリ63は、支柱30内のY軸に垂直な内壁面に固定された軸64に回転可能に支持されている。ラック側ケーブル65は、可撓性のワイヤーから形成されている。
【0022】
アウターケーブル61aは、一端がドロア筐体21の収納凹部21aの奥面板21bに、他端が支柱30の底面に固定されている。ワイヤー61bは、一端が金銭収納ケース25の背面に、他端が大径プーリ63aに接続されている。また、ラック側ケーブル65は、一端がラックギア55の下端に、他端が小径プーリ63bに接続されている。
【0023】
連動機構部60は、以上のように構成されているので、金銭収納ケース25が、ドロア筐体21内から+X方向にLだけ引き出されると(実線参照)、ワイヤー61bも、+X方向にLだけ引き出される。ワイヤー61bは、変速用プーリ63を介してラック側ケーブル65を下方へ引き下げる。このとき、ワイヤー61bが大径プーリ63aに接続され、ラック側ケーブル65が小径プーリ63bに接続されているので、変速用プーリ63は、ラック側ケーブル65をL×(n/m)だけ−Z方向に移動させる。これにより、ラックギア55の−Z方向への移動量が調整される。
【0024】
また、ラックギア55が−Z方向へ移動することにより、カメラ回動ギア53がピン52を回転軸として回転する。ここで、カメラ回動ギア53の直径を調整することにより、ラックギア55の移動量に対するカメラ回動ギア53の回転角度も調整することができる。
【0025】
このように、カメラ40は、大径プーリ63aと小径プーリ63bの直径の比、及びカメラ回動ギア53の直径を調整することにより、180°回転するように構成されている。
【0026】
尚、変速プーリ63を設けず、ワイヤー61bをラックギア55の下端に直接接続してもよい。
【0027】
図2に示すように、レジスタ本体70は、ドロア20の上に設けられており、上面に、操作部73を有している。さらに、レジスタ本体70は、図4に示すように、CPU71、録画部72を備えている。また、CPU71には、録画装置72、操作部73、フックレバー回動装置24、カスタマーディスプレイ28、カメラ40が接続されている。
【0028】
CPU71は、記憶部(図示せず)内の各種プログラムに応じて、電子キャッシュレジスタ10の全体動作を制御する中央演算処理装置である。録画装置72は、カメラ40により撮影された映像データを記録する。操作部73は、表示機能とデータ入力機能を有するタッチパネル73a(図2参照)と、ボタン73b(図2参照)と、から構成されている。また、操作部73は、ドロア開放ボタン(図示せず)を有している。ドロア開放ボタンは、押圧されることにより、フックレバー回動装置24にフックレバー23の回動を指示する信号を出力する。
【0029】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0030】
図2の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40は金銭収納ケース25の開方向とは異なる顧客方向(−X方向)を向いている。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわち商品が陳列されている店舗内の撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0031】
顧客が、購入商品を電子キャッシュレジスタ10まで持ってくると、カメラ40は、第1の撮影範囲(破線参照)に入る顧客の姿を撮影する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0032】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0033】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、金銭収納ケース25の背面に接続されているワイヤー61bがアウターケーブル61a内を摺動して+X方向に引き出される。これにより、ワイヤー61bが変速用プーリ63を介してラック側ケーブル65を−Z方向に引き下げられる。そして、ラックギア55がガイド56(図3参照)に沿って−Z方向に移動する。
【0034】
ラックギア55が−Z方向に移動すると、カメラ回動ギア53及びカメラ40は、ピン52を回転軸として180°回転する。
【0035】
これにより、顧客方向(−X方向)を向いていたカメラ40は、オペレータ方向(+X方向)を向く。そして、カメラ40は、オペレータ及び金銭収納ケース25が撮影範囲となる第2の撮影範囲を撮影し(実線参照)、オペレータの会計作業を撮影する。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、顧客を撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、オペレータ及び金銭収納ケース25を撮影する。これにより、顧客の顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10について説明する。尚、第1実施形態の電子キャッシュレジスタ10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、図5に示すように、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、オペレータ方向を向き(破線参照)、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25の方向を向く(実線参照)。
【0039】
図5及び図6に示すように、カメラ40は、ピン82、カメラ回動ギア83、中間ギア84、ラックギア85、ガイド86(図6参照)、軸87からなる回動機構によって、支柱30内に支持されている。
【0040】
カメラ回動ギア83は、中心に孔部83aを有しており、孔部83aがカメラ40の指示孔42と連通するように、カメラ40の側面に固着されている。支柱30のY軸に垂直な内壁面には、一対のピン82が同軸上に設けられている。カメラ40及びカメラ回動ギア83は、支持孔42及び孔部83aにピン82を挿通させることにより、ピン82を回転軸として回転可能に構成されている。ラックギア85は、支柱30内に設けられたガイド86に沿って、鉛直方向(Z方向)に移動可能に配設されている。ラックギア85は、中間ギア84に噛合している。中間ギア84は、支柱30内のY軸に垂直な内壁面に固定された軸87に回転可能に支持されている。中間ギア84が軸87を回転軸として回動することによって、カメラ回動ギア83を回動させる。
【0041】
図5に示すように、ドロア20の金銭収納ケース25と、ラックギア85は、遠隔操作ケーブル61により接続されている。詳しくは、遠隔操作ケーブル61のワイヤー61bは、一端が金銭収納ケース25の背面に、他端がラックギア85の下端に接続されている。そのため、金銭収納ケース25が+X方向にLだけ移動すると、ラックギア85が−Z方向にLだけ移動する。
【0042】
また、ラックギア85が−Z方向へ移動することにより、カメラ回動ギア83がピン82を回転軸として回転する。カメラ回動ギア83の直径を調整することにより、ラックギア85の移動量に対するカメラ回動ギア83の回転角度を調整することができる。
【0043】
このように、カメラ40は、カメラ回動ギア83の直径を調整することにより、30°回転するように構成されている。
【0044】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0045】
図5の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40はオペレータ方向(+X方向)を向いている。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわちオペレータの撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0046】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0047】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、金銭収納ケース25の背面に接続されているワイヤー61bがアウターケーブル61a内を摺動して+X方向に引き出される。これにより、ワイヤー61bの他端が接続されているラックギア85がガイド86(図6参照)に沿って−Z方向に移動する。
【0048】
ラックギア85が−Z方向に移動すると、中間ギア84が回動するとともに、カメラ回動ギア83及びカメラ40は、ピン82を回転軸として30°回転する。
【0049】
これにより、オペレータ方向を向いていたカメラ40は、引き出された状態の金銭収納ケース25が撮影範囲に入る方向を向く。そして、カメラ40は、第2の撮影範囲、すなわちオペレータの会計作業を撮影する(実線参照)。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、電子キャッシュレジスタ10のオペレータを撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を撮影する。これにより、オペレータの顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10について説明する。
尚、第1実施形態の電子キャッシュレジスタ10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、図7に示すように、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、支柱30内の上部に配置され(破線参照)、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、支柱30内の下方に配置される(実線参照)。
