説明

鎮静および鎮痛システムならびに苦痛および/または鎮静の管理を提供する装置

【課題】麻酔医以外によって送出される鎮静および/または鎮痛の高い信頼性要件を満たす、鎮静および鎮痛システムと一体に構成されるフェールセーフモジュール(FSM)を提供する。
【解決手段】FSMは、最適な患者18の安全性を確保するために、「リアルタイム」に動作することができる。そのFSMは、患者の安全性を確保するために、特定の患者インタフェース17、ユーザインタフェースおよび/または鎮静および鎮痛送出の動作を停止することができ、フェールセーフモジュール23にコントローラ14の機能の正確な評価を提供するために、冗長な安全システムを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は包括的にはフェールセーフモジュールに関し、より詳細には鎮静(sedation)および鎮痛(analgesia)システムと一体に構成されるフェールセーフモジュールに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、35U.S.C.第119条(e)のもとで、2002年2月25日に出願され、参照して本明細書に援用される米国仮特許出願第60/358,733号への優先権を主張する。
【0003】
[発明の背景]
とりわけ、市場の情勢およびコストを意識している患者の中で人気があることを受けて、病院外での処置が急増し続けている。種々の理由のために、診療室、外来治療センター、歯科、病院内外の環境などにいる臨床医は、訓練を受けた麻酔提供者の援助を受けることなく、鎮静剤(sedation)および鎮痛剤(analgesia)を投与するか、その送出を管理することがある。この動きは、米国麻酔科学会を動かし、それにより麻酔科医以外の人が鎮静剤および鎮痛剤の送出を行うための指針が発行されている。病院以外の環境では、一般的には病院ほど設備もスタッフも整っていないので、誤動作および厄介な問題が深刻な結果を招く恐れがある(意識喪失および気道反応喪失に繋がる意図されない過剰投薬など)。
【0004】
鎮静および鎮痛システムが、1999年6月3日に出願された、同様に譲渡され、同時係属中の米国特許出願第09/324,759号に記載される。このシステムは、病院内外の両方の環境において、痛みを伴うか、不快な思いをさせるか、そうでなければ恐怖を感じさせる(不安を抱かせる)医療または外科的な処置を受けている患者に、過剰投薬の危険性が少なくなるようにして、鎮静剤、鎮痛剤および/または記憶喪失剤を安全に提供する。このシステムは、ユーザが蘇生および気道処置に熟練した、訓練を受けた麻酔提供者でない場合もあり、また厄介な問題または誤動作がより深刻な影響を及ぼす可能性がある環境において用いられる場合があるので、考えられる障害様式の数を、削除、および/または軽減によって系統的に減少させた。軽減は部分的には、鎮静および鎮痛システムのためのフェールセーフモジュールを注意深く設計することにより達成された。したがって、その鎮静および鎮痛システムは、病院外および病院内の両方の環境において用いるための麻酔装置よりも安全であり、たとえば訓練を受けた医師、または他の許可された臨床医および作業者のような訓練を受けた麻酔提供者以外の人によって安全に操作されることができる。
【0005】
麻酔装置は主に吸入麻酔用に設計される。一般的に、完全に空気式であり、動作するための電源が不要であった初期の麻酔装置設計からの名残として、現在の麻酔装置において電源が切られても、麻酔ガスおよび蒸気の供給が中断されることはないであろう。対照的に、759特許出願に記載される鎮静および鎮痛システムの一実施形態は、静脈内麻酔のみを使用し、吸入麻酔は使用せず、動作させるために電源を必要とする。鎮静および/または鎮痛中に、麻酔提供者が不在でも、安全性が確保され続けることが優先する。これらの安全システムは多くの場合に、1組の複雑な機構を用いて、麻酔装置が麻酔中にオフに切り替えられないようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
麻酔装置において用いられる既存のフェールセーフシステムは、全空気式動作モードにフォールバックする能力を有し、動作するために電源を必要とする鎮静および鎮痛システムまたは全静脈内麻酔システムの要件には当てはまらない場合もある。さらに、鎮静および鎮痛システムは麻酔提供者以外の人が用いるためにも設計されるので、装置障害の結果がさらに深刻になる可能性があり、麻酔提供者が用いるために設計される麻酔装置において用いられるフェールセーフシステムよりも信頼性が高いフェールセーフシステムが必要とされる。
【0007】
患者の安全性が重要であるため、薬物送出装置のためのテストモードが、長年、重要な機能として受け入れられてきた。しかしながら、既存のフェースセーフシステムは、信頼性が高い鎮静および鎮痛システムを達成するためにフェールセーフシステムそのもののテストが必要になる場合があるという具体的な要件を考慮に入れていない場合がある。鎮静および鎮痛システム用のフェールセーフシステムをテストするための障害をシミュレートすることが混乱を生じ、シミュレートされた障害の検出時にシステムが電源ダウン(power down)するようになる可能性がある。シミュレートされた障害の終了時に、システムが電源ダウンされていた場合には、システムが電源アップ(power up)することになり、電源アップ・オン・セルフ・テスト(POST)ルーチンを含む電源アップが完了するのに長い時間を要する場合には特に、さらに混乱を生じるようになるであろう。それゆえ、信頼性の高い鎮静および鎮痛システムにおいてフェールセーフシステムが適切に機能すること確認するために、不都合なシステムの混乱を生じることなく、フェールセーフモジュールがテストされる必要性が生じている。
【0008】
さらに、フェールセーフシステムは、システム内に冗長な構成要素(モジュール)を組み込む方法を実施する。誤動作が検出された場合に鎮静および鎮痛システムを電源ダウンする、鎮静および鎮痛システムと一体に構成されるウォッチドッグシステムがさらに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[発明の概要]
