説明

録音機能付き伝言プレート

【課題】被訪問者が訪問者に呼び出しされたくない状況を訪問者に把握させることにより、訪問者が被訪問者を呼び出すための操作を行うことなく訪問者の用件を記録可能とする。
【解決手段】被訪問者から訪問者へのメッセージとして、前記被訪問者を呼び出すための呼び出し操作をしないように訪問者に指示する第1のメッセージM1と、前記呼び出し操作をして欲しくない理由を訪問者に示す第2のメッセージM2と、用件の発話を訪問者に促す第3のメッセージM3とが記載された伝言プレート部1と、前記訪問者が前記第3のメッセージM3の内容に基づいて発話した前記被訪問者への用件を録音可能とするように前記伝言プレート部1に取り付けられた音声記録装置2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の伝言を表示可能な伝言プレートに録音機能を設けた録音機能付き伝言プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などにおいて訪問者が来たことを知らせる手段としては、インターホンが一般的である。訪問者は、インターホンに設けられた呼び出しボタンを押すことによって、被訪問者に自分の存在を知らせる。このとき、被訪問者はチャイムが鳴ることによって訪問者の存在を知る。これにより、被訪問者は、通話ボタンの操作によって訪問者と通話をして用件を聞いたり、場合によっては玄関まで出て訪問者と顔を合わせるなど、訪問者に対して何らかの応対を行う。
【0003】
ここで、問題となるのは、チャイムなどの呼び出し音が鳴れば、被訪問者の興味の無い商品の売り込みや勧誘など、被訪問者にとって望まぬ訪問者に対してまでも、いちいち応対しなくてはならないということである。これは、被訪問者側からすると、そのときの状況によっては、非常に煩わしい場合も多い。
このような問題に対処するために従来から録音機能付のインターホンが開発されている。たとえば、特許文献1に開示された技術もその一例である。
【0004】
特許文献1に開示された技術は、ドアインターホン(単にインターホンという)に録音機能が設けられたものであり、被訪問者の留守中に訪問者の用件を録音可能とすることを主な目的としているが、この特許文献1に開示された技術は、被訪問者の留守中だけではなく、被訪問者が在宅している場合にも使用可能であると考えられる。すなわち、被訪問者が在宅している場合であっても、被訪問者が何らかの理由ですぐに応対できない状況などにおいては、訪問者に用件を発話してもらうことで、その用件を録音しておき、被訪問者の手が空いたときに録音された用件を再生するといった使い方もできる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−298614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示された技術は、確かに、訪問者の用件を記録できるということで、被訪問者にとっても、また、訪問者にとっても利便性の高いものであると考えられるが、以下に示すような問題点もある。
【0007】
すなわち、特許文献1に開示された技術は、インターホンに音声記録装置を設けたものであるため、訪問者は、被訪問者が在宅か留守かに関係なく、まずは、インターホンに設けられた呼び出しボタンを押すのが一般的である。これは、特許文献1に開示された技術は、もともとはインターホンであるため、訪問者は、被訪問者の状況を察することなく、まずは、インターホンに設けられた呼び出しボタンを押すという操作を行うと考えられるからである。
【0008】
このように、訪問者がまずは呼び出しボタンを押すという操作は、訪問者が行う当然の操作ではあるが、被訪問者にとっては、状況によっては非常に迷惑な場合もある。これは、被訪問者が他人から呼び出しを受けたり、声を掛けて欲しくないような状況にある場合であり、たとえば、乳幼児などの小さな子供のいる家庭などにおいて、子供を寝かせ付けている最中、あるいは、やっとの思いで寝かせ付けたような場合などが一つの例として挙げられる。
【0009】
このような状況において、訪問者にインターホンの呼び出しボタンが押されると、当然のことながらチャイムの音が居住空間に鳴り響くこととなり、そのチャイムの音で、寝かし付けが中断したり、やっと寝付いた子供が起きてしまうということもよくある。
【0010】
これに対処するためには、インターホンの呼び出しボタンが押されてもチャイムが鳴らないように、インターホンの電源をOFFしておくことが考えられる。しかし、インターホンの電源をOFFしておくと、インターホンとしての機能を果たさなくなるだけでなく、訪問者が呼び出しボタンを押してもチャイムが鳴らないことから、被訪問者は訪問者があることに気が付かず被訪問者からは応答できない。このような場合、被訪問者の状況をあまり考えない非常識な訪問者は、玄関のドアを叩いたり、場合によっては、外から室内を覗くような行動をとることも考えられる。これは、被訪問者にとっては大変迷惑なものであることは言うまでもない。
