説明

閉鎖型ブレイトンサイクルシステム及び方法

【課題】閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの効率を高めるシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】効率が向上した発電方法及びユニット。ブレイトンサイクルユニットは、流れ媒体を加圧するよう構成された多段圧縮機と、多段圧縮機に流体接続され、通過する作動流体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された第1の熱交換器と、第1の熱交換器に流体接続され、加熱された流れ媒体を膨張させてシャフトの回転をもたらす膨張器と、膨張器と圧縮機との間に流体接続され、膨張した流れ媒体から熱を除去するよう構成された第2の熱交換器と、を含む。ユニットを通る流れ媒体の経路は閉じている。第1の段と第2の段との間の少なくとも1つの中間冷却機構は、流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題の実施形態は、全体的に、方法及びシステムに関し、より詳細には、閉鎖型ブレイトン(Brayton)サイクルシステムの効率を高めるための機構及び技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年間、ほとんどの航空機へのスラストの提供、発電、その他にガスタービンを使用することが一般的になってきた。ガスタービンは、ブレイトンサイクルで作動し、作動流体(通常は空気)を有する。ガスタービンは、開放又は閉鎖型ブレイトンサイクルを用いることができる。図1は、開放型ブレイトンサイクルに基づいて作動するシステム10を示す。ステップ1において、圧縮機12にて外気が提供される。加圧後、ステップ2において、空気が内部燃焼器14に提供される。同時に、燃料16が燃焼室14に噴射されて点火され、加圧空気を加熱する。加熱された後、ステップ3において、燃焼室からの高温高圧のガスがタービン18に提供される。排気ガスがタービン18のシャフト20を回転させ、回転エネルギー22を生成する。ステップ4において、ここでは低い温度(500℃)及び圧力を有する排気ガスが大気に吐出される。
【0003】
この開放サイクルが起こる熱力学プロセスの観点から、圧縮機12において等エントロピー圧縮24が起こり、燃焼室14において定圧熱付加26が起こり、タービン18において等エントロピー膨張28が起こり、更に排気ガスが環境に放出されたときに定圧排熱30が起こる点に留意されたい。熱力学プロセス24、26、28及び30は、理想的プロセスであり、すなわち、システム10の種々の要素における空気は、厳密にはこれらの変換を受けることはないが、理想的変換に近い変換であることは当業者には理解されるであろう。しかしながら、実際のシステムの特徴付けにおいて、実際の変換を近似する理想変換を使用することは当該技術分野において容認される。
【0004】
開放型ブレイトンサイクルに関連する幾つかの懸念点に対処するため、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムが開発された。閉鎖型ブレイトンサイクルシステム40は、図2に示される。このシステムは、同じ圧縮機12及びタービン18を含むが、燃焼室14は第1の熱交換器42により置き換えられ、システム40を通じて使用される媒体は、第2の熱交換器44を介して再循環され、すなわち大気へは放出されない。このように、媒体の一部が大気に放出されることはない。しかしながら、この種類のシステムにおいて、第1の熱交換器42を介して熱が媒体に伝達されるように熱源を設ける必要があり、この熱源は、原子力発電、地熱、太陽、従来型、電気、その他とすることができる。
【0005】
しかしながら、既存の閉鎖型ブレイトンサイクルシステムは、あまり効率的ではない。従って、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの効率を高めるシステム及び方法を提供することが望ましいことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,258,724号明細書
【発明の概要】
【0007】
1つの例示的な実施形態によれば、ブレイトンサイクルユニットが提供される。ユニットは、流れ媒体を加圧するよう構成された多段圧縮機と、多段圧縮機に流体接続され、通過する作動流体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された第1の熱交換器と、第1の熱交換器に流体接続され、加熱された流れ媒体を膨張させてシャフトの回転をもたらす膨張器と、膨張器と圧縮機との間に流体接続され、膨張した流れ媒体から熱を除去するよう構成された第2の熱交換器と、を含む。多段圧縮機、第1の熱交換器、膨張器、及び第2の熱交換器を通る流れ媒体の経路は閉じている。多段圧縮機の第1の段と第2の段との間で流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成された少なくとも1つの中間冷却機構が第1の段と第2の段との間にある。
