説明

閉塞性睡眠時無呼吸の治療のための部分侵食性システム

本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸患者の気道の周りの組織を改造して気道を開くと共に無呼吸事象の発生を減少させるための器具及び方法に関する。この器具は、弾性変形可能な材料と生体侵食性の組み合わせから成る。この器具の変形可能な部分は、気道内に一体配置された器具の所望の最終形状に一致する好ましい形状を有する。しかしながら、いつでも移植可能な状態にある器具を製造する際、変形可能な部分を変形可能な形状にし、生体侵食性材料でその形状に拘束する。植え込み後、器具は、拘束状態の生体侵食性材料が侵食されるにつれて好ましい形状を次第に取る。器具が好ましい形状に向かって次第に変形するので、器具は、組織を治療的に望ましい形態に再造形する。形状変化の仕方が漸次なので、一般に器具は組織中で安定化されると共に組織が安定形状に変形するのが支援される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸の治療のための方法及び技術の分野、特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患っている患者の気道を開くことに関する。
〔関連出願の説明〕
本明細書において言及される全ての刊行物、特許明細書及び特許出願明細書を、あたかも個々の刊行物、特許明細書又は特許出願明細書が参照により引用されてその記載内容が本明細書に組み込まれているかのように、具体的に且つ個々に指示されているのと同じ程度まで参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0002】
睡眠時無呼吸は、睡眠中、10秒間又はこれよりも長い時間にわたる呼吸の停止として定義される。通常の睡眠中、喉の筋肉は、弛緩し、気道が細くなる。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)を患っている患者の睡眠中、上気道は、通常よりも著しく細くなり、無呼吸事象中、空気流を停止させる完全な崩壊又は潰れを生じる。空気流の欠乏に応答して、患者は、少なくとも呼吸を再開するのに十分な程度まで目覚める。無呼吸事象及び関連の覚醒は、一晩当たり数百回にも上る場合があり、極めて睡眠を妨害するようになることがある。閉塞性睡眠時無呼吸は、肥満体と通常関連しているがこれには限られず、その結果、口腔咽頭気道が細くなる。
【0003】
周期的酸素不飽和及び睡眠パターンの分断により、昼間の眠気、即ち、障害の症状の証拠が見られる。睡眠時無呼吸の別の結果としては、慢性頭痛やうつ病並びに例えば覚性、集中力、記憶力、運動機能及び身体的技能のような能力の低下が挙げられる。最終的には、睡眠時無呼吸は、死亡率の増加及び生命を脅かすような共存症と深いつながりがある。心臓病学的合併症としては、高血圧、うっ血性心不全、冠動脈疾患、不整脈及び心房細動が挙げられる。OSAは、米国における非常に流行している病態である。推定1,800万人のアメリカ人が中等度から重度までにわたる程度までOSAに患っており、これらアメリカ人のうちの多くは、少なくとも1つには、罹患した患者が自分自身の状態を知らない場合が多いので、診断未確定状態にある。
【0004】
OSAの治療は、通常、ライフスタイルの変更の提案で始まり、かかるライフスタイルの変更としては、減量及び睡眠癖(例えば睡眠時の体位及び枕の位置)への関心又は夜間着用でき、舌を気道の底から遠ざけて位置決めするのを助ける口用器具の使用が挙げられる。より積極的な物理的インターベンションとしては、患者が着用するマスクを介して陽圧を気道に提供し、呼吸器械に連結されている呼吸支援システムの使用が挙げられる。幾つかの場合において、薬学的インターベンションが有用な場合があるが、かかる薬学的インターベンションは、昼間の眠気に対する対処に向けられており、根本的原因に取り組んではいない。幾つかの外科的インターベンション、例えば鼻の手術、扁桃切除術及び/又はアデノイド切除術、軟口蓋、口蓋垂又は舌底の整復又は下顎骨への取り付けによって舌底を前進させると共に舌底を前方に引っ張ることが利用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら外科的方式は、侵襲性が極めて高い場合があり、かくしてかかる外科的方式は最後の手段という意味合いがあり、更に、病態を確実に軽減し又は治療するのは簡単ではない。治療上の信頼性を高くする見込みのある侵襲性の低い手技が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、気道形成組織の閉塞性崩壊を軽減する方法及びこの方法を実施するために用いられる器具に関する。この方法及び装置が治療上の利益をもたらす典型的な患者は、閉塞性睡眠時無呼吸を患っている患者である。この方法は、器具を組織中の部位に植え込むステップと、気道形成組織を再造形するよう器具の生体侵食性部分を生体侵食させるステップとを有する。器具は、部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で気道形成組織部位に合致するように寸法決めされると共に形作られており、器具は、弾性変形可能な部分及び生体侵食性部分を含む。この方法の代表的な実施形態では、気道形成組織の再造形の結果として、気道が、睡眠中、塞がれないことになり、更に、代表的には、このようにして塞がれない気道は、無呼吸事象の頻度を減少させる。再造形は、気道関連組織の位置又は構造を再構成し又は違ったやり方で改変して睡眠中に崩壊するその傾向を減少させるようにすることを含むのが良い。
【0007】
気道は、口から肺までのその長さに沿って種々の組織で作られている。この方法の実施形態は、部分的に生体侵食性の器具をこれら組織のうちの任意の1つ又は2つ以上の中に植え込むステップを含み、かかる組織としては、例えば、軟口蓋、舌、一般に舌の底及び咽頭壁、例えば咽頭壁の後方部分及び側方部分が挙げられる。
【0008】
幾つかの実施形態では、器具は、植え込まれると変形した形状になり、器具の形状を変化させるよう侵食するステップは、この形状が好ましい形状に向かって変化することを含む。幾つかの実施形態では、器具の生体侵食性部分は、器具を侵食ステップに先立って、変形した形状に拘束する。
【0009】
器具の生体侵食性部分の生体侵食に関し、これは、数日から数か月のタイムスパンにわたって起こる場合がある。幾つかの実施形態では、生体侵食は、生体侵食性部分の生物学的に露出された表面積と生体侵食性部分の体積の比と相関する速度で進行する。
【0010】
この方法の幾つかの実施形態では、生体侵食は、器具が実質的に形状を変える前に、組織部位が植え込みから回復するほど遅い速度で起こる。これら実施形態の幾つかにおいて、組織部位の回復は、線維性組織が器具の周りに形成するステップを含み、それにより、典型的には、器具がその部位内に安定化されると共に植え込み部位及びその周囲の組織の形状を改造する大きな影響力が器具に与えられる。幾つかの実施形態では、植え込み後、植え込み創からの治癒応答又は回復の一部として、新たに生じた線維性組織が器具内の穴、細孔又は隙間の中に侵入する。この方法の幾つかの実施形態では、先に生体侵食性材料中に組み込まれた生体活性剤が器具の生体侵食性部分が侵食するにつれてかかる侵食性部分から放出され又は溶出される。
【0011】
本明細書において説明する方法の別の観点では、睡眠中に気道の閉塞性崩壊を軽減するための装置を製作する方法が提供される。この方法は、弾性変形可能な材料を器具の好ましい形状に一致した初期形状に形成するステップを有し、初期形状は、生体侵食性材料を受け入れる部位を有し、この方法は、弾性変形可能な材料の初期形状を、気道形成組織部位に合致すると共に植え込み後における通常の生理学的機能と適合性のある植え込み可能な形状に寸法決めされると共に構成される好ましくはない形状に変化させるステップを更に有し、この方法は更に、生体侵食性材料を受け入れ部位中に組み込むことにより植え込み可能な形状を安定化させるステップを有する。これら方法の実施形態の幾つかでは、弾性変形可能な材料の初期形状を変化させるステップは、器具の植え込み後に、力が器具から植え込み部位に伝わる際に気道を再造形するのに十分な力を吸収するステップを含む。かかるレベルの力は、代表的には、気道の通常の生理学的機能を実行可能にする仕方では動くことができない程度まで気道を再造形するには不十分である。
【0012】
上述したように、本発明は、更に、気道の閉塞を軽減する器具を提供し、かかる閉塞は、典型的には、睡眠中に起こる。この器具の実施形態は、気道形成組織部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で気道形成組織に合致するような寸法形状の植え込み型器具を有し、器具は、弾性変形可能な部分及び生体侵食性部分を含む。これら実施形態では、弾性変形可能な部分は、生体侵食性部分によって変形した形状に拘束される好ましい形状を有し、器具は、生体侵食性部分の侵食時に弾性変形可能な部分の好ましい形状に向かって戻るよう構成されている。幾つかの実施形態では、好ましい形状は、睡眠中、より開いた気道を提供するよう気道の形状を再造形するようになっている。
【0013】
この器具の代表的な実施形態では、弾性変形可能な部分は、金属又はポリマーのうちの任意の一方又は両方を含むのが良い。これら実施形態では、弾性変形可能な部分は、ステンレス鋼、ばね鋼、又は超弾性ニッケル‐チタン合金のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むのが良い。これら実施形態では、弾性変形可能な部分は、シリコーンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、又はポリオレフィンのうちの任意の1つ又は2つ以上を含むのが良い。これら実施形態では、生体侵食性部分は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチドコグリコリド、ポリグラクチン、ポリ‐L‐ラクチド、ポリヒドロキシアルカノエート、スターチ、セルロース、キトサン、又は構造タンパク質のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むのが良い。
【0014】
この器具の幾つかの実施形態は、器具が植え込まれる組織に係合するよう構成された一部分を含み、これら実施形態のうちの幾つかでは、このように構成された部分は、組織内方成長のための部位を含み、かかる内方成長は、器具と組織を互いに密接した状態に保つのに役立つと共に器具の形状の変化に順応する仕方で植え込み部位が再造形するのを促進するのに役立つ。最後に、幾つかの実施形態では、植え込み型器具は、器具を気道形成組織植え込み部位に植え込んだときに気道形成組織植え込み部位周りの通常の生理学的運動を可能にするのに十分な弾性を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、鼻部又は鼻咽腔、口腔咽頭及び咽頭領域に特に注意を払った状態の健常な人の気道の解剖学的特徴の外観図。
【図2】図2は、舌の底の後方滑り及び後咽頭壁の肥厚に起因して閉塞部が口腔咽頭領域に生じている悪化状態の気道の図。
【図3】図3は、軟口蓋の後方滑りに起因して閉塞部が鼻咽腔に生じている悪化状態の気道の図。
【図4】図4は、舌の底及び軟口蓋の後方滑り、後咽頭壁の肥厚及び喉頭蓋の後方筋緊張に起因して閉塞が口腔咽頭領域に生じている悪化状態の気道の図。
【図5】図5は、閉塞性睡眠時無呼吸を引き起こしている閉塞のある気道を開く方法のステップの流れ図。
【図6】図6A‐1〜図6D‐2は、植え込み後に短くなる形状変化器具又はこれらの部分の種々の実施形態を示す図、図6A‐1及び図6A‐2は、生体侵食性材料の包み込みにより拡張形態で安定化された拡張ばねを含む器具(図6A‐1)、生体侵食性材料の侵食時に、ばねが好ましい圧縮形態に戻り、それにより器具が短くなっている状態を示す図(図6A‐2)、図6B‐1及び図6B‐2は、拘束すると共にオプションとしてくっついている生体侵食性材料の包み込みにより拡張形態で安定化された(図6B‐1)延伸シリコーンゴム部材を含む器具、生体侵食性材料の侵食時に、シリコーンゴムが好ましい引っ込み形態に戻り、それにより器具が短くなっている状態を示す図(図6B‐2)、図6C‐1及び図6C‐2は、生体侵食性材料の包み込みにより圧潰形態で安定化された(図6C‐1)器具の長さ中に組み込まれた圧潰ランタン状構造体を含む器具を示す図、生体侵食性材料の侵食時に、側方に拘束されたランタン部材がこれらの好ましい形態に従って外方に弓形に曲がり、それにより器具を短くしている状態を示す図(図6C‐2)、図6D‐1及び図6D‐2は、好ましい正弦波形状を有する直線状に拘束された又は閉じ込められた弾性変形可能な部材を含む器具を示す図(図6D‐1)、生体侵食性材料の侵食時に、直線状に拘束された部材がその好ましい正弦波形状に戻り、それにより器具を短くしている状態を示す図(図6D‐2)である。
【図7】図7A〜図7Hは、植え込み後に短くなる形状変化器具の実施形態のライフサイクルの種々の段階を示す図であり、この器具が、その展開及び使用期間中、種々の段階にある状態を示す図であり、図7Aは、最終的に生体侵食性材料を受け入れる半径方向周囲切欠きを備えたシリコーンゴム部材を有するプロト器具であって、部材が全体として圧縮されておらず、拡張されてもいないその好ましい形状にある状態を示す図、図7Bは、いつでも組立可能な状態にある器具の生体侵食性部分を示す図、図7Cは、器具の生体侵食性部分の断面図、図7Dは、図7Aのプロト器具を拡張形態に延伸させ、全ての直線状部分を拡張させ、特に切欠き105を有し、かかる切欠きがこれらの直径が小さいために容易に延びる状態を示す図、図7Eは、切欠き中への生体侵食性材料の組み込み後の器具を示す図、図7Fは、図7Eに示されている器具の断面図であり、生体侵食性材料が弾性変形可能な材料の周りに位置している状態を示す図、図7Gは、生体侵食性材料の一部分の侵食に続き、結果的に器具が短くなった植え込み期間後における器具を示す図、図7Hは、かかる材料が侵食により完全になくなった後におけるその最終状態にある器具を示す図であり、かくして、シリコーンゴムをその好ましい(非延伸)形態に戻すことができる状態を示す図である。
