説明

鉄道車両用連結幌扉

【課題】切妻を有する車両端部における外幌と同様に、先頭車両等の丸妻を有する車両端部において、外観上の制約を受けることなく外幌の設置を可能とし、車両同士の連結面から線路への人の転落を防ぐ。
【解決手段】左右分割扉12A、12Bの各々を、開閉機構14によって開扉位置へと移動させ、左右分割扉の一方12Aを、転回機構28により車体妻面と直角方向に転回させる扉12Aと、扉12Aに沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように固定された保護板32とを、鉄道車両の連結面の隙間をふさぐ外幌として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両用連結幌扉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の妻面には、一般に、前後に隣接する車両間での乗客の往来を可能とするための連結通路が形成され、この連結通路は連結幌(図10の符号50を参照)で覆われている。又、車両編成の自由度を高める等の理由から、先頭車両の妻面にもこの連結通路及び連結幌が設けられることがある。このような場合には、外観上の観点から先頭車両の妻面に連結幌を格納し、なおかつ、格納された連結幌を、外側から幌扉で覆い隠すことも広く行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
さて、図5から図9には、特急用車両等のいわゆる丸妻を有する先頭車両10の幌扉12が示されている。図示の例では、連結幌扉12は、妻面開口部を二枚の扉12A、12Bで覆う左右分割扉である。又、各扉12A、12Bを、妻面中央に格納された連結幌を覆う位置(本説明では、「閉扉位置」という。)と、連結幌を避けた車幅方向側方寄りの「開扉位置」へと移動させる開閉機構14として、扉12A、12Bの各々と先頭車両10の車体とを連結する平行リンク16(16A、16B)を備えている。そして、伸縮式アクチュエータ22により平行リンク16が駆動されることで、幌扉12は、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、閉扉位置と開扉位置との間を移動する、いわゆる「プラグドア」を構成しているものである。
なお、図示の例では、平行リンク16は、車幅方向中央寄りに位置する直線状のロッド18と、車幅方向側方寄りに位置するコ字状のロッド20とで構成されており、両ロッドは幾何学的には平行ではないが、エアシリンダ等の伸縮式アクチュエータ22の伸縮ロッド22aが、コ字状のロッド20の中間部に連結されることで、図6、図8に示される幌扉12の開扉位置において、平行リンク16及び伸縮式アクチュエータ22と、妻面開口端24(図8)との干渉を防ぐものである。一方、幌扉12の動作は、これらロッドが何れも直線をなし幾何学的に平行である場合と何ら変わりはなく、機能的には直線状のロッド18とコ字状のロッド20とによって、平行リンク16を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−136764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プラットホームに停車中の鉄道車両の連結面の隙間から、利用者が線路へと転落することを防ぐために、図10(a)に示されるように、中間車両11、11の妻面の車両幅方向端部には、転落防止用の外幌26が設けられている(例えば、特開2002−173023参照)。この外幌26は一般にゴム板等からなり、前後車両の妻面の双方に固定されている。しかしながら、図10(a)に示される、切妻を有する中間車両11同士の連結面の車幅方向端部間距離Xよりも、図10(b)に示される、丸妻を有する先頭車両10同士の連結面の車幅方向端部間距離Xの方が大きくなることから、外幌26を大型化して対応する必要があり、外観上の制約から、丸妻を有する先頭車両10外幌26を装着することが困難となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切妻を有する車両端部における外幌と同様に、先頭車両等の丸妻を有する車両端部において、外観上の制約を受けることなく外幌の設置を可能とし、車両同士の連結面から線路への人の転落を防ぐことを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)車体妻面の車幅方向中央に格納された連結幌を車体外側から覆う幌扉であって、該幌扉を、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、前記連結幌を避けた車幅方向側方寄りかつ車幅内の開扉位置へと移動させる開閉機構と、開扉位置において車体妻面と直角方向に転回させるための転回機構とを備える鉄道車両用連結幌扉(請求項1)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、開閉機構によって、幌扉を、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、連結幌を避けた車幅方向側方寄りの開扉位置へと移動させ、更に、開扉位置において転回機構により車体妻面と直角方向に転回させることで、幌扉を、車幅方向側方寄りの車体側方にはみ出さない位置で、鉄道車両の連結面の隙間をふさぐ外幌として機能させるものとなる。
