説明

鋼板コンクリート構造体

【課題】構築作業が容易な鋼板コンクリート構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係る鋼板コンクリート構造体30は、隣接する態様で配置した複数の鋼板32と、隣接する鋼板32間を連結する第1連結手段34と、連結手段によって連結した鋼板の上層に打設されたコンクリート体38とを備えるものである。第1連結手段34は、隣接する鋼板にそれぞれ立設するスタッドボルト35と、隣接する鋼板のそれぞれに立設したスタッドボルトに挿通する第1挿通孔36hを有し、かつコンクリート体を打設した後には第1挿通孔の内壁とスタッドボルト35の周面との間にコンクリートが充填される第1連結材36とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば原子力発電所建屋の床に適用する鋼板コンクリート構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所建屋の中には、例えばスタッドボルトを一方の表面に立設した複数の鋼板を用いて床を構築したものがある。すなわち、例えば図20に示すように、スタッドボルト1を一方の表面に立設した複数の鋼板2を、周縁が互いに隣接する態様で配置する。
【0003】
次いで、隣接する鋼板2のそれぞれにオーバーラップするよう継手材3を配置してから、連結した一方の鋼板2に継手材3の一方の側端部を隅肉溶接し、かつ連結した他方の鋼板2に、継手材3の他方の側端部を隅肉溶接することで、隣接する一方の鋼板2と他方の鋼板2とを連結する。
【0004】
このように継手材3を連結手段として隣接する鋼板2間を連結した後、図21に示すように、鋼板2の上層に鉄筋4を設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付けた後、埋込金物5が表面に現れ、かつ鋼板2のスタッドボルト1、および鉄筋4を取り込む態様で、鋼板2の上層にコンクリート体を打設することで鋼板コンクリート構造体を構築する。
【0005】
また、原子力発電所の建屋の中には、以下のようにして床を構築したものがある。すなわち、図22に示すように、先ず、スタッドボルト1を一方の表面に立設した複数の鋼板2を、周縁が互いに隣接する態様で配置する。より具体的には、例えばボルト孔を有するアングル11を一方の縁部に取り付けた一方の鋼板2と、ボルト孔を有するアングル11を他方の縁部に取り付けた他方の鋼板2とを、ボルト孔が相互に合致するよう隣接する態様で配置する。
【0006】
次いで、上記ボルト孔に合致する貫通孔を有する座金12を、当該ボルト孔に合致するよう一方の鋼板2のアングル11に設ける。また、上記ボルト孔に合致する貫通孔を有する座金12を、当該ボルト孔に合致するよう他方の鋼板2のアングル11に設ける。
【0007】
次に、2つの座金12の貫通孔および2つのアングル11のボルト孔に高力ボルト13の先端を挿入してから、その高力ボルト13を一対のボルト孔に締結することによって隣接する一方の鋼板2と他方の鋼板2とを連結する。
【0008】
このように一対のアングル11、一対の座金12、および高力ボルト13を連結手段として隣接する鋼板2間を連結した後、図示省略するが、鋼板2の上層に鉄筋4を設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付けた後、埋込金物5が表面に現れ、かつ鋼板2のスタッドボルト1および鉄筋4を取り込む態様で、鋼板2の上層にコンクリート体を打設することで鋼板コンクリート構造体を構築する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述したように、一対のアングル11、一対の座金12、および高力ボルト13を連結手段として床を構築した場合には、アングル11のボルト孔が合致するように一方の鋼板2および他方の鋼板2を配置する作業、それらのボルト孔に高力ボルト13の先端を挿入する作業、およびアングル11のボルト孔に高力ボルト13を締結する作業が必要となり、構築作業に手間がかかる問題があった。
【0010】
また、継手材3を隣接する鋼板2にそれぞれ溶接し、継手材3を連結手段として床を構築した場合には、溶接によって鋼板2の塗装が焦げ、補修が必要になるため、構築作業に手間がかかる問題があった。
【0011】
上述した問題は、原子力発電所の床のように、構築する床の面積が大きい場合には、上記作業量がその大きさに伴って増加することとなる。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構築作業が容易な鋼板コンクリート構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、隣接する態様で配置した複数の鋼板と、隣接する前記鋼板間を連結する連結手段と、前記連結手段によって連結した前記鋼板の上層に打設されたコンクリート体とを備える鋼板コンクリート構造体において、前記連結手段は、隣接する前記鋼板にそれぞれ立設する柱状体と、隣接する前記鋼板のそれぞれに立設した前記柱状体に挿通する挿通孔を有し、かつ前記コンクリート体を打設した後には前記挿通孔の内面と前記柱状体との間にコンクリートが充填される連結材とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る鋼板コンクリート構造体は、上記請求項1において、前記連結材は、あらかじめ成形した金属板であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3に係る鋼板コンクリート構造体は、上記請求項1において、前記連結材は、あらかじめ金属線材を巻回することで構成したスパイラル体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる鋼板コンクリート構造体によれば、連結手段は、隣接する鋼板にそれぞれ立設する柱状体と、隣接する鋼板のそれぞれに立設した柱状体に挿通する挿通孔を有し、かつコンクリート体を打設した後には挿通孔の内面と柱状体との間にコンクリートが充填される連結材とを備えるため、連結材の挿通孔を柱状体に挿通する際、挿通孔の内面と柱状体との間に間隙を設けることができ、隣接する鋼板の連結作業効率を向上することができる。しかも、上記柱状体および連結材によって隣接する鋼板を連結することができるため、例えば継手材を隣接する一方の鋼板に溶接し、かつその継手材を隣接する他方の鋼板に溶接することで隣接する鋼板を連結する必要がない。よって、溶接する必要がないから、鋼板が焦げることもなく、当然に、焦げを補修する必要もない。加えて、上記連結手段によって隣接する鋼板を連結するため、アングル、座金、および高力ボルトで構成される連結手段を使用する必要がない。よって、アングルのボルト孔に高力ボルトの先端を挿入する作業、およびアングルのボルト孔に高力ボルトを締結する作業が不要である。従って、構築作業が容易な鋼板コンクリート構造体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係る鋼板コンクリート構造体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る鋼板コンクリート構造体の要部を示す断面側面図である。この鋼板コンクリート構造体30は、例えば原子力発電所等の建築物の床に適用するものであって、複数の鋼板32と、第1連結手段34と、コンクリート体38とを備えている。なお、本発明に係る鋼板コンクリート構造体30も、上述した鉄筋4、および埋込金物5を有しているが、図1において省略してある。
【0019】
鋼板32は、例えば矩形板状に形成してあり、構築する床の面積に応じた数だけ用意してある。鋼板32の一方の表面には、図2に示すように、スタッドボルト35が立設してある。
【0020】
スタッドボルト35は、上記コンクリート体38との接触面積を増加させることで、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するものであって、鋼板32の一方の表面から上方に向かって突出する態様で設けてある。このスタッドボルト35は、あらかじめ設定した間隔となるよう鋼板32の上に縦横となる態様で立設してある。より具体的には、スタッドボルト35は、左右幅方向の間隔がdx1であり、奥行幅方向の間隔がdx2となるよう鋼板32の上に縦横となる態様で立設してある。本実施の形態1では、左右幅方向の間隔dx1と、奥行幅方向の間隔dx2とが同一のもので説明する。なお、上述した複数のスタッドボルト35のうち、隣接する鋼板32間を連結する際に使用するものが実施の形態1の発明における柱状体である。具体的には、隣接する2枚の鋼板32間において、図1中、隣接する縁に沿って立設した1列のスタッドボルト35が実施の形態1の発明における柱状体である。
【0021】
スタッドボルト35は、図3に示すように、上下方向に延在するボルト軸35xに沿うよう形成してあり、軸部35aと、先端部35bとを有している。軸部35aは、上下方向に延在する円柱状に形成してある。先端部35bは、円柱状に形成してある。先端部35bの径の大きさda2は、軸部35aの径の大きさda1より大きく設定してある。また、軸部35aの上下方向の大きさdb1は、先端部35bの上下方向の大きさdb2よりも大きくなるよう設定してある。
【0022】
第1連結手段34は、図1に示すように、隣接する鋼板32間を相互に連結するものであって、上記スタッドボルト35と、第1連結材(連結材)36とで構成してある。
【0023】
第1連結材36は、図4および図5に示すように、左右幅方向(図4における横方向)の長さに比して奥行幅方向(図4中における縦方向)の長さが長い矩形板状にあらかじめ成形した金属板である。この第1連結材36は、奥行幅方向の大きさが、例えば鋼板32の奥行幅方向の大きさと同一である。この第1連結材36の長手方向に沿った一方の側端部には、隣接する2枚の鋼板32において、一方の鋼板32にオーバーラップする第1オーバーラップ部36cを設定してある。さらに、第1連結材36の長手方向に沿った他方の側端部には、隣接する2枚の鋼板32において、他方の鋼板32にオーバーラップする第2オーバーラップ部36dを設定してある。
【0024】
第1連結材36は、さらに、スタッドボルト35を挿通するための第1挿通孔(挿通孔)36hを複数有している。より具体的には、第1オーバーラップ部36cおよび第2オーバーラップ部36dに、上記スタッドボルト35の奥行幅方向の間隔dx2に対応する第1挿通孔36hを有している。より具体的には、第1挿通孔36hは、自身の中央の中心軸36xと、奥行幅方向において隣接する第1挿通孔36hの中心軸36xとの間隔dhx1が、上述したスタッドボルト35の奥行幅方向の間隔dx2と同一となるよう第1連結材36に形成してある。各第1挿通孔36hは、上下方向に沿って延在するよう円筒状にそれぞれ形成してある。この第1挿通孔36hの中心軸36xから円筒状の内壁(内面)までの距離ha1を2倍した孔径は、第1挿通孔36hにスタッドボルト35が入るように、スタッドボルト35の軸部35aの径の大きさda1、および先端部35bの径の大きさda2よりも十分大きくなるよう設定してある。さらに、左右幅方向において、相互に隣接する第1挿通孔36hの間隔dhx2は、隣接する2枚の鋼板32において、一方の鋼板32の縁に立設したスタッドボルト35と、他方の鋼板32の縁に立設したスタッドボルト35との間隔と同一である。