【0053】
図8に示すように、カメラ40は、カメラ40の側部に設けられた4つのローラー91と、支柱30内に鉛直方向(Z方向)に配設された断面略C字形状の一対の固定レール92と、からなるスライド機構によって、支柱30内に支持されている。
【0054】
図7に戻り、カメラ40と、ドロア20の金銭収納ケース25は、ピストン機構を介して接続されている
【0055】
ピストン機構は、金銭収納ケース25側には、収納ケース25の背面に接続されたピストンロッド93と、ピストンロッド93に固定されたピストン94と、ピストン94が内部を摺動するシリンダ95と、を備えている。また、ピストン機構は、カメラ40側には、カメラ40の下部に接続されたピストンロッド96と、ピストンロッド96に固定されたピストン97と、ピストン97が内部を摺動するシリンダ98と、を備えている。
【0056】
さらに、ピストン機構は、シリンダ95とシリンダ98とを接続するとともに両シリンダ内の作動流体、例えば空気などの流路となる中空チューブ99と、を備えている。尚、ピストン94、97にはシリンダ95、98と摺接するシール材が取り付けられていてもよい。また、中空チューブ99を設けず、シリンダ95とシリンダ98とを一体的に形成してもよい。
【0057】
ピストン94とピストン97との間に形成された空間は密閉部をなし、ピストン94が移動することによってピストン97が追従し、密閉部の内容積を一定に保持するように構成されている。
【0058】
そのため、金銭収納ケース25がドロア筐体21から+X方向にLだけ引き出されると、金銭収納ケース25の背面に接続されたピストンロッド93も+X方向にLだけ引き出される。これにより、ピストンロッド93に固定されたピストン94がシリンダ95内を金銭収納ケース25側(+X方向)に摺動し、密閉部の内容積を拡大しようとする。このとき、密閉部内に負の圧力が発生し、この負の圧力により、カメラ40側のピストン97は下方(−Z方向)へ移動する。そして、ピストン97の移動に伴い、ピストンロッド96とともにカメラ40が下方(−Z方向)へ移動する。
【0059】
このとき、シリンダ95、98の直径を調整することにより、カメラ40が支柱30の下方の所定の位置に移動するように構成されている。
【0060】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0061】
図7の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40は、オペレータ方向(+X方向)に向いた状態で、支柱30の上方(+Z方向)に配置される。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわちオペレータの撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0062】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0063】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、ピストン94がシリンダ95内を金銭収納ケース25側(+X方向)に摺動する。これにより、カメラ40側のピストン97は下方(−Z方向)へ移動する。そして、ピストン97の移動に伴い、ピストンロッド96とともにカメラ40が支柱30の下方の所定の位置に移動する。
【0064】
これにより、支柱30の上方に配置されていたカメラ40は、支柱30の下方(−Z方向)に移動して、引き出された状態の金銭収納ケース25が撮影範囲に入る位置に配置される。そして、カメラ40は、第2の撮影範囲、すなわちオペレータの会計作業を撮影する(実線参照)。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データが、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、電子キャッシュレジスタ10のオペレータを撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を撮影する。これにより、オペレータの顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0066】
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るATM100は、図9に示すように、顧客操作表示盤101、紙幣入出金口102、シャッター103、第1カメラ104、第2カメラ105、透光板106を備えている。
【0067】
顧客操作表示盤101は、表示機能、及びデータ入力機能を有するタッチパネルで形成されている。紙幣入出金口102は、上面に開口部を有する凹状部であり、金銭授受部として、紙幣の受け入れ、又は払い出しを行う。紙幣入出金口102の開口部には、アクチュエータ103a(図10参照)で駆動するシャッター103が設けられている。また、シャッター103には、シャッターの開閉状況を示す信号を出力するシャッター開閉センサ103b(図10参照)が設けられている。
【0068】
第1カメラ104及び第2カメラ105は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えたビデオカメラであり、撮影範囲の被写体を撮影する。第1カメラ104及び第2カメラ105は、ATM100の筐体内に固定されている。第1カメラ104は、顧客操作表示盤101側に配設され、撮影範囲として、顧客操作表示盤101(第1の撮影範囲、破線参照)を主に撮影する。また、第2カメラ105は、紙幣入出金口102側に配設され、撮影範囲として、紙幣入出金口102(第2の撮影範囲、実線参照)を主に撮影する。
【0069】
透光板106は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性樹脂から形成されており、その表面にはスモーク調の着色シートが貼られている。また、透光板31は、ハーフミラー機能を有するガラスから形成されていてもよい。
【0070】
上述のように構成されたATM100は、図10に示すように、さらに、CPU110、録画装置111を備えている。CPU110には、顧客操作表示盤101、紙幣入出金口102、アクチュエータ103a、シャッター開閉センサ103b、第1カメラ104、第2カメラ105、録画部111が接続されている。
【0071】
CPU110は、記憶部(図示せず)内の各種プログラムに応じて、ATM100の全体動作を制御する中央演算処理装置である。録画装置111は、第1カメラ104及び第2カメラ105により撮影された映像データを記録する。また、顧客操作表示盤101は、ATM100の操作者が所定の操作をすることにより、アクチュエータ103aに開放信号を出力する。
【0072】
次に、以上のように構成されたATM100の撮影処理について説明する。
【0073】
図11に示すように、ATM100に電源が投入されると、CPU110は、シャッター開閉センサ103bからの信号を入力し(ステップS401)、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じているかどうかを判断する(ステップS402)。
【0074】
ATM100が利用されていない場合、又は利用されているがシャッター103が閉じている場合には(ステップS402;Yes)、CPU110は、第1カメラ104に第1の撮影範囲(図9の破線参照)、すなわち顧客操作表示盤101を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS403)。
【0075】
一方、ATM100が利用されてシャッター103が閉じていない場合(ステップS402;No)、CPU110は、第2カメラ105に第2の撮影範囲(図9の実線参照)、すなわち紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS404)。その後、ATM100は、所定の時間毎、上記処理を周期的に実行する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のATM100によれば、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、第1カメラ104が顧客操作表示盤101を撮影した映像を録画し、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、第2カメラ105が紙幣入出金口102を撮影した映像を録画する。これにより、ATM100の操作者の顔の映像と、操作者が紙幣入出金口102から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第1カメラ104及び第2カメラ105は、ATM100の筐体内に固定されており、CPU110が、どちらのカメラで撮影するかを制御している。そのため、上記第1乃至第3実施形態のように、カメラが回動又は移動しないので、撮影された映像が、揺れることがない。
【0078】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るATM100について説明する。尚、第4実施形態のATM100と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0079】