なお、本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、丸妻、切妻のいずれも設置対象とし得るものであるが、「車体妻面と平行又はほぼ平行な状態」及び「車体妻面と直角方向」という場合の妻面は、丸妻であっても一部に存在する車幅方向と平行な面を基準として意味を理解するものとする。
【0008】
(2)上記(1)項において、前記幌扉は左右分割扉であり、前記開閉機構は、該左右分割扉の各々に設けられ、前記転回機構は前記左右分割扉の少なくとも一方に設けられている鉄道車両用連結幌扉(請求項2)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、左右分割扉の各々を、開閉機構によって、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、連結幌を避けた車幅方向側方寄りかつ車幅内の開扉位置へと移動させる。そして、左右分割扉の少なくとも一方を、転回機構により車体妻面と直角方向に転回させることで、幌扉を、車幅方向側方寄りの車体側方にはみ出さない位置で、鉄道車両の連結面の隙間をふさぐ外幌として機能させるものとなる。なお、左右分割扉の扉幅と、車両の連結面の車幅方向端部間距離に応じ、左右分割扉の一方のみ車体妻面と直角方向に転回させ、若しくは、両方を転回させて、連結面の隙間を塞ぐこととする。
【0009】
(3)上記(2)項において、前記転回機構を備える扉の車体内側面に、弾性材料からなる保護板が、該扉に沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように取り付けられている鉄道車両用連結幌扉(請求項3)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、転回機構を備える扉の車体内側面に、扉に沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように取り付けられた保護板によっても、隣り合う車両の妻面の幌扉との隙間を塞ぐものとなる。しかも、保護板は弾性材料からなることで、隣り合う車両又は妻面の幌扉と当接しても、相手側に傷等の損傷を与えることがない。
なお、扉幅の少なくとも一部とは、プラットホームに停車中の鉄道車両の連結面の隙間から、利用者が線路へと転落することを防ぐために必要十分な範囲に、設けられていれば良いとの趣旨である。
【0010】
(4)上記(1)、(2)項において、前記扉の少なくとも一部分が弾性材料により構成されている鉄道車両用連結幌扉(請求項4)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、前記扉の少なくとも一部分が弾性材料により構成されていることで、車体妻面と直角方向に転回させた幌扉が、隣り合う車両の妻面又は幌扉と当接しても、相手側に傷等の損傷を与えることがない。
ここで、扉の少なくとも一部とは、扉の全体若しくは転回状態で、相手側の車両妻面又は幌扉と当接する端部から一定範囲が、弾性部材により構成されるものである。
【0011】
(5)上記(1)から(4)項において、前記開閉機構は、扉と車体とを連結する平行リンクを含み、前記転回機構は、前記平行リンクの一片として組み込まれた伸縮ロッドを含む鉄道車両用連結幌扉(請求項5)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、扉と車体とを連結する平行リンクによって、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、閉扉位置と開扉位置との間を移動するものである。又、平行リンクの一片として組み込まれた伸縮ロッドを含む転回機構によって、開扉位置において扉を車体妻面と直角方向に転回させるものである。
【0012】
(6)上記(5)項において、前記開閉機構の平行リンクを駆動する伸縮式アクチュエータと、前記転回機構の伸縮ロッドを構成する伸縮式アクチュエータとを備える鉄道車両用連結幌扉(請求項6)。
本項に記載の鉄道車両用連結幌扉は、開閉機構の平行リンクを伸縮式アクチュエータにより駆動することで、閉扉位置と開扉位置との間を移動するものである。又、転回機構の伸縮ロッドを構成する伸縮式アクチュエータによって、開扉位置において車体妻面と直角方向に転回させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明はこのように構成したので、切妻を有する車両端部における外幌と同様に、先頭車両等の丸妻を有する車両端部において、外観上の制約を受けることなく外幌の設置を可能とし、車両同士の連結面から線路への人の転落を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、(a)は閉扉状態を示す正面図、(b)は同横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、(a)は開扉状態を示す正面図、(b)は同横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、(a)は転回状態を示す正面図、(b)は同横断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、先頭車両同士を連結し、妻面間に連結幌を掛け渡した状態を示す横断面図である。
【図5】従来の鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、(a)は閉扉状態を示す正面図、(b)は同横断面図である。
