説明

録画再生装置及び録画再生方法

【課題】録画した番組を短時間で視聴することができる録画再生装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る録画再生装置は、テレビ放送を受信する受信部と、受信したテレビ放送の番組を記録媒体に録画する録画制御部と、記録媒体に録画された複数の番組の中から同時再生する主再生番組と副再生番組とを選択する番組選択部と、選択された主再生番組と副再生番組とを記録媒体から再生する再生部と、主再生番組を親画面に表示させ、副再生番組を親画面の一部に設けられる子画面に表示させるよう、主再生番組のビデオ信号と副再生番組のビデオ信号とを合成するビデオ合成部とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画再生装置及び録画再生方法に係り、特に、各種テレビ放送番組を録画し再生する録画再生装置及び録画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、視聴可能なテレビ放送番組は急激に増加してきている。従来からのアナログ地上波放送やアナログ衛星方法による放送番組に加えて、デジタル地上波放送、デジタルBS放送、或いはデジタルCS放送による放送番組が視聴可能となっている。ユーザはこれらの放送媒体から提供される多くの番組の中から自分の好みに合った番組を選択して視聴することができる。
【0003】
また、これらの放送番組のタイトルや放送日時に関する情報、所謂電子番組ガイド(EPG:Electronic Program Guide)も同時に放送されており、ユーザは電子番組ガイドをテレビ画面に表示させ、自分の好みに合った番組を選択することもできる。
【0004】
一方、テレビ放送番組を録画して再生する録画再生装置の種類も多様化してきている。従来のVTR(Video Tape Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)録画装置の他、HDD(Hard Disk Drive)を備えたハードディスク録画装置が普及している。また、記録媒体の録画容量(或いは録画時間)も益々増大してきており、ハードディスク録画再生装置におけるHDDの大容量化が進む一方、例えばHD DVDやBD等の高密度記録が可能な光ディスクに録画可能な高密度録画再生装置も普及し始めている。
【0005】
録画容量の増大に伴ってその記録媒体に録画可能な番組の数も増加する。このため、ユーザは以前ほど記録媒体の残容量を気にすることなく多くの番組を録画することが可能となる。この結果、放送番組を録画する段階では番組を選択せずに、長時間連続して、例えば一日中録画し、再生する段階で視聴したい番組を選択するといった視聴形態も考えられる。つまり、録画時点では無作為に連続的に録画し、再生時に番組を選択するという視聴形態である。
【0006】
このような視聴形態においては、大量に録画された番組の中から所望の番組を短時間で選択することが可能な選択支援方法があれば便利である。このような選択支援方法の1つとして、例えば、特許文献1には、インターネット等を介してWEBサーバから視聴率情報を取得し、録画した番組タイトルとその視聴率とをユーザに提供する技術を開示している。
【特許文献1】特開2003−189207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、今日のテレビ放送では電子番組ガイドが提供されており、この電子番組ガイドを利用することによって極めて簡単な操作で確実な予約録画をすることが可能になっている。この場合、前述した無作為な録画と異なり、少なくとも番組録画を予約する時点においてはユーザの好みによって選択された番組が予約され、ユーザは録画後の視聴を望んでいるはずである。
【0008】
