説明

鉄道車両

【課題】エンジンと発電機とを搭載する鉄道車両において、エンジンと発電機の冷却風の確保と、車外騒音の低減を両立しつつ、重量の増加や電力消費を小さくする。
【解決手段】エンジン60と発電機70とを搭載する鉄道車両において、遮音板330が車体開口部であるルーバー窓部24から車内へ向かって車幅方向に配置される板状部と、更にその車内側端部から車体の長手方向に配置される板状部とから平面で略L字型に構成され、騒音の車外への伝播を大きく減衰させるとともに、風路を構成している。エアフィルタ310と消音器320は、隔壁26Aから車内に向かって長手方向に配置される板状部と、その車内側端部からルーバー窓部24へ向かって車幅方向に配置される板状部とから平面で略L字型に構成され、その通気性から給気フィルタ62への空気の供給を許容しており、騒音の伝播も減衰させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを備える鉄道車両に関し、特に、エンジン、発電機等の騒音の車外への伝播を防止する防音構造を備える鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン及び発電機を備える鉄道車両の例として、電気式ディーゼル機関車が挙げられる。電気式ディーゼル機関車は、ディーゼルエンジンと、発電機と、主変換機と、主電動機とを備える車両であって、ディーゼルエンジンによって運転される発電機が生み出す電力を主変換装置へ供給し、主変換装置によって周波数と電圧とが制御された電力によって、台車に備えられる主電動機を回転させて牽引力を得る機関車である。エンジン及び発電機は、多くの熱を発生するため、効率的に冷却される必要があると同時に、エンジン及び発電機から発生し、車外に伝わる騒音を低減する必要がある。
【0003】
エンジン及び発電機を備えた例ではないが、主電動機と主電動機を冷却する送風機とを備えた鉄道車両(機関車)の鉄道車両であって、送風機への給気量の確保と、送風機を音源とする騒音が送風機の給気口から鉄道車両の車外へ伝播することを防止する技術が特許文献1に記載されている。この鉄道車両においては、電動機を冷却するため、車体の側面に設けられた入気口より取り入れた外気を送風する送風機と、当該入気口の間、若しくは当該入気口に騒音防止手段が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−73384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジンと発電機とを搭載する鉄道車両では、エンジンと発電機から多くの熱が発生するので、これらを冷却するために鉄道車両の側構体に開口部を設けて、車外の空気をエンジンと発電機が搭載された鉄道車両の区画(部屋)へ導入するとともに、エンジンと発電機から生じる騒音が当該開口部から車外へ伝播しないように、当該開口部、或いは発電機の近傍に防音構造が備えられる。この防音構造は、鉄道車両を長手方向に移動する乗務員や鉄道車両に搭載される各機器を保守する保守員の通行の妨げになってはならない。また、発電機の近傍に設置される防音構造は、発電機の保守作業を阻害しない構造でなければならない。
【0006】
本発明の目的は、鉄道車両が駅停車時から高速走行時までの速度域において十分な冷却空気を鉄道車両の側構体に備えられる開口部から鉄道車両の内部に導入できるとともに、鉄道車両に搭載される機器(エンジン等)に起因する騒音が開口部から車外へ伝播することを抑制する防音構造を備え、且つ、これら防音構造は機器の保守時に保守作業を阻害せず、乗務員等が鉄道車両の長手方向に移動するときの妨げにならない鉄道車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による鉄道車両は、エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを車両構体内に備えた鉄道車両であって、前記車両構体は、前記エンジンが配設されているエンジン室と、前記発電機及び前記エンジンのための給気フィルタが配設されている発電機及び給気フィルタ室と、前記エンジン室と前記発電機及び給気フィルタ室とを仕切るとともに通風孔を備える隔壁と、を備えており、前記発電機及び給気フィルタ室は、車外空気を当該発電機及び給気フィルタ室内に取り入れるため車体開口部と、前記車体開口部と前記発電機及び前記給気フィルタとの間に配置されるとともに、前記発電機及び給気フィルタからの騒音が車外に伝播するのを防止する騒音防止手段とを備えていること、を特徴としている。
【0008】
また、本発明による鉄道車両は、エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを車両構体内に備えた鉄道車両であって、前記車両構体は、前記エンジンが配設されているエンジン室と、前記エンジン室に対して通風孔を備える隔壁によって仕切られおり且つ前記発電機及び前記エンジンのための給気フィルタが配設されている発電機及び給気フィルタ室とを備えており、前記発電機及び給気フィルタ室は、車外空気を当該発電機及び給気フィルタ室内に取り入れるため車体開口部と、前記車体開口部と前記発電機及び前記給気フィルタとの間に配置されていて前記発電機及び給気フィルタからの騒音が車外に漏れるのを防止する騒音防止手段とを備えており、前記騒音防止手段は、前記発電機及び前記給気フィルタの車両幅方向の両側において車両の長手方向に延びる遮音板を備えていること、を特徴としている。
