説明

閉じたフロースルー型マイクロプレートおよびその使用方法と製造方法

フロースルー式アッセイを実施するためのマイクロプレート装置が開示されている。この装置は、液体分配システムの移送ユニットまたは多数のポートによりアクセス可能なチャンバまたはチャンネルの配列を含む。この装置の被覆部または密閉部のポートにより、流体が入口ポートに流入し、チャンネルを通って、出口ポートから流出することが可能になる。装置と多数の移送ユニットとの間の封止界面は、前記ポートを備え、フロースルーチャンネルの閉じた分析配列を形成する。装置と流体分配システムとの間の封止界面により、閉じた系内で連続フロースルー式アッセイを行えるように、その装置を製造し、使用する方法も開示されている。閉じた系に含まれる検知表面により、装置内で行われるフロースルー式アッセイのラベルフリー検出が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2006年4月7日に出願された、「Microplate Flow-Through Assay Device」と題する米国仮特許出願第60/790188号の恩恵を主張する。この文書の内容をここに引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、閉じたフロースルー型マイクロプレートおよび例えば、新薬のテストに役立つ、物質の結合、吸着のような生体分子相互作用を検出するためのフロースルー式アッセイを行うための、閉じたフロースルー型マイクロプレートを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ラベルフリーのハイスループット・スクリーニングのための計測器が、今日、市販されており、しばしば、新薬をテストしながら、生体分子の相互作用を検出するために使用される。典型的なラベルフリーの問合せシステム(interrogation system)では、バイオセンサの検知表面でのまたはその近くの屈折率変化をモニタすることにより、物質の結合、吸着等のような生体分子の相互作用の検出を可能にするその中に組み込まれたバイオセンサを有する、ウェルを備えたマイクロプレートを利用している。例えば、各バイオセンサは、リガンドをその上に固定化できる検知表面を備えており、よって、この検知表面の上に位置する溶液中の検体が、固定化されたリガンドと相互作用したときに、屈折率に変化が生じるであろう。ラベルフリーの問合せシステムは、各バイオセンサに問い合わせ、屈折率のこの変化を検出し、その結果、新薬をテストしている間に、固定化されたリガンドと有用な検体との間の生体分子相互作用を検出/モニタすることができる。
【0004】
典型的なマイクロプレートはウェルの開放アレイを備えており、これらのウェルは、ウェルの底を形成する基板の表面上に位置するバイオセンサのアレイに位置合せされている。これらのオープンエアのマイクロプレートは、ほとんどの用途においてうまく機能するが、オープンエアのマイクロプレートの代わりに、マイクロ流体マイクロプレートを使用することが好ましいであろうフロースルー式アッセイ(結合と解離のカイネティック・アッセイ)を使用する必要のある用途がいくつかある。残念ながら、既存のマイクロ流体マイクロプレートには、1種類以上の流体が、流体供給システムからマイクロ流体マイクロプレートに移送でき、そこで、それらの流体が、バイオセンサ上を流れ、次いで、空気に曝露されずに、および/またはマイクロ流体マイクロプレートの頂部で溢れずに、マイクロ流体マイクロプレートから除去されるように、閉じた系を維持しなければならないという問題がある。言い換えれば、しばしば、これらのマイクロ流体マイクロプレートと流体供給システムとの間の界面で生じる漏れ/封止問題がある。
【0005】
この漏れ/封止問題に対処するために、本出願の出願人は、2002年5月24日に出願された、「Microcolumn-Based, High-Throughput Microfluidic Device」と題する特許文献1(その内容をここに引用する)に開示され、論じられたいくつかの異なる閉じたフロースルー型マイクロプレートを開発した。
