説明

鉄鋼スラグ水和固化体

【課題】製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグ水和固化体において、製造時の流動性を改善するとともに、乾燥収縮量を低減させる。
【解決手段】高炉スラグ微粉末を必須成分とする結合材と、製鋼スラグを必須成分とする骨材と、水と、を含む材料の混合物を水和反応により固化させて得られる鉄鋼スラグ水和固化体において、結合材として、少なくとも、高炉スラグ微粉末と最大粒径が400μm以下の製鋼スラグ微粉末とを用い、製鋼スラグ微粉末の含有量を、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の含有量の合計に対して10質量%以上50質量%以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末及び水を必須材料とし、これらを練り混ぜ、水和反応により固化させて得られる鉄鋼スラグ水和固化体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然資源の保護やリサイクル材活用の気運の高まりにより、各種の産業施設から副産する資材を有効活用する動きが活発化している。このような資材として、鉄鋼プロセスにおいて副産される鉄鋼スラグがあるが、この鉄鋼スラグは、発生量が多いため、古くから骨材、路盤材、セメント原料等として用いる取り組みがなされている(例えば、JIS R5211:高炉セメント、JIS A5011:スラグ骨材等)。
【0003】
ところが、鉄鋼プロセスのうち製鋼工程で副産される製鋼スラグは、フリーな(遊離の)CaOやMgOを含み、これらの酸化物が水と反応して膨張する特性を有する。そのため、コンクリートのような硬化体への製鋼スラグの適用は、膨張ひび割れの懸念から困難とされ、リサイクル材の活用を促進する障壁となっていた。
【0004】
このような中、製鋼スラグのリサイクル材活用を促進するために、例えば、特許文献1〜4において、硬化体の中で膨張割れを起こさない製鋼スラグを区分するための安定性の評価方法や品質基準が開示されている。また、高炉スラグやセメントを硬化材として用いるとともに、製鋼スラグを骨材として用い、コンクリートと同様の調合設計及び取り扱いを可能とした鉄鋼スラグ水和固化体(以下、単に「水和固化体」と称する場合もある。)が開発され、以下の非特許文献1に示す技術マニュアルが開示されるに至った。
【0005】
このような製鋼スラグを用いた水和固化体においては、粒径5mm以下の製鋼スラグは、フレッシュ時のワーカビリティーを悪くするために使用が敬遠され、水和固化体に特殊な機能を付加する場合にしか使用されてこなかった。このような粒径5mm以下の製鋼スラグの使用法として、例えば、特許文献5には、製鋼スラグの膨張の影響を回避しつつ、スラグ硬化体として必要な強度発現を得るために、粉粒分である1.18mm以下の溶銑予備処理スラグを所定量混合する技術が開示されている。
【0006】
この特許文献5に記載された技術は、硬化体中において製鋼スラグが膨張して硬化体が膨張崩壊(膨張割れ)を起こす問題を解決するために考案されたものであり、硬化体の膨張崩壊の原因を製鋼スラグ中のフリーのMgO(以下、「f−MgO」)の濃度であるとして、f−MgOを含有しない製鋼スラグである溶銑予備処理スラグを用いることとしたものである。ただし、単に溶銑予備処理スラグを用いただけでは、コンクリート並みの強度を発現しないため、特許文献5の技術では、通常では使用し難い粉粒状の製鋼スラグの混合を含めた種々の手段を講じることで、製鋼スラグの膨張割れの問題を回避しつつ、強度発現も十分確保できる、としている。すなわち、特許文献5では、水と混合する成分を
(1)粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%
(2)高炉スラグ微粉末の含有率を5〜40mass%
とすることが提案されている(請求項1)。
【0007】
さらに、以下の方法も提案されている。
(3)ポゾラン物質としてフライアッシュを用いる方法(請求項2、3)
(4)アルカリ金属を添加する方法(請求項4)
(5)ナフタレンスルホン酸系混和剤を添加する方法(請求項5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−301686号公報
【特許文献2】特開2004−301694号公報
【特許文献3】特開2004−301747号公報
【特許文献4】特開2004−301531号公報