図12に示すように、本実施形態のATM100は、その筐体内に1台のカメラ120を備えている。カメラ120は、ズーム機能を有するレンズユニット(図示せず)を備えており、広角撮影モードと、ズーム撮影モードと、を設定可能とされている。カメラ120は、広角撮影モードでは、撮影範囲として、顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102(第1の撮影範囲、破線参照)を撮影する。また、カメラ120は、ズーム撮影モードでは、撮影範囲として、紙幣入出金口102(第2の撮影範囲、実線参照)を主に撮影する。
【0080】
次に、以上のように構成されたATM100の撮影処理について説明する。
【0081】
図13に示すように、ATM100に電源が投入されると、CPU110は、シャッター開閉センサ103bからの信号を入力し(ステップS501)、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じているかどうかを判断する(ステップS502)。
【0082】
ATM100が利用されていない場合、又は利用されているがシャッター103が閉じている場合には(ステップS502;Yes)、CPU110は、カメラ120に第1の撮影範囲(図12破線参照)、すなわち顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS503)。
【0083】
一方、ATM100が利用されてシャッター103が閉じていない場合(ステップS502;No)、CPU110は、カメラ120に第2の撮影範囲(図12実線参照)、すなわち紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS504)。その後、ATM100は、所定の時間毎、上記処理を周期的に実行する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態のATM100によれば、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、広角撮影モードで顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102を撮影した映像を録画し、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、ズーム撮影モードで紙幣入出金口102を撮影した映像を録画する。これにより、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、ATM100の周辺や操作者の顔の映像を録画することができ、また、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、操作者が紙幣入出金口102から金銭を取り出すときの手などを高い倍率で鮮明に撮影した映像を録画することができる。
【0085】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0086】
上記の第1乃至3の実施形態では、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40が作動していたが、これに限定されるものではない。例えば、電源が投入された電子キャッシュレジスタ10に、オペレータがオペレータキーを差し込むことにより、カメラ40が作動するようにしてもよい。
【0087】
上記の第1乃至第3実施形態では、カメラ40を回動させるために、遠隔操作ケーブル60を使用し、また、カメラ40を上下に移動させるために、ピストン機構を使用した。しかし、これに限定されるものではない。カメラ40を回動させるために、ピストン機構を使用してもよく、カメラ40を上下に移動させるために、遠隔操作ケーブル60を使用してもよい。
【0088】
上記の第1乃至第3実施形態では、カメラ40を回動又は移動させるため、遠隔操作ケーブル60又はピストン機構を使用していたが、これに限定されるものではない。カメラ40を回動又は移動させるためのモーターを備え、金銭収納ケース25の開閉動作に応じてモーターを作動させることにより、カメラ40を回動又は移動させるようにしてもよい。
【0089】
上記の第1乃至第3実施形態では、本発明を電子キャッシュレジスタに適用した実施形態を示したが、セルフPOS端末に適用してもよい。この場合は、顧客が品物をスキャニングしている時には、カメラはスキャナの方向を向き、スキャニングが終了し金銭の支払いをしている時には、カメラは金銭投入口の方向を向くようにしてもよい。これにより、偽造紙幣の投入を監視することができる。
【0090】
上記の第4実施形態では、本発明をATMに適用した実施形態を示したが、電子キャッシュレジスタに適用してもよい。この場合は、支柱内に、顧客側を向いたカメラと、オペレータ側を向いたカメラと、を備え、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、顧客側を向いたカメラが撮影した映像が録画され、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、オペレータ側を向いたカメラが撮影した映像が録画されるようにしてもよい。
【0091】
上記の第5実施形態では、本発明をATMに適用した実施形態を示したが、電子キャッシュレジスタに適用してもよい。この場合は、支柱内に、広角撮影モードと、ズーム撮影モードと、を設定可能なカメラを備え、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、オペレータ及び金銭収納ケースを撮影範囲とした映像が録画され、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を主な撮影範囲とした映像が録画されるようにしてもよい。
【0092】
なお、各種の電子キャッシュレジスタ、POS(Point Of Sales)端末、セルフPOS端末、ATMなどの電子機器に本発明を適用することができる。すなわち、上述の実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素又は全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0093】
(付記1)
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする金銭授受部を備えた電子機器。
【0094】
(付記2)
前記金銭授受部は、現金処理装置のドロア内に収納されることにより閉状態となり、前記ドロアから引き出されることにより開状態となる金銭収納ケースであり、
前記録画装置は、前記金銭収納ケースが閉状態の場合には前記撮像部が前記第1の位置を撮像可能な位置に配置され、前記金銭収納ケースが開状態の場合には前記撮像部が前記第2の位置を撮像可能な位置に配置されるように、前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記撮像部を回動または移動させる連動機構を有する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0095】
(付記3)
前記連動機構は、一方が前記金銭収納ケースに連結され、他方が前記撮像部に直接又は間接的に連結されたケーブルを備え、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記ケーブルが移動することより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする付記2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0096】
(付記4)
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記ケーブルの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする付記3に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0097】
(付記5)
前記連動機構は、前記金銭収納ケースに連結された第1ピストンと、前記撮像部に直接又は間接的に連結された第2のピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが内部を摺動するシリンダと、
を備え、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間には密閉部が形成され、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記第1ピストンが移動するとともに前記第2ピストンが移動することにより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする付記2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0098】
(付記6)
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記第2のピストンの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする付記5に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0099】
(付記7)
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は第1の撮像部と第2の撮像部とからなり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記第1の撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記第2の撮像部が撮像した第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0100】
