説明

鋳型の造型方法

【課題】 骨材混合物を鋳型造型用空間に細部まで充填し、かつ充分な鋳型強度、耐湿性、耐熱性が得られる鋳型造型方法を提供する。
【解決手段】 pH8より大きい粒子状骨材、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸あるいは無機酸を混練し、かつ発泡させる工程と、そのようにして得られた発泡骨材混合物に前記水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、該発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、充填した該発泡骨材混合物中の水分を蒸発させて発泡骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性バインダーを粘結剤として粒子状骨材により高強度で耐熱性を有する鋳型の造型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳造後の崩壊性が良いとして、水溶性バインダーを粘結剤として粒子状骨材により造型した鋳型が提案されている。
上記方法による鋳型造型法は粒子状骨材に水溶性バインダーと該水溶性バインダーを架橋させる2つ以上のアルデヒド基を有する多官能アルデヒド化合物及び酸性触媒を必須成分とし、すべてを添加した後混練して、得られた混練物を減圧乾燥することにより鋳型を造型する方法である(特許文献1)。
しかし、粒子状骨材と酸性触媒を同時に混練した場合、充分な鋳型強度、耐湿性、耐熱性が得られない場合があるという問題点があった。
また、アルデヒド基は、人の皮膚や粘膜(目、鼻、気管)を強く刺激し、さらに悪臭を放つという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】特開2000−000630
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、粒子状骨材と水溶性バインダー、該水溶性バインダーを架橋させる架橋剤を混練して得られる骨材混合物を鋳型造型用空間に細部まで充填し、かつ充分な鋳型強度、耐湿性、耐熱性が効率よく得られ、不快な臭気や人体に悪影響を及ぼすガスをほとんど発生しない鋳型造型方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解消するために請求項1に記載の鋳型の造型方法は、pH8より大きい粒子状骨材と、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸若しくは無機酸と、を混練し、かつ発泡させて発泡骨材混合物を得る工程と、そのようにして得られた発泡骨材混合物に前記水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、該発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、充填した該発泡骨材混合物中の水分を蒸発させて発泡骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記の問題を解消するために請求項12に記載の鋳型の造型方法は、水溶性バインダーを粘結剤として粒子状骨材を用いて造型する鋳型の造型方法であって、
(1)該粒子状骨材のpHを計測する工程と、
(2)該粒子状骨材のpHが8より大きい場合には、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸あるいは無機酸を混練し、かつ発泡させる工程と、該粒子状骨材のpHが8以下の場合には、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水を混練し、かつ発泡させる工程と、
(3)そのようにして得られた発泡骨材混合物に水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、
(4)発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、
(5)充填した骨材混合物中の水分を蒸発させて骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに、水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、
(6)造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、
を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明におけるpH8より大きい粒子状骨材とは、pHが8より大きく14以下のアルカリ性であり、珪砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、各種人工骨材等のうち1種類以上を含むものからなる耐熱性粒状物である。
pH8を超える理由は、珪砂には貝殻が通常0〜4.0%含有されており、貝殻の95%を占める主成分はアルカリ性を示す炭酸カルシウムCaCO(pH9.5)であるためである(表1)。また、海砂から産出される珪砂に含まれる炭酸カルシウムCaCOの含有量は、0.01〜3.0%といわれている。なお、粒子状骨材に含まれる酸化カルシウムCaO、酸化マグネシウムMgOなども影響する。
pH8より大きい粒子状骨材として例えばトウチュウ製の商品名フーカーサンド(pH9.2)、トウチュウ製の商品名山海珪砂(pH8.5)、山川産業製の商品名サンパール(pH8.2)などがある。
【0007】
【表1】

【0008】
粒子状骨材のpHを測定する方法としては、例えば、日本鋳造技術協会(JACT)の規定する鋳物砂のpH試験法により測定する。この試験法でなくても粒子状骨材のpHを測定することはできる。表2に本発明におけるpH8より大きい粒子状骨材の化学成分の一例を示す。
粒子状骨材には、SiOが70%以上含まれているものや、MgO・SiOが30%以上含まれているものや、Crが40%以上含まれているものがある。
