説明

釣り用リールのリール本体

【課題】釣り用リールのリール本体において、電気部品の組み付けを容易に行えるようにするとともに、電気部品の変更を簡単に行えるようにする。
【解決手段】筒状部10bの上部に表示部79等を有するカウンタケース70が装着され、筒状部10bの内部の取付基板10aに制御部73等の各種の電気部品が装着され、筒状部10bの内部の取付基板10aには、トルクセンサ75や、温度センサ76を保持するための保持ケースが装着され、さらに、突出部10cの内側の側部に通信部74が収納されるケース部材92が装着され、突出部10cの外側の側部に形成された収納凹部10gに電源部69が収納されている。ここでは、各種の電気部品及び配線の全てが筒状部10b及び突出部10cに取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール本体、特に、釣竿に装着され、ハンドルの回転によってスプールに釣り糸を巻き取る釣り用リールのリール本体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に装着されたスプールと、スプールを回転させるためのハンドルとを備えている。スプールは、リール本体に支持されるスプール軸に装着され、ハンドルは、スプール軸と平行に配置されたハンドル軸に回転不能に装着されている。このような釣り用リールでは、ハンドル装着側と逆側のリール本体に仕掛けの水深を電気的に表示可能な表示部を設けたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。ここでは、ハンドル装着側と逆側のリール本体の側部にリール本体の筒状部と別体の膨出部を設け、リール本体の筒状部及び膨出部の両部材に表示部や表示部に接続される各種の電気部品が収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−42033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の釣り用リールのリール本体では、表示部や表示部に接続される各種の電気部品がリール本体の筒状部及びリール本体と別体で設けられた膨出部の両部材に収納されているので、2つの部材に各種の電気部品を組み付けるのが非常に困難になる。また、リールの仕様変更等によって電気部品を変更する場合には、リール本体の筒状部及び膨出部の両部材の配線も変更する必要が生じるので、電気部品の変更を容易に行えないことがある。
【0005】
本発明の課題は、釣り用リールのリール本体において、電気部品の組み付けを容易に行えるようにするとともに、電気部品の変更を簡単に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る釣り用リールのリール本体は、釣竿に装着され、ハンドルの回転によってスプールに釣り糸を巻き取る釣り用リールのリール本体であって、リールボディと、1対の側板とを備えている。リールボディは、スプールを臨むように複数の空洞部を有する筒状の部材である。1対の側板は、一方側にハンドルが装着され、リールボディの両端部を覆うようにそれぞれ装着される有底筒状の部材である。ハンドル装着側と逆側の側板は、各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられ側部が開口する筒状の筒状部と、筒状部の側部の開口部を外方から覆うように装着される蓋部とを有している。
【0007】
このリール本体では、筒状部に各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられているので、従来のようにリール本体の筒状部及びリール本体と別体で設けられた膨出部の両部材に各種の電気部品及び配線を取り付ける場合に比して、各種の電気部品及び配線の組み付けを容易に行えるとともに、各種の電気部品を変更するときには、筒状部の配線を変更するだけでよくなるので、各種の電気部品の変更を簡単に行える。
【0008】
発明2に係るリール本体は、釣竿に装着され、ハンドルの回転によってスプールに釣り糸を巻き取る釣り用リールのリール本体であって、リールボディと、1対の側板とを備えている。リールボディは、スプールを臨むように複数の空洞部を有する筒状の部材である。1対の側板は、一方側にハンドルが装着され、リールボディの両端部を覆うようにそれぞれ装着される有底筒状の部材である。ハンドル装着側と逆側の側板は、各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられ側部が開口する筒状の筒状部と、筒状部の側部の開口部を外方から覆うように装着される蓋部と、筒状部の開口部から前部下方に一体的に突出する突出部とを有している。筒状部及び突出部は、各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられる。この場合、筒状部及び突出部に各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられているので、各種の電気部品及び配線の組み付けを容易に行えるとともに、各種の電気部品を変更するときには、筒状部及び突出部の配線を変更するだけでよくなるので、各種の電気部品の変更を簡単に行える。さらに、この場合、筒状部の開口部から前部下方に突出した比較的スペースのある突出部に各種の電気部品を装着できる。
【0009】
