説明

銀ロウ溶接方法

【課題】上部隙間を均一にする作業の簡便化を図ること。
【解決手段】銀ロウ溶接方法は、ベース部材10の貫通縦孔11にパイプ部材20の本体部21を挿入し、パイプ部材本体部21の外周面23とベース部材貫通縦孔11の周面14とで形成される隙間80、及び、パイプ部材20の本体部21から外方へ延びるフランジ部22の上面26とベース部材10の下面12とで形成される隙間70に、上方から銀ロウ40を溶かして流し込み、ベース部材10とパイプ部材20とを固着する銀ロウ溶接方法であり、パイプ部材本体部21の外周面23に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の上部隙間用突起部24を予め設け、上部隙間80及び下部隙間70が生じるようパイプ部材20をベース部材10に組み付けたとき、上部隙間用突起部24がベース部材貫通縦孔11の周面14を押圧し、当該組付状態が保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁のバルブ本体に組み付けられるソレノイドのベース部材とパイプ部材とを固着するのに好適な銀ロウ溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁弁のバルブ本体に組み付けられるソレノイドのベース部材とパイプ部材とを固着する銀ロウ溶接方法は次のように行われていた。
【0003】
すなわち、図11において、従来の銀ロウ溶接方法は、(1)ベース部材10の貫通縦孔11にパイプ部材20の本体部21を挿入し、(2)図示しない高周波溶接用治具により、パイプ部材本体部21の外周面23とベース部材貫通縦孔11の周面14との間、及び、パイプ部材20の本体部21から外方へ延びるフランジ部22の上面26とベース部材10の下面12との間に、それぞれ所定の隙間80、70(以下、上部隙間、下部隙間ともいう。)が形成された状態に保ち、(3)ベース部材10の貫通縦孔11周辺の上面15とパイプ部材本体部21のベース部材10近傍の外周面23とに筆でフラックス101を塗り、その上に銀ロウリング102をセットし、(4)図示しない高周波溶接用ワークコイルに通電して銀ロウリング102を溶かして上部隙間80及び下部隙間70に流し込み、最終的にベース部材10とパイプ部材20とが固着されるようにしていた。なお、本出願に先立ち、先行技術を調査したところ、特許文献1を発見した。
【特許文献1】特開2003−222261公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の銀ロウ溶接方法によると、上部隙間80を均一にする作業、下部隙間70を均一にする作業、及び、ベース部材10の貫通縦孔11の中心線とパイプ部材20の本体部21の中心線とを一致させる芯出し作業が煩雑であるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のようなフランジ部付きパイプ部材に限定されるものではなく、フランジ部を有さない本体部のみからなるパイプ部材にも適用可能であり、上記のような従来技術の問題点を解決し、少なくとも上部隙間を均一にする作業の簡便化を図ることができる銀ロウ溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の銀ロウ溶接方法は、ベース部材の貫通縦孔にパイプ部材を挿入し、該パイプ部材の外周面と前記ベース部材貫通縦孔の周面とで形成される隙間に、上方から銀ロウを溶かして流し込み、前記ベース部材と前記パイプ部材とを固着する銀ロウ溶接方法において、前記パイプ部材本体部の外周面に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の隙間用突起部を予め設け、前記隙間が生じるよう前記パイプ部材を前記ベース部材に組み付けたとき、前記上部隙間用突起部が前記ベース部材貫通縦孔の周面を押圧し、当該組付状態が保持されることを特徴とする。
【0007】
本発明の銀ロウ溶接方法によると、パイプ部材をベース部材に組み付けたとき、隙間用突起部がベース部材貫通縦孔の周面を押圧することによって均一な隙間が形成される。このため、隙間を均一にする作業の簡便化を図ることができる。
【0008】
ここで、前記隙間用突起部を上下方向に複数組設けるようにすると、ベース部材の肉厚が厚肉である場合の組付状態をより確実なものにすることができる。
【0009】
