説明

鉄道用情報通信システム

【課題】既存の信号電源線をPLC通信の通信路として用いた鉄道用情報通信システムを提供する。
【解決手段】この発明による鉄道用情報通信システムは、駅舎設備内に配線された信号電源線56を介して接続されるメイン制御装置10と端末装置20、30との間で、信号電源線56を通信路として用いるPLC通信によって情報を伝送する。本システムを用いた旅客案内では、メイン制御装置10内の旅客案内装置2が、運行管理システム1から受信した各種列車情報から旅客案内情報を生成し、そのデータを、旅客案内装置用PLCモデム6を介して信号電源線56に伝送する。端末装置20(30)は、信号電源線56から自動放送用PLCモデム21(表示器用PLCモデム31)を介して、旅客案内情報を取り込み、音声情報(表示情報)に変換後、放送装置23(表示器33)による案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道における旅客案内等のための情報通信を行う、鉄道用情報通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、鉄道駅舎内の改札口やホーム・コンコースに表示器が設けられ、列車名や列車の発車時刻・行先等が表示される旅客案内システムが用いられていた。この従来の旅客案内システムでは、旅客情報を受信する旅客案内装置に基地局を設け、表示器側の基地局に無線による通信手段によって必要となる情報を伝送していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−71909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献のように無線による通信手段を用いる場合、無線基地局と無線基地局の間に電波を吸収する媒体(人体、雨等)の横断や遮蔽が生じ、安定した伝送の確保には問題が多かった。従って、安定した無線通信を行うためには、無線基地局の設置位置に制約が生じ、またその個数も増やす必要があった。さらに、安全なで正確な鉄道運営を行うためには、無線通信における問題、つまり、外部からの通信妨害・無線傍受等に起因するトラブルを防ぐ必要があり、情報保守管理面を強化する必要があった。
【0005】
この発明は、上述のような問題点を解消するためになされたもので、セキュリティーを確保した上で、安定した鉄道情報の通信が可能であり、さらに、簡単な作業によって、表示器等の端末装置を追加/削除することが可能な鉄道情報通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる鉄道用情報通信システムは、駅舎設備内に配線された信号電源線、上記信号電源線を介して接続されたメイン制御装置と端末装置を含み、上記メイン制御装置と上記端末装置との間で上記信号電源線を通信路として用いるPLC(Power Line Communication、電力線搬送通信)通信によって情報を伝送するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の鉄道用情報通信システムによれば、駅舎設備内に布設された既存の信号電源線をPLC通信の通信路として用いて旅客案内を行うため、新たに通信路を設ける必要がなく、通信路の布設費用、保守費用等をおさえることができる。また、通信路が信号電源線(有線)であるため、無線通信の場合よりも安定した通信が可能となる。さらに、通信路である信号電源線が、鉄道専用の配線であり、外部に通じていないため、この通信路に対する外部からの不正なアクセスを防止でき、情報保守管理面(セキュリティー面)においても優れているという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1および図2を用いて、この発明の実施の形態1による鉄道用情報通信システムの構成および動作について説明する。
図1は、この発明の鉄道用情報通信システムが繋げられる電力系統を示す概要図である。図1に示すように、鉄道会社保有の変電所51aと51bの間の区間には、き電電源線53と、信号電源線56とが布設されている。き電電源線53は、この区間を走行する電車車両63を駆動させるための電力を送電する電源線であり、また、信号電源線56は、信号用の電力や各駅の電灯・動力用の電力を送電する電源線である。
【0009】
変電所51aと変電所51bの区間に存在する各駅(図中のZ駅60を含む複数の駅。)においては、各種信号設備(例えば、メイン制御装置10、端末装置20、30等。図1中には、設備の一部のみを表示する。なお、詳細については後述する。)を動作させる電源を信号電源線56から取得する。例示するように、駅舎61とホーム・コンコース62とによって主に構成されるZ駅(駅舎設備に相当する。)60において、信号電源線56からの給電が、駅舎61内に配置され、旅客案内に用いられる旅客案内装置2を含むメイン制御装置10、ホーム・コンコース62側に配置される放送装置(案内設備装置に相当する。)23を含む端末装置20、表示器(案内設備装置に相当する。)33を含む端末装置30に対して行われている。
【0010】