【図8】図8A〜図8Cは、ランタン状部分の外方弓反りにより植え込み後に長くなった形状変化器具の一実施形態を示す図であり、図8Aは、器具を組立中で示す図、図8Bは、器具をそのいつでも移植可能な形態で示す図、図8Cは、器具を植え込み後であって生体侵食性材料の侵食後におけるその完成形態で示す図であり、器具が結果として伸長形態にある状態を示す図である。
【図9】図9A〜図9Cは、ばねの拡張による植え込み後に長くなった形状変化器具の一実施形態を示す図であり、図8Aに示されている仕方と同様、図9Aは、器具を組立中で示す図、図9Bは、器具をそのいつでも移植可能な形態で示す図、図9Cは、器具を植え込み後であって生体侵食性材料の侵食後におけるその完成形態で示す図であり、器具が結果として伸長形態にある状態を示す図である。
【図10】図10A〜図10Cは、植え込み後に曲がり部を形成しているロッド状形状変化器具又はその一部分を示す図であり、器具がその初期状態では湾曲している状態を示す図(図10A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では真っ直ぐである状態を示す図(図10B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再び湾曲している状態を示す図(図10C)である。
【図11】図11A〜図11Cは、植え込み後に湾曲部を形成した幅が広げられた平面状形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期状態では湾曲している状態を示す図(図11A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では真っ直ぐである状態を示す図(図11B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再び湾曲している状態を示す図(図11C)である。
【図12】図12A〜図12Cは、湾曲部を備えていて、植え込み後に平べったくなったロッド状形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期状態では真っ直ぐな状態を示す図(図12A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では湾曲している状態を示す図(図12B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再び真っ直ぐになっている状態を示す図(図12C)である。
【図13】図13A〜図13Cは、湾曲部分を備えていて、植え込み後に平べったくなった幅が広げられた平面状の形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期状態では平べったい状態を示す図(図13A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では湾曲している状態を示す図(図13B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再び真っ直ぐに又は平べったくなっている状態を示す図(図12C)である。
【図14】図14A〜図14Cは、湾曲部分が半径方向に拡張された曲線状の形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期且つ好ましい形態では、丸く湾曲している状態を示す図(図14A)、器具がそのいつでも植え込み可能な状態にある形態では、より鋭角的に湾曲している状態を示す図(図14B)、器具がその植え込み後且つ侵食後における形態では、再び丸く湾曲している状態を示す図(図14C)である。
【図15】図15A〜図15Cは、植え込み後にS字形曲線を呈するロッド状形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期状態ではS字形曲線を呈する図(図15A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では実質的に真っ直ぐな状態を示す図(図15B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再びS字形曲線を呈する図(図15C)である。
【図16】図16A〜図16Cは、植え込み後に平板状S字形曲線を呈する広幅の平面状の形態をした形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期状態では平面状S字形曲線を呈する図(図16A)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態では実質的に真っ直ぐな状態を示す図(図16B)、器具がその植え込み後において侵食後における形態では、再びS字形曲線を呈する図(図16C)である。
【図17】図17A〜図17Cは、周辺に取り付けられた生体侵食性縫合糸の侵食後において形状を変えるロッド状形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期形態では湾曲している状態を示す図(図17A)、器具がそのいつでも植え込み可能な状態にある形態では真っ直ぐであり、器具の長さにわたって延び、各端部が固定された縫合糸によって固定された状態を示す図(図17B)、器具がその植え込み後であり侵食後における形態では再び湾曲している状態を示す図(図17C)である。
【図18】図18A〜図18Eは、植え込み後に円板状の形を取るボウル形形状変化器具又はその一部を示す図であり、器具がその初期形態ではボウル状の部分を有しており、器具がその初期形態にあるときにはボウルの形をしている状態を示す図(図18A)、器具がいつでも植え込み可能な器具の状態に形成されているときに器具が平べったくされて生体侵食性材料と組み合わされている状態を示す図(図18B)、器具がそのいつでも植え込み可能な形態にあるときに円板状の形を取っている状態を示す図(図18C)、図18Dは、生体侵食性材料が器具を全体として扁平な形態に拘束している状態のディスク状形態の断面部分を示す図であり、器具又はその一部分がその植え込み後であって侵食後の形態においてボウル状の形態に戻っている状態を示す図(図18E)である。
【図19】図19A及び図19Bは、図20A及び図20Bの冠状図の基準として用いられている気道の矢状図であり、図19Aは、治療前における後咽頭壁の肥厚及び短縮に起因した閉塞部のある気道を示す図、図19Bは、閉塞領域の問題を解決した植え込み状態の形状変化直線拡張器具が設けられている気道を示す図である。
【図20】図20A及び図20Bは、図19A及び図19Bに示された気道の冠状の下方から見た図であり、図20Aは、圧縮状態の後咽頭壁により閉塞されている状態を示す図、図20Bは、曲線拡張形状変化器具の植え込みにより圧縮状態を解決した状態を示す図である。
【図21】一連の曲線拡張器具の植え込みにより拡張された咽頭壁の一部分の概略切除図である。
【図22】図22A〜図22Cは、軟口蓋の後方滑りにより閉塞された気道の矢状図、尾側及び/又は前方に撓む曲線を軟口蓋に提供する形状変化器具の植え込みによる閉塞部の解決状態を示す図である。
【図23】図23A及び図23Bは、尾側及び/又は前方に撓んだ曲線を軟口蓋に提供する形状変化器具の植え込みにより治療されている軟口蓋の略図である。
【図24】図24A及び図24Bは、舌の底の前方滑りにより閉塞された気道の矢状図であり、顎の中にしっかりと固定されると共に舌骨に結束され、短くなることにより舌骨を顎に向かって引き又は前進させる形状変化器具による滑りの解決状態を示す図である。
【図25】図25A及び図25Bは、舌の底の後方滑りにより閉塞された気道の矢状 図であり、顎の中にしっかりと固定されると共に舌の底のところの組織に係合し、短くなることにより舌骨を顎に向かって引き又は前進させる形状変化器具による滑りの解決状態を示す図である。
【図26】図26A及び図26Bは、図25に示された器具の変形例として用いることができる器具の実施形態の詳細図である。
【図27】図27A及び図27Bは、舌組織中に挿入され、顎の内側特徴部のところの部位に固定され、形状を曲線状に変え、舌を全体として前方にそして特に底のところでは上に引く形状変化器具の実施形態を示す図であり、図27Aは、植え込み時における器具を示す図、図27Bは、生体侵食及び形状変化後における器具を示す図である。
【図28】図28A及び図28Bは、舌の底を顎に向かって前方に引くために図24〜図27に示されている器具の変形例として用いることができる器具の別の実施形態を示す図である。
【図29】図29A〜図29Cは、図11A及び図11Bに示された実施形態の形状変化プロフィールに類似した形状変化プロフィールの実施形態を示す図であり、この実施形態が生体侵食性材料コンポーネントのための別のプロフィールを有している状態を示す図である。
【図30】図30A〜図30Dは、植え込み及びその後の生体侵食性材料の侵食後において長くなるという点において図9A〜図9Cの形状変化器具に類似した形状変化器具の実施形態を示す図であり、しかしながら、この実施形態は、ばねを生体侵食性縫合糸で固定することによりばねを圧縮形態に拘束している状態を示す図であり、図30Aは、初期状態の器具をその好ましい形態で示す図、図30Bは、器具をいつでも植え込み可能な段階で示す図であり、ばねが生体侵食性縫合糸によって圧縮状態に固定されている状態を示す図、図30Cは、器具を植え込みに続き、生体侵食性材料の部分腐食状態及び部分拡張段階で示す図、図30Dは、器具を生体侵食性材料の完全後腐食後であって完全拡張状態で示す図であり、器具の元の且つ好ましい形状に実質的に一致した形状を示す図である。
【図31】図31A〜図31Dは、いつでも植え込み可能な段階にあるときの3次元湾曲形状をしていて、生体侵食性材料の侵食時に平べったくなった器具を示す図であり、この器具は、先の器具が植え込み時に平べったい形態をなし、植え込み及び生体侵食に続き3次元ボウル状形態を取る(図18)点において或る程度までは図18A〜図18Eに示された器具を機能的に補完するものであり、図31Aは、器具が扁平であり、湾曲可能であるように設けられた葉状切れ目を有する初期状態で器具を示す図、図31Bは、ボウル状の形、例えば図31Cの断面図に示されているように湾曲部の外面に設けられたスロット内への生体侵食性材料の組み込みにより安定化された形状に形作られた後における器具を示す図、図31Dは、器具が植え込み及び生体侵食性材料の侵食に続いて戻る平べったくなった形状で器具を示す図である。この実施形態も又、組織係合又は内方成長、例えば器具が形状を変化している間、組織が器具から引き離されるのではなく、器具にくっつく傾向があるように組織植え込み部位及び器具に係合する内方成長を可能にする穴108を備えている状態を示す図である。
【図32】図32A及び図32Bは、形状変化器具が舌を前方に位置させ、それにより舌の後ろの気道を開く再造形の際に各々が形状変化を生じさせる舌の底の中に植え込まれているときの図18及び図31に示されている形状変化器具の用途を示す図であり、図32Aは、舌の底内に植え込まれた扁平であるがボウルの形をした器具を示す図、図32Bは、前方に差し向けられた湾曲部が形成される形態で植え込み、生体侵食及びその後の形状変化に続く所与の期間での器具を示す図である。
【図33】図33A及び図33Bは、3次元湾曲器具を示す図であり、凸面が舌の底で現場において前方に向いている状態を示す図であり、図33Aは、器具を植え込み直後のその部位で示す図、図33Bは、同一の器具を植え込み、生体侵食及び次の形状変化後の所与の時点において組織を前方に引き、舌の後ろの気道開口部を拡張させる3次元湾曲部を平べったくした形態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.咽頭の解剖学的構造
【0017】
図1は、咽頭の気道4を形成する構造の矢状図であり、これら構造のうちの幾つかは、これらが気道4を通る空気の通過を妨げ又は止め、かくして閉塞性睡眠時無呼吸の原因となる程度まで種々の条件下で悪化状態になっている場合がある。咽頭は、上から下へ、鼻部又は鼻咽腔1、口腔咽頭2及び咽頭3に分割されている。図1の変形形態が図2、図3及び図4に提供されており、これらの図は、気道閉塞部位5を咽頭気道内の種々の高さ位置で示している。図2は、例えば、閉塞部5を口腔咽頭2の高さ位置で示しており、ここでは、舌16の底及び肥厚した後咽頭壁22が、互いに対して崩壊し又は潰れている。図3は、閉塞部5を細長く且つ/或いは柔軟な軟組織が肥厚後方咽頭壁に当たって潰れている鼻咽腔1の高さ位置で示している。図4は、閉塞部5を喉頭部3の高さ位置で示しており、ここでは、細長い軟口蓋と柔軟な喉頭蓋の両方が咽頭壁22に当たって潰れている。
【0018】
図1〜図4を参照すると、鼻咽腔は、軟口蓋6の高さ位置又はこれよりも高い位置にある咽頭の部分である。鼻咽腔内では、逸脱した鼻中隔又は拡大した鼻介骨は、場合によっては、上気道抵抗又は閉塞の一因となる場合がある。稀なこととして、鼻内塊、例えばポリープ、嚢腫又は腫瘍は、閉塞の原因である場合がある。口腔咽頭には、軟口蓋6から喉頭蓋12の上境界部までの構造を含み、かかる口腔咽頭は、硬口蓋14、舌16、扁桃腺18、口蓋舌弓20、後咽頭壁22及び下顎骨24を有する。下顎骨は、典型的には、前方に厚さ5mm〜約10mmの骨厚さを有し、側方に同様の厚さを有する。口腔咽頭2内の閉塞は、舌16が深い睡眠又はノンレム睡眠中に筋肉活動の減退の結果として睡眠中に後方に変位したときに結果として起こることがある。変位した舌16は、軟口蓋6を後方に押し、鼻咽腔1を口腔咽頭2から封止する場合がある。舌16は又、後咽頭壁に接触する場合があり、それにより気道の閉塞が一段と生じる。
【0019】
喉頭部3は、喉頭蓋12の上境界部から輪状軟骨14の下境界部までの領域を含む。喉頭部3は、舌骨28、即ち任意他の骨と関節連結されていないU字形の自由浮動骨を更に有する。舌骨28は、種々の筋肉及び結合組織により周りの構造に取り付けられている。舌骨28は、舌16の下に且つ甲状軟骨30の上に位置している。甲状舌骨膜17及び甲状舌骨筋18は、舌骨の下境界部及び甲状軟骨30の上境界部にくっついている。喉頭蓋12は、舌骨28の下後方に位置し、正中舌骨喉頭蓋靱帯により舌骨にくっついている。舌骨は、オトガイ舌骨筋によって下顎骨24の下後方特徴部に前方からくっついている。