しかしながら、録画再生装置の録画容量が大きくなると、録画番組はその装置にどんとん溜まっていく一方、録画番組を視聴したくても視聴する時間が多忙等に理由によってなかなか取れないユーザが増えてきている。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、録画した番組を短時間で視聴することができる録画再生装置及び録画再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る録画再生装置は、請求項1に記載したように、テレビ放送を受信する受信部と、受信した前記テレビ放送の番組を記録媒体に録画する録画制御部と、前記記録媒体に録画された複数の番組の中から同時再生する主再生番組と副再生番組とを選択する番組選択部と、選択された前記主再生番組と前記副再生番組とを前記記録媒体から再生する再生部と、前記主再生番組を親画面に表示させ、前記副再生番組を前記親画面の一部に設けられる子画面に表示させるよう、前記主再生番組のビデオ信号と前記副再生番組のビデオ信号とを合成するビデオ合成部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る録画再生方法は、請求項6に記載したように、(a)テレビ放送を受信し、(b)受信した前記テレビ放送の番組を記録媒体に録画し、(c)前記記録媒体に録画された複数の番組の中から、同時再生する主再生番組と副再生番組とを選択し、(d)選択された前記主再生番組と前記副再生番組とを前記記録媒体から再生し、(e)前記主再生番組を親画面に表示させ、前記副再生番組を前記親画面の一部に設けられる子画面に表示させるよう、前記主再生番組のビデオ信号と前記副再生番組のビデオ信号とを合成する、ステップを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る録画再生装置及び録画再生方法によれば、録画した番組を短時間で視聴することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る録画再生装置及び録画再生方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0014】
(1)基本構成及び基本動作
図1は、本実施形態に係る録画再生装置1の構成例を示すブロック図である。録画再生装置1は、受信部10、エンコード部20、デコード部30、ディスクフォーマット変換処理部40、一時記憶部41、DA変換部43、44、ユーザインタフェース部45、制御部50、光ディスクドライブ部60、HDD(Hard Disk Drive)部70等を備えて構成されている。
【0015】
録画再生装置1は、テレビ放送番組を受信部10で受信し、受信した番組を光ディスク100やHDD部70に録画する。光ディスク100は書換え可能型の光ディスクであり、例えばDVD−RAM、DVD−RW、HD DVD−RAM、HD DVD−RW等である。これらの記録媒体に録画された番組を再生するときにはオーディオ信号とビデオ信号に分離され、オーディオ信号はスピーカ200に、またビデオ信号はTVディスプレイ201に供給される。図1では、スピーカ200やTVディスプレイ201を録画再生装置1の外部構成とした例を示しているが、これらを録画再生装置1の内部構成としてもよい。また、録画再生装置1をインターネット等のネットワーク202を介して、外部のサーバ203に接続可能に構成してもよい。
【0016】
受信部10は、アナログ放送チューナ部11とデジタル放送チューナ部12とを有している。アナログ放送チューナ部11は地上波アナログ放送や衛星アナログ放送を受信し、デジタル放送チューナ部12は、地上波デジタル方法や衛星デジタル放送を受信する。
【0017】
エンコード部20は、AD変換部21、22、オーディオエンコード部23、ビデオエンコード部24、フォーマッタ部25を有している。
【0018】
アナログチューナ部11からはオーディオ信号とビデオ信号が分離されてエンコーダ部20に入力され、AD変換部21、22でデジタル化された後オーディオエンコード部23、及びビデオエンコード部24に夫々入力される。
【0019】
オーディオエンコード部23では、オーディオ信号に対してAC3方式やMPEGオーディオ方式等による圧縮処理を行った後、フォーマッタ部25に出力する。また、ビデオエンコード部24では、ビデオ信号に対してMPEG方式による圧縮処理を行った後、フォーマッタ部25に出力する。
【0020】
フォーマッタ部25では、圧縮されたオーディオ信号とビデオ信号とを多重化し、プログラムストリームに変換してディスクフォーマット変換部40に出力する。
【0021】
一方、デジタル放送チューナ部12からは、オーディオ信号とビデオ信号とが多重化されたTS(トランスポートストリーム)が出力され、フォーマッタ部25を経てディスクフォーマット変換部40に出力される。
【0022】
また、フォーマッタ部25では管理情報ファイルが生成され、プログラムストリームやトランスポートストリームと共にディスクフォーマット変換部40に出力される。