また、本発明の銀ロウ溶接方法は、ベース部材の貫通縦孔にパイプ部材の本体部を挿入し、該パイプ部材本体部の外周面と前記ベース部材貫通縦孔の周面とで形成される上部隙間、及び、前記パイプ部材本体部から外方へ延びるフランジ部の上面と前記ベース部材の下面とで形成される下部隙間に、上方から銀ロウを溶かして流し込み、前記ベース部材と前記パイプ部材とを固着する銀ロウ溶接方法において、前記パイプ部材本体部の外周面に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の上部隙間用突起部を予め設け、前記上部隙間及び前記下部隙間が生じるよう前記パイプ部材を前記ベース部材に組み付けたとき、前記上部隙間用突起部が前記ベース部材貫通縦孔の周面を押圧し、当該組付状態が保持されることを特徴とする。
【0010】
本発明の銀ロウ溶接方法によると、パイプ部材をベース部材に組み付けたとき、上部隙間用突起部がベース部材貫通縦孔の周面を押圧することによって均一な上部隙間が形成される。このため、上部隙間を均一にする作業の簡便化を図ることができる。
【0011】
ここで、前記パイプ部材フランジ部の上面に、前記ベース部材下面と当接したとき前記下部隙間を生じさせる下部隙間用突起部を予め設けるようにすると、下部隙間を均一にする作業の簡便化も同時に図ることができる。また、同時に、ベース部材貫通縦孔の中心線とパイプ部材本体部の中心線とを一致させる芯出しが簡便に行われることとなる。
【0012】
前記下部隙間用突起部は、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状のものとすると、より均一な下部隙間を形成することができる。
【0013】
前記下部隙間用突起部を、前記パイプ部材フランジ部の先端に設けられた環状突起部で構成すると、溶接時に銀ロウの量が幾分多過ぎた場合に、溶けた銀ロウが下部隙間を埋め、さらに下部隙間の前方まで流れようとしても、環状突起部により堰き止められるようになる。このため、環状突起部よりも前方まで流れる銀ロウの量が大幅に減少し、余分な銀ロウによるベース部材の下面の汚染を防止することができる。したがって、固化した余分な銀ロウを除去しベース部材の下面を平滑化するための余分な作業が不要になる。
【0014】
前記ベース部材及び前記パイプ部材は、電磁弁のバルブ本体に組み付けられるソレノイドの構成要素であり、該ソレノイドが前記バルブ本体に組み付けられたとき、前記ベース部材の下面において、前記環状突起部の外方に、前記バルブ本体のシールリングが配される。上記のようにベース部材の下面の汚染が防止され下面を平滑面に維持できるため、ベース部材とシールリングとの密着性を確保でき、シール性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る銀ロウ溶接方法の使用対象例であるソレノイドが組み込まれる電磁弁の要部分解断面図、図2(A)、(B)は、同ソレノイドの構成要素である固定鉄心ユニットの要部断面図及び底面図、図3(A)、(B)、(C)は、ベース部材に突起部を形成するためのプレス加工の説明図、図4は、ベース部材とパイプ部材との組付体の断面図、図5〜図7は、銀ロウ溶接方法の作業工程図をそれぞれ示す。
【0017】
図1及び図2において、電磁弁1は、バルブ本体2と、バルブ本体2に組み付けられるソレノイド3とを備える。ソレノイド3は、固定鉄心ユニット4と、固定鉄心ユニット4の中空部4aに軸線方向へ摺動可能に収容される可動鉄心5とを備え、その他に、図示しないが固定鉄心ユニット4の外周面4b側にソレノイドコイルやハウジングケースなどが配されて構成される。
【0018】
固定鉄心ユニット4は、ベース部材10とパイプ部材20と固定鉄心30とから構成される。
【0019】
ベース部材10は、磁性材料又は非磁性材料からなり、中央に貫通縦孔11を有するドーナツ板状に構成される。
【0020】
パイプ部材20は、磁性材料又は非磁性材料からなり、中空円筒状の本体部21と、本体部21の下端から外方へ延びた円環状のフランジ部22とから構成される。
【0021】
本体部21の外周面23におけるフランジ部22近傍の所定高さ位置には、周方向に等間隔の3箇所以上(本実施形態では4箇所)の部位に打刻による上部隙間用突起部24が形成されている。上部隙間用突起部24は、ベース部材10にパイプ部材20を組み付けたとき、パイプ部材本体部21の外周面とベース部材貫通縦孔11の周面14との間に、均一な上部隙間80を形成するためのものである。各々の上部隙間用突起部24は同一形状を有しており、その高さは、例えば0.1mm程である。ベース部材10の肉厚が厚肉である場合、上部隙間用突起部24を上下方向に複数組設けるようにすると、上部隙間80をより均一化させることができると共に、後述するような組付体90の組付状態をより安定化させることができる。