【0020】
B.植え込み型形状変化器具により閉塞気道を開く方法
【0021】
本発明の実施形態は、気道を形成する種々の組織中に植え込み可能な器具により崩壊又は閉塞状態の気道を開く方法を含む。器具の実施形態は、弾性変形可能な材料及び生体侵食性材料を含む。器具の変形可能な部分は、先ず最初に形成される際、好ましい形状に作られ、次にこの好ましい形状は、器具をその植え込み可能な形態に作るために生体侵食性材料を組み込むことにより又は取り付けることによりその変形形状に安定化される。組織部位内にいったん植え込まれ、かくして水性環境にさらされると共に細胞及び酵素の作用を受けると、器具の生体侵食性部分は、侵食し、それにより器具の変形可能な部分は、好ましい形態に向かって戻ることができる。方法の実施形態は、かくして、これらの最も簡単な形態では、器具の植え込み、器具の生体侵食性部分の生体侵食、生体侵食の結果としての器具の形状の変化及び器具の形状変化により及ぼされる力による組織の再造形を含む。この方法をより完全な形態で説明すると、睡眠時無呼吸を治療し又は睡眠時無呼吸を引き起こす根底にある閉塞を治療する方法は、植え込まれるべき器具を形成することによって始まることが理解されよう。これら方法は、以下に説明する図5に広義に記載されている。
【0022】
図5は、上述の基本的な形態で説明した睡眠時無呼吸を治療する方法の種々のステップを示しており、かかる方法では、生体侵食性器具を形成し、植え込み、それにより組織を器具の存在により効果的に再造形する。ステップ510では、予備器具又はプロト器具(proto-device)若しくは初期形態にある器具と考えることができる器具を器具の最終形態中に存在する変形可能な材料を含み又は実質的に含む材料から形成する。予備器具を好ましい形状に、即ちかかる戻りを阻止する拘束又は条件がない場合に器具が戻る形状に当該技術分野において知られている注型又は他の方法により形成することにより所定形状に形成する。プロト器具の実施形態は、代表的には、後で生体侵食性材料によって占められる部位又は特徴部を有している。
【0023】
ステップ520では、プロト器具をいつでも植え込み可能な器具の最終形状である形状又は形態に一致した変形形状又は形態に形作る。プロト器具のかかる変形は又、生体侵食性材料を受け入れる部位又は特徴部を改変し又は作る場合がある。
【0024】
ステップ530では、形状記憶材料を利用したプロト器具を生体侵食性材料と組み合わせ又はこれを受け入れるようにする。以下に説明するように、生体侵食性材料のかかる組み込みは、種々の仕方で生じる場合がある。例えば、生体侵食性材料は、空いている部位、例えば入口、細孔又は穴を満たす場合があり、他の実施形態では、生体侵食性材料は、変形可能な材料の頂部上に堆積可能であり、或いはプロト器具は、生体侵食性材料の層中に部分的に又は完全に収納可能である。幾つかの実施形態では、生体侵食性材料は、変形可能な材料と組み合わせられる場合、軟質又は柔軟性であるのが良い。これら実施形態では、変形可能なプロト器具を生体侵食性材料と組み合わせた後、安定性のある器具の形成を完了するために焼き入れ又は硬化ステップが必要な場合がある。他の実施形態では、生体侵食性材料は、剛性又は硬質の場合があり、この場合、生体侵食性部品を挿入した後又はこれらを定位置にスナップ嵌めした後、器具は、実質的に最終の形態を取ることができる。この方法の幾つかの実施形態では、ステップ2,3をこれらの間に区別がなくなる程度まで一体化し又はオーバーラップさせるのが良い。
【0025】
ステップ540では、完成状態のいつでも植え込み可能な器具を組織部位中に植え込み、組織は、気道の部分を形成する幾つかのもののうちの任意のものであって良く、例えば、軟口蓋、咽頭壁中の部位、又は舌である。組織植え込みは、代表的には、無傷性挿入であり、植え込み部位の形状又は形態に対する直接的な影響が最小限である。
【0026】
ステップ550では、植え込まれた器具の1つ又は複数の生体侵食性部分が侵食する。この侵食は、器具が体温で水性生物学的環境中に位置すると共に免疫系の細胞及び間質液中に存在する酵素による攻撃を受けることによって生じる。器具の生体侵食性部分が侵食すると、器具の形状記憶部分は、先に制限し又は拘束している生体侵食性材料により課される制約から次第に自由になり、器具は、好ましい形状に向かって形状を変え始める。形状変化の時間経過又は速度は、実施形態の特徴に応じて様々である。しかしながら、形状変化速度のかかるばらつきは、例えば生体侵食性材料の厚さ、体積又は接近性のような特徴を変えることにより制御でき、かかる速度は、生体内モデルシステム及び生体内研究からの経験的観察に基づいて予測可能である。
【0027】
また、植え込み後に且つ典型的には形状変化よりも速い速度で起こることは、異物の存在に対するホスト組織の生物学的反応である。かかる反応としては、時間が経つとインプラントを実質的に包み込む線維性組織の生成が挙げられる。線維性組織は、器具をホスト部位内に安定化させ、この線維性組織は、植え込みと関連した破壊又は外傷に続く組織治癒の一形態である。線維性応答は、器具と組織との間の所与のレベルのトラクションをもたらし、かかるトラクションにより、器具の形状変化は、ホスト部位の形状を次第に変化させることができると共にこれを効果的に再構成することができる。数日から数か月まで様々な時間を経る組織形状のこの漸次再構成速度は、有利であり、意図した移植後の形態に即座に対応し又は実際にかかる変化を受け入れることができる部位よりも迅速に形状を変化するインプラントとは対照的である。即時形状変化又は早すぎる形状変化の場合、植え込まれた器具は、実際に器具を再構成し又は治療的に再造形するのではなく、ホスト組織中で切れ又は侵食する恐れがあり、極端な場合、器具は、植え込み部位から分断し又は突き出る場合がある。
【0028】
かかる線維性組織による所望の組織部位中での器具の安定化は、以下に更に説明するように、実施例としての器具の組織相互作用、組織くっつき又は組織係合特徴部によって促進できる。かかる器具の特徴部としては、例えば、組織介在部位が挙げられ、それにより、線維性組織は、器具の部位の中に絡み合い状態になり又はかかる部位を通って成長する。例えばこのような組織係合部位の実施形態を穴又は細孔として説明することができ、かかる実施形態は、組織表面中に行き止まり状態になるか器具の一部分を完全に貫通する場合がある。器具の組織相互作用の観点は、実施形態の器具の複数の部分の表面積と体積の比を単に増大させる特徴、線維性組織が覆い又は入り込む支承構造又は単に表面を提供する表面積の増大又は係合する組織の関連体積の増大を含む場合がある。
【0029】
ステップ560では、植え込み部位の周りの組織は、器具の形状の変化に従って再造形状態になる。形状の変化は、植え込み部位及び器具の詳細並びに器具の好ましい形状に応じて様々である。かかるばらつきにもかかわらず、この方法の実施形態に共通しているのは、組織形状のかかる変化が気道閉塞をもたらした機能不全性形状変化を相殺することであり、従って、実施形態は、空気が気道の単位圧力当たり高い流量で気道を容易に流通するように気道によって提供される開きを増大させる。組織の再造形は、気道の開きの増大が実質的に睡眠中に顕著であるようなものである。ステップ560(組織形状変化)は、ステップ550(器具形状変化)の結果として続き、そして或る程度ステップ550の後に遅れて生じる場合がある。しかしながら、ステップ550,560と関連したプロセスは、一般に、同時に進行し、即ち、器具が形を変えているとき、力は、かかる変化によって放出されて周りの組織によって吸収され、その結果、器具の形状に一致する組織の再モデル化が促進される。
【0030】
C.気道の組織中に植え込み可能な形状変化器具
【0031】
以下に更に説明する特定の実施形態において提供されるように変形可能又は形状記憶材料100及び生体侵食性材料107を含む器具の形状変化は、様々な形式の形状変化及びかかる形式の組み合わせによって進む。本明細書において説明する実施形態としての器具及び方法により行われる形状変化は、植え込み型器具を植え込んだ後、時間の経過につれて、器具の生体侵食性部分の侵食の結果として植え込み型器具について起こる。植え込み時において、器具は、好ましい形状又は形態とは異なる形状又は形態にあり、かかる好ましい形状は、実質的に、器具の弾性変形可能な部分によって定められる。
【0032】
器具の形状変化の性状は、器具がいったん植え込まれると、器具の変形可能な又は形状記憶部分100により、好ましい形状又は形態に向かい、かかる形状変化は、器具を好ましくない又は変形した形状に拘束していた(侵食まで)生体侵食性材料107の侵食によって容易になる。実施形態としての器具が受ける形状変化が漸次であるという特徴は、器具設計の意図した特徴によるものであり、このことは、これにより植え込み部位の周りの組織の漸次且つ効果的な再造形を容易にするので有利である。形状変化器具の実施形態の別の観点は、弾性変形可能な材料がいったん生体侵食性材料による拘束から自由になると、生体侵食性材料の組み込みに先立って、これがプロト型器具の形態にある場合の柔軟性と少なくとも実質的に同等の柔軟性のままであるということにある。かかる柔軟性により、器具が再造形された組織に与える許容差という観点が形状の安定化に与えられる。気道形成組織、例を挙げると、軟口蓋、舌又は咽頭壁は、全て軟組織であり、これらは、嚥下及び呼吸と関連した動作中、更に体位の関数として、例えば、その人が立っているか横になっているかに応じて、所与の形状範囲内で撓む。かくして、本発明の実施形態により提供される気道の部分の形状の変化は、かかる組織がこれらの解剖学的形態の一部として動的に取る形状の範囲をシフトさせ、これらの生理学的機能に供することとして適切に理解できる。
【0033】
実施形態の更に別の観点では、形状変化器具及び形状変化方法は、器具とホスト組織部位が互いに係合したときに器具とホスト組織部位との間で交換される2通りの力の理解に関連している。力交換の一観点は、プロト器具を生体侵食性材料により潜在的エネルギーとして定位置に保持される好ましくない形状にするために好ましい形状にあるプロト器具に動力学的に及ぼされる力を含む。この力の大きさは、レベルF1の力であると考えることができる。この力F1は、器具をその好ましくない形状に維持することと関連した力に一致しており、かかる力は、例えば最高数か月にわたる期間にわたり器具により組織中に次第に放出される力でもある。この力F1は、これが器具から組織部位に伝えられて組織部位がこれを吸収するので組織部位の再造形の原因となる力である。
【0034】
かくして、初期器具の形状をその好ましい形状からいつでも植え込み可能な状態にある器具の好ましくない形状に変化させるのに必要な力は、気道が睡眠中に塞がれないようにするよう気道を再造形するのに十分な大きさの力である。というのは、かかる力F1は、組織部位中に放出されそれによって吸収されるからである。しかしながら、組織部位に及ぼされる力F1は、組織部位又はその周りの組織が通常の又は通常に近い生理学的機能を可能にするような仕方では動くことができない程度まで気道を再造形するのに十分なレベルを超えないのが良い。
【0035】
器具と組織部位との間における力交換の第2の観点は、F2と呼ばれる場合があり、F2は、組織部位が器具に及ぼす力の大きさにより表わされ、器具は、全体としての器具の弾性又は弾力によりかかる力を吸収する。かくして、F2を吸収することは、器具の好ましい−好ましくない形状状態とは実質的に独立していて、器具及び全体的器具設計を含む材料から推定される材料器具設計の性質である。ホスト組織部位内における器具の全体的弾性に影響を及ぼす器具の変形可能な部分の設計又は形状の単純な例として、薄い器具は、同一材料の厚い器具よりも弾性が高い。かくして、力F2は、器具が植え込み部位の通常の生理学的運動に応答したときに器具が受ける運動に関し器具の弾性又は弾力と関わり、これは、その通常の機能の一部として動的に変化する組織内における器具の挙動の重要な特徴である。
【0036】
本発明の器具及び方法の実施形態は、器具に対する力F1,F2、ホスト組織に及ぼされるべき所望の形状変化の量及びホスト組織部位の自然の且つ適正な機能に固有の運動及び形状変化の量のバランスを適切に取る。一例を挙げると、形状変化力F1の大きさが過剰である場合、図24〜図28に示された実施形態の場合のように、舌の底を遠すぎるほど前方に引いて力F2に打ち勝つことが容易であり、これは、嚥下を邪魔する場合がある。器具の剛性が高すぎる場合、嚥下中、舌の自然の運動を不可能にすることも容易である。一般に、組織形状変化を行うのに必要な力F1の大きさは、嚥下に関与する非常に強い筋肉の力(F2に相当する)と比較して比較的小さい。したがって、本明細書において提供される形状変化器具の実施形態は、通常の組織機能と適合性があるようF1に一致した適当なレベルの潜在的エネルギー及びF2に一致した全体としての器具の適当なレベルの弾性を備えるよう設計されている。F1,F2の適当なレベルは、互いに独立しているのがよいが、幾つかの実施形態では、適当なレベルは、正であるか負であるかのいずれかの関係を有する場合がある。かかる関係が存在する実施形態では、F1とF2を互いに関連づける適当な比又は機能が更に存在する。
【0037】
器具の材料
【0038】
実施形態としての器具の変形可能な部分を構成する弾性変形可能又は弾性の材料としては、強制的に初期又は好ましい形状から変形又は異形の形状に変形可能であり、次に、これらの材料の性質により、変形力又は拘束力を除いたときに好ましい形状に戻ることができるプラスチック又は金属が挙げられる。本明細書において説明する器具に適した変形可能なプラスチックは、当業界において周知であり、かかるプラスチックとしては、単に例を挙げると、シリコーンゴム(Silastic(登録商標))、ポリエステル、ポリウレタン及び/又はポリオレフィンが挙げられる。本明細書において説明する器具に適した弾性変形可能な金属としては、単に例を挙げると、ステンレス鋼、ばね鋼、形状記憶超弾性金属、例えばニッケル‐チタン合金(NiTi、ニチノール(Nitinol))が挙げられる。器具の実施形態の弾性変形可能な部分は又、例えば例を挙げるに過ぎないが、ニチノールワイヤが埋め込まれた弾性ポリマー部分のような材料の組み合わせから形成されても良い。
【0039】