【0008】
更に別の例示的な実施形態によれば、ブレイトンサイクルシステムが提供される。本システムは、閉鎖型ブレイトンサイクルユニットと、閉鎖型ブレイトンサイクルユニットに熱を提供するよう構成された外部供給限回路と、閉鎖型ブレイトンサイクルユニットから熱を除去するよう構成された冷却回路と、を含む。閉鎖型ブレイトンサイクルユニットが、段間の流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成された多段圧縮機を含む。
【0009】
更に別の例示的な実施形態によれば、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの一部である膨張器のシャフトを回転させる方法が提供される。本方法は、多段圧縮機を用いて流れ媒体を加圧する段階と、多段圧縮機の第1及び第2の段の間で少なくとも1つの中間冷却機構を用いて流れ媒体を所定温度まで冷却する段階と、多段圧縮機に流体接続された第1の熱交換器に加圧された流れ媒体を循環する段階と、第1の熱交換器を通過する作動媒体から加圧流れ媒体に熱を伝達する段階と、第1の熱交換器に流体接続された膨張器に加熱された流れ媒体を循環する段階と、膨張器内の加熱された流れ媒体を膨張させ膨張器のシャフトを回転させる段階と、膨張器と多段圧縮機との間に流体接続された第2の熱交換器に膨張流れ媒体を循環する段階と、第2の熱交換器において膨張した流れ媒体から熱を除去する段階と、冷却した流れ媒体を多段圧縮機に戻して循環させる段階と、を含む。
【0010】
本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、1つ又はそれ以上の実施形態を例証しており、本明細書と共にこれらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】開放型ブレイトンサイクルユニットの概略図。
【図2】閉鎖型ブレイトンサイクルユニットの概略図。
【図3】1つの例示的な実施形態による閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの概略図。
【図4】ブルギアを備えた多段圧縮機の概略図。
【図5】1つの例示的な実施形態による閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの概略図。
【図6】1つの例示的な実施形態による閉鎖型ブレイトンサイクルシステムを通る流れ媒体についての圧力対エンタルピー位相空間を示すグラフ。
【図7】1つの例示的な実施形態による発電方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を示す添付図面を参照する。異なる図面における同じ参照符号は、同じ又は同様の要素とみなす。以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の請求項によって定義される。以下の実施形態は、簡単にするために、一体式ギア付き圧縮機(以下で検討される技術)及び多段半径方向又は軸方向膨張器を有するシステムの用語及び構造に関して検討する。しかしながら、次に検討されることになる実施形態は、これらのシステムに限定されず、多段圧縮機及び膨張器を閉サイクルで用いる他のシステムにも適用することができる。
【0013】
本明細書を通して「1つの実施形態」又は「実施形態」として言及することは、実施形態に関連して説明される具体的な特徴、構造、又は特性が開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じて様々な箇所で表現「1つの実施形態では」又は「ある実施形態では」が出現するが、必ずしも同じ実施形態について言及している訳ではない。更に、具体的な特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれ以上の実施形態においてあらゆる好適な様態で組み合わせてもよい。
【0014】
図3に示される例示的な実施形態によれば、新規の閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60は、膨張器64に流体接続された圧縮機62を含むことができる。圧縮機62は多段圧縮機とすることができ、膨張器64は、多段膨張器とすることができる。1つの応用において、圧縮機62は、4つの段を有し且つSRL技術(次に検討する)を使用し、膨張器64は2段半径方向膨張器である。しかしながら、他のタイプの圧縮機及び膨張器を用いることもできる。
【0015】
SRL又は一体式ギア付き圧縮機(イタリア国フローレンス所在のNuovo Pignone S.p.A製)が、低流量/高圧又は高流量/低圧状態の何れにおいて、幾つかの石油化学用途で使用される。図4に示すこのタイプの圧縮機は、ブルギア66と、1つから4つの高速ピニオン68とを有する。1又は2つのインペラ70は、図4に示すように各ピニオン−シャフト上に装着することができる。中間冷却機構72は、圧縮機の1つの段から別の段に通過するときに加圧媒体を所望の様態で冷却するために段間に設けることができる。