【特許文献5】特開2001−270746号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】財団法人 沿岸技術研究センター、「鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアル−製鋼スラグの有効利用技術−(改訂版)、2008年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献5の技術の目的は、製鋼スラグの膨張割れの問題を回避しつつ、強度発現も十分確保できる水和硬化体を得ることにある。ここで、特許文献5において粒径1.18mm以下の製鋼スラグを用いる目的は、硬化体の強度発現を確保することのみにあり、この強度発現効果を補うものとして、ポゾラン物質、アルカリ金属、混和剤の添加が位置付けられている。
【0011】
ところで、鉄鋼スラグは、製造過程での急冷や脱ガスの影響により、表面形状が悪く、吸水率が大きいため、水和固化体に用いた場合、所定の流動性を得るための単位水量が増大する、という問題があった。水和固化体における強度支配因子は、コンクリートと同様に、結合材と水との質量比と考えられており、単位水量が増大すると、結合材量が増大することにより、コストの増大が誘因される。結合材量を抑えるためには、適切な界面活性剤を用いることが必要となるが、より効果の大きな高性能の界面活性剤(減水剤)はコストが高いという問題がある。この問題を回避するために単位水量を抑えた調合にすると、水和固化体の製造時に、流動性低下によりフレッシュ時のワーカビリティーが著しく低下し、所定品質での施工ができない、という問題があった。
【0012】
また、製鋼スラグを用いた水和固化体は、乾燥時の体積収縮量(乾燥収縮量)が大きいと言われており、乾燥収縮によるひび割れが生じる場合があることから、水和固化体の耐久性の面でも劣位にあるとされている。
【0013】
しかし、製鋼スラグを用いた水和固化体において、製造時の流動性を改善する技術や乾燥収縮量を低減させる技術はこれまでに提案されておらず、リサイクル材の活用促進を図る上でも、上述した問題を解決する手段が切望されていた。
【0014】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグ水和固化体において、製造時の流動性を改善するとともに、乾燥収縮量を低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来扱い難いとされてきた粒径の小さな製鋼スラグをさらに微粉砕して粉状にして所定量配合することにより、製造時の流動性の改善や乾燥収縮量の低減が可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明によれば、高炉スラグ微粉末を必須成分とする結合材と、製鋼スラグを必須成分とする骨材と、水と、を含む材料の混合物を水和反応により固化させて得られる鉄鋼スラグ水和固化体において、前記結合材として、少なくとも、高炉スラグ微粉末と最大粒径が400μm以下の製鋼スラグ微粉末とを用い、前記製鋼スラグ微粉末の含有量が、前記高炉スラグ微粉末と前記製鋼スラグ微粉末の含有量の合計に対して10質量%以上50質量%以下である、鉄鋼スラグ水和固化体が提供される。
【0017】
ここで、前記鉄鋼スラグ水和固化体において、前記製鋼スラグ微粉末が、転炉スラグ、二次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグ、脱燐スラグ及び脱硫スラグからなる群より選択される少なくとも1種の製鋼スラグの微粉末であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグ水和固化体において、結合材として用いる高炉スラグ微粉末の一部を最大粒径が400μm以下の製鋼スラグ微粉末に置換することにより、製造時の流動性を改善するとともに、乾燥収縮量を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例の製鋼スラグ微粉末として用いた転炉スラグの粒度分布を示すグラフである。
【図2】本実施例の製鋼スラグ微粉末として用いた二次精錬スラグの粒度分布を示すグラフである。
【図3】本実施例の製鋼スラグ微粉末として用いた溶銑予備処理スラグの粒度分布を示すグラフである。
【図4】本実施例の製鋼スラグ微粉末として用いた脱燐スラグの粒度分布を示すグラフである。
【図5】本実施例の製鋼スラグ微粉末として用いた脱燐・脱硫スラグの粒度分布を示すグラフである。
【図6】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の最大粒径と強度との関係の一例を示すグラフである。
【図7】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の50%通過粒径と強度との関係の一例を示すグラフである。
【図8】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の粉末度と強度との関係の一例を示すグラフである。
【図9】モルタル試験における骨材の種類の強度の影響の一例を示すグラフである。