本発明は、麻酔医以外によって送出される鎮静および/または鎮痛の高い信頼性についての要求を満たす、鎮静および鎮痛システムと一体に構成されるフェールセーフモジュール(FSM)を提供する。そのFSMは、最適な患者の安全性を確保するために、「リアルタイム」に動作することができる。そのFSMは、患者の安全性を確保するために、特定の患者インタフェース、ユーザインタフェースおよび/または鎮静および鎮痛送出を動作停止にすることができ、フェールセーフモジュールにコントローラ機能の正確な評価を提供するために、冗長な安全システムを備える。
【0010】
本発明はさらに、重要な患者インタフェースおよび/または鎮静および薬物送出システムに関連付けられるソフトウエアおよび/またはハードウエアの機能を測定するFSMを含む。そのFSMは、コントローラが動作可能であることを指示する、条件を満たしたデータを受信する際に、患者インタフェース、ユーザインタフェースおよび/または鎮静および鎮痛送出を再起動することができる。また、そのFSMは、その装置が或る障害を経験したことを次のユーザに警告するために、障害事象をメモリに保持することもできる。そのFSMは、障害をシミュレートするテストモード能力を備えることもできる。FSMをテストするための障害のシミュレート中に、自動システム電源ダウンがバイパスされ、システムの混乱を最小限に抑えることができる。シミュレートされる障害は、電源アップ時または通常動作中にのみ生じるようにプログラムされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるシステムを概念的に表す概略的な全体ブロック図である。
【図2】本発明によるフェールセーフモジュールシステムを表す概略的な全体ブロック図である。
【図3】本発明による、関連する入力および出力を示すフェールセーフモジュールのさらに詳細な概略的ブロック図である。
【図4】本発明によるフェールセーフモジュールシステムの動作を示す流れ図である。
【図5】本発明によるフェールセーフテストモードを動作させる方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
図1は、フェールセーフモジュール23と、ユーザインタフェース12と、コントローラ14と、周辺装置15(メモリデバイスを含むことができる)と、電源16と、外部通信10と、患者インタフェース17と、薬物送出19を有する鎮静および鎮痛システム22を含む、本発明の一実施形態を示すブロック図を示しており、鎮静および鎮痛システム22は、患者18に鎮静剤および/または薬物を与えるために、ユーザ13によって操作される。鎮静および鎮痛システム22の一例が、1999年6月3日に出願され、参照により本明細書に援用される、同様に譲渡され、同時係属中の米国特許出願第09/324,759号に記載される。患者インタフェース17は、なかでもSpO2、ECG、CO2およびNIBPのような1つまたは複数の生理学的監視を含むことができる。
【0013】
特許出願第09/324,759号の鎮静および鎮痛システムは、患者に結合され、その患者の少なくとも1つの生理的状態を反映する信号を生成するようになっている患者健康監視装置(患者インタフェース17など)と、患者に1つまたは複数の薬物を供給する薬物送出コントローラと、少なくとも1つの監視された患者の生理的状態の安全なパラメータおよび望ましくないパラメータを反映する安全データセットを記憶するメモリデバイスと、患者健康監視装置、薬物送出コントローラおよび安全データセットを記憶するメモリデバイス間に相互接続される電子コントローラとを備えており、上記電子コントローラは上記信号を受信し、それに応答して、安全データセットに従って薬物の適用を管理する。
【0014】
図2は、コントローラ14と、フェールセーフモジュール23と、電源24と、コントローラ入力25と、コントローラ出力26と、薬物送出19と、患者インタフェース17とを有するフェールセーフモジュールシステム60を示すブロック図を示しており、薬物送出19および患者インタフェース17は患者18と相互作用する。コントローラ14は、患者インタフェース17、薬物送出19、フェールセーフモジュール23、および鎮静および鎮痛システム22に関連する他の周辺装置からの入力を受信する。データはコントローラ14に入力され、コントローラ14は、たとえばCまたはC++のような言語で設計され、たとえばQNXのようなオペレーティングシステム内で機能するプログラムを実行する。しかしながら、たとえば、LINUX、VXWorksまたはWindows(登録商標)NTのような他のオペレーティングシステムも想定される。ソフトウエアの好ましい実施形態は、たとえばQNXのような「リアルタイム」オペレーティングシステムにおいて動作し、そのオペレーティングシステムでは、特有の患者インタフェース、ユーザインタフェース、および鎮静および鎮痛システム22の他の機構に関連するプログラムが個別のプログラムモジュール(図示せず)に区画化される。
【0015】