【0025】
鉄筋4は、構築する鋼板コンクリート構造体30に応じ、第1連結手段34によって連結した鋼板32の上方に設けるものである。
【0026】
埋込金物5は、必要に応じて鉄筋4の上部に取り付けるものである。
【0027】
コンクリート体38は、図1に示す第1連結手段34によって連結した鋼板32の上層にコンクリートを流し込み、その後、コンクリートを固化させることによって打設するものである。
【0028】
次に、本発明に係る鋼板コンクリート構造体30の構築方法を説明する。先ず、例えば工場において、図2に示す矩形状の鋼板32を複数形成し、かつそれら鋼板32の一方の表面に上記スタッドボルト35を溶接することで、各鋼板32にスタッドボルト35をそれぞれ立設する。また、例えば工場において、上記第1連結材36をあらかじめ成形しておく。
【0029】
その後、複数の鋼板32および第1連結材36を、例えば原子力発電所の建設現場に輸送する。
【0030】
原子力発電所の床を構築する部位には、図1に示すように、上記複数の鋼板32を、周縁が互いに隣接する態様で配置する。このとき、隣接する鋼板32間には、例えば間隙Δx1を設けておく。
【0031】
次いで、図6および図7に示すように、柱状体として使用するスタッドボルト35に、第1連結材36の第1挿通孔36hをそれぞれ挿通し、隣接する鋼板32間を第1連結手段34で連結する。スタッドボルト35に第1挿通孔36hを挿通した状態では、図7に示すように、第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx2が形成されることとなる。
【0032】
次いで、第1連結手段34によって連結した各鋼板32の上層に鉄筋4をそれぞれ設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付ける。
【0033】
最後に、埋込金物5が表面に現れ、かつ第1連結手段34によって連結した各鋼板32のスタッドボルト35、第1連結材36、および鉄筋4を取り込む態様で、各鋼板32の上層にコンクリートを流し、そのコンクリートを固化することで、第1連結手段34によって連結した鋼板32の上層にコンクリート体38を打設し、それにより図1に示す鋼板コンクリート構造体30を構築する。
【0034】
本発明の実施の形態1に係る鋼板コンクリート構造体30は、コンクリートを流す前、第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx2が形成されているため、この第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間にコンクリートが流れ込み、その間隙Δx2にコンクリートが充填されることとなる。よって、コンクリート体38を打設した後には、図1に示すように、第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間にコンクリート体38が打設されることとなる。
【0035】
上述した第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間にコンクリート体38を打設した鋼板コンクリート構造体30において、図8に示すように、連結した鋼板32間に、それら鋼板32を左右幅方向に離隔する引張力F1が加えられた場合、その引張力F1は、スタッドボルト35を介して、第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間に打設されたコンクリート体38に伝達されることとなる。
【0036】
上記引張力F1が伝達された場合、その引張力F1によって、第1挿通孔36hの内壁とスタッドボルト35の周面との間のコンクリート体38には、圧縮力F2が作用、換言すれば、連結した鋼板32を離隔する方向に移動しようとする力が作用することとなるが、上記コンクリート体38の移動は、第1連結材36により阻止されることとなる。
【0037】
しかも、第1連結材36には、コンクリート体38の移動を阻止することにより、上記力の反作用として引張力F3が作用することとなる。
【0038】
