説明

閉鎖空間の汚染除去方法および装置

本開示は、閉鎖領域から搬送ガスを受け取る流入口(18)と、搬送ガスを閉鎖領域へ吐出する流出口(31)と、流入口から流出口への通路において搬送ガスの流れを発生させるファン(21)と、汚染除去蒸気が搬送ガスの流れへ導入されて流れとともに流出口で吐出され閉鎖空間を汚染除去する蒸気発生器(19)とを包含する、閉鎖領域を汚染除去するための装置(10)に関連する。別のファン(33)が、汚染除去蒸気が導入される通路を迂回して蒸気流出口(31)に隣接する流出孔(32)から閉鎖領域へ送出される閉鎖領域からの別のガス流を送出して、汚染除去蒸気を含有する搬送ガスを閉鎖領域全体に分散させるのを補助する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品工場クリーンルーム、隔離装置、病棟などの閉鎖された空間の汚染除去に使用される方法および装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
蒸気相バイオ汚染除去は、概して4段階のプロセスで構成される。第1段階では、室の内部の相対湿度が予設定値にされる。この後に、室の内部の活性蒸気濃度が必要な値まで上昇される第2段階が続く。次の段階は、バイオ汚染除去が確実に達成されるのに充分な時間にわたって室の内部の活性蒸気濃度を維持することである。第4の最終段階は、清浄空気による希釈によって室から活性蒸気を概ね除去することである。
【0003】
バイオ汚染除去に最も一般的に使用される蒸気は、約30から35%w/vの水溶液を「フラッシュ」蒸発させることにより発生される過酸化水素である。「フラッシュ」蒸発した蒸気を生成するための通常の技術は、液体の沸点を上回る温度に保持された加熱プレートに水溶液を滴下することで、原料の液体と同じ重量比の蒸気を発生させることである。過酸化水素の作用については、二つの理論が存在する。以前考えられていたのは、蒸気が露点を下回る濃度に維持されることで凝結を回避すべきだというものであったが、他の理論では、急速なバイオ汚染除去を行うには凝結が必要だと提案している。
【0004】
閉鎖空間の気体または蒸気相汚染除去の使用に関わる多くの特許が存在し、そのうち最も重要なのは米国特許第5173258号明細書と米国特許7014813号明細書である。
【0005】
米国特許第5173258号明細書には、蒸気発生器からバイオ汚染除去される室へ、そしてまた蒸気発生器へ搬送ガスが循環する単ループ閉システムが記載されている。蒸気発生器へ戻る際に、搬送ガスと蒸気は活性蒸気および水蒸気を除去する装置を通過することで、より多くの過酸化水素を循環中の搬送ガスに蒸発させることができる。
【0006】
米国特許7014813号明細書には同様のプロセスが記載されているが、蒸気発生器の内部にバイパスループが設けられている。ゆえに、サイクルの第2および第3段階で蒸気発生器へ戻る際に、循環中の搬送ガスから蒸気が除去されることはない。こうして蒸気濃度のより急速な上昇が可能となり、通常は、凝結が必要とされるサイクルで使用される。
【0007】
両方のタイプのバイオ汚染除去サイクル(それぞれ凝結が回避または促進される)では、活性蒸気が室全体で均一に分散されることが不可欠である。一部のシステムでは、蒸気が20m/秒までの速度で回転ノズルから送出され、他では室の中で蒸気混合物を移動させるのに外部ファンが使用される。欧州特許出願公開1487503号明細書は、一端部の空気流入口と、他端部の流出口と、流入口から流出口への通路で空気の流れを発生させるポンプとを有する通路を包含する、閉鎖された部室または他の空間を汚染除去するための可搬装置を開示している。通路を流れる空気をヒータが所定温度まで加熱し、フラッシュ蒸発装置は通路と連通状態にある。液体汚染除去剤は汚染除去剤の供給源から蒸発装置までポンプ供給されて蒸発され、蒸発物が通路の空気流へ送出されるように、流出口から汚染除去される部屋へ空気流とともに流れる。汚染除去剤を含有する空気を閉鎖された領域全体に分散させるため、自在回転ノズルが流出口に設けられている。
【0008】
第一に蒸発装置のサイズにより、また送出システムでの凝結を回避するように搬送ガスが加熱されなければならないため、「フラッシュ」蒸発装置を通る空気流は制限されるので、良好な蒸気分配の達成が困難となる。高速の蒸気流を生成する回転ノズルの使用では、供給源から移動する際に質量流量が少なく、噴流(plume)の速度が急速に低下するため、値に限界が見られる。部屋の様々な位置にファンを追加すると、その位置がプロセスの成功に重要となり、器具の準備および管理に複雑さを加えるので、理想的ではない。
【0009】