コントローラ14には、CPU、または当技術分野において一般的に知られている任意の他のデータ処理システムを用いることができる。コントローラ14はさらに、本発明の一実施形態では、たとえばQNXオペレーティングシステムによって提供される機能に基づく健康チェックシステム(図示せず)を備えることができ、健康チェックシステムは、たとえば意識または応答性を自動的に評価するためのシステムのような機構に関連付けられるプログラムモジュール(図示せず)に健康チェック要求(図示せず)を送出する。そのような自動化された評価システムは、759特許出願および2002年12月28日に出願された米国特許出願第09/324,759号に記載される。健康チェック要求を受信すると、プログラムモジュールは健康チェック応答で応答するようにプログラムされる。プログラムモジュールが誤動作すると、その結果として、そのモジュールはコントローラ14と一体に構成される健康チェックシステムに健康チェック応答を送出することができなくなるであろう。健康チェック要求および健康チェック応答は、1バイト、複数バイト、パルス、TTLまたは論理信号、または本発明とともに用いるのに適した他の形式のデータ転送の形をとることができる。健康チェックシステムが所与の時間窓内にプログラムモジュールからの健康チェック応答を受信できない場合には、コントローラ14は、障害が発生していることをフェールセーフモジュール23に警告し、本明細書においてさらに説明されるように、その結果としてフェールセーフモジュール23が鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107(図4)に移行させることになるであろう。健康チェックシステムはソフトウエアを基にしており、QNXのようなオペレーティングシステムの固有の機能、具体的には、区画化されたソフトウエアプログラムモジュール毎の個々の予約済みのメモリ空間の割当てを利用する。
【0016】
本発明の一実施形態では、鎮静および鎮痛システム22、フェールセーフモジュール23および患者インタフェース17に関連付けられる周辺装置への出力26の形で、データおよび/またはコマンドがコントローラ14から出力されることができる。コントローラ14およびコントローラ14に関連付けられるプログラムモジュールの機能に応じて、コントローラ14は、適切に機能している場合があるか、または異常なコマンドを出力している場合がある。コントローラ14が誤動作しており、たとえば過剰薬物送出のような偽りのコマンドおよび/またはデータを出力している場合に、フェールセーフモジュール23は、その障害に関連するコントローラ14内の不適切な動作を検出し、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107(図4)に移行させることができる。
【0017】
本発明の一実施形態では、コントローラ14は、たとえば900〜1100ミリ秒のような所定の窓内に、ストローブ(図示せず)をフェールセーフモジュール23に送出するか、その送出を開始するようにプログラムされる。ストローブは、1バイト、複数バイト、パルス、TTLまたは論理信号、または本発明とともに用いるのに適した他の形式のデータ転送の形をとることができる。フェールセーフモジュール23は、本発明の一実施形態では、鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105(図4)に保持するためには、所定の時間窓内にコントローラ14が開始するストローブを受信しなければならない。所定の時間窓内にコントローラ14がストローブを開始し、送出できないことは、鎮静および鎮痛システム22に関連付けられる健康チェックシステムまたはプログラムモジュール内に異常が発生していることをフェールセーフモジュール23に指示しており、結果として、フェールセーフモジュール23は鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させる。本発明のさらに別の実施形態は、プログラムモジュールが適切に機能していることの確認に冗長性を与えるために、鎮静および鎮痛システム22に関連付けられるプログラムモジュールとフェールセーフモジュール23に関連付けられるプログラムモジュールとの間の直接通信(図示せず)を提供することを含む。本発明のさらに別の実施形態は、重要な周辺装置に関連付けられるプログラムモジュールが適切に機能していることの確認に冗長性を与えるために、患者インタフェース17と薬物送出19との間の直接通信を提供することを含む。図2はさらに本発明の一実施形態を示しており、電源24が電源フェールセーフモジュール23に接続される。本発明の一実施形態では、電源24はDC0.5〜200ボルトを、好ましくはDC4.75〜5.25ボルトを供給し、0.5〜200アンペアを、好ましくは12アンペアを供給することができ、システムグランドを基準にすることができる。本発明はさらに交流を用いることも想定する。
【0018】
図3は、フェールセーフモジュール23と、フェールセーフモジュール23に関連付けられる入力30、32、34と、フェールセーフモジュール23に関連付けられる出力31、33、35と、電源24とを含む、本発明の一実施形態を示すブロック図を示す。フェールセーフモジュール23は、メモリ27と、状態機械28と、通信変換29とを含む。フェールセーフモジュール23には、中央演算処理装置、コンプレックス・プログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)または任意の他の適当なデータ処理デバイスを用いることができる。本発明の一実施形態では、状態機械28は状態機械入力32を受信し、状態機械入力32は、フェールセーフストローブ、酸素および薬物送出を制御することに関連する情報、酸素および薬物を使用可能にすることに関連する情報、酸素および薬物を使用禁止にすることに関連する情報、および/または他の適当な状態機械入力を含む。メモリ27はメモリ入力30を受信し、メモリ入力30は、限定はしないが、フェールセーフモジュール23からシステム障害事象をクリアすることに関連する情報を含む。通信変換29は、通信変換入力34から入力を受信し、通信変換入力34は、限定はしないが、コントローラ14から、なかでもIVポンプのような薬物送出モジュールへのコマンド、コントローラ14から非侵襲的血圧モジュールへのコマンドを含む。本発明の一実施形態では、通信変換29は、RS−232信号をトランジスタ・トランジスタ・ロジック(TTL)に変換するための役割を果たす。
【0019】
