説明

錠剤裁断粉塵分離機構

【課題】篩い式でも能率の良い錠剤裁断粉塵分離機構を実現する。
【解決手段】錠剤落下経路51aを複数形成した錠剤落下経路切替部材51と、粉塵分離孔52aを多数形成した仕切板52と、粉塵落下経路53aの上端に仕切板52を保持し更にその上に半身を乗せた錠剤落下経路切替部材51も保持する傾斜支持部材53とを設け、錠剤落下経路切替部材51の軸回転に伴って、仕切板52上に来た錠剤落下経路51aが高度を下げるとともに錠剤裁断片(11)を投入され、仕切板52から外れた錠剤落下経路51aが高度を上げるとともに錠剤裁断片(11)を落下させるようにする。錠剤裁断粉塵(12)は粉塵落下経路53aを通って落下して分離される。また、粉塵落下経路53aの下に第1粉塵受器61を置き、仕切板52から外れた粉塵落下経路53aの下のシュート54の先に底網63aを持った裁断片受器63を置き、その下に第2粉塵受器62を置く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、錠剤を裁断して幾つかの錠剤裁断片に分割した際に発生する錠剤裁断粉塵を錠剤裁断片から分離する錠剤裁断粉塵分離機構に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤裁断粉塵分離機構は、錠剤分割装置と組み合わせて又は錠剤分割装置に組み込んで設置されて、錠剤分割時に発生する所望の錠剤裁断片から不所望な錠剤裁断粉塵を分離するために使用されるが、先ず、錠剤分割装置を説明すると、錠剤を2片に分割する錠剤分割装置として、一錠ずつ受けた錠剤にカッターを押し下げて錠剤を裁断する従前の錠剤分割機の他、一錠単位で保持・収容されていた錠剤を一錠未満の単位で後続の包装装置等に自動供給できるよう、錠剤落下経路(錠剤通過経路)を断つ態様で切り込むことにより錠剤落下経路の中の錠剤を通過方向の先後に分割して錠剤裁断片を個々に排出する錠剤供給装置や(例えば特許文献1参照)、受けた錠剤をカッターの刃で上下に裁断して下側の錠剤裁断片は先に排出するが上側の錠剤裁断片はカッター上に一旦留め置き次のカッター動作にて遅れて排出する錠剤供給装置が実用化されている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
そのような従来の錠剤分割装置は、錠剤分包機の錠剤収納庫の中や下などに組み込まれていて、裁断機構に具備されている一枚のカッター刃を、保持機構にて裁断位置に保持されている分割対象の錠剤に、切り込ませるようになっている。
また、それら従来の錠剤分割装置では、外部の錠剤フィーダ等から錠剤分割装置まで錠剤を導くダクト等は別として、錠剤分割装置内では、錠剤落下経路(錠剤通過経路)が縦穴状に刳り貫き形成されて鉛直になっており、そこを錠剤が自然落下に近い状態で真っ直ぐ鉛直下方に落下するようになっている。
【0004】
さらに、錠剤分割装置の裁断機構に着目してみると、裁断機構の刃を二枚にしたものも開発されている。この錠剤分割装置は、真っ直ぐな刃を具備した裁断機構にて錠剤を裁断して複数の錠剤裁断片に分割する錠剤分割装置において、前記刃が対向状態で二枚設けられ、前記裁断機構が、前記対向二枚刃を平行に保ちながらその対向間隙を拡縮させて錠剤裁断を行うものであって対向間隙拡縮に際して前記対向二枚刃を平行方向へ相対的にずらすようになっている(特許文献3参照)。
また、裁断機構の刃を回転刃にしたものも開発されている(特許文献4参照)。
【0005】
このような錠剤分割装置では、分割対象の錠剤を保持機構にて裁断位置に保持することで錠剤の位置を規制しながら、裁断機構の刃を錠剤に切り込ませることで、錠剤の裁断を的確に遂行するようになっている。
そして、保持機構の調整が適切に行われていれば、何時でも、錠剤が適切な裁断位置に保持されて、裁断機構の刃先が錠剤の所期部位に当たるときの刃先当接部位の変動は目視確認不能なほど小さくなるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−226088号公報
【特許文献2】特開平11−226089号公報
【特許文献3】特開2011−083357号公報
【特許文献4】特開2011−097969号公報
【特許文献5】特願2010−170968号
【特許文献6】特開2011−042955号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近になって開発された錠剤分割装置にも言及すると(特許文献5参照)、分割対象の錠剤を裁断位置に保持する保持機構と、前記裁断位置に向けて進退する対向刃を具備しており前記対向刃の対向間隙を拡縮させて前記錠剤を裁断する裁断機構と、前記裁断機構の動作手順または前記裁断機構および前記保持機構の動作手順を規定する裁断動作規定手段とを備えた錠剤分割装置であって、前記裁断動作規定手段は、錠剤裁断時に前記対向間隙を縮小させる際、前記対向刃が前記錠剤を挟むまでは前記保持機構による錠剤保持を継続させ、前記対向刃が前記錠剤を挟んでからは前記保持機構による錠剤保持を解除させて前記錠剤を前記対向刃だけで挟持させ、前記保持機構による錠剤保持が解除されてから前記対向刃を前記錠剤に切り込ませるようになったものが、開発されている。
