鈑桁橋および箱桁橋
【課題】風による塩分飛来の多い地点に好適な鈑桁および箱桁橋を提供する。
【解決手段】風上側となる主桁2の桁下フランジ4に、格子状の板状部材9を前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して垂直方向、または、前記下フランジ面から30〜45°傾けて設置し、好ましくは、前記格子状の板状部材9の開孔部は開孔方向の少なくとも一端に角が形成され、前記直線的に形成された開孔部が風上側となるように板状部材9を下フランジに取り付け、更に好ましくは、前記格子状の板状部材9の幅が下フランジ幅よりも大きく、前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上である。
【解決手段】風上側となる主桁2の桁下フランジ4に、格子状の板状部材9を前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して垂直方向、または、前記下フランジ面から30〜45°傾けて設置し、好ましくは、前記格子状の板状部材9の開孔部は開孔方向の少なくとも一端に角が形成され、前記直線的に形成された開孔部が風上側となるように板状部材9を下フランジに取り付け、更に好ましくは、前記格子状の板状部材9の幅が下フランジ幅よりも大きく、前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風による塩分飛来の多い地点に建設されて好適な耐食性に優れた鈑桁橋および箱桁橋に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼橋、特に鈑桁橋が風とともに運ばれてくる塩分(飛来塩分という場合がある。)で腐食する場合、均一に腐食しない。橋桁架設地点に到達した飛来塩分が、風による移流により、橋桁断面周りに達した後、風の周り込み等、風速分布の影響を受けて不均一に桁に付着するためである。
【0003】
付着した塩分は、部位毎に異なった雨がかり、結露、および風の影響を再び受けて一部脱落し、再分配された残留付着塩分量が鋼材腐食の促進度合いに影響を与え、風雨にさらされない外桁内面および内桁は、塩分が脱落し難いため、腐食が進行しやすい。
【0004】
図3に、海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを模式的に、図4に風洞実験結果(可視化実験結果(白煙=塩分粒子))を示す。床版1およびウェブ3とフランジ4から構成された複数の主桁2および高欄10からなる一般的な鈑桁橋では、主桁2の下面を流れる風6は最も風上側に位置する主桁2の下部フランジ4で剥離するため、主桁2の風下面の負圧が強くなり、主桁2間に巻き込まれる風の流れ7が生じる。
【0005】
そのため、主桁2、特に、その内面側では、飛来塩分が付着して、鉄錆が生じ易い。なお、橋桁の最も端部に位置する主桁2の外面にも塩分が付着するが、この部分は、降雨によって洗浄されるので鉄錆は生じ難い。
【0006】
鈑桁橋の防錆対策として、一般的には、塗料塗布する方法や、耐候性鋼材を橋桁部材に使用する方法が採用されている。特に、耐候性鋼材を使用する方法では、鋼材表面にその成分元素である銅、リン、クロムなどの富化した保護性錆が形成されるため、無塗装で数十年の使用に耐えると言われている。
【0007】
しかしながら、塗料塗布する方法には、約20年毎に塗り替えを行う必要があり、そのための足場架設なども含めると多大なコストがかかるという問題があり、耐候性鋼材を使用すると、飛来塩分量の多い海岸沿いの鈑桁橋や道路凍結防止のために融雪塩が散布される鈑桁橋に対しては、保護性錆が形成され難く十分な耐候性が得られない。なお、上述の内容は鈑桁橋の主桁を箱桁とした箱桁橋についても同様である。
【0008】
このような問題を解決する方法として、鋼橋に吹き付ける風の流れを変えて主桁に付着する塩分を抑制する方法が提案されている(特許文献1、2)。
【0009】
図9(a)(b)は特許文献1記載の発明に係る鋼橋とその効果を説明する図で、ウェブ3の下端部に複数の孔5を設けて(図9(b))、主桁2の下面を流れる風6の一部を通過させ、主桁2の風上面と風下面の圧力差を緩和して、主桁2間への風の巻き込みを起こり難くし、循環流8を形成させ(図9(a))、主桁2内面側への塩分の流入を抑制し、鉄錆の発生を抑制することを特徴とする。
【0010】
図10(a)(b)は特許文献2記載の発明に係る鋼橋とその効果を説明する図で、風上側に位置する主桁のウェブ3の下側となるフランジ4に部材110を取り付けて風の流れ120を乱す構造とすることによって、フランジ4近傍における風の剥離を抑制し、主桁間に循環流を形成させることを特徴とする。
【0011】
特許文献1、2は循環流により、主桁内面側に塩分が多量に付着することを抑制し、鉄錆の発生を抑制することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−240009号公報
【特許文献2】特開2001−271311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは特許文献1および2記載の鈑桁の飛来塩分付着防止方法を更に改善すべく、風洞実験により鈑桁および箱桁周辺の気流と、桁内への塩分付着状況の検討を進めたところ、循環流が形成されていても、鈑桁および箱桁内面への塩分付着量が増大してしまう場合があり、循環流の形成が必ずしも鋼橋の耐食性向上に有効でないことを知見した。