【図10】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の添加量と材齢3日目の強度との関係の一例を示すグラフである。
【図11】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の添加量と材齢28日目の強度との関係の一例を示すグラフである。
【図12】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の添加(43質量%)の乾燥収縮量への影響の一例を示すグラフである。
【図13】モルタル試験における製鋼スラグ微粉末の添加(99質量%)の乾燥収縮量への影響の一例を示すグラフである。
【図14】固化体試験における製鋼スラグ微粉末の添加量とスランプ値との関係の一例を示すグラフである。
【図15】固化体試験における製鋼スラグ微粉末の添加の有無によるスランプの違いの一例を示す写真である。
【図16】固化体試験における製鋼スラグ微粉末を43質量%添加した場合の材齢(日)と強度との関係の一例を示すグラフである。
【図17】固化体試験における製鋼スラグ微粉末を100質量%(高炉スラグ微粉末を無添加)添加した場合の材齢(日)と強度との関係の一例を示すグラフである。
【図18】固化体試験における製鋼スラグ微粉末の添加量と材齢7日目の強度との関係の一例を示すグラフである。
【図19】固化体試験における製鋼スラグ微粉末の添加量と材齢28日目の強度との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
[鉄鋼スラグ水和固化体の構成]
まず、本発明の好適な実施形態に係る鉄鋼スラグ水和固化体の構成について詳細に説明する。本実施形態に係る鉄鋼スラグ水和固化体は、製造時における流動性(フレッシュ時のワーカビリティー)を改善し、乾燥収縮量を低減させることが可能なものである。
【0022】
(水和固化体の概要)
一般に、鉄鋼スラグ水和固化体は、製鉄プロセスで副産物として生成される製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末及び水を必須成分とし、これらの材料を混練して水和反応により固化させたものである。また、鉄鋼スラグ水和固化体は、その成分として、必要に応じて、アルカリ刺激材、フライアッシュ、細骨材相当の高炉水砕スラグ等を含んでいてもよい。鉄鋼スラグ水和固化体は、アルカリ刺激材の種類と量によってI種及びII種の2種類に大別され、また、各種別は、骨材として使用する製鋼スラグの分量によってA及びBの2種類に区分される。
【0023】
本実施形態に係る水和固化体は、上記のような鉄鋼スラグ水和固化体であって、結合材として用いる高炉スラグ微粉末のうちの所定量を最大粒径が400μm以下の製鋼スラグ微粉末に置換したものである。以下、本実施形態に係る水和固化体に含まれる各成分について詳細に説明する。
【0024】
(製鋼スラグ)
製鋼スラグは、溶銑やスクラップ等を精錬して鋼を製造する製鋼工程で生成される、CaO、SiO、Al等を主成分とする無機物であり、水和固化体において骨材として使用される材料である。また、製鋼スラグは、水分の存在下でCa2+とOHを放出し、高炉スラグ微粉末の水和硬化を加速させるアルカリ刺激材としても作用する。さらに、フライアッシュによるポゾラン反応のCa供給源としても作用する。水和固化体中の製鋼スラグ量は、水和固化体の単位体積質量及びワーカビリティーを考慮して定められるが、通常は、60質量%以上の含有量とされる。
【0025】
ここで、本実施形態に係る水和固化体に用いられる製鋼スラグとしては、上記非特許文献1で規定されているように、粉化率2.5%以下、MgO含有率8.5%以下、最大粒径25mm以下という品質を満たした製鋼スラグを用いることが好ましい。なお、粉化率とは、80℃連続10日の水浸処理により製鋼スラグに生じた粉化スラグ量を示した割合であり、上記非特許文献1に記載の方法を用いて算出される。また、MgO含有率は、製鋼スラグ中に含まれるfree−MgO(遊離マグネシア)の度合いを示す指標であり、JIS M8205(「鉄鉱石−蛍光X線分析方法」)に規定された定量方法を利用して、上記非特許文献1に記載された方法により算出される。また、最大粒径は、JIS A1102(「骨材のふるい分け試験方法」)に規定された方法により測定された値である。
【0026】
また、水和固化体において骨材として用いられる製鋼スラグには、水和固化体中での製鋼スラグの膨張を防ぐために、後述する製鋼スラグ微粉末とは異なり、エージング処理が施されたものを用いる。エージングとは、製鋼スラグ中のfree−CaO(遊離石灰)やfree−MgOなどの未反応物質を反応させるために、一定期間暴露する処理であり、露天で長期間雨露にさらす自然エージングや、強制的に高温蒸気と反応させる蒸気エージングがある。一般に、自然エージングを6ヶ月以上、あるいは蒸気エージングを3〜7日間程度実施することにより、水和固化体に適用可能な粉化率の基準を満たすようにできる。
