説明

鍵穴隠れ式解錠装置用鍵

【課題】 錠具の鍵穴を隠す事によって鍵穴を直接接触したり覗いたりすることができないため、よりよい盗難防止の効果を有効的に達成することができる。
【解決手段】 外枠1は錠具91の一方の側面に設置され、外枠1には収容空間11が形成される。変位本体2は活動自在に収容空間11に挿入され、変位本体2には嵌入空間22と貫通孔24が設けられ、貫通孔23は変位本体2の変位の作動によって鍵穴92と合致するように形成される。鍵導入座3は活動自在に変位本体2の嵌入空間22に挿入され、鍵導入座3には挿入孔33が形成され、挿入孔33に鍵8が挿入され、挿入孔33は鍵導入座3の変位の作動によって鍵穴92と合致するように形成される。連桿4の一端には連接部42が設けられ、連接部42は鍵8を移動して回動するように嵌合して連動することにより、錠具91に対して解錠と施錠の作動を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵穴隠れ式解錠装置のための鍵に関するもので、特に鍵を挿入する鍵穴が隠れても鍵を導入して解錠と施錠の作動を行うことができる鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の錠具としては、例えば、錠具には鍵が挿入して合致するための錠芯が一個または複数個含まれ、そして上記錠芯が回動することによってラッチボルトを連動して解除または施錠の作動を行うように形成される。しかし、従来の錠具において鍵が挿入するための鍵穴は殆ど露出しており、上記露出した鍵穴は悪意を有する人には簡単に工具を利用して破壊して解錠し易く、甚だしくは鍵穴の内部を探測することによって鍵をコピーしたりすることができる。
【0003】
従来の錠具として、例えば、中華民国公告第M287361号「隠れ式の鍵穴を有する安全鍵の構造」(特許文献1を参照)においては、錠具は錠具本体の外側に蓋片が設けられ、上記蓋片に上記錠具本体の鍵穴に対応する貫通孔が形成され、上記蓋片の内面において上記貫通孔の位置に対応する磁力板が設けられる。上記磁力板には上記貫通孔の孔径より小さな通孔が形成され、上記貫通孔と上記通孔が位置合せされた後、磁力を有する収容溝が形成されることにより、飾り蓋を吸い付いて上記鍵穴を隠すことができるようにとしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中華民国公告番号第M287361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の錠具においては、一般的に下記のような問題点を有している。上述した従来の錠具は消極的な隠れ方法を採用するもので、悪意を有する人は上記磁力板より磁力の大きい磁石を利用することによって上記飾り蓋を簡単に取り外すことができ、或いは先の細い工具を利用して上記飾り蓋と収容溝の縁から挿入することによって上記飾り蓋を取り外すことができるため、上述した従来の錠具による隠れ式の鍵穴は全くその効果を果たすことができないという問題点があった。そのため、上記のような従来の錠具はさらに改良しなければならないものであった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、錠具の鍵穴を隠すことによって上記鍵穴に直接接触したり覗いたりすることができない鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵を提供しようとするものである。
【0007】
本発明の第二の目的とするところは、鍵を導入することによって錠具に対して解錠または施錠の作動を行うことができる鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵を提供しようとするものである。
【0008】
本発明の第三の目的とするところは、より良好な盗難防止効果を効果的に達成することができる鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明による鍵は、外枠、変位本体、鍵導入座および連桿を有する鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵である。この鍵穴隠れ式解錠装置の外枠は錠具の一方の側面に設置され、外枠には収容空間が形成される。収容空間は外枠を貫穿して二個の開口が形成され、錠具の鍵穴はその内の一個の開口の範囲中に対応するように形成される。変位本体は活動自在に外枠の収容空間に挿入され、変位本体には嵌入空間が形成される。嵌入空間の二個の相対する周壁にはそれぞれ通孔と貫通孔が設けられ、通孔と貫通孔は同じ中心線上に位置するように形成される。貫通孔は変位本体の変位の作動によって鍵穴と合致するように形成される。鍵導入座は活動自在に変位本体の嵌入空間に挿入され、鍵導入座には挿入孔が形成される。挿入孔に鍵が挿入され、挿入孔は鍵導入座の変位の作動によって鍵と鍵穴が合致するように形成される。連桿は変位本体に設置された通孔を貫穿するように形成され、連桿の一端は回動自在に形成され、そして連桿のもう一方の一端には連接部が設けられる。連接部は鍵を移動して回動するように嵌合して連動するように構成されている。
