説明

長尺部材を収納する梱包材ユニットアセンブリ及び該梱包材ユニットアセンブリ組立方法

【課題】梱包材ユニットアセンブリの前後長さを短くして、ケースを小型化する。
【解決手段】梱包材ユニットアセンブリ5は、アクスルビーム4の両端部を夫々支持する第1梱包材2と、第2梱包材3から構成される梱包材ユニット1を前後方向に複数並べて構成される。該アクスルビーム4は、長手方向に延びた繋ぎ片41と、該繋ぎ片41の両端部に位置して、該長手方向に略直交する向きに延びたアーム片40を具え、該アーム片40の繋ぎ片41側の側方に、空き領域を形成している。一の梱包材ユニット1に、隣り合う梱包材ユニット1aは第1梱包材2が、一の梱包材ユニット1のアクスルビーム4の空き領域内に位置して、両梱包材ユニット1、1aは互いにアクスルビーム4の長手方向にずれて配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺部材、具体的には車両の車輪懸架装置に用いられるアクスルビームの製造、運搬工程に於いて用いられるアクスルビームの収納用梱包材ユニットアセンブリ及び該梱包材ユニットアセンブリの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、一般的な車両懸架装置(48)の正面図である(特許文献1参照)。該車両懸架装置(48)は、車両幅方向を長手方向とする金属製のアクスルビーム(4)を具え、該アクスルビーム(4)は長手方向に延びた繋ぎ片(41)と、該繋ぎ片(41)の両端部に位置して、上下に延びたアーム片(40)(40)を具えて、左右略対称に形成される。アーム片(40)の上端部はブシュ(42)を介して車体(43)に揺動可能に枢支され、該アーム片(40)の下端部からはタイヤ(44)に支持されるスピンドル(45)が突出している。
図9は、車両の組立て工場にて、アクスルビーム(4)の製造、運搬工程に於いて用いられるアクスルビーム(4)の収納用梱包材ユニット(1)の平面図である。アクスルビーム(4)の左右端部は、夫々第1梱包材(2)、第2梱包材(3)に支持され、該一対の梱包材(2)(3)で梱包材ユニット(1)を構成する。各梱包材(2)(3)はアクスルビーム(4)の両端部に対応した凹面(20)(30)を開設し、アクスルビーム(4)の両端部が凹面(20)(30)に嵌まった状態で、アクスルビーム(4)によって両梱包材(2)(3)が保持される。
梱包材ユニット(1)にアクスルビーム(4)が嵌まった状態で、複数の梱包材ユニット(1)(1)が繋ぎ片(41)の長手方向に略直交する向き(以下、前後方向と記載し、図9の上側を前、下側を後とする)に一列に揃えて並べられて、梱包材ユニットアセンブリ(5)を形成し、隣り合う梱包材ユニット(1)をかすがい等の連結具で連結する。図10に示すように、該梱包材ユニットアセンブリ(5)(5)を複数段積層して、これを一点鎖線で示すケース(9)に入れ、パレット(95)に載せて搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−197926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9に示す梱包材ユニットアセンブリ(5)では、複数の梱包材ユニット(1)(1)を前後一列に揃えて並べているから、梱包材ユニットアセンブリ(5)の前後長さが長くなって、搬送に不便である。出願人は、アクスルビーム(4)の形状が略H字形であり、アーム片(40)の繋ぎ片(41)側の側方に平面的な空き領域があることに着目して、梱包材ユニットアセンブリ(5)の前後長さを短くし、ケース(9)を小型化することを着想した。
特に、図8に示すアクスルビーム(4)では、繋ぎ片(41)がアーム片(40)の長手方向の中央部よりも上側に位置するから、アーム片(40)の内側側方であって、繋ぎ片(41)よりもスピンドル(45)側の空き領域Aの方が、ブシュ(42)取り付け側の空き領域Bよりも大きい。従って、一の梱包材ユニット(1)に収納されるアクスルビーム(4)と、隣り合う梱包材ユニット(1)に収納されるアクスルビーム(4)とで、前後で互いに反対向きに収納し、一方のアーム片(40)のスピンドル(45)側端部を、他方のアクスルビーム(4)の空き領域Aに配備すれば、更にケース(9)を小型化できることに着目した。
また、隣り合う梱包材ユニット(1)(1)を連結する際の作業性の改善を考えた。