【0008】
この錠剤分割装置にあっては(特許文献5効果欄を参照)、錠剤裁断時に対向刃が錠剤に切り込むときには錠剤が保持機構から離れているようにしたことにより、対向刃の切り込みで錠剤に変形や変位が生じたとしても、それによって保持機構から錠剤に反力が作用するということが起こらなくなっている。
このように、裁断状態の変動要因であるとともに変動量の増幅要因でもあると考えられる保持機構からの反力が生じないように改良したため、割れが安定して、錠剤裁断片の量目の変動が更に小さくて済むものとなっている。
【0009】
また(特許文献6参照)、分割精度を向上させたうえで、多様な形状の各種錠剤に対して適合させる調整等の負担を軽減することを目的として、上端から下端まで溝状の錠剤落下経路が形成されている落下錠剤案内部材と、前記錠剤落下経路を下ってきた分割対象の錠剤を前記錠剤落下経路の途中の裁断位置に経路開閉にて一時保持する受止部材と、前記裁断位置で前記錠剤を裁断する裁断機構とを備えた錠剤分割装置であって、前記錠剤落下経路のうち前記裁断位置より上流の部分を覆う溝深規定部材と、前記錠剤落下経路の溝底と前記溝深規定部材の溝底対向面との相対距離を拡縮する厚み調整機構と、前記錠剤の厚さ情報を取得して前記厚み調整機構を作動させることにより前記相対距離を前記錠剤の厚さに適合させる制御装置とを具備した錠剤分割装置も、開発されている。
【0010】
この錠剤分割装置にあっては(特許文献6効果欄を参照)、錠剤形状情報のうち最小寸法である厚さ情報を制御装置に与えれば、後は制御装置と厚み調整機構と溝深規定部材との協動により自動で、錠剤落下経路の溝底と溝深規定部材の溝底対向面との相対距離が錠剤の厚さに適合させられるため、厚さの異なる各種錠剤に対して適合させる調整の負担が軽減される。なお(特許文献6の実施例を参照)、この錠剤分割装置では、落下錠剤案内部材が板状体からなり、その片面に錠剤落下経路が彫り込み形成されており、裁断機構が刃を裁断位置に向けて進退させることで錠剤を裁断するようになっている。
【0011】
ここで、説明を錠剤分割装置から錠剤裁断粉塵分離機構に戻すと、吸引排出機構にて不要な半錠や裁断等で生じた小片を除去したり錠剤通過経路や装置内を清掃するようになっていた(特許文献1,2参照)。裁断機構に対向刃や回転刃を採用して錠剤裁断時の粉塵の発生量を減らしたものや(特許文献3,4,5参照)、収集用ガイドや緩衝用バッファを具備した中継部を錠剤の保持機構や裁断機構と錠剤裁断片の受器との間に設けて錠剤裁断片を移動させる際にも粉塵の発生を抑制するようになったものもあるが(特許文献6参照)、錠剤裁断粉塵が全く無くなる訳ではないので、上述したような吸引排出機構にて錠剤裁断粉塵を吸い取ったり,中継部に設けた篩いで錠剤裁断粉塵を篩い落としたりして、錠剤裁断片から錠剤裁断粉塵を分離させるための錠剤裁断粉塵分離機構が欠かせない。
【0012】
しかしながら、このような従来の錠剤裁断粉塵分離機構では、吸引排出機構の場合、分離性能は優れているが、部材費も運転費用も高くつくうえ排気処理設備等の完備した環境でないと使いづらい。一方、篩いは、そのような制約が無いうえ簡素かつ安価であるという観点からは使い易いが、一般的な使い方ではなかなか満足できる物ができなかった。例えば、傾斜ガイドに篩いを採用してその上を自重で滑落させた場合、傾斜が緩すぎると錠剤裁断片が落下しなくなるのに対し、傾斜が急すぎると錠剤裁断粉塵が篩い分けされなくなり、妥協点が見いだし難い。また、緩衝用バッファに篩いを採用してそれを上下反転させるのでは、反転速度を上げると錠剤裁断片も錠剤裁断粉塵もあらぬ所へ飛んでいってしまうので、高速化が難しく、能率が上がらない。
そこで、篩い式でも能率の良い錠剤裁断粉塵分離機構を実現することが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の錠剤裁断粉塵分離機構は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、錠剤裁断片を通過させる貫通縦穴状の錠剤落下経路が複数形成されており軸回転することで前記錠剤落下経路が入れ替わるようになっている錠剤落下経路切替部材と、前記錠剤裁断片は通過させないがそれより小さな錠剤裁断粉塵は通過させる貫通縦孔状の粉塵分離孔が多数形成されている仕切板と、前記錠剤裁断粉塵を落下させうる粉塵落下経路が形成されていて前記粉塵落下経路の上端面を前記仕切板に覆わせる状態で前記仕切板を保持するとともに前記錠剤落下経路のうち何れか一つは前記仕切板の上に来るが他の一つは前記仕切板から外れる状態で且つ回転軸が前記