【0011】
また、特許文献1に開示された技術は、前述したように、インターホンに留守番機能を持たせることを主な目的としているので、留守であることを何らかの方法で訪問者に知らせ、訪問者は被訪問者が留守であることがわかった上で用件を発話するというのが主な使い方であると考えられる。このような使い方は、一見、便利であるが、訪問者にその家は留守であることを知らしめていることに他ならず、防犯という面においても問題がある。
【0012】
そこで本発明は、訪問者へのメッセージを表示することにより、訪問者に呼び出し操作をさせること無く、訪問者の用件を録音可能とし、安価でしかも手軽に使用可能で、かつ、防犯上においても役立つ録音機能付き伝言プレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明の録音機能付き伝言プレートは、被訪問者から訪問者へのメッセージが表示された伝言プレート部と、前記訪問者が前記メッセージの内容に基づいて発話した前記被訪問者への用件を録音可能とするように前記伝言プレート部に取り付けられた音声記録装置とを有することを特徴とする。
【0014】
(2)前記(1)に記載された録音機能付き伝言プレートにおいて、前記訪問者へのメッセージは、前記被訪問者を呼び出すための呼び出し操作をしないように前記訪問者に指示する第1のメッセージと、前記呼び出し操作をして欲しくない理由を前記訪問者に示す第2のメッセージと、前記用件の発話を前記訪問者に促す第3のメッセージとを含むことが好ましい。
【0015】
(3)前記(2)に記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、前記第1のメッセージは、前記被訪問者を呼び出すための呼び出し手段に設けられている呼び出しボタンの操作をしないように指示する内容であることが好ましい。
【0016】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、前記音声記録装置は、電池を電源とし、かつ、前記用件の録音を行う際に前記訪問者が操作する録音ボタンと録音された用件を前記被訪問者が再生するための再生ボタンと有し、前記録音ボタンは前記伝言プレート部の表面側に位置するように設けられ、前記再生ボタンは前記伝言プレート部の裏面側に位置するように設けられることが好ましい。
【0017】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、前記音声記録装置は、複数の用件を各用件ごとに記録可能とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
前記(1)に記載の録音機能付き伝言プレートは、被訪問者と訪問者とが直接、顔を合わせての応対を行うことなく、被訪問者から訪問者に対してメッセージを伝えることができる。これにより、被訪問者のその時々の状況を的確に訪問者に伝えることができる。一方、訪問者は被訪問者からのメッセージの内容により、被訪問者の状況を把握ることができる。
【0019】
このように、被訪問者と訪問者とが直接、顔を合わせることなく、被訪問者から訪問者に対してメッセージを伝えることができることにより、メッセージの内容によっては、訪問者は被訪問者の応対をむやみに求めるような行動を差し控えるようになると考えられる。また、訪問者の被訪問者に対する用件は録音可能であるので、伝えるべき用件は確実に被訪問者側に伝えることができる。
【0020】
また、本発明の録音機能付き伝言プレートは、伝言プレーと音声記録装置が設けられているだけの簡単な構造であるので、きわめて安価なものとすることができ、また、玄関のドアなどに吊り下げて使用可能としているので、取り扱いが容易であるということも大きな特徴である。
【0021】
前記(2)に記載された録音機能付き伝言プレートは、被訪問者を呼び出すための呼び出し操作をしないように指示し、かつ、呼び出し操作をして欲しくない理由を示した上で、訪問者に用件を発話させて、その発話の内容を録音可能としている。
【0022】
ここで、呼び出し操作をして欲しくない理由を示す第2のメッセージとしての内容の一例を挙げれば、たとえば、乳幼児のいる家庭であっては、「赤ちゃん就寝中」といった内容が考えられる。このような状況のときに、訪問者によってチャイムが鳴らされるなど、訪問者に呼び出されるのは大変迷惑である。
【0023】
このため、このような呼び出し操作をして欲しくない理由を示す第2のメッセージを、訪問者に知らせるようにしておけば、訪問者は被訪問者の状況を察して、むやみに被訪問者を呼び出したりすることがなくなり、用件のみを発話してその場を立ち去ると考えられる。これは、訪問者が被訪問者にとって望まない訪問者(たとえば、被訪問者にとって興味のない商品の売り込みや勧誘などを行う訪問者など)である場合に特に有効である。