【0023】
ディスクフォーマット変換部40では、入力されたデータを分割して誤り訂正符号を付加し、ECCブロックの単位で光ディスクドライブ部60に出力する。
【0024】
光ディスクドライブ部60では、入力されたデータに対して所定の符号変調を施した後、レーザ光によって光ディスクの記録面に記録(録画)する。
【0025】
なお、一時記憶部41は、光ディスクドライブ部60がシーク中やトラックジャンプを行っている時等のビジー状態にある場合にデータを一時的に退避するためのメモリであり、ビジー状態が解除されると退避したデータは光ディスクドライブ部60へ送られる。
【0026】
HDD部70に対しても光ディスクドライブ部60に出力されるデータとほぼ同様のデータが出力される。HDD部70と光ディスク100に対しては同じデータを並列に録画してもよいし、また選択的にいずれか一方に録画してもよい。
【0027】
HDD部70や光ディスク100に録画されたデータ(番組)を再生するときには、記録時とほぼ逆の処理となる。HDD部70の再生部(図示せず)や光ディスクドライブ部60の再生部(図示せず)から読み出された録画データはディスクフォーマット変換部40で誤り訂正処理が行われ、デコード部30に入力される。デコード部30では、多重化されているデータをオーディオデータとビデオデータに分離すると共に、圧縮されている各データに対して伸長処理を行う。
【0028】
デコード部30から出力されたオーディオデータとビデオデータはDA変換部43、44でアナログ信号に変換され、スピーカ200とTVディスプレイ201に夫々出力される。
【0029】
(2)同時再生処理
本実施形態に係る録画再生装置1では、番組の録画時には同時録画を必ずしも必要とするものではなく、時間を異にして行う一般的な録画形態を前提としている。予約録画等の機能を用いて、或いは視聴の都度、ユーザが録画を望む番組を選択し、光ディスク100やHDD部70に順次録画していく。勿論、録画再生装置1が同時録画機能を有している場合には同時録画してもよく、これを排除するものではない。
【0030】
一方、今日の光ディスク100やHDD部70の記録容量は従来に比べると飛躍的に増加してきており、時間を異にした録画や同時録画を何度か繰り返しているうちにこれらの記録媒体には録画番組が大量に溜まっていくことになる。そしてユーザ(視聴者)が多忙の場合には、一度も再生していない未視聴の録画番組が記録媒体に大量に残ってしまうことになる。
【0031】
そこで、本実施形態に係る録画再生装置1では、光ディスク100やHDD部70等の記録媒体に録画されている複数の番組の中から、主再生番組と副再生番組の2つの番組を選択して同時再生し、主再生番組をTVディスプレイ201の親画面に、また副再生番組をTVディスプレイ201の子画面に同時表示させることを特徴としている。この同時再生機能により、記録媒体に溜まっている未視聴の録画番組を短時間で視聴することが可能となる。
【0032】
図2は、本実施形態における同時再生時の表示例を示した図である。親画面はTVディスプレイ201のほぼ全体の表示領域を示す画面であり、子画面は親画面の一部の領域(例えば図2に例示したように右下の領域)に設けられる小さな表示画面である。
【0033】
図3は、親画面と子画面に同時再生させるためのデコード部30(第1の形態)の細部構成例を示すブロック図である。親画面の表示と子画面の表示の振り分けは、制御部50の番組選択部52から出力される主再生番組/副再生番組指示信号に基づいて行われる。
【0034】
光ディスク100やHDD部70に対しても制御部50の番組選択部52から主再生番組/副再生番組指示信号が出力されており、光ディスク100やHDD部70では、記録媒体に録画されている複数の番組の中から、この指示信号に基づいて主再生番組と副再生番組を選択し、同時再生する。
【0035】
同時再生された主再生番組と副再生番組とは、ディスクフォーマット変換処理部40からデコード部30のバッファ部31に入力される。バッファ部31の出力は主再生番組/副再生番組指示信号に基づいてAVデコーダ(1)とAVデコーダ(2)とに振り分けられる。
【0036】
AVデコーダ(1)は、親画面に表示させるために主再生番組をデコードし、オーディオ信号とビデオ信号を生成する。一方、AVデコーダ(2)は、子画面に表示させるために副再生番組をデコードしビデオ信号を生成する。音声は同時に聞くことはできないため、主再生番組の音声のみをデコードするものとしている。また、AVデコーダ(2)では副再生番組を子画面のサイズに縮小する処理も行っている。