【0009】
本発明である鉄道車両によれば、車体開口部を通じて発電機及び給気フィルタ室に取り入れられた空気は給気フィルタを通じて異物が除去された状態でエンジンに給気される。エンジンの出力は発電機を駆動し、発電機が生み出す電力は主変換装置へ供給され、主変換装置によって周波数と電圧とが制御された電力によって、台車に備えられる主電動機を回転させて牽引力を得ている。発電機及び給気フィルタ室には、発電機からの騒音、エンジン側から給気管を介して伝播される騒音、並びにエンジン室と発電機及び給気フィルタ室とを区切る隔壁に備わる通風孔を通じてのエンジン室の騒音が満ちている。これらの騒音は、車両構体に備わる車体開口部を通じて車外に伝播されようとするが、騒音防止手段として、車体開口部と発電機及び給気フィルタとの間を部分的に遮断するように設けられている遮音板、或いは発電機及び給気フィルタの車幅方向両側において長手方向に延びるように設けられている遮音板を含む防音構造によって、大きく減衰させられる。遮音板で遮音できない騒音については、給気フィルタに空気を供給するために通気性とされているエアフィルタや内部に吸音材が充填された消音器によって減衰される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エンジン及び発電機を搭載する鉄道車両において、騒音防止手段として、車体開口部と発電機及び給気フィルタとの間を部分的に遮断するように設けられている遮音板、或いは発電機及び給気フィルタの車幅方向両側において長手方向に延びるように設けられている遮音板による防音構造を備えているので、鉄道車両が走行するすべての速度領域で冷却空気を鉄道車両の側構体に備えられる車体開口部から車両内部に導入できるとともに、防音構造が鉄道車両に搭載される機器(エンジン等)に起因する騒音が開口部から車外へ伝播することを抑制し、且つ、これら防音構造は機器の保守時に作業員の保守作業を阻害せず、乗務員等が鉄道車両の長手方向に移動するときの妨げになることもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、エンジンと、発電機とを備える鉄道車両の側面図である。
【図2】図2は、図1に示した鉄道車両のA−A断面図であり、エンジン、発電機等の機器配置を示す上面図である。
【図3】図3は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例1に基づく遮音板、消音器、フィルタの配置を示す上面図である。
【図4】図4は、図3に示した鉄道車両のC−C断面図である。
【図5】図5は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例2に基づく遮音板、消音器、フィルタの配置を示す上面図である。
【図6】図6は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例3に基づく遮音板、消音器、フィルタの配置を示す上面図である。
【図7】図7は、図6に示した鉄道車両のD−D断面図である。
【図8】図8は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例4に基づく遮音板、消音器、フィルタの配置を示す上面図である。
【図9】図9は、図8に示した鉄道車両のE−E断面図である。
【図10】図10は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例5に基づく遮音板、消音器、フィルタの配置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による鉄道車両の一実施例を図1〜図10を参照して説明する。
図1は、エンジンと発電機とを搭載した鉄道車両の側面図である。図1に示す鉄道車両は、エンジンの駆動力で発電機を回して電力を得る設備を搭載する電源車200である。電源車200は、床面を構成する台枠(図示なし)の幅方向(枕木方向)の両端部に立設される側構体20,20(一方の側構体のみ図示)と、台枠の一方の端部に備えられる乗務員室100と、台枠の長手方向の他方の端部に立設される妻構体30(図2参照)と、乗務員室100、側構体20,20及び妻構体30の上端部に配設される屋根枠40と、から成る構体を備えている。台枠の長手方向の両端部の下面には枕梁5,5が備えられ、枕梁5,5に対応して電源車両200を支持する台車9,9が配置されている。
【0013】
鉄道車両200の側面をなす側構体20には、車外の空気を鉄道車両200の車内へ取り入れるための車体開口部が備えられる。本実施例では、この車体開口部は、雨水又は異物等の車内への侵入を抑制・防止する複数の羽板を隙間を介して並べて構成されたルーバー窓部24,24である。鉄道車両200の屋根上には着脱可能な屋根カバー42,42が配設されている。屋根カバー42,42は、鉄道車両200に発電機、エンジン等を搭載する、或いは点検整備等で鉄道車両200から降ろす場合など、必要に応じて鉄道車両200の屋根構体から取り外される。鉄道車両200の床下にはエンジンの燃料を蓄える燃料タンク16が備えられる。
