説明

鉱物被包性ナノ細菌の不活性化

分散剤および/または溶解剤および不活性化剤を一般に含んでなる、ナノ細菌で汚染された品物を不活性化させるための組成物および方法が提供される。本発明のこの方法および組成物は、医療および製造機器または表面のごとき各種品物を消毒および/または滅菌するのに有利に利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物含有外部保護層を一般に有するナノ細菌で汚染されたまたは汚染される可能性のある品物を不活性化させるための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ細菌は、既知の細菌よりも劇的に小さく500nm以下のオーダーサイズの様々な生物を含有すると考えられている。それらは保護層を特徴としており、例えば、リン灰石のごときカルシウム塩を含有することが多く、時間とともに厚みが増す細胞壁または膜、無機殻などによって閉塞または被包される。そのようなナノ細菌は、例えば結石(腎臓および胆石)、マラコプラキア、アテローム性動脈硬化症、心臓弁沈着などの人体の石灰化に関連する様々な疾患に関連しており、様々な癌腫に関連している。ナノ細菌は、感染力の確認およびどのようにして感染の危険性を制限することができるのかということに関して、医療産業および製薬産業において懸念を生じさせている。
【0003】
ナノ細菌は、不活性化させるのが非常に難しいと一般に考えられている。その理由は、少なくとも1つの研究、すなわち、非特許文献1によって、ナノ細菌は、物理的または化学的処理、例えば高圧蒸気滅菌(121℃で20分間)、紫外線処理(1〜3時間)、マイクロ波加熱(サンプルを5回煮沸)および各種バイオサイドでは不活性化されないことが分かったためである。前記バイオサイドとしては、エタノール、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、次亜塩素酸塩、過酸化水素、塩酸、水酸化ナトリウム、塩化グアニジウム、尿素、Erifenol(100%の製品は50%の過硫酸カリウムおよび5%のスルファミン酸を含有する)、Klorilli(100%はナトリウムN−クロロ−p−トルエンスルホンアミド−3−水和物および20,000ppmの活性塩素を含有する)などが挙げられる。
【0004】
発明者が前記非特許文献1の論文の著者と同じである特許文献1は、ナノ細菌に感染した患者を治療する方法を提供することに関する。特に、特許文献1は、腎臓結石に苦しんでいた患者の腎臓結石の再発を防止すると報告されている方法であって、抗生物質、ビスフォスフォネートまたはカルシウムキレート剤を、単独または組み合わせて、ナノ細菌の成長および発生を抑制または防止するのに効果的な量で投与する方法を提供する。
【0005】
特許文献1のこの段落および下記段落には、ナノ細菌は、通常の細菌のわずか1/100の大きさの自己複製生物の理論的限界に近づいているとさらに述べられている。ナノ細菌は、哺乳類の血液および血液製品から分離することができる(Kajanderに対する特許文献2を参照。前記特許の開示内容は本願明細書の一部を構成するものとして本願明細書に援用される。)。エネルギー分散型X線微量分析および化学分析によって、ナノ細菌は、それらの細胞外皮上に生体リン灰石を作り出すことが分かった。前記リン灰石の厚みは、主にナノ細菌の培地条件によって決まる。ナノ細菌は、哺乳類の血液および血液製品から分離される、最小の細胞壁で囲まれた、リン灰石形成細菌である。それらは大きさが小さく(0.05〜0.5μm)また独特の性質を持つため、慣用の微生物法では検出しにくい。ナノ細菌に感染した哺乳類細胞について、von Kossa染色で染色可能であり且つ病的石灰化に見られるcalcospherulesに似ている細胞内および細胞外針状結晶沈着物が電子顕微鏡検査によって明らかとなった。
【0006】
生命に必要な栄養の競合は自然環境において非常に熾烈であるため、好ましくない環境へ上手く順応することおよびそのような環境で生き残る戦略が必要となる。細菌は、胞子、嚢胞および生物膜を形成することができ、これらによって細菌は好ましくない時間を生きのびることができる。そのような形態にある細菌の代謝機能は著しく遅いが、栄養細胞もそれらの代謝速度を落とすことができる。生物膜または胞子としての細菌の抵抗が高まるのは、代謝速度が遅いことだけが理由ではない。前記生物の周りの不浸透性構造が、有害な恐れのある化合物の侵入を阻止する機械的な障壁の役割を果たす。細菌の生存を助ける他の仕組みもいくつか知られている。細菌胞子の耐熱性は、3つの主な要因に起因する。それらは、プロトプラスト脱水、鉱化および温度適応である。耐放射線性は、高度なDNA修復系に関連していることが多い。増殖および代謝速度の最小化は、細菌生存のための主な必須条件であることは明らかであり、これらによってDNAおよび他の損傷した細胞成分を修復する時間が確保される。非常に遅い代謝および生物膜を形成する能力も、ナノ細菌の特徴である。ナノ細菌は非常に小さいため、ナノ細菌の核酸を修復するための複雑なシステムの存在はあり得そうもないと思われる。
【0007】
リン灰石は、腎臓結石の形成において重要な役割を果たしている可能性がある。尿路結石の結晶成分は、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、スツルバイト、プリンまたはシスチンである。尿路結石の大部分は2種以上の成分の混合物であり、主な混合物は、シュウ酸カルシウムおよびリン灰石である。さらに、発酵槽モデル実験によって、常にリン酸カルシウムが初めに形成され、その後、シュウ酸カルシウムまたは他の成分で被覆されることがあることが分かった。スツルバイトおよび炭酸リン灰石の形成を引き起こす尿路感染は、腎臓結石の一般的な原因である。慣用の治療法は、通常、結石の外科的切除と短期間の抗菌療法の併用からなる。そのような治療は、約50%の患者に治癒をもたらす。治癒しない患者には、結石形成の再発および進行性腎盂腎炎が生じる。この病気に由来する死亡率および費用は深刻である。
【0008】
炭酸リン灰石の組織石灰化は、事実上、他の病気でよく見られ、例えば、アテローム動脈硬化性プラークは、リン酸カルシウムを蓄積する。免疫測定法および免疫組織化学的染色によって、人間の大動脈サンプルにおけるアテローム動脈硬化性プラークの25%はナノ細菌を含有していることが分かった。血液透析患者は、深刻な転移性および腫瘍性石灰化を患うことがある。急性関節周囲炎は、腱内石灰化に関連したアパタイト関節症である。アパタイト結晶も、滑膜腔に注入されると炎症を引き起こす。組織石灰化は、数種類の癌にも見られる。
【0009】
歯髄結石または歯状突起は、人間の歯の歯髄結合組織にも時々見られる様々な大きさの多形鉱化体である。それらは歯髄の老化または病理に関与していることが多いが、それらの病因は未だ不明なままである。それらは永久歯に存在することもある。歯髄結石は、これまで広範囲にわたって形態学的に研究されてきたが、それらの起源は未だに不明であり、それらの化学組成についてもほとんど分かっていない。歯髄石灰化の組織化学的研究によって、有機基質は、細網結合組織線維と、糖タンパク質および酸性多糖類を含有する基質とで構成されることが分かった。歯髄石灰化の鉱物相をX線エネルギー分散分光法および化学分析によって調査したところ、カルシウム塩がリン灰石、恐らく炭酸リン灰石の形態で堆積することが分かった。事実上、歯の化学構造と歯状突起の化学構造に大差はない。体内における骨の形成および歯の形成は仕組みがよく似ており、数多くの疑問が残されたままになっている。(歯および骨を除く)体内におけるリン灰石形成、例えば、歯髄結石、腎臓結石および関節石灰化は、病的バイオミネラル化と呼ばれる。