本発明の実施の形態1にかかる鋼板コンクリート構造体30によれば、第1連結手段34は、隣接する鋼板32にそれぞれ立設するスタッドボルト35と、隣接する鋼板32のそれぞれに立設したスタッドボルト35に挿通する第1挿通孔36hを有し、かつコンクリート体38を打設した後には第1挿通孔36hの内面とスタッドボルト35との間にコンクリートが充填される第1連結材36とを備えるため、第1連結材36の第1挿通孔36hをスタッドボルト35に挿通する際、第1挿通孔36hの内面とスタッドボルト35との間に間隙Δx2を設けることができ、隣接する鋼板32の連結作業効率を向上することができる。しかも、上記スタッドボルト35および第1連結材36によって隣接する鋼板32を連結することができるため、例えば継手材を隣接する一方の鋼板32に溶接し、かつその継手材を隣接する他方の鋼板32に溶接する必要がない。よって、溶接する必要がないから、鋼板32が焦げることもなく、当然に、焦げを補修する必要もない。加えて、上記第1連結手段34によって隣接する鋼板32を連結するため、アングル、座金、および高力ボルトを使用する必要がない。よって、アングルのボルト孔に高力ボルトの先端を挿入する作業、およびアングルのボルト孔に高力ボルトを締結する作業が不要である。従って、構築作業が容易な鋼板コンクリート構造体30を提供することができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1では、左右幅方向において各鋼板32に立設するスタッドボルト35の間隔dx1が同一であり、奥行幅方向において各鋼板32に立設するスタッドボルト35の間隔dx2が同一であり、かつ左右幅方向において第1連結材36に形成する第1挿通孔36hの間隔dhx2が同一であり、奥行幅方向において第1連結材36
に形成する第1挿通孔36hの間隔dhx1が同一であるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スタッドボルト35の間隔dx1,dx2を同一にする必要もなく、第1挿通孔36hの間隔dxh1,dxh2を同一にする必要もない。ただし、スタッドボルト35と、そのスタッドボルト35を挿通する第1挿通孔36hとは、対応するよう鋼板32にスタッドボルト35を立設し、第1連結材36に第1挿通孔36hを形成する必要がある。
【0040】
また、上述した実施の形態1には、上下方向に延在するボルト軸35xに沿うよう形成し、軸部35aと、先端部35bとを有するスタッドボルト35を用いて説明した。しかし、この発明のスタッドボルトは、それに限られない。
【0041】
さらに、上述した実施の形態1には、隣接する2枚の鋼板32間において、図1中、隣接する縁に沿って立設した1列のスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、本発明はそれに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35は、適宜変更しても良い。
【0042】
なお、上述した実施の形態1の鋼板コンクリート構造体30の変形例である鋼板コンクリート構造体30′を図9および図10に示す。図9および図10に示す変形例において、図1〜図5に示した鋼板コンクリート構造体30と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。また、説明の便宜上、図9および図10において、コンクリート体38を省略してある。
【0043】
図9および図10に示す鋼板コンクリート構造体30′は、隣接する2枚の鋼板32間において、隣接する縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するものである。また、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するためのスタッドボルト35よりも大きく形成してある。
【0044】
また、この変形例で示す第1連結手段34′は、隣接する鋼板32間を相互に連結するものであって、上記スタッドボルト35と、第1連結材(連結材)36′とで構成してある。
【0045】
第1連結材36′は、左右幅方向(図9における横方向)の長さに比して奥行幅方向(図9における縦方向)の長さが長い矩形状にあらかじめ成形した金属板である。この第1連結材36′は、奥行幅方向の大きさが、例えば鋼板32の奥行幅方向の大きさと同一である。この第1連結材36′の長手方向に沿った一方の側端部には、隣接する2枚の鋼板32において、一方の鋼板32にオーバーラップする第1オーバーラップ部36c′を設定してある。さらに、第1連結材36′の長手方向に沿った他方の側端部には、隣接する2枚の鋼板32において、他方の鋼板32にオーバーラップする第2オーバーラップ部36d′を設定してある。
【0046】
第1連結材36′は、さらに、スタッドボルト35を挿通するための第1挿通孔(挿通孔)36hを複数有している。より具体的には、第1オーバーラップ部36c′および第2オーバーラップ部36d′に、上記スタッドボルト35の奥行幅方向の間隔dx2に対応する第1挿通孔36hを有している。
【0047】
この鋼板コンクリート構造体30′には、第1連結材36′の第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間のコンクリート体38を補強するための補強材40を設けてある。補強材40は、図11および図12に示すように、例えば金属材料を用いて上下方向に延在する中心軸40xに沿い、かつ柱状体であるスタッドボルト35を挿入するための第1挿入孔40hを有する態様で円筒状に形成してある。より具体的には、上記第1挿通孔36hに補強材40が入るよう、補強材40は、中心軸40xから外周面までの大きさ40haが、上記第1挿通孔36hにおける中心軸36xから円筒状の内壁(内面)までの距離ha1よりもわずかに小さくなるよう形成してある。このような補強材40は、例えば鋼管である。
【0048】