【0010】
そして、本発明の鍵は、本体を含み、上記本体の両端にはそれぞれ第一端と第二端を含まれ、上記本体には第一端と第二端を延伸して貫穿するように軸線が含まれる。上記本体には第一端に隣接する歯部が形成され、第二端に隣接する係止部が形成され、さらに上記本体には歯部と係止部の間に位置する嵌入部が含まれる。嵌入部には軸線と直交する非正円形の横断面が形成され、上記非正円形の横断面には少なくとも一個の平面と少なくとも一個の円弧面が含まれる。平面は円弧面と互いに隣接し、円弧面は円形の径路に沿って延伸し、上記本体が第一端と嵌入部の間に位置する部位、および第二端と嵌入部の間に位置する部位は軸線を中心とした径方向の範囲を有し、上記径方向の範囲は嵌入部の非正円形の横断面の範囲より小さくなるように形成される。
【0011】
本発明による鍵穴隠れ式解錠装置に用いられる鍵はまた、係止部の一方の側面に少なくとも一個の凹部が形成され、凹部が軸線の切線方向に向いて延伸するとともに、係止部全体を通過して延伸するように形成することもでき、また、凹部が軸線と直交する深さを有し、上記深さが係止部の厚さの二分の一より大きくまたは同じであるように形成することもできる。さらに、係止部の一方の第一側面に複数個の凹部(84)を形成しれ、それぞれの隣接する凹部にそれぞれ異なる距離を有するように形成することもでき、また、係止部のもう一方の第二側面に凹部を形成し、上記第一側面と第二側面に形成された凹部が対称しないように設置することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の鍵穴隠れ式解錠装置用鍵によれば、外枠は錠具の一方の側面に設置され、上記外枠によって錠具の鍵穴を隠すことができるため、上記鍵穴を直接接触したりまたは覗いたりすることができないという利点がある。また、鍵導入座には挿入孔が形成され、上記挿入孔に鍵が挿入され、そして連桿の連接部は上記鍵を移動して回動するように嵌合して連動することができるため、上記鍵を導入して錠具に対して解錠または施錠の作動を行うことができるという利点がある。さらに、錠具の鍵穴を隠すことにより、上記鍵穴を直接接触したりまたは覗いたりすることができないため、よりよい盗難防止の効果を有効的に達成することができるという利点がある。加えて、鍵の係止部には凹部が設けられ、さらに変位本体の側溝には上記凹部に対応して合致するように凸部が形成されることにより、上記側溝には合致した形状を有する鍵しか貫穿することができないため、より多くの盗難防止の効果を達成することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置を分解した状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の組立て状態の外観と作動図である。
【図3】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の箱体に運用される錠具の外観斜視図である。
【図4】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の組立て状態の断面図である。
【図5】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(一)である。
【図6】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(二)である。
【図7】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(三)である。
【図8】本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(四)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明による実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の分解状態を示す斜視図である。図1を参照すると、鍵穴隠れ式解錠装置には外枠1、変位本体2、鍵導入座3および連桿4が含まれる。
【0016】
図2は本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の組立て状態の外観と作動図で、図3は本発明の実施例による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の箱体に適用される錠具の外観斜視図である。図1、2、3を参照すると、外枠1は鍵穴92を有する錠具91と結合したり、または所定の固定位置に固定することができる。錠具91は箱体9に設置される。外枠1の内部には収容空間11が設けられ、収容空間11は第一軸Xに沿って第一開口12と第二開口12が形成される。鍵穴92は第一開口12の範囲内に設置される。収容空間11の内の一方の周壁には滑動溝13が設けられ、滑動溝13は第二開口12から第一軸Xに沿って第一開口12を貫穿するように形成される。収容空間11の内のもう一方の周壁には溝路14が設けられる。