【0010】
Malacoplakiaは、原因不明の珍しい慢性炎症性疾患であるが、細菌因子が強く関与している。この疾患で死に至ることもある。この疾患は、リン灰石から成るミカエリス・グートマン体と呼ばれる、von Kossaポジティブ染色、石灰化積層またはターゲット型体を特徴とする。これらcalcospherulesの構造は石灰化されたナノ細菌と非常に似ている。
【0011】
組織石灰化は、漿液性卵巣腫瘍、子宮内膜の乳頭腺癌、乳癌、甲状腺乳頭癌、十二指腸カルチノイド腫瘍および頭蓋咽頭腫のごとき様々な疾病に見られる。数多くの悪性腫瘍の場合、上皮細胞に針状結晶が見られる。この種の石灰化を見つけるには、結晶が光学顕微鏡で見るには小さ過ぎ、また、それらの発生源が不明であるため、電子顕微鏡法を使用することが必要である。多くの悪性細胞は、ナノ細菌付着のための受容体を備えている。それらは、ナノ細菌を腫瘍内に入り込ませて、石灰化を起こさせることができる。さらに、炎症性刺激を受けた分裂細胞は、例えば、リン酸カルシウムの蓄積を有することで知られるアテローム動脈硬化性プラークにおいて、付着受容体を有することがある。この疾病について、電子プローブ分析によって鉱物堆積物の表面および内部は同じ化学組成を有することが分かったが、SEMによって、ナノ細菌に似ている球形粒子および繊維のごとき異なる種類の構造が明らかとなった。同様に、急性関節周囲炎は、関節におけるヒドロキシアパタイト結晶の存在に関連している。
【0012】
アルツハイマープラークは、抗ナノ細菌性ポリクローナル抗体と呼ぶことができる。これらのポリクローナル抗体は自己抗体を含有しており、特許文献1の発明者らは、ナノ細菌免疫においてあるモノクローナル自己抗体を得たとも報告している。遅い細菌感染は、自己免疫疾患の一因となっていると示唆されている。組織石灰化は、これらの疾患に見られることが多い。ナノ細菌は、ゆっくりと成長し、長期間にわたってヒトに感染する生物の新しい例である。アパタイト構造および異常核酸は、この感染に対する免疫反応の異常の一因となっている可能性がある。
【0013】
生体アパタイト核形成、結晶成長および形態のいくつかの側面を、生体内および生体外の両方で究明した。しかしながら、初期沈降相の具体的性質、結晶格子へのイオン性不純物の混入を制御する仕組みおよび要因、石化組織(骨、象牙質)の結晶学的超微細構造および形態の詳細、および基質をベースとした無機成分と複合コラーゲンとの関係などの数多くの詳細については未解決のままである。数多くの病気においてリン酸カルシウムが沈着する理由は、推測の域を出ていない。エネルギー生成のための残留物質に依存していると思われるミトコンドリア内でのカルシウムの蓄積が石灰化を引き起こしているらしいことが分かった。楕円体、および場合により微小線維および顆粒の形態にある非晶質リン酸カルシウムも、アパタイトへの転化により、石灰化の一因となっていると思われる。
【0014】
特許文献3は、生体材料を滅菌して、その中の1種以上の生物的汚染物質または病原体、例えばウイルス、(マイコプラズマ、ウレアプラズマ、ナノ細菌、クラミジア、リケッチアのごとき細胞間および細胞内細菌などの)細菌、酵母、かび、単細胞または多細胞寄生生物、および/または、単独または組合せでTSE(感染性海綿状脳)の原因となるプリオンまたは類似物質の量を減少させると報告されている放射線のごとき方法に関する。
【特許文献1】米国特許第6,706,290号
【特許文献2】米国特許第5,135,851号
【特許文献3】WO03/030949
【非特許文献1】Extraordinary Survival of Nanobacteria Under Extreme Conditions, Proc. SPIE Int. Soc. Opt. Eng. 3441, M. Bjorklund, N. Ciftcioglu and E. O. Kajander, 1998, pp 123−129
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
鉱物含有外部保護層を一般に有するナノ細菌で汚染された医療器具、製造品目などのごとき品物、およびそれらの表面を不活性化させるための組成物および方法が開示される。前記層は、一般に、前記細菌を閉塞または被包する細胞壁または細胞膜であり得るが、一般にはカルシウム含有鉱物のごとき閉塞または被包性無機殻であると考えられている。ナノ細菌を不活性化させる本発明の組成物は、一般に、分散剤および/または溶解剤および不活性化剤を含んでなる。十分に分かってはいないが、前記分散剤は、一般に、塊またはマトリックスになって存在していると一般に推測されているナノ細菌を分割または乳化すると考えられており、前記溶解剤は、一般に前記保護層を溶解または分解することによって前記細菌を露出させて前記不活性化剤によって不活性化させると考えられている。このように、ある1つの実施態様において、ナノ細菌を無害にする組成物は、溶解剤と不活性化剤とを含んでなる。他の実施態様において、前記組成物は、分散剤と不活性化剤とを含んでなるが、さらに他の実施態様において、前記組成物は、分散剤と、溶解剤と、不活性化剤とを含んでなる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
親水性ポリマー分散剤、または、有機硫酸ナトリウムおよび脂肪族−アリールスルホン酸ナトリウムを含有しないアニオン性湿潤剤、非イオン性湿潤剤、塩化第4級脂肪族−アリールアンモニウムを含有しないカチオン性湿潤剤、両性湿潤剤、またはそれらの組み合わせを含んでなる分散剤、および
不活性化剤、
を含んでなるナノ細菌不活性化組成物。
【0017】
少なくとも1種のカルボン酸基を有し且つ総炭素数が2〜約20である無窒素有機酸、リン酸含有化合物、スルホン化ポリリン酸化合物、3種以上のホスホン酸基を有するポリホスホン酸塩、酵素、またはそれらの塩、またはそれらの組み合わせを含んでなる溶解剤であって、3〜約5種のカルボン酸基を有する有機酸を含有しない溶解剤、
不活性化剤、および
任意に、前段落で説明したような分散剤、
を含んでなるナノ細菌不活性化組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
その表面も含む品物は、好ましからざるまたは潜在的に危険なナノ細菌を含有していることがある。そのようなナノ細菌を死滅、根絶もしくは不活性化させて、人間等に対する害を防ぐまたは損害を最小限にすることは重要である。
ナノ細菌は、一般に、閉塞または被包された細胞壁または膜あるいはむしろ無機殻などのごとき保護被膜を有するナノサイズの生物である。電子顕微鏡法によって測定した場合のナノ細菌の大きさは、直径が一般に約500ナノメーター未満、多くの場合約0.5〜約300または約20〜約200ナノメーターである。このように、ナノ細菌の平均的な大きさは、一般に、典型的な細菌の約1/100といったようにはるかに小さい。ナノ細菌はごく最近発見されたばかりであり、生物の正確な種類は十分に分かってはいないが、そのような種の1つはN.sanguineunであると考えられている。
【0019】