【0014】
そこで、本発明は、鈑桁や箱桁周辺の気流の適切な制御により、雨による洗い流しの期待できない桁内面への飛来塩分付着量の低減が可能な耐久性の高い鈑桁橋および箱桁橋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は以下の手段により達成可能である。
1.主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して開孔された板状部材を垂直方向に設置したことを特徴とする鈑桁橋。
2.主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から開孔された板状部材を前記桁下フランジの下フランジ面から30〜45°傾けて設置したことを特徴とする鈑桁橋。
3.前記板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けたことを特徴とする1または2記載の前記桁下フランジの前記桁下フランジの鈑桁橋。
4.前記板状部材の幅が下フランジ幅よりも大きいことを特徴とする1乃至3のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
5.前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上であることを特徴とする1乃至4のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
6.鈑桁が2主鈑桁構造であることを特徴とする1乃至5のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
7.1〜6のいずれかに記載の鈑桁橋の鈑桁を箱桁としたことを特徴とする箱桁橋。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、風上側桁下フランジに開孔された板状の部材を下フランジから風が剥離する方向に対し直角方向の角度で設置することにより、風上側の桁下フランジから剥離する風の流れを乱し、同時に速度を減速させる。これにより、桁内への飛来塩分の流れの巻き込みを防止し、かつ桁ウェブに飛来塩分が直接衝突し難くする。
【0017】
また、周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れの大半を、風上側の桁下フランジから剥離した乱れた風の流れにより再び下流へ押し流す。
【0018】
時折、風上側の桁下フランジから剥離する乱れた風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内に戻って来ようとする流れとが桁下方で衝突し上昇流に乗って飛来塩分が桁内に侵入しようとするが、この上昇流は桁内に循環流を発生させるほどの速度を持っていないため、飛来塩分は、循環流による遠心力が作用しないため付着に必要な桁方向への衝突力が得られず、桁内空間を漂い、桁ウェブ内面の付着塩分量を半減させることできる。
すなわち、本発明は以下の効果を奏する。
1 飛来塩分が桁内に侵入し難くするとともに、桁内の循環流の発生を抑制できる。
2 1の結果、橋桁内への飛来塩分付着量を減少させ、錆の発生を抑止することができる。
3 2の結果、橋桁全体に防食を施すのではなく、防食部分を下フランジに限定することが可能となる。
4 3の結果、防食コストが縮減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を説明する図。
【図2】本発明を説明する他の図。
【図3】海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを模式的に示す図。
【図4】海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを再現した風洞実験結果(可視化実験結果(白煙=塩分粒子))を示す図。
【図5】開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を45°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図6】開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を45°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図7】風洞実験による粒子付着実験の概要図。
【図8】桁内に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)場合と、桁内に循環流が発生する(板状部材を取り付けない)場合について風洞実験による橋桁断面模型への粒子付着実験の結果を示す図。
【図9】特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋を説明する図で(a)は特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋に吹き付ける風を模式的に示す図で、(b)は特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋の構造を説明する図。
【図10】特許文献2の発明に係る鈑桁橋の下フランジ構造を説明する図で(a)は金網を下フランジ横に下フランジと平行に設置した状態を模式的に示す図で、(b)は金網をウェブ直下にウェブと平行に設置した状態を模式的に示す図。
