説明

録画再生装置

【課題】ユーザがタイムシフト機能を利用する際に、頭出しの地点の情報を把握しやすくする技術を提供する。
【解決手段】テレビ10のタイムシフト処理部50は、フラッシュメモリ等のタイムシフト用記憶部52を備え、一般的なタイムシフト処理を実現する機能を有すると共に、番組情報利用部54と番組情報テーブル56とを備える。番組情報利用部54は、コンテンツの記録の際に、SIをもとにタイムシフト処理に利用する番組情報を番組情報テーブル56に記録する。番組情報テーブル56に記録された番組情報は、タイムシフト再生中の頭出し処理に利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画再生装置に係り、特に、タイムシフト機能を有する録画再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の大容量ストレージの普及により、デジタルの放送の録画システムに関して、様々な機能を有した装置が提案されている。一例として、一時停止、巻き戻し、早送りなどができるタイムシフト機能がある。この機能によりライブ放送で見逃した番組を再度見ることができる。
【0003】
タイムシフト機能には幾つかの形態があるが、一般的に、見逃した番組を再生するタイムシフトを実現するためには、現在から一定時間だけさかのぼったデータを保持して常に録画がなされている。これにより、ユーザは、過去一定時間のデータであればいつでもさかのぼって見逃した箇所を再生することができる。
【0004】
そして、タイムシフト機能に関して、ユーザの利便性を向上させる目的で様々な技術が提案されている。例えば、追っかけ再生(タイムシフト再生)の開始位置を任意に設定可能とする技術がある(特許文献1参照)。具体的には、録画再生装置において、デジタル放送を録画するための録画ファイルに対応して、タイムサーチ情報の管理を可能とするタイムサーチ管理ファイルを記憶可能な記録部と、上記タイムサーチ情報の任意位置に追っかけ再生の開始位置の設定を可能とする操作部とが設けられている。さらに、タイムサーチ情報の任意位置に設定された追っかけ再生の開始位置からの追っかけ再生を制御する制御部とが設けられている。そして、上記制御部の制御により、上記タイムサーチ情報の任意位置に設定された追っかけ再生の開始位置からの追っかけ再生が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−194851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示の技術では、タイムサーチ管理ファイルに記録されるデータは、IDR情報と呼ばれるものであり、ファイルの先頭からの位置情報やPTS情報である。この情報を利用することで、再生開始時におけるエラー発生を防止できるようになっている。しかし、ユーザが所望の再生開始地点を速やかに把握できるわけでない。したがって、ユーザの利便性を向上させる別の技術が求められていた。つまり、タイムシフト機能では、ストレージに過去の一定時間分を動的に常に保持するため、番組ごとの管理が困難であり、番組の切れ目がわからず、タイムシフトした番組の頭から見直したい場合に、早送りして確認するなど、手動で操作しなければならないという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ユーザがタイムシフト機能を利用する際に、頭出しの地点の情報を把握しやすくする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る装置は、タイムシフト機能を有する録画再生装置であって、コンテンツをタイムシフト機能で利用可能に記録する際に、前記コンテンツの番組情報を取得し、前記コンテンツとは別に、前記タイムシフト機能で利用可能に記録されている前記コンテンツ全ての前記番組情報をリスト化して記録する番組情報記録手段と、前記コンテンツのタイムシフト再生中に、ユーザから頭出し指示を受けた場合に、前記番組情報記録手段に記録されている前記番組情報を参照し、前記コンテンツの頭出し位置の特定をする再生位置特定手段と、を備える。
また、前記再生位置特定手段は、前記コンテンツのタイムシフト再生中において、前記番組情報記録手段に記録されている番組を選択可能に表示してもよい。
また、前記番組情報記録手段は、前記タイムシフト機能に利用可能に記録されている前記コンテンツに番組の追加及び削除の処理がなされた場合に、前記追加及び削除の処理に対応して、前記番組情報を更新してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザがタイムシフト機能を利用する際に、頭出しの地点の情報を把握しやすくする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】発明の実施形態に係る、テレビの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生中における頭出し処理の画面例を示す図である。
【図3】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生中における頭出し処理の画面例を示す図である。
【図4】発明の実施形態に係る、番組情報の追加手順を示すフローチャートである。