本発明は、梱包材ユニットアセンブリ(5)の前後長さを短くして、ケース(9)を小型化することを目的とする。また、隣り合う梱包材ユニットを連結する際の作業性を改善することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
梱包材ユニットアセンブリ(5)は、長尺部材の両端部を夫々支持する第1梱包材(2)と、第2梱包材(3)から構成される梱包材ユニット(1)を複数並べて構成され、一の梱包材ユニット(1)に、隣り合う梱包材ユニット(1a)は、互いに長尺部材の長手方向にずれて配備され、一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)と第2梱包材(3)の間の空き領域に、隣り合う梱包材ユニット(1a)の第1梱包材(2a)又は第2梱包材(3b)の少なくとも一部が配備される。
一の梱包材ユニット(1)と、隣り合う梱包材ユニット(1a)とは長尺部材が互いに前後反対側を向いており、一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)の側方に、隣り合う梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3)が位置し、第1梱包材(2)と第2梱包材(3)が互いに嵌まり合う。
一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)と第2梱包材(3)の少なくとも一方には、隣り合う梱包材ユニット(1a)の長尺部材の側面に接して、一の梱包材ユニット(1)の平面的な位置ズレを規制する当たり面が設けられている。
【発明の効果】
【0006】
1.一の梱包材ユニット(1)に、隣り合う梱包材ユニット(1a)は第1、第2梱包材(3)の何れかが、一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)と第2梱包材(3)の間の空き領域内に位置する。両梱包材ユニット(1)(1a)は互いに長尺部材の長手方向に沿ってずれて配備されている。
即ち、隣り合う梱包材ユニット(1a)は、第1、第2梱包材(2)(3)を一の梱包材ユニット(1)の空き領域内に配備することによって、梱包材ユニットアセンブリ(5)の前後長さを短くしている。これにより、梱包材ユニットアセンブリ(5)全体を小型化し、運搬等の作業性及び運搬効率(積載効率)を改善することができる。
2.一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)の側方に、隣り合う梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)が位置し、第1梱包材(2)と第2梱包材(3a)が互いに嵌まり合う。即ち、一の梱包材ユニット(1)と隣り合う梱包材ユニット(1a)の梱包材(2)(3a)を嵌め合うことにより、両梱包材ユニット(1)(1a)を繋ぐから、隣り合う梱包材ユニット(1)(1a)を連結する際の作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】梱包材ユニットアセンブリの平面図である。
【図2】一の梱包材ユニットにアクスルビームが支持された状態の平面図である。
【図3】(a)は、第1梱包材の平面図、(b)は第2梱包材の平面図である。
【図4】梱包材ユニットアセンブリの組立手順を示す平面図である。
【図5】梱包材ユニットアセンブリの組立手順を示す平面図である。
【図6】別の梱包材ユニットアセンブリの平面図である。
【図7】図6の梱包材ユニットアセンブリの第1梱包材の平面図である。
【図8】一般的な車両懸架装置の正面図である。
【図9】従来の梱包材ユニットの平面図である。
【図10】梱包材ユニットアセンブリを複数段積層した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。
図1は、本例に係わる梱包材ユニットアセンブリ(5)の平面図であり、図2は、梱包材ユニットアセンブリ(5)を構成する一の梱包材ユニット(1)にアクスルビーム(4)が支持された状態の平面図である。