【図11】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を0°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図12】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を0°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図13】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図14】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図15】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を60°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図16】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を60°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図17】板状部材の構成の一例を示す図。
【図18】規則的に開孔された板状の部材の開孔部の側面形状と風の剥離との関係を説明する模式図で、(a)は開孔部の孔側面に角を有さない場合、(b)は開孔部の孔側面に角を有する場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、鈑桁および箱桁構造の鋼橋の風上側となる桁下フランジの端部に、特定寸法の、風が通過する開孔された板状部材を、下フランジ外側自由突出部からの剥離流の受風面積が最も大きく渦の発生効率が最も高い、風が剥離する角度に対して垂直方向となるように傾けて設置する。以下の説明は2主鈑桁構造の鋼橋について行う。
【0021】
風が剥離する角度は、板状部材設置時に吹流しや風向計によって確認することも、下フランジとの接続部にトルク計を設置して「トルク最大=板状部材に作用する受風圧が最大=風が剥離する角度に対して直角の角度」の関係からも得られる。風が剥離する角度に対して垂直方向に傾ける場合、許容誤差範囲を±7.5度以内とする。つまり、本願において、風が剥離する角度に対して垂直方向とは、効果に大きく差の出ない垂直方向に対して±7.5度の範囲も含むことを意味する。
【0022】
図1は本発明を説明する模式図で、2主鈑桁橋に吹き付ける風によって主桁2のフランジ下面を流れる風6が下部フランジ4の個所Aで角度θ1で剥離する場合、開孔された板状部材9を風が剥離する角度θ1に対して垂直方向に傾けて設置する。以下、本発明を、風が剥離する角度θ1が45〜70°の場合において、板状部材9とフランジ下面が成す角度θ2を用いて説明する(図2)。
【0023】
図13、5、15及び11に、フランジ面との角度θ2を変化させて板状部材9を取り付けた状態および図14、6、16及び12に示す風洞実験により得られた橋桁断面模型周辺の流れ(白煙で示す)を模式的に示す。
【0024】
図13(図14)は、板状部材9を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた結果を示し、図5(図6)は角度θ2が45°の場合、図15(16)は角度θ2が60°の場合、図11(12)は角度θ2が0°の場合を示す。
【0025】
これらの図より、橋桁下方の流れは大きく異なっていないものの、桁内21の流れが大きく異なって、板状部材とフランジ面との角度θ2が0°、60°の場合、桁内21に循環流が発生し、一方、板状部材とフランジ面との角度θ2が30°、45°の場合、桁内に白煙が侵入しているが循環流が発生していないことが認められる。
【0026】
角度θ2が30°、45°の場合、板状部材の開孔部が風上側の桁下フランジから剥離する風の流れを乱し、同時に速度を減速させることにより、周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れの大半を、風上側の桁下フランジから剥離した乱れた風の流れにより再び下流へ押し流し、一部、風上側の桁下フランジから剥離する乱れた風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする流れとが桁下方で混合しこれらに含まれる飛来塩分が上昇し桁内21に侵入するものの、この上昇流は桁内21に循環流を発生させるほどの速度を持っていないためと推測される。
【0027】
一方、板状部材の設置角度が30°未満および60°以上では、格子孔から放出される渦が、格子よりも風上側の橋桁下方を通過する早い風の流れに引張られ周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れよりも下方に押し流されるため、橋桁の下流から桁内21への飛来塩分の侵入を防止できないためと推測される。
【0028】
図8に、桁内21に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)の場合と、桁内21に循環流が発生する(板状部材を取り付けない)場合について風洞実験による橋桁断面模型への粒子付着実験の結果を示す。桁内ウェブへの粒子付着量は、桁内21に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)場合、桁内ウェブへの粒子付着量が桁内に循環流が発生している場合の半分となっている。