仕切板そのもの又は前記仕切板の延長体に対して垂直になる状態で前記錠剤落下経路切替部材を保持する支持部材とを備えた錠剤裁断粉塵分離機構であって、前記錠剤落下経路が前記錠剤落下経路切替部材の軸回転に伴って前記仕切板の上に来ると前記仕切板によって下端面を覆われ前記仕切板から外れると下端面を解放されるようになっていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の錠剤裁断粉塵分離機構は(解決手段2)、上記解決手段1の錠剤裁断粉塵分離機構であって、前記支持部材が、前記錠剤落下経路切替部材および前記仕切板を傾斜状態で保持する傾斜支持部材となっており、前記錠剤落下経路が前記錠剤落下経路切替部材の軸回転に伴って前記仕切板の上に来ると高度を下げ前記仕切板から外れると高度を上げるように前記傾斜状態が設定されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の錠剤裁断粉塵分離機構は(解決手段3)、上記解決手段1,2の錠剤裁断粉塵分離機構であって、前記粉塵落下経路を通って落下した前記錠剤裁断粉塵を収容する第1粉塵受器が、前記粉塵落下経路の下方に配置され、前記錠剤裁断片は通過させないがそれより小さな錠剤裁断粉塵は通過させる部材を底に採用した裁断片受器が、前記錠剤落下経路のうち前記仕切板から外れたものから落下する前記錠剤裁断片の落下先に配置され、前記裁断片受器の底を通って落下した前記錠剤裁断粉塵を収容する第2粉塵受器が、前記裁断片受器の下方に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明の錠剤裁断粉塵分離機構は(解決手段1)、保持機構および裁断機構に係る錠剤裁断位置の下方・下流に設置される。詳しくは、錠剤裁断位置で錠剤が分割されて出来た錠剤裁断片を受け入れることが出来るような所に錠剤裁断粉塵分離機構が設置されるのであるが、特に、錠剤落下経路切替部材の錠剤落下経路のうち仕切板の上に来ているものが錠剤裁断片を受け入れることになるよう、設置条件等が定められる。そして、間欠的に錠剤落下経路切替部材が軸回転するようになっていて、錠剤落下経路切替部材が軸回転すると、その回転軸と仕切板とが垂直なので錠剤落下経路切替部材の下面ひいては錠剤落下経路の下端面が仕切板の上面を擦るかのように移動するが、その回転動作の度に、仕切板の上に来る錠剤落下経路が入れ替わるとともに、仕切板の上の錠剤落下経路に落下して入っていた錠剤裁断片が、錠剤落下経路切替部材によって仕切板の上を移動させられてから落下する。
【0017】
このように、錠剤裁断片が仕切板の上を外力に強制されて移動するようにしたことにより、仕切板の姿勢を緩傾斜や水平にしてその上を錠剤裁断片が自重では滑落しない状態であっても、錠剤裁断片は支障なく仕切板の上を転がったり擦ったりしながら移動し、その過程で錠剤裁断粉塵が仕切板の粉塵分離孔から落下して分離される。そのため、仕切板の傾斜の緩急に拘わらず確実に錠剤裁断粉塵が錠剤裁断片から篩い分けされる。
しかも、錠剤落下経路切替部材と仕切板との相対移動が擦過運動の様なものであり、それによって錠剤落下経路の下端面が引戸風に開けられてから錠剤裁断片が落下するので、全部材が上下反転したり下端面が扉風に開けられるのと異なり、錠剤落下経路の入れ替え速度を上げても、錠剤裁断片の落下状態が安定するとともに落下先が適度に絞られる。
したがって、この発明によれば、篩い式であっても能率の良い錠剤裁断粉塵分離機構を実現することができる。
【0018】
また、本発明の錠剤裁断粉塵分離機構にあっては(解決手段2)、錠剤裁断片が仕切板の上を移動するに際し傾斜に逆らって傾斜面を遡上する。そのため、錠剤裁断片に付着していた錠剤裁断粉塵は効率良く振るい落とされて仕切板の上に移り、仕切板の上の錠剤裁断粉塵は下から押し上げてくる錠剤落下経路切替部材の錠剤落下経路の下端部の周壁によって例えば磨り潰されるかのようにして或いは押し込まれるようにして効率良く粉塵分離孔に入って落下し錠剤裁断片から分離される。
したがって、この発明によれば、篩い式であっても一層能率の良い錠剤裁断粉塵分離機構を実現することができる。
【0019】
さらに、本発明の錠剤裁断粉塵分離機構にあっては(解決手段3)、裁断片受器とは別の所に別体の第1粉塵受器を配置したことにより、錠剤裁断粉塵分離機構で分離した錠剤裁断片と錠剤裁断粉塵とを容易かつ的確に収集することができる。しかも、裁断片受器の底に篩い機能を持たせたうえで、裁断片受器とは別体の第2粉塵受器を裁断片受器の下に配置したことにより、錠剤裁断粉塵分離機構を通過した後の錠剤裁断片から出た錠剤裁断粉塵まで、容易かつ的確に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1について、錠剤裁断粉塵分離機構の構造を示し、(a)が錠剤分割装置の外観斜視図、(b)が錠剤分割装置の右側面図、(c)が錠剤裁断粉塵分離機構の平面図、(d)が錠剤裁断粉塵分離機構の右側面図、(e)が錠剤裁断粉塵分離機構の展開斜視図である。
