開口止水装置
【課題】構造物の開口部を閉塞する堰を簡単な操作で敷設することができ、しかも高い止水能力を有する開口止水装置を提供する。
【解決手段】この発明の開口止水装置10は、開口3から液物が流入することを防止する堰50を、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体11と、このチューブ体11を構造物の開口3を形成する柱体4,5間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段20とにより構成した。
【解決手段】この発明の開口止水装置10は、開口3から液物が流入することを防止する堰50を、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体11と、このチューブ体11を構造物の開口3を形成する柱体4,5間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段20とにより構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下構造物の入り口等を構成する開口から水あるいは土砂等の流体物が浸入することを可及的に防止するようにした開口止水装置に関し、特にその止水能力を向上させるとともに、その敷設性を向上させるようにした開口止水装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に台風等の自然災害の際に発生する大雨、あるいは土砂が、地下鉄、地下通路、あるいは地下駐車場等の構造物の入り口を構成する開口から侵入することを防止する開口止水装置として、従来から土嚢を主要構成要素とする堰が用いられている。
【0003】
この従来の土嚢を構成要素とした堰からなる止水装置は、図26で示すように、土嚢袋内に土、あるいは砂等の充填物を次々と入れて土嚢1を作製し、この土嚢1を構造物2の開口3を形成する柱体4,5間に沿って隙間なく多数個積載し、これにより当該開口3に堰6を築いたものである。
【0004】
このように構造物2の開口3に土嚢1を多数個並設して堰6を築くと、水、あるいは土砂等(矢印A)が開口3に押し寄せても土嚢1からなる堰6によりその進入が停止され、これにより構造物2内への水、あるいは土砂等(矢印A)の進入が可及的に阻止されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した土嚢1により堰6を築く従来の開口止水装置によると、まず堰6を築くための土嚢1を複数個作製するのに当たり、土嚢袋内に土等の内容物を充填する作業は極めて困難な作業であるばかりでなく、またその土嚢1を開口3に沿って多数個併設して堰6を築く作業も煩雑で困難な作業である。
【0006】
さらに、図27で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に土嚢1からなる堰6に押し寄せると、併設された多数の土嚢1のうち構造的に弱い部部の土嚢1間(矢印B)が離間し、このため堰6が決壊して、そこから水、あるいは土砂等(矢印A)が構造物2の内部に進入してしまう難点がある。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑み、構造物の開口部を閉塞する堰を簡単な操作で敷設することができ、しかも高い止水能力を有する開口止水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、この発明の開口止水装置では、開口に形成され止水機能を発揮する堰を、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体と、このチューブ体を構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に支承させる支承手段とから構成するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上述した、本願発明に係る開口封止装置によると、開口に堰を形成する場合は、チューブ体を伸ばして開口を覆うように配置するとともに、支承手段によりチューブ体を開口を形成する柱体間あるいは壁体間に支承させ、その後、当該チューブ体に水道水等の液物を注入してチューブ体を伸張させる簡単な操作で、当該チューブ体が膨張し、かつ伸張して開口を塞ぐ堰となるので、簡単な作業及び操作で開口に堰を築くことができる。
【0010】
またチューブ体が弾性体で形成されているので、圧力の高い水、あるいは土砂等が急激にチューブ体からなる堰に押し寄せても、当該チューブ体がその弾性力により変形してその圧力を吸収するので、当該堰が決壊する虞を可及的に防止すし、高い止水能力を有する開口止水装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明に係る開口止水装置の一実施例を詳述する。
【0012】
図1は、この発明に係る開口止水装置10を示す正面図で、特に折り畳んで収納した状態を示している。
【0013】