【特許文献1】米国特許出願第10/155540号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの閉じたフロースルー型マイクロプレートは、フロースルー式アッセイを行うときにはうまく働くが、既存の閉じたフロースルー型マイクロプレートを改善し、向上させるという願望がまだある。この特別な要望および他の要望が本発明により満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下側プレート(センサプレート)に取り付けられた上側プレート(ウェルプレート)を有するマイクロプレート2プレート積層体として構成された閉じたフロースルー型マイクロプレートを提供する。上側プレートは、上面、本体および底面を有する。上面の上には、1つ以上の流体供給/除去封止界面を有する封止物質が配置されており、そこで、各流体供給/除去封止界面は、1つ以上の入口ポートおよび1つ以上の出口ポートを有している。本体は、その中を延在する1つ以上の流体供給/除去チャンネルを有しており、そこで、各流体供給/除去チャンネルは、対応する流体供給/除去封止界面内に位置する1つ以上の入口ポートおよび1つ以上の出口ポートとそれぞれ位置合せされた1つ以上の入口チャンネルおよび1つ以上の出口チャンネルを有する。下側プレートは、1つ以上の流動チャンバがその間に存在するように上側プレートの底面に取り付けられた上面を有し、そこで、各流動チャンバは、上側プレートの本体の中を延在する流体供給/除去チャンネルの対応するチャンネルと連絡している。その上、本発明は、閉じたフロースルー型マイクロプレートを使用する方法および製造する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって、本発明はより完全に理解されるであろう。
【0009】
図1A〜1Eを参照すると、本発明による例示の96ウェルの閉じたフロースルー型マイクロプレート100(注記:閉じたフロースルー型マイクロプレート100は、例えば、96、384または1536ウェルなどのいくつのウェルを有していても差し支えない)の異なる図を示すいくつかの図面がある。図1Aにおいて、下側プレート104(センサプレート104)に取り付けられた上側プレート102(ウェルプレート102)を有するマイクロプレート2プレート積層体(注記:マイクロプレート100の様々な特徴の説明を助けるために、ここでは「陰影区域」が用いられている、通常は透明であるいくかの「陰影区域」を有するマイクロプレート100が示されている)として構成された96ウェルの閉じたフロースルー型マイクロプレート100の斜視図が示されている。ウェルプレート102は、ある表面(例えば、机、支持台)上にあり、センサプレート104の底面108を保護する、そこから下方に延在する一連の周囲支持部106を有する。
【0010】
ウェルプレート102は、96の流体供給/除去封止界面114に分割された封止物質112(注記:封止物質112は、4つの異なる区域112a,112b,112cおよび112dを有する)がその上にある上面110を有する。この実例において、各流体供給/除去封止界面114は、2つの入口ポート116および1つの出口ポート118を有する。しかしながら、各流体供給/除去封止界面114は、いくつの入口ポート116およびいくつの出口ポート118を有していても差し支えない。例えば、各流体供給/除去封止界面114は、3つの入口ポート116および3つの出口ポート118を有していても差し支えない。もしくは、各流体供給/除去封止界面114は、1つの入口ポート116および1つの出口ポート118を有していても差し支えない。図1Bはウェルプレート102の上面110の部分図であり、この上面110には、封止物質112がその内に付着されている凹部111がその中に位置しているのが示されている。
【0011】
図1Cにおいて、部分断面のマイクロプレート100の等角投影図が示されている。ウェルプレート102は、96の流体供給/除去チャンネル122のアレイが設けられた本体120を有するのが見える。流体供給/除去チャンネル122の各組は、2つの入口チャンネル124および1つの出口チャンネル126を備えている(注記:出口チャンネル126は、図1Dに示されている)。さらに、流体供給/除去チャンネル122の各組は、入口チャンネル124が入口ポート116と位置合せされ、出口チャンネル126が出口ポート118と位置合せされるように、流体供給/除去封止界面114の対応するものと位置合せされている。その上、マイクロプレート100は、本体120を通って延在し、ウェルプレート102の底面130で開いている2つの入口チャンネル124および1つの出口チャンネル126を備えた各流体供給/除去チャンネル122に対応する流動チャンバ132がその中に1つ形成されるように、ウェルプレート102の底面に取り付けられた上面128を有するセンサプレート104を備えている。センサプレート104も、各流動チャンバ132に関連するバイオセンサ136が1つあるようにバイオセンサ136がその中に組み込まれているのが見える(注記:所望であれば、各流動チャンバ132に関連するバイオセンサ136は、1つより多くても差し支えない)。