【0014】
図2は、図1に示された鉄道車両のA−A断面図であり、エンジン、発電機等の機器配置を示す上面図である。鉄道車両200には、温度及び湿度等の環境の異なる各機器室が備えられており、これら各機器室は4枚の隔壁26A乃至隔壁26Dによって仕切られている。燃料との混合のためエンジン60の内部に取り入れられる空気から塵埃などを取り除くための給気フィルタ62並びにエンジン60で駆動される発電機70が載置される発電機及び給気フィルタ室110と、エンジン60が載置されるエンジン室120とは、隔壁26Bによって仕切られている。エンジン室120と、エンジン60のシリンダなどが高温の燃焼ガスで壊れないように冷却する冷却水の温度を適温に維持するための冷却器64が載置される冷却器室130とは、隔壁26Cによって仕切られている。
【0015】
エンジン60が載置されるエンジン室120には、エンジン60の表面から放出される熱を車外へ排出するための送風機61が備えられている。エンジン60を冷却する車外空気は、ルーバー窓部24を経て発電機及び給気フィルタ室110に導入された後、発電機及び給気フィルタ室110とエンジン室120と仕切る隔壁26Bに備えられる通風孔(図示なし)からエンジン室120の内部に流入する。送風機61に接続する排気ダクトは隔壁26Cを貫通して配設されており、エンジン60からの廃熱は送風機61によって隣接する冷却器室130へ一旦導かれた後、冷却器64が備える大径のファンによって鉄道車両200から車外へ排出される。なお、エンジン室120において、送風機61に替えて、エンジン室120の上面を覆う屋根カバー42にファン(図示なし)を備え、エンジン60からの廃熱を隣接する冷却器室130へ導くことなく、エンジン室120から直接に車外へ排出してもよい。
【0016】
大きな騒音源となるエンジン60を配置するエンジン室120をなす側構体20には、エンジンから発せられる騒音が車外へ伝播することを抑制するために、エンジン60を冷却するために車外の空気をエンジン室120に直接取り入れるための車体開口部(ルーバー窓部24)などは配設されない。
【0017】
乗務員室100には主に信号設備に関係する電気機器72が備えられ、冷却器室130には冷却器64などが備えられる。ブレーキ機器室140には、圧縮機と空気タンクとから成るブレーキ装置68などが備えられる。
【0018】
乗務員或いは保守員が鉄道車両200の長手方向の両端部間を移動できるように各隔壁26A乃至26Dには扉(図示せず)が備えられる。乗務員室(電気品室)100と発電機・給気フィルタ室110とを仕切る隔壁26Aには鉄道車両200の幅方向の中央部に扉が備えられており、その他の隔壁26B,26C,26Dには鉄道車両200の幅方向の両端部に2ヶ所の扉が備えられている。
【実施例1】
【0019】
図3は図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例1に基づく遮音板、消音器、エアフィルタの配置を示す上面図であり、図4は図3に示した鉄道車両のC−C断面図である。
【0020】
発電機及び給気フィルタ室110をなす側構体20には、車体開口部として、ルーバー窓部24,24を備えており、各ルーバー窓部24は、複数の細長い羽板(ルーバー)を隣との間に間隙を残して鉄道車両1の長手方向に沿う態様で配設して構成されている。
【0021】
エンジン60に供給される燃焼用空気は、円筒状の複数本の給気フィルタ62から吸入されて隔壁26Bを貫通して配設される給気管65を経て過給機69によって圧力を高められて燃焼室へ送り込まれる。過給器69は高速で回転する羽根車を内蔵するため、高い周波数の騒音が発生しやすい。過給器69で生じた騒音は給気管65を伝播して給気フィルタ62から発電機及び給気フィルタ室110の内部に放射される。また、発電機70は広帯域の電磁音を発生する。更に、給気フィルタ室110からエンジン室120に冷却用空気を供給するために隔壁26Bに設けられた通風孔(図示なし)から、エンジン60に起因する騒音が発電機及び給気フィルタ室110の内部に伝播する。このため、ルーバー窓部24,24から前述した三つの音源からの騒音が車外へ伝播されるのを抑制するために、発電機及び給気フィルタ室110に騒音防止手段としての防音構造が備えられる。
【0022】
防音構造は、遮音板330と、消音器320と、エアフィルタ310とから構成されており、遮音板330、消音器320、エアフィルタ310はその高さ方向の垂直断面形状が略L字形状の2つの板状部からなる構造体である。遮音板330、消音器320及びエアフィルタ310の各々の一方の板状部は鉄道車両200の幅方向に沿って配設されるとともに、他方の板状部は鉄道車両200の長手方向に沿って配設される。遮音板330、消音器320及びエアフィルタ310は、鉄道車両200の床部15の上部に立設されると共に、それらの各上端部は鉄道車両200の天井部45に至る高さを有する(図4参照)。また、遮音板330の表面には必要に応じて吸音材(図示なし)を貼付することができる。遮音板330は非通気性であることが好ましいが、十分な遮音性を備えるのであれば、多少の通気性はあっても構わない。