生体侵食性材料は、生物学的環境にさらされると、侵食し、劣化し、吸収され、再吸収され又はその構造的一体性を失う任意の材料として理解できる。生体侵食性材料は、代表的には、天然ポリマーと合成ポリマーの両方であり、かかるポリマーとしては、例えば例を挙げるに過ぎないが、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチドコグリコリド、ポリグラクチン、ポリ‐L‐ラクチド、ポリヒドロキシアルカノエート及び多糖類、例えばスターチ、セルロース及びキトサン並びに構造タンパク質、例えば例を挙げるに過ぎないがコラーゲンである。特定の実施形態の中には、炭酸カルシウムを成分とするセラミック材料が挙げられ、適当な材料の現代における例は、オルトビタ(Orthovita)(米国ペンシルベニア州マルバーン所在)社製の再吸収可能なベータ‐トリカルシウムホスフェートであり、これは、ケンシー・ナッシュ・コーポレイション(Kensey Nash Corporation)(米国ペンシルベニア州エクストン所在)によりコラーゲン及び合成ポリマーを加えて更に処方されている。さらに、実施形態としての器具の弾性変形可能な部分の場合のように、実施形態としての器具の生体侵食性部分は、かかる材料の組み合わせを含んでも良い。
【0040】
体内での生体侵食性材料の劣化速度は、材料の組成に従って様々であるが、これが予測可能になるようモデルシステムで実験的に試験可能である。さらに、生体侵食性材料の一領域の侵食速度は、材料の形態及び暴露によって制御できる。例えば、領域が大きければ大きいほど又は厚ければ厚いほど、小さく又は薄い領域よりもそれだけゆっくりと劣化する。露出表面積と体積の比は、全体として侵食性の部位の劣化速度に影響を及ぼすであろう。幾つかの実施形態では、別々の生体侵食性領域が互いに異なる速度で劣化するよう器具内に別々の生体侵食性領域を構成するのが有利な場合がある。生体侵食に関して制御又は予測性を与えることができる別の設計上の特徴として、特に侵食を受けやすい領域を組み込むことが挙げられ、かかる部位は、慎重に設計されると共に位置決めされる破断又は脆弱性箇所である。このように生体侵食が段階的に行われる状態で、弾性変形可能な材料は、プログラムされた仕方で又は段階的に侵食性材料による拘束から解除可能である。生体侵食性ポリマーのユニットを製作する方法は、当該技術分野においては周知であり、一般に、例えば成形又は異形材押し出しのようなプロセスを含む。
【0041】
実施形態としての植え込み型器具に含まれる生体侵食性材料は、これらの劣化有用性及び植え込まれた器具それ自体からの取り外しに加えて、溶出可能な生体活性剤の送り出しに利用できるので有利である。生体侵食性材料の侵食中に溶出される例えば薬剤又はホルモンのような生体活性剤は、例えば、植え込みによる創傷の治癒を促進し又は例えば植え込まれた器具の周りに生じる線維性組織のカプセルの強靱化を促進することにより組織部位内における植え込まれた器具の安定化を促進するのに役立ちうる。
【0042】
形状変化の形式
【0043】
本明細書に説明すると共に図示されている(図6〜図29)形状変化器具は、3つの基本的な段階を経て形状変化を行うライフサイクルを有するものとして広義に理解できる。本明細書において説明する形状変化器具は、製造中における形態又は段階の細部又は植え込み後の状態若しくは意図した植え込み部位とは無関係に、一般に器具200と称される場合がある。器具200の初期段階は、「器具」、「プロト器具」、「初期器具」と単純に様々に呼ばれる場合があり、これは、いつでも植え込み可能な状態の前にある形態の器具の言い方であり、或いは、幾つかの場合においては、部品のキット又は分解組立体がこのように表示される場合がある。幾つかの実施形態では、初期器具は、単に、生体侵食性材料107の組み込み前における好ましい形状又は形態にある器具の弾性変形可能な部分100である。キット一式又はプロト器具200は、それ自体器具に組み込まれる準備ができている形態にある生体侵食性材料並びに任意の補助部品、例えば組織安定化端部バー又は端部品205若しくは組織コネクタ111、例えばねじを更に有する場合がある。
【0044】
器具の第2の段階は、好ましくない形状、即ち、気道形成組織内の部位に植え込まれるのに適した形状若しくはいつでも植え込み可能な形状に配置された後の弾性変形可能な材料を有するいつでも植え込み可能な器具200′(200プライム)である。上述の方法の説明を行うと、器具を製作するプロセスは、プロト器具200の弾性変形可能な部分を適当に形作られた又は異形の形状にするステップと、その部分と生体侵食性材料107を組み合わせるステップとを含む。組み込まれた生体侵食性材料107は、プロトタイプ又は初期器具の弾性変形可能な材料を変形形状で安定化させる。かくして、完全な且ついつでも植え込み可能な器具200′は、互いに組み合わされた弾性変形可能な材料と生体侵食性材料を含む。生体侵食性材料は、特に弾性変形可能な材料中の特定の部位105に組み込まれるのが良い。完全ないつでも植え込み可能な器具200′は、例えば組織安定化特徴部205又は組織コネクタ207のような補助特徴部を更に有するのが良い。器具200′の植え込み後、受け入れ部位105内の侵食性材料107は、侵食し始め、かかる侵食により、器具は、全体として、形状を変え始め、最終的に最終状態200″、即ち、器具の弾性変形可能な部分100の好ましい形状により実質的に定められる形状に到達する。かくして、現場での器具のこの最終形状(又は特に、上述の形状変化器具の全体的説明によれば、最終形状範囲)は、好ましくない形状と比較して、プロト器具200の形状により表わされている好ましい形状に向かう。幾つかの実施形態では、器具200″(200ダブルプライム)の最終形状は、初期器具200の最終形状と実質的に等しいのが良く、他の実施形態では、変化した形状は、初期器具200の形状には完全には戻らない場合がある。初期器具200と植え込まれた侵食後の器具200″の形状相互間の類似点又は相違点の程度は、例えば器具の弾性変形可能な部分100の弾性及び器具が植え込まれるホスト組織によりもたらされる抵抗の大きさのような変数の関数である場合がある。
【0045】
器具の形状又は形態の変化のもう1つの観点は、初期器具200、いつでも植え込み可能な器具200′及び侵食後の器具200″中に存在する場合のある侵食性材料受け入れ部位又はスロット105の形状又は条件と関連している。初期器具200内の空の部位105の形状は、全体としての器具の形態に応じて様々であるが、一般に、空の部位105は、スロット又は圧縮され若しくは平べったくなったスペースの形態を取るであろう。侵食性材料で満たされた部位105′の形状は、これらの満杯形態であろう。形状が変化した器具200′中の空の侵食後受け入れ部位105の形状は、初期器具の部位105の形状に実質的に戻る。プロト器具200の幾つかの実施形態は、別個の生体侵食性材料待機部位を備えておらず、生体侵食性材料で満たされた部位105は、例えば生体侵食性材料が例えば図6に示されている実施形態で理解されるように、一部又は全体として器具を収容し、覆い又は充填している場合、いつでも植え込み可能な器具の広義の特徴若しくは観点又は部分を形成する場合がある。さらに、上述したように、幾つかの実施形態では、生体侵食性材料は、この材料が侵食しているときにこの材料から次第に放出される生物活性剤のリザーバとなることができる。生体侵食性材料の収納層を利用した実施形態としての装置は、生体活性剤を植え込み部位中に溶出するのに特に適している場合があり、それにより有利な治癒応答が促進される。
【0046】
次に、説明を形状変化器具200′の種々の形式の幾何学的観点に関する基本的な説明に戻し、かかる説明は、気道を内張りする組織中へのこれらの植え込みに続いて行われる。器具は、短くなり(図6及び図7)又は長くなる(図8及び図9)場合があり、かかる短縮化又は伸長化は、実質的に直線状の又はロッド状器具若しくは器具の直線状部分との関連で起こる場合があり、かかる短縮化又は伸長化は、更に、実質的に平面状の器具又は器具の平面状部分の直線寸法との関連で起こる場合がある。典型的には、植え込まれた器具を短くすることは、器具の特定の特徴により器具に対して粘着性があり又は植え込まれた器具の端部に結合される組織を引き又は圧縮するのに役立つ。短くなった器具が2つの組織から固定部位を互いに引くことにより形状変化を行う実施形態の例について以下に説明し、この場合、植え込まれた器具の実施形態は、一端が舌骨に固定され、他端が下顎骨中の部位のところに固定され(図24)、器具の短縮により、舌の底は、前方に動き、それにより気道が開かれる。別の例では、植え込まれた器具の実施形態は、一端が舌の底のところの組織中に固定され、他端が下顎骨中の部位のところに固定され(図25〜図28)、器具の短縮(先の例の場合と同様)により、舌の底が前方に動き、それにより気道のその局所部分が開かれる。基本的に単一の寸法との関連で上述した器具の短縮又は伸長化は、2次元においても起こる場合がある。例えば、構造の細部に応じて、実施形態としての装置は、x軸及びy軸に沿って伸縮する場合がある。幾つかの実施形態では、拡張は、一方の軸線に沿って起こり、収縮が他方の軸線に沿って起こる場合がある。さらに、軸線は、互いに垂直である必要はない。別々の軸線に沿う形状変化のこれらばらつきの効果は、表面領域の伸縮の際に顕著である場合があり、それにより、第3の寸法方向における形状変化が更に生じる場合がある。
【0047】
器具は又、いったん植え込まれて生体侵食されると湾曲部を形成することにより(例えば、図10、図11、図15、図16)形状を変えることができ、かかる湾曲部形成は、実質的に直線状の若しくはロッド状器具又は器具の直線状部分との関連で生じるのが良い。かかる湾曲部形成は又、実質的に平面状の器具の直線寸法部分又は器具の平面状部分との関連でも起こることができる。湾曲部形成は、複雑な直線パターンについても起こることができ、例えばロッド状器具は、直線区分に沿って曲率度が変化しても良く、湾曲部は、S字形湾曲部又は多数のS字形湾曲部を正弦波状に作るようロッドの直線部分に沿って交互の方向に生じることができる。
【0048】
器具は又、既に形成されている湾曲部を平べったくすることにより(例えば、図12及び図13)形状を変えることもできる。かかる湾曲部平坦化は、実質的に直線状の若しくはロッド状器具又は器具の直線状部分との関連で生じることができ、かかる湾曲部平坦化は、実質的に平面状の器具の直線寸法部分又は器具の平面状部分との関連で生じることができる。S字形部分又は正弦波部分の形成とは逆の仕方で、かかる複雑な湾曲部を全体として又は漸変する度合いに平坦化することができる。
【0049】
湾曲部形成は、2次元寸法及び3次元寸法についても生じることができ、例えば、平べったい若しくは平面状の器具又は器具の平面状部分は、器具の観察の仕方に応じて、カップのような形状(例えば図18)、凸若しくは凹状部分を形成するよう形を変化することができる。同様に、湾曲部平坦化は、2次元寸法及び3次元寸法についても生じることができ(例えば図18)、例えば、2次元器具又は器具の実質的に2次元部分は、カップのような形状(器具の観察の仕方に応じて凸若しくは凹状部分)から平坦化形状に変化することができる。
【0050】
形状変化の説明
【0051】
次に、上記において基本的な幾何学的用語で説明したように気道を形成する組織中に植え込み可能な器具の形状変化について具体的に説明すると共に図示するが、これらは、種々の器具実施形態によって作られる。図6A〜図6D及び図7は、弾性変形可能な材料及び生体侵食性材料を有する植え込み型器具が短縮化によって形状を変化することができる種々の方式を示している。これらの図及び他の図では、符号100′は、弾性変形可能な材料をその好ましくない状態で、例えば、拡張された状態で示しており、符号100は、弾性変形可能な材料をその好ましい状態に戻った後の状態で、例えば非拡張状態で示している。符号105は、まだ充填されていない空の状態で生体侵食性材料のための部位又は生体侵食性材料が侵食した状態の部位を示しており、符号105′は、生体侵食性材料で満たされた部位を示している。さらに、上述したように、符号200′は、器具をその植え込み可能な状態、器具の弾性変形可能な部分については好ましくない形態で示しており、符号200″は、生体侵食後であって器具の弾性変形可能な部分について好ましい形状に向かって戻っている状態で示している。図6A‐1及び図6A‐2は、器具200′が生体侵食性材料の包み込みにより拡張形態に拘束されたばねの形態をした変形可能なコンポーネントを有する実施形態を示している。生体侵食性材料の侵食及びその結果としての形状変化後、ばねの形の弾性変形可能な材料がその好ましい非拡張形状に弾性的に戻った結果として器具200′よりも短い器具200″が生じる。
【0052】
図6B‐1及び図6B‐2は、シリコーンゴムコアが延伸され、次にコアをその延伸形態に保持する生体侵食性材料の層の中に包み込まれている(図6B‐1、器具200′)同様な実施形態を示している。幾つかの実施形態では、シリコーンゴム材料と生体侵食性材料との間の広い領域にわたる相互付着力は、この形態の拘束に寄与し、他の実施形態では、侵食性部分と変形可能部分は、必ずしも相互に付着する必要はない場合がある。植え込み及びその後の生体侵食性材料の侵食の期間に続き、シリコーンゴム材料がその好ましい短い状態に引っ込んだ結果として、器具200′よりも短い器具200″(図6B‐2)が生じる。
【0053】
図6C‐1及び図6C‐2は、変形可能材料のランタン状構造体が生体侵食性材料の層の中にくるみ又は包み込むことにより側方圧縮形態に保持された器具200″の実施形態を示している。ランタン状構造的コンポーネントは、生体侵食性材料が侵食すると生じる好ましい弓反り外方形状を有し、それにより、変形可能コンポーネントは、外方に弾性的に弓反りになることができ、かくして器具の直線寸法を縮め、それにより器具200″が生じるようになる。
【0054】
図6D‐1及び図6D‐2は、ニチノールを主成分とする中央コンポーネントが好ましい状態の1つ又は2つ以上の湾曲部を有するが、このコンポーネントが生体侵食性材料の形状拘束包み込みによって直線形態に保持されている器具200′の実施形態を示している。生体侵食性材料の侵食時に、ニチノールコアは、その好ましく且つ多くの湾曲部を備えた形態を取り、それによりその元の形態200′よりも短い器具200″が生じる。
【0055】