【0037】
ビデオ合成部36では、主再生番組のビデオと縮小された副再生番組のビデオとを合成し、図2に例示した親子画面のビデオを生成している。
【0038】
デコード部30(第1の形態)は、AVデコーダ(1)32とAVデコーダ(2)34の2つのデコーダを具備しているためハードウェア規模は大きくなるものの、主再生番組と副再生番組とが分離されて並列に処理されるため制御がシンプルであり、開発コストを低く抑えることができる。
【0039】
他方、図4は、デコード部30a(第2の形態)の細部構成例を示すブロック図である。第2の形態は、1つのAVデコーダ(1)32aによって主再生番組と副再生番組とを時分割同時処理する構成となっている。第1の形態に比べると、ハードウェア規模は小さくすることができるものの開発コストは高くなる可能性がある。
【0040】
上記の構成により、主再生番組と副再生番組を親画面と子画面に夫々表示させ、同時再生することができる。
【0041】
ところで、同時再生といった場合、録画番組の内容を全く無視して2つの番組を親画面と子画面に振り分ける方法も考えられるが、この方法はあまり適切ではない。
【0042】
一般に、ドラマ、映画、ドキュメンタリ等のジャンルの番組に対しては連続的な視聴形態がとられることが多い。これらの番組にはストーリの流れがあり、ある程度集中して連続的に視聴しないと番組の内容を十分楽しめない場合が多い。連続して集中的に視聴するためには、大きな画面、即ち親画面での再生が適していると考えられる。
【0043】
これに対して、スポーツ、ニュース、バラエティ等のジャンルの番組には必ずしも一貫したストーリの流れはなく、断続的な、或いはそれ程集中することのない視聴形態でも十分である場合が多い。例えば、野球やサッカー等のスポーツ番組では得点シーンの前後のみ集中的に視聴し、その他の場面は所謂「流し見」で十分であるという視聴者も多い。また、ニュース番組では気になるニュースだけを見れば十分であり、バラエティ番組では好みのタレントが現れたときだけ見れば十分であり、その他の場面は「流し見」で十分であるという視聴者も多い。つまり、スポーツ、ニュース、バラエティ等のジャンルの番組は、小さな画面、即ち子画面での再生でも視聴者のニーズを満足させることが可能であると考えられる。
【0044】
ドラマや映画、或いはスポーツやニュースといった番組のジャンル情報は、番組と同時に放送されるEPG情報に含まれている。アナログ放送の場合、TV信号のブランキング期間中に多重化されて放送されている。また、デジタル放送の場合には、トランスポートストリームの中に多重化されて含まれている。
【0045】
本実施形態に係る録画再生装置1では、図1に示したようにこのEPG情報を放送番組毎に取得し、制御部50の録画制御部51に入力している。録画制御部51では、EPG情報から前述したジャンル情報を抽出し、このジャンル情報から録画しようとする番組が副再生番組の候補(副再生候補番組)であるか否かの判定を行っている。例えば、ジャンル情報がスポーツ、ニュース、バラエティ等の場合には、その番組を副再生候補番組とする識別情報を生成する。
【0046】
この識別情報はフォーマッタ部25に送られ、記録媒体に記録する管理情報ファイルの一部に組み込まれる。
【0047】
管理情報ファイルの一部として、例えばMNFIT(マニュファクチャーインフォメーションテーブル)を利用することができる。一般に管理情報ファイルは光ディスクの規格によって細かく規定されているが、MNFITは、製造メーカ毎に独自の情報を含ませることが許容されている領域である。
【0048】
図5は、本実施形態において新たに定義するMNFIT内のファイル構造例を示す図である。MNFITは、製造会社コードを示すMNFI_ID、ファイル作成時刻を示すMNFI_REC_TM、及び副再生候補番組の情報群のMNFI_DTから構成されている。また、MNFI_DTは、副再生候補番組が次に続くことを示すコードSIML_PM_PGコード、本領域のデータサイズや副再生候補番組の数を示すDATA_SIZE_PG数、及び具体的な副再生候補番組(#1〜#N)の情報を示すSML_PM_情報#n(n=1〜N)から構成されている。
【0049】