【0012】
図1Dにおいて、マイクロプレート100内に位置する1つのウェル134の断面側面図が示されている(注記:これは、図1Cに示したウェル134とは異なる図である)。各ウェル134は、ウェルプレート102の上面110に位置する1つの流体供給/除去封止界面114(封止物質112)を含むのが見える。流体供給/除去封止界面114は、その全てが流動チャンバ132に開いている、2つの入口チャンネル124(1つだけが示されている)および1つの出口チャンネル126を含む流体供給/除去チャンネル122の1つに連結された2つの入口ポート116(1つだけが示されている)および1つの出口ポート118を含む。流動チャンバ132(フロースルー型チャンネル132)は、2つの入口ポート116/入口チャンネル124および1つの出口ポート118/出口チャンネル126に相互連結して、閉じた流体供給/除去システムを形成するのが示されている。センサプレート104は、流動チャンバ132内に検知表面を有するバイオセンサ136がその中に1つ組み込まれている。例えば、バイオセンサ136は、表面プラズモン共鳴(SPR)センサまたは導波路グレーティングカプラ(WGC)センサであって差し支えない。WGCセンサ136についての詳細な議論が米国特許第4815843号明細書(ここにその内容を引用する)に与えられている。
【0013】
ウェルプレート102およびセンサプレート104は、いくつかの異なる取付スキームのいずれを用いて、互いに取り付けることができる。例えば、ウェルプレート102は、ウェルプレート102がセンサプレート104に取り付けられている場合、流動チャンバ132の形成を可能にする、そこから延在するリッジを有する底面130を有するであろう(ウェルプレート102がセンサプレート104に取り付けられている場合、流動チャンバ132を形成するリッジ138を示す図1D〜1Eを参照のこと)。所望であれば、ウェルプレート102の底面130は、リッジ138の周囲の外側に延在するその中に形成されたチャンネル140を有していて差し支えない(図1D〜1Eを参照のこと)。各チャンネル140は、ウェルプレート102をセンサプレート104に取り付けるために用いられる接着剤のはみ出し(図示せず)を収容するようなサイズになっている。あるいは、両面粘着フイルムを間に配置して、ウェルプレート102をセンサプレート104に取り付けるために用いても差し支えない。この場合、フイルムは、ウェルプレート102がセンサプレート104に取り付けられたときに、各除去された部分が流動チャンバ132の1つを形成するような様式でそこから除去される部分を有する(注記:フイルムが使用される場合、ウェルプレート102の底面130にリッジ138およびチャンネル140を形成する必要がなくなる)。
【0014】
図2A〜2Bを参照すると、本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレート100に連結された流体供給システム200を示す2つの図面がある。図2Aにおいて、96ウェルの閉じたフロースルー型マイクロプレート100に漏れ防止シールを介してしっかりと連結された流体供給システム200の部分斜視図が示されている。流体供給システム200は、96組の流体供給/除去チップ202を有し、ここで、流体供給/除去チップ202の各組は、2つの流体供給チップ204および1つの流体除去チップ206を有している。動作時に、流体供給/除去チップ202の各組は、マイクロプレート100上の対応する流体供給/除去封止界面114に挿入される。具体的には、流体供給/除去チップ202の各組は、マイクロプレート100上の対応する流体供給/除去封止界面114内の2つの入口ポート116および1つの出口ポート118にそれぞれ挿入された2つの流体供給チップ204および1つの流体除去チップ206を有している(注記:所望であれば、封止物質112は、ウェルプレート102内に位置のカウンターボアの形成されたチャンネル124中に挿入されたO−リングであっても差し支えない)。2つの流体供給チップ204(注記:1つだけが示されている)および1つの流体除去チップ206の各々は、流体供給/除去封止界面114にある2つの入口ポート116および1つの出口ポート118の内径よりもわずかに大きい直径を有する。この直径の差により、液密シールを、2つの流体供給チップ204と2つの入口ポート116との間、および1つの流体除去チップ206と1つの出口ポート118との間に形成することが可能になる(注記:図2Bは、2つの流体供給チップ204(1つだけが示されている)および1つの流体除去チップ206がマイクロプレート100のウェル134中に挿入されていることを除いて、図1Dと同じである)。本出願に使用できる例示の流体供給システム200は、2006年6月30日に出願され、「Fluid Handling System for Flow-Through Assay」と題する、共に譲渡された米国仮特許出願第60/817724号明細書(その内容をここに引用する)に記載されている。