図7A〜図7Gは、短縮可能な器具をかなり詳細に示している。図7Aに示されているように、実施形態としての器具200は、生体侵食性材料を組み込むための介在する円周方向周辺切欠き又は利用可能な部位を備えた中央コアの形態をしているシリコーンゴムコンポーネント並びに幅の狭いロッド部分の周りに円周方向にスロット105内に嵌まり込むよう構成された生体侵食性材料セグメント107を有している。参照線7Bは、図7Bに見える断面の位置を示している。参照線7Cは、図7Cに見える断面の位置を示している。図7Dでは、器具は、拡張形態に(好ましくない形状)に延伸されている。理解できるように、スロットは、特に、図7Aに見えるこれらの長さと比較して拡張されている。 図7Eでは、生体侵食性材料のセグメント107は、いつでも植え込み可能な器具を形成するようスロット105内に嵌め込まれている。図7Eの参照線7Fは、図7Fに見える断面の場所を示している。図7Gは、生体侵食性材料107の部分侵食を可能にした所与の期間後において現場で見える状態で器具を示している。理解できるように、この特定の実施形態では、部分侵食は、生体侵食性材料により占められた器具の領域を部分的に短くしている。図7Hは、生体侵食性材料の全てが侵食して除かれ、後には、今や実質的にシリコーンゴム材料から成る器具が残り、今やその好ましい且つ縮まった又は短い長さに戻った器具200″を示している。
【0056】
図8及び図9は、変形可能材料及び生体侵食性材料を有する植え込み型器具が伸長化により形状を変えることができる例示の方式を示している。図8Aは、プロト器具200をその製作中の或る時点で示している。この特定の実施形態では、弾性変形可能な部分は、生体侵食性材料を受け入れることができるランタン状形成領域を有し、この場合、コンポーネントは、(1)器具の全長を短くすることにより且つ(2)生体侵食性材料のユニット107を受け入れることができる部位105を形成することにより外方に弓反りになることができ、生体侵食性材料のユニット107は、この部位の中にいったん配置されると、ランタン状外方弓反りコンポーネントをこれらの弓反り形態で安定化させる。ランタン状コンポーネントの好ましい状態は、器具200の上方部分に示されている真っ直ぐな形態である。図8Bは、各々生体侵食性ユニットが収納されることによって安定化された2つの外方弓反り領域を備えた器具をそのいつでも植え込み可能な形態200′で示している。図8Cは、器具をその侵食後の形態200″で示しており、この場合、生体侵食性ユニットは侵食されて除去され、かくして、ランタン状外方弓反り領域が側方に縮んでこれらの好ましい形状になることができ、かくして器具が元の器具200′に対して全体として長くなっている。
【0057】
図9A〜図9Cは、ライフスタイルにおける種々の段階においてばねの拡張により植え込み後に長くなった形状変化器具の実施形態を示している。図9Aは、器具キット200をばねの形態をした器具100の弾性変形可能な部分から組み立てられているプロセスで示しており、組織安定化端部品205及び生体侵食性材料107が待機状態にある。また、生体侵食性材料のための空の受け入れスペース105が示されている。図9Bは、組み立て状態の器具200′をそのいつでも植え込み可能な形態で示しており、ばねの形をした部分100′は今や圧縮され、生体侵食性材料107は、ばねのコイル内の定位置に存在している。図9Cは、器具200″を植え込み後のその最終形態で示しており、生体侵食性材料は、今や侵食されてなくなっており、その結果、器具は、伸長形態にある。
【0058】
図30A〜図30Dは、器具200′が植え込み時及びばね状機構体を圧縮状態に保持する生体侵食性材料の侵食時に長くなる点において図9A〜図9Cに示されている実施形態と同様の実施形態を示している。しかしながら、この実施形態では、生体侵食性材料の包み込みを行わないで、生体侵食性材料は、生体侵食性縫合糸107の形態をしている。図30Aは、器具をその初期形態200で示しており、変形可能な材料はその好ましい非圧縮形態にある。図30Bは、器具200′をいつでも植え込み可能な形態で示しており、弾性変形可能な材料は、縫合糸107′によって保持された圧縮形態にある。図30Cは、器具200′を部分的に侵食され、その結果部分的に拡張した形態で示している。図30Dは、器具200″をその最終形態で、且つ弾性変形可能な材料についてその元の好ましい形状に向かって拡張され、生体侵食性縫合糸材料が今やなくなっている状態で示している。生体侵食性縫合糸の使用状態は、以下の図17に示された器具実施形態でも見える。この実施形態では、縫合糸は、圧縮形態の器具のそれぞれの端部を互いに連結することができ、これら縫合糸は又、種々の途切れ途切れの場所で器具の圧縮部分を互いに連結することができる。さらに、ここでは縫合糸の形態をしたかかるセグメント状拘束手段は、生体侵食に対するこれらの抵抗又は感受性に関して互いに様々であって良い。かかる構造における可変侵食速度の効果として、器具は、拘束手段がこれらの様々な速度で侵食すると、段階的に拡張することができる。侵食速度を多くの方式及びこれらの組み合わせ、例えば様々な材料の使用若しくは例えば同一材料の縫合糸の厚さを変えることにより変化させることができる。
【0059】
図10及び図11は、湾曲部を形成することにより弾性変形可能な材料及び生体侵食性材料を有する植え込み型器具が形を変えることができる例示の方式を示している。図10Aは、好ましい湾曲形態にある変形可能な材料で構成され、生体侵食性材料片107を挿入できる部位105を備えた直線プロト器具200を示している。図10Bは、いつでも植え込み可能な器具200′を示しており、この器具の変形可能な部分100内に設けられた部位105には生体侵食性材料107が入っている。かかる挿入により、器具200は、真っ直ぐな形態を取るようになる。図10Cは、今や生体侵食性材料の侵食に続く形態200″で器具を示しており、かかる侵食により、変形可能な部分は、その好ましい形態を再び取るよう自由にされており、器具200″に湾曲形状が与えられている。
【0060】
図11Aは、好ましい湾曲形態にある弾性変形可能な材料で構成され、生体侵食性材料片107の挿入のための直線部位105を備えた平面状プロト器具200′を示している。図11Bは、いつでも植え込み可能な器具200′を示しており、この器具の変形可能な部分100内に設けられた部位105には生体侵食性材料107が入っている。かかる挿入により、器具200′は、真っ直ぐな平面状の形態を取っている。図11Cは、今や生体侵食性材料の侵食に続く形態200″で器具を示しており、かかる侵食により、変形可能な部分は、その好ましい形態を再び取るよう自由にされており、器具200″に湾曲した平面状の形状が与えられている。
【0061】
図29A〜図29Cは、図11A及び図11Bに示されている実施形態の形状変化プロフィールに類似した形状変化プロフィールを有する実施形態を示しており、この実施形態は、生体侵食性材料コンポーネント107について別のプロフィールを備えている。かくして、この実施形態は、当初、湾曲した初期器具200(図29A)として形成され、この器具200は、実質的に扁平な植え込み器具200′(図29B)に形成され、この器具200′は、移植及び生体侵食性材料の次の侵食時に、湾曲した平面状器具200″(図29C)に変化する。生体侵食性材料セグメント107は、図29A及び図29Bで理解されるように、それぞれ図10及び図11に示された球形又は円筒形の形態とは対照的にくさび形状になっている。生体侵食性セグメントの形態は、かくして、様々であって良く、くさび形状は、かかる変形例のうちの一例に過ぎず、器具の製作プロセスにおいて利点をもたらすことができる例である。
【0062】
図12及び図13は、湾曲部を平べったくすることにより弾性変形可能な材料及び生体侵食性材料を有する植え込み型器具が形を変えることができる例示の方式を示している。図12Aは、好ましい真っ直ぐな形態にある変形可能な材料で構成され、生体侵食性材料片107を挿入できる部位105を備えた湾曲プロト器具200を示している。図12Bは、いつでも植え込み可能な器具200′を示しており、この器具の変形可能な部分100内に設けられた部位105には生体侵食性材料107が入っている。かかる挿入により、器具200′は、湾曲した形態を取るようになる。図12Cは、今や生体侵食性材料の侵食に続く形態200″で器具を示しており、かかる侵食により、変形可能な部分は、その好ましい形態を再び取るよう自由にされており、器具200″に真っ直ぐな形状が与えられている。
【0063】
図13Aは、好ましい真っ直ぐな形態にある弾性変形可能な材料で構成され、生体侵食性材料片107の挿入のための直線部位105を備えた平面状プロト器具200を示している。図13Bは、いつでも植え込み可能な器具200′を示しており、この器具の変形可能な部分100内に設けられた部位105には生体侵食性材料107が入っている。かかる挿入により、器具200′は、湾曲した平面状の形態を取っている。図13Cは、今や生体侵食性材料の侵食に続く形態200″で器具を示しており、かかる侵食により、変形可能な部分は、その真っ直ぐな形態を再び取るよう自由にされており、器具200″に湾曲した平面状の形状が与えられている。
【0064】
図14A〜図14Cは、既存の曲率を拡張する形状変化器具の実施形態を示している。図14Aは、プロト器具200を好ましい形態で、この場合、U字形又は蹄鉄形状に形作られたロッドとして示している。円周方向生体侵食性材料部位105(この時点では空である)の外側の特徴が、幅の狭い切れ目として理解できる。図14Bでは、器具200′は、細幅の(狭められた)又はV字形形態にされており、生体侵食性材料部位105は、生体侵食性材料107で満たされており、かかる充填により、器具は、細幅形態で安定化されている。図14Cは、今や生体侵食性材料が侵食してなくなった後における器具200″を示しており、器具は、半径方向に拡張しており、弾性変形可能な材料100は、その好ましい形状に戻っている。この種の器具は、以下に説明すると共に図11A〜図21C及び図22に示されているように、細くなった咽頭通路を拡張するのに役立つ。
【0065】
図15A〜図15Cは、植え込み型ロッド状器具又は単純なS字形を形成する2つの逆向きの湾曲部を備えた器具の直線部分の形成の一例を示している。図15Aは、好ましいS字形の形態にある弾性変形可能な材料で構成され、生体侵食性材料片107の挿入のための直線部位105を備えた平面状プロト器具200を示している。図15Bは、いつでも植え込み可能な器具200′を示しており、この器具の変形可能な部分100内に設けられた部位105には生体侵食性材料107が入っている。かかる挿入により、器具200′は、真っ直ぐな平面状の形態を取っている。図15Cは、今や生体侵食性材料の侵食に続く形態200″で器具を示しており、かかる侵食により、変形可能な部分は、その好ましい形態を取るよう自由にされており、器具200″にS字形の平面状の形状が与えられている。図16A〜図16Cは、図15A〜図15Cの一連の流れと類似した一連の流れを示しており、この場合、器具又は器具の一部分は、ロッドではなく平面状の形態に構成されており、平面は、主軸線に垂直に延びている。
【0066】
本発明の他の実施形態は、交互に位置する湾曲部のこの方式に対する変形例を含むものと理解することができる。例えば、挿入部位105の間隔並びに器具の弾性変形可能な部分の厚さに対するかかる挿入部位の寸法及び深さを変えることにより、挿入部位により表わされた各頂点のところに形成されている角度を制御することができるということが更に理解できる。図示した全体としてロッド状の形の実施形態は、ロッドの各側に設けられた挿入部位105を有しており、図15A〜図15Cに示されている実施形態の場合、挿入部位105は、ロッドの半径方向反対側の側部に位置する。かくして、理解できることとして、本発明の他の実施形態は、挿入部位がロッド上の単一の半径方向位置又は2つの互いに反対側の半径方向位置に限定されず、これとは異なり、ロッドの周りに巻くように設けられるのが良い実施形態を含み、それにより、コルク栓抜き状に湾曲した実施形態が構成される。かくして、種々の実施形態は、真っ直ぐであるかコルク栓抜き状であるかの好ましい形態を有することができ、挿入部位中への生体侵食性材料の組み込みの際、曲げられてそれぞれコルク栓抜き状又は真っ直ぐな形態になり、生体侵食性材料の侵食時に、再び好ましい形態を取る。
【0067】
図17A〜図17Cは、周辺に取り付けられた生体侵食性縫合糸の侵食後に形を変えるロッド状形状変化器具又はその一部を示している。縫合糸の使用は、上述したように図30A〜図30Dに示された実施形態によっても示されている。この器具は、その初期形態200(図17A)では湾曲している。器具は、そのいつでも植え込み可能な形態200′(図17B)では、真っ直ぐであり、縫合糸が器具の長さにわたって延び、各端部が固定されることによって固定されている。器具は、その植え込み後であって侵食後の形態200″(図17C)では、もう一度湾曲状態になる。関連の実施形態は、より複雑な湾曲部を有しても良く、又、逆の好ましい形状、即ち、好ましくない形状方式を有しても良く、この場合、器具は、植え込み時に湾曲し、拘束している生体侵食性縫合糸の侵食中に真っ直ぐになる。さらに、他の実施形態では、包囲している溝が変形形態で定位置に位置しても良く、これら溝は、溝内での縫合糸の滑りを止めることができるよう互いに間隔を置いたところに深い部分を有するのが良い。また、多数の縫合糸セグメントが設けられても良く、セグメントは、厚さが様々であって良く、従って、これらの侵食時間は様々であり、器具を長期にわたってその形状拘束状態から解除することができる。
【0068】