バイオ汚染除去サイクルの最終段階は、過酸化水素を安全レベルまで減少させる曝気である。室からの過酸化水素の除去には、概して二つの技術が使用される。最も一般的であるのは、過酸化水素を含有する搬送ガスを触媒床を通過させて循環させ、二種類の無害な化学物質である水蒸気および酸素に過酸化水素を還元することである。触媒から出る搬送ガスは、水蒸気を除去するため、一般的に乾燥される。この精製された搬送ガスが次に室へ戻され、ここで希釈により過酸化水素濃度が低下される。触媒における流量は、過酸化水素を許容値まで還元するのに必要な時間を決定する。蒸気発生器の触媒および乾燥器は、上に挙げた理由のため流量が制限され、ゆえに過酸化水素を除去するのに必要な時間が長くなる可能性があるが、過酸化水素と水蒸気とを除去するのに別々のユニットを設けることによって、これが克服されることがある。空調システムを装備する一部の部屋では、空気供給源を使用して、抽気により部屋へ外気を供給することで曝気プロセスを高速化することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5173258号明細書
【特許文献2】米国特許第7014813号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1487503号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、サイクルの曝気段階中の蒸気分散および空気流の増加という二つの問題に対応するのと同時に、単独で使用されても、容量の大きな室のためいくつかの類似ユニットにデイジーチェーン式に接続されてもよい、単一の可搬ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、閉鎖領域の中で搬送ガスの第1の流れを発生させ、装置内の蒸気発生ステーションで汚染除去蒸気を第1のガス流に導入し、装置から前記閉鎖領域へ第1の搬送ガス/汚染除去蒸気の流れを循環させるための装置を使用して閉鎖領域を汚染除去する方法を提供し、ここで搬送ガスの、第1の流れとは別の第2の流れが装置内で発生され、第1の流れとともに閉鎖領域へ循環されて閉鎖領域内での汚染除去蒸気の分散を補助する。
【0013】
搬送ガスの第2の流れは第1の流れよりも多量であることが好ましい。より詳しく述べると、搬送ガスの第2の流れは第1の流れよりも複数倍、多量であることが好ましい。
【0014】
本発明による一方法では、搬送ガスの第1および第2の流れは、別々に閉鎖領域へ吐出される。
【0015】
代替的に、閉鎖領域へ吐出される場所で第1および第2の流れが合流してもよい。
【0016】
後者の場合、第1および第2の流れは、閉鎖領域へ吐出される場所で同軸である。
【0017】
上記方法のいずれかでは、搬送ガスの第1および第2の流れはそれぞれ、閉鎖領域への複数の個別吐出口を有する。
【0018】
上記方法の最後のものの場合、第1および第2搬送ガスの吐出は軸線回りに等間隔であり、閉鎖領域へ吐出するため軸線から外向きである。
【0019】
やはり上記方法のいずれかでは、第1および第2ガス流の両方が閉鎖領域からガスを導入して閉鎖領域へ吐出する。
【0020】
本発明の別の特徴によれば、閉鎖空間の汚染除去に続いて、閉鎖領域からのガスが、このガスにより搬送された汚染除去剤が廃棄処理のため分解される分解ステーションを通過して、循環される。
【0021】
上記方法の最後のものの場合に、分解ステーションは、廃棄処理のため汚染除去蒸気を分解するために、蒸気含有ガスが導入されるフィルタを有する。
【0022】
本発明はまた、閉鎖領域から搬送ガスを受け入れる流入口と、搬送ガスを閉鎖領域へ吐出する流出口と、流入口から流出口への通路で搬送ガスの流れを発生させるファン手段と、汚染除去蒸気が搬送ガスの流れへ導入されて、流出口でこの流れとともに吐出されて、閉鎖空間の汚染除去を行う、通路内のステーションとを有する通路を包含し、汚染除去蒸気が導入される通路を迂回する別のガス流を閉鎖領域から発生させるための手段が設けられ、通路からの流出口の付近で閉鎖領域へ吐出されて、汚染除去蒸気を含有する搬送ガスを閉鎖領域全体に分散させるのを補助する、閉鎖領域の汚染除去のための装置を提供する。
【0023】
例えば、別のガス流を発生させるための手段は、追加ファン手段を含む。
【0024】
本発明による一つの特定構成において、ダクトが、汚染除去剤が追加されるステーションに接続されて搬送ガスおよび汚染除去蒸気を受け入れる、ダクトの軸線回りに離間した第1組の径方向ノズルと、別の搬送ガス流を発生させるための手段に接続されて搬送ガス/蒸気とともに搬送ガスを閉鎖空間に送出する第2組の径方向ノズルとを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】病棟および薬品工場クリーンルームなどの閉鎖空間のための可動汚染除去装置の斜視図である。