【0029】
上述したように、循環流が発生せず、桁内ウェブへの粒子付着量が少ない原因は、格子孔から剥離した乱れを含む流れが風上側桁下フランジ下面に衝突し、後流に大きな巻き込みが発生せずしかも減速したため、桁ウェブに飛来塩分が直接衝突し難くなったとともに,風上側の桁下フランジから剥離する乱れた減速した風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする流れとが橋桁下方で混合し、桁内21への上昇流が緩やかになったためと推測される。
【0030】
以上の結果より、本発明では、開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度が30°〜45°となるように外側に突出して取り付けてもよい。
【0031】
図7は粒子付着実験を実施した風洞実験を説明する図で、風洞内の測定洞13に橋桁断面模型15を設置し、海塩粒子を想定した微粒子16を、風上側の微粒子発生装置14から飛散させ、模型表面に付着した粒子数を数えた。飛散粒子としては、大気中の塩分粒子径に近く、かつ付着後の画像識別が容易な球状のフェノール粒子を用いた。模型表面における粒子の捕獲は、粘着テープを貼付する方法を採用した。
【0032】
尚、開孔された板状部材における開孔形状は、円形でも矩形でもよく、棒部材を格子状に組んだものでもよいが、風の剥離点が固定されるように、板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けることが望ましい。ここで角とは、板状部材の表面と開孔側面とが交差する線状の部分である。
【0033】
図18(a)に示すように、開孔部の孔側面に角を有さない場合、風の剥離位置が風速によって変動するため、乱された風の流れ12とし、同時に速度を減速させる効果が安定的に得られない。一方、図18(b)に示すように、開孔部の孔側面に角を有している場合、風の剥離位置が風速に依存しないため、乱された風の流れ12とし同時に速度を減速させる効果が安定的に得られるためである。
【0034】
また、板状部材における開孔率45%超えでは風の流れを乱し同時に速度を減速させる効果が安定的に得られないため、45%以下とする。一方、開孔率が20%未満になると開孔部のない板状部材を設置した場合と同じく、風の剥離が下フランジ端部ではなく前記板状部材風上側端部から生じ、剥離した風と風下側桁下フランジとの距離が大きくなり、橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を増大させてしまう。
【0035】
また、流れの減速効果が小さくなるとともに渦の発生量も少なくなり、桁内に循環流が
発生し易くなるため、20%以上、より好ましくは30%以上、45%以下が望ましく、乱れを生じさせる効果を向上させるため、下フランジの長さ方向に沿って、つまり、橋軸直角(幅)方向に開孔部を3列以上とすることが望ましい。
【0036】
板状部材の幅が、下フランジ幅の1.5倍未満では、上述した開孔率を20%以上、より好ましくは30%以上、45%以下とすることにより得られる効果が十分得られないので、1.5倍以上とすることが好ましい。
【0037】
図17に板状部材9の一例を示す、角型の部材91を用いた0.66m×6mの格子状の板状部材で、0.06m×0.06mの断面を有する長さ6mの角形の部材91を0.2m間隔で4本併行に並べ、この4本の角材と直角を成すように0.06m×0.06mの断面を有する長さ0.66mの角形の部材92を0.2m間隔で設置した。尚、板状部材の長さおよび下フランジの長さ方向に取り付ける位置および板状部材の枚数は、本発明を適用する2主鈑桁構造の鋼橋が曝される環境(風向、風速など)を予め調査し、所望する耐食性能に応じて適宜決定すれば良い。
【0038】
本発明の作用効果は2主鈑桁構造に限定されるものでなく、2主箱桁構造でも等しく得られる。また、鈑桁および箱桁が3以上であっても、最も風上側の桁に開孔された板状部材を取り付けても同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0039】
1 床版
2 主桁
3 ウェブ
4 フランジ
5 孔
6 風
7 主桁間に巻き込まれる風の流れ
8 循環流
9 板状部材
91、92 部材
12 風の流れ
21 桁内
【技術分野】
【0001】
本発明は、風による塩分飛来の多い地点に建設されて好適な耐食性に優れた鈑桁橋および箱桁橋に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼橋、特に鈑桁橋が風とともに運ばれてくる塩分(飛来塩分という場合がある。)で腐食する場合、均一に腐食しない。橋桁架設地点に到達した飛来塩分が、風による移流により、橋桁断面周りに達した後、風の周り込み等、風速分布の影響を受けて不均一に桁に付着するためである。
【0003】
付着した塩分は、部位毎に異なった雨がかり、結露、および風の影響を再び受けて一部脱落し、再分配された残留付着塩分量が鋼材腐食の促進度合いに影響を与え、風雨にさらされない外桁内面および内桁は、塩分が脱落し難いため、腐食が進行しやすい。
【0004】