また、補強材40の上下方向の大きさ40L1は、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも小さくなるよう設定してある。補強材40の中心軸40xから円筒の内面までの距離ha2は、上記スタッドボルト35の軸部35aの径の大きさda1、および先端部35bの径の大きさda2よりも十分大きくなるよう設定してある。なお、必ずしも補強材40の上下方向の大きさ40L1を、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも小さくする必要はなく、補強材40の上下方向の大きさ40L1を、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも大きくしても良い。
【0049】
このような鋼板コンクリート構造体30′を構築する場合は、複数の鋼板32を隣接する態様で配置する。一方、第1挿通36hを形成した部位に補強材40を配置し、第1連結材36′に補強材40を取り付ける。この後、鋼板32を連結するのに使用するスタッドボルト35を、補強材40の第1挿入孔40hおよび第1連結材36′の第1挿通孔36hにそれぞれ挿通して、隣接する鋼板32間を第1連結手段34′で連結する。この状態では、図10に示すように、第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx3が形成されることとなる。
【0050】
次いで、第1連結手段34′によって連結した各鋼板32の上層に鉄筋4をそれぞれ設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付ける。
【0051】
最後に、埋込金物5が表面に現れ、かつ第1連結手段34′によって連結した各鋼板32のスタッドボルト35、第1連結材36′、および鉄筋4を取り込む態様で、各鋼板32の上層にコンクリートを流し、そのコンクリートを固化することで、第1連結手段34′によって連結した鋼板32の上層にコンクリート体38を打設することで鋼板コンクリート構造体30′を構築する。
【0052】
このような鋼板コンクリート構造体30′は、上述した鋼板コンクリート構造体30′と同様の作用・効果を奏することができる。しかも、補強材40によって、第1連結材36′の第1挿通孔36hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間のコンクリート体38を補強することができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態1の変形例には、隣接する2枚の鋼板32間において、図10および図11中、隣接する鋼板32の縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、本発明はそれに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35は、適宜変更しても良い。
【0054】
また、上述した実施の形態1の変形例には、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも大きく形成するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35と、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35とを同一の大きさに形成しても良いし、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも小さく形成しても良い。
【0055】
また、上述した実施の形態1には、鋼板コンクリート構造体30、30′を原子力発電所等の建築物の床に適用するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、建築物の壁にも適用することができる。
【0056】
さらに、上述した実施の形態1には、鋼板コンクリート構造体30、30′の表面に立設したスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スタッドボルト35とは別に、鋼板32を連結するため、鋼板の表面から突出する柱状体を設けても良い。
【0057】
また、上述した実施の形態1には、鉄筋4および埋込金物5を備える鋼板コンクリート構造体30,30′を用いて説明した。しかし、この発明はそれに限られず、鉄筋4および埋込金物5を必ず備える必要はない。
【0058】
[実施の形態2]
図13および図14は、本発明の実施の形態2に係る鋼板コンクリート構造体50の要部を示す断面側面図である。なお、図13および図14に示す鋼板コンクリート構造体50において、図1〜図5に示した鋼板コンクリート構造体30と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。また、説明の便宜上、図13および図14において、コンクリート体38を省略してある。
【0059】
この鋼板コンクリート構造体50も、例えば原子力発電所の床に適用するものである。この鋼板コンクリート構造体50は、スタッドボルト35と、第2連結材55とで構成する第2連結手段53を備えている。
【0060】
この鋼板コンクリート構造体50は、隣接する2枚の鋼板32間において、隣接する縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するものである。また、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するためのスタッドボルト35よりも大きく形成してある。