【0023】
遮音板330の一方の板状部の幅方向(鉄道車両200の幅方向に沿う)の端部は、ルーバー窓部24の一方の端部の近傍の側構体20の車内側に当接される態様で鉄道車両200に固定される。遮音板330の他方の板状部の幅方向(鉄道車両200の長手方向に沿う)の端部に、消音器320の一方の板状部の幅方向の端部が当接して配設されるとともに、消音器320の他方の板状部の幅方向(鉄道車両200の長手方向に沿う)は隔壁26Aに当接して配設される。
【0024】
同様に、エアフィルタ310の一方の板状部の幅方向を鉄道車両200の幅方向に、エアフィルタ310の他方の板状部の幅方向を鉄道車両200の長手方向に沿う態様で、消音器320のルーバー窓部24に近い板状部に重ねて配設されている。エアフィルタ310は空気中の塵埃を捕捉して、吸音器320に備えられる吸音材が塵埃によって目詰まりして吸音率が低下することを防止するとともに、エアフィルタ310自身も、騒音を吸音する性質を備える。
【0025】
消音器320の他方の板状部の隔壁26Aに当接される部位に、床面に対して垂直に延びる軸350が備えられており、消音器320は軸350の周りに鉄道車両200の幅方向の中央側に回動可能に備えられる。
【0026】
隔壁26Bから遮音板330の他方の板状部の幅方向の端部(隔壁26Aに近い側)までの鉄道車両200の長手方向に沿う長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの鉄道車両200の長手方向に沿う長さと同等あるいはそれ以上の長さである。このため、発電機70から生じる電磁音と、給気フィルタ62と、隔壁26Bに配設される通風孔とを音源とする騒音が、鉄道車両200の幅方向に伝播したとしても、遮音板330によって遮音されるため、ルーバー窓部24を経て直接車外へ伝播することが抑制される。
【0027】
発電機及び給気フィルタ室110の騒音は、消音器320を通過する過程で、消音器320の内部に充填される吸音材によって吸収されるので、その騒音レベルが低下する。高さ方向の断面形状が略L字状の遮音板330と、消音器320とを上述した構成に配設することにより、隔壁26Bの幅方向の両端部に備えられる扉(図示なし)から隔壁26Aの幅方向の中央部に備えられる扉(図示なし)に至る通路500(一方の通路のみを二点鎖線で示す)が形成されるため、鉄道車両200をその長手方向に移動する乗務員や保守員の通行を妨げることはない。
【0028】
消音器320は室床面に対して垂直に延びる軸350の周りに鉄道車両200の幅方向の中央側に回動可能に備えられているため、必要に応じて消音器320を鉄道車両200の幅方向に回動させることによって、フィルタ310を容易に保守又は交換することができる。
【0029】
高さ方向の断面形状が略L字状の2板状部を有するエアフィルタ310は、その前面面積を大きくすることができるので、エアフィルタ310を通過する冷却風の平均流速を小さくすることができる。エアフィルタ310の圧力損失は、それを通過する冷却風の流速の2乗に比例するため、平均流速の低減に伴い、エアフィルタ310の圧力損失が小さくなる。このため、送風機61の消費電力を大きくすることなく、鉄道車両200の内部に十分な量の冷却風を導入することができる。
【0030】
また、鉄道車両200が一方の方向600に高速で走行する場合、ルーバー窓部24を通過した冷却風は、遮音板330の一方の板状部(ルーバー窓部24の近傍の側構体20の車内側に当接される)に衝突して静圧が高くなるため、冷却風410(一方側の風のみ示す)の流れが形成されやすく、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。鉄道車両200が他方の方向610に高速で走行する場合は、隔壁26Aが上述した遮音板330の一方の板状部と同様の効果を奏するため、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。
【実施例2】
【0031】
図5は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例2に基づく遮音板、消音器及びエアフィルタの配置を示す上面図である。実施例1と共通の部位、事項については同じ符号を付すことで再度の詳細な記載を省略し、実施例2の特徴的な事項についてのみ記す。
【0032】
防音構造は、遮音板330と、消音器320と、エアフィルタ310とから構成されており、遮音板330は、その高さ方向の垂直断面形状が略L字形状の2つの板状部からなる構造体であり、消音器320とエアフィルタ310とはほぼ同じ前面面積を有す板状部からなる構造体である。
【0033】
遮音板330一方の板状部は、鉄道車両200の幅方向に沿って配設されるとともに、他方の板状部が鉄道車両200の長手方向に沿って配設される。
【0034】