【0027】
(高炉スラグ微粉末)
高炉スラグ微粉末は、溶鉱炉で銑鉄と同時に生成される溶融状態の高炉スラグを水によって急冷した後に乾燥及び粉砕したもの、またはこれにセッコウを添加したものである。高炉スラグ微粉末は、水の存在下で弱い水硬性を持ち、また、水酸化カルシウムなどのアルカリ性物質の刺激により強い水硬性を示す。このように、高炉スラグ微粉末は、アルカリ刺激材の存在下で水和反応が促進されて硬化現象を示すことから、水和固化体において結合材として使用される。
【0028】
また、高炉スラグ微粉末は、その粉末度や含有成分などによって水和特性や強度の発現特性などが異なる場合があることから、水和固化体の品質を安定して得るために、水和固化体に用いる高炉スラグ微粉末としては、JIS A6206(「コンクリート用高炉スラグ微粉末」)に適合したものが用いられる。なお、高炉スラグ微粉末の含有量は、水和固化体の必要な性能と適切なワーカビリティーが得られるように、試験によって定めればよい。
【0029】
(製鋼スラグ微粉末)
本実施形態に係る水和固化体においては、結合材として、上記高炉スラグ微粉末の一部に換えて製鋼スラグ微粉末を使用する。本実施形態における製鋼スラグ微粉末は、最大粒径が400μm以下の製鋼スラグの粉末であり、水和固化体の製造過程における流動性を改善させるとともに、水和固化体の乾燥収縮量を低減させる目的で使用される材料である。
【0030】
<製鋼スラグ微粉末の粒径>
この製鋼スラグ微粉末を最大粒径400μm以下としたのは、この製鋼スラグ微粉末を結合材として用いた場合、水和固化体の乾燥収縮量を低減させることもできるためである。なお、製鋼スラグ微粉末の最大粒径(粒度分布)は、レーザー粒度分布測定機などを用いて測定することができる。
【0031】
<製鋼スラグ微粉末の含有量>
また、本実施形態に係る水和固化体に用いる製鋼スラグ微粉末の含有量は、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の含有量の合計に対して10質量%以上50質量%以下である。製鋼スラグ微粉末の含有量を10質量%以上とすることにより、水和固化体の製造過程における流動性を改善させ、単位水量を低減させることができる。また、製鋼スラグ微粉末の含有量を10質量%以上とすることにより、水和固化体の乾燥収縮量を低減させることができる。一方、製鋼スラグ微粉末の含有量が50質量%を越えると、水和固化体の強度低下が顕著となる傾向があるため、強度確保の観点から、製鋼スラグ微粉末の含有量は、50質量%以下とする。
【0032】
<製鋼スラグ微粉末の物性>
本実施形態で結合材として使用する製鋼スラグ微粉末は、上述した骨材として使用する製鋼スラグとは異なり、粉化率2.5%以下、MgO含有率8.5%以下のものを用いる必要はない。
【0033】
<エージング処理の有無>
また、本実施形態で結合材として使用する製鋼スラグ微粉末は、上述した骨材として使用する製鋼スラグとは異なり、粒径が小さいため、膨張しても水和固化体の割れへの影響はほとんどないため、エージング処理前の製鋼スラグを粉砕して用いてもよい。特に、水和固化体の乾燥収縮量の低減という観点からは、エージング処理が施されていないものを使用した方が好ましい。
【0034】
<製鋼スラグ微粉末の種類>
また、製鋼スラグ微粉末の種類は、上述した最大粒径及び含有量の範囲にあるものであれば特に限定はされず、本実施形態に係る製鋼スラグ微粉末としては、例えば、転炉スラグ、二次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグ、脱燐スラグ及び脱硫スラグからなる群より選択される少なくとも1種の製鋼スラグの微粉末を用いることができる。
【0035】
(水)
水は、水和固化体の固化のために必要であり、また、施工において、十分なワーカビリティーを確保するためにも必要な材料である。また、水の添加量は、水和固化体の必要な性能と適切なワーカビリティーが得られるように、試験によって定めればよいが、強度、耐久性などの性能を十分に確保するためには、コンクリートと同様に使用量をできるだけ少なくすることが重要である。また、水和固化体に用いる水には、有害な不純物が含まれていてはならないことから、上水道水、JSCE−B 101(「コンクリート用練混ぜ水の品質規格」)またはJIS A5308附属書9(「レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」)に適合したものが用いられる。
【0036】
(アルカリ刺激材)