【0061】
第2連結材55は、あらかじめ金属線材を巻回することで構成したスパイラル体である。この第2連結材55は、第2挿通孔55hを有している。
【0062】
この第2連結材55の第2挿通孔55hにおいて、隣接する鋼板32を離隔する方向(左右幅方向)の内周面の大きさ55a1は、隣接する鋼板32間において、一方の鋼板32の2本のスタッドボルト35と、他方の鋼板32の2本のスタッドボルト35とに挿通することができるよう、上記スタッドボルト35の左右幅方向の間隔dx1の2倍と、隣接する鋼板32間の間隙Δx1とを合算した大きさよりもわずかに大きく設定してある。
【0063】
また、この第2連結材55の第2挿通孔55hにおいて、隣接する鋼板32間の縁に沿う方向(奥行幅方向)の内周面の大きさ55a2は、上記スタッドボルト35の軸部35aの径の大きさda1、および先端部35bの径の大きさda2の大きさよりも十分大きくなるよう設定してある。また、第2連結材55の上下方向の大きさ55a3は、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも小さくなるよう設定してある。
【0064】
このような鋼板コンクリート構造体50を構築する場合は、図13および図14に示すように、複数の鋼板32を隣接する態様で配置した後、鋼板32を連結するのに使用するスタッドボルト35に、第2連結材55の第2挿通孔55hを挿通して、隣接する鋼板32間を第2連結手段53で連結する。この状態では、第2挿通孔55hの内面と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx4が形成されることとなる。
【0065】
次いで、第2連結手段53によって連結した各鋼板32の上層に鉄筋4をそれぞれ設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付ける。
【0066】
最後に、埋込金物5が表面に現れ、かつ第2連結手段53によって連結した各鋼板32のスタッドボルト35、第2連結材55、および鉄筋4を取り込む態様で、各鋼板32の上層にコンクリートを流し、そのコンクリートを固化することで、第2連結手段53によって連結した鋼板32の上層にコンクリート体38を打設することで鋼板コンクリート構造体50を構築する。
【0067】
ここで、本発明の実施の形態2に係る鋼板コンクリート構造体50は、コンクリートを流す前、第2挿通孔55hの内面と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx4が形成されているため、この第2挿通孔55hの内面と、スタッドボルト35の周面との間にコンクリートが流れ込み、その間隙Δx4にコンクリートが充填されることとなる。よって、コンクリート体38を打設した後には、第2挿通孔55hの内面と、スタッドボルト35の周面との間にコンクリート体38が打設されることとなる。
【0068】
本発明の実施の形態2にかかる鋼板コンクリート構造体50によれば、第2連結手段53は、隣接する鋼板32にそれぞれ立設するスタッドボルト35と、隣接する鋼板32のそれぞれに立設したスタッドボルト35に挿通する第2挿通孔55hを有し、かつコンクリート体38を打設した後には第2挿通孔55hの内面とスタッドボルト35との間にコンクリートが充填される第2連結材55とを備えるため、第2連結材55の第2挿通孔55hをスタッドボルト35に挿通する際、第2挿通孔55hの内面とスタッドボルト35との間に間隙Δx4を設けることができ、隣接する鋼板32の連結作業効率を向上することができる。しかも、上記スタッドボルト35および第2連結材55によって隣接する鋼板32を連結することができるため、例えば継手材を隣接する一方の鋼板32に溶接し、かつその継手材を隣接する他方の鋼板32に溶接する必要がない。よって、溶接する必要がないから、鋼板32が焦げることもなく、当然に、焦げを補修する必要もない。加えて、上記第2連結手段53によって隣接する鋼板32を連結するため、アングル、座金、および高力ボルトを使用する必要がない。よって、アングルのボルト孔に高力ボルトの先端を挿入する作業、およびアングルのボルト孔に高力ボルトを締結する作業が不要である。従って、構築作業が容易な鋼板コンクリート構造体50を提供することができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態2には、隣接する2枚の鋼板32間において、隣接する鋼板32の縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、本発明はそれに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35は、適宜変更しても良い。例えば、隣接する鋼板32の縁に沿って立設した1列のスタッドボルト35を柱状体として使用しても良いし、隣接する鋼板32の縁に沿って立設した3列以上のスタッドボルト35を柱状体として使用しても良い。
【0070】
また、上述した実施の形態2では、左右幅方向において各鋼板32に立設するスタッドボルト35の間隔dx1が同一であり、奥行幅方向において各鋼板32に立設するスタッドボルト35の間隔dx2が同一であるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スタッドボルト35の間隔dx1,dx2を同一にする必要はない。ただし、スタッドボルト35は、第2連結材55の第2挿通孔55hに挿通することができるよう立設する必要がある。
