説明

鋼床板改修方法

【課題】通行止めや車線規制等を最小限にしながら鋼床板の改修工事を実施できるようにする。
【解決手段】平板状の鋼製デッキプレート3の下面に、溶接部4を介して断面「U」字状のUリブ5が並設状態にそれぞれ固着されている鋼床板1を対象として、鋼床板1に発生した疲労亀裂による損傷を手当てする鋼床板改修方法において、亀裂の進展を防止する亀裂進展防止施工を行った後、亀裂発生範囲を含むその周囲を対象として鋼床板1の補強を図る補強部材Rを、鋼床板1に対して下方から宛って一体に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高架道路や高速道路や橋梁等における鋼床板に発生した亀裂による損傷を手当てする鋼床板改修方法に関し、更に詳しく説明すると、平板状の鋼製デッキプレートの下面に、溶接部を介して断面「U」字状のUリブが並設状態にそれぞれ固着されている鋼床板を対象として、前記鋼床板に発生した亀裂による損傷を手当てする鋼床板改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や橋梁上の大型車両の通行に伴っては、道路や橋梁が疲労・損傷し易く、近年の車両の大型化や重量化、及び、通行量の増加等により、特に、鋼床板形式を採用している道路や橋梁においては、デッキプレートとUリブとの溶接部に疲労亀裂が発生することが判ってきた。また、この原因は、道路上を走行する車両の輪荷重によって、図11に示すように、デッキプレート3が、Uリブ5の接合部を支点とした局部変形を起こし、その局部変形に起因して発生する溶接部4への応力集中によって疲労亀裂Cが発生するものと考えられる。そして、このように溶接部に亀裂が発生した既設鋼床板を改修する方法としては、まだ確立されたものが存在しないのが現状であるが、亀裂発生を低減させる工法の一例としては、デッキプレート上に積層された道路舗装を剥がした後、鋼床板の上に補強部材(金属板やコンクリート材等)を一体に施工して、鋼床板の全体的な強化を図る方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特願2005−270335号(図1、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の鋼床板改修方法によれば、溶接部の局部的な亀裂に対しても、上述の鋼床板の補強は広い範囲に及ぶこととなり、それに伴って道路舗装を剥がしたり、新たな補強部材を鋼床板の上に設置する関係上、長期間にわたって通行止めや、車線規制等を行う必要があり、地域交通に支障を来しやすい問題点がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、通行止めや車線規制等を最小限にしながら鋼床板の改修工事を実施できる鋼床板改修方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、平板状の鋼製デッキプレートの下面に、溶接部を介して断面「U」字状のUリブが並設状態にそれぞれ固着されている鋼床板を対象として、前記鋼床板に発生した亀裂による損傷を手当てする鋼床板改修方法において、前記亀裂の進展を防止する亀裂進展防止施工を行った後、亀裂発生範囲を含むその周囲を対象として鋼床板の補強を図る補強部材を、前記鋼床板に対して下方から宛って一体に固定するところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、前記亀裂の進展を防止する亀裂進展防止施工を行った後、亀裂発生範囲を含むその周囲を対象として鋼床板の補強を図る補強部材を、前記鋼床板に対して下方から宛って一体に固定するから、発生した鋼床板の亀裂が当該改修方法の実施中やそれ以後において進展するのを予防でき、より安全な状態での改修施工を実施することが可能となる。
また、鋼床板に対する補強は、鋼床板の亀裂発生範囲を含むその周囲を対象として補強部材を鋼床板の下方から宛って一体に固定することで実施するから、工事期間中の大半を鋼床板の下方空間を使用して行うこととなり、鋼床板の上方空間、即ち、道路上での作業を従来に比べて著しく少なくすることができ、通行止めや道路規制を最小限にすることが可能となる。