【0016】
図3に戻ると、圧縮機62により加圧される流れ媒体は、システム60内部の後続の閉鎖経路を辿る。流れ媒体は、圧縮機62から、復熱器74、第1の熱交換器76、膨張器64、再び復熱器74、及び第2の熱交換器78に入って、圧縮機62に戻る。従って、流れ媒体は、この閉鎖経路内に閉じ込められ、大気又は他の流体を汚染せず、又は相互作用しない。流れ媒体は、CO2又は高分子密度を有する別の媒体とすることができる。1つの例示的な実施形態において、システム60は、CO2がシステム内の位置に関係なく気相のままであり、すなわち、システム60内で相変化が起きないように設計される。膨張器64は、電気を生成するため発電ユニット63に接続することができる。膨張器64、圧縮機62、及び発電ユニット63は、図3に示すように同じシャフト65を共用することができる。当業者であれば理解されるように、膨張器64は、必要なエネルギーを提供して作動させるため他の装置(例えば、ポンプ)に接続することができる。
【0017】
図3には更に2つの回路が示され、次に検討する。第1の熱交換器76は、外部供給源回路80からブレイトン閉鎖回路60の流れ媒体に熱を伝達するよう構成される。1つの例示的な実施形態において、外部供給源回路80は、入口82aにおいて周囲空気を吸収し、出口82bにて加圧空気を出力する圧縮機を含むことができる。この加圧空気を燃焼室84に提供する前に、加圧空気が熱交換器86を通って流れて該加圧空気を加熱する。熱源は、燃焼室84からの排気ガスである。圧縮機82からの加圧空気の経路86a及び燃焼室84の経路86bは交差しないが、これら2つの間で熱交換がなされるように分布される点に留意されたい。
【0018】
次いで、加熱及び加圧された空気は、燃焼室84に提供され、ここで入口84aにおいて燃料が入れられる。加圧空気は、燃料の燃焼によって加熱される。空気、燃料、及び排気ガスの高温の混合気が膨張器87に流入してエネルギーを発生することができ、或いは、第1の熱交換器76に直接供給されて、閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60において流れ媒体に熱を伝達することができる。排気ガスの熱の一部を除去した後、該排気ガスが熱交換器86に流入し、出口86cにて大気に廃棄される前に、圧縮機82からの加圧空気を加熱することができる。排気ガスの温度はおよそ150℃とすることができる。
【0019】
第2の熱交換器78は、閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60における流れ媒体から冷却回路90に熱を伝達するよう構成される。冷却回路90は、膨張器64から流入する流れ媒体から熱を除去するために第2の熱交換器78を通って循環される作動媒体(例えば、水)を含むことができる。熱はシンク92(例えば、給水塔)に提供される。
【0020】
復熱器74は、少なくとも2つの別個の経路74a及び74bを含み、これらは、圧縮機62及び膨張器64からそれぞれ流入する流れ媒体を収容する。復熱器74は、膨張器から流入する流れ媒体から熱を除去し、当該熱を圧縮機62から流入する流れ媒体に提供するよう構成される。
【0021】
閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60の圧力及び温度に関するより具体的な実施例が、図5に示されている。この図は、膨張器64に到達する前に、圧縮機62が流れ媒体の圧力を約1barから約35barまで増大させ、第1の熱交換器76が流れ媒体の温度を約120℃まで上昇させることを示している。このシステムは、流れ媒体が圧縮機62の段間で冷却され、外部供給源回路80内の熱抽出が最大150℃にまでなるので、既存のシステムよりも高い効率を示している。1つの応用において、図5に示すシステムの効率は、49%に達した。
【0022】
例示的な実施形態において、図6は、閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60の流れ媒体(CO2)におけるP−H線図を示している(Pは圧力を示し、Hは特定点における流れ媒体のエンタルピーを示す)。上記で検討したように、図6に示す熱力学的変換は理想的なものであり、実際のシステム60で起こる実変換を近似することが意図されている点は当業者であれば理解されるであろう。しかしながら、これらの理想変換は、実システムの特性の良好な指標である。
【0023】