メモリ27はメモリ出力31を出力し、メモリ出力31は、限定はしないが、メモリ入力30を介してメモリ27を最後にクリアした後に発生した障害事象に関連する情報を含む。状態機械28は状態機械出力33を出力し、状態機械出力33は、限定はしないが、未知のシステム障害の指示、フェールセーフモジュール23が酸素および薬物の流量を制御することに関連する出力、およびフェールセーフモジュール23が酸素および薬物送出の使用可能または使用禁止を制御することに関連する出力を含む。通信変換29は、通信変換出力35を出力し、通信変換出力35は、限定はしないが、薬物送出19に関連付けられるポンプ(図示せず)の機能を指示するコントローラ14からの情報を含み、その場合には、問題が検出されると、フェールセーフモジュールはその信号を使用禁止にし、たとえば接地し、また通信変換出力35は血圧カフの機能を指示するコントローラ14からの情報を含み、その場合には、問題が検出されると、フェールセーフモジュールはその信号を使用禁止にし、血圧カフが血液循環を遮断する可能性がある膨張した状態のままにされないようにする。フェールセーフモジュール23を通して、酸素供給、非侵襲的血圧モジュール(図示せず)および薬物送出19の制御をルーティングすることにより、フェールセーフモジュール23は、誤りが原因で患者に損傷を与える可能性を防ぐために、非侵襲的血圧モジュールおよび薬物送出19を使用禁止にできるようにする。酸素が障害の時点で投与されていた場合には、フェールセーフモジュール23によって酸素供給は、所定の流量で、所定の時間にわたって保持されることができる。米国特許出願第09/324,759号に記載されるような複数の他の入力および出力が、本発明と合致し、また所望の安全状態モード107を提供するためにフェールセーフモジュール23を通してルーティングされることができる、たとえばカプノメトリモニタリングのような複数の患者インタフェースと合致する。
【0020】
本発明の一実施形態では、メモリ27は、コントローラ14内、またはコントローラ14に関連付けられるプログラムモジュール内で発生する障害事象の記録を保持するように機能する。障害に関連する情報は、誤り出力経路36を介して、メモリ27に送信される。障害の記憶は、その障害に応答し、メモリ入力30を介してメモリをクリアするコマンドが入力されるまで、メモリ27内に保持されるであろう。メモリ27は、メモリ出力31を介して、鎮静および鎮痛システム22が、以前の事例において障害を経験していることをユーザに警告するように機能する。メモリ27内に記録された障害は、メモリ入力30を介して削除されることができる。本発明の一実施形態では、ユーザは、メモリ27に記録された障害が応答され、削除されるまで、鎮静および鎮痛システムを起動することはできない。ソフトウエア障害の記憶は、簡単なメモリビットを符号化することによって、または障害を記録する他の適当な手段によってメモリ27内に保持されることができる。本発明の一実施形態では、障害がコントローラ14に関連付けられるプログラムモジュール内で発生したか、あるいは健康チェックシステムが存在する場合には健康チェックシステム内で発生したかを指示するコードがメモリ27内に保持される。
【0021】
状態機械28は、本発明の一実施形態では、規定された時間窓内にコントローラ14からのストローブを期待するようにプログラムされる。その時間窓には、鎮静および鎮痛システム22内の欠陥を検出する際に用いるのが望ましい任意の窓を用いることができる。ストローブが規定された時間窓内にフェールセーフモジュール23の状態機械28によって受信される場合には、フェールセーフモジュール23は、鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105に保持するであろう。ストローブが規定された時間窓内に状態機械28によって受信されない場合には、状態機械28は、状態機械出力33を介して、障害に関連する情報を視覚アラーム、聴覚アラーム、および/または障害が発生したことをユーザに警告するための他の適当な手段の形で出力するであろう。また、ストローブを受信し損なうのに応じて、状態機械28は、誤り出力経路36を介してメモリ37に障害を指示するデータを送出し、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させるであろう。本発明の一実施形態では、状態機械28は、コントローラ14とは無関係に、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させるために、使用禁止出力37を介して、コントローラ14による通信変換29の制御を使用禁止にする。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態は、コントローラ14に関連付けられるモジュールに障害が発生する場合に、状態機械28に高速にストローブを送出するようにプログラムされるコントローラ14を含む。コントローラ14からの高速ストローブ送出を受信すると、状態機械28は、鎮静および鎮痛システム22の障害のアラーム信号指示子を出力し、その障害をメモリ27に記録し、コントローラ14による通信変換29の制御を使用禁止にし、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させるようにプログラムされる。
【0023】
図4は、この鎮静および鎮痛システム22内のフェールセーフモジュール23の動作の一実施形態を示す方法を示す。フェールセーフモジュールシステム(FSM)の休止モード100から開始すると、鎮静および鎮痛システム22は、フェールセーフモジュール23に加えられる電源(質問101)を受信するときにのみ開始状態モード102に移行する。たとえば、開始状態モード102は、電源24から直流の5Vを受信する際に開始することになるが、他の電圧およびフェールセーフモジュール23に電源を供給する他の方法も本発明に合致する。フェールセーフモジュール23から電源が取り除かれた任意の時点で、鎮静および鎮痛システム22は、フェールセーフモジュールシステムの休止モード100に戻るであろう。電源を受信した後に、鎮静および鎮痛システム22は、フェールセーフモジュール23がコントローラ14からのストローブを期待して安全状態出力を出力することを含む開始状態モード102において動作するであろう。