尚、上述の亀裂進展防止施工とは、例えば、亀裂の端部を含むように亀裂幅寸法より大きい直径の丸穴を明けて、その丸穴をストップホールとする方法であったり、亀裂発生範囲のUリブと溶接部とを局部的にデッキプレートから取り除くことで原因そのものを除去する方法等が例として挙げられる。
また、上述の補強部材とは、例えば、金属製の補強プレート等で構成されたもの、単独の部材や、複数の部材にわたるもの等、さまざまな形態を採ることが可能である。そして、Uリブや溶接部をデッキプレートと共に残した状態で補強部材を設置する場合には、その補強部材は、Uリブに沿うような形状に成形しておくことが考えられる。一方、亀裂発生範囲のUリブや溶接部をデッキプレートから除去した状態で補強部材を設置する場合には、その補強部材は、除去した部分に納まる形状に成形しておくことが考えられる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記亀裂進展防止施工は、亀裂発生範囲の前記Uリブと前記溶接部とを前記デッキプレートから取り除く工程であり、前記補強部材は、その取り除いた跡を埋める状態に形成された新たなUリブ片と、そのUリブ片を前記デッキプレートに固定すると共に、前記Uリブ片をその端部側に隣接する残留したUリブと連結する連結部材とを備えたものであるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、亀裂発生範囲のUリブと溶接部とをデッキプレートから取り除くことで亀裂進展防止を図るわけであるから、原因となる亀裂そのものが除去され、より亀裂発生に対する予防効果が向上する。従って、鋼床板の改修工事もより安全に実施することが可能となる。
また、取り除いた跡には、新たなリブ片や、前記連結部材が取り付けられることで、デッキプレートと一体となった頑丈な鋼床板が再生されることとなる。そして、デッキプレートの下方での取付作業となる関係上、大きな部品や、重量部品を扱うには手間が掛かるが、本発明の特徴構成によれば、新たなUリブ片と連結部材との別々の部品に分割してあることで、それぞれの部品をコンパクトにしたり軽量化することができ、その結果、各部品の取扱性が向上し、例えば、橋梁下面等の高所作業であっても効率よく取付作業を進めることが可能となる。
尚、ここで言う連結部材とは、前記Uリブ片をデッキプレートに取り付けるためのボルトや接合用プレート、Uリブ片と残留したUリブとにわたって取り付ける接合用プレートやボルト等が一例として挙げられる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記新たなUリブ片は、前記デッキプレートの下面に沿って配置自在な上プレート部と、その上プレート部の下面に固着された断面「U」字状の下リブ部とを備えて構成されているところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、本発明の第1又は2の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、単なる断面「U」字状の下リブ部のみによってUリブ片を構成してあるものに比べて、上プレート部によって下リブ部が一体化されることによる強度アップを見込むことができる。そして、Uリブ片全体とした断面係数の増加による補強性能の向上をも期待することが可能となる。
更には、Uリブ片は、上プレート部がデッキプレートの下面に沿って配置されるから、デッキプレートに対する局部的な補強効果をも期待することが可能となり、改修に伴う鋼床板としての剛性増加をも期待することが可能となる。
また、新たなUリブ片は、例えば、工場による行き届いた品質管理のもとで製作することが可能となるから、溶接性能等が良好に確保でき、亀裂の再発を未然に防ぐことも可能となる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記残留したUリブの取り除かれた側の端面部に対して、溶接部に近接するリブ部分の一部を、ほぼ半円形状に切り欠いておくところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、本発明の第1〜3の何れかの特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、以下のような作用効果を叶えることが可能となる。