この開口止水装置10は、収納状態では、折りたたまれて小型コンパクトに収容することのできるチューブ体11と、このチューブ体11を後述する構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段20とから構成されている。なお、前記チューブ体11は、塩化ビニール、あるいは強化ナイロン等の合成樹脂を主要構成要素とする弾性体のチューブで形成されており、内部に水道水等の液物が充填されると膨張し、全体が円柱体形状となるように構成されている。
【0014】
一方、前記チューブ体11の両端には、当該チューブ体11の両端をそれぞれ密封する端末手段12,13が配設されている。
【0015】
この端末手段12,13は硬質の樹脂で形成された略円筒形のカプラー14により形成され、その外周面には液物注入口15とエアー抜き口16とが形成されている。また図1の上面図で示す図2のように、カプラー14の側面にはチューブ体11の内部に充填された液物を排出する排出口17が形成され、この排出口17は封止ネジ18で常時は密封されている。
【0016】
一方、前記支承手段20は、図1で示すように、前記チューブ体11に予め嵌挿した一対の連結金具21,22と、後述する構造物の開口を形成する柱あるいは壁体に固着され、前記一対の連結金具21,22と連結する接続金具とから構成されている。
【0017】
このうち、前記連結金具21,22は、図2に示すように、ステンレス等の材質からなる略矩形状の板材23により形成され、その中心部には、前記チューブ体11及び前記端末装置12,13を構成するカプラー14を嵌挿させるための円形の孔24が形成され、さらにカプラー14の外周面に突設された前記液物注入口15とエアー抜き口16を避けるための矩形状の切り欠25が形成されている。また、板材23の周面所定位置には開口止水装置10を容易に持ち運べるよう取っ手26が突設されている。
【0018】
一方、上述した支承手段20の連結金具21,22を構成する板材23の後端には、後述する接続金具と連結する断面L字形上の連結部27が形成されている。
【0019】
次に、上述した開口止水装置10の作用を説明し、併せて構成をより詳細に説明する。
【0020】
図3の平面図で示すように、構造物2の開口3を形成する柱体4,5の周面下端位置には、それぞれ前述した支承手段20の他方を構成する接続金具28,29が予めボルト等の締着手段を介して固着されている。
【0021】
なお、この接続金具28,29は断面略L時形状をした一対のプレート30,31により構成されている。
【0022】
次に、堰を築く際は、まず図4で示すように、開口3を形成する柱体4,5間を囲繞するように略コの字形状の止水シート40を開口3の正面に位置する路面上に配設する。なお、この止水シート40は、スポンジ状をした合成樹脂からなる弾性体のシートにより構成されている。
【0023】
次に、図5で示すように、予め前記開口3の柱体4,5間を閉塞するに十分な長さに設定されたチューブ体11を引き伸ばし、さらにチューブ体11に嵌挿した一対の連結金具21,22の断面L字形状をした各連結部27を対応する各接続金具28,29に嵌着支承させて連結する。
【0024】
なお、一対の連結金具21,22の各連結部27を各接続金具28,29に嵌着支承させる際は、一方の接続金具29を代表して説明する図6の斜視図のように、柱体5の下部にボルト等の締着手段を介して固着された一対のプレート30,31により形成された断面L字形状の空間S内に矢印Cで示すように連結金具22を構成する断面L字形状の連結部27を下降させ、これにより図7で示すように連結金具22の連結部27を接続金具29に嵌着支承させる。
【0025】
その後、図5で示す一方あるいは双方のカプラー14の外周面に突設された液物注入口15から液物、例えば水道水を注入すると、図8で示すように、チューブ体11は、長手方向に膨張及び伸張して円柱体形状となり、これにより構造物2の開口3を形成する柱体4,5間を閉塞する堰50が形成される。
【0026】
なお、実施例のチューブ体11は、具体的には膨張及び伸張すると直径が略30〜40cmで長さが6m程度となるが、その直径及び長さはこのサイズに限定されことはなく、目的の堰の高さ及び開口の大きさに応じて各種のサイズを用意することができることはいうまでもない。またチューブ体11の断面形状は実施例では円形としたが、勿論断面三角、四角、あるいはそれ以上の多角形、あるいは楕円等の形状でも良く、その断面形状は、敷設する場所の地形に応じて各種の形状が考えられることはいうまでもない。
【0027】
このように弾性体のチューブ体11内に液物を注入すると、図8のE視で示す要部破断拡大面図で示す図9のように、弾性体のチューブ体11が充填された液物の自重により変形して連結金具21下部と止水シート40との間に形成される隙間を可及的に埋めて密封することとなる。
【0028】
なお図10の要部断面図で示すように、各連結金具21,22に形成された孔24の内周面24aの形状は弾性体からなるチューブ体11の外周面に損傷を与えないよう、その断面が湾曲して形成されている。
【0029】
上述した、開口止水装置10によると、図11で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するので、当該堰50が決壊する虞を可及的に防止し、高い止水能力を発揮することができる。