【図2】錠剤裁断粉塵分離機構の動作状態を時系列で示し、(a)〜(d)何れも錠剤裁断粉塵分離機構と受器の右側面図である。
【図3】錠剤裁断粉塵の取出状況を示し、(a)が錠剤分割装置の右側面図、(b)が受器の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
このような本発明の錠剤裁断粉塵分離機構について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜3に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0022】
本発明の錠剤裁断粉塵分離機構の実施例1について、錠剤裁断粉塵分離機構50及びそれを中継部に組み込んだ錠剤分割装置20の具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が錠剤分割装置20の外観斜視図、(b)が錠剤分割装置20の右側面図、(c)が錠剤裁断粉塵分離機構50の平面図、(d)が錠剤裁断粉塵分離機構50の右側面図、(e)が錠剤裁断粉塵分離機構50の展開斜視図である。
【0023】
この錠剤分割装置20は(図1(a),(b)参照)、錠剤分割機能を単体で担う基本部分として、錠剤カセット21と操作部22と制御装置23と本体部24と錠剤フィーダベース部27と支持部材28と保持機構30と裁断機構40と錠剤裁断粉塵分離機構50(中継部)と第1粉塵受器61と第2粉塵受器62と裁断片受器63と図示しない電源部とを具えているが、そのうち制御装置23と支持部材28と保持機構30と裁断機構40と錠剤裁断粉塵分離機構50と電源部は本体部24の筐体の内部に収められている。
【0024】
また、操作部22と錠剤フィーダベース部27は本体部24に固定的に装着されて操作面やカセット装着面を筐体外面に露出している。さらに、錠剤カセット21は錠剤フィーダベース部27に着脱自在に装着され、第1粉塵受器61は本体部24の底部の後背面開口から自在に引き出せる状態で本体部24に挿着され、第2粉塵受器62及び裁断片受器63は、裁断片受器63が第2粉塵受器62の上に乗って裁断片受器63の下側部分が第2粉塵受器62の上面開口から第2粉塵受器62の中に入った二段重ねの状態で、本体部24の底部の前面開口から自在に引き出せる状態で本体部24に挿着されるようになっている。
【0025】
本体部24は(図1(b)参照)、最上部に錠剤フィーダベース部27が固定的に配置され、筐体内の前後方向中央部には支持部材28が鉛直な姿勢で固定配置され、やはり筐体内で支持部材28の下部の手前には中継部を兼ねる錠剤裁断粉塵分離機構50が固定配置され、更にその下方前側には裁断片受器63及び第2粉塵受器62が筐体から前方へ出し入れできる状態で配置され、錠剤裁断粉塵分離機構50の下方後側には第1粉塵受器61が筐体から後方へ出し入れできる状態で配置されている。
また、本体部24の筐体内の中央部では、保持機構30と裁断機構40と錠剤裁断粉塵分離機構50とが支持部材28又は他の支持部材に取り付けられている。
【0026】
錠剤フィーダベース部27とそれに装着された錠剤カセット21は(図1(a),(b)参照)、錠剤の逐次供給を自動で行うためのものであり、制御装置23の制御に従って錠剤カセット21から錠剤を一錠ずつ排出して、それを保持機構30へ上端から送り込むようになっている。保持機構30は、詳細な図示は割愛したが、錠剤カセット21から落下して来た分割対象の錠剤を受止部材にて裁断位置に一時保持するものであり、裁断機構40は、これも詳細な図示は割愛したが、片刃か対向刃か回転刃かといった刃物にて裁断位置の錠剤を裁断して二個の錠剤裁断片11,11に分割するようになっている。
【0027】
錠剤裁断粉塵分離機構50は、保持機構30の下端から落下した錠剤裁断片11を受け入れて裁断片受器63へ送り込む中継部としての機能を果たすとともに、その錠剤裁断片11の移送に際して、所望の錠剤裁断片11より不所望に小さい錠剤裁断粉塵12を錠剤裁断片11から分離して第1粉塵受器61へ送り込む役目も担っている。そのため、この錠剤裁断粉塵分離機構50は(図1(b)〜(e)参照)、錠剤落下経路切替部材51と仕切板52と傾斜支持部材53とシュート54と回転駆動機構55とを具備している。
【0028】
錠剤落下経路切替部材51は、全体的には厚板の回転板に近い多角形の板状体からなり、中央に回転軸嵌合穴51bが形成されるとともに、それを挟むように両側に分かれて二つの錠剤落下経路51aが形成されている。錠剤落下経路切替部材51を板状体とみなして横向きにして水平な姿勢をとらせると、錠剤落下経路51aも、回転軸嵌合穴51bも、鉛直に上から下まで貫通して形成された穴とみなせる貫通縦穴状になり、上下の端面が解放されているが側周面には内壁面が存在しているものとなっている。また、複数の錠剤落下経路51aは、何れも、断面が錠剤裁断片11よりも大きくて錠剤裁断片11を難なく通過させることができるが、仕切板52の上面よりは狭くて仕切板52で下端面を覆うことができるものとなっている。さらに、二つの錠剤落下経路51aは、錠剤落下経路切替部材51が180゜軸回転する度に交互に入れ替わる所に形成されている。