【0017】
変位本体2は活動自在に外枠1の収容空間11の中に挿入され、変位本体2は第一軸Xに沿って収容部と延伸部との間に移動するように形成される。上記収容部は外枠1の内を指し、そして上記延伸部は少なくとも局部的に外枠1の外に位置することを指す。特に、変位本体2には第一軸Xに沿って第一側46と第二側48が設置され、さらに変位本体2には第一側46と第二側48との間に延伸するように第三側47と第四側49が含まれ、第三側47と第四側49は第一軸Xと直交する第二軸Yに沿って位置するように形成される。
【0018】
また、変位本体2には嵌入空間22が設けられ、嵌入空間22は第一軸Xに沿って第一側46と第二側48との間に位置するように形成される。嵌入空間22は第一軸Xに沿った第一側壁54と第二側壁56によって制限される。第二側壁56は第一軸Xに沿って第一側壁54と変位本体2の第一側46の間に位置するように形成される。貫通孔24は第一側壁54から変位本体2の第二側48に向って延伸するように形成され、貫通孔24は鍵穴92に対応するように形成される。通孔23は変位本体2の第一側46から第二側壁56を貫穿するように形成され、通孔23は貫通孔24に対応するように形成される。嵌入空間22には第四開口58が設置され、第四開口58は変位本体2の第三側47に位置される。
【0019】
また、変位本体2には側溝26が設けられ、側溝26は第三側47から通孔23の内周壁面を貫穿するように形成される。側溝26は他に第二側壁56から第一側46に向って延伸するが、距離を有するように形成される。変位本体2の通孔23には通孔23の直径より大きい収容部25が形成され、収容部25は嵌入空間22と側溝26とは貫通するように形成される。側溝26は第三側47から収容部25の内周壁面を貫穿するように形成される。その他に、第一側壁54には溝29が設置され、溝29には幅広溝部20が形成される。止め片7は幅広溝部20に第二軸Yに沿って活動自在に設置され、幅広溝部20は上下の両端においてそれぞれ案内体71が設けられる。変位本体2の上端には位置決め部21が設けられ、位置決め部21が外枠1の滑動溝13の一方の底面に接触した時、変位本体2が第一軸Xに沿った移動を停止するように形成される。位置決め部21は活動自在に外枠1の滑動溝13の内に設置される。位置決め部21は突出粒、突出体または突出片等、滑動溝13と嵌合して位置決めすることができる設計からなる。
【0020】
また、滑動溝13を収容空間11の内に設置しなければならないとの制限がなく、そして滑動溝13と位置決め部21の位置を互いに換えることもでき、それによって同様に嵌合による位置決め効果を獲得することができる。変位本体2には他に二個の位置決め溝28が設けられる。二個の位置決め溝28は第一側46に沿って延伸するように形成されるが、第二側壁56とは距離を有するように形成される。さらに第二軸Yの方向に沿った位置決め溝28の溝内の幅は第一開口12の幅より大きくなるように形成される。
【0021】
鍵導入座3は第二軸Yに沿って変位本体2の嵌入空間22(第一位置)と局部的に変位本体2に露出する位置(第二位置)の間において滑動するように形成される。鍵導入座3には挿入孔33が設けられる。挿入孔33は第一面38から第二面39を経由して鍵導入座3を貫穿するように形成される。さらに挿入孔33は外枠1の収容空間11が貫穿した方向と平行になるように形成され、挿入孔33が第一面38に位置する一端の端縁には非正円形に形成される。第一面38には二個の係止体32が設置される。第二面39には押圧体34が設置される。鍵導入座3には他に握持部31が含まれ、握持部31は第三面36に設置され、そして第一面38から第二面39まで延伸するように形成される。
【0022】
握持部31の一端には鍵導入座3の側面から突出するように突出部35が形成され、突出部35は第一軸Xに沿って延伸するように形成される。鍵導入座3が上記第一位置に位置する時、止め片7は鍵導入座3の挿入孔33のその一端の開口を封止することはない。そのため、鍵導入座3が上記第一位置から上記第二位置まで外へ引っ張られる時、押圧体34は同時に止め片7を連動して外へ変位し、挿入孔33の開口を封止するように形成される。握持部31の突出部35が止め片7を最初の位置に戻すように押圧すると、鍵導入座3は上記第二位置から上記第一位置まで変位し、そして挿入孔33のもう一方の一端から露出するように形成される。止め片7が押圧体34または握持部31の突出部35に押圧されると、止め片7の案内体71は滑り込んで、そして溝29の幅広溝部20によって導引される。
【0023】
連桿4は変位本体2の通孔23を貫穿するように形成され、連桿4には第一軸Xに沿って第一端と第二端が形成される。連桿4は長い桿体からなり、連桿4の一端はピンまたはねじなどの固定部材44を利用してボタン41と組み立てることができ、そして連桿4のもう一方の一端には連接部42が形成される。連接部42は鍵導入座3の挿入孔33に対応するように非正円の形態に形成され、連接部42は鍵8の係止部83と互いに結合することができる。本実施例において、連接部42には係止溝43が形成され、連接部42の最大の半径方向の距離は連桿4の外径より大きくなければならず、そして変位片体2の貫通孔24の孔径は連接部42の最大の半径方向の距離より小さくなってはならない。その他に、本実施例において収容部25は選択的に円形の通孔からなることにより、初歩的に位置決めの効果を達成することができるため、係止溝43と係止部83との結合はさらに簡単になる。