梱包材ユニットアセンブリ(5)は、ケース(9)内に3つの梱包材ユニット(1)(1a)(1b)を前後に並べて具え、各梱包材ユニット(1)(1a)(1b)は、アクスルビーム(4)の一方のアーム片(40)を支持する第1梱包材(2)と、他方のアーム片(40)を支持する第2梱包材(3)を具える。図1では、図示の便宜上、一の梱包材ユニット(1)にハッチングを、二の梱包材ユニット(1a)に点を、三の梱包材ユニット(1b)に網掛けを付す。第1梱包材(2)、第2梱包材(3)は、合成樹脂製であって、金属製のアクスルビーム(4)を傷付けない。一の梱包材ユニット(1)にて、アクスルビーム(4)の空き領域Aは、第1梱包材(2)と第2梱包材(3)の間に位置する。
最前に位置する一の梱包材ユニット(1)と、隣り合う二の梱包材ユニット(1a)とは、アクスルビーム(4)(4)が互いに前後反対側を向いて収納されている。即ち、最前に位置する一の梱包材ユニット(1)に収納されたアクスルビーム(4)では、スピンドル(45)が繋ぎ片(41)よりも後方に位置するが、隣り合う梱包材ユニット(1a)に収納されたアクスルビーム(4)では、スピンドル(45)が繋ぎ片(41)よりも前方に位置する。
【0009】
一の梱包材ユニット(1)に収納されたアクスルビーム(4)の空き領域A内には、隣り合う梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)が位置し、両梱包材ユニット(1)(1a)は互いに左右位置がずれて配備されている。
このように、一の梱包材ユニット(1)に収納されたアクスルビーム(4)と、該一の梱包材ユニット(1)に隣り合う二の梱包材ユニット(1a)に収納されたアクスルビーム(4)とで、前後の向きを違えているのは、前記の如く、アクスルビーム(4)はスピンドル(45)側の空き領域Aの方が、ブシュ(42)取り付け側の空き領域Bよりも大きく(図8参照)、両アクスルビーム(4)(4)を、前後で互いに反対向きに収納すれば、梱包材ユニットアセンブリ(5)を小型化できるからである。
【0010】
図3(a)は、第1梱包材(2)の平面図、(b)は第2梱包材(3)の平面図である。図3(a)、(b)に示すように、第1、第2梱包材(2)(3)には夫々、アクスルビーム(4)のアーム片(40)(40)が嵌まる凹面(20)(30)が表面及び裏面に夫々形成され、両凹面(20)(30)にアクスルビーム(4)のアーム片(40)(40)が嵌まった状態で、両梱包材(2)(3)が連結される。
第1梱包材(2)は、前端部と後端部から夫々、第1嵌合片(21)と第2嵌合片(22)を内向き側方に突出し、第2梱包材(3)の側面には後記の如く、嵌合片(21)又は嵌合片(22)が嵌まる第1凹部(31)が形成されている。第2梱包材(3)の前端面と後端面は、夫々第1当たり面(32)と、第2当たり面(33)を形成し、後記の如く、両当たり面(32)(33)はアクスルビーム(4)の繋ぎ片(41)の側面に接する。第2当たり面(33)には、第2凹部(34)が形成され、この第2凹部(34)は梱包材ユニットアセンブリ(5)をケース(9)に挿入する際に役立つ。
【0011】
梱包材ユニットアセンブリの組立手順
梱包材ユニットアセンブリ(5)は、以下の手順で、組み立てられる。
先ず、図2に示したように、第1梱包材(2)と第2梱包材(3)を互いに離して設け、凹部(20)(30)にアクスルビーム(4)のアーム片(40)(40)を嵌める。前記の如く、梱包材ユニット(1)とはアクスルビーム(4)によって両梱包材(2)(3)が架橋された状態をいう。
次に、図4に示すように、該一の梱包材ユニット(1)の後方に、隣り合うべき二の梱包材ユニット(1a)を配備する。梱包材ユニット(1a)は梱包材ユニット(1)と同様に、第1梱包材(2a)と第2梱包材(3a)の間にアクスルビーム(4)を架けているが、一の梱包材ユニット(1)と、二の梱包材ユニット(1a)とはアクスルビーム(4)が互いに前後反対側を向いている。即ち、梱包材ユニット(1a)では、第1梱包材(2a)がアクスルビーム(4)の右端部に位置し、第2梱包材(3a)がアクスルビーム(4)の左端部に位置する(図5参照)。
二の梱包材ユニット(1a)を前進させ、第2梱包材(3a)の第2当たり面(33)を、一の梱包材ユニット(1)に支持されたアクスルビーム(4)の繋ぎ片(41)の側面に当接させる。一の梱包材ユニット(1)の第2梱包材(3)の第2当たり面(33)は、二の梱包材ユニット(1a)に支持されたアクスルビーム(4)の繋ぎ片(41)の側面に接する。
この結果、図4に示すように、一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)の側方、具体的には右方に、隣り合うべき二の梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)が位置する。また、一の梱包材ユニット(1)の第2梱包材(3)の右方に、二の梱包材ユニット(1a)の第1梱包材(2a)が位置する。