一実施形態では、鎮静および鎮痛システム22の状態は有効なストローブ送出が開始するまで決定されることができないという事実のため、フェールセーフモジュール23は、コントローラ14から有効なストローブが受信されるまで、安全状態データを出力する。開始状態モード102中に安全状態出力を保持することにより、フェールセーフモジュール23が、コントローラ14が正常であることを指示する有効なストローブを受信するまで、コントローラ14が、たとえば薬物送出19または患者インタフェース17のような重要な周辺装置にコマンドを確実に送出できないようにすることができる。開始状態モード102はさらに、鎮静および鎮痛システム22が適切に機能していることを指示する有効なストローブがコントローラ14から受信されるまで、ユーザ13がメモリ27に記憶される障害事象の記録を削除できないようにすることを含む。有効なストローブがない場合には、鎮静および鎮痛システム22は、開始状態モード102のままであろう。本発明の一実施形態は、所定の時間窓、たとえば5分の時間窓中に有効なストローブが受信されない場合には、鎮静および鎮痛システム22を電源ダウンすることを含む。
【0024】
フェールセーフモジュール23がコントローラ14から有効なストローブを受信すると(質問104)、鎮静および鎮痛システム22は動作状態モード105に移行するであろう。動作状態モード105は、コントローラ14からフェールセーフモジュール23への有効なストローブ送出が許容される所定の窓内に入ること(質問106)を条件に保持される。コントローラ14からフェールセーフモジュール23への一貫した有効なストローブ送出が鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105に保持する。動作状態モード105は、コントローラ14からフェールセーフモジュール23によって受信される入力が、たとえば血圧カフ圧力、酸素供給および薬物送出19のような重要な患者インタフェースに関連する出力を制御できるようにすることを含む。動作状態モード105はさらに、鎮静および鎮痛システム22が適切に機能していることをユーザ13に指示することを含む。データがユーザインタフェース12上に表示され続け、ユーザインタフェース12のバックライトが作動状態のままになり、鎮静および鎮痛システム22の障害に関連するアラーム信号が止まったままになるであろう。本発明の一実施形態は、後の障害がメモリユニット(図示せず)に記録されるようにするために、ユーザ13またはフェールセーフモジュール23が、鎮静および鎮痛システム22内の障害を以前に指示したメモリ27内に保持されるメモリユニットをクリアできるようにすることを含む。
【0025】
ストローブ送出の失敗、またはコントローラ14によるフェールセーフモジュール23の高速ストローブ送出(質問106)の結果として、フェールセーフモジュール23は鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させるようになる。所定の応答窓内に入らないストローブ、またはコントローラ14からの高速ストローブ送出は、フェールセーフモジュール23に対して、鎮静および鎮痛システム22に障害が発生していることを指示する。患者を保護するために、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に切り替えて、薬物送出19、患者インタフェース17、または誤動作するハードウエアまたはソフトウエアを含む可能性がある他の重要な周辺装置によって傷害が引き起こされる可能性を少なくする必要がある。安全状態モード107は、本発明の一実施形態では、コントローラ14から、薬物送出19、患者インタフェース17、酸素供給および/または患者の安全性に関連する他の重要な周辺装置へのコマンドデータの送信を中止することを含む。安全状態モード107はさらに、患者が薬物を過量に投与される可能性を防ぐために薬物送出19の動作を停止すること、血圧カフが長時間にわたって膨張したままにされる場合に生じる可能性がある壊死を防ぐために、血圧カフを非活動化すること、および血液の適当な酸素飽和度を保持するために、処置中に酸素が与えられていた場合には、その酸素の流量を保持することを含む。安全状態モード107はさらに、鎮静および鎮痛システム22の障害109を指示するためにメモリ27内に配置されるメモリビットをトリガすること、音声アラームを鳴動させること、視覚アラームを表示すること、および/または、たとえばユーザインタフェース12上のバックライトを消灯することによりディスプレイを消去することを含む。ユーザインタフェース12上のバックライトは、患者の状態を評価するために誤って用いられる可能性がある偽りのデータを表示するのを防ぐために消灯されることができる。
【0026】
鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させた後に、フェールセーフモジュール23は、メインロジックボードまたはコントローラ14からの有効なストローブ送出(質問108)を期待し続けるであろう。有効なストローブ送出がない場合、フェールセーフモジュール23は安全状態モード107を保持するであろう。本発明の一実施形態では、フェールセーフモジュール23に関連付けられるアラームの動作が、ユーザ13によって手動で停止されることもできる。コントローラ14から有効なストローブ、または所定の数の有効なストローブを受信すると、フェールセーフモジュール23は、鎮静および鎮痛システム22を、安全状態モード107から動作状態モード105に移行させることができる。本発明のさらに別の実施形態は、コントローラ14から有効なストローブが送出された場合でも、医療処置が続いている間は、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モードのままにしておくことを含む。
【0027】