アルカリ刺激材は、高炉スラグ微粉末の水和反応を加速させるために添加するアルカリ性物質のことで、例えば、消石灰、各種セメントなどのCa系アルカリ刺激材が必要に応じて使用される。具体的には、鉄鋼スラグ水和固化体I種に用いるアルカリ刺激剤としては、Ca(OH)またはCaOを含んだ品質の確かめられたもので、かつ、鉄鋼スラグ水和固化体の性能を満足するものであることが試験などにより確認されたものを使用する。また、鉄鋼スラグ水和固化体II種に用いるアルカリ刺激剤としては、JIS R5210(「ポルトランドセメント」)及びJIS R5211(「高炉セメント」)に適合したものが用いられる。
【0037】
なお、製鋼スラグも高炉スラグ微粉末のアルカリ刺激作用を有するため、鉄鋼スラグ水和固化体は、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末及び水だけでも固化(硬化)するが、さらに、消石灰、セメント等のアルカリ刺激材を添加すると、より早く固化させることができる。また、アルカリ刺激材は、フライアッシュのポゾラン反応を促進する作用も有する。
【0038】
(フライアッシュ)
フライアッシュは、鉄鋼スラグ水和固化体の付加的な結合材として、必要に応じて使用される材料である。フライアッシュは、Ca(OH)とポゾラン反応を起こし硬化することから、水和固化体の結合材として作用する。このようなフライアッシュを用いると、長期材齢での強度向上、水に浸したときに水和固化体から溶出するアルカリ成分量の低減、フレッシュな状態におけるワーカビリティー改善の効果がある。フライアッシュは、その粉末度や含有成分などによって水和特性、強度の発現特性、ワーカビリティーなどに影響するため、水和固化体の品質を安定して得るために、JIS A6201(「コンクリート用フライアッシュ」)に適合したもの、または相当品が用いられる。
【0039】
なお、本実施形態に係る水和固化体においては、フライアッシュを結合材としてではなく、細骨材相当の材料として使用してもよい。
【0040】
(高炉水砕スラグ)
高炉水砕スラグは、銑鉄を製造する製銑過程で生成する溶融状態の高炉スラグを、水によって急冷し、細粒化したもので、弱い水硬性を有する。高炉水砕スラグは、鉄鋼スラグの水和固化体には、細骨材相当の材料として、必要に応じて使用される。ただし、高炉水砕スラグは、その粒度や形状などによって水和特性、強度の発現特性、ワーカビリティーなどに影響するため、水和固化体の品質を安定して得るために、JIS A6206(「コンクリート用高炉スラグ微粉末」)の原材料に用いるもの、またはJIS A5011−1(「コンクリート用スラグ骨材−第1部:高炉スラグ骨材」)に適合したものが用いられる。
【0041】
(その他の材料)
その他、本実施形態に係る水和固化体には、混和剤や細骨材及び粗骨材などの材料が含まれていてもよい。混和剤は、水和固化体に使用する単位水量の調節及び空気量の調節等に用いる材料であり、コンクリート用のAE剤、AE減水剤及び高性能AE減水剤などが使用される。また、水和固化体に用いる製鋼スラグ以外の骨材は、細骨材相当の高炉水砕スラグ及び天然骨材等であるが、高炉水砕スラグを除く骨材は、土木学会「コンクリート標準示方書[施工編]」によるものが用いられる。
【0042】
なお、本実施形態に係る水和固化体の必須成分としては、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末、製鋼スラグ微粉末及び水であるが、本発明者は、これら以外の成分(例えば、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、アルカリ刺激材等)が含まれていたとしても、本実施形態における流動性の改善効果や乾燥収縮量の低減硬化に関しては同等の効果が得られることを確認している。
【0043】
[鉄鋼スラグ水和固化体の製造方法]
以上、本実施形態に係る鉄鋼スラグ水和固化体の構成について詳細に説明したが、続いて、このような本実施形態に係る鉄鋼スラグ水和固化体の製造方法について説明する。
【0044】
(製造方法の流れ)
本実施形態に係る水和固化体の製造方法では、まず、製鋼スラグに、高炉スラグ微粉末と最大粒径が400μmの製鋼スラグ微粉末とを添加し、水とともに混練し、固化させる。混練の際、製鋼スラグ微粉末の添加量は、上述したように、高炉スラグ微粉末の添加量と製鋼スラグ微粉末の添加量の合計に対して、10質量%以上50質量%以下とする。また、必要に応じて、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、アルカリ刺激材などを追加して配合する。その後、型枠への打込み、養生などの段階を経て、鉄鋼スラグ水和固化体が製造される。
【0045】
(水和固化体の硬化メカニズム)