図18A〜図18Eは、いったん植え込まれると、器具の2次元の実質的に平らな部分が3次元形状を取ることができる形状変化の一例を示している。この特定の実施形態では、ボウル状形状変化器具又はその一部分は、植え込み後に円板状の形状を取る。初期器具の弾性変形可能部分100は、その初期形態(図18A)では、ボウル状であり、これは、その内側特徴部に設けられていて、生体侵食性材料を受け入れるスロット105を有している。器具200をいつでも植え込み可能な器具に形成しているとき(図18B)、器具を平べったくして生体侵食性材料107と組み合わせる。器具は、そのいつでも植え込み可能な形態200′(図18C)では、円板状の形を取り、生体侵食性材料107′は、受け入れスロットを満たしている。図18Dは、器具を全体として扁平な形態で拘束する種々の形態(105A〜105D)の生体侵食性材料受け入れスロットを備えた円板状形態の断面部分を示している。器具又はその一部は、その植え込み後であって侵食後における形態(図18E)では、ボウル状の形態に戻っている。図18に示されている実施形態は、全体として同心であり、対称であり、且つ円周方向に途切れていない生体侵食性材料挿入部位又はスロット105を有している。挿入部位又はスロットは、例えば、非対称であっても良く、円周方向に途切れた弓形部を有しても良い。かかる変形例により、有限の変形例のうちで非対称のボウル状又はカップ状の形を好ましい形状として又は好ましくない形状として形成することができる。
【0069】
図31A〜図31Dは、いったん植え込まれると、3次元器具又はその一部分が実質的に扁平な器具になるよう形を変化することができる形状変化の一例を示している。手短かにいえば、図31A〜図31Dは、植え込み準備ができた段階にあるとき、3次元湾曲形状を有する器具を示しており、この器具は、生体侵食性材料の侵食時に平べったくなる。この器具は、先の器具が植え込み時に平べったい形態をなし、植え込み及び生体侵食に続き3次元ボウル状形態を取る(図18)点において或る程度までは図18A〜図18Eに示された器具を機能的に補完する。図31Aは、弾性変形可能な部分100が扁平であり、湾曲可能であるように設けられた葉状切れ目112を有する初期状態で器具を示している。図31Bは、ボウル状の形、例えば図31Cの断面図に示されているように湾曲部の外面に設けられたスロット内への生体侵食性材料の組み込みにより安定化された形状に形作られた後における器具200′を示している。図31Dは、器具が植え込み及び生体侵食性材料の侵食に続いて戻る平べったくなった形状で器具200′を示している。
【0070】
この実施形態の好ましい形状(図31A)が、好ましくない形状(図31B)になるよう強いられているとき、かかる形状変化に伴う表面の圧縮が受け入れられる必要がある。かくして、器具の形成のこの観点は、より複雑であり、図18に示されている実施形態の場合のように、所謂湾曲部形成器具の製作の際に生じる延伸の逆ではない。形状圧縮は、以下に更に説明するように切欠き又は葉状切れ目112という特徴部の使用により形状変化方法の実施例によって取り扱われる。生体侵食性材料107は、弾性変形可能部分100に結合される前に、図31Aで見え、又、図31Bでは、弾性変形可能部分が今や植え込み型器具100′の好ましくない形状に形成されている状態が図31Bに見え、その断面図(図31C)が示されている。
【0071】
例えばこれらのような形状変化器具(即ち、3次元湾曲部から2次元の平らな表面への変化)の実施形態は、他の有利な特徴を更に有する場合がある。器具を貫通して設けられた穴、隙間又は細孔108により例示されているような組織係合特徴部は、植え込み後における器具内への組織の内方成長を可能にする。実施形態としての器具を貫通し又はこれを横切る内方成長のこれら部位は、器具と組織との係合を生じさせ、組織がない場合、器具の表面が引き方向に前進しているときに器具から引き離れる場合がある。これら細孔108は、幾つかの実施形態では、器具がそのいつでも植え込み可能な形態にあるときに生体侵食性材料によって占められる場合があり、かかる穴は、更に、形状変化中、材料の圧縮を可能にする部位を提供することにより器具が形状を変えることができる能力に寄与する場合がある。
【0072】
いつでも植え込み可能な形態では湾曲していて、好ましい形状に戻る際に平べったくなる形状変化器具の実施形態は、葉状切れ目特徴部112を有するのが良く、これら葉状切れ目特徴部は、器具の周辺領域から器具の中心に向かって進む切れ目の形態をした器具の別々の部分である。平べったい形態の初期又はプロト器具の葉状切れ目空間により、3次元湾曲部をもしそうしなければ生じる圧着、折り曲げ又はしわ寄せなしに、器具又はその一部分に与えることができる。器具が全体として3次元又はボウル形湾曲部に形成されるとき、葉状切れ目は、第3の寸法方向に互いに結合する。いつでも植え込み可能な形態にある器具から形状安定化生体侵食性材料が侵食して除かれて器具が平べったくなると、葉状切れ目は、器具の葉相互間の分離部として再び現われる。例えば図31及び図18に示されている器具のような実施形態としての器具は、以下に更に説明するように図32A、図32B、図33A及び図33Bにおいて現場環境にある状態で示されている。
【0073】
さらに、形状を基本的な仕方で幾何学的に変化させる種々の上述の方式を組み合わせることにより、極めて多くの種々の形状変化形態を植え込み型器具に具体化できることは理解されよう。これら方式により、極めて多くの多様な組織形成方式をかかる形状変化器具により生じさせることができる。
【0074】
D.現場における形状変化器具:気道の再構成
【0075】
次に、気道を形成する種々の組織部位中に植え込まれた場合の種々の特定の器具実施形態及びこれらの気道開放効果に関して幾何学形状変化の観点において上述すると共に図示した種々の形状変化器具について説明する。図19〜図21は、咽頭壁内に植え込まれた気道開放器具の実施形態の使用を示している。この治療方法及び器具は、口腔咽頭の高さ位置に気道閉塞のある患者にとって適しており、それにより、後壁肥厚化は、図2及び図3に細部が示されている特に睡眠中における閉塞部の一因である。
【0076】
概観的に説明すると、図19A及び図19Bは、参照線20A,20Bを含む気道の矢状図であり、参照線20A,20Bは、それぞれ、図20A及び図20Bの冠状図に関して平面の場所を示すために用いられている。図19Aは、治療前における後咽頭壁の肥厚化及び短縮化に起因して生じた閉塞部5のある気道を示している。図19Bは、形状記憶直線拡張器具(例えば、図8及び図9に示されている器具)が植え込まれた気道を示しており、この器具は、咽頭壁を上下に拡張させることにより閉塞領域を開いており、かくして、壁の肥厚化の量を制限し又は減少させている。実際には、1つ又は2つ以上の器具が気道に沿うほぼ同一の頭側‐尾側位置又僅かに変化している位置で円周方向間隔を置いて植え込まれるのが良い。図19Bに示されている器具の実施形態は、部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で咽頭壁組織部位に合致するような寸法形状になっており、かくして、ここに与えられている寸法は、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であって良い。これらの検討事項にもかかわらず、例えば図19Bに示されている典型的な器具は、植え込み時に約1cm〜約5cmの長さを有するのが良く、生体侵食及びその後の伸長化後、長さが約2cm〜約6cmであるのが良い。
【0077】
図20A及び図20Bは、図19A及び図19Bに示されている気道の冠状下向き図である。図20Aは、圧縮された後咽頭壁による閉塞状態を示し、図20Bは、湾曲拡張形状変化器具の植え込みにより圧縮状態の解決状態を示している。図21は、一連の湾曲拡張器具の植え込みにより拡張された咽頭壁の一部分の概略切除図である。
【0078】
今、より詳細な説明では、図20Aは、閉塞部5の全体的な口腔咽頭部位及び閉塞部に対する肥厚すると共に短縮化された後咽頭壁の寄与の状態を示している。図8A〜図8Cに詳細に示されている器具200′の実施形態は、図20Bでは咽頭壁中に植え込まれた状態で示されている。この実施形態の特に有利な特徴としては、器具の各側に設けられた組織安定化端部品205が挙げられ、この端部品は、器具が生体侵食の結果として長くなると、器具が押すことができる対象としてのトラクションのレベルを提供し、次第に器具200″の長くなった形態を取る。端部品205は、次第に、植え込み部位に適した形態のうちの任意のものを取ることができる。この機能は、植え込み部位の組織と器具との係合のための表面領域を提供することにあり、従って、器具は、長くなると、組織を破壊的に突き通すことはないが、組織の塊を押し、組織のその領域を直線的に延伸させ、経時的に、これを長い形態に再構成すると共に/或いは維持するようになる。咽頭壁の組織を長くし又はこれを長くなった形態に維持することにより、壁の厚さは、結果的に減少し、それにより気道の隣接又は局所部分の開きが増大する。
【0079】
図20A及び図20B並びに図21は、後咽頭壁中に植え込まれた形状変化器具(例えば、図14に示されている実施形態)に関し、この器具は、後咽頭壁内において、気道の周囲の拡張を支援する。図19A及び図19Bは、図20A及び図20Bの向きを示す参照としての役目を果たす。気道の矢状図を通る水平マーキング線は、下向きの冠状図を取った高さ位置を印づけており、舌16の網掛け両方向断面も又、有用な参照としての役目を果たす。軟口蓋6及び後咽頭壁22は、この高さ位置における気道の円周方向境界部を定めている。他の局所方向づけ特徴部としては、喉頭蓋12及び食道34が挙げられる。図19A及び図20Aは、後咽頭壁の狭窄のために細くなった軌道を示している。図19B及び図20Bは、形状変化器具200Bが咽頭壁中に植え込まれている同一の気道を示しており、この器具は、咽頭壁により包囲された半径方向湾曲部を拡張するという作用効果を有する。図20A(植え込み前)の壁の半径と図20B(植え込み後であって、且つ侵食後であり、従って、器具は、その好ましい形態を取っている)の壁の半径を比較すると、インプラントが存在していないアールは、比較的V字形であり、インプラントがある場合のアールは、比較的U字形であることが理解できる。この部位に植え込まれた器具は、上述すると共に図14A〜図14Cに示されている本発明の実施形態である。図20及び図21に示されている器具の実施形態は、部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で咽頭壁組織部位に合致するような寸法形状になっており、かくして、ここに与えられている寸法は、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であって良い。実施形態がほぼU字形(U字形は、これがV字形をも含むような包括的な用語である)である場合、典型的な寸法は、U字形の端から端までの幅が約3〜6cmであり、その高さが約1cm〜約3cmである。
【0080】
図21は、咽頭壁の関連部分の後方に向いた切除斜視図であり、この特定の形式の3つの器具200″がこの咽頭壁中に植え込まれており、これら器具は、生体侵食によりこれらの曲線部を器具の好ましい形状に向かって拡張させている。この方法の種々の実施形態では、1つ又は2つ以上の器具を植え込むのが良い。図示の実施形態は、生体侵食及び好ましい形状への変化時に、U字形の形態を取るV字形ロッドである。断面で見て、図示の実施形態では、実質的に円筒形であり、他の実施形態は、他の断面形状、例えば、例示を挙げるに過ぎないが、平べったい形状、ベルト状の形状又は楕円形状を有しても良い。かくして、これら器具は、上述したように図14A〜図14Cに示されている実施形態と同一であり、この場合、植え込まれた器具は、既存の曲率を有し、植え込み及びその後の侵食後、器具は、拡張曲率の状態に形を変え、これよりも大きな半径の円弧を包囲する。図20及び図21に示されている形式の幾つかの実施形態は、例えば図6に示されている伸長化特徴部を更に有するのが良い。かくして、器具が湾曲部の拡張によって形を変えている間、器具のアームが長くなるので、器具は、この場合これよりも大きな円弧を包囲することができ、それにより、咽頭壁植え込み部位の部分の円弧がより効率的に拡張する。
【0081】
図22A〜図22Cは、軟口蓋中への気道開放器具200Aの実施形態、即ち、図10又は図11に示されている形式の器具の挿入の仕方を示している。気道開放方法の種々の実施形態では、器具は、図10に示されているような1本又は2本以上のロッドを含むロッド又は管として構成されるのが良く、或いは、図11の場合のように広くなったより平面状の構造体であっても良い。図22Aは、器具200Aを配備管210から押し出すことにより器具200Aを軟口蓋中に外科的に挿入する方法の実施形態を示している。実施形態としての器具200Aの形状又は形態は、実質的に真っ直ぐ(ロッド状実施形態の場合)又は平べったい(平面状実施形態の場合)。図22Bは、器具200Aを植え込み後の本来の位置で示している。図22Cは、今や植え込み後の幾分かの時間間隔を置いた時点において器具200″の湾曲形状を取っている状態で器具を示している。植え込み後の期間中、器具の生体侵食性部分は、侵食し、器具の形状は、結果的に変化し、理解できるように、軟口蓋6の形状は、それに応じて、気道4(図22A及び図22Bの場所5のところで閉塞されている)は今や開いている(図22C)ように再構成されている。
【0082】
器具と軟口蓋の両方に関する形状変化事象のこれらシーケンスが、図23Aに示されており、図23Bは、器具200′を軟口蓋6中への植え込み後の非常に初期の段階で示している。器具200′は、この段階では実質的に真っ直ぐであり(又は平面状実施形態の場合扁平であり)、変形可能な材料部分100内の生体侵食性材料受け入れ部位105(生体侵食性材料は図示されていない)は、これらが生体侵食性材料で最大に満たされているので完全に拡張されている。図23Bは、器具が今や侵食性材料がなくなり、実質的に閉じられた生体侵食性部位105により完全に完成した湾曲形態200″になり、その好ましい安定した形状への器具200″の再構成に従って軟口蓋6が今や完全に再構成されている植え込み後の後の段階を示している。図22及び図23に示されている器具の実施形態は、軟口蓋組織部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で軟口蓋組織部位に一致するような寸法形状のものである。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。この実施形態は、典型的には、硬口蓋の後方に約1cmまで延びる硬口蓋のすぐ隣りの部位のところに植え込まれている。幾つかの実施形態では、器具は、硬口蓋の後方縁に繋がれ又は取り付けられるのが良く、かくして、硬口蓋の長さにわたって効果的に延びるのに役立ち、更に、硬口蓋は、軟口蓋の前進先であるアンカーとして使用できる。この装置の実施形態は、代表的には、ロッド形であり、前後の向きに位置するよう構成され、約1cm〜約2cmの長さを有し、約1mm〜約4mmの直径又は厚さを有する。他の実施形態では、器具は、平べったい形状を有しており、その幅は、約5mm〜約1.5cmである。