(付記8)
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は、撮像範囲を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像よりも撮像範囲が狭い第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0101】
10…電子キャッシュレジスタ、20…ドロア、21…ドロア筐体、22…開放ばね、25…金銭収納ケース、28…カスタマーディスプレイ、30…支柱、31…透光板、40…カメラ、41…レンズ、52…ピン、53…カメラ回動ギア、55…ラックギア、56…ガイド、60…連動機構部、61…遠隔操作ケーブル、61a…アウターケーブル、61b…ワイヤー、63…変速用プーリ、64…軸、65…ラック側ケーブル、70…レジスタ本体、71…CPU、72…録画装置、73…操作部、82…ピン、83…カメラ回動ギア、84…中間ギア、85…ラックギア、86…ガイド、91…ローラー、92…固定レール、93…ピストンロッド、94…ピストン、95…シリンダ、96…ピストンロッド、97…ピストン、98…シリンダ、100…ATM、101…顧客操作表示盤、102…紙幣入出金口、103…シャッター、104…第1カメラ、105…第2カメラ、106…透光板、110…CPU、111…録画装置、120…カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、金銭授受部を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子キャッシュレジスタが設置された小売店では、防犯などのため、カメラが設置されている。
【0003】
しかし、露出したカメラが設置されていると、顧客は、監視されているという精神的圧迫を受け、不快であった。
【0004】
そこで、監視カメラが設置されていることが外観からは判明し難いように、カメラを電子キャッシュレジスタの中に設けることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−171590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
防犯などのため、顧客の映像に加えて、オペレータの映像及びオペレータが金銭を取り出す映像を録画することが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の電子キャッシュレジスタでは、カメラが顧客の方を向いているので、オペレータ及びオペレータが金銭を取り出す映像を撮影することができなかった。また、現金自動預払機(以下、ATMという)などの金銭を取り扱う電子機器も、共通の課題を有していた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、顧客又は電子機器の操作者の映像、及び操作者が金銭を取り出す映像を録画することができる金銭授受部を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る金銭授受部を備えた電子機器は、
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客又は電子機器の操作者の映像、及び操作者が金銭を取り出す映像を録画することができる金銭授受部を備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電子キャッシュレジスタの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図5のVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る電子キャッシュレジスタの要部を示す一部断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電子キャッシュレジスタの図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るATMの斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るATMの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施形態に係るATMの斜視図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るATMの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10は、図1に示すように、ドロア20と、カスタマーディスプレイ28と、支柱30と、レジスタ本体70と、を備えている。尚、以下の説明では、図1に示すように、電子キャッシュレジスタ10の前後方向をX方向、横方向をY方向、高さ方向をZ方向として説明する。また、+X方向をオペレータ側、−X方向を顧客側として説明する。
【0012】
図2に示すように、ドロア20は、金銭が収納される引き出しであり、ドロア筐体21と、ドロア筐体21の収納凹部21a内に収納されるとともに出入可能とされた金銭授受部としての金銭収納ケース25と、を備えている。
【0013】
金銭収納ケース25は、背面に、ロックピン26を有している。また、ドロア筐体21は、内部に、金銭収納ケース25のロックピン26と係合するフックレバー23と、フックレバー23を回動させるフックレバー回動装置24(図4参照)と、を有している。また、ドロア筐体21は、内部に、ドロア筐体21内に収納された金銭収納ケース25の背面に押圧されることにより圧縮する開放ばね22を有している。
【0014】
金銭収納ケース25は、背面に設けられたロックピン26がドロア筐体21のフックレバー23に係合されることにより、ドロア筐体21内に収納された状態(破線参照)、すなわち閉状態となる。また、金銭収納ケース25は、当該係合が解除されることにより、開放ばね22に押圧されて、ドロア筐体21内から+X方向にLだけ引き出された状態(実線参照)、すなわち開状態となる。
【0015】
カスタマーディスプレイ28は、ドロア20の後部から上方に延びる支柱30によって支承され、−X方向側(顧客側)に取引の合計金額などを表示する表示画面を有している。
【0016】
支柱30の内部には、カメラ40が設けられており、支柱30の側面には、カメラ40のレンズ41と対応する位置に透光板31が設けられている。透光板31は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性樹脂から形成されており、その表面にはスモーク調の着色シートが貼られている。また、透光板31は、ハーフミラー機能を有するガラスから形成されていてもよい。
【0017】
カメラ40は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えたビデオカメラであり、撮影範囲の被写体を撮影する。
【0018】
カメラ40は、図2及び図3に示すように、ピン52、カメラ回動ギア53、ラックギア55、ガイド56(図3参照)からなる回動機構によって、支柱30内に支持されている。
【0019】
カメラ40のY軸に垂直な側面には、支持孔42が形成されている。カメラ回動ギア53は、中心に孔部53aを有しており、孔部53aがカメラ40の指示孔42と連通するように、カメラ40の側面に固着されている。支柱30のY軸に垂直な内壁面には、一対のピン52が同軸上に設けられている。カメラ40及びカメラ回動ギア53は、支持孔42及び孔部53aにピン52を挿通させることにより、ピン52を回転軸として回転可能に構成されている。ラックギア55は、支柱30内に設けられたガイド56に沿って、鉛直方向(Z方向)に移動可能に配設されている。ラックギア55は、カメラ回動ギア53に噛合しており、鉛直方向に移動することによってカメラ回動ギア53を回動させる。
【0020】
図2に示すように、ドロア20の金銭収納ケース25と、ラックギア55は、連動機構部60により接続されている。連動機構部60は、遠隔操作ケーブル61、変速プーリ63及びラック側ケーブル65を備えている。
【0021】
遠隔操作ケーブル61は、軟質樹脂から形成されたアウターケーブル61aに、可撓性のワイヤー61bを挿通したものである。変速用プーリ63は、直径がmの大径プーリ63aと、直径がnの小径プーリ63bとが同軸に一体に形成されている。変速用プーリ63は、支柱30内のY軸に垂直な内壁面に固定された軸64に回転可能に支持されている。ラック側ケーブル65は、可撓性のワイヤーから形成されている。
【0022】
アウターケーブル61aは、一端がドロア筐体21の収納凹部21aの奥面板21bに、他端が支柱30の底面に固定されている。ワイヤー61bは、一端が金銭収納ケース25の背面に、他端が大径プーリ63aに接続されている。また、ラック側ケーブル65は、一端がラックギア55の下端に、他端が小径プーリ63bに接続されている。
【0023】
連動機構部60は、以上のように構成されているので、金銭収納ケース25が、ドロア筐体21内から+X方向にLだけ引き出されると(実線参照)、ワイヤー61bも、+X方向にLだけ引き出される。ワイヤー61bは、変速用プーリ63を介してラック側ケーブル65を下方へ引き下げる。このとき、ワイヤー61bが大径プーリ63aに接続され、ラック側ケーブル65が小径プーリ63bに接続されているので、変速用プーリ63は、ラック側ケーブル65をL×(n/m)だけ−Z方向に移動させる。これにより、ラックギア55の−Z方向への移動量が調整される。
【0024】
また、ラックギア55が−Z方向へ移動することにより、カメラ回動ギア53がピン52を回転軸として回転する。ここで、カメラ回動ギア53の直径を調整することにより、ラックギア55の移動量に対するカメラ回動ギア53の回転角度も調整することができる。