ここで、混練の際に水和固化体材料が固化(硬化)するメカニズムは、以下の通りである。すなわち、上述した各種材料を練り混ぜることで、製鋼スラグに含まれる成分の一つである水酸化カルシウム分が水へ溶解し、高炉スラグ微粉末をアルカリ刺激する。これにより、高炉スラグ微粉末の非晶質相に含まれるSi、Al、Caといった元素が水和反応して硬化する。また、水和固化体の材料としてフライアッシュが添加されている場合には、フライアッシュがCaと反応するポゾラン反応によっても、上記材料の硬化が促進される。また、消石灰やポルトランドセメントに代表されるセメントがアルカリ刺激材として添加されることで、上記反応が更に促進されることとなる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例に基づいて、本発明に係る鉄鋼スラグ水和固化体についてさらに具体的に説明する。
【0047】
本発明の実施例及び比較例で使用した製鋼スラグ微粉末としては、下記の表1に示す物性を有するものを用いた。これらの最大粒径は90〜400μm、50%通過粒径は6.23〜18.39μm、粉末度(ブレーン法による比表面積)は550〜4340cm/gである。参考までに、それぞれの製鋼スラグ微粉末の粒度分布を図1〜5に示した。
【0048】
【表1】

【0049】
本実施例及び比較例について行った試験の試験条件を下記表2に示す。試験は、モルタル試験にて製鋼スラグ微粉末を用いた場合の圧縮強度および乾燥収縮率の調査を行い、また、粗骨材を含む固化体試験にて製鋼スラグ微粉末を用いた場合の圧縮強度および流動性の調査を行った。なお、以下の試験において、例えば、「3日圧縮強度」または「3日強度」とあるのは、材齢3日目における圧縮強度のことを示している。また、強度指数とは、鉄鋼スラグ水和固化体の材齢28日強度の指標となるもので、一般に(BP+CH+2NP+0.35FA)/W(BP:高炉スラグ微粉末、CH:消石灰、NP:普通ポルトランドセメント、FA:フライアッシュ、W:水和固化体の質量)で表されるが、本実施例では、CH、NP、FAを使用しておらず、SP(製鋼スラグ微粉末)を使用していることから、強度指数を(BP+SP)/Wで表すこととした。また、圧縮強度の測定は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験法」に準じて行い、乾燥収縮率の測定は、JIS A 1192「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」の第3部の「ダイヤルゲージ法」に準じて行い、スランプ値の測定は、JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準じて行った。
【0050】
【表2】

【0051】
(モルタル試験)
(1)試験条件
実施例及び比較例における材料の配合は、下記表3に示す配合にて行った。配合設定の考え方は以下の通りである。
【0052】
まず、本発明の水和固化体の基本的な材料の組合せである、水と高炉スラグ微粉末、製鋼スラグからなる混合物に製鋼スラグ微粉末を加えることの効能を確認するため、製鋼スラグ微粉末の種類と添加量を変化させる配合ケースを設定した(表3のNo.2〜4、6〜7、9〜10、12〜13、15〜16を参照)。
【0053】
次に、従来技術は、製鋼スラグ微粉末を用いない水和固化体であるため、この水和固化体と本発明の水和固化体との違いを確認するため、水、高炉スラグ微粉末、製鋼スラグによる配合ケースを比較例として設定した(表3のNo.1を参照)。
【0054】
さらに、骨材として用いる製鋼スラグの構成材料としての効果を立証するため、比較例として天然砂を骨材として用いた配合ケースを検討した(表3のNo.5、8、11、14、17を参照)。
【0055】
なお、表3中の「製鋼スラグ微粉末の添加量」とは、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の質量に対する製鋼スラグ微粉末の配合割合(質量%)のことを意味する。
【0056】
【表3】

【0057】
(2)製鋼スラグ微粉末の粒径と強度の関係
初めに、製鋼スラグ微粉末の粒径の適切な範囲について検討した結果について説明する。なお、本検討においては、製鋼スラグ微粉末の添加量を、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の添加量に対して43質量%とした。
【0058】
図6に、製鋼スラグ微粉末の最大粒径と圧縮強度との関係について検討した結果を示す。この結果から、本発明の製鋼スラグ微粉末の最大粒径が400μm以下の範囲では、強度変化はほとんどないことがわかった。
【0059】
参考までに、図7に、製鋼スラグ微粉末の50%通過粒径と圧縮強度との関係を、図8に製鋼スラグ微粉末の粉末度と圧縮強度との関係を示したが、どのパラメータにおいても、強度変化は小さいことがわかった。この結果は、製鋼スラグ微粉末の粒度が、一定範囲にあれば、製鋼スラグの成分や活性度は、強度に影響しないことを示している。
【0060】
(3)使用骨材の組合せ