【0022】
フランジ部22の上面26には、周方向に等間隔な3つ以上(本実施形態では4つ)の同一形状からなる下部隙間用突起部28が設けられている。下部隙間用突起部28は、ベース部材10にパイプ部材20を組み付けたとき、パイプ部材フランジ部22の上面26とベース部材10の下面12との間に、均一な下部隙間70を形成するためのものである。各々の下部隙間用突起部28の高さは、例えば0.1mm程である。なお、下部隙間用突起部28は、3つ以上に限定されるものではなく、1つ又は2つであってもほぼ均一な下部隙間70を形成可能である。
【0023】
下部隙間用突起部28は、図3(A)に示すようなプレス加工によって形成される。このプレス加工は、ダイ110とパンチ120とを用いて行われる。ダイ110は、図3(A)、(C)に示すように、上方へ開口した開口部111と、この開口部111の周囲に周方向に等間隔で4つの溝112aが形成された上面部112とを有する。パンチ120は、図3(A)、(B)に示すように、ダイ110にセットされたパイプ部材20の中空部4aに挿入可能な下方への突出部121と、この突出部121の周囲であって上記溝112aと対向する位置に突起部122aが形成された下面部122とを有する。プレス加工にあたっては、図示するようにダイ110にパイプ部材20をセットし、その後、パンチ120を下降させ、パイプ部材20のフランジ部22をダイ110の各突起部122aでプレスすることによってフランジ部22の上面26に下部隙間用突起部28が形成される。
【0024】
本体部21の上端開口部25には、固定鉄心30の段差部31が挿入され、溶接により上端開口部25と段差部31が固着されている。
【0025】
本体部21の外周面23の下端とフランジ部22の上面26とで構成されるパイプ部材20のコーナー部27には、ベース部材10が銀ロウ溶接方法で固着されている。図1及び図2において、符号40は銀ロウを表している。
【0026】
固定鉄心ユニット4は、バルブ本体2の凹部2aにベース部材10が収容された状態でバルブ本体2に組み付けられる。この組付後においては、バルブ本体2のシールリング2bは、フランジ部22の外側に位置しており、ベース部材10の下面12に密着状態となる。
【0027】
次に、図1及び図2図示の固定鉄心ユニット4におけるパイプ部材20とベース部材10とを固着させる銀ロウ溶接方法を、図4〜図7に基づいて説明する。
【0028】
まず、銀ロウ溶接作業に先立ち、図4に示すような、パイプ部材20とベース部材10の組付体90をつくる。この組付体90は、ベース部材10の貫通縦孔11にパイプ部材20を圧入することによって得ることができる。この組付体90において、4つの上部隙間用突起部24は周方向に等間隔で位置しかつ同一形状を有しているため、上部隙間80は均一なものとなっている。また、4つの下部隙間用突起部28は周方向に等間隔で位置しかつ同一形状を有し、ベース部材10の下面12と当接しているため、下部隙間70は均一なものとなっている。さらに、ベース部材貫通縦孔11の中心線とパイプ部材本体部21の中心線とは一致しており、芯出しが行われている。
【0029】
次に、ベース部材10とパイプ部材20とを固着させる銀ロウ溶接作業を開始する。この銀ロウ溶接作業は、上述した組付作業によって組み付けられたパイプ部材20とベース部材10の組付体90に対し、図5に示すように、ベース部材10の貫通縦孔11周辺の上面15とパイプ部材20の本体部21のベース部材10近傍の外周面23とに筆100でフラックス101を塗る。次に、図6に示すように、フラックス101の上に銀ロウリング102をセットする。次に、図7に示すように、銀ロウリング102がセットされた組付体90を高周波溶接用治具103にセットし、高周波溶接用ワークコイル104に通電する。この高周波溶接用ワークコイル104への通電により、銀ロウリング102が熱で溶かされ、溶けた銀ロウが、パイプ部材本体部21の外周面23とベース部材貫通縦孔11の周面14との間の上部隙間80に流れ込み、この上部隙間80を通過した後、パイプ部材フランジ部22の上面26とベース部材10の下面12との間の下部隙間70に流れ込み、上部隙間80及び下部隙間70を埋める。