次に、二の梱包材ユニット(1a)を左にスライドし、各梱包材ユニット(1)(1a)の第1梱包材(2)(2a)の第2嵌合片(22)を、隣の梱包材ユニット(1a)(1)の第2梱包材(3)(3a)の第1凹部(31)に嵌める。これにより、両梱包材ユニット(1)(1a)が前後に離れることを規制する。
【0012】
次に、図5に示すように、三の梱包材ユニット(1b)を二の梱包材ユニット(1a)の左方に配備する。三の梱包材ユニット(1b)は、梱包材ユニット(1)と同様に、第1梱包材(2b)と第2梱包材(3b)の間にアクスルビーム(4)を架けており、アクスルビーム(4)の前後の向きは、一の梱包材ユニット(1)と同じである。即ち、二の梱包材ユニット(1a)のアクスルビーム(4)とは前後反対側を向いている。
三の梱包材ユニット(1b)を右にスライドさせ、三の梱包材ユニット(1b)の第1梱包材(2b)の第1嵌合片(21)を、二の梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)の第1凹部(31)に嵌める。該第1凹部(31)には既に、一の梱包材ユニット(1)の第2嵌合片(22)が嵌まっているから、該第1凹部(31)には三の梱包材ユニット(1b)の第1嵌合片(21)と、一の梱包材ユニット(1)の第2嵌合片(22)とが圧入される。また、三の梱包材ユニット(1b)の第1当たり面(32)は、二の梱包材ユニット(1a)のアクスルビーム(4)の繋ぎ片(41)の側面に当接し、二の梱包材ユニット(1a)の第1当たり面(32)は、三の梱包材ユニット(1a)の繋ぎ片(41)の側面に当接する。これにより、3つの梱包材ユニット(1)(1a)(1b)が結合されて、梱包材ユニットアセンブリ(5)となる。
【0013】
この梱包材ユニットアセンブリ(5)が数段積み上げられて、図1に示すケース(9)に挿入される。一の梱包材ユニット(1)の第1当たり面(32)、第1梱包材(2)の前面と左側面、二の梱包材ユニット(1a)の第1梱包材(2a)の右側面、三の梱包材ユニット(1b)の第1梱包材(2b)の左側面は、ケース(9)の内面に当接する。三の梱包材ユニット(1b)の第2梱包材(3b)の第2凹部(34)は、ケース(9)内側から突出した抑え柱(90)に嵌まる。このようにして、梱包材ユニットアセンブリ(5)がケース(9)内で、揺れたり、ガタ付くことが防止される。ケース(9)は従来と同様にパレット(95)に搭載されて、運搬される。
本例では、一の梱包材ユニット(1)を構成し、二の梱包材ユニット(1a)を構成した後に、二の梱包材ユニット(1a)を所望の位置に配備し、更に三の梱包材ユニット(1b)を構成して配備している。もちろん、一の梱包材ユニット(1)を配備した後、二の梱包材ユニット(1a)を構成する第1梱包材(2)及び第2梱包材(3)を所望の位置に配置した後、アクスルビーム(4)を収納し、二の梱包材ユニット(1a)を構成してもよい。三の梱包材ユニット(1b)も同様である。
【0014】
本例では、一の梱包材ユニット(1)に収納されたアクスルビーム(4)と、該一の梱包材ユニット(1)に隣り合う二の梱包材ユニット(1a)に収納されたアクスルビーム(4)とでは、前後の向きが互いに逆であるとした。
しかし、これに代えて、図6に示すように、一の梱包材ユニット(1)に収納されたアクスルビーム(4)と、二の梱包材ユニット(1a)に収納されたアクスルビーム(4)とで前後の向きを揃えてもよい。図6では、一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)の側方に、二の梱包材ユニット(1a)の第1梱包材(2a)が、一の梱包材ユニット(1)の第2梱包材(3)の側方に、二の梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)が夫々位置する。
隣り合う第1梱包材(2)(2)どうしを嵌める構造としては、種々考えられるが、例えば図7に示すように、第1梱包材(2)の左側側面から、2本の軸(28)(28)を突出し、第1梱包材(2)の右側側面に該軸(28)(28)が圧入される穴(29)(29)を開設する等が考えられる。