次に、鉄鋼スラグ水和固化体の材料の適切な組合せについて検討した結果について説明する。なお、本検討においては、製鋼スラグ微粉末の添加量を、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の添加量に対して43質量%とした。
【0061】
図9に使用した骨材の種類と圧縮強度との関係を示す。この結果より、骨材を天然砂にすると強度発現が極端に悪くなることがわかった。高炉スラグ微粉末の潜在的な水硬性を発揮させるためには、骨材として製鋼スラグを用いる、すなわち、本発明に係る水和固化体における材料の組合せとする必要がある。
【0062】
(4)製鋼スラグ微粉末添加量と強度
次に、製鋼スラグ微粉末の添加量の適切な範囲について検討した結果について説明する。
【0063】
図10及び図11に、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の質量に対する製鋼スラグ微粉末の配合割合(質量%)(以降、「製鋼スラグ微粉末の添加量」と記載する場合がある。)と圧縮強度との関係を示す。図10は、材齢3日目の圧縮強度を測定した結果、図11は、材齢28日目の圧縮強度を測定した結果を示している。図10及び図11に示すように、材齢に関係なく、製鋼スラグ微粉末の添加量が50質量%を超えると、圧縮強度の低下が顕著となる傾向が見受けられる。そこで、水和固化体の強度を確保する観点からは、製鋼スラグ微粉末の添加量は、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の添加量に対して50質量%以下とすべきと考えられる。
【0064】
(5)製鋼スラグ微粉末の添加による乾燥収縮量の低減効果
次に、本発明に係る水和固化体における製鋼スラグ微粉末の添加による乾燥収縮量への影響について検討した結果について説明する。
【0065】
図12及び図13に、製鋼スラグ微粉末を添加した場合の乾燥収縮量の経時変化の一例を示す。図12は、製鋼スラグ微粉末の添加量を43質量%とし、図13は、製鋼スラグ微粉末の添加量を99質量%とした例である。水和固化体では、硬化後のひび割れ等に対する耐久性を確保する観点から、できるだけ少ない乾燥収縮量とすることが求められるが、製鋼スラグ微粉末を添加することで、乾燥収縮量が著しく低減されることがわかった。乾燥収縮量の抑制の観点のみからすれば、製鋼スラグ微粉末の添加量を多くした方がより効果は大きいと推定される。ただし、水和固化体の強度発現との両立を図る観点から、製鋼スラグ微粉末の添加量は、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の添加量に対して50質量%以下とすることが必要であることがわかった。
【0066】
(固化体試験)
(1)試験条件
骨材として用いる製鋼スラグに最大粒径5mm超の粗粒分を加えた固化体について試験を実施した。実施例及び比較例における材料の配合は、下記表4に示す配合にて行った。配合設定の考え方は以下の通りである。
【0067】
まず、本発明の水和固化体の基本的な材料の組合せである、水と高炉スラグ微粉末、製鋼スラグ(粒径5mm以下、5mm超の双方とも使用)からなる混合物に製鋼スラグ微粉末を加えることの効果を確認するため、製鋼スラグ微粉末の種類と添加量を変化させる配合ケースを設定した(表4のNo.2〜11を参照)。
【0068】
次に、従来技術は、製鋼スラグ微粉末を用いない水和固化体であるため、この水和固化体と本発明の水和固化体との違いを確認するため、水、高炉スラグ微粉末、製鋼スラグ(粒径5mm以下、5mm超の双方とも使用)による配合ケースを比較例として設定した(表4のNo.1を参照)。
【0069】
なお、表4中の「製鋼スラグ微粉末の添加量」とは、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の質量に対する製鋼スラグ微粉末の配合割合(質量%)のことを意味する。
【0070】
また、表4中の「細骨材率」とは、全骨材容積に占める細骨材(5mm以下の骨材)の容積率を意味する。ここで、表4のNo.1とNo.2を例に挙げて、細骨材率の計算方法について説明する。まず、使用している製鋼スラグ(30−5)の表乾密度は3.06g/cm、製鋼スラグ(5−0)の表乾密度は2.45g/cmある。これは表4には記載していないが、事前に行った測定による実測値である。
【0071】
No.1では、製鋼スラグ(30−5)の単位量は、1000kg/mで、製鋼スラグ(5−0)の単位量は、686kg/mである。これを容積で表すと、製鋼スラグ(30−5)=1000/3.06=327リットル/mとなり、製鋼スラグ(5−0)=686/2.45=280リットル/mとなる。故に、細骨材率=280/(327+280)×100=46.1%となる。
【0072】