発明3に係るリール本体は、発明2のリール本体において、突出部は、外側が開口し、電気部品である電源部を収納可能な電源収納凹部を有している。この場合、電源収納凹部は、突出部の外側に配置されているので、電源部の交換を容易に行える。
【0010】
発明4に係るリール本体は、発明3のリール本体において、蓋部は、筒状部の開口部を覆う円板状の第1蓋部と、突出部の電源収納凹部の開口部を覆う第2蓋部とを有している。この場合、第1蓋部及び第2蓋部によってそれぞれ筒状部の開口部及び電源収納凹部の開口部を閉塞できる。
【0011】
発明5に係るリール本体は、発明4のリール本体において、第1蓋部及び第2蓋部は、一体成形されている。この場合、第1蓋部及び第2蓋部が一体成形されているので、全体の部品点数を減少できる。
【0012】
発明6に係るリール本体は、発明4のリール本体において、第1蓋部及び第2蓋部は、別体で形成されている。この場合、第1蓋部及び第2蓋部が別体で形成されているので、第2蓋部を着脱するだけで電源部を交換できる。
【0013】
発明7に係るリール本体は、発明2から6のいずれかのリール本体において、突出部は、内側に配置され、外部に設けられた外部機器と無線通信可能な電気部品である無線通信部が内部に配置されるケース部材を有している。この場合、ケース部材は、ハンドル装着側と逆側の側板の内側面、すなわちスプール側の内側面に配置されているので、ケース部材が傷付きにくくなる。
【0014】
発明8に係るリール本体は、発明1から6のいずれかのリール本体において、筒状部は、釣り糸に作用する張力を検出する電気部品である張力検出部が内部に配置されている。この場合、釣り糸に作用する張力を表示部に表示させることができるので、釣人は釣り糸に作用する張力、すなわち魚がヒットしたか否かの情報や魚の引き具合等の現在の釣り状況をリアルタイムかつ確実に把握することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、釣り用リールのリール本体において、筒状部の内部に各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられているので、各種の電気部品及び配線の組み付けを容易に行えるとともに、各種の電気部品の変更を簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣り用リールの斜視図。
【図2】前記釣り用リールの断面図。
【図3】前記釣り用リールの第1側板を外側(左側)から見たときの斜視図。
【図4】前記第1側板を内側(右側)から見たときの斜視図。
【図5】前記第1側板を外側(左側)から見たときの側面図。
【図6】前記第1側板を内側(右側)から見たときの側面図。
【図7】前記第1側板を前側から見たときの正面図。
【図8】前記釣り用リールの制御ブロック図。
【図9】釣り情報表示装置の平面図。
【図10】前記釣り情報表示装置の表示部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を採用した釣り用リール100は、図1及び図2に示すように、トローリングに用いられる大型の両軸受リールである。釣り用リール100は、筒状のリール本体1と、リール本体1の中心部に回転自在に装着されたスプール軸2と、スプール軸2に回転自在かつ軸方向移動不能に支持されたスプール3と、リール本体1の側方に配置されたハンドル4とを備えている。また、釣り用リール100は、ハンドル4の回転をスプール3に伝達する回転伝達機構6と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を制動するレバードラグ機構7と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を規制する逆転防止機構9とをリール本体1の内部に備えている。
【0018】
リール本体1は、図1及び図2に示すように、金属製の左右1対の有底筒状の第1側板10(ハンドル4装着側と逆側の側板)及び第2側板11(ハンドル4装着側の側板)と、第1側板10及び第2側板11が両端に印籠結合により同芯に結合され、複数本の固定ねじにより固定された金属製の孔あき筒状のリールボディ12とを有している。第1側板10及び第2側板11は、その略中心部で回動自在にスプール軸2の両端を支持する。
【0019】
リールボディ12と第1側板10及び第2側板11との間の上部にはリールハーネスに装着するためのハーネスラグ13が間隔を隔てて装着されている。リールボディ12の下部にはリールを釣竿に装着するための竿取付部14が設けられている。
【0020】
第1側板10は、図1に示すように、内部に形成され各種の機構が装着される取付基板10aを有し両側部が開口する筒状の筒状部10bと、筒状部10bから前部下方に一体的に突出する突出部10cとを有している。
【0021】
筒状部10bは、図1から図7に示すように、円筒状の部材であり、内部に略円板状の取付基板10aが装着固定されている。筒状部10bの両側部は、それぞれ円形の開口部である第1開口部10d(スプール3側の内側開口部)及び第2開口部10f(外側開口部)を有している。第2開口部10fの外側には、図3、図5及び図7に示すように、第2開口部10fを覆う円盤状の第1蓋部材90が装着されている。
【0022】
第1蓋部材90は、図3、図5及び図7に示すように、第2開口部10fの内径よりやや大きい円盤部材であって、第2開口部10fの周囲に形成された6つのねじ孔に6つの取付ねじ90aを挿通することによって第1蓋部材90は筒状部10bに着脱可能に取り付けられている。