【0024】
鍵穴隠れ式解錠装置には支持座5が含まれ、支持座5には孔51が形成され、支持座5の二個の対応する側面の端縁にはそれぞれ一方に向って延伸するように位置決め部52が形成される。位置決め部52は変位本体2の位置決め溝28に対応して互いに嵌設して位置決めするのに用いられることにより、支持座5は変位本体2に相対して脱落することがないように変位することができる。
【0025】
本発明の鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置には蓋板6が含まれ、蓋板6は変位本体2の第四側49に固定される。蓋板6は嵌入空間22の側辺と位置決め溝28を封止するのに用いられる。蓋板6は螺設、嵌設または粘着などのいかなる物理的な結合方式を利用して変位本体2と一体になるように結合することができるため、封止の作用を達成することができる。ただし、前述した蓋板6の設計では変位本体2と鍵導入座3および支持座5との合理的な組合せ形態の内の一種であり、本発明の特許の特徴と具体的な実施例はこれだけとは限らない。
【0026】
鍵8の一端には歯部82が形成される。歯部82は錠具91の鍵穴92の中に挿入することにより、歯部82は錠具91に対して開閉の作動を行うことができる。歯部82には深さの異なる歯が形成されることにより、錠具91の内のそれぞれのロックピンと対応するように合致することができる。この時、ボタン41を回動させると、鍵8が同時に回動するのを連動させることができるため、錠具91のデッドボルト93を駆動して解錠の状態が形成される。
【0027】
本発明の鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置において、鍵8には少なくとも一個の嵌入部81が形成され、嵌入部81の切断面は鍵導入座3の挿入孔31に形成された非正円形の一端の端縁の形状と合致するように形成されることにより、鍵8は特定の方向だけで挿入孔33の中に挿入することができるように制限される。また、嵌入部81の一端には歯部82が形成され、そして嵌入部81のもう一方の一端には係止部83が形成される。歯部82を錠具91の鍵穴92に挿入して錠芯と合致させることにより、係止部83は連桿4の連接部42と互いに嵌合することができるため、連桿4は鍵8を連動して回動することができる。係止部83の少なくとも一方の側面には複数個の凹部84が設けられ、凹部84は、好ましくは、凹んだ溝の形態からなり、凹部84の深さは好ましくは係止部83の厚さの二分の一より大きくまたは同じであるように形成され、そしてそれぞれの隣接する凹部84の間にはそれぞれ異なる距離を有するように形成される。仮に係止部83の両方の側面には全て凹部84が形成される時、係止部83の両方の側面の凹部84は対称しないように形成されるのが好ましい。
【0028】
再び図1を参照すると、上述した鍵導入座3と支持座5が変位本体2に対して全て相対的な変位の作動を有し、さらにそれぞれの係止体32と滑動溝27による係止作用および位置決め部52と位置決め溝28による係止作用を利用することにより、鍵導入座3と支持座5が脱落するのを防止することができる。鍵導入座3および支持座5が変位本体2とスムースに組み合わせるべく、好ましくは、変位本体2のその内の一方の側面において蓋板6を設け、滑動溝27と位置決め溝28を貫通するように形成させることにより、鍵導入座3の係止体32と支持座5の位置決め部52をそれぞれ挿入させることができる。
【0029】
再び図1、2を参照すると、連桿4は変位本体2の貫通孔24を貫穿し、そして順序に従って挿入孔33、収容部25、通孔23と支持座5の孔51を貫穿し、連接部42を収容部25の中に位置させ、それから再び固定部材44を利用してボタン41を連桿4が孔51から突き出ている端部に固定させる。
【0030】
図4は本発明の鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の組立て状態の断面図である。図3、4を参照すると、本発明の鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置を実施する時、箱体9の内部には錠具91が設置され、錠具91には鍵穴92とデッドボルト93が形成される。鍵8を利用して鍵穴92に挿入する時、鍵8の歯部82に形成される深さの異なる歯または溝によって錠具91の内の各ロックピンを押圧することにより、鍵8を回動してデッドボルト9393が作動するように駆動することができるため、解錠または施錠の作動を行うことができる。
【0031】