【0024】
また、訪問者に呼び出し操作をして欲しくない理由を示す第2のメッセージは、任意に設定可能である。このように、本発明の録音機能付き伝言プレートを使用する場所や使用形態によって、第2のメッセージの内容を任意に設定することができるので、本発明の録音機能付き伝言プレートは広い分野での使用が可能となる。
【0025】
また、前記(3)に記載の録音機能付き伝言プレートは、被訪問者を呼び出すための呼び出し操作をしないように訪問者に指示する第1のメッセージとして、前記被訪問者を呼び出すための呼び出しボタンの操作をしないように指示する内容としている。
【0026】
この第1のメッセージは、具体的には、「チャイムを鳴らさないで」といったメッセージが考えられる。このようなメッセージを伝言プレートに表示しておくことにより、玄関などに設けられているインターホンや呼び出しブザーなどの呼び出しボタンが訪問者によって押されるのを未然に防止することができる。これは、前述したように、たとえば、乳幼児などの小さな子供のいる家庭では、寝付いたばかりの子供が起きてしまうのを防止するといった理由で、訪問者にチャイムなどをむやみに鳴らして欲しくない場合に対処するためである。
【0027】
なお、本発明の録音機能付き伝言プレートに書かれる訪問者に対するメッセージの内容は、第1のメッセージとしてのたとえば「チャイムを鳴らさないで」といった内容や、第2のメッセージとしてのたとえば「赤ちゃん就寝中」といった内容などであり、これらのメッセージの内容から判断すると、その家は誰かが在宅していることを知らしめるものである。したがって、これを利用して、家を留守する場合にも、たとえば、本発明の録音機能付き伝言プレートを玄関に吊るしておけば、その家には誰かが在宅していることを表すものとなり、防犯上においても役立つものとなる。
【0028】
また、前記(4)に記載の録音機能付き伝言プレートは、音声記録装置の電源としては電池を用い、かつ、訪問者が操作する録音ボタンが前記伝言プレート部の表面側に位置するように設けられ、再生ボタンが前記伝言プレート部の裏面側に位置するように設けられるような構造としている。このように、電源が電池で、かつ、録音ボタンと再生ボタンはいずれも伝言プレート部に設けられているので、本発明の録音機能付き伝言プレートは、それを使用する際、配線工事などを行う必要がなく、玄関のドアなど吊り下げるだけで使用可能となる。また、再生ボタンを伝言プレートの裏側に設けることにより、訪問者など他人からは目に付きにくい位置となるので、悪意により再生されるのを防止する効果も得られる。
【0029】
また、前記(5)に記載の録音機能付き伝言プレートは、複数の用件を各用件ごとに記録可能とするものであり、これによれば、たとえば、訪問者が立て続けにあった場合でも、それぞれの訪問者が発話する用件を順次、録音することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートの外観を示す斜視図、図2は図1のA−A’線の矢視断面図である。なお、図1(a)は実施形態1に係る録音機能付き伝言プレートの表面側を示しており、図1(b)は実施形態1に係る録音機能付き伝言プレートの裏面側を示している。
【0031】
図1(a),(b)に示すように、実施形態1に係る録音機能付き伝言プレートは、その構成を大別すると、伝言プレート部1と、音声記録装置2(図2参照)と、伝言プレート部1を壁などに着脱自在に取り付け可能とするプレート取り付け部3とを有している。なお、プレート取り付け部3は、図1の例では、吸盤を用いた例が示されているが、要は、玄関などに容易に着脱自在に取り付けることのできるものであれば、吸盤に限らず種々の取り付け部材を用いることができる。
【0032】
伝言プレート部1は、たとえば、アクリル板などでなり、その表面側には被訪問者(居住者という)から訪問者へのメッセージが表示されている。なお、訪問者へのメッセージは、伝言プレート部1の表面上に印刷などによって記載されたものであるとする。
また、伝言プレート部1の裏面側には、音声記録装置2を収納する音声記録装置収納部11が設けられている。なお、音声記録装置2はIC(集積回路)を用いたいわゆるボイスレコーダであり、図2に示すように、音声記録用IC21、マイクロホンなどの音声入力部22、録音ボタン23、再生ボタン24、消去ボタン25、スピーカなどの音声出力部26、動作用電源としての電池27などが基板28に取り付けられている。
【0033】