研究によって、ナノ細菌は生体保護層を作り出すことが分かった。前記保護層は、一般に、ナノ細菌を被包し、無機殻を形成しあるいはナノ細菌を閉塞し、また、ナノ細菌を不活性化させ得る化合物の侵入を防ぐ防護壁の役割を果たす。無機殻のごとき前記保護層は、そのような被膜が無い典型的な細菌を不活性化させるのに使用される慣用の組成物および方法に強い抵抗性を示す。保護殻等は、通常、カルシウムを一般にかなりの量で含有する。具体的な種類の殻材料として、様々な種類のアパタイト化合物が挙げられる。その例としては、Xがフッ化物、塩化物、OH、炭酸リン灰石としても知られるCa([PO][CO])Cl等である式Ca(POXによって表されるものを挙げることができるが、それらに限定されるわけではない。ヒドロキシアパタイトは、すべての脊椎動物の歯および骨を形成する鉱物である。あるいは、前記保護層は、炭酸カルシウムのごとき、カルシウム塩を含有する他の鉱物でもよい。前記保護層の厚みにはばらつきがある。
十分に分かってはいないが、ナノ細菌は以下のように複製および拡散する。ナノ細菌が表面に付着し、成長し、保護層によって一般に繋がっているナノ細菌のコロニーを含んでなる塊またはマトリックスの形成を繰り返す。成長し続けるにつれて、前記塊またはマトリックスの一部が切れて、他の表面と結合することがある。そのような生物成長は、様々な品物およびそれらの表面で容易に起こり得る。ナノ細菌は、典型的な細菌よりもずっと遅い速度で成長すると思われる。
【0020】
ナノ細菌で汚染されたまたは汚染される可能性のある品物およびそれらの表面を不活性化させるための各種組成物および前記組成物を使用するための方法が開示される。「ナノ細菌不活性化組成物」という用語は、分散剤および/または溶解剤および不活性化剤を含有する組成物であって、一般に濃縮された状態または本願明細書に記載される量で水性組成物として存在し、ナノ細菌で汚染されたまたは汚染される可能性のある各種品物またはそれらの表面に塗布することができる組成物を意味する。そのような品物としては、手術器具、望遠鏡、カメラなどのごとき一般的な医療機器;注射器、チューブ、カテーテルなどのごとき医療補助機器;内視鏡などのごとき医療内腔機器;各種医療埋葬用具;各種歯科器具;各種入れ墨/ピアス穴開け器具;各種手術室機材/表面;および各種獣医用機材が挙げられる。他の品物としては、例えばワクチン、食塩水、薬物送達溶液などのような医薬品品目が挙げられる。
【0021】
前述のように、本発明の組成物は、少なくとも1種の不活性化剤に加えて、1種以上の分散剤および/または1種以上の溶解剤を含んでなるが、不活性化剤のみが必要な場合もある。前記1種以上の分散剤、溶解剤および不活性化剤は、沈殿が全くまたはほとんど生じないように、溶液の状態にある場合に互いに相溶性があることが望ましい。本発明のナノ細菌不活性化組成物の異なる成分が好適な量で使用されることによって、1種以上の手段、例えばナノ細菌の塊状化、またはその溶解、またはその両方によってナノ細菌が不活性化される。下記種類の一般的な分散剤、溶解剤および不活性化剤のうちの1種以上の化合物の量は、品物またはその表面のナノ細菌汚染または潜在的汚染の種類によって大きく変わり得る。従って、最終用途に応じて、前記少なくとも1種の不活性化剤の量は大きくも小さくもなり得るし、前記少なくとも1種の分散剤化合物および/または溶解剤にも同じことが言える。
前記1種以上の分散剤としては、一般に、各種ポリマー、またはアニオン性湿潤剤、非イオン性湿潤剤、カチオン性湿潤剤および両性湿潤剤、あるいはこれらの組み合わせなどの湿潤剤のごとき各種界面活性剤が挙げられる。
【0022】
ポリマー分散剤は、一般に親水性であり、約3,000または約5,000〜約8,000、または約10,000、または約15,000の数平均分子量を有する。ポリマー分散剤は、当該技術分野および文献において周知であり、メチル、エチル、ブチルおよび2−エチルヘキシルポリアクリレートのごとき、エステル部分の炭素数が約2〜約10である各種ポリアクリレートおよび各種ポリメタクリレート、メタクリルアミドおよびエタクリルアミドのごとき各種ポリアクリルアミド、各種ポリマレエート、ポリメチレンオキシドおよびポリエチレンオキシドのごとき各種ポリアルキレンオキシド、各種ポリフォスフェート、各種ポリリン酸エステル、AMPS(登録商標)(アクリルアミドメチルプロピルスルホン酸)ポリマー、各種ポリスルホネート、各種ポリシリケートなどが挙げられる。そのようなポリマーは、Acusol(登録商標)、Acumer(登録商標)、Tamol(登録商標)、Alkanol(登録商標)、Goodrite(登録商標)およびVersa(登録商標)の商品名で市販されている。好適な分散剤としては、前記ポリマーを生成するのに使用されるかまたは他のモノマーと併用される2種以上のモノマーから誘導される共重合体、例えば、無水マレイン酸−スルホン化スチレン共重合体、無水アクリル酸−アクリルアミド共重合体、無水アクリル酸−スルホン化アクリルアミド共重合体、無水アクリル酸−AMPS共重合体、およびアクリル酸モノマー、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリルアミドモノマーまたはアルキレンオキシドモノマーの組み合わせから誘導される共重合体も挙げられる。三元重合体の例としては、無水アクリル酸、無水マレイン酸およびAMPS(登録商標)から誘導されるものが挙げられる。四元重合体のごとき4種以上のモノマーから誘導されるポリマーを使用することもできるが、それらは一般に高価であり、個々のモノマーの希釈効果により、さほど効果的でもない。
【0023】
各種分散剤としては、アニオン性湿潤剤、非イオン性湿潤剤およびカチオン性湿潤剤に大別することができる数々の界面活性剤も挙げられる。文字通り何千ものそのような湿潤剤が存在しており、使用可能なそのような化合物のリストは、数が多過ぎて記載できない。しかしながら、原則として、使用可能な湿潤剤は、一般に溶液中で沈殿しないという点で溶解剤および不活性化剤と相溶性があり、また、ナノ細菌の塊およびマトリックスを懸濁、乳化または分割するのに効果的である。また、一部の界面活性剤は、溶解剤の役割を果たすこともできる。
アニオン性湿潤剤のごときアニオン界面活性剤としては、一般に、各種硫酸エーテル、各種有機硫酸非ナトリウム、各種有機リン酸塩、各種スルホ酢酸塩、各種金属(非脂肪族)アリール有機スルホン酸塩および各種金属(非アリール)脂肪族有機スルホン酸塩、各種アミンスルホン酸塩などの各種スルホン酸塩、および各種有機スルホン酸、およびスルホコハク酸塩、またはそれらの塩が挙げられる。
【0024】
総炭素数が約8〜50である脂肪族基および/または芳香族基またはその両方を含有する各種硫酸エーテルの例としては、エーテル硫酸アンモニウム、トリデシルエーテル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ノニルフェノールエーテル硫酸ナトリウム、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、エーテル硫酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
総炭素数が約8〜40である脂肪族基および/または芳香族基またはその両方を含有する有機硫酸非ナトリウムの例としては、ラウリル硫酸カリウム、デシル硫酸カリウム、オクチルフェノールエトキシ化硫酸カリウム、ノニルフェノールエトキシ化硫酸カリウム、ノニルフェノールエトキシ化硫酸アンモニウム、2−エチル−ヘキシル硫酸カリウム、オクチル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸テトラエチルアンモニウム、有機硫酸アミンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0025】