図3に、海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを模式的に、図4に風洞実験結果(可視化実験結果(白煙=塩分粒子))を示す。床版1およびウェブ3とフランジ4から構成された複数の主桁2および高欄10からなる一般的な鈑桁橋では、主桁2の下面を流れる風6は最も風上側に位置する主桁2の下部フランジ4で剥離するため、主桁2の風下面の負圧が強くなり、主桁2間に巻き込まれる風の流れ7が生じる。
【0005】
そのため、主桁2、特に、その内面側では、飛来塩分が付着して、鉄錆が生じ易い。なお、橋桁の最も端部に位置する主桁2の外面にも塩分が付着するが、この部分は、降雨によって洗浄されるので鉄錆は生じ難い。
【0006】
鈑桁橋の防錆対策として、一般的には、塗料塗布する方法や、耐候性鋼材を橋桁部材に使用する方法が採用されている。特に、耐候性鋼材を使用する方法では、鋼材表面にその成分元素である銅、リン、クロムなどの富化した保護性錆が形成されるため、無塗装で数十年の使用に耐えると言われている。
【0007】
しかしながら、塗料塗布する方法には、約20年毎に塗り替えを行う必要があり、そのための足場架設なども含めると多大なコストがかかるという問題があり、耐候性鋼材を使用すると、飛来塩分量の多い海岸沿いの鈑桁橋や道路凍結防止のために融雪塩が散布される鈑桁橋に対しては、保護性錆が形成され難く十分な耐候性が得られない。なお、上述の内容は鈑桁橋の主桁を箱桁とした箱桁橋についても同様である。
【0008】
このような問題を解決する方法として、鋼橋に吹き付ける風の流れを変えて主桁に付着する塩分を抑制する方法が提案されている(特許文献1、2)。
【0009】
図9(a)(b)は特許文献1記載の発明に係る鋼橋とその効果を説明する図で、ウェブ3の下端部に複数の孔5を設けて(図9(b))、主桁2の下面を流れる風6の一部を通過させ、主桁2の風上面と風下面の圧力差を緩和して、主桁2間への風の巻き込みを起こり難くし、循環流8を形成させ(図9(a))、主桁2内面側への塩分の流入を抑制し、鉄錆の発生を抑制することを特徴とする。
【0010】
図10(a)(b)は特許文献2記載の発明に係る鋼橋とその効果を説明する図で、風上側に位置する主桁のウェブ3の下側となるフランジ4に部材110を取り付けて風の流れ120を乱す構造とすることによって、フランジ4近傍における風の剥離を抑制し、主桁間に循環流を形成させることを特徴とする。
【0011】
特許文献1、2は循環流により、主桁内面側に塩分が多量に付着することを抑制し、鉄錆の発生を抑制することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−240009号公報
【特許文献2】特開2001−271311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは特許文献1および2記載の鈑桁の飛来塩分付着防止方法を更に改善すべく、風洞実験により鈑桁および箱桁周辺の気流と、桁内への塩分付着状況の検討を進めたところ、循環流が形成されていても、鈑桁および箱桁内面への塩分付着量が増大してしまう場合があり、循環流の形成が必ずしも鋼橋の耐食性向上に有効でないことを知見した。
【0014】
そこで、本発明は、鈑桁や箱桁周辺の気流の適切な制御により、雨による洗い流しの期待できない桁内面への飛来塩分付着量の低減が可能な耐久性の高い鈑桁橋および箱桁橋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は以下の手段により達成可能である。
1.主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して開孔された板状部材を垂直方向に設置したことを特徴とする鈑桁橋。
2.主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から開孔された板状部材を前記桁下フランジの下フランジ面から30〜45°傾けて設置したことを特徴とする鈑桁橋。
3.前記板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けたことを特徴とする1または2記載の前記桁下フランジの前記桁下フランジの鈑桁橋。
4.前記板状部材の幅が下フランジ幅よりも大きいことを特徴とする1乃至3のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
5.前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上であることを特徴とする1乃至4のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
6.鈑桁が2主鈑桁構造であることを特徴とする1乃至5のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
7.1〜6のいずれかに記載の鈑桁橋の鈑桁を箱桁としたことを特徴とする箱桁橋。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、風上側桁下フランジに開孔された板状の部材を下フランジから風が剥離する方向に対し直角方向の角度で設置することにより、風上側の桁下フランジから剥離する風の流れを乱し、同時に速度を減速させる。これにより、桁内への飛来塩分の流れの巻き込みを防止し、かつ桁ウェブに飛来塩分が直接衝突し難くする。
【0017】