【0015】
図3を参照すると、本発明によるフロースルー式アッセイを行うために閉じたフロースルー型マイクロプレート100を使用する方法300の各工程を示す流れ図が示されている。工程302で始まり、流体供給システム200および特に流体供給/除去チップ202の組が、圧縮状シールを介してマイクロプレート100に取り付けられる(図2A〜2B参照)。この実例において、流体供給/除去チップ202の各組は、マイクロプレート100上の対応する流体供給/除去封止界面114にある2つの入口ポート116および1つの出口ポート118中にそれぞれ挿入された2つの流体供給チップ204および1つの流体除去チップ206を有する。
【0016】
工程304で、流体供給システム200は2種類の流体を、両方の流体がマイクロプレート100内の流動チャンバ132中を流れるように、流体供給/除去チップ202の一組以上および特にそれらの流体供給チップ204中に通して挿入する(注記:2種類の流体402aおよび402bは、バイオセンサ136に関連する溝/回折格子404に対して、通常、垂直に流れるであろう。図4参照)。一般に、流体供給システム200は、両方の流体がバイオセンサ136上を流れ出口チャンネル126から流出するときに、各流体が、それらの間にほとんどまたは全く混合されたり乱れたりせずに、互いに対して実質的に平行に流れるように、所定の体積と圧力で2種類の流体を挿入する。ある場合には、流体供給システム200は、各流体が、バイオセンサ136のほぼ同じ量の表面積上を流動するように、2種類の流体の流れを制御する。あるいは、流体供給システム200は、2種類の流体の内の一方が、バイオセンサ136の表面積の大きな部分上を流れるように、2種類の流体の流れを制御しても差し支えない。さらに別の方式において、流体供給システム200は、一方の流体を所定期間流し、次いで、流体間の空間的分割と比較して、流体における時間的分割を作り出すために、第1の流体を停止した直後に第2の流体のみを流しても差し支えない。工程306では、流体供給システム200は2種類の流体を、それらが対応する流動チャンバ132を通り、マイクロプレート100内の対応するバイオセンサ136上を流れた後、一組以上の流体供給/除去チップ202の各々および特にその流体除去チップ206を通して受け取る。
【0017】
工程308で、2種類の流体がマイクロプレート100内の流動チャンバ132内を流れている間に、問合せシステム(図示せず)がバイオセンサに問い合わせて、それらの検知表面のまたはその近くの屈折率の任意の変化を検出することができる(注記:工程308は、工程304および306と同時に行われる)。例えば、ラベルに依存しないカイネティック・フロースルー式アッセイを行って、物質の結合、吸着などの生体分子相互作用を検出するために、問合せシステムを用いることができる。このことは、新薬をテストするときに役立つ。マイクロプレート100に問い合わせられる例示の問合せシステムが、共に譲渡された米国特許出願第11/489173号明細書(その内容をここに引用する)に記載されている。さらに、2種類の流体(一方が試料溶液であり、もう一方が参照溶液である)を1つのバイオセンサ上に流すことによる環境条件のための不確定性を緩和するのに役立てるために、問合せシステムがどのようにセル内の自己参照を行えるかについての議論が、共に譲渡された米国特許出願第10/993565号明細書(その内容をここに引用する)に与えられている。
【0018】
図5を参照すると、本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレート100を製造する方法500の各工程を示す流れ図が示されている。工程502で始まると、上面110(封止物質112を受け入れるように構成された1つ以上の凹部111がその上に形成された−図1B参照)、本体120(流体供給/除去チャンネル122を含む)および底面130(リッジ138およびチャンネル140を含む)を備えたウェルプレート102を射出成形するために、第1の成形型が用いられる。例えば、ウェルプレート102は、シクロオレフィン、ポリウレタン、アクリル系プラスチック、ポリスチレンおよびポリエステルなどの材料から製造できる。