【0083】
図24A及び図24Bは、植え込み後に短くなる気道開放器具200′の実施形態の使い方を示しており、この器具は、舌内に植え込まれ、組織安定化ハーネス205によって舌骨28に後方から連結され、そして組織コネクタ207により下顎骨24の内側特徴部上の中央部位中に前方に連結される。器具は、図8に幾分詳細に示された機構体と相補する仕方で短くなり、図8は、伸長化機構体を示している。この短縮器具実施形態200′では、外方に弓反りになる好ましい形態を有する弾性変形可能部分は、生体侵食性材料107′の包み込み層の長くなると共に直線状になった形態に拘束される。植え込み及びその後の生体侵食後、弾性変形可能な部分は、これらの好ましい外方に弓反りになった形態を取り、それにより、器具の全長を短くし、舌骨28を顎に向かって前方に引き、かかる前方引張により、舌の後方により開かれた気道が生じる。この治療は、口腔咽頭の高さ位置に気道閉塞部5のある患者に適しており、それにより、後方に変位した舌は、図2及び図3に詳細に示されているように特に睡眠中、気道閉塞の一因となっている。侵食により短くなる器具、例えば図24〜図26に示されている器具の実施形態も又、軟口蓋に適用可能であり、硬口蓋は、図22及び図23に示された実施形態の説明において上述したようにアンカーとして役目を果たすことができる。
【0084】
図24Aは、植え込み後間もない全体的に直線状の器具をその初期全長形態で示している。器具の初期長さは、舌骨を前方に引っ張る力が存在している場合であっても小さいように寸法決めされており、これは、かかる最小力により植え込み部位が特に前方及び後方取り付け箇所のところでしかしながら器具の全長に沿って手技から回復することができるようにするので手技にとって有利である。かかる回復は、典型的には、器具への組織の付着を生じさせる周りの線維性包を発生させる一方で、そのすぐ周りの組織をそれ以上の損傷から保護することを含む。経時的に、器具の生体侵食性部分の侵食が起こり、器具は、全体として、短くなり始め、舌骨を前方に引くと共にこれと共に舌の底を前方に引き、それにより舌の後方の気道の開放が容易になる。図24A及び図24Bに示されている短縮性器具200′の実施形態では、短縮化機構体は、ランタン状構造体を真っ直ぐな形態に拘束する生体侵食性包の侵食を含み、ランタン状構造体が前方に撓むのを阻止する(図6C参照)。上述すると共に図6〜図8の他の例示の短くなることができる実施形態において説明したように、これら器具の実施形態のうちの任意のものを舌骨を前方に引く目的で利用することができる。
【0085】
図24A及び図24Bに示されている器具の実施形態は、舌組織部位に適合するような寸法形状のものであり、下顎骨の後方の顎の全体的寸法は、この部位の通常の生理学的機能と適合する仕方で前後の向きに位置するよう構成されている。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。植え込まれたままの細長い状態にある実施形態(図24A)は、典型的には、下顎骨の内側特徴部及び舌骨に取り付けられ又は結び付けられた後方特徴部に取り付けられている前方端部から見て長さが約5cm〜約8cmであるのが良い。器具は、生体侵食及び短縮化(図24B)後のその収縮状態では、長さが約4cm〜約7cmであるのが良い。
【0086】
図25A及び図25Bは、図24A及び図24Bに示されている実施形態の部位及び仕方と同様な部位及び仕方で機能する実施形態を示している。実施形態としての器具200″は、舌骨に近位又は後方アンカーとして係合するのではなく、これが舌16の底に内側から係合するという点において異なっている。器具の後方ベース205は、広く且つ平らであり、器具の主軸線に直角に差し向けられており、その目的は、舌組織の相当な量との係合を可能にすることにあり、このことは、舌を前方に引く上で有利に働く。器具ベース205は、舌組織が成長することができる穴、隙間、細孔又は介在部位108(図26A及び図26Bに示されている)を更に有するのが良く、それにより、舌の底に対する器具の掴み具合が一段と増大する。幾つかの実施形態では、器具は、組織及び器具に一緒に強烈に係合する組織係合特徴部、例えばフック又はバーブを有するのが良い。器具の組織係合ベース205は、一般に、舌の底の中央部分内に植え込まれるのがよいが、これは、必ずしも唯一の適当な植え込み部位であるというわけではない。器具のこの実施形態又は他の実施形態を植え込む方法の幾つかの実施形態においては、器具をオフセンタで植え込んで舌の一方の側部が優先的に前方に引かれるようにすることが有利な場合がある。オフセンタ配置の利点は、このことが単純に一方の側を前方に引く上で有効な治療であるということに起因しており、例えば、必要な力が小さくて済み、又、オフセンタ部位が広い力範囲により通常の舌の機能を邪魔しないで効果的に前方に引くのを可能にする点において一層寛容であるということがいえる。
【0087】
図26A及び図26Bは、図25に示された器具の変形例として使用することができる器具実施形態の詳細図であり、長さを減少させる全体的な機構体は、上述すると共に図6A‐1及び図6A‐2に先に示した実施形態のものである。ここに示されているそれ以上の細部としては、組織係合片が挙げられる。遠位組織係合片205は、ブラケット110に取り付けられた組織コネクタ111を有し、コネクタは、下顎骨に連結可能なねじにより例示される。近位又は後方組織係合片205は、組織内方成長のための穴又は介在部位108を有する。他の器具実施形態では、組織相互作用特徴部、例えば穴又は細孔108は、他の形態を取ることができる一方で、組織に係合する同一の機能を果たすと共に植え込まれた器具を安定化させる。幾つかの実施形態では、例えば、組織相互作用細孔は、器具の一部分を完全には貫通せず、表面ディンプルであるのが良い。さらに、図26に示されている実施形態では組織係合穴又は細孔は、組織係合に専用の器具の補助部分上に設けられているが、図31に示されている実施形態で理解されるように、器具の弾性変形可能な部分に設けられても良い。さらに、幾つかの実施形態では、特に、組織相互作用細孔が器具の弾性変形可能部分に設けられている実施形態では、かかる細孔は、器具がそのいつでも植え込み可能な形態にあるときに生体侵食性材料を受け入れる部位であっても良い。
【0088】
図25A、図25B、図26A及び図26Bに示されている器具の実施形態は、舌組織部位に適合するような寸法形状のものであり、下顎骨の後方の顎の全体的寸法は、この部位の通常の生理学的機能と適合する仕方で構成されている。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。この実施形態は、図24A及び図24Bの実施形態とほぼ同じ寸法のものであるが、理解できることとして、この実施形態は、後方端部の植え込み部位に可変性を有しても良く、又、特定のランドマーク、例えば舌骨と関連していない可変性を有しても良い。植え込まれたままの(図25A)伸長状態にある実施形態は、典型的には、下顎骨の内側特徴部及び舌の底に埋め込まれた後方特徴部に取り付けられている前方端部から見て長さが約4cm〜約8cmであるのが良い。器具は、生体侵食及び短縮化(図25B)後のその収縮状態では、長さが約3cm〜約7cmであるのが良い。
【0089】
図27A及び図27Bは、図24〜図26に示されている実施形態とほぼ同じ仕方で動作するが、性状が短くなるけれども先の実施形態の方式よりも複雑である形状変化方式を備えた別の器具実施形態を示している。この器具実施形態は、図16A〜図16Cに示された形式のものであり、この実施形態は、そのいつでも植え込み可能な(好ましくない)形態にあるとき、扁平な又は実質的に扁平な平面状器具である。図27Aは、近位端部が舌16の底内に植え込まれ、遠位端部が組織コネクタ111を介して下顎骨24中に植え込まれた器具100′を本来の位置で示している。図27Bで理解されるように生体侵食性材料の侵食中、器具100の平面の形状は、複雑な仕方で変わり、器具の後方部分は、上方に曲がり、舌の底を持ち上げてこれを前方に引き、器具の前方部分は、下方に曲がり、舌の底の上方持ち上がりを行う大きなてこ作用を生じさせる。湾曲のみによって、湾曲部の方向とは無関係に、舌と顎との間の距離が短くなり、舌底は、前方に引かれる。
【0090】
図27A及び図27Bに示されている器具の実施形態は、舌組織部位に適合するような寸法形状のものであり、下顎骨の後方の顎の全体的寸法は、この部位の通常の生理学的機能と適合する仕方で構成されている。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。この実施形態は、図25及び図26の実施形態とほぼ同じ寸法のものであり、この実施形態は、後方植え込み部位のところに特定の解剖学的ランドマーク、例えば舌骨が設けられていないということと関連した可変性を有しても良い。植え込まれたままの(図27A)伸長状態にある実施形態は、典型的には、下顎骨の内側特徴部及び舌の底に埋め込まれた後方特徴部に取り付けられている前方端部から見て長さが約4cm〜約8cmであるのが良い。器具は、生体侵食及び短縮化(図25B)後のS字形曲線又は湾曲部(図27B)を呈しているその収縮状態では、前方−後方端点長さが約4cm〜約7cmであるのが良い。
【0091】
図28A及び図28Bは、舌を前方に引く器具200の更に別の実施形態を示している。この特徴の実施形態は、図25〜図27に示されている実施形態の場合と同様、組織コネクタ111が組織安定化ベース205に取り付けられている状態で下顎骨の中央内側特徴部中に螺入し、舌の底の組織中に固定される。この実施形態は、図7A〜図7Eに詳細に示されている仕方で生体侵食性材料の侵食の結果として短くなる2本の互いに平行なストランドを有する。図28Aは、ストランドが生体侵食性長さ安定化部分の組み込みに先立って、プロト器具形態にあるときのストランドをこれらの好ましい形態で示しており、図28Bは、器具をそのいつでも植え込み可能な形態で示している。両方のストランドの後方端部は、連結片、即ち組織把持端部品205に取り付けられ、組織介在部位207は、図26A及び図26Bの部位とほぼ同じである。
【0092】
図28A及び図28Bに示されている器具の実施形態は、舌組織部位に適合するような寸法形状のものであり、下顎骨の後方の顎の全体的寸法は、この部位の通常の生理学的機能と適合する仕方で構成されている。全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。この実施形態は、舌組織中への植え込み向きに設計された先の実施形態とほぼ同じ寸法のものである。植え込まれたままの(図28A)伸長状態にある実施形態は、典型的には、下顎骨の内側特徴部及び舌の底に埋め込まれた後方特徴部に取り付けられている前方端部から見て長さが約4cm〜約8cmであるのが良い。器具は、生体侵食及び短縮化(図25B)後のS字形曲線又は湾曲部(図28B)を呈しているその収縮状態では、前方−後方端点長さが約4cm〜約7cmであるのが良い。部位105を占める生体侵食性セグメント107は、図28Aで理解されるように、任意適当な長さのものであって良いが、この例で示されているように、長さが約1cmのものとして示されている。生体侵食性セグメントが嵌まり込む部位105は、生体侵食性セグメントを受け入れるよう引き伸ばされるが、これらの好ましい長さ、即ち、セグメント107の侵食及び消失時にこれらが戻る長さは、約0.7cmであるのが良い。
【0093】
図32及び図33は、それぞれ上述されると共に図18(即ち、生体侵食後にボウルの形を取る植え込み型の扁平な円板)及び図31(生体侵食後に扁平な形状を取る植え込み型ボウル形状)に詳細に示されている形式の器具を舌の底内に植え込まれた状態で概略的に示している。図32及び図33は、全て、舌16を上から見た図であり、舌底は、右側に位置している。図32Aは、平べったくされた円板、円形又は卵形の形をした植え込まれた状態の器具100′(図18の実施形態と同様な実施形態)を示しており、この器具は、あたかも舌が透明であるかのように示されており、この器具は、舌の主軸線に垂直に差し向けられ、器具の表面は、舌の後ろ及び前の方へ向いている。この器具の形態は、円形又は卵形である必要はなく、これは、舌の底の植え込み部位に適合する任意形状のものであって良く、例えば、実質的に長方形である。最も簡単な見方では、器具は、ボウル形の観点が存在しているにせよそうでないにせよ、いずれにせよ、平面状であると理解でき、全体的な平面状構造体は、舌の主後方‐前方軸線に垂直に差し向けられている。図32Bは、器具の形状を変化させた生体侵食後の器具を示しており、器具の前側の前方に向いた表面は、ボウルの形状を取り、凸面及び凹面は、それぞれ気道に向かって、前方及び後方に向いている。現われる陥凹の前方運動により、器具は、舌底の中央部分を前方に引き、それにより、より開いた気道が得られる。
【0094】
図33Aは、ボウル状の円板、円形又は卵形の形をした植え込まれた状態の器具100′(図31の実施形態と同様な実施形態)を示しており、この器具は、あたかも舌が透明であるかのように示されており、この器具は、舌の主軸線に垂直に差し向けられ、器具の表面は、舌の後ろ及び前の方へ向いている。器具は、植え込まれたときに、凹面及び凸面が気道に向かってそれぞれ前方及び後方に向くよう差し向けられている。図32Bは、器具の形状を変化させた生体侵食後の器具が実質的に扁平になった状態を示している。器具を平坦化すると、器具は、その前方の組織を前方に押し、器具は又、その後方の組織を前方に引き、かくして、より開いた気道が得られる。
【0095】