デッキプレートとUリブとの接合部分である溶接部は、通常の場合でも応力集中が発生し易い箇所であるが、特に、残留したUリブの端部においては、溶接部が途切れていることで引張力が作用し易くなり、輪荷重等の作用によって新たな亀裂の発生源となる危険性を備えている。そこで、本発明の特徴構成のごとく、溶接部に近接する残留リブ部分の一部を、ほぼ半円形状に切り欠いておくことで、切欠き部周囲でのリブ側の断面力の緩和によって変形性能を向上させることができ、デッキプレートとUリブ間に作用するせん断力や引っ張り力をリブ側の変形によって緩和することが可能となる。その結果、Uリブ端部の溶接部に大きな荷重が作用し難くすることができ、亀裂の発生を未然に防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の鋼床板改修方法を実施する対象となる鋼床板1を使用した道路橋Bの一部を示すものである。
道路橋Bは、鋼床板1の下方に主桁や横桁や横リブ等を一体に備えると共に、鋼床板1の上方に舗装2や高欄を一体に備えて構成されている。
【0016】
鋼床板1は、平板状の鋼製デッキプレート3の下面に、溶接部4を介して断面「U」字状の鋼製Uリブ5が並設状態にそれぞれ固着されて構成されている(図11参照)。
近年、この溶接部4やUリブ5の一部にまで達した亀裂Cが発見されるようになり、ここでは、そのような損傷を受けた部分を切除して新たな部材を設置することで手当をし、鋼床板の改修を行う方法について説明する。
【0017】
前記溶接部4の詳細は、図11に示すように、デッキプレート3下面部とUリブ5上縁部との間で外方に開口した開先4aに対して隅肉溶接を施して構成されている。
そして、亀裂Cが発生する原因は、舗装2上に作用する走行車両の輪荷重や振動等によって、図に示すように、デッキプレート3が、Uリブ5の接合部を支点とした繰り返しの揺動変形を起こし、その揺動変形に伴って溶接部4に応力集中が生じることで疲労破壊を起こし亀裂Cを生じるものと考えられる。
【0018】
本発明に係わる鋼床板改修方法は、図2〜9に示すように、亀裂Cが発見された箇所に対して、亀裂進展を防止する亀裂進展防止施工(具体例としては亀裂発生範囲LのUリブ5と前記溶接部4とをデッキプレート3から取り除く施工)を行った後、亀裂発生範囲Lを含むその周囲範囲を対象として鋼床板1の補強を図る金属製の補強部材Rを、前記鋼床板1に対して下方から宛って一体に固定することで実施される。
【0019】
前記補強部材Rは、複数の部材で構成されている。
補強部材Rは、前記亀裂発生範囲Lにおいて取り除かれたUリブ5と溶接部4との切除跡を埋める状態に形成された新たなUリブ片6(以後単にUリブ片と言う)と(図2、図3参照)、そのUリブ片6を前記デッキプレート3に固定すると共に前記Uリブ片6をその端部側に隣接する残留したUリブ5Aと連結する連結部材7とを備えて構成されている(図3〜9参照)。
【0020】
前記Uリブ片6は、前記デッキプレート3の下面に沿って配置自在な上プレート部6Aと、その上プレート部6Aの下面に固着された断面「U」字状の下リブ部6Bとを備えて構成されている。尚、上プレート部6Aと下リブ部6Bとは溶接によって一体化が図られているが、図7に示すように、下リブ部6Bの表裏両面側から隅肉溶接がそれぞれ施してあり、極めて亀裂が発生し難いように構成されている。
上プレート部6Aには、図3に示すように、前記デッキプレート3とボルト接合するための複数のボルト穴6Aaが形成されている。
一方、下リブ部6Bにも、デッキプレート3や前記Uリブ片6にわたって取り付けられる複数の前記連結部材7とボルト接合するための複数のボルト穴6Baが形成されている。更には、下リブ部6Bの底部分における前記残留Uリブ5A側の両端部には、Uリブ長手方向に沿った切欠き6Bbが形成してある。この切欠き6Bbは、当該Uリブ片6をデッキプレート3に取り付ける際や、各連結部材7を取り付ける際の作業孔として使用することができる。
尚、前記残留Uリブ5Aの内、前記ボルト穴6Baや切欠き6Bbに隣接する部分にも同様のボルト穴5Aaや切欠き5Abが形成される。
【0021】
次に、前記連結部材7について説明する。
連結部材7は、大別すると以下の4種類のものが用意されている。
【0022】