【0029】
仕切板52は、平板に多数の粉塵分離孔52aを穿孔形成したものであり、粉塵分離孔52aは、何れも、板体を横にするとそれを上下に貫通する細い縦孔であり、錠剤裁断片11より小さな錠剤裁断粉塵12は通過させるが錠剤裁断粉塵12より大きな錠剤裁断片11は通過させないものとなっている。
シュート54は、例えば滑り台や軒樋のような案内部材からなり、斜めに設置されていて、錠剤裁断片11を滑落させて下方の裁断片受器63へ導くようになっている。
回転駆動機構55は、制御装置23の制御に従って回転軸を駆動するモータや減速ギヤ等からなり、その回転軸の先端部が錠剤落下経路切替部材51の錠剤落下経路51aに嵌め込まれていて、錠剤落下経路切替部材51を軸回転させるようになっている。
【0030】
傾斜支持部材53は、上述した錠剤落下経路切替部材51と仕切板52とシュート54とを保持する部材であるが、下側部分を前に寄せて上側部分を後方に数゜〜数十゜ほど傾けた傾斜姿勢で本体部24の中に固定されている(図1(b),(d)参照)。この傾斜支持部材53は(図1(b)〜(e)参照)、後寄りの部位に、錠剤落下経路51aとほぼ同じかそれより広い断面を持った粉塵落下経路53aが形成されるとともに、前寄りの部位に、回転駆動機構55から出て錠剤落下経路切替部材51に至る回転軸を挿通させて軸回転可能に支持する軸受兼用の回転軸挿通穴53bが形成されている。粉塵落下経路53aも、回転軸挿通穴53bも、傾斜支持部材53を傾ける前の状態で鉛直な貫通縦穴状になっているものなので、傾斜支持部材53と同じ角度だけ後傾している。しかも、回転軸挿通穴53bを貫く回転軸が仕切板52の前方延長板に対して垂直になっている。
【0031】
このような傾斜支持部材53に対し、仕切板52が粉塵落下経路53aの上端面を覆う状態で取り付けられているので、粉塵落下経路53aは、仕切板52の上から粉塵分離孔52aを通過して下りてきた錠剤裁断粉塵12を通過させて更に落下させるものとなっている。また、錠剤落下経路切替部材51が回転軸挿通穴53bを挿通した回転軸の上端部に連結されているので、錠剤落下経路切替部材51のうち後側に回った部分は仕切板52の上に来るようになっている。そして、錠剤落下経路切替部材51も、錠剤落下経路51aも、仕切板52も、粉塵分離孔52aも、総て、傾斜支持部材53と同じ角度だけ下側部分を前に寄せ上側部分を後方に寄せた傾斜姿勢で後傾したものとなっている。
【0032】
さらに、傾斜支持部材53の前端にはシュート54の上端が連結されているが、シュート54は比較的急な傾斜の前下がり姿勢をとっているうえ、傾斜支持部材53が前方へは回転軸挿通穴53bの少し前までしか伸びておらず、傾斜支持部材53の前端が回転軸挿通穴53bの少し前のところに位置しているので、錠剤落下経路切替部材51に形成されている二つの錠剤落下経路51aのうち錠剤落下経路切替部材51の軸回転に伴って前へ回って来たものは、傾斜支持部材53の傾斜状態に基づいて高度を上げるとともに、仕切板52からも傾斜支持部材53からも外れ、シュート54の上方で下端面を解放されるのに対し、それらの錠剤落下経路51aのうち錠剤落下経路切替部材51の軸回転に伴って後へ回ったものは、傾斜支持部材53の傾斜状態に基づいて高度を下げるとともに、仕切板52の上に来て下端面を仕切板52によって覆われるようになっている。
【0033】
第1粉塵受器61は、底がしっかりしている皿状体や上面解放の箱状体からなる容器であり、本体部24に挿着されると傾斜支持部材53の粉塵落下経路53aの下方に位置して、粉塵落下経路53aを通って落下して来た錠剤裁断粉塵12を解放上面から受け入れて中に収容するようになっている。
第2粉塵受器62も底のしっかりした皿状体や上面解放の箱状体からなる容器であるが、これは裁断片受器63を挿抜自在に収容しうる外箱にもなっており、裁断片受器63を第2粉塵受器62に収容したとき裁断片受器63の底の下面が第2粉塵受器62の内底面より少し高いところに位置して、両底の間に錠剤裁断粉塵12を収容するための間隙が確保されるようになっている。
【0034】
裁断片受器63は、底63aに網を張った皿状体や上面解放の箱状体からなる容器であり、その底網63aには、錠剤裁断片11は通過させないがそれより小さな錠剤裁断粉塵12は通過させる細かさの目を持った網が採用されている。そして、第2粉塵受器62に裁断片受器63を重ねたものが一緒に本体部24に挿着されると、裁断片受器63がシュート54の下方に位置して、シュート54を滑り落ちて来た錠剤裁断片11を裁断片受器63が解放上面から受け入れて中に収容するとともに、その錠剤裁断片11と共に裁断片受器63に入って来たが裁断片受器63の中にとどまれずに底網63aを通過して更に落下した錠剤裁断粉塵12を第2粉塵受器62が収容するようになっている。