なお、信号電源線56への給電においては、変電所51a(または変電所51b)からの給電から、変電所51b(または変電所51a)からの給電に、定期的な切換がなされる。この給電方向の定期的な切換により、計画的に瞬間的な停電が発生する。そのため、信号電源線56に電源安定化装置52を接続し、各種信号設備への給電を安定化させている。電源安定化装置52の一例としては無停電装置(UPS)を用いることができる。
【0011】
上述した各種信号設備(メイン制御装置10、端末装置20、30)は、それぞれ、信号電源線56に繋げられたPLCモデム(旅客案内装置用PLCモデム6、自動放送用PLCモデム21、表示器用PLCモデム31)を含み、それらPLCモデムを介して、各種信号設備間で情報を送受信するPLC通信が可能な構成となっている。なお、旅客案内装置用PLCモデム6と旅客案内装置2とが専用の信号線10aによって接続され、同様に、放送装置23と自動放送用PLCモデム21とが専用の信号線20aによって、また表示器33と自動放送用PLCモデム31とが専用の信号線30aによって接続された状態となっている。図1中には、信号線10a、20a、30aは、信号電源線56(実線で示す。)との区別のため、破線によって示しているが、これらの信号線は有線とする。
【0012】
次に、この発明の鉄道用情報通信システムの、駅舎設備(Z駅60の設備、すなわち駅舎61およびホーム・コンコース62に配置される設備。)内における情報通信ネットワークについて、図2の配線図を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、旅客案内のためのメイン制御装置10は、外部から各種列車情報を受け取る旅客案内装置2と、これに繋がる連動装置3および入力装置4、さらにPLC通信の通信路(伝送経路)としての信号電源線56に繋げるための旅客案内装置用PLCモデム6によって、主に構成され、各機器間は専用の通信線2a(10a)、3a、4a、5(10a)、6a(10a)によって接続されている。このメイン制御装置10は、駅舎61内の、例えば駅事務室に配置される。
【0013】
メイン制御装置10には、外部の運行管理システム1から通信線1aおよび2aを介して、各種列車情報が伝送される。この各種列車情報は、実際の列車の運行状況(列車の位置や遅延時分等)や、その列車が持つ運行情報(着発時刻や到着番線等の情報)などを含むデータである。また、旅客案内装置2は、例えば駅事務室内に備えられ、メイン制御装置10を構成する入力装置4により任意に入力された情報を、通信線4aを介して受信し、各種列車情報に加味する構成となっている。さらに、メイン制御装置10を構成する連動装置3では、駅構内の在線位置や信号機状態などの連動情報が得られる。連動情報は、通信線3aを介して、旅客案内装置2に伝達され、この連動情報をトリガーとして、旅客案内装置2において、各列車に対する旅客案内情報を生成する。この旅客案内情報は、通信線2a、5、6a(これらの通信線が図1中の通信線10aに相当する。)を介して旅客案内装置用PLCモデム6に伝送される。
【0014】
旅客案内装置用PLCモデム6において、旅客案内情報は、信号電源線(電力線)56を伝送経路とするPLC(電力線搬送波通信)24の伝送方式に変換され、信号電源線56に繋げられた端末装置20、30側に伝送される。
なお、上述した運行管理システム1、旅客案内装置2、連動装置3、入力装置4、旅客案内装置用PLCモデム6は、それぞれ信号電源線56から電源を供給され、駆動しているものであるが、図2では、主に通信線としての信号電源線56を示し、各装置への給電状態を示す配線については記載を省略している。
【0015】
駅設備内のホーム・コンコース62側に配置される端末装置20は、PLC通信の通信路である信号電力線56に繋げられ、PLCの伝送方式の旅客案内情報を、元の旅客案内情報に復元する自動放送用PLCモデム21、この自動放送用PLCモデム21から伝送される復元された旅客案内情報を受信し、音声情報に変換する自動放送コントローラ22、音声情報を受信し、自動放送を行う放送装置23(スピーカー機能を有する。)を含む構成である。自動放送用PLCモデム21と自動放送コントローラ22間は専用の通信線21aによって接続され、自動放送コントローラ22と放送装置23間は専用の通信線22aによって接続される。なお、図2中の通信線21aおよび22aは、図1中の通信線20aに相当している。
なお、この端末装置20においても、自動放送用PLCモデム21、自動放送コントローラ22、放送装置23は、信号電源線56から駆動電源を供給されているが、通信路としての配線状態を説明するための信号電源線56のみを示し、各装置への給電状態を示す配線については記載を省略している。
【0016】
また、同様に、駅設備内のホーム・コンコース62側に配置される端末装置30は、PLC通信の通信路である信号電力線56に繋げられ、PLCの伝送方式の旅客案内情報を、元の旅客案内情報に復元する表示器用PLCモデム31、この表示器用PLCモデム31から伝送される復元された案内情報を受信し、表示情報に変換する表示器コントローラ32、表示情報を受信し、その表示情報を、電光掲示等の方法で表示する表示器33を含む構成である。表示器用PLCモデム31と表示器コントローラ32間は専用の通信線31aによって接続され、表示器コントローラ32と表示器33間は専用の通信線32aによって接続される。なお、図2中の通信線31aおよび32aは、図1中の通信線30aに相当している。