【0023】
突出部10cは、図1から図7に示すように、筒状部10bから前部下方に筒状部10bと同幅となるように一体的に突出する部分である。突出部10cの内側(スプール3側)の側部には、図4、図6及び図7に示すように、後述する通信部74が収納されるケース部材92を取り付け可能な取付凹部10eが形成され、突出部10cの外側の側部には、図3、図5及び図7に示すように、後述する電源部68を収納可能な収納凹部10gが形成されている。取付凹部10eは、ケース部材92の外形と略同一な内形が矩形の凹部であって、ケース部材92を取付凹部10eに装着した状態で取付凹部10eの隅部に形成された4つのねじ孔に4つの取付ねじ92aを挿通することによってケース部材92は突出部10cの内側に着脱可能に取り付けられている。収納凹部10gは、内側の取付凹部10eの逆側の外側に形成された内形が矩形の凹部であって、取付凹部10eの深さに比して深い突出部10cの大部分を占める凹部である。収納凹部10gの内部には、電源部68の図示しない電池ボックスが着脱自在に取り付け可能である。収納凹部10gの外側には、収納凹部10gを覆う板状の第2蓋部材91が装着されている。
【0024】
第2蓋部材91は、図3、図5及び図7に示すように、外形が突出部10cの外形及び第1蓋部材90の外形に沿う収納凹部10gより大きい円盤部材であって、電源部68を収納凹部10gに装着した状態で収納凹部10gの周囲に形成された3つのねじ孔に3つの取付ねじ91aを挿通することによって、第2蓋部材91は突出部10cの外側に着脱可能に取り付けられている。第2蓋部材91は、図3、図5及び図7に示すように、第1蓋部材90と別体で形成されている。
【0025】
ケース部材92は、図4、図6及び図7に示すように、通信部74の全体が内部に配置される合成樹脂製の部材であって、突出部10cの内側面から内側に突出したドーム形状の部材である。ケース部材92の表面(内側面)中央部は、図4、図6及び図7に示すように、内側面の他の部分より内側に突出した膨出部92bが形成されており、通信部74の図示しないアンテナ部を収納可能な逃がし用の空間を形成している。ケース部材92の底部には、ケース部材92の内部に通信部74を収納した状態で図示しない板状部材が装着されており、ケース部材92と板状部材とが箱形状になることにより通信部74が1つのユニットとして保持される。
【0026】
第1側板10の筒状部10bの上部には、図1から図4に示すように、箱型形状のカウンタケース70が配置されている。カウンタケース70の上面には、仕掛けの水深情報(糸長)や釣り糸に作用する張力(補正トルク)や仕掛けの繰り出し速度等を表示する表示部79と、表示部79の前側に配置され表示部79の表示を切り替える操作を行うための操作部77とが設けられている。
【0027】
第1側板10の筒状部10bの内部には、図2に示すように、略円板状の取付基板10aが装着固定されている。取付基板10aには、各種の制御を行う制御部73(図8参照)や、各種の情報を記憶する記憶部78(図8参照)や、後述するスプールセンサ71(図8参照)、スプールカウンタ72(図8参照)を構成するリードスイッチや、後述する取付基板10aのセンサ基板の温度を検出する基板温度センサ69(図8参照)や、バックアップ用のバッテリ等が配置されている。さらに、取付基板10aには、図2に示すように、後述するトルクセンサ75や、温度センサ76を保持するための保持ケースが装着されている。
【0028】
スプール軸2は、図2に示すように、両端に配置された左右1対の軸受31a、軸受31bにより第1側板10の第1蓋部材90及び第2側板11に回転自在に支持されている。また、その内側で軸方向に間隔を隔ててスプール3の両端に配置された2つの軸受32a、軸受32bによりスプール3を回転自在に支持する。スプール軸2の左端の軸受31aの内輪の右側には、図2に示すように、逆転防止機構9の後述するラチェットホイール50が当接している。スプール3を支持する左側の軸受32aの内輪の左側には、レバードラグ機構7の後述する摩擦ディスク26が当接している。
【0029】
スプール3は、図2に示すように、糸巻胴部3aと、糸巻胴部3aの両端に一体形成されたフランジ部3bとを有している。
【0030】
ハンドル4は、図2に示すように、スプール軸2の下方にスプール軸2と平行に配置された筒状のハンドル軸5の突出端に固定されている。ハンドル軸5は、ボス部11aの下方に軸方向に間隔を隔てて配置された2つの軸受33a、軸受33bによりリール本体1に回転自在に支持されている。
【0031】
回転伝達機構6は、図2に示すように、高低二速に切換可能な変速機構を備えている。回転伝達機構6は、図2に示すように、ハンドル4のハンドル軸5に回転自在に支持された高速巻き取り用の第1ギア16及び低速巻き取り用の第2ギア17と、第1ギア16及び第2ギア17にそれぞれ噛み合う状態でスプール軸2に回転不能に装着された第3ギア18及び第4ギア19と、第1ギア16及び第2ギア17のいずれか一方とハンドル軸5とを結合し、回転を伝達する係合片20と、係合片20の両側で係合片20を位置決めする2つの圧縮ばね21a、圧縮ばね21bと、係合片20の位置を設定する操作軸22とを有している。操作軸22は、ハンドル軸5内部にハンドル軸5を貫通して外部に突出している。外部に突出した操作軸22の右側の端部には、スライド型のストッパ23がハンドル4に設けられている。