その後、銀ロウ40が固化し、図2に示したような固定鉄心ユニット4が得られる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の銀ロウ溶接方法は、ベース部材10の貫通縦孔11にパイプ部材20の本体部21を挿入し、パイプ部材本体部21の外周面23とベース部材貫通縦孔11の周面14とで形成される隙間80、及び、パイプ部材20の本体部21から外方へ延びるフランジ部22の上面26とベース部材10の下面12とで形成される隙間70に、上方から銀ロウ40を溶かして流し込み、ベース部材10とパイプ部材20とを固着する銀ロウ溶接方法において、パイプ部材本体部21の外周面23に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の上部隙間用突起部24を予め設け、上部隙間80及び下部隙間70が生じるようパイプ部材20をベース部材10に組み付けたとき、上部隙間用突起部24がベース部材貫通縦孔11の周面14を押圧し、当該組付状態が保持される。
【0031】
本実施形態の銀ロウ溶接方法によると、パイプ部材20をベース部材10に組み付けたとき、上部隙間用突起部24がベース部材貫通縦孔11の周面14を押圧することによって均一な上部隙間80が形成される。このため、上部隙間80を均一にする作業の簡便化を図ることができる。
【0032】
また、本実施形態の銀ロウ溶接方法は、パイプ部材フランジ部22の上面26に、ベース部材下面12と当接したとき下部隙間70を生じさせる下部隙間用突起部28を予め設けたため、下部隙間70を均一にする作業の簡便化も同時に図ることができる。また、同時に、ベース部材貫通縦孔11の中心線とパイプ部材本体部21の中心線とを一致させる芯出しが簡便に行われることとなる。
【0033】
図8は、他の実施形態に係る組付体90の要部断面図を示す。
【0034】
この他の実施形態に係る組付体90は、パイプ部材フランジ部22の上面26の下部隙間用突起部28を、フランジ部上面26の平坦な基部よりも所定寸法例えば0.1mm程高いリング状の突起部つまり環状突起部で構成したことを特徴としており、その他の構成は、上述した組付体90と同様である。
【0035】
この環状突起部28は、図9に示すようなプレス加工によって形成される。このプレス加工は、図3に示したプレス加工と同様、ダイ110とパンチ120とを用いて行われる。ダイ110は、上方へ開口した開口部111と、上面部112とを有する。上面部112は、パイプ部材20のフランジ部22の基部が載る環状台部112aと、この環状台部112aから外方へ延びる環状凹部112bとを有する。パンチ120は、ダイ110の環状凹部112bに進入可能な環状凸部121を有する。プレス加工にあたっては、図示するようにダイ110にパイプ部材20をセットし、その後、パンチ120を下降させ、パイプ部材20のフランジ部22をダイ110の環状凸部121でプレスすることによってフランジ部22の先端の上面26に環状突起部28が形成される。
【0036】
このように下部隙間用突起部28をパイプ部材フランジ部22の先端に設けられた環状突起部で構成すると、溶接時に銀ロウ40の量が幾分多過ぎた場合に、溶けた銀ロウ40が下部隙間70を埋め、さらに下部隙間70の前方まで流れようとしても、環状突起部28により堰き止められるようになる。このため、環状突起部28よりも前方まで流れる銀ロウ40の量が大幅に減少し、余分な銀ロウ40によるベース部材10の下面12の汚染を防止することができる。したがって、固化した余分な銀ロウ40を除去しベース部材10の下面12を平滑化するための余分な作業が不要になる。
【0037】
ベース部材10及びパイプ部材20は、電磁弁1のバルブ本体2に組み付けられるソレノイド3の構成要素であり、ソレノイド3がバルブ本体2に組み付けられたとき、ベース部材10の下面12において、環状突起部28の外方に、バルブ本体2のシールリング2bが配される。上記のようにベース部材10の下面12の汚染が防止され下面12を平滑面に維持できるため、ベース部材10とシールリング2bとの密着性を確保でき、シール性を維持することができる。
【0038】
図10は、さらに他の実施形態に係る組付体90の要部断面図を示す。
【0039】
この実施形態に係る組付体90は、パイプ部材20を本体部21のみつまりフランジ部22を除去して構成しており、その他の構成は、上述した組付体90と同様である。
【0040】
この実施形態の銀ロウ溶接方法によると、パイプ部材20をベース部材10に組み付けたとき、隙間用突起部24がベース部材貫通縦孔11の周面14を押圧することによって均一な隙間80が形成される。このため、隙間80を均一にする作業の簡便化を図ることができる。
【0041】
ここで、ベース部材10の肉厚が厚肉である場合、隙間用突起部24を上下方向に複数組設けることにより、隙間80をより均一化させると共に組付体90の組付状態をより安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る銀ロウ溶接方法の使用対象例であるソレノイドが組み込まれる電磁弁の要部分解断面図である。