【0025】
このように、カメラ40は、大径プーリ63aと小径プーリ63bの直径の比、及びカメラ回動ギア53の直径を調整することにより、180°回転するように構成されている。
【0026】
尚、変速プーリ63を設けず、ワイヤー61bをラックギア55の下端に直接接続してもよい。
【0027】
図2に示すように、レジスタ本体70は、ドロア20の上に設けられており、上面に、操作部73を有している。さらに、レジスタ本体70は、図4に示すように、CPU71、録画部72を備えている。また、CPU71には、録画装置72、操作部73、フックレバー回動装置24、カスタマーディスプレイ28、カメラ40が接続されている。
【0028】
CPU71は、記憶部(図示せず)内の各種プログラムに応じて、電子キャッシュレジスタ10の全体動作を制御する中央演算処理装置である。録画装置72は、カメラ40により撮影された映像データを記録する。操作部73は、表示機能とデータ入力機能を有するタッチパネル73a(図2参照)と、ボタン73b(図2参照)と、から構成されている。また、操作部73は、ドロア開放ボタン(図示せず)を有している。ドロア開放ボタンは、押圧されることにより、フックレバー回動装置24にフックレバー23の回動を指示する信号を出力する。
【0029】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0030】
図2の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40は金銭収納ケース25の開方向とは異なる顧客方向(−X方向)を向いている。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわち商品が陳列されている店舗内の撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0031】
顧客が、購入商品を電子キャッシュレジスタ10まで持ってくると、カメラ40は、第1の撮影範囲(破線参照)に入る顧客の姿を撮影する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0032】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0033】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、金銭収納ケース25の背面に接続されているワイヤー61bがアウターケーブル61a内を摺動して+X方向に引き出される。これにより、ワイヤー61bが変速用プーリ63を介してラック側ケーブル65を−Z方向に引き下げられる。そして、ラックギア55がガイド56(図3参照)に沿って−Z方向に移動する。
【0034】
ラックギア55が−Z方向に移動すると、カメラ回動ギア53及びカメラ40は、ピン52を回転軸として180°回転する。
【0035】
これにより、顧客方向(−X方向)を向いていたカメラ40は、オペレータ方向(+X方向)を向く。そして、カメラ40は、オペレータ及び金銭収納ケース25が撮影範囲となる第2の撮影範囲を撮影し(実線参照)、オペレータの会計作業を撮影する。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、顧客を撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、オペレータ及び金銭収納ケース25を撮影する。これにより、顧客の顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10について説明する。尚、第1実施形態の電子キャッシュレジスタ10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、図5に示すように、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、オペレータ方向を向き(破線参照)、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25の方向を向く(実線参照)。
【0039】
図5及び図6に示すように、カメラ40は、ピン82、カメラ回動ギア83、中間ギア84、ラックギア85、ガイド86(図6参照)、軸87からなる回動機構によって、支柱30内に支持されている。
【0040】
カメラ回動ギア83は、中心に孔部83aを有しており、孔部83aがカメラ40の指示孔42と連通するように、カメラ40の側面に固着されている。支柱30のY軸に垂直な内壁面には、一対のピン82が同軸上に設けられている。カメラ40及びカメラ回動ギア83は、支持孔42及び孔部83aにピン82を挿通させることにより、ピン82を回転軸として回転可能に構成されている。ラックギア85は、支柱30内に設けられたガイド86に沿って、鉛直方向(Z方向)に移動可能に配設されている。ラックギア85は、中間ギア84に噛合している。中間ギア84は、支柱30内のY軸に垂直な内壁面に固定された軸87に回転可能に支持されている。中間ギア84が軸87を回転軸として回動することによって、カメラ回動ギア83を回動させる。
【0041】
図5に示すように、ドロア20の金銭収納ケース25と、ラックギア85は、遠隔操作ケーブル61により接続されている。詳しくは、遠隔操作ケーブル61のワイヤー61bは、一端が金銭収納ケース25の背面に、他端がラックギア85の下端に接続されている。そのため、金銭収納ケース25が+X方向にLだけ移動すると、ラックギア85が−Z方向にLだけ移動する。
【0042】
また、ラックギア85が−Z方向へ移動することにより、カメラ回動ギア83がピン82を回転軸として回転する。カメラ回動ギア83の直径を調整することにより、ラックギア85の移動量に対するカメラ回動ギア83の回転角度を調整することができる。
【0043】
このように、カメラ40は、カメラ回動ギア83の直径を調整することにより、30°回転するように構成されている。
【0044】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0045】
図5の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40はオペレータ方向(+X方向)を向いている。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわちオペレータの撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0046】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0047】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、金銭収納ケース25の背面に接続されているワイヤー61bがアウターケーブル61a内を摺動して+X方向に引き出される。これにより、ワイヤー61bの他端が接続されているラックギア85がガイド86(図6参照)に沿って−Z方向に移動する。
【0048】
ラックギア85が−Z方向に移動すると、中間ギア84が回動するとともに、カメラ回動ギア83及びカメラ40は、ピン82を回転軸として30°回転する。
【0049】
これにより、オペレータ方向を向いていたカメラ40は、引き出された状態の金銭収納ケース25が撮影範囲に入る方向を向く。そして、カメラ40は、第2の撮影範囲、すなわちオペレータの会計作業を撮影する(実線参照)。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、電子キャッシュレジスタ10のオペレータを撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を撮影する。これにより、オペレータの顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子キャッシュレジスタ10について説明する。
尚、第1実施形態の電子キャッシュレジスタ10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、図7に示すように、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、支柱30内の上部に配置され(破線参照)、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、支柱30内の下方に配置される(実線参照)。
【0053】
図8に示すように、カメラ40は、カメラ40の側部に設けられた4つのローラー91と、支柱30内に鉛直方向(Z方向)に配設された断面略C字形状の一対の固定レール92と、からなるスライド機構によって、支柱30内に支持されている。
【0054】
図7に戻り、カメラ40と、ドロア20の金銭収納ケース25は、ピストン機構を介して接続されている
【0055】
ピストン機構は、金銭収納ケース25側には、収納ケース25の背面に接続されたピストンロッド93と、ピストンロッド93に固定されたピストン94と、ピストン94が内部を摺動するシリンダ95と、を備えている。また、ピストン機構は、カメラ40側には、カメラ40の下部に接続されたピストンロッド96と、ピストンロッド96に固定されたピストン97と、ピストン97が内部を摺動するシリンダ98と、を備えている。
【0056】
さらに、ピストン機構は、シリンダ95とシリンダ98とを接続するとともに両シリンダ内の作動流体、例えば空気などの流路となる中空チューブ99と、を備えている。尚、ピストン94、97にはシリンダ95、98と摺接するシール材が取り付けられていてもよい。また、中空チューブ99を設けず、シリンダ95とシリンダ98とを一体的に形成してもよい。