【0035】
制御装置23は、詳細な図示は割愛したが(図1(b)参照)、例えばプログラマブルなマイクロプロセッサシステムやシーケンサからなる電子制御装置であり、錠剤の逐次供給と裁断に加えて錠剤裁断片と錠剤裁断粉塵との分離をも的確に行うよう、錠剤フィーダベース部27と保持機構30と裁断機構40と錠剤裁断粉塵分離機構50とを協動させるために、それぞれの電動モータ等の動作制御を行うようになっている。
【0036】
この実施例1の錠剤裁断粉塵分離機構50及びそれを組み込んだ錠剤分割装置20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2(a)〜(d)は、何れも、錠剤裁断粉塵分離機構50とその拡張部としての受器61〜63(第1粉塵受器61と第2粉塵受器62と裁断片受器63)の右側面図であり、錠剤裁断粉塵分離機構50の動作状態を時系列で示している。また、図3は、錠剤裁断片11や錠剤裁断粉塵12の取出状況を示し、(a)が錠剤分割装置20の右側面図、(b)が受器61〜63の外観斜視図である。
【0037】
錠剤裁断に先立って、裁断分割対象の錠剤10を多数収容した錠剤カセット21を錠剤フィーダベース部27に装着するとともに、第1粉塵受器61を後方から本体部24に挿着し、更に裁断片受器63を重ねた第2粉塵受器62を前方から本体部24に挿着する(図1(a),(b)参照)。そして、電源投入等にて錠剤分割装置20を動作させてから、操作部22を操作して錠剤分割装置20に裁断処理を開始させると、錠剤フィーダベース部27の駆動モータが作動し、それで駆動された錠剤カセット21から一個の錠剤が落下排出される。そして、この錠剤は、本体部24の中に落下投入されて、保持機構30により裁断位置で一時的に留め置かれ、そこで裁断機構40にて裁断されて二つの錠剤裁断片11,11に分かれる。
【0038】
そして、それらの錠剤裁断片11は、裁断位置から解き放たれて錠剤裁断粉塵分離機構50に向かって落下し(図2(a)参照)、錠剤落下経路切替部材51の複数の錠剤落下経路51aのうち後側に回って仕切板52の上に来ている錠剤落下経路51aの中に入り込む(図2(b)参照)。そのとき、錠剤裁断片11は仕切板52に衝突してその上に止められるが、小さな錠剤裁断粉塵12は、錠剤裁断片11と一緒に落下して来たものであれ、衝突時に錠剤裁断片11から分かれて飛び散ったものであれ、多くが粉塵分離孔52aを通過して落下し第1粉塵受器61に収容される(図2(b)矢付き点線参照)。
【0039】
それから、錠剤落下経路切替部材51が軸回転し、それに伴って後側の錠剤落下経路51aが弧を描きながら前進すると(図2(c)参照)、錠剤裁断片11が仕切板52の傾斜面に沿って押し上げられ、その際、錠剤裁断片11が仕切板52の上面に擦られて錠剤裁断片11に付着していた錠剤裁断粉塵12が仕切板52の上へ振り落とされるとともに、粉塵分離孔52a同士の間等で仕切板52の上にとどまっていた錠剤裁断粉塵12が、錠剤落下経路切替部材51の下端部の内周壁によって押されたり磨り潰すかのように動かされて、粉塵分離孔52aの上に来るとそこの粉塵分離孔52aを通過して落下し、やはり第1粉塵受器61に収容される(図2(c)矢付き点線参照)。
【0040】
そして、錠剤裁断片11を収容して前進した錠剤落下経路51aが傾斜支持部材53の前端より前まで来ると(図2(d)参照)、その錠剤落下経路51aによって運ばれて来た錠剤裁断片11は、仕切板52や傾斜支持部材53から外れて解放された錠剤落下経路51aの下端面から落下して、シュート54により裁断片受器63の中へ案内される。裁断片受器63に受け入れられた錠剤裁断片11は、底網63aの目より大きいので、底網63aの上にとどまって、錠剤裁断片11に収容されるが、錠剤裁断片11がシュート54の上を滑落したときや裁断片受器63に飛び込んだときに錠剤裁断片11から分かれて出来た錠剤裁断粉塵12は、底網63aを通過して落下し、裁断片受器63の下の第2粉塵受器62に収容される(図2(c)矢付き点線参照)。
【0041】
こうして、裁断位置から落下して錠剤裁断粉塵分離機構50に来た錠剤裁断片11が裁断片受器63に収容されるが、その際、錠剤裁断粉塵分離機構50のところでは錠剤裁断粉塵12が錠剤裁断片11から分離されて第1粉塵受器61に収容されるとともに、裁断片受器63のところでは錠剤裁断粉塵12が錠剤裁断片11から分離されて第2粉塵受器62に収容されるので、ほとんどの錠剤裁断粉塵12が分離収容されることとなる。