夫々のSML_PM_情報には、副再生候補番組の具体的なインデックス(タイトル)が記載されている。このほか夫々のSML_PM_情報には再生フラグが付されている。再生フラグは記録媒体に録画されている副再生候補番組が未再生か再生済みかを示すフラグである。例えば、録画された後一度も再生されていない場合には再生フラグは「0」に設定され、一度でも再生された場合には「1」に設定される。
【0050】
図6は、テレビ放送を受信して記録媒体に記録するときの処理例を示すフローチャートである。
【0051】
まず、ステップST1では、録画しようとする放送番組のEPG情報を取得する。EPG情報は前述したように番組放送に多重化されている情報を抽出して取得する。この他、放送事業者等が管理するサーバ203からインターネット等のネットワーク202を介して取得してもよい。
【0052】
次に取得したEPG情報から、録画しようとする放送番組のジャンル情報を抽出する(ステップST2)。そして、抽出したジャンル情報が副再生候補番組とすべきジャンルであるか否かを判定する(ステップST3)。例えば、その番組のジャンルがスポーツ、ニュース、バラエティ等のジャンルの場合には、子画面で再生してもそれ程支障はないため副再生候補番組にすると判定する。逆にその番組のジャンルがドラマ、映画、ドキュメンタリ等のジャンルの場合には親画面で再生すべき番組であり副再生候補番組にはしないと判定する。例えば、総てのジャンルを副再生候補番組とそれ以外(即ち主再生候補番組)とに関連付ける判定基準テーブルを予め保有しておき、この判定基準テーブルのジャンルをキーとして参照することにより、録画しようとする番組を副再生候補番組にするか否かを判定すればよい。なお、この判定基準テーブルはユーザによる編集ができるように構成してもよい。
【0053】
副再生候補番組にすると判定された場合には、副再生候補番組として登録する(ステップST4)。具体的には、MNFIT内のSML_PM_情報として、副再生候補番組のインデックス(タイトル)を登録する。既に録画されている記録媒体に追加して録画する場合には、記録媒体の管理情報ファイルを読み出し、その中にあるMNFIT内のSML_PM_情報に新たに録画する副再生候補番組のインデックスを追加登録する。SML_PM_情報には副再生候補番組のインデックス(タイトル)の他に再生フラグがあるが、録画する段階ではその副再生候補番組は当然ながら一度も再生されていないため、再生フラグを未再生(「0」)に設定して登録する。
【0054】
その後、副再生候補番組のインデックスが登録(或いは追加登録)されたMNFITを管理情報ファイルの一部に組み込み、記録媒体に対して管理情報ファイルの記録と副再生候補番組の録画を行う(ステップST5)。
【0055】
図7は、本実施形態において、録画した記録媒体を再生する処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
まず、通常の再生と同様にして、親画面に表示させる主再生番組をユーザ操作によって選択する(ステップST11)。
【0057】
選択された主再生番組の再生に先立ち、光ディスク100から管理情報ファイルが読み込まれる。HDD部70で再生する場合にも同様に管理情報ファイルが読み込まれる。
【0058】
そして、管理情報ファイルのMNFIT内にあるSML_PM_情報(副再生候補番組のインデックス(タイトル)と再生フラグ)を読み込む(ステップST12)。
【0059】
次に、SML_PM_情報から未再生の副再生候補番組の有無を判定する(ステップST13)。副再生候補番組が全く登録されていないか、或いは登録されている副再生候補番組が総て再生済みの場合には、ステップST18に進み、主再生番組を再生して親画面に表示させる。この場合には子画面の表示は行われない。
【0060】
一方、未再生の副再生候補番組がある場合には、その番組のインデックス情報(PG_INDEX)を読み込み、該当する副再生候補番組を副再生番組として特定する。そしてその副再生番組を子画面で再生するようデコード部30の設定を行う(ステップST14)。未再生の副再生候補番組が複数ある場合には、例えば、その中の録画時刻の最も早い番組を副再生番組として特定する。
【0061】
ステップST12からステップST14までの処理は主に制御部50で行われ、特に副再生番組の選択及び特定は制御部50の番組選択部51で行われる処理である。
【0062】
その後、主再生番組と副再生番組とを同時再生し、親画面と子画面とに夫々同時に表示させる(ステップST15)。
【0063】