【0057】
ピストン94とピストン97との間に形成された空間は密閉部をなし、ピストン94が移動することによってピストン97が追従し、密閉部の内容積を一定に保持するように構成されている。
【0058】
そのため、金銭収納ケース25がドロア筐体21から+X方向にLだけ引き出されると、金銭収納ケース25の背面に接続されたピストンロッド93も+X方向にLだけ引き出される。これにより、ピストンロッド93に固定されたピストン94がシリンダ95内を金銭収納ケース25側(+X方向)に摺動し、密閉部の内容積を拡大しようとする。このとき、密閉部内に負の圧力が発生し、この負の圧力により、カメラ40側のピストン97は下方(−Z方向)へ移動する。そして、ピストン97の移動に伴い、ピストンロッド96とともにカメラ40が下方(−Z方向)へ移動する。
【0059】
このとき、シリンダ95、98の直径を調整することにより、カメラ40が支柱30の下方の所定の位置に移動するように構成されている。
【0060】
次に、以上のように構成された電子キャッシュレジスタ10の動作について説明する。
【0061】
図7の破線に示すように、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入される前においては、金銭収納ケース25はドロア筐体21内に収納され、カメラ40は、オペレータ方向(+X方向)に向いた状態で、支柱30の上方(+Z方向)に配置される。この状態で、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40は第1の撮影範囲(破線参照)、すなわちオペレータの撮影を開始する。そして、カメラ40が撮影した第1の撮影範囲(破線参照)の映像データは、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0062】
顧客から商品を渡されたオペレータは、会計作業のため、電子キャッシュレジスタ10を操作する。オペレータが、操作部73のドロア開放ボタンを押圧すると、CPU71にドロアの開放を支持する信号が送信される。CPU71は、フックレバー回動装置24(図4参照)にフックレバー23の回動を指示する信号を送信する。フックレバー回動装置24がフックレバー23を回動すると、フックレバー23とロックピン26との係合が解除される。そして、開放ばね22が金銭収納ケース25を前へ押し出す。これにより、金銭収納ケース25は、ドロア筐体21からオペレータ方向(+X方向)に引き出された状態となる(実線参照)。
【0063】
金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出されるとともに、ピストン94がシリンダ95内を金銭収納ケース25側(+X方向)に摺動する。これにより、カメラ40側のピストン97は下方(−Z方向)へ移動する。そして、ピストン97の移動に伴い、ピストンロッド96とともにカメラ40が支柱30の下方の所定の位置に移動する。
【0064】
これにより、支柱30の上方に配置されていたカメラ40は、支柱30の下方(−Z方向)に移動して、引き出された状態の金銭収納ケース25が撮影範囲に入る位置に配置される。そして、カメラ40は、第2の撮影範囲、すなわちオペレータの会計作業を撮影する(実線参照)。そして、カメラ40が撮影した第2の撮影範囲(実線参照)の映像データが、録画装置72(図4参照)に供給され記録される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の電子キャッシュレジスタ10によれば、カメラ40は、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、電子キャッシュレジスタ10のオペレータを撮影し、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を撮影する。これにより、オペレータの顔の映像、及びオペレータが金銭収納ケース25から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0066】
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るATM100は、図9に示すように、顧客操作表示盤101、紙幣入出金口102、シャッター103、第1カメラ104、第2カメラ105、透光板106を備えている。
【0067】
顧客操作表示盤101は、表示機能、及びデータ入力機能を有するタッチパネルで形成されている。紙幣入出金口102は、上面に開口部を有する凹状部であり、金銭授受部として、紙幣の受け入れ、又は払い出しを行う。紙幣入出金口102の開口部には、アクチュエータ103a(図10参照)で駆動するシャッター103が設けられている。また、シャッター103には、シャッターの開閉状況を示す信号を出力するシャッター開閉センサ103b(図10参照)が設けられている。
【0068】
第1カメラ104及び第2カメラ105は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えたビデオカメラであり、撮影範囲の被写体を撮影する。第1カメラ104及び第2カメラ105は、ATM100の筐体内に固定されている。第1カメラ104は、顧客操作表示盤101側に配設され、撮影範囲として、顧客操作表示盤101(第1の撮影範囲、破線参照)を主に撮影する。また、第2カメラ105は、紙幣入出金口102側に配設され、撮影範囲として、紙幣入出金口102(第2の撮影範囲、実線参照)を主に撮影する。
【0069】
透光板106は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性樹脂から形成されており、その表面にはスモーク調の着色シートが貼られている。また、透光板31は、ハーフミラー機能を有するガラスから形成されていてもよい。
【0070】
上述のように構成されたATM100は、図10に示すように、さらに、CPU110、録画装置111を備えている。CPU110には、顧客操作表示盤101、紙幣入出金口102、アクチュエータ103a、シャッター開閉センサ103b、第1カメラ104、第2カメラ105、録画部111が接続されている。
【0071】
CPU110は、記憶部(図示せず)内の各種プログラムに応じて、ATM100の全体動作を制御する中央演算処理装置である。録画装置111は、第1カメラ104及び第2カメラ105により撮影された映像データを記録する。また、顧客操作表示盤101は、ATM100の操作者が所定の操作をすることにより、アクチュエータ103aに開放信号を出力する。
【0072】
次に、以上のように構成されたATM100の撮影処理について説明する。
【0073】
図11に示すように、ATM100に電源が投入されると、CPU110は、シャッター開閉センサ103bからの信号を入力し(ステップS401)、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じているかどうかを判断する(ステップS402)。
【0074】
ATM100が利用されていない場合、又は利用されているがシャッター103が閉じている場合には(ステップS402;Yes)、CPU110は、第1カメラ104に第1の撮影範囲(図9の破線参照)、すなわち顧客操作表示盤101を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS403)。
【0075】
一方、ATM100が利用されてシャッター103が閉じていない場合(ステップS402;No)、CPU110は、第2カメラ105に第2の撮影範囲(図9の実線参照)、すなわち紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS404)。その後、ATM100は、所定の時間毎、上記処理を周期的に実行する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のATM100によれば、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、第1カメラ104が顧客操作表示盤101を撮影した映像を録画し、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、第2カメラ105が紙幣入出金口102を撮影した映像を録画する。これにより、ATM100の操作者の顔の映像と、操作者が紙幣入出金口102から金銭を取り出す映像を録画することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第1カメラ104及び第2カメラ105は、ATM100の筐体内に固定されており、CPU110が、どちらのカメラで撮影するかを制御している。そのため、上記第1乃至第3実施形態のように、カメラが回動又は移動しないので、撮影された映像が、揺れることがない。
【0078】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るATM100について説明する。尚、第4実施形態のATM100と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0079】
図12に示すように、本実施形態のATM100は、その筐体内に1台のカメラ120を備えている。カメラ120は、ズーム機能を有するレンズユニット(図示せず)を備えており、広角撮影モードと、ズーム撮影モードと、を設定可能とされている。カメラ120は、広角撮影モードでは、撮影範囲として、顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102(第1の撮影範囲、破線参照)を撮影する。また、カメラ120は、ズーム撮影モードでは、撮影範囲として、紙幣入出金口102(第2の撮影範囲、実線参照)を主に撮影する。