またZrOが60%以上含まれているものや、さらにSiOが30%以上であり、Alが60%以上含まれているものなどもある。このように粒子状骨材の化学成分としては様々なものがあり、鋳造に使用できる粒子状骨材であれば限定されない。
【0009】
【表2】

【0010】
本発明では、pH6以下の有機酸あるいは無機酸を投入することができるが、よりよい有機酸あるいは無機酸のpHの範囲は、pH3以下である。pH3を超えると、酸の添加量を増やす必要があり、そのため、発泡骨材混合物内の水分を蒸発させるために時間を要するため、造型時間が長くなる。
pH3以下に該当する有機酸あるいは無機酸の種類としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸などであり、pH3以下の酸であれば特に限定されない。
【0011】
本発明は、pH8より大きい粒子状骨材に水溶性バインダー、水および上記有機酸あるいは無機酸を添加し、まず混練して、骨材混合物を中和させると、後に添加する架橋剤の効果を阻害しないことを見いだして成されたものである。
一方、粒子状骨材に水溶性バインダー、有機酸あるいは無機酸、水、架橋剤を同時に添加して混合した場合、中和されるのと同時に架橋剤と炭酸カルシウム等が反応してしまい架橋剤としての機能が損なわれ十分な鋳型強度を得ることができない。
有機酸または無機酸を粒子状骨材に添加する量(中和させる量)は、一義的には日本鋳造技術協会(JACT)の規定する鋳物砂の酸消費量試験法より算出できる。
但し、この方法は水を添加し一時間混練後のろ過液に塩酸を加えて酸性とした後、水酸化ナトリウムで中和して特定する方法であるため、この時間内で溶出する成分の影響のみ検出される。砂中に固溶する成分、あるいは成分の表面を反応生成物が覆われる場合には、一旦中和した部分以外のものが連続的に順次に溶け出すため、中和に要する酸消費量は酸消費量試験法の値よりもはるかに高くなる。
【0012】
本発明における水溶性バインダーは、常温の水に可溶でありかつ水分を蒸発させることにより固まる粘結剤で、糖類、たんぱく質、樹脂などがある。そして、糖類では、中でも澱粉もしくはその誘導体やサポニンなどの多糖類、または砂糖などの二糖類、ケン化度80〜95モル%のポリビニルアルコールもしくはその誘導体を用いる。
また、常温において水溶性である水溶性バインダーは水を添加し発泡骨材混合物を得るときに、水溶性バインダーと水を加熱することなく混合することができるが、常温で水に可溶でない水溶性バインダーは加熱しなければ水と混合できない。しかし、加熱して水に混合した後、常温まで冷却した状態において当該水に溶解している水溶性バインダーであれば用いることができる。
澱粉の例としては、馬鈴薯、とうもろこし、タピオカ、及び小麦粉由来のα化澱粉、デキストリンが挙げられる。澱粉誘導体の例としては、エーテル化澱粉、エステル化澱粉及び架橋澱粉が挙げられる。ポリビニルアルコール誘導体の例としては、酢酸其、カルボキシル基、酪酸基、シラノール基等含有ポリビニルアルコールが挙げられる。また砂糖はショ糖のことでブドウ糖と果糖が一個ずつ結合した糖類である。例としては上白糖、グラニュー糖が挙げられる。本発明に用いる水溶性バインダーは入手が容易である。また、α化澱粉、デキストリン、砂糖等は特に安価である。
ここで、α化澱粉、デキストリンもしくはその誘導体、サポニン、砂糖、ケン化度80〜95モル%のポリビニルアルコールもしくはその誘導体は、常温の水に可溶である。
本発明において、水溶性バインダーの含量は、骨材100重量部に対して、0.1重量部乃至5.0重量部であることが望ましい。水溶性バインダーの量が0.1重量部未満では十分な強度を有する造型鋳型が得られず、水溶性バインダーの量が5.0重量部を超えると得られた鋳型が過剰な強度を有する。
【0013】
本発明の鋳型のように、水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加することにより、水溶性バインダーを被覆した粒子状骨材同士の結合が強化され、しかも、水溶性バインダーと水分子との反応が起こりにくくなって、造型した鋳型は高湿度下においても十分な性質を保つことができる。
【0014】
本発明において用いられる架橋剤は、エステル結合による架橋をするシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸等のカルボキシル基を有する化合物及びメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のような水溶液になるとカルボキシル基を有する化合物である。また、本発明において用いられる架橋剤は、鋳型の造型時又は注湯時に有害ガスの発生が少ない、エステル結合をする架橋剤、すなわち、カルボキシル基を有する架橋剤の使用が好ましい。
【0015】
本発明において用いられる架橋剤の添加量は、水溶性バインダーに対し5〜300重量%とする。架橋剤の量が水溶性バインダーに対し5重量%に満たないと架橋反応による効果が十分でなく、造型鋳型が高湿度下におかれた場合、十分な強度を保つことができない。又、架橋剤の量が水溶性バインダーに対し300重量%を超えると、高湿度下におかれた場合に十分な強度を保つことができるが、その効果は、300重量%の効果と変わらないため、300重量%より多い量の架橋剤の添加は経済的でなく好ましくない。
本発明において架橋剤は水溶液として用いられ、例えば、ブタンテトラカルボン酸、クエン酸、メチルビニルエーテル―無水マレイン酸共重合体の場合、10重量%以上の濃度の水溶液として用いられる。
【0016】
本発明の鋳型造型法のように骨材混合物内に微細な気泡を多数有することにより、骨材混合物は優れた流動性が得られる。この骨材混合物の気泡率は50〜80%が好ましい。気泡率が50%未満では造型性が悪く、80%以上では強度が不十分となる。
なお、骨材混合物の発泡空気を均一に分散させることにより、骨材混合物を鋳型造型用空間に加圧充填する際、その流動性を向上させることができる。しかも、この発泡により粒子状骨材はホイップクリーム状に均一に分散される。