総炭素数が約8〜40である脂肪族基および/または芳香族基またはその両方を含有する有機リン酸塩の例としては、ラウリルリン酸ナトリウム、デシルリン酸ナトリウム、オクチルフェノールエトキシ化リン酸ナトリウム、ノニルフェノールエトキシ化リン酸ナトリウム、ノニルフェノールエトキシ化リン酸アンモニウム、2−エチル−ヘキシルリン酸ナトリウム、オクチルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸アンモニウム、ラウレスリン酸アンモニウム、ラウレスリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸マグネシウム、ラウリルリン酸テトラエチルアンモニウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
総炭素数が約8〜20である脂肪族基および/または芳香族基またはその両方を含有するスルホ酢酸塩アニオン界面活性剤の例としては、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0026】
炭素数が8〜約20である脂肪族または二脂肪族基を含有するアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)脂肪族(非アリール)有機スルホン酸塩の例としては、オクタンスルホン酸ナトリウムのごときアルカンスルホン酸ナトリウム、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウムおよびα−オレフィンスルホン酸ナトリウムのごときオレフィンスルホン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。総炭素数が約8〜40である脂肪族基および/または芳香族基またはその両方を含有するアミン含有スルホン酸塩の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、アルキルアリールスルホン酸アミン、およびドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。総炭素数が約6〜約20である脂肪族基または芳香族基および/またはその両方を含有するアニオン性有機スルホン酸としては、アルキルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などが挙げられる。
総炭素数が約8〜約40であるアニオン性スルホコハク酸塩湿潤剤の例としては、アルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム、オレアミドMIPAスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
脂肪族硫酸ナトリウムは、あまり溶け易くはないため、敬遠される、すなわち、使用されない。脂肪族硫酸ナトリウムは、金属脂肪族アリールスルホン酸塩自体と同じぐらいアルカリ性であり、もし使用されるのであれば、前記ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、例えば1,000または750重量部以下、望ましくは500重量部以下といった非常に少ない量でのみ存在する。
非イオン界面活性剤湿潤剤としては、各種アルコキシレート、各種アミド、各種エステル、各種エトキシレート、各種トリグリセリドなどが挙げられる。そのような有機湿潤剤の総炭素数は、一般に約1または約5〜約20または約50である。ただし、炭素数がそれよりもかなり大きいポリマーは除外する。さらに、他の非イオン界面活性剤も、他の湿潤剤、各種溶解剤および各種不活性化剤のごとき他の成分との相溶性がある限り、一般に使用することができる。
【0028】
脂肪族基または芳香族基またはその両方を含有するアルコキシレートの例としては、各種ポリ脂肪族および/または芳香族アルコキシレート、各種ポリアルコキシ化アミド、各種アルキルフェノールアルコキシレート、各種アルキルフェノールブロック共重合体、各種ポリアルキレンオキシドブロック共重合体、各種アルコールアルコキシレート、および各種ブチル系ブロック共重合体、またはそれらの塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。
脂肪族基または芳香族基またはその両方を含有する各種アミド非イオン性湿潤剤の例としては、各種脂肪酸アルカノールアミド、各種改質脂肪酸アルカノールアミド、各種モノエタノールアミドおよびジメタノールアミド、オレイルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ヤシジエタノールアミド、ココヤシジエタノールアミド、ラウルアミドDEA、脂肪酸ジエタノールアミド、PEG−6コカミド、ラウルアミドMEA、コカミドDEA、ココヤシモノエタノールアミド、PEG−6ラウルアミド、ココヤシモノイソプロパノールアミド、コカミドMIPA、コカミドMEA、またはそれらの塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
当該技術分野および文献において周知であるように、脂肪族基または芳香族基またはその両方を含有する非イオン性エステル湿潤剤は数多く存在し、その例としては、各種リン酸エステル、例えば各種アルキルエーテルリン酸エステル、アルコール部分の炭素数が1〜約20である各種アルコールエトキシ化リン酸エステルおよび各種トリデシルアルコールリン酸エステル、例えばノニルフェノールエトキシ化リン酸エステルおよびオレイルアルコールエトキシ化リン酸エステルなどが挙げられる。他のエステルとしては、パルミチン酸セチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸/オレイン酸メチル、ステアリン酸グリコール(および)ステアラミドAMP、ステアリン酸グリセリル(および)ステアリン酸PEG100、パルミチン酸イソプロピル、ジオレイン酸PEG−4、ラウリン酸PEG−12、ステアリン酸プロピレングリコール、ソルビトールエステル、エトキシ化ソルビトールエステル、ステアリン酸PEG−2、炭素数が2〜8である各種グリコール、ジステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリコール、ジラウリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジラウリン酸PEG−4、ジラウリン酸PEG−8、ジステアリン酸PEG−8、オレイン酸PEG−8、ジラウリン酸PEG−12、ジオレイン酸PEG−12、ジステアリン酸PEG−12、ジステアリン酸PEG−150、ステアリン酸PEG−150、ノニルフェノールPOE−10リン酸エステル、ノニルフェノールPOE−6リン酸エステル、ノニルフェノールPOE−4リン酸エステル、ノニルフェノールPOE−8リン酸エステル、ノニルフェノールPOE−12リン酸エステル、ジオレイン酸PEG−400、各種ソルビトールエステル、各種エトキシ化ソルビトールエステル、およびポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80およびポリソルベート85のごとき各種ポリソルベート、またはそれらの組み合わせが挙げられる。そのようなエステルとして、Triton X(登録商標)化合物およびTween(登録商標)化合物の商品名で入手可能である。