【0080】
次に、以上のように構成されたATM100の撮影処理について説明する。
【0081】
図13に示すように、ATM100に電源が投入されると、CPU110は、シャッター開閉センサ103bからの信号を入力し(ステップS501)、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じているかどうかを判断する(ステップS502)。
【0082】
ATM100が利用されていない場合、又は利用されているがシャッター103が閉じている場合には(ステップS502;Yes)、CPU110は、カメラ120に第1の撮影範囲(図12破線参照)、すなわち顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS503)。
【0083】
一方、ATM100が利用されてシャッター103が閉じていない場合(ステップS502;No)、CPU110は、カメラ120に第2の撮影範囲(図12実線参照)、すなわち紙幣入出金口102を撮影させ、その映像データを、録画装置111(図10参照)に供給し記録する(ステップS504)。その後、ATM100は、所定の時間毎、上記処理を周期的に実行する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態のATM100によれば、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、広角撮影モードで顧客操作表示盤101及び紙幣入出金口102を撮影した映像を録画し、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、ズーム撮影モードで紙幣入出金口102を撮影した映像を録画する。これにより、紙幣入出金口102のシャッター103が閉じている場合には、ATM100の周辺や操作者の顔の映像を録画することができ、また、紙幣入出金口102のシャッター103が開いている場合には、操作者が紙幣入出金口102から金銭を取り出すときの手などを高い倍率で鮮明に撮影した映像を録画することができる。
【0085】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0086】
上記の第1乃至3の実施形態では、電子キャッシュレジスタ10に電源が投入されると、カメラ40が作動していたが、これに限定されるものではない。例えば、電源が投入された電子キャッシュレジスタ10に、オペレータがオペレータキーを差し込むことにより、カメラ40が作動するようにしてもよい。
【0087】
上記の第1乃至第3実施形態では、カメラ40を回動させるために、遠隔操作ケーブル60を使用し、また、カメラ40を上下に移動させるために、ピストン機構を使用した。しかし、これに限定されるものではない。カメラ40を回動させるために、ピストン機構を使用してもよく、カメラ40を上下に移動させるために、遠隔操作ケーブル60を使用してもよい。
【0088】
上記の第1乃至第3実施形態では、カメラ40を回動又は移動させるため、遠隔操作ケーブル60又はピストン機構を使用していたが、これに限定されるものではない。カメラ40を回動又は移動させるためのモーターを備え、金銭収納ケース25の開閉動作に応じてモーターを作動させることにより、カメラ40を回動又は移動させるようにしてもよい。
【0089】
上記の第1乃至第3実施形態では、本発明を電子キャッシュレジスタに適用した実施形態を示したが、セルフPOS端末に適用してもよい。この場合は、顧客が品物をスキャニングしている時には、カメラはスキャナの方向を向き、スキャニングが終了し金銭の支払いをしている時には、カメラは金銭投入口の方向を向くようにしてもよい。これにより、偽造紙幣の投入を監視することができる。
【0090】
上記の第4実施形態では、本発明をATMに適用した実施形態を示したが、電子キャッシュレジスタに適用してもよい。この場合は、支柱内に、顧客側を向いたカメラと、オペレータ側を向いたカメラと、を備え、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、顧客側を向いたカメラが撮影した映像が録画され、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、オペレータ側を向いたカメラが撮影した映像が録画されるようにしてもよい。
【0091】
上記の第5実施形態では、本発明をATMに適用した実施形態を示したが、電子キャッシュレジスタに適用してもよい。この場合は、支柱内に、広角撮影モードと、ズーム撮影モードと、を設定可能なカメラを備え、金銭収納ケース25がドロア筐体21内に収納されている場合には、オペレータ及び金銭収納ケースを撮影範囲とした映像が録画され、金銭収納ケース25がドロア筐体21から引き出された場合には、金銭収納ケース25を主な撮影範囲とした映像が録画されるようにしてもよい。
【0092】
なお、各種の電子キャッシュレジスタ、POS(Point Of Sales)端末、セルフPOS端末、ATMなどの電子機器に本発明を適用することができる。すなわち、上述の実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素又は全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0093】
(付記1)
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする金銭授受部を備えた電子機器。
【0094】
(付記2)
前記金銭授受部は、現金処理装置のドロア内に収納されることにより閉状態となり、前記ドロアから引き出されることにより開状態となる金銭収納ケースであり、
前記録画装置は、前記金銭収納ケースが閉状態の場合には前記撮像部が前記第1の位置を撮像可能な位置に配置され、前記金銭収納ケースが開状態の場合には前記撮像部が前記第2の位置を撮像可能な位置に配置されるように、前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記撮像部を回動または移動させる連動機構を有する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0095】
(付記3)
前記連動機構は、一方が前記金銭収納ケースに連結され、他方が前記撮像部に直接又は間接的に連結されたケーブルを備え、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記ケーブルが移動することより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする付記2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0096】
(付記4)
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記ケーブルの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする付記3に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0097】
(付記5)
前記連動機構は、前記金銭収納ケースに連結された第1ピストンと、前記撮像部に直接又は間接的に連結された第2のピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが内部を摺動するシリンダと、
を備え、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間には密閉部が形成され、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記第1ピストンが移動するとともに前記第2ピストンが移動することにより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする付記2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0098】
(付記6)
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記第2のピストンの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする付記5に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0099】
(付記7)
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は第1の撮像部と第2の撮像部とからなり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記第1の撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記第2の撮像部が撮像した第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【0100】
(付記8)
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は、撮像範囲を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像よりも撮像範囲が狭い第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0101】