【0071】
さらに、上述した実施の形態2には、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも大きく形成するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35と、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35とを同一の大きさに形成しても良いし、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも小さく形成しても良い。
【0072】
なお、上述した実施の形態2の鋼板コンクリート構造体50の変形例を図17および図18に示す。図17および図18に示す変形例である鋼板コンクリート構造体50′において、図1〜図5に示した鋼板コンクリート構造体30、および図13および図14に示した鋼板コンクリート構造体50と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
この鋼板コンクリート構造体50′は、隣接する2枚の鋼板32間において、隣接する縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するものである。また、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するためのスタッドボルト35よりも大きく形成してある。
【0074】
この鋼板コンクリート構造体50′には、第2連結材55の第2挿通孔55hの内周面と、スタッドボルト35の周面との間のコンクリート体38を補強するための補強材60を設けてある。
【0075】
補強材60は、図19に示すように、例えば金属材料を用いて上下方向に延在する中心軸60xに沿い、かつ柱状体であるスタッドボルト35を挿入するための第2挿入孔60hを有する態様で円筒状に形成してある。より具体的には、上記第2挿通孔55hに補強材60が入るよう、補強材60は、中心軸60xから外周面までの大きさ60haを2倍したものが、上記第2挿通孔55hにおける奥行幅方向の内周面の大きさ55a2よりもわずかに小さくなるよう形成してある。
【0076】
また、補強材60の上下方向の大きさ60L1は、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも小さくなるよう設定してある。なお、必ず、補強材60の上下方向の大きさ60L1を、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも小さくする必要はなく、補強材60の上下方向の大きさ60L1を、軸部35aの上下方向の大きさdb1よりも大きくしても良い。
【0077】
補強材60の中心軸60xから円筒の内面までの距離60ha2は、上記スタッドボルト35の軸部35aの径の大きさda1、および先端部35bの径の大きさda2の径の大きさよりも十分大きくなるよう設定してある。このような補強材60は、例えば鋼管である。
【0078】
このような鋼板コンクリート構造体50′を構築する場合は、図17および図18に示すように、複数の鋼板32を隣接する態様で配置した後、鋼板32を連結するのに使用するスタッドボルト35に、補強材60の第2挿入孔60hを挿入する。
【0079】
その後、柱状態として使用するスタッドボルト35に、第2連結材55の第2挿通孔55hをそれぞれ挿通して隣接する鋼板32間を第2連結手段53′で連結する。この状態では、第2挿通孔55hの内壁と、スタッドボルト35の周面との間には間隙Δx5が形成されることとなる。
【0080】
次いで、第2連結手段53′によって連結した各鋼板32の上層に鉄筋4をそれぞれ設け、かつその鉄筋4の上部に埋込金物5を取り付ける。
【0081】
最後に、埋込金物5が表面に現れ、かつ第2連結手段53′によって連結した各鋼板32のスタッドボルト35、第2連結材55、および鉄筋4を取り込む態様で、各鋼板32の上層にコンクリートを流し、そのコンクリートを固化することで、第2連結手段53′によって連結した鋼板32の上層にコンクリート体38を打設することで鋼板コンクリート構造体50′を構築する。
【0082】
このような鋼板コンクリート構造体50′は、上述した鋼板コンクリート構造体50と同様の作用・効果を奏することができる。しかも、補強材60によって、第2連結材55の第2挿通孔55hの内周面と、スタッドボルト35の周面との間のコンクリート体38を補強することができる。
【0083】
なお、上述した実施の形態2の変形例には、隣接する2枚の鋼板32間において、図17および図18中、隣接する鋼板32の縁に沿って立設した2列のスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、本発明はそれに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35は、適宜変更しても良い。
【0084】