【0030】
なお、上記実施例では、支承手段20を構成する一対の連結金具21,22と取付金具28,29に関し、各連結金具21,22が取付金具28,29に対して回動不可能に固定支持された連結構造を採用するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、連結金具21,22が取付金具28,29に対して回動支持可能な連結構造とすることも可能である。
【0031】
即ち、図12の概念斜視図で示すように、支承手段20を構成する一方の連結金具22を代表して説明するように、当該連結金具22の連結部27を円筒形の軸60により構成するとともに、対する取付金具29を前記軸60を嵌装支持する環状の軸受部材61,62が固着されたL字プレート63により構成し、矢印Fで示すように連結金具22の連結部27を構成する軸60を取付金具29の軸受部材61,62内に嵌挿させると、図13の矢印Gで示すように、連結金具122が取付金具29に対し軸60を中心に回動自在となる。
【0032】
このように、支承手段20を構成する連結金具21,22が対応する取付金具28,29に対して回動可能な連結構造となると、図14に示す開口止水装置10の配設状態から、図15で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ体11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ体11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するとともに、連結金具21,22も取付金具28,29に対してチューブ体11の変形の度合に応じて矢印の如く回転し、このため支承手段20を構成する連結金具21,22と取付金具28,29の双方に過度の応力が集中することを避けて、その損傷を可及的に防止することができる。
【0033】
なお、上述した連結金具21,22の連結部27を構成する軸60、および取付金具28,29の環状の軸受部材61,62の形成位置は、図14に示すように、柱体4,5の内側に形成しても良いし、また図16,図17に示すように、柱体4,5の正面側に形成しても良く、その形成位置は開口3の形状に応じて適宜変更しても良い。
【0034】
なお、上記各実施例では、支承手段20を一対の連結金具21,22と取付金具28,29とにより構成し、この各連結金具21,22と取付金具28,29とを互いに連結する構造を採用したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、たとえば、図18の概念斜視図で示すように、支承手段20を、それぞれABS等の合成樹脂により形成された位置決めブロック70と、この位置決めブロック70を柱体4,5に位置決め固定するこれもABS等の合成樹脂により形成された板状の固定ブロック71と、この固定ブロック71及び位置決めブロック70をそれぞれ柱体4,5に固着する工業用マジックテープ(登録商標)72からなる貼着手段73、および位置決めブロック70内に位置決めされた弾性体のチューブ体を位置決め固定する一端固定の工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75とから構成するようにしても良い。
【0035】
なお、上述したマジックテープ(登録商標)とは、パイルを使用した離着自由なテープを示している。
【0036】
このうち、位置決めブロック70は、周面にチューブ体11を嵌挿する円弧形状の切り欠70aが形成され、その表面にはチューブ体11の損傷を防止するためスポンジ状の弾性体からなるクッション部材70bが貼着されている。
【0037】
上述した支承手段20によると、まず図19で示すように、各柱体4,5の所定位置に予め固着された各工業用マジックテープ(登録商標)72を介して固定ブロック71を貼着し、その後、図20で示すように止水シート40を路面上に配設する。
【0038】
その後、図21で示すように、この固定ブロック71に工業用マジックテープ(登録商標)72を介して位置決めブロック70を位置決め固定し、さらに、この位置決めブロック70の切り欠70a内にチューブ体11を矢印の如く嵌挿する。
【0039】
その後、図22の要部断面図で示すように、工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75をチューブ体11に巻回させ、その自由端74aを位置決めブロック70上面に形成された取り付け凹部70c内の工業用マジックテープ(登録商標)74に貼着固定する。
【0040】
その後、前述した図5で示す一方あるいは双方のカプラー14の外周面に突設された液物注入口15から液物、例えば水道水を注入すると、図23で示すように、チューブ体11は、工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75により位置決めブロック70の切り欠70a内に位置決め固定されつつ、直径及び長手方向に膨張及び伸張して円柱体形状となって当該位置決めブロック70内に位置決め支承され、これにより図24で示すように、構造物2の開口3を形成する柱体4,5間を閉塞する堰50が形成される。