実際に使用するとき、この鍵穴隠れ式解錠装置は、錠具91の側辺に取り付けて箱体9と結合し、そして変位本体2の貫通孔24を鍵穴92に対応させ、さらに解錠装置にボタン41が設置される側を箱体9の外側に露出させることにより、上記解錠装置を利用して錠具91に対して解錠または施錠の作動を行うことができる。そのため、錠具91の鍵穴92を箱体9の内部に隠すことができ、そして箱体9の外側から鍵穴92を直接目視したり覗いたりすることができない。また、このような鍵穴隠れ式解錠装置は、図に示されている箱体9の錠具91だけではなく、その他にドアロック、U字型ロックおよびハンドルロックなどの各種の錠具に適用することもできる。さらに、上記解錠装置はいかなる物理的な結合方式を利用して錠具91の側辺に設置することができる。例えば、外枠1において螺設するために固定部を増設したり、或いは固定座を増設して上記解錠装置を固定したりすることができる。
【0032】
再び図4を参照すると、解錠の作動を実施する時、先ず連桿4のボタン41を利用して連桿4全体を第一軸Xに沿って外へ引っ張ると、連桿4は支持座5が外へ移動して連桿4の連接部42が変位本体2の収容部25の内部に移動した時まで連動し続け、また連桿4は同時に変位本体2を連動して外へ移動することにより、変位本体2は段々と外枠1の収容空間11の中から引っ張り出される。鍵導入座3の握持部31は突出または凹みの形態に設計され、握持部31が突出の形態に設計されると、外枠1の収容空間11においては対応するように握持部31が挿入するための溝路14を設置しなければならず、それによって本発明の解錠装置の組立を完成することができる。
【0033】
図1、2を参照すると、鍵穴隠れ式解錠装置を組み立てる時、鍵導入座3を嵌入空間22の中に挿入することにより、鍵導入座3の係止体32を嵌入空間22の中の滑動溝27と互いに嵌設させることができる。支持座5の位置決め部52を変位本体2の位置決め溝28の中に対応するように挿入することにより、支持座5は変位本体2に対応して移動することができ、さらに位置決め部52を利用して位置決め溝28と互いに嵌設させることによって支持座5が脱落するのを避けることができる。
【0034】
図5は本発明による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(一)である。図2、5を参照すると、変位本体2の一方の側面に位置される鍵導入座3の握持部31が露出される時、再び握持部31から鍵導入部3を外へ引っ張ると、鍵導入部3は握持部31を引っ張ることによって上記第一位置は変位本体2の第四開口58を経由して上記第二位置に向って移動することにより、鍵導入座3の挿入孔33を出現させることができる。鍵8を特定の方向に従って鍵導入座3の挿入孔33の中に挿入し、そして鍵8の係止部83を鍵導入座3の表面に突出させ、さらに係止部83を変位本体2の側溝26に対応するように形成させる。側溝26には係止部83の凹部84に対応して互いに嵌合するように凸部が形成される。図2に示すように、合致した形状のみを有した凹部84を備える鍵8は側溝26に挿入することができるため、より多くの盗難防止の効果を達成することができる。また、凹部84を係止部83に設置しなければならないとの限制はなく、凹部84と上記凸部の位置を取り換えることにより、同様に特定な鍵8のみで側溝26に挿入するのを制限することができるため、よりよい盗難防止の効果を達成することができる。
【0035】
図1、5を参照すると、鍵8を挿入孔33の中において予定される位置に挿入することができるようにするべく、さらに鍵8が挿入孔33のもう一方の一端から脱出するのを避けるべく、鍵導入座3が外へ引っ張られる時、押圧体34は同時に止め片7を連動して外へ変位し、そして挿入孔33の一端の開口を封止することにより、鍵8が予定される位置に制限されるとの効果を達成することができる。
【0036】
図6は本発明による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(二)である。図6を参照すると、鍵導入座3を変位本体2の嵌入空間22の上記第一位置に押し戻されると、鍵8の係止部83は変位本体2の収容部25に設置され、鍵8は同時に変位本体2の中の予定される位置に押し込まれ、そして側溝26の導引によって鍵8の係止部83と連桿4の係止溝43とは互いに嵌合するように形成される。鍵8の歯部82は変位本体2の嵌入空間22に設置される。上述したように、鍵導入座3が上記第一位置に位置する時、鍵導入座3の一方の端面から突出している突出部35を有する握持部31は止め片7が復位するのを同時に押し上げることができ、さらに止め片7は鍵導入座3の挿入孔33のその一端の開口を封止しないように形成される。
【0037】
図7は本発明による鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(三)である。図7を参照すると、連桿4または支持座5を外枠1の方向へ押し込むと、支持座5によって変位本体2が外枠1の収容空間11の内において移動するのを押し動くことができ、さらに鍵8の歯部82を錠具91の鍵穴92の定位置まで挿入する。このように、歯部82における深さの異なる歯は錠具91の内のそれぞれのロックピンと対応するように合致することができる。この時、ボタン41を回動すると、鍵8が同時に回動するのを連動することができるため、錠具91のデッドボルト93を駆動して解錠の状態が形成される。