【0030】
脂肪族基または芳香族基またはその両方を含有する各種エトキシレート非イオン性湿潤剤としては、アルキルフェノールエトキシレート、脂肪酸アルキルエトキシレート、アルコールエトキシレート、獣脂アミンエトキシレート、各種オレイルアルコールエトキシレート、各種ステアリン酸エトキシレート、各種オクチルフェノールエトキシレート、各種ノニルフェノールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、トリデシルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、ソルビタルトリオレエートエトキシレート、ソルビタルモノオレエートエトキシレート、獣脂アミンエトキシレート、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
脂肪族基または芳香族基またはその両方を含有する各種トリグリセリド非イオン性湿潤剤としては、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、トリカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドエステル、硬化植物油、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
カチオン性湿潤剤としては、当該技術分野および文献において周知である数多くの化合物が挙げられる。一般に、任意の他の1種以上の分散剤、溶解剤および各種不活性化剤との相溶性がある限り、任意のカチオン性湿潤剤を使用することができる。従って、下記は、様々な好適なカチオン性湿潤剤を代表するものである。
【0032】
望ましい種類のカチオン性湿潤剤とは、独立して、炭素数が1〜約30である脂肪族基、好ましくはアルキル基を1〜約4個含有し、かつ、ハロゲン化物が塩化物、臭化物またはヨウ化物である、1種以上の脂肪族(非アリール)ハロゲン化、炭酸または硫酸アンモニウムである。そのような脂肪族第4化合物の例としては、ハロゲン化テトラブチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化テトラプロピルアンモニウム、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラオクチルアンモニウム、ハロゲン化ブチルトリエチルアンモニウム、ハロゲン化メチルトリオクチルアンモニウム、ハロゲン化メチルトリカプリルアンモニウム、ハロゲン化メチルトリブチルアンモニウム、ハロゲン化ミリスチルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化セチルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ラウリルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ドデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化フェニルトリメチルアンモニウム、塩化ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウムポリマー、各種ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルキル(C8〜10)ジメチルアンモニウム、ハロゲン化デシルイソノニルジメチルアンモニウム、ハロゲン化ジデシルジメチルアンモニウム、ハロゲン化ジオクチルジメチルアンモニウム、ハロゲン化ジ獣脂ジメチルアンモニウム、メチル硫酸メチルビス(獣脂アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、メチルビス(タロウアミドエチル)−2−ヒドロキシエチル、メチル硫酸メチルビス(大豆アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、メチル硫酸メチルビス(カノーラアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、メチル硫酸メチルビス(獣脂アミドエチル)−2−獣脂イミダゾリニウム、およびメチル硫酸メチルビス(エチル獣脂脂肪酸)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
別の種類のカチオン性湿潤剤は、1種以上のハロゲン化(非塩化)アリールアンモニウムまたはハロゲン化(非塩化)、炭酸または硫酸脂肪族アリールアンモニウムである。前記カチオン性湿潤剤において、脂肪族基が存在する場合、その数は1〜約4であり、前記脂肪族基は、独立して、炭素数が約1〜約30であり、好ましくはアルキルであり、アリール基の数は1〜約4であり、前記アリール基は、独立して、炭素数が6〜約30であり、そしてハロゲン化物は臭化物またはヨウ化物である。当然ながら、アルキル基および/またはアリール基の総数は、4である。そのような(非塩化)アリールまたは(非塩化)脂肪族アリール第4化合物の例としては、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリブチルアンモニウム、臭化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化セチルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、臭化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム、臭化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリメチルベンジルアンモニウム、および炭酸ドデシルジメチルアンモニウム、重炭酸ドデシルジメチルアンモニウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
本発明の第4化合物は、一般に、塩化ナトリウム脂肪族アリールアンモニウム化合物を全く含有しない。従って、もし使用されるのであれば、ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、例えば5,000重量部以下あるいは1,000重量部以下、望ましくは500重量部以下といった非常に少ない量でのみ使用される。
本発明のカチオン性第4化合物のいずれかが使用される場合、一般にアニオン性湿潤剤の使用は避けられる。その理由は、前記アニオン性湿潤剤は前記カチオン性第4化合物と相互作用し、沈殿が生じて、その沈殿が両方の湿潤剤の活性を打ち消してしまうことが多いからである。
【0035】
各種第4級カリウム化合物も使用することができる。前記化合物において、脂肪族基の数は1〜4であり、アリール基の数は1〜4であるが、ただしそのような脂肪族基および/またはアリール基の総数は4であり、各々の脂肪族基(好ましくはアルキル基)は、独立して、炭素数が1〜約30であり、各々の脂肪族−アリール基は、炭素数が6〜約30である。ハロゲン化物は、塩化物、臭化物またはヨウ化物でもよい。好適な第4級カリウム化合物の例としては、ハロゲン化エチルトリフェニルカリウム、ハロゲン化ブチルトリフェニルカリウム、ハロゲン化ベンジルトリフェニルカリウム、ハロゲン化メチルトリフェニルカリウム、ハロゲン化テトラフェニルカリウム、ハロゲン化トリブチルテトラデシルカリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