【0032】
このような構成の回転伝達機構6では、操作軸22を図2左側に押し込むと、第2ギア17に係合片20が配置されハンドル4の回転が第2ギア17を介して第4ギア19に伝達されスプール軸2及びスプール3が低速回転する。一方、スライド型のストッパ23をスライドさせて操作軸22を図2右側に引き出すと、第1ギア16に係合片20が配置されハンドル4の回転が第1ギア16を介して第3ギア18に伝達されスプール軸2及びスプール3が高速回転する。
【0033】
レバードラグ機構7は、図2に示すように、スプール3の左側に装着された制動ディスク25と、制動ディスク25の左側に対向するように配置された摩擦ディスク26と、スプール3及び制動ディスク25をスプール軸2の軸方向に往復移動させるための移動機構29とを有している。
【0034】
制動ディスク25は、図2に示すように、たとえばステンレス製のワッシャ状の円板部材であり、周方向に間隔を隔てて配置された複数本の取付ピンにより、スプール3の左側のフランジ部3bの端面にスプール3と接離する方向に所定距離移動自在かつスプール3に対して回転不能に装着されている。
【0035】
摩擦ディスク26は、図2に示すように、制動ディスク25に対向して配置され、スプール軸2の軸方向に移動可能にスプール軸2に装着されている。摩擦ディスク26の制動ディスク25に対向する面には、たとえばカーボングラファイトや繊維強化樹脂等の耐摩耗性素材製のリング状の摩擦板26aがねじ止めされている。摩擦ディスク26内周部の右端面は、移動機構29のコイルばね47を介してスプール3内周部の軸受32aの内輪が当接している。摩擦ディスク26内周部の左端面は、逆転防止機構9のラチェットホイール50が当接している。ラチェットホイール50は、スプール軸2の外周面に回転不能に装着されている。ラチェットホイール50は、軸受31aの内輪に当接している。軸受31aの外輪は第1側板10に当接している。この結果、摩擦ディスク26は、スプール軸2の軸方向外方(図2左方)へ移動不能であるとともに、ラチェットホイール50により糸繰り出し方向の回転が禁止される。また、逆転防止機構9は、外周面に鋸歯が形成されたラチェットホイール50と、ラチェットホイール50の外周側に配置され先端が鋸歯を係止するラチェット爪51とを有する爪式のものである。ラチェット爪51は、第1側板10の内側面に揺動自在に装着されており、引張ばねにより鋸歯を係止する側に付勢されている。
【0036】
摩擦ディスク26の外側は、図2に示すように、ドラグカバー41により覆われている。ドラグカバー41は、たとえば放熱性能を考慮したアルミニウム合金製であり、中心に円形の開口を有する皿状のカバー本体41aと、カバー本体41aの外周面に一体形成されたリング状の取付部41bとを有している。カバー本体41aは、内部に摩擦ディスク26や制動ディスク25を収納可能な空間を有している。カバー本体41aの左側面には、スプールセンサ71(図8参照)、スプールカウンタ72(図8参照)を構成するリードスイッチに対向する位置に、スプールセンサ71(図8参照)、スプールカウンタ72(図8参照)を構成する複数の磁石が装着されている。取付部41bは、複数本のビスなどの適宜の固定手段によりスプール3のフランジ部3bの端面に固定されており、ドラグカバー41はスプール3と一体回転するようになっている。
【0037】
移動機構29は、図2に示すように、リール本体1に揺動自在に設けられた制動操作レバー45と、制動操作レバー45の時計回りの揺動に応じてスプール3及び制動ディスク25を押圧して図2左方に移動させる押圧機構46と、摩擦ディスク26を付勢して制動操作レバー45の反時計回りの移動に応じてスプール3及び制動ディスク25を図2右方に移動させるためのコイルばね47とを有している。コイルばね47は、摩擦ディスク26とスプール3内周部の軸受32aとの間においてスプール軸2の外周側に圧縮状態で装着され、摩擦ディスク26とスプール3とを離反する方向に付勢している。
【0038】
制動操作レバー45は、図2に示すように、時計回りに揺動させた制動解除位置と、反時計回りに揺動させた最大制動位置との間でリール本体1に揺動自在に装着されている。制動操作レバー45は、ボス部11aに揺動自在に装着されるレバー部45aと、レバー部45aの先端に固定されたつまみ部45bとを有している。レバー部45aの基端部は、押圧機構46を構成する第1カム部材60に回転不能に係止されている。
【0039】
押圧機構46は、ボス部11aの内周面に回転自在かつ軸方向移動不能に装着された第1カム部材60と、第1カム部材60の回動により軸方向に移動する第2カム部材61と、第2カム部材61に連動して軸方向に移動する押圧部材62とを備えている。第1カム部材60は、制動操作レバー45の揺動に連動して回動する大小2段の筒状部材である。大径の基端側の端面には傾斜カムが形成されている。第2カム部材61は、筒状の部材であり、ボス部11aの内周面に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。第2カム部材61の第1カム部材60に対向する外周側の端面には、第1カム部材60の傾斜カムに係合する傾斜カムが形成されている。この2つの傾斜カムの相対回動により第1カム部材60の回動運動が第2カム部材61の軸方向の直線運動に変換され第2カム部材61が軸方向に移動する。第2カム部材61の内周面は、押圧部材62に螺合している。これにより第2カム部材61と押圧部材62との軸方向の相対位置関係を調整でき、制動操作レバー45の所定位置でのドラグ力を調整できる。