このような音声記録装置2の録音ボタン23は、伝言プレート部1の表面側に突出するように設けられ、この録音ボタン23を押しながら発話することによって、発話された音声が音声記録用IC21の音声データ記録部212(図3参照)に記録されるようになっている。なお、発話された音声は、伝言プレート部1の表面側に形成された音声入力孔12を通って音声記録装置2の音声入力部22に入力される。
【0034】
また、音声記録装置2の再生ボタン24及び消去ボタン25は、伝言プレート部1の裏面側に突出するように設けられ、再生ボタン24が押されることによって、録音された音声が音声出力部26から出力される。なお、音声出力部26からの音声は、伝言プレート部1の裏面側に形成された音声出力孔13を通って外部に出力される。
【0035】
図3は音声記録装置2の機能を概略的に説明するためのブロック図である。図3に示すように、音声記録装置2は、録音ボタン23を押した状態で音声入力部22に音声が入力されると、入力された音声は音声記録用IC21の音声記録制御部211によって、音声データ記録部212に音声データとして記録される。そして、音声データ記録部212に記録された音声データは、再生ボタン24が押されることによって音声出力部26から音声として出力される。また、消去ボタン25が押されことにより、音声データ記録部212に記録された音声データは消去される。
【0036】
ところで、伝言プレート部1に記載される訪問者へのメッセージとしては、居住者を呼び出すための呼び出し操作をしないように訪問者に指示する第1のメッセージM1と、呼び出し操作をして欲しくない理由を訪問者に示す第2のメッセージM2と、用件の発話を訪問者に促す第3のメッセージM3とがあり、これら各メッセージM1〜M3が図1(a)に示すように記載されている。
【0037】
呼び出し操作をしないように訪問者に指示する第1のメッセージM3は、たとえば、「チャイムを押さないで」というような内容であり、この第1のメッセージM1は、訪問者の目にとまりやすいような字体で、かつ、訪問者の目に付き易い位置に記載されるのが好ましい。
【0038】
また、呼び出し操作をして欲しくない理由を訪問者に示す第2のメッセージM2は、たとえば、「赤ちゃん就寝中」といった内容である。また、用件の発話を訪問者に促す第3のメッセージM3は、たとえば、「録音ボタンを押しながらご用件をどうぞ」などという内容である。
【0039】
次に、以上説明した本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートの使用例について説明する。
ここでは、乳幼児など小さな子供のいる家庭で、子供が昼寝をしているため、訪問者にチャイムなどの呼び出し音を鳴らされては困る状況を想定する。このような状況においては、居住者は図1に示すようなメッセージが記載された録音機能付き伝言プレートを玄関のドアなど人目に付きやすい場所に吊り下げておく。
【0040】
このような状態で、訪問者があったとすると、訪問者は、本来は、インターホンなどに設けられた呼び出しボタンを押し、それでも応答がなければ、玄関のドアを叩いたり、あるいは、「ごめんください」といった挨拶を行うのが一般的である。しかし、この場合、訪問者には、録音機能付き伝言プレートの「チャイムを押さないで」といったメッセージ(第1のメッセージM1)が目に入り、訪問者がその録音機能付き伝言プレートに書かれた内容をさらに読むことで、「赤ちゃん就寝中」といったメッセージ(第2のメッセージM2)によって、今、赤ちゃんが就寝中であることを知る。これにより、訪問者は、チャイムを鳴らすなど、居住者を呼び出すための操作は行わず、「録音ボタンを押しながらご用件をどうぞ」のメッセージ(第3のメッセージM3)に従って、録音ボタン23を押しながら用件を発話する。
【0041】
ここで、もし居住者が訪問者の存在に気づき、居住者の手が空いていれば、訪問者の応対を行うことも可能であるが、手が離せないような場合には、そのままとしておけばよい。訪問者は、急を要する用件でもない限り、用件を録音して立ち去ると考えられる。また、居住者が訪問者の存在に気が付かなくても、用件が録音されているので、急を要する用件でない限り、なんら問題はない。
そして、その後、居住者は自分の手の空いた適当なタイミングで再生ボタン24を押すことにより、訪問者が発話した用件を再生することができる。
【0042】
このように、本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートによれば、この実施形態の例のように、子供が昼寝をしているような状況において、たとえ、訪問者があっても、その訪問者は居住者側のそのときの状況を把握することができるので、チャイムを鳴らすなど、居住者を呼び出すための呼び出し操作を行うことなく、用件のみを録音してその場を立ち去ると考えられる。
【0043】