【図5】発明の実施形態に係る、番組情報の削除手順を示すフローチャートである。
【図6】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生中の頭出し処理手順を示すフローチャートである。
【図7】発明の実施形態に係る、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部を表示させた画面の例を示す図である。
【図8】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面の例を示す図である。
【図9】発明の実施形態に係る、タイムシフト再生が開始された状態の画面の例を示す図である。
【図10】発明の実施形態に係る、チャンネルコール部においてタイムシフトカウンタ部とタイムシフト操作パネルを表示させた画面の例を示す図である。
【図11】発明の実施形態に係る、ホームメニュー表示中にタイムシフト再生を行っている状態を示した画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という。)を、図面を参照して具体的に説明する。一般的に映像、音声、PCR(Program Clock Reference)、番組情報等は、ストリーム処理の途中で動的に判別することができる。しかし、録画したTS(Transport Stream)を再生する場合に、コンテンツ処理部16の構成の一部であるデコーダによっては、あらかじめ内部の映像・音声・PCRのIDをセットしないとストリームが正しく処理できないことがある。この場合、再生しながらストリームをパースすることが不可能となる。さらに、録画した映像の先頭から再生も不可能となる。この解決の手法として、デコーダに入力する前に、ストリームをあらかじめパースする方法が考えられるが、一般的に録画しているストリームは暗号化されており、デコーダを通さないと暗号化を解除できない場合は、番組情報を得ることができず、よって、あらかじめパースする手段をとることができない。そこで、本実施形態では、タイムシフト再生中の頭出し機能におけるユーザの利便性向上のために、番組情報を別途記録しておく。つまり、録画する際に動的にテーブルを保持し、そのテーブルの情報からデコーダから入力する際に正しい音声・映像の情報を得ることができる。これにより、再生しながらストリームをパースすることなく、暗号化したストリームを先頭から正常に再生することができる。さらに、その番組情報を利用して、タイムシフト再生時の頭出し位置の候補を選択可能に提示する。以下、詳細に説明する。
【0012】
まず、本実施形態に係るテレビ10における基本的なタイムシフト処理について説明する。図7は、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部F20を表示させた画面F10を示している。チャンネルコール部F20は、画面F10の右上に表示されており、選局動作直後やユーザの所定の操作後に、例えば4秒等の所定時間表示される。ここでは、チャンネルコール部F20は、放送局の名称が表示されている放送局表示部F21と、チャンネル番号が表示されるチャンネル番号部F22と、表示されている番組の番組情報等が表示される番組情報部F23が備わる。番組情報部F23の内容は、後述するTSに含まれるSI(Service Information)を元に構成される。
【0013】
図8は、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面F11の例である。タイムシフトモードにおいて、タイムシフト録画状態となるとチャンネルコール部F20の放送局表示部F21の下側に「TIME SHIFT READY」と表記されるタイムシフト状態アイコンF31が表示される。その隣には、現在の表示状態として「ライブ放送」を表示中である旨を示す「LIVE」と表記されたライブ状態アイコンF32が表示される。また、画面F11の左下には、タイムシフトカウンタ部F40が表示される。これは、例えばユーザが、「カウンタ表示設定ON」を選択している場合に表示され、スポット表示時には隠れるようになっている。タイムシフトカウンタ部F40は、メモリの使用量(使用率)をバーの長さで示す使用状況表示バーF41と、再生位置を示すつまみ(アイコン)である再生位置表示部F42とを備える。
【0014】
図9は、図8の状態からタイムシフト再生が開始された状態の画面F12の例である。ここでは、図8のライブ状態アイコンF32の代わりにタイムシフト再生アイコン部F33が表示される。また、通常は、タイムシフト再生時においては、タイムシフト再生している番組の番組情報の取得は出来ないため、図示のように、再生データから判別可能な情報に関して表示される。ただし、後述するようにタイムシフト録画中に番組情報を別途記録する処理がなされると、図8の番組情報部F23と同程度の内容がタイムシフト再生中であっても図9の番組情報部F23に表示が可能となる。なお、タイムシフト再生ではあるがタイムシフト録画中でない場合は、タイムシフト状態アイコンF31は表示されない。また、タイムシフト状態アイコンF31は、ユーザの操作内容に応じてアイコン形状が変化する。さらに、再生位置表示部F42は、タイムシフト状態アイコンF31と同様に、ユーザの操作内容に応じて表示形状等が変更されてもよい。再生中であればその旨を表す操作ボタンに付されているアイコンが表示され、一時停止中であれば、そのアイコンが表示される。