また、周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れの大半を、風上側の桁下フランジから剥離した乱れた風の流れにより再び下流へ押し流す。
【0018】
時折、風上側の桁下フランジから剥離する乱れた風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内に戻って来ようとする流れとが桁下方で衝突し上昇流に乗って飛来塩分が桁内に侵入しようとするが、この上昇流は桁内に循環流を発生させるほどの速度を持っていないため、飛来塩分は、循環流による遠心力が作用しないため付着に必要な桁方向への衝突力が得られず、桁内空間を漂い、桁ウェブ内面の付着塩分量を半減させることできる。
すなわち、本発明は以下の効果を奏する。
1 飛来塩分が桁内に侵入し難くするとともに、桁内の循環流の発生を抑制できる。
2 1の結果、橋桁内への飛来塩分付着量を減少させ、錆の発生を抑止することができる。
3 2の結果、橋桁全体に防食を施すのではなく、防食部分を下フランジに限定することが可能となる。
4 3の結果、防食コストが縮減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を説明する図。
【図2】本発明を説明する他の図。
【図3】海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを模式的に示す図。
【図4】海岸近傍に架設された2主鈑桁橋に吹き付ける風の流れを再現した風洞実験結果(可視化実験結果(白煙=塩分粒子))を示す図。
【図5】開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を45°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図6】開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を45°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図7】風洞実験による粒子付着実験の概要図。
【図8】桁内に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)場合と、桁内に循環流が発生する(板状部材を取り付けない)場合について風洞実験による橋桁断面模型への粒子付着実験の結果を示す図。
【図9】特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋を説明する図で(a)は特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋に吹き付ける風を模式的に示す図で、(b)は特許文献1の発明に係る2主鈑桁橋の構造を説明する図。
【図10】特許文献2の発明に係る鈑桁橋の下フランジ構造を説明する図で(a)は金網を下フランジ横に下フランジと平行に設置した状態を模式的に示す図で、(b)は金網をウェブ直下にウェブと平行に設置した状態を模式的に示す図。
【図11】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を0°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図12】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を0°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図13】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図14】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図15】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を60°として取り付けた結果を模式的に示す図。
【図16】板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を60°として取り付けた風洞実験結果を示す図。
【図17】板状部材の構成の一例を示す図。
【図18】規則的に開孔された板状の部材の開孔部の側面形状と風の剥離との関係を説明する模式図で、(a)は開孔部の孔側面に角を有さない場合、(b)は開孔部の孔側面に角を有する場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、鈑桁および箱桁構造の鋼橋の風上側となる桁下フランジの端部に、特定寸法の、風が通過する開孔された板状部材を、下フランジ外側自由突出部からの剥離流の受風面積が最も大きく渦の発生効率が最も高い、風が剥離する角度に対して垂直方向となるように傾けて設置する。以下の説明は2主鈑桁構造の鋼橋について行う。
【0021】
風が剥離する角度は、板状部材設置時に吹流しや風向計によって確認することも、下フランジとの接続部にトルク計を設置して「トルク最大=板状部材に作用する受風圧が最大=風が剥離する角度に対して直角の角度」の関係からも得られる。風が剥離する角度に対して垂直方向に傾ける場合、許容誤差範囲を±7.5度以内とする。つまり、本願において、風が剥離する角度に対して垂直方向とは、効果に大きく差の出ない垂直方向に対して±7.5度の範囲も含むことを意味する。