質問110は、ユーザ13が安全状態モード107に応答することに関連する。鎮静および鎮痛システム22がオフにされる場合には、鎮静および鎮痛システム22は、フェールセーフモジュール休止モード100に移行するであろう。鎮静および鎮痛システム22の動作が停止されない場合には、フェールセーフモジュール23は、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に保持するであろう。
【0028】
図5は、有効なテストストローブを開始するステップ200と、鎮静および鎮痛システムを動作状態モードに移行させるステップ201と、FSM202への入力を設定するステップ202と、コントローラからテスト信号を送出するステップ203と、動作状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価するステップ204と、有効なテストストローブを開始するステップ205と、鎮静および鎮痛システムを安全状態モードに移行させるステップ206と、安全状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価するステップ207と、コントローラから有効なストローブ送出を開始するステップ208と、フェールセーフモジュールを動作状態モードに移行させるステップ209とを含む、鎮静および鎮痛システム22のためのテストモード210の一実施形態を示す方法を示す。
【0029】
本発明の一実施形態では、有効なテストストローブを開始するステップ200は、コントローラ14からフェールセーフモジュール23に、フェールセーフモジュール23内にプログラムされた所定の時間窓内に入る1つまたは複数のストローブを送信し、コントローラ14が適切に機能していることを指示することを含む。本発明の一実施形態では、有効なテストストローブを開始するステップ200は、コントローラ14およびフェールセーフモジュール23に電源が供給された後の開始状態モード102中に生じる。
【0030】
鎮静および鎮痛システムを動作状態モードに移行させるステップ201は、フェールセーフモジュール23がコントローラ14から有効な1つまたは複数のストローブを受信することであって、その有効な1つまたは複数のストローブは、フェールセーフモジュール23に対して、コントローラ14が適切に機能していることを指示する、有効な1つまたは複数のストローブを受信すること、およびその後、鎮静および鎮痛システム22が適切に機能していることを指示する有効な1つまたは複数のストローブに基づいて、鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105に切り替えることを含む。
【0031】
FSMへの初期入力を設定するステップ202は、酸素供給、薬物送出19、患者インタフェース17、または所望の安全状態モード107に関連する他の重要なパラメータに関連する情報を入力することを含む。本発明の一実施形態では、FSMへの初期入力を設定するステップ202は動作状態モード105中に生じ、その場合、コントローラ14は重要なパラメータの制御を保持する。
【0032】
コントローラからテスト信号を出力すること(ステップ203)は、ユーザ13がコントローラ14にテストコマンドを入力することを含み、入力されたテストコマンドは、電源ダウン機能を、鎮静および鎮痛システム22の検出された障害から切り離す。本発明の一実施形態は、テストコマンドを開始する自動化システムを含み、テストコマンドは、たとえば鎮静および鎮痛システムの電源アップルーチンの一部として、医療処置の開始前の所定の時点においてコントローラ14によって開始される。本発明の一実施形態では、コントローラ14からテストコマンドを受信すると、フェールセーフモジュール23内のテストビット(図示せず)がトリガされる。フェールセーフモジュール23のトリガされたテストビットは、電源ダウンを開始することなくフェールセーフモジュール23の機能をテストするために、障害に関連付けられる電源ダウン能力を動作禁止にするように機能することができる。電源ダウンを生じることなく、FSMテストモードを実現することにより、システムがシミュレートされた障害の一部として電源ダウンしていた場合に行われていた、後続のシステムの電源アップ後にフェールセーフモジュール23をテストし直すのが不要になる。
【0033】
動作状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価すること(ステップ204)は、フェールセーフモジュール23が、入力されたデータに一致するデータを出力しているか否かを判定することを含む。動作状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価する際に(ステップ204)、コントローラ14によってフェールセーフモジュール23に関連付けられる重要なパラメータの制御が保持されることによって、出力されたデータが、入力されたデータと整合するはずである。
【0034】
無効なテストストローブを開始すること(ステップ205)は、コントローラ14からフェールセーフモジュール23に無効なストローブを出力し、鎮静および鎮痛システム22の障害をシミュレートすることを含む。無効なテストストローブには、コントローラ14によるフェールセーフモジュール23の高速ストローブ送出、所定の時間窓から外れるストローブ送出、または鎮静および鎮痛システム22の障害を伝達する他の適当な手段を用いることができる。
【0035】
鎮静および鎮痛システムを安全状態モードに移行させるステップ206は、無効なストローブをフェールセーフモジュール23が受信した後に、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に移行させることを含む。万一シミュレートされた障害中に電源ダウンすると、鎮静および鎮痛システム22の電源アップ時に繰返しテストし直すことを回避するために、鎮静および鎮痛システム22はテストモード210の間には電源ダウンされない。
【0036】