遮音板330の一方の板状部の幅方向の端部は、ルーバー窓部24の一方の端部の近傍の側構体20の車内側に当接される態様で鉄道車両200に固定される。遮音板330の他方の板状部の幅方向の端部に、エアフィルタ310の幅方向の一方の端部が当接して配設されるとともに、エアフィルタ310の幅方向の他方の端部は隔壁26Aに当接して配設される。
【0035】
同様に、消音器320の車内側の面にエアフィルタ310が重ねて配設されるとともに、消音器320の他方の板状部の隔壁26Aに当接される部位に、室床面に対して垂直方向に延びる軸350が備えられており、消音器320は軸350の周りに鉄道車両200の幅方向の中央側に回動可能に備えられる。
【0036】
隔壁26Bから遮音板330の他方の板状部の幅方向の端部(隔壁26Aに近い側)までの鉄道車両200の長手方向に沿う長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの鉄道車両の長手方向に沿う長さと同等あるいはそれ以上の長さである。このため、発電機70から生じる電磁音と、給気フィルタ62と、隔壁26Bに配設される通風孔とを音源とする騒音が、鉄道車両200の幅方向に伝播したとしても、遮音板330によって遮音されるため、ルーバー窓部24を経て直接車外へ伝播することが抑制される。
【0037】
消音器320を通過する騒音は、消音器320の内部に充填される吸音材によって吸収され、騒音レベルが低減される。高さ方向の断面形状が略L字状の遮音板330と、消音器320とを上述した構成に配設することにより、隔壁26Bの幅方向の両端部に備えられる扉(図示なし)から隔壁26Aの幅方向の中央部に備えられる扉(図示なし)に至る通路500(一方の通路のみを二点鎖線で示す)が形成されるため、鉄道車両200をその長手方向に移動する乗務員や保守員の通行を妨げることはない。
【0038】
消音器320は室床面に対して垂直に延びる軸350の周りに鉄道車両200の幅方向の中央側に回動可能に備えられているため、必要に応じて消音器320を鉄道車両200の幅方向に回動させることによって、エアフィルタ310を容易に保守又は交換することができる。
消音器320及びエアフィルタ310を平板状(板状部)にすることにより、コストが小さくなると共に、軽量化を促進できる。
【0039】
また、鉄道車両200が一方の方向600に高速で走行する場合、ルーバー窓部24を通過した冷却風は、遮音板330の一方の板状部(ルーバー窓部24の近傍の側構体20の車内側に当接される)に衝突して静圧が高くなるため、冷却風410(一方側の風のみ示す)の流れが形成されやすく、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。鉄道車両200が他方の方向610に高速で走行する場合は、隔壁26Aが上述した遮音板330の一方の板状部と同様の効果を奏するため、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。
【実施例3】
【0040】
図6は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例3に基づく遮音板、消音器及びエアフィルタの配置を示す上面図であり、図7は図6に示した鉄道車両のD−D断面図である。実施例1と共通の部位、事項については同じ符号を付すことで再度の詳細な記載を省略し、実施例3の特徴的な事項についてのみ記す。
【0041】
鉄道車両200の側構体20に車体開口部として備えられるルーバー窓部24の周縁部から鉄道車両200の車内側に向けて筒状のダクト340が備えられ、ダクト340に、ルーバー窓部24に積層される態様で、エアフィルタ310と、消音器320とが備えられる。
【0042】
平板状の遮音板330,330は、その幅方向の一方の端部を隔壁26Bに当接するとともに、発電機70及び給気フィルタ62の両側(鉄道車両200の幅方向)にその幅方向を鉄道車両200の長手方向に沿う形態で配設される。給気フィルタ62からの騒音が、発電機70あるいは隔壁26Bに備えられる通風孔(図示なし)からの騒音に比較して大きく支配的である場合は、遮音板330の高さ寸法を、天井部45から床部15の上方L1(図7参照)の位置までとしてもよい。また、発電機70あるいは隔壁26Bに備えられる通風孔(図示なし)からの騒音が無視できない場合は、天井部45から床部15までの高さ寸法を備える遮音板330を配設する。なお、遮音板330の幅方向の長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの長さと同等あるいはそれ以上の長さである。
【0043】
遮音板330の幅方向の長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの長さと同等あるいはそれ以上の長さであるので、発電機70から生じる電磁音と、給気フィルタ62及び隔壁26Bに配設される通風孔から生じる騒音とがルーバー窓部24を経て直接車外へ伝播すること抑制できる。
【0044】
消音器320を通過する騒音は、消音器320の内部に充填される吸音材によって吸収され、車外へ伝播する騒音レベルが低減される。遮音板330,330は、発電器70及び給気フィルタ62の鉄道車両の幅方向の近傍に配設されるため、隔壁26Bの幅方向の両端部に備えられる扉(図示なし)から隔壁26Aの幅方向の中央部に備えられる扉(図示なし)に至る通路500(一方の通路のみを二点鎖線で示す)が形成されるため、鉄道車両200をその長手方向に移動する乗務員や保守員の通行を妨げることはない。