【0041】
従って、この実施例の開口止水装置10によっても、図25で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するので、当該堰50が決壊する虞を可及的に防止し、高い止水能力を発揮することができる。
【0042】
なお、上記各実施例では、図4で示すように、予め開口3を形成する柱体4,5間を囲繞するように略コの字形状の止水シート40を開口3の正面に位置する路面上に配設するようにしたが、この止水シート40は必ずしも必要ではなく、開口3の正面を構成する路面の表面粗さが小さければ、チューブ体11の路面に対する密着力により十分止水能力を発揮することができ、この場合は止水シート40は不要である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、この発明は、特にその止水能力を向上させるとともに、その敷設性を向上させるようにした開口止水装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1はこの発明に係る開口止水装置の正面図。
【図2】図2は図1の平面図。
【図3】図3はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図4】図4はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図5】図5はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図6】図6は支承手段の取り付け手順を示す要部概念斜視図。
【図7】図7は支承手段の取り付け手順を示す要部概念斜視図。
【図8】図8はこの発明に係る開口止水装置を配設した状態を示す図。
【図9】図9は図8のE視による要部破断拡大図。
【図10】図10は連結金具の拡大断面図。
【図11】図11はこの発明に係る開口止水装置の作用を示す平面図。
【図12】図12は支承手段の他の実施例を示す概念斜視図。
【図13】図13は支承手段の他の実施例を示す概念斜視図。
【図14】図14はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例を示す平面図。
【図15】図15はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例の作用を示す平面図。
【図16】図16はこの発明に係る開口止水装置のさらに他の実施例を示す平面図。
【図17】図17はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例の作用を示す平面図。
【図18】図18は支承手段のさらに他の実施例を示す概念斜視図。
【図19】図19は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図20】図20は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図21】図21は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図22】図22は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念断面図。
【図23】図23は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念断面図。
【図24】図24は支承手段のさらに他の実施例の作用を示す図。
【図25】図24は支承手段のさらに他の実施例の作用を示す図。
【図26】図26は従来の開口止水装置を示す平面図。
【図27】図27は従来の開口止水装置の問題点を示す平面図。
【符号の説明】
【0045】
2…構造物
3…開口
4,5…柱体
10…開口止水装置
11…チューブ体
12,13…端末手段
14…カプラー
15…液物注入口
16…エアー抜き口
17…排出口
18…封止ネジ
20…支承手段
21,22…連結金具
28,29…取付金具
40…止水シート
50…堰
70…位置決めブロック
70a…円弧状の切り欠
70b…弾性体からなるクッション部材
71…板状の固定ブロック
72,74…離着自由なテープ
73…貼着手段
75…固定手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下構造物の入り口等を構成する開口から水あるいは土砂等の流体物が浸入することを可及的に防止するようにした開口止水装置に関し、特にその止水能力を向上させるとともに、その敷設性を向上させるようにした開口止水装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に台風等の自然災害の際に発生する大雨、あるいは土砂が、地下鉄、地下通路、あるいは地下駐車場等の構造物の入り口を構成する開口から侵入することを防止する開口止水装置として、従来から土嚢を主要構成要素とする堰が用いられている。
【0003】
この従来の土嚢を構成要素とした堰からなる止水装置は、図26で示すように、土嚢袋内に土、あるいは砂等の充填物を次々と入れて土嚢1を作製し、この土嚢1を構造物2の開口3を形成する柱体4,5間に沿って隙間なく多数個積載し、これにより当該開口3に堰6を築いたものである。