【図6】従来の鉄道車両用連結幌扉を模式的に示すものであり、(a)は開扉状態を示す正面図、(b)は同横断面図である。
【図7】図5、図6に示される従来の鉄道車両用連結幌扉の縦断面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】従来の車両同士の連結面を示す平面図であり、(a)は切妻を有する中間車両同士の連結面を、(b)は丸妻を有する先頭車両同士の連結面を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉は、図1から図3に示されるように、幌扉12を、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、連結幌を避けた車幅方向側方寄りの開扉位置へと移動させる開閉機構14に加え、開扉位置において幌扉12を車体妻面と直角方向に転回させるための転回機構28を備えている。
図示の例では、幌扉は左右分割扉12A、12Bであり、開閉機構14は、左右分割扉12A、12Bの各々に設けられている。又、転回機構28は、左右分割扉の一方12Aにのみ設けられている。
【0016】
更に、開閉機構14の平行リンク18、20を駆動する伸縮式アクチュエータ22に加え、転回機構28には、平行リンクの一片として組み込まれた伸縮式アクチュエータ30を含んでいる。なお、図示の例では、伸縮式アクチュエータ30は、開閉機構14の伸縮式アクチュエータ22と同様に、エアシリンダが採用されている。そして、開閉機構14を構成する平行リンクのうち、車幅方向中央寄りに位置する平行リンク18を、この伸縮式アクチュエータ30に置換するものである。
又、転回機構28を備える扉12Aの車体内側面に、弾性材料からなる保護板32が、扉12Aに沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように取り付けられている(図2参照)。なお、保護板32の寸法は、後述の如く先頭車両10同士を連結した状態において(図4参照)、相手側の車両妻面の扉12Bに接近ないし当接しうるように設定される。
【0017】
ここで、図1から図3を参照しながら、本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉の作動手順を説明する。
まず、図1に示される閉扉状態では、左右分割扉12A、12Bは、連結幌が格納された妻面開口部を覆い隠して、妻面と面一状態となっている。このとき、開閉機構14の伸縮式アクチュエータ22の伸縮ロッド22aと、転回機構28の伸縮式アクチュエータ30の伸縮ロッド30aは、何れも縮んだ状態となっている。このとき、転回機構28を備える扉12Aの車体内側面に取り付けられた保護板32は、扉12Bの車体内側面に重なるようにして車体内部に格納されている(図1(b)参照)。
【0018】
この状態から伸縮式アクチュエータ22の伸縮ロッド22aを伸張させることで、開閉機構14の平行リンク18、20を駆動し、図2に示される開扉位置へと、左右分割扉12A、12Bを移動させる。各扉12A、12Bの開扉位置は、連結幌を避けた車幅方向側方寄りかつ車幅内(車体側方にはみ出さない位置)に設定されている。この開閉動作の際には、転回機構28の伸縮式アクチュエータ30の伸縮ロッド30aは、縮んだ状態に維持される。又、扉12Aの車体内側面に取り付けられた保護板32は、扉12Aと共に開扉位置へと移動し、妻面開口部に露出する。
【0019】
続いて、図3に示されるように、開扉位置にある扉12Aの、転回機構28の伸縮式アクチュエータ30の伸縮ロッド30aを伸張させることで、扉12Aを車体妻面と直角方向に転回させる。この際、扉12Aは、開閉機構14を構成する平行リンクのうち、車幅方向中央寄りに位置する平行リンク18が、この伸縮式アクチュエータ30に置換されていることから、扉12Aは、平行リンクの車幅方向側方寄りに位置する、コ字状のロッド20との軸着点20aを中心とする車幅方向側方寄りの位置で、車体妻面と直角方向に転回することとなる。又、扉12Aの車体内側面に取り付けられた保護板32は、扉12Aと共に車体妻面と直角方向に転回し、扉12Aの端部から更に前方(又は後方)へと突出する。
【0020】
そして、図4に示されるように、先頭車両10同士を連結した状態において、車体妻面と直角方向に転回した保護板32は、相手側の車両妻面の扉12Bに接近ないし当接し、扉12Aと共に、先頭車両10同士の連結面からの転落を防ぐ外幌として機能することとなる。
なお、図3に示された展開状態から、図1に示される閉扉状態への動作は、上記と逆の手順となる。
【0021】
上記構成をなす本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。
まず、本発明の実施の形態に係る鉄道車両用連結幌扉は、開閉機構14によって、幌扉12を、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、連結幌50を避けた車幅方向側方寄りかつ車幅内の開扉位置へと移動させ、更に、開扉位置において転回機構28により車体妻面と直角方向に転回させるものである。よって、図4に示されるように、幌扉12を、車幅方向側方寄りの車体側方にはみ出さない位置で、鉄道車両の連結面の隙間をふさぐ外幌として機能させることが可能である。
【0022】