【0045】
消音器320及びエアフィルタ310を平板状(板状部)にすることにより、コストが小さくなると共に、軽量化を促進できる。
【0046】
また、鉄道車両200が一方の方向600に高速で走行する場合、ルーバー窓部24を通過した冷却風は、ルーバー窓部24の垂直縁に沿って備えられるダクト340に衝突して静圧が高くなるため、冷却風410(一方側の風のみ示す)の流れが形成されやすく、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。鉄道車両200が他方の方向610に高速で走行する場合も同様の効果を奏するため、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。
【実施例4】
【0047】
図8は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例4に基づく遮音板、消音器及びエアフィルタの配置を示す上面図であり、図9は、図8に示した鉄道車両のE−E断面図である。
【0048】
鉄道車両200の側構体20に車体開口部として備わるルーバー窓部24の周縁部から鉄道車両200の車内側に向けて筒状のダクト340が備えられ、ダクト340に、ルーバー窓部24に重ねられる態様でエアフィルタ310が備えられる。
【0049】
平板状の遮音板330,330は、その幅方向の一方の端部を隔壁26Bに当接するとともに、発電機70及び給気フィルタ62の両側(鉄道車両200の幅方向)にその幅方向を鉄道車両200の長手方向に沿う形態で配設される。遮音板の高さ寸法は天井部45から床部15までの寸法とほぼ同じであり、各遮音板330の幅方向の寸法は隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの寸法と同等あるいはそれ以上の寸法である。
【0050】
遮音板330,330の幅方向の他方の端部には、幅方向に2分割された消音器320,320がその幅方向を鉄道車両200の幅方向に態様で配設され、発電機70及び給気フィルタ62は、隔壁26Bと、遮音板330,330と、消音器320,320とによって囲まれている。遮音板330,330の幅方向の他方の端部に当接して配設される消音器320,320の幅方向の端部には室床面に対して垂直方向に延びる軸350,350が備えられ、消音器320は軸350の周りに回動できる(図8参照)。
【0051】
各遮音板330の幅方向の長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの長さと同等あるいはそれ以上の長さであるので、発電機70から生じる電磁音と、給気フィルタ62及び隔壁26Bに配設される通風孔から生じる騒音とがルーバー窓部24を経て直接車外へ伝播すること抑制できる。
【0052】
消音器320を通過する騒音は、消音器320の内部に充填される吸音材によって吸収され、車外へ伝播する騒音レベルが低減される。遮音板330,330及び消音器320,320は、発電器70及び給気フィルタ62の鉄道車両の幅方向の近傍に配設されるため、隔壁26Bの幅方向の両端部に備えられる扉(図示なし)から隔壁26Bの幅方向の中央部に備えられる扉(図示なし)に至る通路500(一方の通路のみを二点鎖線で示す)が形成されるため、鉄道車両200をその長手方向に移動する乗務員や保守員の通行を妨げることはない。消音器320は軸350の周りに回動可能に配設されているので、発電機70又は給気フィルタ62の点検保守の際など、必要に応じて消音器320を開閉できるので容易に点検保守ができる。
エアフィルタ310を平板状(板状部)にすることにより、コストが小さくなると共に、軽量化を促進できる。
【0053】
また、鉄道車両200が一方の方向600に高速で走行する場合、ルーバー窓部24を通過した冷却風は、ルーバー窓部24の垂直縁に沿って備えられるダクト340に衝突して静圧が高くなるため、冷却風410(一方側の風のみ示す)の流れが形成されやすく、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。鉄道車両200が他方の方向610に高速で走行する場合も同様の効果を奏するため、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。
【実施例5】
【0054】
図10は、図2に示した鉄道車両のB部の拡大図であって、実施例5に基づく遮音板、消音器、エアフィルタの配置を示す上面図である。
【0055】
鉄道車両200の側構体20に車体開口部として備わるルーバー窓部24の周縁部から鉄道車両200の車内側に向けて筒状のダクト340が備えられ、ダクト340に、ルーバー窓部24に重ねられる態様でエアフィルタ310が備えられる。
【0056】
