説明

釣り竿

【課題】 釣り仕掛けや穂先竿の破損を抑制しながら、釣り竿の携行時には穂先竿の先端カバーとしても使用できるものを釣り仕掛けに装備した釣り竿を提供する。
【解決手段】 穂先竿1の釣り糸誘導用のトップガイド1Aより繰り出される釣り仕掛けaに、リール4で巻き上げる際に、トップガイド1Aに当接して仕掛けの巻き込み過ぎを抑制する弾性材製の受止体12を装着してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り仕掛けをリールで巻き取り操作する釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り仕掛けとしては、先端の釣り針の上方に、サルカンと浮き止めとの間に浮きを設けているもの等が使用される。
【特許文献1】特開2000−342142号公報(段落〔0018〕,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
魚の当りがあると、手元に魚を引き寄せて釣り上げる為に、仕掛けを巻き取る操作を行うが、魚を引き寄せることに集中し過ぎると、仕掛けを巻取り過ぎて、浮きやサルカンを穂先竿のトップガイドに強く打ち付けて、釣り仕掛けを破損させたり、穂先竿をも傷めることがあった。
【0004】
本発明の目的は、釣り仕掛けや穂先竿の破損を抑制しながら、釣り竿の携行時には穂先竿の先端カバーとしても使用できるものを釣り仕掛けに装備した釣り竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕。
請求項1に係る発明の特徴構成は、穂先竿の釣り糸誘導用のトップガイドより繰り出される釣り仕掛けに、リールで巻き上げる際に、前記トップガイドに当接して前記仕掛けの巻き込み過ぎを抑制する弾性材製の受止体を装着してある点にあり、その作用効果は次ぎの通りである。
【0006】
〔作用〕
つまり、釣り糸を巻き取る場合に、巻取り過ぎになる状態であっても、受止体がトップガイドに当接する。受止体が弾性体で形成されているので、受止体がトップガイドに衝突する際の当接衝撃力を穏やかに収縮して吸収するところから、釣り仕掛けや穂先竿に強い衝撃反力が作用しない。
【0007】
〔効果〕
弾性材製の受止体を釣り仕掛けに追加するだけの改善によって、釣り仕掛けや穂先竿の保護を図ることができた。
【0008】
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、上記第1の発明において、前記受止体を、軸線方向の一端に向けて拡径するラッパ状体に形成するとともに、ラッパ状の開孔部分を前記トップガイドに向かう状態で浮き止めを装着した部位より前記トップガイドに近い部位で前記釣り糸に外嵌装着してある点にあり、その作用効果は次ぎの通りである。
【0009】
〔作用効果〕
釣り仕掛けの巻取り過ぎが起こりそうな状態になる場合であっても、受止体のラッパ状の開孔部分がトップガイドに被さっていき、前記したように、受止体が穏やかに当接する。これによって、前記したように、巻取り過ぎや穂先竿の破損が抑制される。
また、受止体を仕掛けから取り外した状態で、ラッパ状の開孔部分から穂先竿のトップガイド部分に被せて、受止体を穂先カバーとして機能させることができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
釣り竿A、釣り仕掛けaについて説明する。図1に示すように、釣り竿Aは、トップガイド1Aを装着して穂先竿1、釣り糸ガイドを装着した複数本の中竿2、リール4を装着する元竿3を備えている。一方、釣り仕掛けaは、リール4から繰り出された道糸5の先端に、上サルカン6、ワイヤ7を介して錘8、さらに、下サルカン9、下サルカン9の下方にハリス10、釣り針11を取り付けて、構成されている。
【0012】
図1に示すように、穂先竿1のトップガイド1A先端より繰り出されている釣り糸仕掛けaにおけるトップガイド1Aと上サルカン6との間の位置に、受止体12が装着してある。
受止体12はゴム製の一体成型品であり、一端に向かってラッパ状に拡開する形状に形成されている。他端側においては徐々に窄まっていく喉部に形成してあり、その喉部の軸線位置に釣り糸を挿通する為の挿通口を形成してある。
したがって、ラッパ状の開孔部分から挿通口を介して、受止体12を道糸5に外嵌してその受止体12を装着する。
【0013】
以上のような構成を採ることによって、図2に示すように、釣り仕掛けを巻き込み過ぎると、受止体12がトップガイド1Aに被さるとともに喉部が当接して巻き込み操作に抵抗が作用し、釣り人がそのことを認識して巻上げを停止する。
受止体12としては、NBR等のゴムやエラストマ、又は、軟質の樹脂が使用される。
【0014】
〔第2実施形態〕
受止体12が装着される釣り仕掛けaとしては、いずれのものにも限定されるものではないが、次のような釣り仕掛けaについて、使用してもよい。つまり、図3に示すように、浮き止め13、しもり玉14、浮動浮き15、サルカン16等を装備するものにおいて、浮き止め13の上方に受止体12を取り付ける。これによって、浮き止め13が受止体12の喉部で受止られ、仕掛けの巻き込みが回避される。
【0015】
〔第3実施形態〕
図4に示すように、釣り竿Aが並継竿、又は、インロー継竿である場合には、穂先竿1を他の竿と分離して収納することが可能であり、その場合に、図4に示すように、穂先竿1のトップガイド1Aに受止体12をラッパ状開孔部より被せることによって、受止体12を穂先カバーとして使用できる。
【0016】
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態のものは、並継竿、インロー継ぎ竿だけでなく、振り出し竿にも適用できる。また、釣り糸ガイドが竿体の外周面に装着してある外付けタイプのものだけなく中通し竿にも適用できる。
(2)受止体12としては、ラッパ状に拡大するものではなく、一定の開孔径を備えた筒状体で開孔とは反対側に底部を設け、底部に釣り糸に外嵌する挿通孔を形成する筒状のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】釣り仕掛けに受止体を装着した状態を示す側面図
【図2】受止体が穂先竿の先端に被って、釣り仕掛けを受け止めた状態を示す側面図
【図3】異なる釣り仕掛けのもので浮き止めより上方側に受止体を装着した状態を示す側面図
【図4】並継竿の穂先竿の先端に受止体を穂先カバーとして取り付けた状態を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0018】
1 穂先竿
1A トップガイド
4 リールシート
12 受止体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穂先竿の釣り糸誘導用のトップガイドより繰り出される釣り仕掛けに、リールで巻き上げる際に、前記トップガイドに当接して前記仕掛けの巻き込み過ぎを抑制する弾性材製の受止体を装着してある釣り竿。
【請求項2】
前記受止体を、軸線方向の一端に向けて拡径するラッパ状体に形成するとともに、ラッパ状の開孔部分を前記トップガイドに向かう状態で浮き止めを装着した部位より前記トップガイドに近い部位で前記釣り糸に外嵌装着してある請求項1記載の釣り竿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−189300(P2009−189300A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33284(P2008−33284)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】