図6には種々の点が示されており、これらは、次に説明するように、閉鎖型ブレイトンサイクルシステム60の物理的位置に対応する。100において、特定の温度(15℃に近い)及び圧力(1bar)で圧縮機62にCO2が流入することを検討する。CO2は、第1の段(圧縮機が4つの段を有すると仮定する)の間に1barから約4barまで加圧され、CO2は点102に到達するようになる。この点では、加圧CO2の温度は、約70から100℃の値に達することができる。点100と102との間のCO2の圧縮は等エントロピーである。CO2が第1の段から流出すると、第2の段に流入する前に、ステップ105において、加圧CO2が所定温度(例えば、約25℃)まで冷却される。第1の冷却ステップ105は、実質的に一定圧力で点102と点104との間で起こる。次に、CO2が圧縮機の第2の段に流入し、ここで圧力は、点106に到達したときに、例えば約8barまで更に増大する。また、CO2の温度は、点106にて約70℃から100℃まで上昇する。ここから、CO2は、点106及び108間で起こる第2の冷却ステップ107を受ける。CO2の温度は、およそ所定温度まで再度低下する。圧縮機62においてCO2の加圧を記述するプロセスは、上下に変動する形状を有するような、圧力対エンタルピーによって定められる位相空間で記述することができる。
【0024】
CO2は、点108と110との間で約17barの圧力まで更に加圧され、更に点112及び114の間で約34barの最終圧力まで加圧される。第3の段と第4の段との間では、ステップ111において点110及び112間でCO2が再度冷却され、CO2の温度を所定温度にする。所定温度は、使用媒体、媒体の最終圧力、及びシステムの他のパラメータに依存することができる点に留意されたい。
【0025】
点114に達すると、加圧CO2が圧縮機62(図3)から出て、復熱器74に流入する。復熱器74内で起こる熱力学的プロセス115は、点114及び116によって境界付けられ、このプロセスの間は実質的に一定の圧力を維持しながら、CO2の温度が上昇する。更に、点116及び118により境界付けられる経路117に沿ってCO2に熱が加えられ、これは、流れ媒体が第1の熱交換器76内で加熱されることに相当する。第1の熱交換器76によって提供される熱は、燃焼室84において生成される点に留意されたい。
【0026】
次いで、CO2が膨張器64に流入し、対応する熱力学的プロセスは点118及び120によって境界付けられ、この膨張は等エントロピー膨張である。点118における流れ媒体の温度は約1200℃とすることができ、点120での温度は約600℃とすることができる点に留意されたい。点120での流れ媒体の温度を更に下げるため及びエネルギーを更に抽出するために、流れ媒体が復熱器74に流入し、これは、点120及び122によって境界付けられる熱回収プロセス121に相当する。このプロセス121は、実質的に一定の圧力(大気圧付近)で起こる。このプロセスでの温度低下は約500℃である。しかしながら、他の値を実施することもできる。CO2は、第2の熱交換器78を通って再循環させることにより点122から点100(冷却ステップ123)まで更に冷却される。この冷却プロセスの間、CO2の温度及び圧力は、周囲温度及び圧力に達することができ、CO2を圧縮機に送り戻すことによって新しいサイクルを開始することができる。
【0027】
中間冷却ステップ105、107、及び111(これよりも多い又は少ないステップを実施してもよい)は、サイクル全体の効率を向上させることを可能にする。例えば、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの稼働、流れ媒体としてのCO2の使用、及びシステムを通じてCO2を気相状態にすることなど、新規の実施形態の他の特徴もまた、サイクル全体の効率を向上させることを可能にする。例示的な実施形態によれば、これら4つの特徴全てを組み合わせることができる。しかしながら、ブレイトンサイクルシステムの効率改善を得るために、必ずしも全ての特徴が必要とされる訳ではない。
【0028】
図3に示すシステムが外部燃焼室84(例えば、加熱炉)と共に用いられる場合、この設定の利点は、燃焼用に低グレードの燃料を使用できることである。また、図3に示すシステムは、燃焼室84からの排気ガスが既存のシステム(約500℃)よりも低い温度(約150℃)で大気に吐出されるので、環境に優しい製品である。この特徴は、一つには、熱交換器86によって達成される。
【0029】
次に、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムに基づくエネルギー生成方法を図7に関して検討する。本方法は、多段圧縮機を用いて流れ媒体を加圧するステップ700と、多段圧縮機の第1及び第2の段の間で少なくとも1つの中間冷却機構を用いて流れ媒体を所定温度まで冷却するステップ702と、多段圧縮機に流体接続された第1の熱交換器に加圧された流れ媒体を循環するステップ704と、第1の熱交換器を通過する作動媒体から加圧流れ媒体に熱を伝達するステップ706と、第1の熱交換器に流体接続された膨張器に加熱された流れ媒体を循環するステップ708と、膨張器内の加熱された流れ媒体を膨張させ膨張器のシャフトを回転させるステップ710と、膨張器と多段圧縮機との間に流体接続された第2の熱交換器に膨張流れ媒体を循環するステップ712と、第2の熱交換器において膨張した流れ媒体から熱を除去するステップ714と、冷却した流れ媒体を多段圧縮機に戻して循環させるステップ716と、を含む。