【図2】(A)、(B)は、同ソレノイドの構成要素である固定鉄心ユニットの要部断面図及び底面図である。
【図3】(A)、(B)、(C)は、ベース部材に突起部を形成するためのプレス加工の説明図であり、(A)はプレス装置の概略構成図、(B)はパンチの底面図、(C)はダイの平面図である。
【図4】ベース部材とパイプ部材との組付体の断面図である。
【図5】図6及び図7とともに銀ロウ溶接方法を説明するための工程図である。
【図6】図5及び図7とともに銀ロウ溶接方法を説明するための工程図である。
【図7】図5及び図6とともに銀ロウ溶接方法を説明するための工程図である。
【図8】他の実施形態に係る固定鉄心ユニットの要部断面図である。
【図9】プレス装置の概略構成図である。
【図10】さらに他の実施形態に係る組付体の要部断面図である。
【図11】従来の銀ロウ溶接方法により得られる固定鉄心ユニットの要部断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 電磁弁
2 バルブ本体
2b シールリング
3 ソレノイド
10 ベース部材
11 貫通縦孔
12 下面
14 周面
20 パイプ部材
21 本体部(パイプ部材)
22 フランジ部
23 外周面
24 上部隙間用突起部(隙間用突起部)
26 上面
28 下部隙間用突起部
40 銀ロウ
70 下部隙間
80 上部隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材の貫通縦孔にパイプ部材を挿入し、該パイプ部材の外周面と前記ベース部材貫通縦孔の周面とで形成される隙間に、上方から銀ロウを溶かして流し込み、前記ベース部材と前記パイプ部材とを固着する銀ロウ溶接方法において、
前記パイプ部材の外周面に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の隙間用突起部を予め設け、前記隙間が生じるよう前記パイプ部材を前記ベース部材に組み付けたとき、前記上部隙間用突起部が前記ベース部材貫通縦孔の周面を押圧し、当該組付状態が保持されることを特徴とする銀ロウ溶接方法。
【請求項2】
前記隙間用突起部は、上下方向に複数組設けられていることを特徴とする請求項1に記載の銀ロウ溶接方法。
【請求項3】
ベース部材の貫通縦孔にパイプ部材の本体部を挿入し、該パイプ部材本体部の外周面と前記ベース部材貫通縦孔の周面とで形成される上部隙間、及び、前記パイプ部材本体部から外方へ延びるフランジ部の上面と前記ベース部材の下面とで形成される下部隙間に、上方から銀ロウを溶かして流し込み、前記ベース部材と前記パイプ部材とを固着する銀ロウ溶接方法において、
前記パイプ部材本体部の外周面に、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状の上部隙間用突起部を予め設け、前記上部隙間及び前記下部隙間が生じるよう前記パイプ部材を前記ベース部材に組み付けたとき、前記上部隙間用突起部が前記ベース部材貫通縦孔の周面を押圧し、当該組付状態が保持されることを特徴とする銀ロウ溶接方法。
【請求項4】
前記パイプ部材フランジ部の上面に、前記ベース部材下面と当接したとき前記下部隙間を生じさせる下部隙間用突起部を予め設けたことを特徴とする請求項3に記載の銀ロウ溶接方法。
【請求項5】
前記下部隙間用突起部は、周方向に等間隔な3つ以上の同一形状からなることを特徴とする請求項4に記載の銀ロウ溶接方法。
【請求項6】
前記下部隙間用突起部は、前記パイプ部材フランジ部の先端に設けられた環状突起部からなることを特徴とする請求項4に記載の銀ロウ溶接方法。
【請求項7】
前記ベース部材及び前記パイプ部材は、電磁弁のバルブ本体に組み付けられるソレノイドの構成要素であり、該ソレノイドが前記バルブ本体に組み付けられたとき、前記ベース部材の下面において、前記環状突起部の外方に、前記バルブ本体のシールリングが配されることを特徴とする請求項6に記載の銀ロウ溶接方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−209994(P2007−209994A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29826(P2006−29826)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)