【0040】
リール本体1の第1側板10の内部には、図2に示すように、各種の制御を行う制御部73(図8参照)が取り付けられる取付基板10aが装着固定されている。制御部73は、図8に示すように、電源部68、基板温度センサ69、スプールセンサ71、スプールカウンタ72、トルクセンサ75、温度センサ76、通信部74、操作部77、記憶部78、表示部79及び他の入出力部が電気的に接続されている。
【0041】
制御部73は、取付基板10aに配置されたCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。制御部73は、記憶部78に予め記憶された制御プログラムにしたがって、通信部74の通信制御処理や、表示部79の表示制御処理や、スプールセンサ71、スプールカウンタ72から検出されたデータに基づいて仕掛けの水深情報(糸長)、仕掛けの繰り出し速度を算出する制御処理や、トルクセンサ75から検出されたトルクデータと温度センサ76及び基板温度センサ69から検出された温度データとに基づいて検出トルクを補正して補正トルクを算出する制御処理等の各種の制御動作を実行する。記憶部78は、たとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、糸長算出時に使用するマップデータ等の各種のデータが記憶されている。
【0042】
電源部68は、図3、図5及び図7に示すように、第1側板10の突出部10cの外側に形成された収納凹部10gに着脱可能に装着される電池ボックスに配置されるものである。電池ボックスは、単3乾電池3個を直列に並べたものを並列に2段、配置可能な合計6個の単3乾電池を収納した筐状のボックスであって、4.5Vの電力を供給可能である。電源部68は、収納凹部10gの内部から取付基板10aに配線され、制御部73によって適宜電圧に変圧された後、通信部74や表示部79に電力が供給される。ここで、電源部68の単3乾電池を交換するときには、3つの取付ねじ91aを取り外し第2蓋部材91を突出部10cから取り外し、収納凹部10gの開口を外部に露出させ、収納凹部10gから電池ボックスを取り外すことによって、6個の単3乾電池を交換できる。
【0043】
スプールセンサ71は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されている。リードスイッチは、磁石ホイールに装着された2個の磁石を検出する。この検出パルスをスプールカウンタ72で計数することでリールの回転数を検出できる。また、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール3の回転方向を検出できる。
【0044】
スプールカウンタ72は、スプールセンサ71のオン、オフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データが得られる。スプールカウンタ72は、スプール3が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。
【0045】
トルクセンサ75は、図2に示すように、磁歪式のセンサであって、逆転防止機構9のラチェットホイール50とレバードラグ機構7の摩擦ディスク26との間のスプール軸2の外周に装着された磁歪素子と、磁歪素子の周囲に配置され取付基板10aに装着固定された保持ケースに保持された検出コイルとを有している。磁歪素子は、たとえばアモルファス合金箔からなる軟磁性体で構成されており、間隔を隔ててスプール軸2に巻き付け固定されている。磁歪素子の表面には、磁気異方性を付与するために異なる角度に傾斜した凹溝が形成されている。検出コイルは、磁歪素子を囲むように円筒状に形成されており、スプール軸2の捩れによる磁歪素子の透磁率の変化に応じて自己インダクタンスが変化する。トルクセンサ75の検出コイルは、制御部73(図8参照)に接続されており、検出コイルにより検出された検出トルクが制御部73に送られる。また、トルクセンサ75の検出コイルの両側には、検出コイルの温度を検出する2つのセンサからなる温度センサ76が配置されている。
【0046】
温度センサ76は、図2に示すように、トルクセンサ75の検出コイルに接触可能に装着されるサーミスタである。温度センサ76は、トルクセンサ75の検出コイルとともに、取付基板10aに装着固定された保持ケースに保持されている。温度センサ76は、制御部73(図8参照)に接続されており、温度センサ76により検出されたトルクセンサ75の検出コイルの温度が制御部73に送られる。
【0047】
基板温度センサ69(図8参照)は、トルクセンサ75や温度センサ76が接続されるセンサ回路が取り付けられるセンサ基板の温度を検出するセンサであって、取付基板10aのセンサ基板上に配置されている。基板温度センサ69は、制御部73(図8参照)に接続されており、基板温度センサ69により検出されたセンサ基板の温度が制御部73に送られる。
【0048】
制御部73は、表示部79や通信部74等の各種の制御を行うとともに、仕掛けの水深情報を演算する水深演算処理を行う。水深演算処理は、スプールカウンタ72により計数されたスプール3の回転数と、記憶部78に保持されたマップデータとを対応させることにより、スプール3の回転数を仕掛けの水深情報に変換する。このようにして得られた仕掛けの水深情報は、数値情報として表示部79や通信部74に送られる。