さらに別の種類の湿潤剤または界面活性剤としては、炭素数が2〜約20であるベタインおよびスルテインなどの各種両性化合物、例えばコカミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、水素化コカミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルテイン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。他の両性化合物は、ドデシル−β−アミノ酪酸、ドデシル−ジ(アミノエチル)グリシン、またはイミダゾール環に基づいており、Armeen(登録商標)、Tego(登録商標)またはMiranol(登録商標)として市販されている。
前記1種以上の分散剤が使用される場合、その総量は、前記ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、一般に約100〜約100,000または約50,000または約10,000重量部、望ましくは約500〜約5,000重量部である。
【0037】
前述のように、前記1種以上の溶解剤は、一般に石灰化されるナノ細菌保護被膜を少なくとも部分的に溶解させる働きをする。好適な溶解剤としては、各種有機塩、リンを含有することが多い各種有機酸、またはそれらの塩などが挙げられる。そのような化合物は、前記細菌を閉塞または被覆する保護層を取り除くかまたは少なくすると考えられている。有機溶媒は、ナノ細菌のカルシウム含有保護層を溶解させないため、避けられる。すなわち、使用されない。有機溶媒としては、炭素数が6〜約20または約30である各種炭化水素が挙げられ、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのごとき脂肪族、芳香族またはそれらの組み合わせが挙げられる。もし使用されるのであれば、それらは、全ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、例えば1,000重量部以下、望ましくは750重量部以下、好ましくは500重量部以下といった非常に少ない量で使用される。
【0038】
有機酸の1種として、1種または2種のみの酸性基と1種以上のヒドロキシル基とを有する、総炭素数が2〜20である各種無窒素カルボン酸が挙げられる。前記無窒素カルボン酸としては、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸、ヒドロキシコハク酸、ガラクタル酸、ヒドロキシプロピオン酸、乳酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキメチル酪酸、ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、ジベレリン酸、ヒドロキシオクタデカン酸、ジ−t−ブチルヒドロキシ安息香酸、ベンジル酸、ヒドロキシルフルオレンカルボン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ヒドロキシメチル安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、マンデル酸、ヒドロキシメトキシ安息香酸、メトキシサリチル酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシ桂皮酸、ジヒドロキシヒドロ桂皮酸、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、ジヒドロキシ酒石酸、ヒドロキシメトキシ桂皮酸、クロロヒドロキシ安息香酸、クロロマンデル酸、クロロフタル酸、サリチル酸、クロロサリチル酸、シトラジン酸、ジブロモヒドロキシ安息香酸、ジクロロヒドロキシ安息香酸、ジクロロサリチル酸、ガラクトロン酸、グルクロン酸、ヒドロキシプロパン二酸、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、乳酸、メトキシサリチル酸、トリヒドロキシ安息香酸、またはそれらの部分塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
有機酸のもう1種として、窒素原子を含有してもよい、炭素数が2〜約20である各種無ヒドロキシルおよび無窒素飽和または不飽和ジカルボン酸が挙げられる。その例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、デカン二酸、ショウノウ酸、ベンゼンジカルボン酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、オクタン二酸、ホモフタル酸、フェニルマロン酸、シクロペンタン二酢酸、ノナン二酸、ベンジルマロン酸、フェニレン二酢酸、フェニルコハク酸、ブロモコハク酸、カルボキシフェン酢酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ジブロモコハク酸、ジクロロフタル酸、ジエチルマロン酸、ジグリコール酸、ジメチルマロン酸、ジメチルペンタン二酸、ジメチルコハク酸、エチルマロン酸、グルタミン酸、ヘキセン二酸、イミノ二酢酸、メチルマロン酸、メチルコハク酸、ナフタレンジカルボン酸、オキサル酢酸、オキソペンタン二酸、ウンデカンジカルボン酸、ジピコリン酸、またはそれらの部分塩、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
ポリマー酸またはリン含有酸、例えば、Belsperse(登録商標)161または164のごときホスフィノカルボン酸、Belclene(登録商標)400のごときスルホン化ホスフィノカルボン酸、ニトリロ三酢酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、またはそれらの部分塩およびそれらの組み合わせも使用することができる。従って、酸繰り返し単位数が少なくとも5または10であるポリマー酸は、カルボン酸とは見なされない。
各種ポリホスホン酸塩のごとき3種以上のホスホン酸基を含有する化合物を使用することができる。その例としては、Dequest(登録商標)、Unihib(登録商標)、Mayoquest(登録商標)およびBriquest(登録商標)として市販されているATMP、ホスホン酸DETA、ホスホン酸BHMT、ホスホン酸EDT、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ホスホン酸HMDTまたはそれらの部分塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。ジスホスホン酸塩は、一般的には効果的な溶解剤ではないので一般に使用されることはなく、そのため本発明の組成物には含有されない。すなわち、もし使用されるのであれば、前記ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、例えば1,000重量部以下、望ましくは750重量部以下または500重量部以下といった非常に少ない量で存在する。