図32及び図33に示されている器具の実施形態は、舌の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で舌組織部位に適合するような寸法形状のものである。全体的寸法は、全体的寸法は、患者としての人の解剖学的寸法が様々である程度に従って様々であり、説明の目的上の近似値であるに過ぎず、本発明を限定するものではない。この器具は、舌の主軸線に垂直に舌の底の部位内に嵌まり込むよう形作られている。上述したように、この器具は、2次元形状では全体として円形(円形の変形例、例えば卵形を含む)であるのが良く、幾つかの実施形態では、全体的に円形の形は、3次元ボウル形形状と結合されるのが良い。さらに、図31に示されている実施形態の形状は、葉状切れ目112で装飾されるのが良く、これにより、全体的な円形の形状にクローバのような外観を与えることができる。これら形状のバリエーション及び寸法的に様々であって良いことが理解され、典型的には、器具の非限定的な寸法は、0.8cm〜2.5cmの範囲内でばらつきのある直径を有するのが良い。
【0096】
用語及び慣例
【0097】
もし別段の指定がなければ、本明細書で用いられている全ての技術用語は、本発明に関する当業者により一般に理解されているのと同一の意味を有する。本願では、特定の方法、器具及び材料が記載されているが、本明細書において記載した方法及び材料と類似した又は均等な任意の方法及び材料を本発明の実施にあたって用いることができる。本発明の器具及び方法の実施形態を例示により幾分詳細に説明したが、かかる説明は、分かりやすくする目的に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0098】
本発明の理解を提供するために種々の用語が本明細書において用いられており、理解されるように、これら種々の用語の意味は、これら用語の通常の言語上又は文法上のバリエーション又は形態に及ぶ。また、理解されるように、器具に参照した用語又はその均等例が商品名、商標名又は一般的な名称を有する場合、これら名称は、現代の例として提供されており、本発明は、かかる文言上の範囲によっては限定されない。現代的な用語の派生語又は現代的な用語により含まれる物体のサブセットの命名として妥当に理解できる後の時点で導入される用語は、現時点において現代の用語によって説明されるものとして理解されよう。
【0099】
幾つかの理論的な検討事項は、本発明の理解を提供するのに役立つ上で進められるが、本発明の特許請求の範囲は、かかる理論によっては制限されない。本発明の実施形態が一般に睡眠中における気道を開くことにより気道の解剖学的構造及び生理学にかかわる仕方が本明細書において説明されており、理論的な検討事項は、気道のかかる開放によるものであり、植え込まれた器具の実施形態は、無呼吸事象の発生を軽減する。さらに、本発明の任意の実施形態の1つ又は2つ以上の特徴を本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の任意他の実施形態に1つ又は2つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。さらに、理解されるべきこととして、これら本発明の方法及び器具を気道を内張りする組織においてインターベンションにより気道に治療的利点をもたらすものとして説明したが、かかる器具及び実施形態は、体内の他の部位、特に管腔部位に治療上利用できる。さらに、理解されるべきこととして、本発明は、例示目的で説明した実施形態には限定されず、その各要素に関する全均等範囲を含む本願に添付された特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ定められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道形成組織の閉塞性崩壊を軽減する方法であって、
器具を前記組織中の部位に植え込むステップを有し、前記器具は、弾性変形可能な部分及び生体侵食性部分を含み、前記器具は、前記部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で前記気道形成組織部位に合致するように寸法決めされると共に形作られており、
前記気道形成組織を再造形するよう前記器具の前記生体侵食性部分を生体侵食させるステップを有する、方法。
【請求項2】
前記器具は、植え込まれたとき変形形状の状態にあり、前記器具の形状を変化させるための前記生体侵食ステップは、前記形状が好ましい形状に向かって変化するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記器具の前記生体侵食性部分は、前記生体侵食ステップに先立って、前記器具を変形形状に拘束する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記生体侵食は、数日から数か月にかけて経時的に起こる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記生体侵食ステップは、前記生体侵食性部分の生物学的に露出された表面積と前記生体侵食性部分の体積の比と関連して変化する速度で経時的に起こる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記生体侵食は、前記器具が実質的に形状を変える前に、前記組織部位が前記植え込みから回復するほど遅い速度で起こる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記植え込みからの前記組織部位の回復は、線維性組織を前記器具の周りに形成するステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記器具の形状を変化させるステップを更に有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記器具形状の形状の変化は、前記器具の一部分が長くなり、短くなり、湾曲部を形成し、湾曲部を増大させ、湾曲部を除去し、又は湾曲部を減少させるステップを含む場合がある、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記気道形成組織の再造形は、前記気道が睡眠中に塞がれることがないように前記気道形成組織を再造形するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記気道形成組織の再造形は、前記気道が睡眠中に塞がれないようにして無呼吸事象の頻度を減少させるようなものである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記植え込みステップ後、新たに形成された線維性組織を前記器具内に存在する隙間中に侵入させるステップを更に有する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記生体侵食ステップ中、前記生体侵食性部分から生体活性剤を放出するステップを更に有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記植え込みステップは、軟口蓋組織中への植え込みステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記植え込みステップは、舌組織中への植え込みステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記植え込みステップは、咽頭壁組織中への植え込みステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
睡眠中、気道の閉塞性崩壊を軽減する装置を製作する方法であって、
弾性変形可能な材料を前記器具の好ましい形状に一致した初期形状に形成するステップを有し、前記初期形状は、生体侵食性材料を受け入れる部位を有し、
前記弾性変形可能な材料の前記初期形状を、気道形成組織部位に合致すると共に植え込み後における通常の生理学的機能と適合性のある植え込み可能な形状に寸法決めされると共に構成される好ましくはない形状に変化させるステップを有し、
前記生体侵食性材料を前記受け入れ部位中に組み込むことにより前記植え込み可能な形状を安定化させるステップを有する、方法。
【請求項18】
前記弾性変形可能な材料の前記初期形状を変化させる前記ステップは、前記器具の植え込み後に、力が前記器具から植え込み部位に伝わる際に前記気道を再造形するのに十分な力を吸収するステップを含み、前記力は、前記気道の通常の生理学的機能を実行可能にする仕方では動くことができない程度まで前記気道を再造形するには不十分である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
気道の組織閉塞を軽減する器具であって、
気道形成組織部位の通常の生理学的機能と適合性のある仕方で前記気道形成組織に合致するような寸法形状の植え込み型器具を有し、前記器具は、弾性変形可能な部分及び生体侵食性部分を含み、
前記弾性変形可能な部分は、前記生体侵食性部分によって変形した形状に拘束される好ましい形状を有し、
前記器具は、前記生体侵食性部分の侵食時に前記弾性変形可能な部分の前記好ましい形状に向かって戻るよう構成されている、器具。
【請求項20】
前記好ましい形状は、睡眠中、より開いた気道を提供するよう前記気道の形状を再造形するようになっている、請求項19記載の器具。
【請求項21】
前記弾性変形可能な部分は、金属又はポリマーのうちの任意の一方又は両方を含むのが良い、請求項19記載の器具。
【請求項22】
前記弾性変形可能な部分は、ステンレス鋼、ばね鋼、又は超弾性ニッケル‐チタン合金のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むのが良い、請求項19記載の器具。
【請求項23】
前記弾性変形可能な部分は、シリコーンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、又はポリオレフィンのうちの任意の1つ又は2つ以上を含む、請求項19記載の器具。
【請求項24】
前記生体侵食性部分は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチドコグリコリド、ポリグラクチン、ポリ‐L‐ラクチド、ポリヒドロキシアルカノエート、スターチ、セルロース、キトサン、又は構造タンパク質のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むのが良い、請求項19記載の器具。
【請求項25】
前記器具は、前記器具が植え込まれる組織に係合するようになった一部分を含む、請求項19記載の器具。
【請求項26】
前記組織に係合するようになった前記一部分は、組織内方成長のための部位を含む、請求項25記載の器具。
【請求項27】
前記組織に係合するようになった前記一部分は、フック又はバーブを含む、請求項25記載の器具。
【請求項28】
前記植え込み型器具は、前記器具を気道形成組織植え込み部位に植え込んだときに前記気道形成組織植え込み部位周りの通常の生理学的運動を可能にするのに十分な弾性を備えている、請求項19記載の器具。
【請求項29】
前記生体侵食性部分には溶出可能な生体活性剤が組み込まれている、請求項19記載の器具。
【請求項30】
前記器具が合致するよう寸法決めされると共に形作られる対象としての気道形成組織部位は、咽頭壁組織を含む、請求項19記載の器具。
【請求項31】
咽頭壁組織に合致するよう寸法決めされると共に形作られた前記器具は、実質的にU字形であり、前記U字形の端から端までの幅は、約3〜6cmであり、その高さは、約1cm〜約3cmである、請求項30記載の器具。
【請求項32】
前記器具が合致するよう寸法決めされると共に形作られる対象としての気道形成組織部位は、軟口蓋組織を含む、請求項19記載の器具。
【請求項33】
軟口蓋組織に合致するよう寸法決めされると共に形作られた前記器具は、ロッド形状であり、その長さは、約1〜約2cmであり、その直径は、約1mm〜約4mmである、請求項32記載の器具。
【請求項34】
前記器具が合致するよう寸法決めされると共に形作られる対象としての気道形成組織部位は、舌組織を含む、請求項19記載の器具。
【請求項35】
前記器具は、舌底組織に合致するように寸法決めされると共に形作られており、実質的に直線形状を有し、前後配向状態で存在するよう構成され、約4〜約8cmの長さを有する、請求項34記載の器具。
【請求項36】
前記器具は、舌底組織に合致するよう寸法決めされると共に形作られ、前記舌底組織中に前記舌の主軸線に垂直な向きで存在し、実質的に平面状であり、約0.4cm〜約2.5cmの幅を有する、請求項34記載の器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−1】
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【図6A−2】
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【図6B−1】
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【図6B−2】
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【図6C−1】
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【図6C−2】
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【図6D−1】
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【図6D−2】
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【図7A−7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【公表番号】特表2011−508650(P2011−508650A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541507(P2010−541507)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/088398
【国際公開番号】WO2009/088818
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510186007)レベント メディカル インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】