【0038】
図8は本発明の鍵が用いられる鍵穴隠れ式解錠装置の作動図(四)である。図8を参照すると、解錠の作動を完成して鍵8を取り出さなければならない時、上述した順序に従って、先ず支持座5と変位本体2を引っ張り出し、それから再び鍵導入座3を引っ張り出して鍵8を取り出す。
【0039】
また、解錠装置に対して施錠の作動を行う時、上述した作動を繰り返して行うことによって解錠の作動を行い、さらに鍵8の歯部82が錠具91の鍵穴92に挿入される後、ボタン41を利用して連桿4が鍵8を反対方向に回動するのを連動させることにより、デッドボルト93を駆動して施錠の状態が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上述の如く、本発明によれば、鍵を導入して錠具に対して解錠または施錠の作動を行うことができるとともに、錠具の鍵穴を隠すこともできるため、鍵穴を直接接触したり覗いたりすることができず、よりよい盗難防止の効果を達成することができる。
【0041】
本発明は、その精神および必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0042】
1 外枠
11 収容空間
12 第一開口
12 第二開口
13 滑動溝
14 溝路
2 変位本体
21 位置決め部
22 嵌入空間
23 通孔
24 貫通孔
25 収容部
26 側溝
27 滑動溝
28 位置決め溝
29 溝
20 幅広溝部
3 鍵導入部
31 握持部
32 係止体
33 挿入孔
34 押圧体
35 突出部
36 第三面
38 第一面
39 第二面
4 連桿
41 ボタン
42 連接部
43 係止溝
44 固定部材
46 第一側
47 第三側
48 第二側
49 第四側
5 支持座
51 孔
52 位置決め部
54 第一側壁
56 第二側壁
58 第四開口
6 蓋板
7 止め片
71 案内体
8 鍵
81 嵌入部
82 歯部
83 係止部
84 凹部
9 箱体
91 錠具
92 鍵穴
93 デッドボルト
X 第一軸
Y 第二軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体が含まれ、上記本体の両端にはそれぞれ第一端(E1)と第二端(E2)が含まれ、上記本体には第一端(E1)と第二端(E2)を延伸して貫穿するように軸線(X)が含まれ、上記本体には第一端(E1)に隣接する歯部(82)が形成され、第二端(E2)に隣接する係止部(83)が形成され、さらに上記本体には歯部(82)と係止部(83)の間に位置する嵌入部(81)が含まれ、嵌入部(81)には軸線(X)と直交する非正円形の横断面が形成され、上記非正円形の横断面には少なくとも一個の平面(L)と少なくとも一個の円弧面(X)が含まれ、平面(L)は円弧面(X)と互いに隣接し、円弧面(X)は円形の径路に沿って延伸し、上記本体が第一端(E1)と嵌入部(81)の間に位置する部位、および第二端(E2)と嵌入部(81)の間に位置する部位は軸線(X)を中心とした径方向の範囲を有し、上記径方向の範囲は嵌入部(81)の非正円形の横断面の範囲より小さくなるように形成されることを特徴とする鍵。
【請求項2】
係止部(83)の一方の側面には少なくとも一個の凹部(84)が形成され、凹部(84)は軸線(X)の切線方向に向いて延伸するとともに、係止部(83)全体を通過して延伸するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の鍵。
【請求項3】
凹部(84)は軸線(X)と直交する深さを有し、上記深さは係止部(83)の厚さの二分の一より大きくまたは同じであるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の鍵。
【請求項4】
係止部(83)の一方の第一側面には複数個の凹部(84)が形成され、それぞれの隣接する凹部(84)にはそれぞれ異なる距離を有するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の鍵。
【請求項5】
係止部(83)のもう一方の第二側面には凹部(84)が形成され、上記第一側面と第二側面に形成された凹部(84)は対称しないように設置されることを特徴とする請求項2に記載の鍵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−76321(P2013−76321A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−14390(P2013−14390)
【出願日】平成25年1月29日(2013.1.29)
【分割の表示】特願2009−223944(P2009−223944)の分割
【原出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(509270627)