但し、図6に示す構成では、例えば三の梱包材ユニット(1b)のアクスルビーム(4)の空き領域B内に、二の梱包材ユニット(1a)の第1梱包材(2)が配備される。従って、図6に示す梱包材ユニットアセンブリ(5)では、図1に示す梱包材ユニットアセンブリ(5)に比して、前後が長くなる可能性がある。
【0015】
本例では、以下の効果がある。
1.一の梱包材ユニット(1)に、隣り合う梱包材ユニット(1a)は第1、第2梱包材(3)の何れかが、一の梱包材ユニット(1)のアクスルビーム(4)の空き領域内に位置する。両梱包材ユニット(1)(1a)は互いにアクスルビーム(4)の長手方向に沿ってずれて配備されている。
即ち、隣り合う梱包材ユニット(1a)は第1、第2梱包材(2a)(3a)を一の梱包材ユニット(1)のアクスルビーム(4)の空き領域内に配備することによって、梱包材ユニットアセンブリ(5)の前後長さを短くしている。これにより、梱包材ユニットアセンブリ(5)全体を小型化し、運搬等の作業性及び運搬効率(積載効率)を改善することができる。
2.一の梱包材ユニット(1)の第1梱包材(2)の側方に、隣り合う梱包材ユニット(1a)の第2梱包材(3a)が位置し、第1梱包材(2)と第2梱包材(3a)が互いに嵌まり合う。即ち、一の梱包材ユニット(1)と隣り合う梱包材ユニット(1a)の梱包材(2)(3a)を嵌め合うことにより、両梱包材ユニット(1)(1a)を繋ぐから、隣り合う梱包材ユニット(1)(1a)を連結する際の作業性を改善することができる。
【0016】
第1梱包材(2)、第2梱包材(3)は、合成樹脂、具体的には発泡性ポリスチレン(EPS)から形成される。両梱包材(2)(3)は、流通物品を搬送する容器として適切な他の樹脂、例えば熱可塑性樹脂から成形されてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂)、またはこれらを含む複合樹脂が挙げられる。もちろん、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などであってもよい。特にポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む複合樹脂を用いてもよい。
【0017】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
本例では、長尺部材としてアクスルビームを例示したが、これに限定されず、略H字形の平面形状を呈する長尺部材であれはよい。
【符号の説明】
【0018】
(1) 梱包材ユニットアセンブリ
(2) 第1梱包材
(3) 第2梱包材
(4) アクスルビーム
(5) 梱包材ユニットアセンブリ
(40) アーム片
(41) 繋ぎ片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部材の両端部を夫々支持する第1梱包材と、第2梱包材から構成される梱包材ユニットを複数並べて構成され、
一の梱包材ユニットに、隣り合う梱包材ユニットは、互いに長尺部材の長手方向にずれて配備され、一の梱包材ユニットの第1梱包材と第2梱包材の間の空き領域に、隣り合う梱包材ユニットの第1梱包材又は第2梱包材の少なくとも一部が配備されることを特徴とする梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項2】
一の梱包材ユニットと、隣り合う梱包材ユニットとは長尺部材が互いに反対側を向いており、一の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、隣り合う梱包材ユニットの第2梱包材が位置し、第1梱包材と第2梱包材が互いに嵌まり合う、請求項1に記載の梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項3】
一の梱包材ユニットの第1梱包材と第2梱包材の少なくとも一方には、隣り合う梱包材ユニットの長尺部材の側面に接して、一の梱包材ユニットの平面的な位置ズレを規制する当たり面が設けられている、請求項1又は2に記載の梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項4】
長尺部材は、長手方向に延びた繋ぎ片と、該繋ぎ片の両端部に位置して、該長手方向に略直交する向きに延びたアーム片を具え、該アーム片の繋ぎ片側の側方に、空き領域を形成している、請求項1乃至3の何れかに記載の梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項5】