平板状の遮音板330,330は、その幅方向の一方の端部を隔壁26Bに当接するとともに、発電機70及び給気フィルタ62の両側(鉄道車両200の幅方向)にその幅方向を鉄道車両200の長手方向に沿う形態で配設される。遮音板の高さ寸法は天井部45から床部15までの寸法とほぼ同じであり、各遮音板330の幅方向の寸法は隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの寸法と同等あるいはそれ以上の寸法である。
【0057】
遮音板330,330の幅方向の他方の端部には、幅方向に2分割された消音器320,320がその幅方向を鉄道車両200の長手方向に沿う態様で配設され、発電機70及び給気フィルタ62は、隔壁26Aと、遮音板330,330と、消音器320,320と、隔壁26Bとによって囲まれている。遮音板330,330の幅方向の他方の端部に当接して配設される消音器320,320の幅方向の端部には室床面に対して垂直方向に延びる軸350,350が備えられ、消音器320は軸350の周りに回動できる(図10参照)。
【0058】
遮音板330の幅方向の長さは、隔壁26Bから発電機70及び給気フィルタ62の先端部までの長さと同等あるいはそれ以上の長さであるので、発電機70から生じる電磁音と、給気フィルタ62及び隔壁26Bに配設される通風孔から生じる騒音とがルーバー窓部24を経て直接車外へ伝播すること抑制できる。
【0059】
消音器320を通過する騒音は、消音器320の内部に充填される吸音材によって吸収され、車外へ伝播する騒音レベルが低減される。遮音板330,330の幅方向の他方の端部に当接するとともに、軸350の周りに回動可能に配設される消音器320,320を必要に応じて開閉することによって、隔壁26Bの幅方向の両端部に備えられる扉(図示なし)から隔壁26Aの幅方向の中央部に備えられる扉(図示なし)に至る通路500(一方の通路のみを二点鎖線で示す)が形成されるため、鉄道車両200をその長手方向に移動する乗務員や保守員の通行を妨げることはない。
【0060】
隔壁26Aの幅方向の中央部に備えられる扉に窓を備えれば、乗務員室(電気品室)100から発電器70の状況を直ちに目視にて確認することができる。消音器320は軸350の周りに回動可能に配設されているので、発電機70又は給気フィルタ62の点検保守の際など、必要に応じて消音器320を開閉できるので容易に点検保守ができる。
エアフィルタ310を平板状(板状部)にすることにより、コストが小さくなると共に、軽量化を促進できる。
【0061】
また、鉄道車両200が一方の方向600に高速で走行する場合、ルーバー窓部24を通過した冷却風は、ルーバー窓部24の垂直縁に沿って備えられるダクト340に衝突して静圧が高くなるため、冷却風410(一方側の風のみ示す)の流れが形成されやすく、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。鉄道車両200が他方の方向610に高速で走行する場合も同様の効果を奏するため、鉄道車両200の車内に冷却風を容易に取り入れることができる。
【0062】
以上、本発明による鉄道車両の実施例について説明したが、各実施例については、防音構造については車幅方向に左右対象の構造であると図示していたけれども、かかる防音構造については、防音効果や冷却作用が十分得られるのであれば、左右どちらか片側だけであっても構わないことは明らかである。
【符号の説明】
【0063】
9…台車 15…床部
16…燃料タンク
20…側構体 24…ルーバー窓部
26A〜26D…隔壁
42…屋根カバー 45…天井部
60…エンジン 61…送風機
62…給気フィルタ 64…冷却機
65…給気管 68…ブレーキ装置
69…過給機 70…発電機
72…電気機器
100…乗務員室(電気品室) 110…発電機及び給気フィルタ室
120…エンジン室 130…冷却機室
140…ブレーキ機器室 200…鉄道車両
310…エアフィルタ 320…消音器
330…遮音板 340…ダクト
350…軸
410…冷却風の流れ 500…通路
600,610 車両の走行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを車両構体内に備えた鉄道車両において、
前記車両構体は、前記エンジンが配設されているエンジン室と、前記発電機及び前記エンジンのための給気フィルタが配設されている発電機及び給気フィルタ室と、前記エンジン室と前記発電機及び給気フィルタ室とを仕切るとともに通風孔を備える隔壁と、を備えており、
前記発電機及び給気フィルタ室は、車外空気を当該発電機及び給気フィルタ室内に取り入れるため車体開口部と、前記車体開口部と前記発電機及び前記給気フィルタとの間に配置されるとともに、前記発電機及び給気フィルタからの騒音が車外に伝播するのを防止する騒音防止手段とを備えていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道車両において、
前記騒音防止手段は、前記車体開口部から車内へ向かって車両の幅方向に沿って配置される板状部と、当該板状部の車両の幅方向の中心寄りから車両の長手方向に沿って前記車体開口部を覆う態様で配置される板状部とから構成される遮音板を備えており、