【図2】内部部品を示す、装置の概略図である。
【図3】図1の装置の流出ノズルの代替構成を示す図である。
【図4】図1の装置の流出ノズルの代替構成を示す図である。
【図5】共通制御システムに一緒にリンクされた多数の汚染除去装置の構成を示す図である。
【図6】流出ノズルの別の構成を示す、図1および2の装置の変形例の図である。
【図7】流出ノズルの別の構成を示す、図1および2の装置の変形例の図である。
【図8】制御パネルが取り外された図6と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明のいくつかの特定実施形態についての説明を行う。
【0027】
最初に図面の図1から3を参照すると、全体として10で表されたガス発生・除去複合装置が示されている。この装置は、部屋または閉鎖領域における装置の移動を容易にするため旋回取付部13に支持されたキャスタホイール12に取り付けられたシャシー11を包含する。
【0028】
装置のシャシーは概ね方形で、平面図でもやはり概ね方形であってほぼ直立形状であるメインケーシング14を支承している。ケーシングは、横方向の内部仕切壁15によって、それぞれ蒸気発生と蒸気分解のための上方および下方ハウジング16,17に分割されている。
【0029】
ケーシングの上部へ空気を流入させるため、上方ハウジング16の周囲のケーシング14には、対になった空気流入グリル18がケーシングの両側に形成されている。過酸化水素蒸気発生器20は、上方ハウジング16の上部の略中央に取り付けられている。発生器は、出願人らによる国際公開第03/082355号パンフレットに記載および図示されたタイプのものでよい。蒸気発生器は、モータ駆動による遠心ファン21の流出口が結合された空気流入口を下端部に有する。ファンは、空気流入グリル18が開口しているメインキャビティ16の下部の空気スペースに空気流入口22を有する。発生器への空気流は、発生器の下部においてバンドヒータユニット19によって加熱される。
【0030】
蒸気発生器20は、発生器に接続された供給導管24を有する水性の過酸化水素またはその溶液のための供給タンク23を有する。導管24は、発生器のフラッシュ蒸発ユニット20へ過酸化水素または水を送出するためのモータ駆動による計量ポンプ25を有し、ここで、ファン21によって作られた発生器内の予熱空気流へ過酸化水素がフラッシュ蒸発される。
【0031】
蒸気発生器20の上端部は、4本の流出導管27が接続された分配マニホルド26を有する。
【0032】
ケーシングの上部は、上端部に略楕円形ヘッド30を有する直立ネック29が装着された環状カラー28を有する。導管27は、マニホルドからネックおよびカラーを通りヘッド30へと上向きに延出し、ここで、蒸気発生器20によって作られた過酸化水素蒸気を、装置が位置している部屋または閉鎖領域へ吐出するための4本の径方向外向きノズル31に結合されている。図3で最も分かりやすいように、ノズル31はヘッド30の上面の周囲で等間隔に設けられる。
【0033】
ヘッド30はまた、いくつかの空気流出孔32をヘッドの周囲に等間隔で有する。図示の実施形態では、流出孔は8個であり、これらの孔が蒸気ノズル31の穴よりも概ね大きいことに気付くだろう。空気流出ノズルは、ヘッドに配置された高出力モータ駆動式ラジアルファン33の流出口にノズル内で接続され、このファンは、メインケーシングの上方キャビティ16と直接連通状態にあるヘッド内のキャビティから空気を導出する。こうして、ファン33により流入グリル18から導入された空気が、ノズル31から吐出される過酸化水素蒸気の流れに隣接して空気流出孔から吐出され、後述するように装置が取り付けられた部屋または閉鎖領域の全体への過酸化水素蒸気の分配を補助する。
【0034】
ケーシングを上方および下方の室に分割する内側の横仕切り壁15には、凹部の底面の開口部を通して下方キャビティ17と連通するモータ駆動ファン41が取り付けられた深い中央凹部40が形成されている。
【0035】
逆ピラミッド形ハウジング42が、凹部にわたって仕切り15の下面に取り付けられ、モータ駆動ファン43が設けられた流入口を有する。ハウジング内には、ハウジングの頂点で旋回してハウジング42への空気流を制御するフラップバルブ44が設けられている。
【0036】
下方キャビティ17は、活性炭素床50がその後方にHEPAフィルタ51を備えて取り付けられている流入口を、キャビティのいずれかの面に有する。活性炭は、フィルタに捕捉された「ダスト」を離脱させようとする。
【0037】