【0019】
工程504で、封止物質112(流体供給/除去封止界面114を形成する)をウェルプレート102の上面110に位置する凹部111中に射出成形するために、第2の成形型が用いられる。この封止物質112(または流体供給/除去封止界面114)は、エラストマータイプ材料またはシリコーンのいずれのタイプから製造しても差し支えない。
【0020】
工程506で、センサプレート104は、流動チャンバ132を形成するような様式でウェルプレート102の底面130に接着剤を介して取り付けられた上面128を有する(図1D参照)。例えば、流動チャンバ132は、好ましくは約5マイクロメートルおよび約200マイクロメートルの間、より好ましくは60マイクロメートルの範囲の高さを有することができる(ここで、高さとは、ウェルプレート102の底面130からセンサプレート104の上面128までの距離を称する)。あるいは、センサプレート104は、両面粘着フイルムによりウェルプレート102に取り付けることもできる。ある態様において、閉じたフロースルー型マイクロプレート100は、標準的な流体供給/除去システム200と界面で接続でき、標準的なロボット式取扱システムにより取り扱えるように、生物分子スクリーニング学会(SBS)標準によるフットプリントおよび物理的寸法を有する。
【0021】
本発明のいくつかの実施の形態を添付の図面に示し、先の詳細な説明において記載してきたが、本発明は、開示された実施の形態には制限されず、添付の特許請求の範囲に述べられ定義された発明の精神から逸脱せずに、様々な再配列、改変および置換が可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートの斜視図
【図1B】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートの部分図
【図1C】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートの部分断面図
【図1D】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートの断面側面図
【図1E】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートの拡大斜視図
【図2A】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートに結合した流体供給システムの部分斜視図
【図2B】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートに結合した流体供給システムの拡大断面図
【図3】本発明によるフロースルー式アッセイを行うために閉じたフロースルー型マイクロプレートを使用する方法の各工程を示す流れ図
【図4】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレート内に位置するバイオセンサ上を2種類の流体がどのように流動し得るかを示す概略図
【図5】本発明による閉じたフロースルー型マイクロプレートを製造する方法の各工程を示す流れ図
【符号の説明】
【0023】
100 96ウェルの閉じたフロースルー型マイクロプレート
102 上側プレートまたはウェルプレート
104 下側プレートまたはセンサプレート
106 支持部
112 封止物質
114 流体供給/除去封止界面
116 入口ポート
118 出口ポート
122 流体供給/除去チャンネル
124 入口チャンネル
126 出口チャンネル
136 バイオセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプレートにおいて、
上面、本体および底面を備えた上側プレートであって、
前記上面に、1つ以上の流体供給/除去封止界面を持つ封止物質がその上に配置されており、外流体供給/除去封止界面の各々が、1つ以上の入口ポートおよび1つ以上の出口ポートを有し、
前記本体が、その中を延在する1つ以上の流体供給/除去チャンネルを有し、外流体供給/除去チャンネルの各々が、前記封止物質の対応する流体供給/除去封止界面内に位置する前記1つ以上の入口ポートおよび前記1つ以上の出口ポートにそれぞれ位置合せされた1つ以上の入口チャンネルおよび1つ以上の出口チャンネルを有するものである、
上側プレート、および