前記遮音板の高さ方向の垂直断面形状は略L字型であること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鉄道車両において、
前記騒音防止手段は、前記遮音板と、当該遮音板に連続して配置されるとともに、前記車体開口部と前記発電機及び前記給気フィルタとの間において音を吸音する吸音材が充填され、且つ、通気性を有する消音器を備えていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項3に記載の鉄道車両において、
前記消音器は、前記遮音板の車両の長手方向に沿って配設される前記板状部の端部から車内へ向かって車両の幅方向に沿って配置される板状部と、当該板状部の車両の幅方向の中心寄りから車両の長手方向に沿って前記車体開口部を覆う態様で配置される板状部とを備えるとともに、その高さ方向の垂直断面形状は略L字状であり、
前記消音器の車外側の面に沿って、空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタが配置されていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項5】
請求項4に記載の鉄道車両において、
前記消音器は、前記発電機及び給気フィルタ室を区画しており前記エンジン室との間を仕切る隔壁と対向して配置された隔壁の近傍に、垂直方向に配設される軸を備えるとともに、前記軸の周りに回動可能に設けられていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の鉄道車両において、
前記発電機及び給気フィルタ室には、前記発電機及び前記給気フィルタと、前記遮音板及び前記エアフィルタ又は前記消音器との間に、乗務員や保守員が通行するための通路が形成されていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項7】
エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを車両構体内に備えた鉄道車両において、
前記車両構体は、前記エンジンが配設されているエンジン室と、前記エンジン室に対して通風孔を備える隔壁によって仕切られおり且つ前記発電機及び前記エンジンのための給気フィルタが配設されている発電機及び給気フィルタ室とを備えており、
前記発電機及び給気フィルタ室は、車外空気を当該発電機及び給気フィルタ室内に取り入れるため車体開口部と、前記車体開口部と前記発電機及び前記給気フィルタとの間に配置されていて前記発電機及び給気フィルタからの騒音が車外に漏れるのを防止する騒音防止手段とを備えており、
前記騒音防止手段は、前記発電機及び前記給気フィルタの車両幅方向の両側において車両の長手方向に延びる遮音板を備えていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項8】
請求項7に記載の鉄道車両において、
前記車体開口部には、その周縁部から車内側に向けて筒状のダクトが備えられており、
前記ダクトは、音を吸音する吸音材が充填されとともに通気性を有する消音器と、空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタとを備えていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の鉄道車両において、
前記発電機及び給気フィルタ室には、前記遮音板の車両幅方向の外側に乗務員や保守員が通行するための通路が形成されていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項10】
エンジンと、当該エンジンによって運転される発電機とを車両構体内に備えた鉄道車両において、
前記車両構体は、前記エンジンが配設されているエンジン室と、前記エンジン室に対して通風孔を備える隔壁によって仕切られおり且つ前記発電機及び前記エンジンのための給気フィルタが配設されている発電機及び給気フィルタ室とを備えており、
前記発電機及び給気フィルタ室は、車外空気を当該発電機及び給気フィルタ室内に取り入れるため車体開口部を備えており、
前記車体開口部には、その周縁部から車内側に向けて筒状のダクトが備えられるとともに、前記ダクトに、空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタが備えられており、
前記発電機及び前記給気フィルタの車両幅方向の両側において、前記隔壁から車両の長手方向に延びる遮音板が備えられるとともに、前記遮音板の長手方向に開口する開口部に回動可能に配設され、且つ通気性を備える板状の消音器が備えられており、
前記消音器は、前記両遮音板の前記開口部を閉鎖可能に設けられていること、
を特徴とする鉄道車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−86587(P2012−86587A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232392(P2010−232392)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)