【0015】
図10は、チャンネルコール部F20において番組情報部F23の代わりにタイムシフトカウンタ部F45とタイムシフト操作パネルF50を表示させた画面F13の例である。タイムシフトカウンタ部F45は、図8や図9のタイムシフトカウンタ部F40と同様であるが、ここでは、メモリ限界に達した(バーが右端に到達した)旨を示す「FULL」が表示されている。タイムシフト処理部50では、一般的な再生操作ボタンに相当するアイコンと共に、再生位置を所定時間だけ前後にスキップする「10秒戻し」ボタンや「30秒送り」ボタンが設けられている。
【0016】
図11は、ホームメニュー(設定画面)表示中に図9と同様のタイムシフト再生を行っている状態を示した画面F14の例である。この画面F14では、画面右側に各種設定用の設定表示領域F60があり、画面左側にチャンネルコール部F20とタイムシフトカウンタ部F40が表示される。なお、ホームメニュー(設定画面)表示中には、図8と同様にタイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態でも表示可能である。また、画面F14の下段の領域F61には、タイムシフト再生中であってもライブ放送の番組情報が表示される。ただし、タイムシフト再生中のコンテンツに関する番組情報が利用可能であれば、その番組情報が表示されてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態に係るテレビ10の概略構成を示す機能ブロック図であり、このテレビ10は、録画機能を有している。テレビ10は、主制御部20と、ソース部30と、セレクタ14と、コンテンツ出力処理部16と、出力部18と、操作取得部26と、タイムシフト処理部50とを備えている。
【0018】
主制御部20は、テレビ10の各構成要素を統括的に制御する。この主制御部20やタイムシフト処理部50等の各構成要素は、例えば、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリで構成され、そのメモリに記憶されたプログラムらが実行されることで、その機能が実現される。操作取得部26は、リモコン等の操作手段27によるテレビ10への操作を受け付けるユーザ・インタフェイスである。
【0019】
ソース部30は、コンテンツのソース機能として、チューナ32と、内蔵レコーダ34と、外部機器入出力部36とを備える。チューナ32は、アンテナに接続されており、例えば地上デジタル放送を受信し及び復調し、TSを出力する。内蔵レコーダ34は、例えば、BD(Blue-ray Disc)ドライブ、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を記録ディバイスとして利用した装置である。この内蔵レコーダ34は、チューナ32や外部レコーダ70から取得したコンテンツを記録したり、また、記録されているコンテンツを再生し、セレクタ14を介してコンテンツ出力処理部16に出力する。また、内蔵レコーダ34は、タイムシフト再生のための記録再生に使用される。なお、内蔵レコーダ34は、コンテンツを録画する場合に、録画データとして録画時刻をコンテンツと共に記録する。
【0020】
外部機器入出力部36は、DVDレコーダやBDレコーダ等の外部レコーダ70と接続する入出力インタフェイスである。ここでは、外部機器入出力部36と外部レコーダ70は、HDMIケーブルにて接続されている。また、外部機器入出力部36は、メモリカードやUSBメモリ等の外部メモリと接続する入出力インタフェイスとしても機能する。外部メモリは、タイムシフト機能の一部として機能させることもできる。
【0021】
セレクタ14は、ソース部30からユーザの指定等のソースを選択し、そのソースのコンテンツをコンテンツ出力処理部16に出力する。また、内蔵レコーダ34に記録する場合には、コンテンツ出力処理部16から記録するコンテンツを内蔵レコーダ34に出力する。
【0022】
コンテンツ出力処理部16は、チューナ32から取得したTSを復号して画像データと音声データを抽出し、それらを同期させて出力部18に出力する。また、コンテンツ出力処理部16は、画像データを出力するときに、必要に応じてデータ放送の内容や、選択されているチャンネル番号、時刻などの表示を番組の画像データに追加したり加工したりする。
【0023】
TS中には、同期処理の為のタイムスタンプ(PTS)及びチャンネルや番組を特定するID(以下、単に「番組ID」という)が含まれている。例えば、イベントIDは、番組を特定するIDとしてEIT(Event Information Table)に記載されている。また、チャンネルを特定するIDとして、サービスIDがある。そして、コンテンツ処理部16は、EITやSDT(Service Description Table)等の番組やサービスの情報が記述されたデータが含まれるSIをセクションフィルタ(図示せず)によって抽出する。抽出したSIは、EPG(Electric Program Guide)やデータ放送表示等に用いられる。
【0024】
そしてこのSIに含まれる番組やサービスの情報が、本実施形態においてタイムシフトの頭出し機能に用いられる番組情報となっている。したがって、タイムシフトの頭出し機能を実現するために、コンテンツ処理部16は、後述するタイムシフト処理部50でコンテンツが記録されている場合に、そのコンテンツに対応するSIをタイムシフト処理部50に出力する。