1つ以上の流動チャンバがその間に存在するように前記上側プレートの前記底面に取り付けられた上面を備えた下側プレートであって、前記流動チャンバの各々が、前記上側プレートの前記本体を通って延在する前記流体供給/除去チャンネルの内の対応するものと連絡している、下側プレート、
を有することを特徴とするマイクロプレート。
【請求項2】
前記上側プレートの前記底面が、該上側プレートが前記下側プレートに取り付けられたときに、前記1つ以上の流動チャンバの形成を可能にする、前記1つ以上の流体供給/除去チャンネルから延在し、それを取り囲む1つ以上のリッジを有することを特徴とする請求項1記載のマイクロプレート。
【請求項3】
前記上側プレートの前記底面に、前記1つ以上のリッジの周囲の外側に延在する1つ以上のチャンネルが形成されることを特徴とする請求項2記載のマイクロプレート。
【請求項4】
前記上側プレートを前記下側プレートに取り付けるために用いられるフイルムをさらに備え、該フイルムが、そこから除去される1つ以上の部分を有し、前記上側プレートが前記下側プレートに取り付けられたときに、除去される前記部分の各々が前記流動チャンバの内の1つを形成することを特徴とする請求項1記載のマイクロプレート。
【請求項5】
前記流動チャンバの各々が、約5マイクロメートルおよび約200マイクロメートルの間の高さを有することを特徴とする請求項1記載のマイクロプレート。
【請求項6】
マイクロプレートを製造する方法において、
上面、本体および底面を備えた上側プレートであって、
前記上面に、1種類以上の封止物質を収容するように構成された1つ以上の凹部が配置され、
前記本体が1つ以上の流体供給/除去チャンネルを有し、該流体供給/除去チャンネルの各々が、前記底面を通って延在し、そこに開いている1つ以上の入口チャンネルおよび1つ以上の出口チャンネルを有している、
上側プレートを射出成形する工程、
前記上側プレートの前記上面に位置する前記凹部中に前記封止物質を射出成形する工程、および
1つ以上の流動チャンバがその間に存在するように前記上側プレートの前記底面に下側プレートの上面を取り付ける工程であって、前記流動チャンバの各々が、前記封止物質の1つ以上の流体供給/除去封止界面に位置する1つ以上の入口ポートおよび1つ以上の出口ポートと連絡している前記上側プレートの前記本体を通って延在する前記流体供給/除去チャンネルの内の1つと連絡している工程、
を有してなる方法。
【請求項7】
前記上側プレートの前記底面が、該上側プレートが前記下側プレートに取り付けられたときに前記1つ以上の流動チャンバの形成を可能にする、前記1つ以上の流体供給/除去チャンネルから延在し、それを取り囲む1つ以上のリッジを有するように成形されていることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記上側プレートの前記底面が、前記1つ以上のリッジの周囲の外側に延在する1つ以上のチャンネルがその中に形成されるように成形されていることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記上側プレートを前記下側プレートに取り付ける工程が、該上側プレートを該下側プレートに取り付けるために接着フイルムを使用する工程を含み、該フイルムが、そこから除去される1つ以上の部分を有し、前記上側プレートが前記下側プレートに取り付けられたときに、除去される該部分の各々が前記流動チャンバの内の1つを形成することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記流動チャンバの各々が、約5マイクロメートルおよび約200マイクロメートルの間の高さを有することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記下側プレートに1つ以上のバイオセンサが組み込まれ、該バイオセンサの少なくとも1つが前記流動チャンバの内の1つの中に位置する検知表面を有するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−533656(P2009−533656A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504247(P2009−504247)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/008166
【国際公開番号】WO2007/120515
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】