汚染除去サイクルは、蒸発器およびノズルファン21,33が蒸発器ヒータ20とともにオンに切り換えられる第1段階を包含する。これにより、発生器全体と、必要であれば部屋/閉鎖領域を汚染除去して安定温度にすることができる。熱安定性が達成されると、過酸化水素液ポンプ25がオンに切り換えられて、過酸化水素溶液が「フラッシュ」蒸発して加圧状態で分配ノズル31へ送出され、ここから出て、ノズル32から排出される空気流全体と混合される、汚染除去サイクルの第2段階に発生器が移る。
【0038】
図1および2に示された構成では、過酸化水素蒸気が分配ノズル31へ送出され、ファン33からの過酸化水素と分配空気とが分配ノズルのすぐ外側で混合するが、後述するようにノズル32の中で混合が行われてもよい。
【0039】
汚染除去サイクルの最初の二つの段階では、流入口18からケーシング14へ空気が導入されることと、曝気ファン43がオフに切り換えられたままであることに注意すべきである。しかし、サイクルのガス供給段階では周囲環境中の過酸化水素蒸気濃度が上昇するので、このガス供給段階中にはファン43が作動し、下方ハウジング16からキャビティ17へ空気を導入してフィルタ50,51とファン41との間の空間を汚染除去する。こうして、ケース14内の内部空間すべての汚染除去が確実に行われる。フィルタ50,51を通ってケーシング室16へ通過するサイクルのガス供給段階中に、フラップバルブ44が不要な空気循環を停止させる。
【0040】
部屋または閉鎖領域が汚染除去されると、発生器はサイクルの曝気段階に移る。出願人らによる欧州特許出願公開第1487503号明細書に開示された構成では、出願人らによる欧州特許出願公開第1305105号明細書に開示されているような個別曝気ユニットが設けられる。本構成の好適な特徴によれば、後述するように曝気システムが汚染除去ユニットに組み込まれる。
【0041】
曝気段階では、蒸発ヒータ19と同じく過酸化水素液ポンプ25がオフに切り換えられる。ファン43もオフに切り換えられるが、ファン41は始動する。ファン41の動作によってフラップバルブ44が開き、フィルタ50,51から大量の空気を導入し、これが過酸化水素を水と酸素に分解し、同時に水蒸気を吸収する。ファン21はファン33とともに作動したままで、蒸発器の冷却に役立つが、曝気中には空気の良好な分配も保証する。ファン41は概して、ファン21,33の能力を合わせたものよりもはるかに高い能力を持ち、ゆえにノズル32ばかりでなくフィルタ18を通って空気がケースから流出する。ファン41により発生するこの高い空気流量によって、曝気に要する時間が短縮される。汚染除去される空間内の過酸化水素蒸気濃度が安全レベルに到達すると、発生器はオフに切り換えられる。
【0042】
サイクル全体は、単一のケーブルを介して器具に接続されたコンピュータを用いて、汚染除去されるエリアの外側から制御される。ケース14の内側に設けられているのは、必要な部品をすべて備える電気パネル55と、必要な機器を収容する追加センサユニット56である。
【0043】
二つの追加ノズル/孔の形態が図3および4に示されている。図3は、相互に等間隔であって径方向外向きである8個の流出孔32の構成を示す。交互に対になった空気流出孔32の間で径方向外向きに、滅菌蒸気のための4本のノズル31が設けられているが、図4では、4本の空気流出孔71が設けられ、滅菌流出ノズルは空気流出孔の中に位置している。空気と蒸気の混合気が移動する距離は流出口での速度ばかりでなく各流出口を出る質量にも左右されるため、ノズルの有効性は、その数ばかりでなく、各流出口から送出される空気の量にも左右される。
【0044】
図5は、制御ケーブル61により接続された二つの汚染除去ユニットが設けられた部屋60を示す。部屋の外側では、コンピュータ62がケーブル63により汚染除去ユニットの一方に接続されている。汚染除去手順は部屋の外側に設けられたコンピュータから制御され、必要なデータのすべてがケーブル61,63から送られる。各汚染除去ユニットの蒸発能力には制限があり、これが、適度な時間で汚染除去することのできる部屋の最大サイズを決定し、追加の汚染除去ユニットをデイジーチェーン式に接続すれば、処理される部屋のサイズには制限がなくなる。
【0045】
図面の図6は、蒸気流出ノズル31が延出して空気流出孔32の間に突出している別の変形構成を示す。
【0046】
図7は、蒸気ノズル31が空気ノズル内に同心に配置されるため装置の外側から見えない構成を示す。
【0047】
図8は、装置の滅菌容器23および制御ユニット55を露出させるように制御モジュール70が取り外された、図6の装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を用いる閉鎖領域の汚染除去方法において、