この端末装置30においても、表示器用PLCモデム31、表示器コントローラ32、表示器33は、信号電源線56から駆動電源を供給されているが、通信線の配線状態を説明するための信号電源線56のみを示し、各装置への給電状態を示す配線については記載を省略している。
【0017】
上記のような構成の鉄道用情報通信システムを用いることで、旅客案内装置2において生成する旅客案内情報を、旅客案内装置用PLCモデム6によってPLC伝送方式に変換した上で、信号電源線56を伝送経路として端末装置20または30側に配信することができる。従って、従来技術のように無線による通信を用いず、既存の有線である信号電力線56を用いて通信回路(駅舎設備内ネットワーク)を構築しているため、無線による伝送方式の場合に問題となる外部遮蔽物等に起因する伝送ロスの影響や設置位置の制限等を除外でき、良好な通信状態を確保することができる。
【0018】
さらに、本システムにおいては、メイン制御装置10と端末装置20、30の通信路として、駅設備内に布設が完了している信号電源線56を用いるため、本システムを実現するために新たな通信回路を布設する必要がなく、この部分の施行費用および保守管理費用が削減できる。
また、PLC通信の通信路となる信号電源線56は、商用電源の配線とは異なり、鉄道会社保有の変電所51a、51bからの給電線であり、鉄道の駅設備内においても、外部から不正にアクセスすることができない配線となっている。従って、信号電源線56をPLCの通信線として用いることは、セキュリティー面においても優れている。
【0019】
なお、図2中に、各種通信線において伝送される情報(各種列車情報、旅客案内情報、音声情報、表示情報。)の通信方向を矢印で示したが、これとは逆方向に情報が伝送される場合もある。その情報とは、例えば、管理上に用いる生存監視情報である。生存監視情報とは、端末装置20(30)が、メイン制御装置10に繋がっていること(端末装置が存在すること)を示す情報である。
【0020】
上記の例では、鉄道用情報通信システムを旅客案内のために用いることについて述べたが、旅客案内以外の用途、例えば職員間の連絡用等、予備的な通信手段としても、このシステムを用いることが可能である。
【0021】
また、上記の例では、端末装置20、30がそれぞれ一台ずつシステムに組み込まれた場合について示しているが、規模が小さい駅においては、放送装置23または表示器33のいずれかの案内のみ実施することも考えられる。その場合は、端末装置20または30のいずれか一方を、ホームに配置し、用いるものとする。なお、駅舎設備の規模や形状に応じて、必要となる数の端末装置を、信号電源線56に繋いで設置できることについては、言うまでもない。
【0022】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について、図3を用いて説明する。先述の実施の形態1においては、メイン制御装置10に対して、放送装置23が組み込まれた端末装置20と、表示器33が組み込まれた端末装置30とが、それぞれ1台づつ、信号電源線56を介して接続されているモデルについて例示した。この実施の形態2では、図3に示すように、鉄道用情報通信システムに対して、放送装置23が組み込まれた端末装置20(40)が複数台、表示器33が組み込まれた端末装置30(50)が複数台、接続されている場合について説明する。
【0023】
既存の信号電源線56を用いて通信回線を構築するため、信号電源線56が存在する範囲において、複数の自動放送用PLCモデム21、複数の表示器用PLCモデム31、旅客案内装置用PLCモデム6を接続することにより、これらのPLCモデムを介して、複数の装置間(旅客案内装置2と端末装置20、30、40、50との間)における一般的なIP(インターネット・プロトコル)ネットワーク網25を構築できる。図3中の符号25で示す太実線は、IPネットワーク網の広がりおよび接続状況を示すためのイメージをあらわすものである。これにより、伝送経路を意識することなく、既存の技術を用いて任意の機器と自在に通信することが可能な鉄道用情報通信システムを構築することができ、システム導入時の設計費用の削減が可能である。
【0024】
旅客案内に本システムを用いる場合においては、旅客案内装置2が情報源(親)となるため、全てのデータは旅客案内装置用PLCモデム6から発信され、残り全てのモデム(複数の自動放送用PLCモデム21、複数の表示器用PLCモデム31。)に配信される、マルチキャスト方式の通信を行う。なお、接続する端末装置の種類や数については、駅施設の規模や形状に応じて、必要となる台数を設置すれば良い。
【0025】
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、既存の設備である信号電源線56を通信路として用いるため、通信回線の布設管理費用を削減できる上、無線よりも良好な通信状態を確保でき、さらに外部からの不正なアクセス等、通信妨害を防ぐことができ、セキュリティ面でも優れているという効果がある。
【0026】
実施の形態3.