10…電子キャッシュレジスタ、20…ドロア、21…ドロア筐体、22…開放ばね、25…金銭収納ケース、28…カスタマーディスプレイ、30…支柱、31…透光板、40…カメラ、41…レンズ、52…ピン、53…カメラ回動ギア、55…ラックギア、56…ガイド、60…連動機構部、61…遠隔操作ケーブル、61a…アウターケーブル、61b…ワイヤー、63…変速用プーリ、64…軸、65…ラック側ケーブル、70…レジスタ本体、71…CPU、72…録画装置、73…操作部、82…ピン、83…カメラ回動ギア、84…中間ギア、85…ラックギア、86…ガイド、91…ローラー、92…固定レール、93…ピストンロッド、94…ピストン、95…シリンダ、96…ピストンロッド、97…ピストン、98…シリンダ、100…ATM、101…顧客操作表示盤、102…紙幣入出金口、103…シャッター、104…第1カメラ、105…第2カメラ、106…透光板、110…CPU、111…録画装置、120…カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項2】
前記金銭授受部は、現金処理装置のドロア内に収納されることにより閉状態となり、前記ドロアから引き出されることにより開状態となる金銭収納ケースであり、
前記録画装置は、前記金銭収納ケースが閉状態の場合には前記撮像部が前記第1の位置を撮像可能な位置に配置され、前記金銭収納ケースが開状態の場合には前記撮像部が前記第2の位置を撮像可能な位置に配置されるように、前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記撮像部を回動または移動させる連動機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項3】
前記連動機構は、一方が前記金銭収納ケースに連結され、他方が前記撮像部に直接又は間接的に連結されたケーブルを備え、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記ケーブルが移動することより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする請求項2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項4】
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記ケーブルの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする請求項3に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項5】
前記連動機構は、前記金銭収納ケースに連結された第1ピストンと、前記撮像部に直接又は間接的に連結された第2のピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが内部を摺動するシリンダと、
を備え、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間には密閉部が形成され、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記第1ピストンが移動するとともに前記第2ピストンが移動することにより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする請求項2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項6】
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記第2のピストンの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする請求項5に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項7】
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は第1の撮像部と第2の撮像部とからなり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記第1の撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記第2の撮像部が撮像した第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項8】
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は、撮像範囲を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像よりも撮像範囲が狭い第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項1】
開状態及び閉状態となる金銭授受部と、
第1の位置と、前記第1の位置とは異なるとともに前記金銭授受部が撮像範囲に入る第2の位置とを撮像可能な撮像部と、
前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第2の位置の映像を録画する録画装置と、
を備えたことを特徴とする金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項2】
前記金銭授受部は、現金処理装置のドロア内に収納されることにより閉状態となり、前記ドロアから引き出されることにより開状態となる金銭収納ケースであり、
前記録画装置は、前記金銭収納ケースが閉状態の場合には前記撮像部が前記第1の位置を撮像可能な位置に配置され、前記金銭収納ケースが開状態の場合には前記撮像部が前記第2の位置を撮像可能な位置に配置されるように、前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記撮像部を回動または移動させる連動機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項3】
前記連動機構は、一方が前記金銭収納ケースに連結され、他方が前記撮像部に直接又は間接的に連結されたケーブルを備え、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記ケーブルが移動することより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする請求項2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項4】
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記ケーブルの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする請求項3に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項5】
前記連動機構は、前記金銭収納ケースに連結された第1ピストンと、前記撮像部に直接又は間接的に連結された第2のピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが内部を摺動するシリンダと、
を備え、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間には密閉部が形成され、
前記金銭収納ケースの前記ドロアからの出入に伴って前記第1ピストンが移動するとともに前記第2ピストンが移動することにより、前記撮像部が回動または移動することを特徴とする請求項2に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項6】
前記連動機構は、前記撮像部と一体に設けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアと直接又は間接的に連結されたラックギアと、をさらに備え、
前記ラックギアが前記第2のピストンの移動に伴って移動することにより、前記ピニオンギア及び前記撮像部が回動することを特徴とする請求項5に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項7】
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は第1の撮像部と第2の撮像部とからなり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記第1の撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記第2の撮像部が撮像した第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【請求項8】
前記録画装置は、制御部を備え、
前記撮像部は、撮像範囲を切り替え可能であり、
前記制御部は、前記金銭授受部が閉状態の場合には前記撮像部が撮像した第1の位置の映像を録画し、前記金銭授受部が開状態の場合には前記撮像部が撮像した前記第1の位置の映像よりも撮像範囲が狭い第2の位置の映像を録画するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金銭授受部を備えた電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−208691(P2012−208691A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73229(P2011−73229)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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