第1連結部材7A:図4、図5に示すように、残留Uリブ5AとUリブ片6の下リブ部6Bとにわたって連結する断面「U」字状の部材で構成してあり、Uリブ片6の両端側の継ぎ部にそれぞれ設置される。断面形状は、前記Uリブ5A・Uリブ片6の下面に沿う 「U」字状に設定されている。また、第1連結部材7Aには、6Baや5Aaのボルト穴に対応する箇所に同様のボルト穴7Aaが形成してあると共に、第1連結部材7Aの底部分には、6Bbや5Abの切欠きに対応する位置に長穴7Abが形成してある。この第1連結部材7Aは、Uリブ片6と残留Uリブ5Aとを連結する機能や、前記切欠き5Ab,6Bbによる断面欠損に対する補強の機能を備えている。
【0023】
第2連結部材7B:図5、図6に示すように、前記第1連結部材7Aをデッキプレート3に対して連結する機能を有した断面略「L」字状の部材で構成してある。そして、デッキプレート3や第1連結部材7Aとのボルト接合用のボルト穴7Baが複数設けられている。
また、第2連結部材7Bの長さ寸法は、前記第1連結部材7Aより短く設定してあり、設置位置は、前記第1連結部材7Aの前記残留Uリブ5A設置側の端部に寄せて設けられている。これによって、当該改修施工が図られるUリブの継ぎ目部分(残留UリブとUリブ片との継ぎ目部分)近傍での部材有効断面積の変化を、第2連結部材7Bによって段階的に分散でき、断面力が局部に集中的に作用することの緩和が可能となっている。
一方、当該第2連結部材7Bの長手方向中間部には、対応箇所に固定した状態で残留Uリブ5Aの溶接部端部を目視観察できるように観察用の窓部7Bbを形成してある。
尚、第2連結部材7Bを設置した状態での残留Uリブ5Aに対応する部分は、デッキプレート3との間に、前記有里部辺6の上プレート部6Aの厚み寸法に相当する隙間が生じるから、この部分には、その隙間を埋めるように座金8を介在させてボルト連結される。
【0024】
第3連結部材7C:図3、図7〜9に示すように、前記Uリブ片6をデッキプレート3に対して固定する帯板状の部材で構成してある。そして、Uリブ片6やデッキプレート3とのボルト接合用のボルト穴7Caが複数設けられている。
また、長手方向の中間部を境にして厚みが変化しており、薄い方はUリブ片6の上プレート部6Aに対応し、厚い方は残留Uリブ5A上のデッキプレート3に対応する状態に取り付けられる。従って、厚み差は、前記上プレート部6Aの厚み寸法に相当する。
【0025】
第4連結部材7D:図4〜9に示すように、前記第1〜3の各連結部材7A,7B,7Cを対象部分に固定するための各種ボルト部材を総称して第4連結部材7Dと言う。
尚、本実施形態においては、Uリブ内空部に配置されてデッキプレート3に取り付けられるボルト部材は、ワンサイドボルトを使用している。
【0026】
以上のように、亀裂発生範囲LのUリブ5と前記溶接部4とを切除した跡に、前記補強部材Rを取り付けることで、前記鋼床板1の改修を行うことができるが、それ以後の新たな亀裂Cの発生を予防する意味から、前記残留Uリブ5Aの端部に、図3に示すような半円形状の切欠き5Acが形成してある。
即ち、鋼床板1への外力の作用による応力集中は、前述の通り溶接部4に作用し易いわけであるが、切除跡の端部には他部に比べて特に作用し易くなる。従って、溶接部4に近接する残留リブ5A部分に前記切欠き5Acを設けておくことで、切欠き5Ac周囲でのリブ側の断面力の緩和によって変形性能を向上させることができ、それに伴って溶接部4に大きな荷重が作用し難くすることができ、亀裂の発生を未然に防ぐことが可能となる。そして、前記第2連結部材7Bに窓部7Bbを形成してあることで、図5、図8、図9に示すように、亀裂の発生の原因となり易いこの溶接部4の端部の状況を、前記窓部7Bbを通して容易に確認することが可能となる。
【0027】
最後に、当該鋼床板改修方法についての具体的な手順を説明する。
[1]亀裂が発見された範囲を対象にして、Uリブ5と溶接部4とを鋼床板1の下方空間側から切除する(図2参照)。
[2]切除跡の寸法に合わせて予め形成しておいた前記補強部材Rを、前記切除跡に下方側から宛って連結する(図3〜6参照)。但し、デッキプレート3への補強部材Rの取り付けに伴っては、事前に舗装2を撤去しておき、デッキプレート3上から作業を行い、その工程のみ完了したら、再舗装を行う。そして、鋼床板1の下方空間側から可能な作業は、すべて下方側から実施する。
【0028】
本実施形態で説明した鋼床板改修方法によれば、路上からの作業は、極めて限られた範囲に絞って実施でき、且つ、短時間のうちに完了することが可能となるから、通行止めや車線規制の時間を極力短くすることができる。