上述の実施の形態2においては、メイン制御装置10と複数の端末装置20、30、40、50とをマルチキャスト方式の通信によって結ぶことについて述べた。この実施の形態3では、旅客案内装置2と複数の端末装置(自動放送コントローラ22、表示器コントローラ32。)間の通信を、1対不特定多数の通信方式であるブロードキャスト通信を併用して行うものとする。
【0027】
図4に示すように、旅客案内装置2と複数のコントローラ(自動放送コントローラ22、表示器コントローラ32。)との間で、ブロードキャスト通信により、旅客案内情報あるいはその情報をPLCの伝送方式に変換した情報を伝送するシステムとすることで、端末装置30を信号電源線56に接続あるいは切り離す作業をすることで、容易にこの端末装置30を鉄道用情報通信システムに対して追加あるいは削除することが可能となる。他の端末装置についても同様に、システムに対して追加/削除を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0028】
本システムの通信方式として、ブロードキャスト通信を併用することで、旅客案内装置2を構成するプログラムの修正/変更を行わずに、信号電源線56が存在する範囲において、自動放送用PLCモデム21を含む端末装置20(40)や、表示器用PLCモデム31を含む端末装置30(50)を、任意に追加または削除することが可能となる。このため、駅構内の配置変更や、増改築等の際に、容易に端末装置20(40)、30(50)を追加/削除(移動も含む。)することができる。
【0029】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について、図5を用いて説明する。上述の実施の形態1から3においては、駅舎61およびホーム・コンコース62からなる駅舎設備内での旅客案内について主に説明したが、この実施の形態4では、図5の電力系統概要図に示すように、き電電源線53をPLC通信の通信路として利用し、この区間を走行する電車車両63に旅客案内情報を提供する鉄道用情報通信システムについて説明する。
【0030】
駅舎61内の旅客案内装置2から、電車車両63へデータを送信する場合、信号電源線56とき電電源線53との間を繋ぐ専用の通信線57aを配線し、この通信線57aの両端の、信号電源線56、き電電源線53との接続位置には、渡り用PLCモデム57をそれぞれ設置する。また、電車車両63内には、き電電源線53から受け取る情報(PLCの伝送方式)を復元するための車両用PLCモデム58と、放送装置や表示器などの車内用案内設備装置59を搭載させる。なお、この車内用旅客案内設備装置59は、旅客案内情報から音声情報や表示情報を生成する機能を有するものとする。
【0031】
上記のような構成を含む鉄道用情報通信システムでは、旅客案内装置2から配信される旅客案内情報は、渡り用PLCモデム(信号電源線側)57、通信路57a、渡り用PLCモデム(き電電源線側)57、き電電源線53、車内用PLCモデム58を経由して車内用案内設備装置59に伝送され、この旅客案内情報をもとに、放送または表示による案内が電車車両63に乗車中の乗客に対してなされる。
【0032】
通常では、電車車両63内に乗車している乗客は、駅舎内にいる場合よりも鉄道関連情報(旅客案内情報)を取得しにくい状態にあると言えるが、き電電源線53をPLC通信の通信路とすることで、電車車両63内においても、通信路を一つ多く確保でき、乗客への安定した旅客案内サービスを実施することができるという効果がある。また、駅舎設備内における旅客案内と、電車車両63内の旅客案内とを同期させることが実現でき、乗客への誤った案内や、情報不一致による混乱を回避でき、旅客案内サービスの質をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1による鉄道用情報通信システムを含めた電力系統概要図である。
【図2】この発明の実施の形態1による鉄道用情報通信システムの配線図である。
【図3】この発明の実施の形態2による鉄道用情報通信システムの配線図である。