なお、本発明の実施の形態では、左右分割扉12A、12Bの各々を、開閉機構14によって開扉位置へと移動させ、左右分割扉の一方12Aを、転回機構28により車体妻面と直角方向に転回させることで、幌扉12を、鉄道車両の連結面の隙間をふさぐ外幌として機能させている。しかしながら、左右分割扉12A、12Bの扉幅と、車両の連結面の車幅方向端部間距離(図10の符号X、X参照)の如何に応じ、左右分割扉12A、12Bの一方のみ車体妻面と直角方向に転回させるだけでなく、両方の扉12A、12Bを転回させて、連結面の隙間を塞ぐこととしても良い。
又、必要に応じ、転回機構28を有する扉12Aを大型化し、一枚で幌扉12を構成することも可能である。
【0023】
又、本発明の実施の形態では、転回機構28を備える扉の車体内側面に、扉12Aに沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように取り付けられた保護板32が、隣り合う車両の妻面の幌扉12Bとの隙間を塞ぐものとなる。しかも、保護板32は弾性材料からなることで、隣り合う車両の妻面の幌扉12Bと当接しても、相手側の幌扉12Bに傷等の損傷を与えることがない。
なお、保護板32を用いる代わりに、幌扉12の一部分又は全体が弾性材料により構成されていることとしても、これと同様の作用効果を得ることが可能である。
【0024】
又、本発明の実施の形態に係る幌扉12は、幌扉12A、12Bと車体とを連結する開閉機構14の平行リンク18、20によって、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、閉扉位置と開扉位置との間を移動するものである。又、平行リンクの一片として組み込まれた伸縮ロッド30a(伸縮式アクチュエータ30)を含む転回機構28によって、図3に示されるように、開扉位置において、車体妻面と直角方向に転回させるものである。
なお、開閉機構14は平行リンクに限定されるものではなく、例えば、上記特許文献1のごとくガイドレールを用いることも可能である。
【0025】
又、本発明の実施の形態に係る幌扉12は、開閉機構14の平行リンク18、20を伸縮式アクチュエータ22により駆動することで、閉扉位置と開扉位置との間を移動するものであるが、開閉機構14の駆動手段はこれに限定されるものではなく、平行リンクの回転軸を、モータ等によって直接回転駆動することとしても良く、単に手動によって平行リンク18、20を作動させることとしても良い。
又、本発明の実施の形態に係る幌扉12は、転回機構28の伸縮ロッドを構成する伸縮式アクチュエータ30によって、開扉位置において車体妻面と直角方向に転回させるものであるが、伸縮式アクチュエータ30を用いることなく、従来の平行リンク18の扉12Aとの連結点を着脱自在として、手動により扉12Aを転回させることとしても良い。
【0026】
なお、本発明の実施の形態では、丸妻を有する先頭車両10に本発明を採用した場合を例示して説明したが、丸妻を有する中間車両に採用することも可能であり、又、切妻を有する先頭車両にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
10:先頭車両、 12、12A、12B:幌扉、14:開閉機構、 16、16A、16B:平行リンク、 18:直線状のロッド、20:コ字状のロッド、 22、30:伸縮式アクチュエータ、 22a、30a:伸縮ロッド、24:妻面開口端、26:外幌、 28:転回機構、32:保護板、50:連結幌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体妻面の車幅方向中央に格納された連結幌を車体外側から覆う幌扉であって、
該幌扉を、車体妻面と平行又はほぼ平行な状態を維持して、前記連結幌を避けた車幅方向側方寄りかつ車幅内の開扉位置へと移動させる開閉機構と、開扉位置において車体妻面と直角方向に転回させるための転回機構とを備えることを特徴とする鉄道車両用連結幌扉。
【請求項2】
前記幌扉は左右分割扉であり、前記開閉機構は、該左右分割扉の各々に設けられ、前記転回機構は前記左右分割扉の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用連結幌扉。
【請求項3】
前記転回機構を備える扉の車体内側面に、弾性材料からなる保護板が、該扉に沿って扉幅の少なくとも一部を延長するように取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両用連結幌扉。
【請求項4】
前記扉の少なくとも一部分が弾性材料により構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両用連結幌扉。
【請求項5】
前記開閉機構は、扉と車体とを連結する平行リンクを含み、前記転回機構は、前記平行リンクの一片として組み込まれた伸縮ロッドを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の鉄道車両用連結幌扉。
【請求項6】
前記開閉機構の平行リンクを駆動する伸縮式アクチュエータと、前記転回機構の伸縮ロッドを構成する伸縮式アクチュエータとを備えることを特徴とする請求項5記載の鉄道車両用連結幌扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−5902(P2011−5902A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149629(P2009−149629)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)