安全状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価すること(ステップ207)は、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に切り替える際にフェールセーフモジュール23が適切に機能しているか否かを判定することを含む。安全状態モードの所与の現在の入力においてFSMの適当な出力を評価すること(ステップ207)によって、コントローラ14は、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107に切り替える際に、実際に障害が発生している場合でも、フェールセーフモジュール23が適当に機能することを判定できるようになる。
【0037】
コントローラからの有効なストローブ送出を開始するステップ208は、鎮静および鎮痛システムを安全状態モード107に移行させた後に、コントローラ14からフェールセーフモジュール23に1つまたは複数の有効なストローブを出力することを含む。有効なストローブ送出、すなわち所定の応答窓内に入るストローブ送出を受信すると、フェールセーフモジュール23は、鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105に移行させて、薬物送出システム19、患者インタフェース17および酸素供給の制御をコントローラ14に再び割り当てる。ストローブ送出に成功した後に、鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107から動作状態モード105に移行させることは、鎮静および鎮痛システムを動作状態モードに移行させること(ステップ209)に合致する。
【0038】
テストモード210は、ユーザ13に、障害事象またはメッセージのシミュレーションを提供し、電源ダウンすることなく、フェールセーフモジュール23の応答がテストされ、適当な時点で鎮静および鎮痛システム22を安全状態モード107および動作状態モード105に移行させる際に適当に機能するか否かを判定することができる。鎮静および鎮痛システム22を動作状態モード105に移行させる際に、フェールセーフモジュール23のメモリ27に記録されるメモリビットをリセットすることができる。
【0039】
本発明の一実施形態では、健康チェックシステムが区画化されたソフトウエアモジュールをそれぞれポーリングし、各モジュールが適当に動作していることを指示することを確認する。全ての区画化されたソフトウエアモジュールが良好に機能していることを受信すると、健康チェックシステムはFSMにストローブを送出し、全てのシステムモジュールが適切に機能していることを指示する。この健康チェックシステムは、システムが動作しているときにいつでも生じる。健康チェックシステムはソフトウエアを基にしており、FSMはコンプレックス・プログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)のようなハードウエアを用いて実施される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎮静および鎮痛システムであって、
患者に結合され、前記患者の少なくとも1つの生理的状態を反映する信号を生成するようになっている患者健康監視装置と、
患者に1つまたは複数の薬物を供給する薬物送出コントローラと、
少なくとも1つの監視された患者の生理的状態の安全なパラメータおよび望ましくないパラメータを反映する安全データセットを記憶するメモリデバイスと、
前記患者健康監視装置と、前記薬物送出コントローラと、前記安全データセットを記憶する前記メモリデバイスとの間に相互接続される電子コントローラであって、前記電子コントローラは前記信号を受信し、それに応答して、前記安全データセットに従って前記薬物の適用を管理する、電子コントローラと、
前記電子コントローラから信号を受信するフェールセーフモジュールであって、前記電子コントローラからの前記信号は前記電子コントローラの正常な動作を指示し、前記フェールセーフモジュールは前記電子コントローラと相互接続され、前記コントローラの正常な動作を指示する信号が存在しない場合に、前記電子コントローラが前記薬物の適用を管理するのを阻止するようにする、フェールセーフモジュールとを備える鎮静および鎮痛システム。
【請求項2】
前記コントローラの正常な動作を指示する信号が存在しない間、前記システムが適切に機能していないことを指示するためのインタフェースをさらに備える請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項3】
前記インタフェースは、1つまたは複数のシステム状態アラームを用いて前記システムが適切に動作していないことを指示する請求項2に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項4】
患者に少なくとも1つの気体または気体混合物を供給するための気体供給システムをさらに備え、
前記電子コントローラはさらに、前記気体供給システムと相互接続され、前記安全データセットに従って前記少なくとも1つの気体または気体混合物の供給を
管理する請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項5】
前記コントローラの正常な動作を指示する信号が存在しないとき、前記フェールセーフモジュールは、前記電子コントローラが前記少なくとも1つの気体または気体混合物の供給を管理することを停止する請求項4に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項6】
前記フェールセーフモジュールはメモリモジュールを備え、
前記コントローラの正常な動作を指示する信号が存在しないとき、前記フェールセーフモジュールは、前記コントローラの正常な動作を指示する前記信号が存在しないことを指示する情報を前記メモリモジュールに記憶する請求項4に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項7】