【図4】この発明の実施の形態3による鉄道用情報通信システムの配線図である。
【図5】この発明の実施の形態4による鉄道用情報通信システムを含めた電力系統概要図である。
【符号の説明】
【0034】
1 運行管理システム
1a、2a、3a、4a、5、6a、10a、20a、21a、22a、30a、31a、32a、57a 通信線
2 旅客案内装置 6 旅客案内装置用PLCモデム
10 メイン制御装置 20、30、40、50 端末装置
21 自動放送用PLCモデム 23 放送装置
24 PLC(電力線搬送波通信) 25 IPネットワーク網
31 表示器用PLCモデム 33 表示器
51a、51b 変電所 52 電源安定化装置
53 き電電源線 56 信号電源線
57 渡り用PLCモデム 58 車内用PLCモデム
59 車内用案内設備装置 60 Z駅(駅舎設備)
61 駅舎 62 ホーム・コンコース
63 電車車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅舎設備内に配線された信号電源線、上記信号電源線を介して接続されたメイン制御装置と端末装置を含み、上記メイン制御装置と上記端末装置との間で上記信号電源線を通信路として用いるPLC通信によって情報を伝送することを特徴とする鉄道用情報通信システム。
【請求項2】
旅客案内に用いる鉄道用情報通信システムであって、上記メイン制御装置は、列車の運行状態を管理する運行管理システムから伝送される各種列車情報を受信し、旅客案内情報を生成する旅客案内装置と、上記信号電源線との接続のための旅客案内装置用PLCモデムを含み、上記端末装置は、上記信号電源線との接続のための端末用PLCモデムと、上記旅客案内情報を受け、表示情報または音声情報に変換するためのコントローラと、上記表示情報および上記音声情報の少なくともいずれか一方若しくは両方を、表示または放送する案内設備装置を含むことを特徴とする請求項1記載の鉄道用情報通信システム。
【請求項3】
上記案内設備装置は、上記表示情報を表示する表示器、または上記音声情報を放送する放送装置であり、上記表示器と上記放送装置のいずれか若しくは両方が、駅舎設備内に単数または複数台配置されることを特徴とする請求項2記載の鉄道用情報通信システム。
【請求項4】
上記メイン制御装置と複数の上記端末装置とが、上記旅客案内装置用PLCモデムと複数の上記端末用PLCモデムとを介して上記信号電源線に接続され、上記メイン制御装置と複数の上記端末装置との間でIPネットワーク網を構築することを特徴とする請求項2記載の鉄道用情報通信システム。
【請求項5】
上記旅客案内装置と上記コントローラ間でブロードキャスト通信により上記旅客案内情報を伝送するシステムとし、上記鉄道用情報通信システムに対し、上記端末装置を上記信号電源線に接続/切り離しすることで、追加/削除することを特徴とする請求項2または請求項4記載の鉄道用情報通信システム。
【請求項6】
電車車両に電源を供給するとともにPLC通信の通信路となるき電電源線、上記き電電源線と上記信号電源線との間に配線された通信線、上記通信線の両端にそれぞれ接続された渡り用PLCモデムを含み、上記電車車両は、車両用PLCモデムおよびそれに繋がる車内用案内設備装置を備え、上記旅客案内装置から配信される上記旅客案内情報は、上記渡り用PLCモデムおよび上記通信線を介して上記き電電源線に伝送され、上記き電電源線から上記車両用PLCモデムを介して上記車両用案内設備装置に取り込まれ、上記車内用案内設備装置は、上記旅客案内情報から表示情報または音声情報を生成し、該情報を表示または放送することを特徴とする請求項2記載の鉄道用情報通信システム。
【請求項7】
上記信号電源線には、供給電源を安定化させる電源安定化装置が接続されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項6のいずれか一項記載の鉄道用情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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