【0049】
また、制御部73は、スプール3の回転速度を演算する回転速度演算処理を行う。回転速度演算処理は、スプールカウンタ72により計数されたスプール3の回転数と、制御部73の内部クロックから得られる時間情報とに基づいて、スプール3の単位時間当たりの回転速度を算出する。このようにして得られたスプール3の回転速度情報は、数値情報として表示部79や通信部74に送られる。
【0050】
表示部79は、図5に拡大して示すように、前側から後側の順に、仕掛けの水深情報(糸長)を表示する糸長表示領域と、釣り糸に作用する張力(補正トルク)を表示するトルク表示領域と、仕掛けの繰り出し速度等を表示する速度表示領域とを有するセグメント液晶である。
【0051】
操作部77は、略長円形の押圧式のボタンであって、表示部79の表示設定を切り替えたり、表示内容をリセットしたりするためのボタンである。また、表示部79の表示設定は、釣り用リール100の外部に設けられた後述する釣り情報表示装置80(図8及び図9参照)に設けられた操作部84によっても切替可能であって、釣り用リール100に設けられた通信部74(図8参照)と釣り情報表示装置80に設けられた通信部86(図8参照)とが無線通信することによって電気的に接続されている。釣り情報表示装置80の通信部86は、図10に示すように、釣り用リール100から得られる仕掛けの水深情報を受信して表示部85に表示するようになっている。
【0052】
通信部74は、図8に示すように、釣り用リール100の外部に設けられた釣り情報表示装置80の通信部86と各種の情報を送受信可能である。通信部74は、仕掛けの水深情報や、スプール3の回転速度情報や、釣り糸に作用する張力情報を釣り情報表示装置80の通信部86に送信可能である。通信部74は、1つのZigBee(登録商標)モジュールにより構成されており、釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと無線通信可能である。ZigBee(登録商標)は、IEEE802.15.4として規格化された短距離無線通信規格の一つであって、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.15.4として規格化されており、たとえば、2.4GHzの無線周波数帯を使用する。釣り用リール100の通信部74のZigBee(登録商標)モジュールは、マルチポイントネットワークに対応したモジュールであり、複数の釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能であるが、本実施形態では1つの釣り情報表示装置80の通信部86のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能である。通信部74は、図4、図6及び図7に示すように、ZigBee(登録商標)モジュール全体が内部に配置されるように、突出部10cの内側面から内側に突出したドーム形状の合成樹脂製のケース部材92に覆われている。ケース部材92の表面(内側面)中央部は、図4、図6及び図7に示すように、内側面の他の部分より内側に突出した膨出部92bが形成されており、ZigBee(登録商標)モジュールの図示しないアンテナ部を収納可能な逃がし用の空間を形成している。ケース部材92の底部には、ケース部材92の内部にZigBee(登録商標)モジュールを収納した状態で図示しない板状部材が装着されており、ケース部材92と板状部材とが箱形状になることにより通信部74が1つのユニットとして保持される。
【0053】
釣り情報表示装置80は、図9に示すように、略直方体形状の横型の本体部材81と、本体部材81の内部に配置された制御部83(図8参照)と、本体部材81の内部に配置された通信部86(図8参照)と、本体部材81の表面中央部に配置されたタッチパネル式の液晶ディスプレイからなる表示部85と、表示部85の表面に配置されたタッチパネル84aと表示部85の側部に配置された押圧式の電源スイッチ84bとからなる操作部84とを有している。タッチパネル84aは、複数の釣り用リール100の表示部79の表示設定を切り替える操作を行うことが可能である。電源スイッチ84bは表示部85の表示をオンオフ操作することが可能である。釣り情報表示装置80は、図示しない全地球測位システム(GPS)モジュールが内蔵されており、タッチパネル84aの切替操作によって、表示部85にGPSからの各種情報を表示することが可能である。釣り情報表示装置80は、本体部材81の両側部に揺動自在かつ着脱可能に取り付けられるアーム状の取付台87に装着されており、本体部材81を前後方向に揺動させることにより、表示部85の角度を任意に設定できる。また、釣り情報表示装置80は、図示しないパーソナルコンピュータの情報入出力端子に接続可能な情報入出力端子(たとえば、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)入出力端子)を有しており、たとえば、釣り情報表示装置80の記憶部に記憶された釣り用リール100に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度の各種ログ情報を、USBメモリを介してパーソナルコンピュータのUSB入出力端子からパーソナルコンピュータの記憶部に入力し、パーソナルコンピュータの表示部に釣り用リール100に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度の各種ログ情報を表示させることが可能である。