【0022】
図1は本発明を説明する模式図で、2主鈑桁橋に吹き付ける風によって主桁2のフランジ下面を流れる風6が下部フランジ4の個所Aで角度θ1で剥離する場合、開孔された板状部材9を風が剥離する角度θ1に対して垂直方向に傾けて設置する。以下、本発明を、風が剥離する角度θ1が45〜70°の場合において、板状部材9とフランジ下面が成す角度θ2を用いて説明する(図2)。
【0023】
図13、5、15及び11に、フランジ面との角度θ2を変化させて板状部材9を取り付けた状態および図14、6、16及び12に示す風洞実験により得られた橋桁断面模型周辺の流れ(白煙で示す)を模式的に示す。
【0024】
図13(図14)は、板状部材9を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度θ2を30°として取り付けた結果を示し、図5(図6)は角度θ2が45°の場合、図15(16)は角度θ2が60°の場合、図11(12)は角度θ2が0°の場合を示す。
【0025】
これらの図より、橋桁下方の流れは大きく異なっていないものの、桁内21の流れが大きく異なって、板状部材とフランジ面との角度θ2が0°、60°の場合、桁内21に循環流が発生し、一方、板状部材とフランジ面との角度θ2が30°、45°の場合、桁内に白煙が侵入しているが循環流が発生していないことが認められる。
【0026】
角度θ2が30°、45°の場合、板状部材の開孔部が風上側の桁下フランジから剥離する風の流れを乱し、同時に速度を減速させることにより、周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れの大半を、風上側の桁下フランジから剥離した乱れた風の流れにより再び下流へ押し流し、一部、風上側の桁下フランジから剥離する乱れた風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする流れとが桁下方で混合しこれらに含まれる飛来塩分が上昇し桁内21に侵入するものの、この上昇流は桁内21に循環流を発生させるほどの速度を持っていないためと推測される。
【0027】
一方、板状部材の設置角度が30°未満および60°以上では、格子孔から放出される渦が、格子よりも風上側の橋桁下方を通過する早い風の流れに引張られ周期的に橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を含んだ流れよりも下方に押し流されるため、橋桁の下流から桁内21への飛来塩分の侵入を防止できないためと推測される。
【0028】
図8に、桁内21に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)の場合と、桁内21に循環流が発生する(板状部材を取り付けない)場合について風洞実験による橋桁断面模型への粒子付着実験の結果を示す。桁内ウェブへの粒子付着量は、桁内21に循環流が発生していない(板状部材とフランジ面との角度θ2が45°)場合、桁内ウェブへの粒子付着量が桁内に循環流が発生している場合の半分となっている。
【0029】
上述したように、循環流が発生せず、桁内ウェブへの粒子付着量が少ない原因は、格子孔から剥離した乱れを含む流れが風上側桁下フランジ下面に衝突し、後流に大きな巻き込みが発生せずしかも減速したため、桁ウェブに飛来塩分が直接衝突し難くなったとともに,風上側の桁下フランジから剥離する乱れた減速した風の流れと橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする流れとが橋桁下方で混合し、桁内21への上昇流が緩やかになったためと推測される。
【0030】
以上の結果より、本発明では、開孔された板状部材を風上側となる桁下フランジの端部にフランジ面との角度が30°〜45°となるように外側に突出して取り付けてもよい。
【0031】
図7は粒子付着実験を実施した風洞実験を説明する図で、風洞内の測定洞13に橋桁断面模型15を設置し、海塩粒子を想定した微粒子16を、風上側の微粒子発生装置14から飛散させ、模型表面に付着した粒子数を数えた。飛散粒子としては、大気中の塩分粒子径に近く、かつ付着後の画像識別が容易な球状のフェノール粒子を用いた。模型表面における粒子の捕獲は、粘着テープを貼付する方法を採用した。
【0032】
尚、開孔された板状部材における開孔形状は、円形でも矩形でもよく、棒部材を格子状に組んだものでもよいが、風の剥離点が固定されるように、板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けることが望ましい。ここで角とは、板状部材の表面と開孔側面とが交差する線状の部分である。
【0033】
図18(a)に示すように、開孔部の孔側面に角を有さない場合、風の剥離位置が風速によって変動するため、乱された風の流れ12とし、同時に速度を減速させる効果が安定的に得られない。一方、図18(b)に示すように、開孔部の孔側面に角を有している場合、風の剥離位置が風速に依存しないため、乱された風の流れ12とし同時に速度を減速させる効果が安定的に得られるためである。
【0034】
また、板状部材における開孔率45%超えでは風の流れを乱し同時に速度を減速させる効果が安定的に得られないため、45%以下とする。一方、開孔率が20%未満になると開孔部のない板状部材を設置した場合と同じく、風の剥離が下フランジ端部ではなく前記板状部材風上側端部から生じ、剥離した風と風下側桁下フランジとの距離が大きくなり、橋桁の下流から負圧によって桁内21に戻って来ようとする飛来塩分を増大させてしまう。