前記コントローラの正常な動作を指示する前記信号を受信できない時間の後に、前記信号を受信するとき、前記フェールセーフモジュールは、前記電子コントローラが前記薬物の適用を再び管理できるようにする請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項8】
前記コントローラの正常な動作を指示する前記信号はストローブである請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項9】
前記コントローラの正常な動作を指示する前記信号は健康チェック信号である請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項10】
前記フェールセーフモジュールと相互接続される健康チェックシステムを備え、
前記健康チェックシステムは、前記鎮静および鎮痛システムの1つまたは複数のサブシステムから、前記1つまたは複数のサブシステムの正常な動作を指示する1つまたは複数の信号を受信する請求項1に記載の鎮静および鎮痛システム。
【請求項11】
鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法であって、
前記システムは電子コントローラと、フェールセーフモジュールと、1つまたは複数の患者インタフェースとを備え、前記コントローラは前記システムの動作中に前記1つまたは複数の患者インタフェースにコマンドを送出し、前記方法は、
前記鎮静および鎮痛システムの動作を開始するステップと、
前記フェールセーフモジュールの動作を開始するステップであって、前記フェールセーフモジュールの前記動作は前記コントローラの正常な動作を指示する1つまたは複数の有効な信号を受信するステップを含む、フェールセーフモジュールの動作を開始するステップと、
患者の少なくとも1つの生理的状態に従って、前記患者への苦痛または不安軽減薬物の送出を電子的に管理するステップと、
前記コントローラによって監視され、監督される、前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を開始するステップと、
前記コントローラの正常な動作を指示する前記1つまたは複数の有効な信号が前記フェールセーフモジュールによって受信されるか、受信されないかに従って、前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を管理するステップと
を含む、鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を管理する前記ステップは、前記コントローラの正常な動作を指示する前記1つまたは複数の有効な信号を前記フェールセーフモジュールが受信しないときに、前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を停止することを含む請求項11に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項13】
ユーザインタフェースが、前記システムが適切に機能していないことを指示する請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項14】
前記ユーザインタフェースは、1つまたは複数のシステム状態アラームを用いて前記システムが適切に機能していないことを指示する請求項13に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の患者インタフェースは患者に前記苦痛または不安軽減薬物を送出するためのシステムである請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数の患者インタフェースは前記患者に気体または気体混合物を送出するためのシステムである請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項17】
前記コントローラの正常な動作を指示する前記1つまたは複数の有効な信号を前記フェールセーフモジュールが受信しないときに、前記鎮静および鎮痛システムを電源ダウンするステップをさらに含む請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を管理する前記ステップはさらに、前記コントローラの正常な動作を指示する前記1つまたは複数の有効な信号を前記フェールセーフモジュールが受信するときに、前記1つまたは複数の患者インタフェースの動作を再開することを含み、
前記受信は前記1つまたは複数の有効な信号を受信しない期間の後に生じる、請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。
【請求項19】
前記フェールセーフはメモリを備え、
前記フェールセーフモジュールは前記メモリに、前記コントローラの正常な動作を指示する前記1つまたは複数の有効な信号を前記フェールセーフモジュールが受信しないときの指示子を保持する、請求項12に記載の鎮静および鎮痛システムを安全に動作させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−207602(P2010−207602A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115608(P2010−115608)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【分割の表示】特願2003−570927(P2003−570927)の分割
【原出願日】平成15年2月25日(2003.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(502451904)スコット・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】SCOTT LABORATORIES, INC.
【住所又は居所原語表記】2804 N. Loop 289, Lubbock, Texas 79415, United States of America
【Fターム(参考)】