【0041】
他の溶解剤としては、ピロリン酸エステル、トリポリリン酸エステル、ヘキサメタリン酸エステル、トリデシルアルコールリン酸エステル、ノニルフェノールエトキシレートリン酸エステル、ノニルフェノールPOEnリン酸エステル、アルキルポリエトキシエタノールのリン酸エステルのごときリン酸エステル、またはそれらの部分塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。
溶解剤のさらにもう1種として、アミラーゼ、リパーゼのごときプロテアーゼなどの各種酵素、各種リン酸塩、または他の消化酵素、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
一般に、3〜約5つ以上のカルボキシル基を有しおよび任意に1つ以上のヒドロキシル基を含有しおよび/または任意に1つ以上〜約5つの窒素原子を含有する有機酸は、溶解剤としての使用は避けられる。従って、カルボン酸基数が3〜約5であるヒドロキシル含有有機酸などは使用されず、もし使用されるのであれば、前記ナノ細菌不活性化組成物の1,000,000重量部当たり、例えば1,000重量部以下、望ましくは750重量部以下、好ましくは500重量部以下といった非常に少ない量でのみ使用される。
【0042】
前記各種溶解剤は、一般にアルカリ性pH条件下において使用されるため、溶液のpHよりも低いpKaを有することが望ましい。換言すれば、前記溶解化合物は、最大の効果を発揮するために、部分的または完全に脱プロトン化されるべきである。
前記1種以上の異なる種類の溶解剤とともに、ナノ細菌を、本発明の組成物の使用前または使用後に各種物理的処理に付すことができる。そのような処理としては、約110〜約140℃の温度で約3〜約30分間オートクレーブで処理すること、波長が約100〜約3,900°Aの約1〜約1,000ワットの紫外線を約1時間〜約1または2日間照射することが挙げられる。約45〜約90℃の温度で約2〜約30分間加熱することもできる。他の処理としては、ナノ細菌が入った液体の超音波処理が挙げられる。
【0043】
ナノ細菌から保護層を効果的に取り除くために一定量の溶解剤が使用されるが、ナノ細菌が付着している品物、例えば各種金属製器具または製造機器まで一般に攻撃してしまう過剰量であってはならない。前記1種以上の溶解剤の量は、前記ナノ細菌溶解組成物の1,000,000重量部当たり、一般に約5〜約100,000または50,000または10,000重量部、望ましくは約200〜約1,000重量部である。
前記1種以上の不活性化剤は、ナノ細菌を不活性化、例えば、殺菌、滅菌、消毒または一般に無害にするために使用される。一般に、細菌は、一旦露出させてしまえば不活性化させることができる。露出は、ナノ細菌の保護層が、1種以上の分散剤および/または溶解剤によって少なくとも部分的に破壊、溶解または除去された場合に生じる。
【0044】
不活性化剤の1種類として、塩酸または硫酸のごとき各種強酸が挙げられる。ただし、前記酸溶液のpHは、一般に、細菌を攻撃するのに十分低くなければならず、一般に約6.0以下、望ましくは約3以下である。
強塩基も使用することができる。その例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。前記強塩基のpHは、約9以上、望ましくは少なくとも約12以上である。
別の種類の好適な不活性化剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オルト−フタルデヒドのごとき各種アルデヒド、ヘキサメチレンテトラミンのごときホルムアルデヒド放出剤、トリアジン、イミダゾール、ヒダントインおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
アルキル化剤としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどが挙げられる。
【0045】
さらに別の種類の不活性化剤としては、クレゾールおよびビスフェノールのごとき置換フェノールを含むフェノールが挙げられる。その例としては、アルキルフェノールおよびジアルキルフェノール;カテコール、レゾルシノールおよびハイドロキノンのごとき二価フェノール;アルキルジヒドロキシベンゼン;クロロフェノール、アルキルおよび/または芳香族置換クロロフェノールのごときハロゲン置換フェノール;ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール、およびアルキルまたは芳香族置換ニトロフェノール;アミノフェノール;芳香族、アルキル芳香族および芳香族アルキル置換フェノール;ヒドロキシ安息香酸;ビスフェノール、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、8−ヒドロキシキノリンのごときヒドロキシキノリン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。望ましいフェノール化合物としては、o−フェニルフェノール(OPP)、p−t−アミルフェノール(PTAP)、o−ベンジル−p−クロロフェノール(OBPCP)、p−クロロ−m−キシレノール(PCMX)、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
炭素数が1〜約20である脂肪族アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、メタノールなども使用することができるが、炭素数が3〜約7である脂肪族アルコール、例えば、ブチルアルコールおよびその各種異性体、ヘキサノールアルコールおよびヘプタノールアルコールが望ましい。炭素数が5である各種アルコール、例えば、n−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコールおよびシクロペンチルアルコールが非常に望ましい。
【0047】
別の種類の不活性化剤としては、ハロゲンおよびハロゲン放出化合物が挙げられる。その例としては、ヨウ素、PVPIのごときヨードフォア、塩素、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩、クロラミン、二酸化塩素、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムのごとき塩素供与体、臭素、次亜臭素酸および次亜臭素酸塩、Bronopol(登録商標)のごとき臭素放出化合物、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
重要な種類の不活性化剤としては、各種過酸素および他の形態の酸素が挙げられる。その例としては、過酢酸、過クロム酸、過硫酸、過安息香酸のごとき過酸、過酸化水素のごとき有機または無機過酸化物、過炭酸、過マンガン酸塩、過ラウリン酸、過グルタル酸、ペルオキシフタル酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。過酸化水素の使用は任意であるため、使用しなくてもよい。
【0048】
他の化合物としては、気体、蒸気、あるいは水のごとき液体に溶解している形態にあるオゾンのごとき酸化剤、またはヒドロキシル、ヒドロペルオキシル、超酸化物、酸化物などのごとき基が挙げられる。さらに他の不活性化剤としては、尿素、塩酸グアニジンなどのごとき窒素化合物が挙げられる。