【0035】
また、流れの減速効果が小さくなるとともに渦の発生量も少なくなり、桁内に循環流が
発生し易くなるため、20%以上、より好ましくは30%以上、45%以下が望ましく、乱れを生じさせる効果を向上させるため、下フランジの長さ方向に沿って、つまり、橋軸直角(幅)方向に開孔部を3列以上とすることが望ましい。
【0036】
板状部材の幅が、下フランジ幅の1.5倍未満では、上述した開孔率を20%以上、より好ましくは30%以上、45%以下とすることにより得られる効果が十分得られないので、1.5倍以上とすることが好ましい。
【0037】
図17に板状部材9の一例を示す、角型の部材91を用いた0.66m×6mの格子状の板状部材で、0.06m×0.06mの断面を有する長さ6mの角形の部材91を0.2m間隔で4本併行に並べ、この4本の角材と直角を成すように0.06m×0.06mの断面を有する長さ0.66mの角形の部材92を0.2m間隔で設置した。尚、板状部材の長さおよび下フランジの長さ方向に取り付ける位置および板状部材の枚数は、本発明を適用する2主鈑桁構造の鋼橋が曝される環境(風向、風速など)を予め調査し、所望する耐食性能に応じて適宜決定すれば良い。
【0038】
本発明の作用効果は2主鈑桁構造に限定されるものでなく、2主箱桁構造でも等しく得られる。また、鈑桁および箱桁が3以上であっても、最も風上側の桁に開孔された板状部材を取り付けても同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0039】
1 床版
2 主桁
3 ウェブ
4 フランジ
5 孔
6 風
7 主桁間に巻き込まれる風の流れ
8 循環流
9 板状部材
91、92 部材
12 風の流れ
21 桁内
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して開孔された板状部材を垂直方向に設置したことを特徴とする鈑桁橋。
【請求項2】
主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から開孔された板状部材を前記桁下フランジの下フランジ面から30〜45°傾けて設置したことを特徴とする鈑桁橋。
【請求項3】
前記板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の前記桁下フランジの前記桁下フランジの鈑桁橋。
【請求項4】
前記板状部材の幅が下フランジ幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項5】
前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項6】
鈑桁が2主鈑桁構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の鈑桁橋の鈑桁を箱桁としたことを特徴とする箱桁橋。
【請求項1】
主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から風が剥離する角度に対して開孔された板状部材を垂直方向に設置したことを特徴とする鈑桁橋。
【請求項2】
主桁を複数有する鈑桁橋であって、風上側となる主桁の桁下フランジに、前記桁下フランジの外側の端部から開孔された板状部材を前記桁下フランジの下フランジ面から30〜45°傾けて設置したことを特徴とする鈑桁橋。
【請求項3】
前記板状部材の開孔部は開孔側面の少なくとも一端に角が形成され、前記角が形成された開孔部が風上側となるように板状部材を下フランジに取り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の前記桁下フランジの前記桁下フランジの鈑桁橋。
【請求項4】
前記板状部材の幅が下フランジ幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項5】
前記開孔部が橋軸直角方向に3列以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項6】
鈑桁が2主鈑桁構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の鈑桁橋。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の鈑桁橋の鈑桁を箱桁としたことを特徴とする箱桁橋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図17】
【図18】
【図4】
【図6】
【図12】
【図14】
【図16】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図17】
【図18】
【図4】
【図6】
【図12】
【図14】
【図16】
【公開番号】特開2012−202096(P2012−202096A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67078(P2011−67078)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
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