ここで、気泡率(%)={(混合物全体の体積)−(粒子状骨材、水溶性バインダー及び水の体積)/(混合物全体の体積)}×100で計算できる。
またなお、骨材混合物を発泡させるための攪拌は、混合する攪拌機と同じ攪拌機を用いてもよく、別の攪拌機を用いてもよい。攪拌により、生じた発泡空気を骨材混合物中に均一に分散させることができる。
【0017】
本発明において、発泡させた骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する方法は、発泡させた骨材混合物をシリンダ内に入れ直接加圧する固体押圧手段を用いる方法、あるいは、エアにより加圧する気体押圧手段を用いる方法でも可能である。
ここで、固体押圧手段であるシリンダによる直接加圧とは、シリンダ(混合物収納手段)内の混合物を押圧機構のピストンの圧入による直接加圧の圧入方式で金型に圧入することをいう。
気体押圧手段であるエアによる加圧とは、上述の混合物収納手段内の混合物を押圧機構のピストンの圧入する方法において、ピストンの代りに、混合物収納手段の上端開口部を気密に閉鎖しかつ圧縮空気源に接続するカバーを、押圧機構のシリンダのピストンロッドの下端に設けて、混合物の金型への圧入に際しては混合物収納手段内の混合物の上面に圧縮空気(エア)を供給する方法をいう。
【0018】
本発明の鋳型造型方法において、鋳型造型用空間に充填した骨材混合物の水分を蒸発させる方法としては、鋳型造型用空間を構成する金型等を高温に加熱するもの、加熱水蒸気あるいはマイクロ波を骨材混合物に照射するもの、骨材混合物を充填した鋳型造型用空間を真空環境下に放置するもの、必要に応じた鋳型造型用空間内への通気等がある。
【0019】
鋳型造型用空間を構成する高温に加熱された金型による骨材混合物中の水分の蒸発の場合では、攪拌により、骨材混合物中に分散した気泡およびバインダー中の水分が、加熱された金型の熱により鋳型中心部に集まることから、その中心部においては骨材の充填密度が低い鋳型となる。その鋳型を鋳造に用いると、中心部が低充填密度になっていることから結果的に使用する粒子状骨材、バインダーの量の削減、また鋳型の空孔部が多いことからバインダーの分解によるガス等の排出が容易となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の鋳型造型方法は、pH8より大きい粒子状骨材、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸あるいは無機酸を混練し、かつ発泡させる工程と、そのようにして得られた発泡骨材混合物に水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、充填した骨材混合物中の水分を蒸発させて骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、を含むことから、架橋剤の効果を阻害されることがなく、かつ充分な鋳型強度、耐湿性、耐熱性が得られ、さらに不快な臭気や人体に悪影響を及ぼすガスをほとんど発生しないなど優れた実用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の最良の形態は、pH8より大きい粒子状骨材と、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸若しくは無機酸と、を混練し、かつ発泡させて発泡骨材混合物を得る工程と、そのようにして得られた発泡骨材混合物に前記水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、該発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、充填した該発泡骨材混合物中の水分を蒸発させて発泡骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、を含む。これにより、所望の鋳型を得ることができる。
【0022】
また、粒子状骨材のpHが不明の場合には、予め粒子状骨材のpHを測定しておく。ここで、粒子状骨材のpHが不明の場合に用いる粒子状骨材のpHの測定方法を述べる。粒子状骨材のpHを測定する方法としては、日本鋳造技術協会(JACT)の規定する鋳物砂のpH試験法により測定した。
本鋳物砂のpH試験法は鋳物砂中のH、OH金属イオン等を水中に溶解させ、その水溶液のpHを測定して鋳物砂のpHとして規定するものである。具体的な試験手順としては、洗浄したビーカーに試料である鋳物砂20gを投入し、次に純水50mlを追加して、ビーカーに蓋をした後、マグネチックスターラーにて30分間攪拌する。次いで、攪拌後放置し、上ずみ液の温度をチェックの後、pHメーターの値を読みとる。同時に使用した純水のpHも測定する。
なお、この試験法でなくても簡易的に粒子状骨材のpHを測定することはできる。従って、造型中でもpHを測定することができる。もちろん造型前に予めpHを測定してもよい。
【0023】
次に、pH8以下の粒子状骨材であった場合には、この粒子状骨材と、1種類または複数種類の水溶性バインダーと、水と、を混練し、かつ発泡させて発泡骨材混合物を得た。
そして、そのようにして得られた発泡骨材混合物に水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加した。
その後、該発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、充填した骨材混合物中の水分を蒸発させて骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに、水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出した。
【0024】
