説明

錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置

【課題】主として医薬食品業界で利用される錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であって、洗浄部品の点数をできるだけ少なくすることを目的とする。
【解決手段】錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として医薬食品業界で利用される錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であって、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤用バケットリフターとしては、多数のバケットを上昇位置と下降位置の間で連続的に循環させる循環式バケットリフターと、1つのバケットを同一軌道で上昇位置と下降位置の間で往復させる往復式バケットリフターがあり、医薬食品業界で錠剤(カプセル剤も含む)をリフトする場合には、薬の種類を変更した場合の洗浄の必要性から、往復式バケットリフターを多く採用している。
【0003】
図8は、従来の往復式バケットリフターの一例を示しており、床面等に立設されたタワー101内に、下降位置と上昇位置との間で昇降可能な一つのバケット102が配置されており、タワー101の上端部には排出シュートが設けられ、タワー101の下端部には、錠剤投入装置103が隣接配置されている。前記排出シュートの排出端部には錠剤貯蔵用のドラム容器等が配置されており、前記錠剤投入装置103の前工程には、たとえば打錠機104等が配置されている。
【0004】
錠剤投入装置103には、振動フィーダ105が設けられ、振動フィーダ105上には振動伝達部材106を介して搬送トラフ107が連結され、この搬送トラフ107には打錠機104等から搬送シュート108より錠剤が投入されている。
【0005】
振動フィーダ105は、ヒンジ式支持脚109上の水平なヒンジ軸芯О1の回りに空圧シリンダ装置110により前傾状態あるいは後傾状態にして、搬送トラフ107も同様に前傾状態あるいは後傾状態にして傾斜ガイド111を経て錠剤をバケット102に投入するようにしてある。
【0006】
この搬送トラフ107の前傾状態あるいは後傾状態では、バケット102に錠剤を供給し、バケット102と搬送トラフ107先端間の下方に錠剤を落下させることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−308320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置では、傾斜ガイドがあり洗浄部品点数が多く、またバケットと搬送トラフ先端間の下方に錠剤を落下させることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、洗浄部品点数を出来るだけ少なくすべく、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【0010】
また、本発明は、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止すべく、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給し、バケットが上昇工程に入る直前に錠剤を後進させ、バケットが上昇中に直進フィーダトラフの先端から錠剤が落下するのを防止するようにした錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【0011】
さらに、本発明は、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止すべく、具体的には、前記直進フィーダトラフは、底板の先端部を短い斜片に形成し、底板の中間部を内寄り三角突部としたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【0012】
さらにまた、本発明は、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止すべく、具体的には、前記直進フィーダトラフへの錠剤を供給する搬送シュートの供給路にシリコン暖簾を設けたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であるので、洗浄部品点数を出来るだけ少なくすることができる。
【0014】
また、本発明は、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給し、バケットが上昇工程に入る直前に錠剤を後進させ、バケットが上昇中に直進フィーダトラフの先端から錠剤が落下するのを防止するようにした錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であるので、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止することができる。
【0015】
さらに、本発明は、具体的には、前記直進フィーダトラフは、底板の先端部を短い斜片に形成し、底板の中間部を内寄り三角突部としたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であるので、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止することができる。
【0016】
さらにまた、本発明は、具体的には、前記直進フィーダトラフへの錠剤を供給する搬送シュートの供給路にシリコン暖簾を設けたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置であるので、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明による錠剤投入装置を備えた錠剤用バケットリフターの縦断面略図、図2は図1の平面図、図3は錠剤前進中の錠剤の受取状態を示す図1の錠剤投入装置の縦断面図、図4は図3の平面図、図5は錠剤後進中の錠剤の受取状態を示す図1の錠剤投入装置の縦断面図、図6は図5の平面図、図7は直進フィーダトラフの斜視図、図8は従来の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置の縦断面図である。
【0018】
本発明の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置を、上記に示す図に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1において、バケットリフター1は、薬品用錠剤生産および検査ラインの最終工程に配置されており、床面等に立設されたタワー2の下端部の一側に錠剤投入装置3が配置され、タワー2の上端部の他側に排出シュート4が設けられており、前記錠剤投入装置3は前工程である打錠機に隣接配置されている。
【0020】