一の梱包材ユニットと、隣り合う梱包材ユニットとは長尺部材が同じ方向を向いており、一の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、隣り合う梱包材ユニットの第1梱包材が位置し、第1梱包材どうしが互いに嵌まり合う、請求項1に記載の梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項6】
各梱包材ユニットは、第1梱包材と第2梱包材とで長尺部材を収納した状態で複数段積層されて、ケースに収納される、請求項1乃至5の何れかに記載の梱包材ユニットアセンブリ。
【請求項7】
長尺部材の両端部を夫々支持する第1梱包材と、第2梱包材から構成される梱包材ユニットを長尺部材の長手方向に略直交する方向に複数並べて構成され、第1梱包材と第2梱包材の間に空き領域を形成している梱包材ユニットアセンブリの組立方法であって、
一の梱包材ユニットに長尺部材を収納する工程と、
一の梱包材ユニットに隣り合う二の梱包材ユニットに長尺部材を収納し、該長尺部材は一の梱包材ユニットの長尺部材とは、互いに反対側を向いている工程と、
該一の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、二の梱包材ユニットの第2梱包材を配備し、一の梱包材ユニットの第2梱包材の側方に、二の梱包材ユニットの第1梱包材を配備する工程と、
一の梱包材ユニットの第1梱包材と二の梱包材ユニットの第2梱包材を、一の梱包材ユニットの第2梱包材と二の梱包材ユニットの第1梱包材を夫々嵌める工程を有する、梱包材ユニットアセンブリの組立方法。
【請求項8】
更に、
二の梱包材ユニットに隣り合う三の梱包材ユニットに長尺部材を収納し、該長尺部材は一の梱包材ユニットの長尺部材とは、互いに同じ向きである工程と、
該二の梱包材ユニットの第2梱包材の側方に、三の梱包材ユニットの第1梱包材を配備し、二の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、三の梱包材ユニットの第2梱包材を配備する工程と、
二の梱包材ユニットの第2梱包材と三の梱包材ユニットの第1梱包材を、二の梱包材ユニットの第1梱包材と三の梱包材ユニットの第2梱包材を夫々嵌める工程を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
長尺部材の両端部を夫々支持する第1梱包材と、第2梱包材から構成される梱包材ユニットを長尺部材の長手方向に略直交する方向に複数並べて構成され、第1梱包材と第2梱包材の間に空き領域を形成している梱包材ユニットアセンブリの組立方法であって、
一の梱包材ユニットに長尺部材を収納する工程と、
該一の梱包材ユニットに隣り合う二の梱包材ユニットを配備する工程であって、一の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、二の梱包材ユニットの第2梱包材を配備し、一の梱包材ユニットの第2梱包材の側方に、二の梱包材ユニットの第1梱包材を配備する工程と、
一の梱包材ユニットの第1梱包材と二の梱包材ユニットの第2梱包材を、一の梱包材ユニットの第2梱包材と二の梱包材ユニットの第1梱包材を夫々嵌める工程と、
二の梱包材ユニットの第1梱包材と第2梱包材に長尺部材を収納し、該長尺部材は一の梱包材ユニットの長尺部材とは、互いに反対側を向いている工程を有する方法。
【請求項10】
更に、
該二の梱包材ユニットに隣り合う三の梱包材ユニットを配備する工程であって、該二の梱包材ユニットの第2梱包材の側方に、三の梱包材ユニットの第1梱包材を配備し、二の梱包材ユニットの第1梱包材の側方に、三の梱包材ユニットの第2梱包材を配備する工程と、
二の梱包材ユニットの第2梱包材と三の梱包材ユニットの第1梱包材を、二の梱包材ユニットの第1梱包材と三の梱包材ユニットの第2梱包材を夫々嵌める工程と、
該三の梱包材ユニットに長尺部材を収納し、該長尺部材は一の梱包材ユニットの長尺部材とは、互いに同じ向きである工程を有する、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−84289(P2011−84289A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236867(P2009−236867)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】