ステップST16は、副再生番組の再生終了を判定する処理であり、副再生番組の再生が終了すると、再生した副再生番組の再生フラグを未再生(「0」)から再生済(「1」)に変更し、変更されたMNFITを記録媒体に記録する。
【0064】
図7に示した同時再生処理は、副再生番組を制御部50の番組選択部51が自動的に選択、特定する処理である。
【0065】
これに対して、副再生番組の選択、特定をユーザに委ねる処理(手動選択)としてもよい。図8は、副再生番組を手動選択する形態での同時再生処理の一例を示すフローチャートである。図7との相違点は、ステップST100、101、102の処理である。それ以外の処理は図7と同じ処理であり、図7と同じステップ番号を付している。
【0066】
ステップST100では、記録媒体から読み込んだMNFIT内のSML_PM_情報(副再生候補番組のインデックス(タイトル)と再生フラグ)を表示させる処理である。
【0067】
図9は、副再生候補番組一覧として、各番組のタイトルと再生済/未再生とを表示させている一例を示す図である。この一覧表示はTVディスプレイ201に表示させてもよいし、録画再生装置1内のユーザインタフェース部45の表示部に表示させてもよい。
【0068】
この一覧表示を見ながら、ユーザは子画面に再生する副再生番組を選択し特定する。副再生番組の選択はユーザインタフェース部45が有する適宜の選択手段(例えば、リモートコントローラの選択ボタンと決定ボタン)を用いて行われる。
【0069】
ステップ101では、ユーザによって副再生番組が選択されたか否かを判定する。なんらかの副再生番組が選択された場合には、その番組を子画面で再生するようにデコード部30の設定を行う(ステップST102)。副再生番組が全く選択されなかった場合には、ステップST18に進む。以降の処理は図7と同じであり、説明を省略する。
【0070】
以上説明してきたように、本実施形態に係る録画再生装置1及び録画再生方法によれば、記録媒体に大量の録画された番組を親画面と子画面に同時に再生表示することができるため、録画した番組を短時間で視聴することができる。また、親画面と子画面に表示させる番組は番組のジャンル情報に基づいて分類され、親画面には親画面の表示に適した番組が、また子画面には子画面の表示に適した番組が選択される。このため、同時に視聴してもユーザに対するストレスが少なくまた効率的な視聴形態を実現することができる。
【0071】
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態に係る録画再生装置の構成例を示すブロック図。
【図2】同時再生の表示例を示す図。
【図3】デコード部の構成(第1の形態)の一例を示すブロック図。
【図4】デコード部の構成(第2の形態)の一例を示すブロック図。
【図5】副再生候補番組の管理情報ファイル構造の一例を示す図。
【図6】本実施形態に係る録画処理の一例を示すフローチャート。
【図7】本実施形態に係る同時再生処理(副再生番組自動選択)の一例を示すフローチャート。
【図8】本実施形態に係る同時再生処理(副再生番組手動選択)の一例を示すフローチャート。
【図9】副再生候補番組一覧の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
1 録画再生装置
10 受信部
20 エンコード部
30 デコード部
36 ビデオ合成部
50 制御部
51 録画制御部
52 番組選択部
60 光ディスクドライブ部
70 HDD部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信する受信部と、
受信した前記テレビ放送の番組を記録媒体に録画する録画制御部と、
前記記録媒体に録画された複数の番組の中から同時再生する主再生番組と副再生番組とを選択する番組選択部と、
選択された前記主再生番組と前記副再生番組とを前記記録媒体から再生する再生部と、
前記主再生番組を親画面に表示させ、前記副再生番組を前記親画面の一部に設けられる子画面に表示させるよう、前記主再生番組のビデオ信号と前記副再生番組のビデオ信号とを合成するビデオ合成部と、
を備えたことを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記録画制御部は、
前記記録媒体に録画するときに、放送される番組の中から前記副再生番組になりうる番組を副再生候補番組として選択し、選択した前記副再生候補番組を示す識別情報を前記記録媒体に併せて記録し、
前記番組選択部は、