【0054】
表示部85は、図10に示すように、2行3列の各領域に6つの釣り用リール100に関する6つの仕掛けの水深情報(糸長)、6つの釣り糸に作用する張力(補正トルク)、6つの仕掛けの繰り出し速度を1つの釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようになっており、図10では、3つの釣り用リール100が1つの釣り情報表示装置80に接続されており、3つの釣り用リール100に関する3つの仕掛けの水深情報(糸長)、3つの釣り糸に作用する張力(補正トルク)、複数の仕掛けの繰り出し速度を1つの釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようになっている。
【0055】
表示部85の2行3列の各領域(左上から第1領域、右下に向かって第6領域)は、図10に示すように、上側から下側の順に、仕掛けの水深情報(糸長)を表示する糸長表示領域85aと、釣り糸に作用する張力(補正トルク)を表示するトルク表示領域85bと、仕掛けの繰り出し速度等を表示する速度表示領域85cとを有するドットマトリックス液晶である。第1領域の糸長表示領域85aは、仕掛けの水深情報(糸長)を表示するための領域であって、「DISTANCE」の文字と、たとえば糸長が120.0mであることを示す「120.0m」とが表示されている。第1領域のトルク表示領域85bは、釣り糸に作用する張力(補正トルク)を表示するための領域であって、「LINE TENSION」の文字と、たとえば補正トルクが15.0kgであることを示す「15.0kg」とが表示されている。第1領域の速度表示領域85cは、仕掛けの繰り出し速度(スプール3の回転速度)を表示するための領域であって、「LINE SPEED」の文字と、たとえば速度が10.0km/hであることを示す「10.0km/h」とが表示されている。
【0056】
通信部86は、図8に示すように、釣り用リール100の通信部74と各種の情報を無線にて送受信可能である。通信部86は、釣り用リール100の通信部74から仕掛けの水深データや、スプール3の回転速度情報や、釣り糸に作用する張力情報等の情報を受信し、釣り用リール100の通信部74へ各種の指令情報を送信する。通信部86は、釣り用リール100の通信部74と同様に、1つのZigBee(登録商標)モジュールにより構成されており、釣り用リール100の通信部74のZigBee(登録商標)モジュールと無線通信可能である。通信部86のZigBee(登録商標)モジュールは、マルチポイントネットワークに対応したモジュールであり、複数の釣り用リール100の通信部74のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能であり、本実施形態では、6つの釣り用リール100の通信部74のZigBee(登録商標)モジュールと通信可能である。
【0057】
このような釣り用リール100では、筒状部10bの上部に表示部79等を有するカウンタケース70が装着され、筒状部10bの内部の取付基板10aに制御部73等の各種の電気部品が装着され、筒状部10bの内部の取付基板10aには、トルクセンサ75や、温度センサ76を保持するための保持ケースが装着され、さらに、突出部10cの内側(スプール3側)の側部に通信部74が収納されるケース部材92が装着され、突出部10cの外側の側部に形成された収納凹部10gに電源部68が収納されている。ここでは、各種の電気部品及び配線の全てが筒状部10b及び突出部10cに取り付けられているので、従来のように筒状部10b及び筒状部10bと別体で設けられた膨出部の両部材に各種の電気部品及び配線を取り付ける場合に比して、各種の電気部品及び配線の組み付けを容易に行うことができる。さらに、各種の電気部品を変更するときには、筒状部10b及び突出部10cの配線を変更するだけでよくなるので、各種の電気部品の変更を簡単に行うことができる。
【0058】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、釣り用リール100の外部に釣り情報表示装置80を設け、釣り情報表示装置80の表示部85に釣り糸に作用する張力を表示させていたが、釣り用リール100の表示部79のみに釣り糸に作用する張力を表示させる構成にしてもよい。また、釣り情報表示装置80は、魚群探知機から得られる漁場の底の水深や魚群の位置を示す棚位置をエコー表示させる構成にしてもよい。
【0059】
(b) 前記実施形態では、ケース部材92は、突出部10cの内側面に装着されていたが、これに限定されるものではなく、突出部10cの外側面に装着してもよい。
【0060】
(c) 前記実施形態では、第2蓋部材91は、第1蓋部材90と別体で形成されていたが、第1蓋部材90と第2蓋部材91とを一体成形してもよい。
【0061】