これにより、訪問者のチャイムなどの音で、寝ている子供が起きてしまうといったことを未然に防止することができる。したがって、このような録音機能付き伝言プレートは、訪問者が居住者によって興味のない商品の売り込みや勧誘など、居住者の望まない訪問者である場合に特に有効なものとなる。
【0044】
また、本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートを使用することによって得ることのできる他の効果として、防犯上における効果も得られる。すなわち、前述した従来技術で説明した特許文献1に開示された「留守番録音機能付きドアインターホン」は、居住者の留守中に訪れた訪問者の用件を録音するということを主な目的とするものであるため、居住者が留守であることを何らかの手段で訪問者に知らせることとなる。これは居住者が不在であることを知らしめるものであり、防犯上、好ましいものではない。
【0045】
これに対して、本発明の実施例に係録音機能付き伝言プレートは、たとえば、図1に示したようなメッセージの書かれた録音機能付き伝言プレートを玄関に吊るしておくことで、少なくとも、居住者が在宅していることを知らしめるものである。したがって、これを利用して、居住者が外出をして不在となる場合にも、たとえば、図1のような録音機能付き伝言プレートを玄関に吊るしておくことで、居住者が在宅していることを示すものとなり、防犯上においても効果の得られるものとなる。
【0046】
なお、本発明は前述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、前述の実施形態では、本発明の録音機能付き伝言プレートを乳幼児のいる家庭で使用する例について説明したが、本発明の録音機能付き伝言プレートは、訪問者に呼び出されたくない状況において使用することにより効果を奏するものであるため、ホテル、オフィス、さらには、各家庭内において子供部屋など様々な分野で使用可能となる。
【0047】
このように、様々な分野で使用する場合、伝言プレート部1に記載されるメッセージ(特に第2のメッセージM2)の内容は、使用する場所や使用するユーザによって様々な内容が考えられる。たとえば、「チャイムを押さないで」といった第1のメッセージM1と、「御用の方は録音ボタンを押しながらご用件をどうぞ」といった第3のメッセージM3は共通とし、第2のメッセージM2の内容のみを異なった内容とした録音機能付き伝言プレートを複数種類用意して、ユーザに好みの内容を有する録音機能付き伝言プレートを選択してもらうということも可能である。
【0048】
また、図4(a)に示すように、第2のメッセージM2が記載される部分を空白部14としておき、その空白部14にその時の状況に応じた最適な内容の書かれたプレート(第2メッセージプレートと呼ぶことにする)を取り付けるようにすることも可能である。この場合、図4(b)に示すように、複数種類の第2のメッセージが描かれた第2メッセージプレート14a,14b,・・・を用意しておき、ユーザは、これら複数種類の第2メッセージプレート14a,14b,・・・の中から、その時の状況に応じた最適な内容の第2メッセージプレートを選択して、伝言プレート部1の空白部14に着脱自在に取り付け可能とする。
【0049】
なお、複数種類の第2メッセージプレートに記載される第2メッセージの内容の一例としては、たとえば、オフィスの研究室などで手の離せない重要な実験を行っている状況においては、図4(b)に示すように、「ただいま実験中」といった内容が考えられる。また、会議室で来客と重要な打ち合わせなどをしている状況においては、「ただいま来客中」といった内容が考えられる。このような第2メッセージプレートを伝言プレート部1に着脱自在に取り付けを行うには、たとえば、マジックテープ(登録商標)などを用いることによって容易に可能となる。
【0050】
このように、複数種類の第2メッセージプレート14a,14b,・・・を用意することで、たとえば、居住者の様々な状況に応じた、最適な内容の書かれた第2メッセージプレートを選択して使用することができ、広い分野で本発明の録音機能付き伝言プレートを使用することができる。
また、空白部11aにユーザが容易に消去可能な筆記部(ホワイトボード用のサインペンなど)で第2のメッセージM2の内容を書き込むようにするようにしてもよい。
【0051】
また、図4(b)に示すような複数種類の第2メッセージの書かれた第2メッセージプレートを別売とし、図1で示したような固定的な状況メッセージ(「赤ちゃん就寝中」)の描かれた本発明の録音機能付き伝言プレートを購入したユーザが、後から自分の必要な第2のメッセージの描かれた第2メッセージプレートを購入して、そのときの状況に応じて、図1で示した第2のメッセージM2すなわち「赤ちゃん就寝中」と書かれた部分を覆うように取り付け可能とするようにしてもよい。勿論、本発明の録音機能付き伝言プレートを使用するユーザがユーザ自身特有の第2のメッセージM2の描かれた各種の第2のメッセージプレートを作成することも可能である。