しかも、錠剤裁断粉塵12を収容した錠剤落下経路51aが前進するのと同時に、空の錠剤落下経路51aが後進して、両者が入れ替わることから、間をおくまでもなく早々に次の錠剤裁断片11を錠剤裁断粉塵分離機構50に受け入れることができるので(図2(d)参照)、錠剤の裁断を短い周期で繰り返して能率良く行うことができる。
【0042】
そして、所要個数の錠剤裁断片11を作成し終えたら(図3(a)参照)、本体部24から後へ第1粉塵受器61を引き出すとともに、本体部24から前へ第2粉塵受器62を引き出し、更に第2粉塵受器62から上へ裁断片受器63を抜き取る。
そうすると(図3(b)参照)、裁断片受器63の中にはほぼ錠剤裁断片11だけが残っており、ほとんどの錠剤裁断粉塵12は錠剤裁断片11から分離されて第1粉塵受器61と第2粉塵受器62とに収容されている。
【0043】
[その他]
なお、上記実施例では、錠剤や錠剤裁断片11を検出する錠剤有無検出センサについて言及しなかったが、錠剤や錠剤裁断片11の通過するところに錠剤有無検出センサを配置して、錠剤や錠剤裁断片11が正常に落下しているか否かを検知するようにしても良い。錠剤有無検出センサは、非接触のフォトセンサが使いやすく、例えば(図3(a)参照)錠剤フィーダベース部27の錠剤通過点71や、保持機構30の錠剤通過点72、裁断機構40の錠剤裁断位置近傍73、錠剤裁断粉塵分離機構50の錠剤受入箇所74、錠剤裁断粉塵分離機構50の錠剤放出箇所75などのうち適宜な所に設けると良い。
【0044】
また、上記実施例では、錠剤落下経路切替部材51が回転軸嵌合穴51bを中心にして軸回転することは述べたが、具体的な回転状態までは説明しなかったので、ここで説明を補足すると、錠剤落下経路切替部材51の軸回転は、一定速度で常時回転し続けるというものでも一応は良いが、錠剤裁断片11が落下して来ないうちは回転しないで、錠剤裁断片11が錠剤裁断粉塵分離機構50の錠剤受入箇所74を正常に通過したことが例えば上述の錠剤有無検出センサの出力で確認できたら、更に所定の遅延時間が経過するのを待ち、それから回転するようにしても良い。
【0045】
この場合、上記遅延時間の好適値としては、保持機構30から落下して来て錠剤落下経路51aの中に入り込んだ錠剤裁断片11が仕切板52の上で落ち着いて整定状態になるまでの時間が挙げられる。そうすることで、錠剤裁断片11が仕切板52の上を転がったり擦ったりしながら移動する過程で錠剤裁断粉塵12が粉塵分離孔52aから落下して分離されるという基本的な作用効果や、錠剤裁断片11が仕切板52の上を移動するに際し傾斜に逆らって傾斜面を遡上するため、錠剤裁断片11に付着していた錠剤裁断粉塵12が効率良く振るい落とされて仕切板52の上に移るといった更なる作用効果が、より的確に奏されることとなる。
【0046】
また、上記実施例では、錠剤落下経路切替部材51に錠剤落下経路51aが二つしか形成されていなかったが、錠剤落下経路51aは、二つに限られる訳でなく、三つ以上でも良い。例えば、錠剤落下経路切替部材51に錠剤落下経路51aを四つ形成しておいて、最初は仕切板52の上に回した一番目と二番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、その後は錠剤落下経路切替部材51を180゜ずつ間欠的に軸回転させて、その度に、一番目と二番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに三番目と四番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、三番目と四番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに一番目と二番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れる、という処理を交互に繰り返すようにしても良い。
【0047】
また、例えば、錠剤落下経路切替部材51に錠剤落下経路51aを五つ形成しておいて、最初は仕切板52の上に回した一番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、その後は錠剤落下経路切替部材51を144゜ずつ間欠的に軸回転させて、その度に、一番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに三番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、三番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに五番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、五番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに二番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、二番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに四番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れ、四番目の錠剤落下経路51aから錠剤裁断片11を放出するとともに一番目の錠剤落下経路51aに錠剤裁断片11を受け入れる、という処理を順に繰り返すようにしても良い。