【0004】
このように構造物2の開口3に土嚢1を多数個並設して堰6を築くと、水、あるいは土砂等(矢印A)が開口3に押し寄せても土嚢1からなる堰6によりその進入が停止され、これにより構造物2内への水、あるいは土砂等(矢印A)の進入が可及的に阻止されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した土嚢1により堰6を築く従来の開口止水装置によると、まず堰6を築くための土嚢1を複数個作製するのに当たり、土嚢袋内に土等の内容物を充填する作業は極めて困難な作業であるばかりでなく、またその土嚢1を開口3に沿って多数個併設して堰6を築く作業も煩雑で困難な作業である。
【0006】
さらに、図27で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に土嚢1からなる堰6に押し寄せると、併設された多数の土嚢1のうち構造的に弱い部部の土嚢1間(矢印B)が離間し、このため堰6が決壊して、そこから水、あるいは土砂等(矢印A)が構造物2の内部に進入してしまう難点がある。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑み、構造物の開口部を閉塞する堰を簡単な操作で敷設することができ、しかも高い止水能力を有する開口止水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、この発明の開口止水装置では、開口に形成され止水機能を発揮する堰を、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体と、このチューブ体を構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に支承させる支承手段とから構成するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上述した、本願発明に係る開口封止装置によると、開口に堰を形成する場合は、チューブ体を伸ばして開口を覆うように配置するとともに、支承手段によりチューブ体を開口を形成する柱体間あるいは壁体間に支承させ、その後、当該チューブ体に水道水等の液物を注入してチューブ体を伸張させる簡単な操作で、当該チューブ体が膨張し、かつ伸張して開口を塞ぐ堰となるので、簡単な作業及び操作で開口に堰を築くことができる。
【0010】
またチューブ体が弾性体で形成されているので、圧力の高い水、あるいは土砂等が急激にチューブ体からなる堰に押し寄せても、当該チューブ体がその弾性力により変形してその圧力を吸収するので、当該堰が決壊する虞を可及的に防止すし、高い止水能力を有する開口止水装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明に係る開口止水装置の一実施例を詳述する。
【0012】
図1は、この発明に係る開口止水装置10を示す正面図で、特に折り畳んで収納した状態を示している。
【0013】
この開口止水装置10は、収納状態では、折りたたまれて小型コンパクトに収容することのできるチューブ体11と、このチューブ体11を後述する構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段20とから構成されている。なお、前記チューブ体11は、塩化ビニール、あるいは強化ナイロン等の合成樹脂を主要構成要素とする弾性体のチューブで形成されており、内部に水道水等の液物が充填されると膨張し、全体が円柱体形状となるように構成されている。
【0014】
一方、前記チューブ体11の両端には、当該チューブ体11の両端をそれぞれ密封する端末手段12,13が配設されている。
【0015】
この端末手段12,13は硬質の樹脂で形成された略円筒形のカプラー14により形成され、その外周面には液物注入口15とエアー抜き口16とが形成されている。また図1の上面図で示す図2のように、カプラー14の側面にはチューブ体11の内部に充填された液物を排出する排出口17が形成され、この排出口17は封止ネジ18で常時は密封されている。
【0016】
一方、前記支承手段20は、図1で示すように、前記チューブ体11に予め嵌挿した一対の連結金具21,22と、後述する構造物の開口を形成する柱あるいは壁体に固着され、前記一対の連結金具21,22と連結する接続金具とから構成されている。
【0017】
このうち、前記連結金具21,22は、図2に示すように、ステンレス等の材質からなる略矩形状の板材23により形成され、その中心部には、前記チューブ体11及び前記端末装置12,13を構成するカプラー14を嵌挿させるための円形の孔24が形成され、さらにカプラー14の外周面に突設された前記液物注入口15とエアー抜き口16を避けるための矩形状の切り欠25が形成されている。また、板材23の周面所定位置には開口止水装置10を容易に持ち運べるよう取っ手26が突設されている。
【0018】
一方、上述した支承手段20の連結金具21,22を構成する板材23の後端には、後述する接続金具と連結する断面L字形上の連結部27が形成されている。