バケット6は回転軸7に支持されてタワー2に沿って上下動する。
【0021】
タワー2の下部には、隣接して電磁式直進フィーダ8が配置され、電磁式直進フィーダ8の上方には直進フィーダトラフ9が設けられている。
【0022】
タワー2にはバケット6や直進フィーダトラフ9の動作を制御するタッチパネル10を設ける。
【0023】
本発明は、洗浄部品点数をできるだけ少なくすべく、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケット6を備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダ8に連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケット6まで搬送し、投入する直進フィーダトラフ9を備え、前記直進フィーダトラフ9は、電磁式直進フィーダ8の周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケット6に供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【0024】
本発明では、バケット6を後傾させることにより、傾斜ガイドをなくすことができ、洗浄部品の点数を少なくすることができる。
【0025】
また、本発明は、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止すべく、錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケット6を備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダ8に連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置にバケット6まで搬送し、投入する直進フィーダトラフ9を備え、前記直進フィーダトラフ9は、電磁式直進フィーダ8の周波数を制御して供給する錠剤を調整し、後傾したバケット6に供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置とした。
【0026】
バケット6や直進フィーダトラフ9の動作の一例を図9に示す。
【0027】
直進フィーダトラフ9の運転時間T1、T2、T3、T4、T5、T6および前進や後進の指示P1、P2、P3で制御できる。
【0028】
さらに、本発明は、前記直進フィーダトラフ9は、底板15の先端部を短い斜片11に形成し、底板15の中間部を内寄り三角突部13としたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置である。
【0029】
図3、図4、図5、図6、図7において、直進フィーダトラフ9の底板15の先端部は短い斜片11に形成してある。この斜片11は搬送シュート12より供給された錠剤が直ちに直進フィーダトラフ9の先端から落下しない役目を果たす。
【0030】
図4および図7で、直進フィーダトラフ9の底板15の中間には内寄り三角突部13が突設してある。この三角突部13には直進フィーダトラフ9が前進を続ける間に、三角突部13の前側に二点鎖線の示す空間部ができ、バケット6が上昇工程に入る直前に錠剤を後進させる際、後進錠剤の流入スペースとなり、直進フィーダトラフ9先端から落下するのを防止する機能を果たす。
【0031】
図4に示す回転軸7はバケット6に固着され、エアシリンダーやモーター動力にて回転させる。
【0032】
さらに、本発明は、直進フィーダトラフ9への錠剤を供給する搬送シュート12の供給路にシリコン暖簾14を設けたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置である。
【0033】
図3、図4、図5、図6に示すシリコン暖簾14は、打錠機等から搬送シュート12を経て供給路への錠剤の量を制限できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、バケットと搬送トラフ先端間の下方への錠剤の落下を防止するために用いたが、搬送装置からバケット以外の容器の錠剤落下防止に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による錠剤投入装置を備えた錠剤用バケットリフターの縦断面略図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】錠剤前進中の錠剤の受取状態を示す図1の錠剤投入装置の縦断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】錠剤後進中の錠剤の受取状態を示す図1の錠剤投入装置の縦断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】直進フィーダトラフの斜視図である。
【図8】従来の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置の縦断面図である。
【図9】バケットや直進フィーダトラフの動作の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
6…バケット
8…電磁式直進フィーダ
9…直進フィーダトラフ
15…底板
11…斜片
13…三角突部
14…シリコン暖簾

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給するようにしたことを特徴とする錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置。
【請求項2】
錠剤が投入される下降位置から錠剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置において、電磁式直進フィーダに連結支持されると共に、前工程から供給される錠剤を前記下降位置のバケットまで搬送し、投入する直進フィーダトラフを備え、前記直進フィーダトラフは、電磁式直進フィーダの周波数を制御して供給する錠剤量を調整し、後傾したバケットに供給し、バケットが上昇工程に入る直前に錠剤を後進させ、バケットが上昇中に直進フィーダトラフの先端から錠剤が落下するのを防止するようにした錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置。
【請求項3】
前記直進フィーダトラフは、底板の先端部を短い斜片に形成し、底板の中間部を内寄り三角突部としたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置。
【請求項4】
前記直進フィーダトラフへの錠剤を供給する搬送シュートの供給路にシリコン暖簾を設けたことを特徴とする請求項2記載の錠剤用バケットリフターの錠剤投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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