【0025】
また、出力部18は、画像データを表示する表示部や音声データを出力するスピーカを備える。なお、以降の説明では、コンテンツの出力として映像について例示するが、当然に音声についても同様の処理がなされる。
【0026】
タイムシフト処理部50は、フラッシュメモリ等のタイムシフト用記憶部52を備えており、所定の一般的なタイムシフト処理を実現する機能を有すると共に、本実施形態において特徴的な機能を実現する構成として、番組情報利用部54と番組情報テーブル56とを備える。タイムシフト処理部50は、ユーザ指定や所定の設定に基づいて、タイムシフト処理の記憶領域として、タイムシフト用記憶部52や外部メモリ、内蔵レコーダ34を決定し、さらに、タイムシフトする時間を決定する。
【0027】
ここで、チューナ32が受信しているデジタル放送のコンテンツのタイムシフトに関して例示する。タイムシフト処理部50は、セレクタ14を介して、チューナ32から、画像データや音声データが含まれているTSを取得する。そして、タイムシフト処理部50は、TSのPIDをフィルタリング処理し、タイムシフト対象となる所望のチャンネルのコンテンツをタイムシフト用記憶部52に記録する。なお、外部メモリに記録される場合は、同様に、TSのPIDをフィルタリング処理後のデータが、コンテンツ処理部16から、セレクタ14及び内蔵レコーダ34を介して外部メモリに送られる。
【0028】
さらに、番組情報利用部54は、コンテンツの記録の際には、コンテンツ処理部16に対して、番組情報としてSIを要求する。コンテンツ処理部16は、上述したように、その要求に応じてSIを番組情報利用部54に出力する。なお、コンテンツ処理部16から番組情報利用部54へ出力されるSIは、セクションフィルタにおける選別後のSIが想定される。ただし、コンテンツ処理部16にセクションフィルタ機能が備わる場合は、選別前のSIが番組情報利用部54に出力されてもよい。
【0029】
そして、番組情報利用部54は、取得したSIをもとに、タイムシフト処理に利用する番組情報を番組情報テーブル56に記録する。なお、記録の際に、番組情報として、SIのEITやSDTが用いられるが、タイムシフト時に利用する一部の情報が抽出されて記録されてもよい。そのような情報(データ)として、上述した番組IDや、番組の切り換わった時刻(タイムスタンプ)、ストリームの開始地点のタイムスタンプなどがある。そして、番組情報利用部54は、以降に説明する処理手順によって、番組情報テーブル56に記録される番組情報の利用、更新、削除の各処理を行う。
【0030】
図2及び図3に、タイムシフト再生中における頭出し処理の画面例を示す。図2(a)〜(c)は、次の番組に移る処理を行う際の表示画面例である。図2(a)に示すタイムシフト再生中に、ユーザが、操作手段27に対する所定の操作によって、次の番組に移る指示を出すと、図2(b)に示すように、「次の番組を再生する」旨の表示がなされる。そして、その操作指示が確定すると、自動的に次の番組(図2(c))の頭だしがなされる。つまり、番組情報利用部54は、番組情報テーブル56を参照して、現在タイムシフト再生の番組を基準にして、次の番組の番組IDを特定し、特定した番組IDに対応したTSをタイムシフト用記憶部52からコンテンツ処理部16に出力する。コンテンツ処理部16は、タイムシフト処理部50から新たに取得したTSのデコード処理(ディマックス処理)等を行い、出力部18に出力する。このようにして、ワンタッチで次の番組を再生する機能が実現される。
【0031】
また、図3は、頭出し可能な番組を選択可能に表示させて移る処理を行う際の表示画面例である。タイムシフト再生時に、過去にさかのぼって一定時間の間に更新のあった番組情報をすべて表示して、選択した番組の頭だしを行うものである。具体的には、図3(a)に示すタイムシフト再生中に、ユーザがリモコン装置等の操作手段27に対して所定の操作をすると、番組情報利用部54は、図3(b)に示すように、頭出し可能な番組を選択可能に番組リストとして表示する。ここでは、一番上に現在のタイムシフト再生中の番組が「バラエティA」であることが「○」で示しされている。また、その下に、頭出し可能な番組が2番組示されている。そして、頭出しの選択を希望する3番目の番組「レースC」の前には「●」が示されている。頭出しの選択が確定すると、図3(c)に示す画面のタイムシフト再生に頭出しされる。つまり、番組情報利用部54は、番組情報テーブル56を参照して選択された番組の頭出し位置(先頭)に対応する番組IDを取得する。そして、番組情報利用部54は、タイムシフト用記憶部52からその番組IDに対応するTSをコンテンツ処理部16に出力する。
【0032】
つぎに、図4のフローチャートをもとに番組情報の更新手順について説明する。まず、番組情報利用部54は、タイムシフト録画中にポーリングして、SIを取得し解析する(S11)。つぎに、番組情報利用部54は、取得したSIの内容と、番組情報テーブル56に記録されている直前の番組の内容を比較する(S12)。
【0033】
比較の結果、番組が変わったと判断したら(S13のY)、番組情報利用部54は、番組情報テーブル56に新たな番組の情報、つまり所定の番組情報を番組情報テーブル56に追加する(S14)。比較の結果、番組が変わっていないと判断したら(S13のN)、本フローによる処理を終了する。以降、タイムシフト録画中において、継続して本フローによる処理がなされる。