また、No.2では、製鋼スラグ(30−5)の単位量は、1013kg/mで、製鋼スラグ(5−0)の単位量は、693kg/mである。これを容積で表すと、製鋼スラグ(30−5)=1013/3.06=331リットル/mとなり、製鋼スラグ(5−0)=693/2.45=283リットル/mとなる。故に、細骨材率=283/(331+283)×100=46.1%となる。
【0073】
【表4】

【0074】
(2)製鋼スラグ微粉末の添加による流動性の改善効果
初めに、製鋼スラグ微粉末の添加による流動性の改善効果について検討した結果について説明する。
【0075】
図14に、製鋼スラグ微粉末の添加量とスランプ値との関係の一例を示す。また、図15に、製鋼スラグ微粉末の添加の有無によるスランプの違いの一例を示す。
【0076】
図14及び図15に示すように、製鋼スラグ微粉末の添加によりフレッシュ時の水和固化体の流動性が大きくなることがわかる。さらには、製鋼スラグ微粉末の添加量が多くなるほど、この流動性が大きくなる効果が顕著となることもわかる。このような流動性の改善効果により、以下の作用が期待できる。
1)同一のスランプ、すなわち、流動性を得るために必要な単位水量を削減できる(具体的には、10〜15%程度の単位水量の削減が期待できる)。水和固化体の強度は、単位水量と結合材の微粉末量との比で決まるため、単位水量の削減は、コストの高い微粉末量の削減につながり、コストダウンを図ることができる。
2)従来、流動性確保のために添加していた混和剤(ナフタレンスルホン酸系、ポリカルボンサン系等の界面活性剤)の使用量を抑えることが可能となり、コストダウンを図ることができる。
3)単位水量の削減により、水和固化体の乾燥収縮量が低減され、乾燥収縮ひび割れの発生抑制により、水和固化体の耐久性が向上する。
【0077】
(3)製鋼スラグ微粉末の添加による強度特性への影響
次に、製鋼スラグ微粉末の添加による強度特性への影響について検討した結果について説明する。
【0078】
図16に、製鋼スラグ微粉末を43質量%添加した場合の材齢(日)と強度との関係を示した。また、図17に、製鋼スラグ微粉末を100質量%(高炉スラグ微粉末を無添加)添加した場合の材齢(日)と強度との関係を示した。
【0079】
図16に示すように、製鋼スラグ微粉末の添加量が43質量%の場合には、製鋼スラグ微粉末を無添加の場合と比較して、同程度の強度を示している。これに対し、図17に示すように、製鋼スラグ微粉末の添加量が100質量%の場合には、製鋼スラグ微粉末を無添加の場合と比較して、著しく強度が低下していることがわかる。従って、製鋼スラグ微粉末の過度な添加は好ましくない。
【0080】
そこで、次に、製鋼スラグ微粉末の添加量について検討した。図18及び図19に、製鋼スラグ微粉末の添加量と圧縮強度との関係を示す。図18は、材齢7日目の圧縮強度を測定した結果、図19は、材齢28日目の圧縮強度を測定した結果を示している。
【0081】
図18及び図19に示すように、材齢に関係なく、製鋼スラグ微粉末の添加量(製鋼スラグ微粉末の高炉スラグ微粉末に対する置換率)の増大は固化体の強度の低下を誘因する。具体的には、製鋼スラグ微粉末の添加量が50質量%を超えると、圧縮強度の低下が顕著となる傾向が見受けられる。そこで、水和固化体の強度を確保する観点からは、製鋼スラグ微粉末の添加量は、高炉スラグ微粉末と製鋼スラグ微粉末の合計の添加量に対して50質量%以下とすべきと考えられる。
【0082】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉スラグ微粉末を必須成分とする結合材と、製鋼スラグを必須成分とする骨材と、水と、を含む材料の混合物を水和反応により固化させて得られる鉄鋼スラグ水和固化体において、
前記結合材として、少なくとも、高炉スラグ微粉末と最大粒径が400μm以下の製鋼スラグ微粉末とを用い、
前記製鋼スラグ微粉末の含有量が、前記高炉スラグ微粉末と前記製鋼スラグ微粉末の含有量の合計に対して10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする、鉄鋼スラグ水和固化体。
【請求項2】
前記製鋼スラグ微粉末が、転炉スラグ、二次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグ、脱燐スラグ及び脱硫スラグからなる群より選択される少なくとも1種の製鋼スラグの微粉末であることを特徴とする、請求項1に記載の鉄鋼スラグ水和固化体。



【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−6743(P2013−6743A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140862(P2011−140862)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】