前記識別情報に基づいて前記記録媒体の中から前記副再生番組を選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記受信部は、電子番組ガイド情報を前記テレビ放送から抽出し、
前記録画制御部は、
前記副再生候補番組を、前記電子番組ガイド情報に含まれる特定のジャンル情報に基づいて選択する、
ことを特徴とする請求項2に記載の録画再生装置。
【請求項4】
前記識別情報は、その副再生候補番組が既に再生されたか否かを示すフラグ情報を含み、
前記番組選択部は、
前記フラグ情報に基づいて、未再生の前記副再生候補番組の中から前記副再生番組を選択し、
前記記録制御部は、
再生された前記副再生候補番組の前記フラグ情報を再生済となるように更新して記録する、
請求項2に記載の録画再生装置。
【請求項5】
前記録画制御部は、
前記記録媒体に録画するときに、放送される番組の中から前記副再生番組になりうる番組を副再生候補番組として選択し、選択した前記副再生候補番組を示す識別情報を前記記録媒体に併せて記録し、
前記識別情報に基づいて前記副再生候補番組の一覧を表示し、表示された前記一覧の中から所望の副再生番組を指定可能なユーザインタフェースをさらに備え、
前記番組選択部は、
前記ユーザインタフェースを介して指定された前記副再生番組を、前記記録媒体に記録された前記副再生候補番組の中から選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項6】
(a)テレビ放送を受信し、
(b)受信した前記テレビ放送の番組を記録媒体に録画し、
(c)前記記録媒体に録画された複数の番組の中から、同時再生する主再生番組と副再生番組とを選択し、
(d)選択された前記主再生番組と前記副再生番組とを前記記録媒体から再生し、
(e)前記主再生番組を親画面に表示させ、前記副再生番組を前記親画面の一部に設けられる子画面に表示させるよう、前記主再生番組のビデオ信号と前記副再生番組のビデオ信号とを合成する、
ステップを備えたことを特徴とする録画再生方法。
【請求項7】
ステップ(b)では、
前記記録媒体に録画するときに、放送される番組の中から前記副再生番組になりうる番組を副再生候補番組として選択し、選択した前記副再生候補番組を示す識別情報を前記記録媒体に併せて記録し、
ステップ(c)では、
前記識別情報に基づいて前記記録媒体の中から前記副再生番組を選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の録画再生方法。
【請求項8】
ステップ(a)では、電子番組ガイド情報を前記テレビ放送から抽出し、
ステップ(b)では、
前記前記副再生候補番組を、前記電子番組ガイド情報に含まれる特定のジャンル情報に基づいて選択する、
ことを特徴とする請求項7に記載の録画再生方法。
【請求項9】
前記識別情報は、その副再生候補番組が既に再生されたか否かを示すフラグ情報を含み、
ステップ(c)では、
前記フラグ情報に基づいて、未再生の前記副再生候補番組の中から前記副再生番組を選択し、
(f)再生された前記副再生候補番組の前記フラグ情報を再生済となるように更新して記録する、ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の録画再生方法。
【請求項10】
ステップ(b)では、
前記記録媒体に録画するときに、放送される番組の中から前記副再生番組になりうる番組を副再生候補番組として選択し、選択した前記副再生候補番組を示す識別情報を前記記録媒体に併せて記録し、
(g)前記識別情報に基づいて前記副再生候補番組の一覧を表示し、表示された前記一覧の中からユーザによって指定される所望の副再生番組の指定情報を入力する、ステップをさらに備え、
ステップ(c)では、
指定された前記副再生番組を、前記記録媒体に記録された前記副再生候補番組の中から選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の録画再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−152974(P2009−152974A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330173(P2007−330173)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】