さらに他の不活性化剤としては、各種精油消毒配合物が挙げられる。前記配合物は、タイム油、オレガノ油、オレンジ油、レモン油、ティーツリー油、α−テルピネオールのごとき松根油の各種成分、各種脂肪族化合物、芳香族化合物のごとき総炭素数が約6〜約20である非極性炭化水素、またはそれらの組み合わせを含んでなる。具体的な例としては、ヘキサン、オクタン、デカン、ベンジン、トルエン、キシレン等、メチレンビスチオシアネート、DBNPA、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、キノリン、アニリドのごとき各種窒素化合物、各種ニトロ化合物、ココトリメチレンジアミン、ドセシルモルホリン−N−オキシド、およびビグアニドおよびイオネンのごときポリマーが挙げられる。
前記各種不活性化剤は、液体、蒸気、気体またはそれらの組み合わせのいずれの形態にあってもよいが、一般的には液体が望ましい。
【0049】
これらの不活性化ブレンドは、アニオン性湿潤剤のごとき前記分散剤と混ぜ合わせて、ナノ細菌で汚染された各種品物を消毒または滅菌するのに使用することができる。本発明のナノ細菌不活性化組成物は、様々な方法によって塗布することができるが、一段階または二段階塗布が一般に使用される。一段階塗布では、好適な種類および量の不活性化剤を、1種以上の分散剤および/または1種以上の溶解剤と混ぜ合わせる。そして、得られた組成物を、処理されるべき品物に塗布する。二段階または三段階法では、任意に品物の表面に酸性洗浄剤、洗剤または石鹸などのごとき各種洗浄剤または物理的処理を施すが、物理的処理には、熱湯、蒸気、高圧蒸気殺菌のごとき高温、紫外線のごとき放射線、あるいはオゾンのごとき洗浄ガス化合物が包含される。酸洗浄が使用される場合、溶液のpHは一般に6未満であるが、温かい溶液が望ましい。また、下記のごとき抑制剤は、鋼、銅などのごとき金属製品の腐食を軽減させるために使用される。処理後、前記表面を、1種以上の分散剤および/または溶解剤で処理する。保護層を破壊した後、不活性化剤を塗布してナノ細菌を攻撃する。
前記1種以上の不活性化剤の量は、様々な要因、例えば、ナノ細菌の量および濃度、不活性化剤の強度および効果、処理の物理相、処理のpH、配合物中の他の成分の存在などによって決まる。
【0050】
強酸および強塩基のごとき各種不活性化剤に、本発明の組成物で処理された品物の金属を攻撃させないようにするために、腐食防止剤が使用される。そのような化合物は、当該技術分野および文献において周知であり、その例としては、チオ尿素、チオシアン酸アンモニウム、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、ヒドロキシホスホノ酢酸、モリブデン酸塩、亜鉛、アミン、イミダゾールなどが挙げられる。防止剤は、ホルムアルデヒド、各種アミンおよびケトンを用いたマンニッヒ縮合反応によって製造することもできる。銅または銅合金品の場合、トリルトリアゾールまたはベンゾトリアゾールのごとき腐食防止剤を使用することができる。
前記各種不活性化剤および各種分散剤および/または溶解剤が好適な量で使用されることによって、各種品物を処理するのに使用される前記ナノ細菌不活性化組成物が、一般に少なくとも4、すなわち消毒、望ましくは少なくとも6、すなわち滅菌、好ましくは少なくとも7のナノ細菌ログリダクションを達成できる。一般に好適な量とは、前記ナノ細菌溶解組成物の約5〜約100,000または50,000または10,000重量部、望ましくは約200〜約1,000重量部の範囲である。
【0051】
下記に提案された実施例を参照しながら、本発明の理解を深めていく。下記実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0052】
提案配合物1
5〜7.5%の塩酸(硫酸でもよい)(不活性化剤)
0.25〜0.75%の重フッ化アンモニウム(シリカが存在する場合にシリカを除去するのに使用)
0.2〜0.3%のチオ尿素またはプロパルギルアルコール(腐食防止剤)
0.03%のアルキルアリールポリエトキシアルコールのごとき非イオン性湿潤剤(分散剤)
提案配合物2
3〜10%の過酢酸(不活性化剤)
0〜10%のノニルフェノールエトキシレートのごとき非イオン界面活性剤(分散剤)
1〜10%のチオ尿素(腐食防止剤)
提案配合物3
3〜10%の過酢酸(不活性化剤)
2%のポリマレイン酸(分散剤)
提案配合物4
10%のホスホン酸DETA(溶解剤)
5%のBelsperse164(分散剤)
5%のポリマレイン酸(分散剤)
0.1〜10%の二酸化塩素(不活性化剤)
【0053】
%が重量%を表す前記配合物から明らかなように、1種以上の分散剤および/または溶解剤の様々な組み合わせを、1種以上の不活性化剤と併用することによって、品物の表面を消毒または滅菌することができる。
特許法に従って、最良の形態および好ましい実施態様を説明してきたが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではなく、むしろ添付の請求の範囲によって限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性ポリマー分散剤、または、有機硫酸ナトリウムおよび脂肪族−アリールスルホン酸ナトリウムを含有しないアニオン性湿潤剤、非イオン性湿潤剤、塩化第4級脂肪族−アリールアンモニウムを含有しないカチオン性湿潤剤、両性湿潤剤、またはそれらの組み合わせを含んでなる分散剤、および
不活性化剤
を含んでなるナノ細菌不活性化組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のカルボン酸基を有し且つ総炭素数が2〜約20である無窒素有機酸、リン酸含有化合物、スルホン化ポリリン酸化合物、3種以上のホスホン酸基を有するポリホスホン酸塩、酵素、またはそれらの塩、またはそれらの組み合わせを含んでなる溶解剤であって、3〜約5種のカルボン酸基を有する有機酸を含有しない溶解剤、および
不活性化剤
を含んでなるナノ細菌不活性化組成物。
【請求項3】
親水性ポリマー分散剤、または、有機硫酸ナトリウムおよび脂肪族−アリールスルホン酸ナトリウムを含有しないアニオン性湿潤剤、非イオン性湿潤剤、塩化第4級脂肪族−アリールアンモニウムを含有しないカチオン性湿潤剤、両性湿潤剤、またはそれらの組み合わせを含んでなる分散剤を含んでなる、請求項2に記載のナノ細菌不活性化組成物。
【請求項4】
非イオン性分散剤および炭素数が1〜約20である消毒アルコール、または、
前記消毒アルコールおよびナノ細菌不活性化剤
を含んでなる、ナノ細菌不活性化組成物。
【請求項5】
前記消毒アルコールの炭素数は約5である、請求項4に記載のナノ細菌不活性化組成物。

【公表番号】特表2009−501220(P2009−501220A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521383(P2008−521383)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020268
【国際公開番号】WO2007/145608
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(502042506)ステリス インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】