【0029】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0030】
〈1〉 本発明の鋼床板改修方法を実施する対象は、先の実施形態で説明した道路橋に限るものではなく、他の橋梁や桁部材であってもよく、要するに、平板状の鋼製デッキプレート3の下面に、溶接部4を介して断面「U」字状のUリブ5が並設状態にそれぞれ固着されている鋼床板1を備えたものであればよい。
〈2〉 前記亀裂Cの進展を防止する亀裂進展防止施工とは、先の実施形態で説明した亀裂発生範囲LのUリブ5と溶接部4とをデッキプレート3から取り除く工程に限るものではなく、例えば、Uリブ5や溶接部4を残したまま、図10に示すように、亀裂Cの端部を含むように亀裂幅寸法より大きい直径の丸穴9を明けて、その丸穴9をストップホールとする方法であってもよい。また、その場合、補強部材Rは、既存のUリブ5を覆う状態に構成したものを使用することができる。
〈3〉 前記補強部材Rは、先の実施形態で説明した構成の連結部材7を備えたものに限るものではなく、寸法や形状や数量等も、適宜変更することが可能である。
【0031】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】道路橋の要部を示す切欠き斜視図
【図2】鋼床板の要部の改修状況を示す下斜め方向から見上げた分解斜視図
【図3】鋼床板の要部の改修状況を示す下斜め方向から見上げた分解斜視図
【図4】鋼床板の要部の改修状況を示す下斜め方向から見上げた分解斜視図
【図5】鋼床板の要部の改修状況を示す下斜め方向から見上げた分解斜視図
【図6】鋼床板の要部の改修状況を示す下斜め方向から見上げた分解斜視図
【図7】改修部のUリブ片が取り付けられている部分を示す横断面図
【図8】改修部の残留Uリブ部分を示す横断面図
【図9】改修されたUリブの縦断面図
【図10】別実施形態による亀裂進展防止施工の一例を示すUリブ側面図
【図11】亀裂の状況を示す鋼床板の要部を示す横断面図
【符号の説明】
【0033】
1 鋼床板
3 デッキプレート
4 溶接部
5 Uリブ
5A 残留したUリブ
6 新たなUリブ片
6A 上プレート部
6B 下リブ部
7 連結部材
C 亀裂
L 亀裂発生範囲
R 補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の鋼製デッキプレートの下面に、溶接部を介して断面「U」字状のUリブが並設状態にそれぞれ固着されている鋼床板を対象として、前記鋼床板に発生した疲労亀裂による損傷を手当てする鋼床板改修方法であって、
前記亀裂の進展を防止する亀裂進展防止施工を行った後、亀裂発生範囲を含むその周囲を対象として鋼床板の補強を図る補強部材を、前記鋼床板に対して下方から宛って一体に固定する鋼床板改修方法。
【請求項2】
前記亀裂進展防止施工は、亀裂発生範囲の前記Uリブと前記溶接部とを前記デッキプレートから取り除く工程であり、前記補強部材は、その取り除いた跡を埋める状態に形成された新たなUリブ片と、そのUリブ片を前記デッキプレートに固定すると共に、前記Uリブ片をその端部側に隣接する残留したUリブと連結する連結部材とを備えたものである請求項1に記載の鋼床板改修方法。
【請求項3】
前記新たなUリブ片は、前記デッキプレートの下面に沿って配置自在な上プレート部と、その上プレート部の下面に固着された断面「U」字状の下リブ部とを備えて構成されている請求項2に記載の鋼床板改修方法。
【請求項4】
前記残留したUリブの取り除かれた側の端面部に対して、溶接部に近接するリブ部分の一部を、ほぼ半円形状に切り欠いておく請求項2又は3に記載の鋼床板改修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−50774(P2008−50774A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225587(P2006−225587)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【出願人】(505413255)阪神高速道路株式会社 (46)
【出願人】(592173135)横河工事株式会社 (20)
【Fターム(参考)】