また、上述した実施の形態2の変形例には、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも大きく形成するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、柱状体として使用するスタッドボルト35と、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35とを同一の大きさに形成しても良いし、柱状体として使用するスタッドボルト35を、鋼板32とコンクリート体38とを一体化するスタッドボルト35よりも小さく形成しても良い。
【0085】
さらに、上述した実施の形態2には、鋼板コンクリート構造体50、50′を原子力発電所等の建築物の床に適用するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、建築物の壁にも適用することができる。
【0086】
さらに、上述した実施の形態2には、鋼板コンクリート構造体50、50′の表面に立設したスタッドボルト35を柱状体として使用するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、スタッドボルト35とは別に、鋼板32を連結するため、鋼板の表面から突出する柱状体を設けても良い。
【0087】
また、上述した実施の形態2には、鉄筋4および埋込金物5を備える鋼板コンクリート構造体50,50′を用いて説明した。しかし、この発明はそれに限られず、鉄筋4および埋込金物5を必ず備える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態1に係る鋼板コンクリート構造体の要部を示す部分断面図である。
【図2】図1に示した鋼板コンクリート構造体が備える鋼板を示す平面図である。
【図3】図2に示した鋼板に立設したスタッドボルトを示す側面図である。
【図4】図1に示した鋼板コンクリート構造体が備える第1連結材を示す平面図である。
【図5】図4の矢視A−Aにおける断面図である。
【図6】図4に示した第1連結材によって、隣接する鋼板間を連結した状態を示す説明図である。
【図7】図6の矢視B−Bにおける断面図である。
【図8】隣接する鋼板を離隔する方向に引張力が作用した場合、作用する力を示す説明図である。
【図9】図1に示した実施の形態1の鋼板コンクリート構造体の変形例を示す平面図である。
【図10】図9の矢視C−Cにおける断面図である。
【図11】図9に示す鋼板コンクリート構造体が備える補強材を示す斜視図である。
【図12】図11に示した補強材の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る鋼板コンクリート構造体を示す平面図である。
【図14】図13の矢視D−Dにおける断面図である。
【図15】図13に示した鋼板コンクリート構造体が備える第2連結材を示す側面図である。
【図16】図15に示した第2連結材の平面図である。
【図17】図13に示した実施の形態2の鋼板コンクリート構造体の変形例を示す平面図である。
【図18】図17の矢視E−Eにおける断面図である。
【図19】図17に示す鋼板コンクリート構造体が備える補強材を示す断面図である。
【図20】従来の鋼板コンクリート構造体の要部を示す説明図である。
【図21】鋼板コンクリート構造体が備える鉄筋、埋込金物を示す説明図である。
【図22】従来の鋼板コンクリート構造体において、図20に示す鋼板コンクリート構造体とは別のものの要部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0089】
30 鋼板コンクリート構造体
32 鋼板
34 第1連結手段
35 スタッドボルト
35a 軸部
35b 先端部
35x ボルト軸
36 第1連結材
36a 第1連結材本体部
36b 補強部
36c 第1オーバーラップ部
36d 第2オーバーラップ部
36h 第1挿通孔
38 コンクリート体
40 補強材
40h 第1挿入孔
50 鋼板コンクリート構造体
53 第2連結手段
55 第2連結材
55h 第2挿通孔
60 補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する態様で配置した複数の鋼板と、隣接する前記鋼板間を連結する連結手段と、前記連結手段によって連結した前記鋼板の上層に打設されたコンクリート体とを備える鋼板コンクリート構造体において、
前記連結手段は、
隣接する前記鋼板にそれぞれ立設する柱状体と、
隣接する前記鋼板のそれぞれに立設した前記柱状体に挿通する挿通孔を有し、かつ前記コンクリート体を打設した後には前記挿通孔の内面と前記柱状体との間にコンクリートが充填される連結材と
を備えることを特徴とする鋼板コンクリート構造体。
【請求項2】
前記連結材は、あらかじめ成形した金属板であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コンクリート構造体。
【請求項3】
前記連結材は、あらかじめ金属線材を巻回することで構成したスパイラル体であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コンクリート構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−24359(P2009−24359A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186876(P2007−186876)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(592218300)学校法人神奈川大学 (243)