【0048】
また、上記実施例では、錠剤が二つの錠剤裁断片に均等分割される様子を図示したが、三つ以上の錠剤裁断片に分割することや不均等な分割を排除するものではない。
さらに、錠剤分割装置20について、上記実施例で錠剤分割装置20に設けられていた操作部22は必須でなく、例えば、錠剤が投入されたらそれに応じて一連の動作が開始されるようにしても良い。錠剤の自動逐次供給が不要であれば、錠剤フィーダベース部27や錠剤カセット21も必須でない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の錠剤裁断粉塵分離機構は、上述した実施例1のようにスタンドアローンの錠剤分割装置20に組み込んで使用される他、錠剤フィーダのベース部を機能拡張しつつ代替する態様で錠剤分包機等の自動調剤機に組み込まれた錠剤分割装置に適用しても良く(例えば特許文献5実施例2参照)、単体の錠剤フィーダから下方へ延びた錠剤落下経路や,複数の錠剤フィーダの錠剤落下経路が下方で合流した後の錠剤収集経路に組み込んだ錠剤分割装置に適用することもできる(例えば特許文献1,2参照)。
【符号の説明】
【0050】
11…錠剤裁断片、12…錠剤裁断粉塵、
20…錠剤分割装置、21…錠剤カセット、22…操作部、
23…制御装置、24…本体部(筐体)、
27…錠剤フィーダベース部、28…支持部材、
30…保持機構、40…裁断機構、
50…錠剤裁断粉塵分離機構(中継部)、
51…錠剤落下経路切替部材、51a…錠剤落下経路、51b…回転軸嵌合穴、
52…仕切板、52a…粉塵分離孔、53…傾斜支持部材、53a…粉塵落下経路、
53b…回転軸挿通穴、54…シュート、55…回転駆動機構、
61…第1粉塵受器(錠剤裁断粉塵分離機構の拡張部)、
62…第2粉塵受器(錠剤裁断粉塵分離機構の拡張部)、
63…裁断片受器、63a…底網(錠剤裁断粉塵分離機構の拡張部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤裁断片を通過させる貫通縦穴状の錠剤落下経路が複数形成されており軸回転することで前記錠剤落下経路が入れ替わるようになっている錠剤落下経路切替部材と、前記錠剤裁断片は通過させないがそれより小さな錠剤裁断粉塵は通過させる貫通縦孔状の粉塵分離孔が多数形成されている仕切板と、前記錠剤裁断粉塵を落下させうる粉塵落下経路が形成されていて前記粉塵落下経路の上端面を前記仕切板に覆わせる状態で前記仕切板を保持するとともに前記錠剤落下経路のうち何れか一つは前記仕切板の上に来るが他の一つは前記仕切板から外れる状態で且つ回転軸が前記仕切板そのもの又は前記仕切板の延長体に対して垂直になる状態で前記錠剤落下経路切替部材を保持する支持部材とを備えた錠剤裁断粉塵分離機構であって、前記錠剤落下経路が前記錠剤落下経路切替部材の軸回転に伴って前記仕切板の上に来ると前記仕切板によって下端面を覆われ前記仕切板から外れると下端面を解放されるようになっていることを特徴とする錠剤裁断粉塵分離機構。
【請求項2】
前記支持部材が、前記錠剤落下経路切替部材および前記仕切板を傾斜状態で保持する傾斜支持部材となっており、前記錠剤落下経路が前記錠剤落下経路切替部材の軸回転に伴って前記仕切板の上に来ると高度を下げ前記仕切板から外れると高度を上げるように前記傾斜状態が設定されていることを特徴とする請求項1記載の錠剤裁断粉塵分離機構。
【請求項3】
前記粉塵落下経路を通って落下した前記錠剤裁断粉塵を収容する第1粉塵受器が、前記粉塵落下経路の下方に配置され、前記錠剤裁断片は通過させないがそれより小さな錠剤裁断粉塵は通過させる部材を底に採用した裁断片受器が、前記錠剤落下経路のうち前記仕切板から外れたものから落下する前記錠剤裁断片の落下先に配置され、前記裁断片受器の底を通って落下した前記錠剤裁断粉塵を収容する第2粉塵受器が、前記裁断片受器の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の錠剤裁断粉塵分離機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−46699(P2013−46699A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186409(P2011−186409)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】