なお、粒子状骨材に水溶性バインダー、有機酸あるいは無機酸、水、架橋剤を同時に添加して混合した場合、中和されるのと同時に架橋剤と粒子状骨材に含まれる炭酸カルシウム等が反応してしまい架橋剤としての機能が損なわれ十分な鋳型強度を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上のように、本発明にかかる鋳型の造型方法は、鋳鉄、鋳鋼の鋳物やアルミニウム、マグネシウムなどの軽金属鋳物の鋳造に使用する中子や主型に用いるのに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH8より大きい粒子状骨材と、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸若しくは無機酸と、を混練し、かつ発泡させて発泡骨材混合物を得る工程と、
そのようにして得られた発泡骨材混合物に前記水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、
該発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、
充填した該発泡骨材混合物中の水分を蒸発させて発泡骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、
造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、
を含むことを特徴とする鋳型の造型方法。
【請求項2】
請求項1に記載の鋳型造型方法において、前記発泡骨材混合物は気泡率が50〜80%であることを特徴とする鋳型造型方法。
【請求項3】
前記発泡骨材混合物を、固体押圧手段によって加圧して前記鋳型造型用空間に充填することを特徴とする請求項1に記載の鋳型造型方法。
【請求項4】
前記発泡骨材混合物を、気体押圧手段によって加圧して前記鋳型造型用空間に充填することを特徴とする請求項1に記載の鋳型造型方法。
【請求項5】
前記発泡骨材混合物の水分を加熱された金型の熱により蒸発させることを特徴とする請求項1及至4のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項6】
前記発泡骨材混合物中に分散した気泡およびバインダー中の水分が鋳型中心部に集まり、その中心部においては骨材の充填密度が低い鋳型となることを特徴とする請求項1及至5のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項7】
前記水溶性バインダーは、常温の水に可溶することを特徴とする請求項1及至6のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項8】
前記水溶性バインダーは、糖類および/またはポリビニルアルコールもしくはその誘導体、とから成ることを特徴とする請求項1及至7のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項9】
前記水溶性バインダーは、前記粒子状骨材100重量部に対して0.1から5.0重量部含有していることを特徴とする請求項1及至8のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項10】
前記架橋剤あるいは架橋剤水溶液は、カルボキシル基を有する化合物であることを特徴とする請求項1及至9のうちいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
【請求項11】
前記カルボキシル基を有する化合物は、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸及びメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、イソブチン−無水マレイン酸共重合体から成る群にあることを特徴とする請求項10に記載の鋳型造型方法。
【請求項12】
水溶性バインダーを粘結剤として粒子状骨材を用いて造型する鋳型の造型方法であって、
(1)該粒子状骨材のpHを計測する工程と、
(2)該粒子状骨材のpHが8より大きい場合には、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水およびpH6以下の有機酸あるいは無機酸を混練し、かつ発泡させる工程と、
該粒子状骨材のpHが8以下の場合には、1種類または複数種類の水溶性バインダー、水を混練し、かつ発泡させる工程と、
(3)そのようにして得られた発泡骨材混合物に水溶性バインダーと架橋反応を起こす架橋剤を添加する工程と、
(4)発泡骨材混合物を鋳型造型用空間に充填する工程と、
(5)充填した骨材混合物中の水分を蒸発させて骨材混合物を固化させ、鋳型を造型するとともに、水溶性バインダーと架橋剤との架橋反応させる工程と、
(6)造型された鋳型を鋳型造型用空間から取り出す工程と、
を含むことを特徴とする鋳型の造型方法。
【請求項13】
前記粒子状骨材が、珪砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、各種人工骨材等のうち1種類以上を含むものであることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項14】
前記粒子状骨材は、SiOが70%以上の成分であることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項15】
前記粒子状骨材は、MgO・SiOが30%以上の成分であることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項16】
前記粒子状骨材は、Crが40%以上の成分であることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項17】
前記粒子状骨材は、ZrOが60%以上の成分であることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項18】
前記粒子状骨材は、Si0が30%以上であり、Alが60%以上の成分であることを特徴とする請求項12に記載の鋳型の造型方法。
【請求項19】
前記粒子状骨材は、炭酸カルシウムが0.01〜3.0%含まれていることを特徴とする請求項12から請求項18に記載の鋳型の造型方法。