(d) 前記実施形態では、6つの釣り用リール100に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度を1つの釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようにしていたが、複数の釣り用リール100に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度を、複数の釣り情報表示装置80の表示部85に表示させるようにしてもよい。さらに、複数の釣り情報表示装置80の通信部86を2つのZigBee(登録商標)モジュールにより構成し、複数の釣り情報表示装置80の通信部86同士が複数の釣り用リール100に関する仕掛けの水深情報(糸長)、釣り糸に作用する張力(補正トルク)、仕掛けの繰り出し速度を通信する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 リール本体
2 スプール軸
3 スプール
3a 糸巻胴部
3b フランジ部
4 ハンドル
5 ハンドル軸
6 回転伝達機構
7 レバードラグ機構
9 逆転防止機構
10 第1側板
10a 取付基板
10b 筒状部
10c 突出部
10d 第1開口部
10e 取付凹部
10f 第2開口部
10g 収納凹部
11 第2側板
11a ボス部
12 リールボディ
13 ハーネスラグ
14 竿取付部
16 第1ギア
17 第2ギア
18 第3ギア
19 第4ギア
20 係合片
21a 圧縮ばね
21b 圧縮ばね
22 操作軸
23 ストッパ
25 制動ディスク
26 摩擦ディスク
26a 摩擦板
29 移動機構
31a 軸受
31b 軸受
32a 軸受
32b 軸受
33a 軸受
33b 軸受
41 ドラグカバー
41a カバー本体
41b 取付部
45 制動操作レバー
45a レバー部
45b つまみ部
46 押圧機構
47 コイルばね
50 ラチェットホイール
51 ラチェット爪
60 第1カム部材
61 第2カム部材
62 押圧部材
68 電源部
69 基板温度センサ
70 カウンタケース
71 スプールセンサ
72 スプールカウンタ
73 制御部
74 通信部
75 トルクセンサ
76 温度センサ
77 操作部
78 記憶部
79 表示部
80 釣り情報表示装置
81 本体部材
83 制御部
84 操作部
84a タッチパネル
84b 電源スイッチ
85 表示部
85a 糸長表示領域
85b トルク表示領域
85c 速度表示領域
86 通信部
87 取付台
90 第1蓋部材
90a 取付ねじ
91 第2蓋部材
91a 取付ねじ
92 ケース部材
92a 取付ねじ
92b 膨出部
100 釣り用リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿に装着され、ハンドルの回転によってスプールに釣り糸を巻き取る釣り用リールのリール本体であって、
前記スプールを臨むように複数の空洞部を有する筒状のリールボディと、
一方側に前記ハンドルが装着され、前記リールボディの両端部を覆うようにそれぞれ装着される有底筒状の1対の側板とを備え、
前記ハンドル装着側と逆側の側板は、各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられ側部が開口する筒状の筒状部と、前記筒状部の側部の開口部を外方から覆うように装着される蓋部とを有している、釣り用リールのリール本体。
【請求項2】
釣竿に装着され、ハンドルの回転によってスプールに釣り糸を巻き取る釣り用リールのリール本体であって、
前記スプールを臨むように複数の空洞部を有する筒状のリールボディと、
一方側に前記ハンドルが装着され、前記リールボディの両端部を覆うようにそれぞれ装着される有底筒状の1対の側板とを備え、
前記ハンドル装着側と逆側の側板は、側部が開口する筒状の筒状部と、前記筒状部の側部の開口部を外方から覆うように装着される蓋部と、前記筒状部の前記開口部から前部下方に一体的に突出する突出部とを有しており、
前記筒状部及び前記突出部は、各種の電気部品及び配線の全てが取り付けられる、釣り用リールのリール本体。
【請求項3】
前記突出部は、外側が開口し、前記電気部品である電源部を収納可能な電源収納凹部を有している、請求項2に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項4】
前記蓋部は、前記筒状部の前記開口部を覆う円板状の第1蓋部と、前記突出部の前記電源収納凹部の前記開口部を覆う第2蓋部とを有している、請求項3に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項5】
前記第1蓋部及び前記第2蓋部は、一体成形されている、請求項4に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項6】
前記第1蓋部及び前記第2蓋部は、別体で形成されている、請求項4に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項7】
前記突出部は、内側に配置され、外部に設けられた外部機器と無線通信可能な前記電気部品である無線通信部が内部に配置されるケース部材を有している、請求項2から6のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項8】
前記筒状部は、前記釣り糸に作用する張力を検出する前記電気部品である張力検出部が内部に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−5429(P2012−5429A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145182(P2010−145182)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】