【0052】
また、前述の実施形態では、特に説明しなかったが、本発明の録音機能付き伝言プレートを玄関などに吊り下げている間に、複数の訪問者が訪れる可能性もある。このように、複数の訪問者に対応可能とするために、個々の訪問者ごとの用件を記録可能とすることもできる。
【0053】
たとえば、図3で示した音声データ記録部212に、3つのメッセージを記録可能とする第1〜第3の記録領域を設けるようにしたとすれば、第1番目の訪問者が用件を入力すると、入力された用件は音声データメモリの第1の記録領域に記録され、第2番目の訪問者が用件を入力すると、入力された用件は音声データメモリの第2の記録領域に記録され、第3番目の訪問者が用件を入力すると、入力された用件は音声データメモリの第3の記録領域に記録されるというように、複数の訪問者の用件を個々の訪問者ごとに記録することができる。そして、居住者が再生ボタン26を押すと、第1の記録領域から順に、第2の記録領域、第3の記録領域の順で再生される。これにより、複数の訪問者に対応することができる。
【0054】
また、前述の実施形態では、消去ボタン25を押すことによって録音された音声を消去するようにしたが、1回の録音ごとに上書きされるような安価なボイスレコーダを用いることも可能である。これは、本発明の録音機能付き伝言プレートを使用するユーザの使い方によるが、たとえば、一人の訪問者のみに対応できればよく、より安価な録音機能付き伝言プレートが好ましいというようなユーザ向けとしては有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は図1のA−A’線の矢視断面図である。
【図3】図2で示した音声記録装置の機能を説明するブロック図である。
【図4】図1で示した本発明の実施形態に係る録音機能付き伝言プレートの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1・・・伝言プレート部、2・・・音声記録装置、3・・・プレート取り付け手段、11・・・音声記録装置収納部、12・・・音声入力孔、13・・・音声出力孔、14空白部、14a,14b・・・第2メッセージプレート、21・・・音声記録用IC、22・・・音声入力部、23・・・録音ボタン、24・・・再生ボタン、25・・・消去ボタン、26・・音声出力部、27・・・電池、28・・・基板、211・・・音声記録制御部、212・・・音声データ記録部、M1・・・第1のメッセージ、M2・・・第2のメッセージ、M3・・・第3のメッセージ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被訪問者から訪問者へのメッセージが表示された伝言プレート部と、
前記訪問者が前記メッセージの内容に基づいて発話した前記被訪問者への用件を録音可能とするように前記伝言プレート部に取り付けられた音声記録装置と、
を有することを特徴とする録音機能付き伝言プレート。
【請求項2】
請求項1に記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、
前記訪問者へのメッセージは、前記被訪問者を呼び出すための呼び出し操作をしないように前記訪問者に指示する第1のメッセージと、前記呼び出し操作をして欲しくない理由を前記訪問者に示す第2のメッセージと、前記用件の発話を前記訪問者に促す第3のメッセージとを含むことを特徴とする録音機能付き伝言プレート。
【請求項3】
請求項2に記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、
前記第2のメッセージは、前記被訪問者を呼び出すための呼び出し手段に設けられている呼び出しボタンの操作をしないように指示するメッセージであることを特徴とする録音機能付き伝言プレート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、
前記音声記録装置は、電池を電源とし、かつ、前記用件の録音を行う際に前記訪問者が操作する録音ボタンと録音された用件を前記被訪問者が再生するための再生ボタンと有し、前記録音ボタンは前記伝言プレート部の表面側に位置するように設けられ、前記再生ボタンは前記伝言プレート部の裏面側に位置するように設けられることを特徴とする録音機能付き伝言プレート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の録音機能付き伝言プレートにおいて、
前記音声記録装置は、複数の用件を各用件ごとに記録可能とすることを特徴とする録音機能付き伝言プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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