【0030】
開示された例示的な実施形態は、閉鎖型ブレイトンサイクルシステムの効率を向上させるシステム及び方法を提供する。本明細書は本発明を限定することを意図するものではない点を理解されたい。逆に、例示的な実施形態は、添付の請求項によって定義される本発明の技術的思想及び範囲に含まれる、代替形態、修正形態、及び均等形態を保護するものとする。更に、例示的な実施形態の詳細な説明において、請求項に記載された本発明を包括的に理解するために多数の具体的な詳細事項が記載されている。しかしながら、種々の実施形態はこのような具体的な詳細事項がなくとも実施できる点は当業者であれば理解されるであろう。
【0031】
本発明の例示的な実施形態の特徴及び要素は、特定の組み合わせで実施形態において説明したが、各特徴又は要素は、実施形態の他の特徴及び要素を伴わず単独で、或いは本明細書で開示される他の特徴及び要素の有無に関わりなく種々の組み合わせで用いることができる。
【0032】
本明細書は、開示される主題の実施例を用いて、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること及びあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0033】
60 閉鎖型ブレイトンサイクルシステム
64 膨張器
63 発電ユニット
62 圧縮機
65 シャフト
66 ブルギア
68 高速ピニオン
70 インペラ
72 中間冷却機構
74 復熱器
74a、74b 経路
76 第1の熱交換器
78 第2の熱交換器
80 外部供給源回路
82a 入口
82b 出口
84 燃焼室
86 熱交換器
86a 経路
86b 経路
84a 入口
86c 出口
87 膨張器
90 冷却回路
92 シンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレイトンサイクルユニット(60)であって、
流れ媒体を加圧するよう構成された多段圧縮機(62)と、
前記多段圧縮機(62)に流体接続され、通過する作動流体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された第1の熱交換器(76)と、
前記第1の熱交換器(76)に流体接続され、加熱された流れ媒体を膨張させてシャフトの回転をもたらす膨張器(64)と、
前記膨張器(64)と前記圧縮機(62)との間に流体接続され、膨張した流れ媒体から熱を除去するよう構成された第2の熱交換器(78)と、
を備え、
前記多段圧縮機(62)、前記第1の熱交換器(76)、前記膨張器(64)、及び前記第2の熱交換器(78)を通る流れ媒体の経路が閉じており、前記多段圧縮機(62)の第1の段と第2の段との間で流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成された少なくとも1つの中間冷却機構(72)が前記第1の段と第2の段との間にある、ブレイトンサイクルユニット。
【請求項2】
前記多段圧縮機(62)が、4つの段と、隣接する段の各ペアの間に3つの中間冷却機構とを有する、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記多段圧縮機(62)を前記第1の熱交換器(76)に流体接続する第1の経路(74a)と、前記膨張器(64)を前記第2の熱交換器(78)に流体接続する第2の経路(74b)とを有し、膨張した流れ媒体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された復熱器(74)を更に備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項4】
外部供給源回路(80)を更に備え、
該外部供給源回路(80)が、
空気を加圧して、空気及び燃料を受け取り且つ混合気を燃焼させて排気ガスを前記第1の熱交換器(76)を通る経路に提供するよう構成された外部燃焼室(84)に前記加圧した空気を提供するよう構成された圧縮機(82)と、
前記第1の熱交換器(76)から流入する排気ガスを冷却するよう構成された熱交換器(86)と、
を含み、前記第1の熱交換器(76)が分割され、空気、燃料、及び排気ガスが前記流れ媒体から分離されるようにする、請求項1に記載のユニット。
【請求項5】
前記流れ媒体が二酸化炭素である、請求項1に記載のユニット。
【請求項6】
前記二酸化炭素が、前記多段圧縮機(62)、前記第1の熱交換器(76)、前記膨張器(64)、及び前記第2の熱交換器(78)を通じて気相状態にある、請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
前記流れ媒体は、前記多段圧縮機(62)を通って加圧され、前記第1の熱交換器(76)において加熱され、前記膨張器(64)において膨張され、及び前記第2の熱交換器(78)において冷却されているときに気相状態である、請求項1に記載のユニット。