前記装置は、前記閉鎖領域の中で搬送ガスの第1の流れを発生させ、当該装置内の蒸気発生ステーションで汚染除去蒸気を前記第1の流れに導入し、当該装置から前記閉鎖領域へ汚染除去蒸気を含んだ搬送ガスの前記第1の流れを循環させるための装置であり、
前記第1の流れとともに前記閉鎖領域へ循環されて前記閉鎖領域での前記汚染除去蒸気の分散を補助する搬送ガスの、第1の流れとは別の第2の流れが前記装置内で発生されることを特徴とする方法。
【請求項2】
搬送ガスの前記第2の流れが前記第1の流れよりも多量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
搬送ガスの前記第2の流れが前記第1の流れよりも複数倍、多量である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
搬送ガスの前記第1および第2の流れが前記閉鎖領域へ別々に吐出される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の流れが、前記閉鎖領域に吐出される場所で合流される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の流れが、前記閉鎖領域へ吐出される場所で同軸である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
搬送ガスの前記第1および第2の流れの各々が、前記閉鎖領域への複数の個別吐出口を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2搬送ガスの前記吐出口が、軸線回りに等間隔であり、前記閉鎖領域へ吐出を行うように前記軸線の外向きである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および第2の流れの両方が前記閉鎖領域からガスを導入して前記閉鎖領域へ吐出する、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記閉鎖空間の汚染除去に続いて、前記閉鎖領域からのガスが、このガスにより搬送される汚染除去剤が廃棄処理のため分解される分解ステーションを通過して、循環される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記分解ステーションが、廃棄処理のため汚染除去蒸気を分解するために、蒸気含有ガスが導入されるフィルタを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
閉鎖領域を汚染除去するための装置であって、この装置は通路を含み、
前記通路は、前記閉鎖領域から搬送ガスを受け入れる流入口と、前記搬送ガスを前記閉鎖領域に吐出する流出口と、前記流入口から前記流出口への搬送ガスの流れを発生させるためのファン手段と、汚染除去蒸気が搬送ガスの流れへ導入されて前記流出口で前記流れとともに吐出され、前記閉鎖空間を汚染除去する、前記通路のステーションとを有し、
前記汚染蒸気が導入される前記通路を迂回する前記閉鎖領域からのガスの別の流れを発生させるための手段が設けられ、前記通路からの前記流出口の付近で前記閉鎖領域へ吐出されるように導入されて、汚染除去蒸気を含有する前記搬送ガスを前記閉鎖領域全体に分散させるのを補助する、閉鎖領域を汚染除去するための装置。
【請求項13】
別のガス流を発生させるための前記手段が、追加ファン手段を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ダクトが、搬送ガスおよび汚染除去蒸気を受け取るように汚染除去剤が追加される前記ステーションに接続された、当該ダクトを通る軸線回りに離間した第1組の径方向ノズルと、前記搬送ガス/蒸気とともに前記搬送ガスを前記閉鎖空間に吐出するように前記別の搬送ガスの流れを発生させるための手段に接続された第2組の径方向ノズルとを有する、請求項12または請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−527723(P2010−527723A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509889(P2010−509889)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001811
【国際公開番号】WO2008/145990
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(501468208)バイオケル ユーケイ リミテッド (10)
【Fターム(参考)】