【0034】
つづいて、図5のフローチャートをもとに古い番組情報の削除手順について説明する。通常、タイムシフト用記憶部52の容量が限られており、記憶領域が少なくなった又は無くなった場合には、古いTSが削除され、新たなTSが記録される。この処理にともない、番組情報テーブル56の内容についても、削除された古いTSに対応する番組情報が削除され、頭出し可能な番組表示がなされないようになっている。
【0035】
まず、番組情報利用部54は、タイムシフト用記憶部52を参照して、記録されているTSについて、最も古いタイムスタンプを確認する(S21)。つぎに、番組情報利用部54は、番組情報テーブル56から保存されている番組情報を取得する(S22)。つぎに、番組情報利用部54は、タイムスタンプの比較を行い、記録されているTSのタイムスタンプより古い番組の番組情報の有無を確認する(S23)。そして、TSのタイムスタンプより古い番組情報が含まれていると判断すると(S24のY)、番組情報利用部54は、TSのタイムスタンプより古い番組情報を削除する(S25)。TSのタイムスタンプより古い番組情報が含まれていないと判断すると(S24のN)、このフローによる処理は終了し、以降、タイムシフト録画中において継続して本フローの処理がなされる。
【0036】
つづいて、図6のフローチャートをもとに、タイムシフト再生中の頭出し処理について説明する。ここでは、図3の画面例で説明した処理について簡単にまとめて説明する。タイムシフト再生中に、ユーザがリモコン装置等の操作手段27に対して所定の操作をすると、番組情報利用部54は、頭出し可能な番組を選択可能に番組リストとして表示する(S31)。つづいて、ユーザは、操作手段27を操作して、頭出しを希望する番組に上述した所定のマーク「●」移動させ選択する(S32)。つづいて、頭出しを希望する番組が選択されると、番組情報利用部54は、番組情報テーブル56を参照して選択された番組に対応する番組IDに対応するTSの開始地点を特定し(S33)、その開始地点に対応するTSをコンテンツ処理部16に出力し再生を開始する(S34)。
【0037】
以上、本実施形態によると、タイムシフト録画中に、録画中のコンテンツ(番組)の番組情報を別途所定のテーブルに記録し、タイムシフト再生中の頭出し処理の際に利用している。その結果、頭出し地点の決定をより効果的に行うことができる。つまり、タイムシフト再生中であっても、頭出し地点の番組情報を把握できるので、何度も繰り返して頭出し作業を行うと言った手間のかかる作業を回避できる。また、番組情報は適宜更新されるので、最小限の記憶領域でよい。
【0038】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば、タイムシフト用記憶部52は、内蔵レコーダ34とは独立して設けられる構成で説明したが、当然に、内蔵レコーダ34がタイムシフト機能に対応可能な性能を有するなら、内蔵レコーダ34がタイムシフト機能に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 テレビ
14 セレクタ
16 コンテンツ出力処理部
18 出力部
20 主制御部
26 操作取得部
27 操作手段
30 ソース部
32 チューナ
34 内蔵レコーダ
36 外部機器入出力部
50 タイムシフト処理部
52 タイムシフト用記憶部
54 番組情報利用部
56 番組情報テーブル
70 外部レコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムシフト機能を有する録画再生装置であって、
コンテンツをタイムシフト機能で利用可能に記録する際に、前記コンテンツの番組情報を取得し、前記コンテンツとは別に、前記タイムシフト機能で利用可能に記録されている前記コンテンツ全ての前記番組情報をリスト化して記録する番組情報記録手段と、
前記コンテンツのタイムシフト再生中に、ユーザから頭出し指示を受けた場合に、前記番組情報記録手段に記録されている前記番組情報を参照し、前記コンテンツの頭出し位置の特定をする再生位置特定手段と、
を備えることを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記再生位置特定手段は、前記コンテンツのタイムシフト再生中において、前記番組情報記録手段に記録されている番組を選択可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記番組情報記録手段は、前記タイムシフト機能に利用可能に記録されている前記コンテンツに番組の追加及び削除の処理がなされた場合に、前記追加及び削除の処理に対応して、前記番組情報を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の録画再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−193322(P2011−193322A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58936(P2010−58936)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】