【請求項8】
前記少なくとも1つの中間冷却機構(72)が、実質的に一定の圧力及び減少エンタルピーで流れ媒体を冷却するよう構成される、請求項1に記載のユニット。
【請求項9】
前記流れ媒体が二酸化炭素であり、該二酸化炭素が気相状態であり、前記多段圧縮機(62)、前記第1の熱交換器(76)、前記膨張器(64)、及び前記第2の熱交換器(78)を通じて気相状態を維持し、前記多段圧縮機(62)が4つの段と4つのピニオンを備えたブルギアとを有し、各ピニオンが前記段のうちの1つにおけるインペラを作動させ、前記膨張器(64)が2段膨張器である、請求項1に記載のユニット。
【請求項10】
前記多段圧縮機(62)を通じた圧縮プロセスが、圧力対エンタルピー状態空間でプロットしたときに上下に変動する形状を有する、請求項1に記載のユニット。
【請求項11】
ブレイトンサイクルシステムであって、
閉鎖型ブレイトンサイクルユニット(60)と、
前記閉鎖型ブレイトンサイクルユニット(60)に熱を提供するよう構成された外部供給限回路(80)と、
前記閉鎖型ブレイトンサイクルユニット(60)から熱を除去するよう構成された冷却回路(90)と、
を備え、
前記閉鎖型ブレイトンサイクルユニット(60)が、段間の流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成された多段圧縮機(62)を含む、システム。
【請求項12】
前記閉鎖型ブレイトンサイクルユニット(60)が更に、
前記多段圧縮機(62)に流体接続され、通過する作動流体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された第1の熱交換器(76)と、
前記第1の熱交換器(76)に流体接続され、加熱された流れ媒体を膨張させてシャフトの回転をもたらす膨張器(64)と、
前記膨張器(64)と前記圧縮機(62)との間に流体接続され、膨張した流れ媒体から熱を除去するよう構成された第2の熱交換器(78)と、
を備え、
前記多段圧縮機(62)、前記第1の熱交換器(76)、前記膨張器(64)、及び前記第2の熱交換器(78)を通る流れ媒体の経路が閉じており、前記多段圧縮機(62)の第1の段と第2の段との間で流れ媒体を所定温度まで冷却するよう構成された少なくとも1つの中間冷却機構(72)が前記第1の段と第2の段との間にある、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記多段圧縮機(62)が、4つの段と、隣接する段の各ペアの間に3つの中間冷却機構とを有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記多段圧縮機(62)を前記第1の熱交換器(76)に流体接続する第1の経路(74a)と、前記膨張器(64)を前記第2の熱交換器(78)に流体接続する第2の経路(74b)とを有し、膨張した流れ媒体から加圧された流れ媒体に熱を伝達するよう構成された復熱器(74)と、
空気を加圧して、空気及び燃料を受け取り且つ混合気を燃焼させて排気ガスを前記第1の熱交換器(76)を通る経路に提供するよう構成された外部燃焼室(84)に前記加圧した空気を提供するよう構成された圧縮機(82)と、
前記第1の熱交換器(76)から流入する排気ガスを冷却するよう構成された熱交換器(86)と、
を更に備え、
前記第1の熱交換器(76)が分割され、空気、燃料、及び排気ガスが前記流れ媒体から分離されるようにする、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
閉鎖型ブレイトンサイクルシステム(60)の一部である膨張器(64)のシャフトを回転させる方法であって、
多段圧縮機(62)を用いて流れ媒体を加圧する段階と、
前記多段圧縮機(62)の第1及び第2の段の間で少なくとも1つの中間冷却機構(72)を用いて前記流れ媒体を所定温度まで冷却する段階と、
前記多段圧縮機(62)に流体接続された第1の熱交換器(76)に前記加圧された流れ媒体を循環する段階と、
前記第1の熱交換器(76)を通過する作動媒体から前記加圧流れ媒体に熱を伝達する段階と、
前記第1の熱交換器(76)に流体接続された膨張器(64)に前記加熱された流れ媒体を循環する段階と、
前記膨張器(64)内の前記加熱された流れ媒体を膨張させ前記膨張器(64)のシャフトを回転させる段階と、
前記膨張器(64)と前記多段圧縮機(62)との間に流体接続された第2の熱交換器(78)に前記膨張流れ媒体を循環する段階と、
前記第2の熱交換器(78)において前記膨張した流れ媒体から熱を除去する段階と、
前記冷却した流れ媒体を前記多段圧縮機(62)に戻して循環させる段階と、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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