【0019】
次に、上述した開口止水装置10の作用を説明し、併せて構成をより詳細に説明する。
【0020】
図3の平面図で示すように、構造物2の開口3を形成する柱体4,5の周面下端位置には、それぞれ前述した支承手段20の他方を構成する接続金具28,29が予めボルト等の締着手段を介して固着されている。
【0021】
なお、この接続金具28,29は断面略L時形状をした一対のプレート30,31により構成されている。
【0022】
次に、堰を築く際は、まず図4で示すように、開口3を形成する柱体4,5間を囲繞するように略コの字形状の止水シート40を開口3の正面に位置する路面上に配設する。なお、この止水シート40は、スポンジ状をした合成樹脂からなる弾性体のシートにより構成されている。
【0023】
次に、図5で示すように、予め前記開口3の柱体4,5間を閉塞するに十分な長さに設定されたチューブ体11を引き伸ばし、さらにチューブ体11に嵌挿した一対の連結金具21,22の断面L字形状をした各連結部27を対応する各接続金具28,29に嵌着支承させて連結する。
【0024】
なお、一対の連結金具21,22の各連結部27を各接続金具28,29に嵌着支承させる際は、一方の接続金具29を代表して説明する図6の斜視図のように、柱体5の下部にボルト等の締着手段を介して固着された一対のプレート30,31により形成された断面L字形状の空間S内に矢印Cで示すように連結金具22を構成する断面L字形状の連結部27を下降させ、これにより図7で示すように連結金具22の連結部27を接続金具29に嵌着支承させる。
【0025】
その後、図5で示す一方あるいは双方のカプラー14の外周面に突設された液物注入口15から液物、例えば水道水を注入すると、図8で示すように、チューブ体11は、長手方向に膨張及び伸張して円柱体形状となり、これにより構造物2の開口3を形成する柱体4,5間を閉塞する堰50が形成される。
【0026】
なお、実施例のチューブ体11は、具体的には膨張及び伸張すると直径が略30〜40cmで長さが6m程度となるが、その直径及び長さはこのサイズに限定されことはなく、目的の堰の高さ及び開口の大きさに応じて各種のサイズを用意することができることはいうまでもない。またチューブ体11の断面形状は実施例では円形としたが、勿論断面三角、四角、あるいはそれ以上の多角形、あるいは楕円等の形状でも良く、その断面形状は、敷設する場所の地形に応じて各種の形状が考えられることはいうまでもない。
【0027】
このように弾性体のチューブ体11内に液物を注入すると、図8のE視で示す要部破断拡大面図で示す図9のように、弾性体のチューブ体11が充填された液物の自重により変形して連結金具21下部と止水シート40との間に形成される隙間を可及的に埋めて密封することとなる。
【0028】
なお図10の要部断面図で示すように、各連結金具21,22に形成された孔24の内周面24aの形状は弾性体からなるチューブ体11の外周面に損傷を与えないよう、その断面が湾曲して形成されている。
【0029】
上述した、開口止水装置10によると、図11で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するので、当該堰50が決壊する虞を可及的に防止し、高い止水能力を発揮することができる。
【0030】
なお、上記実施例では、支承手段20を構成する一対の連結金具21,22と取付金具28,29に関し、各連結金具21,22が取付金具28,29に対して回動不可能に固定支持された連結構造を採用するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、連結金具21,22が取付金具28,29に対して回動支持可能な連結構造とすることも可能である。
【0031】
即ち、図12の概念斜視図で示すように、支承手段20を構成する一方の連結金具22を代表して説明するように、当該連結金具22の連結部27を円筒形の軸60により構成するとともに、対する取付金具29を前記軸60を嵌装支持する環状の軸受部材61,62が固着されたL字プレート63により構成し、矢印Fで示すように連結金具22の連結部27を構成する軸60を取付金具29の軸受部材61,62内に嵌挿させると、図13の矢印Gで示すように、連結金具122が取付金具29に対し軸60を中心に回動自在となる。
【0032】
このように、支承手段20を構成する連結金具21,22が対応する取付金具28,29に対して回動可能な連結構造となると、図14に示す開口止水装置10の配設状態から、図15で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ体11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ体11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するとともに、連結金具21,22も取付金具28,29に対してチューブ体11の変形の度合に応じて矢印の如く回転し、このため支承手段20を構成する連結金具21,22と取付金具28,29の双方に過度の応力が集中することを避けて、その損傷を可及的に防止することができる。
【0033】
なお、上述した連結金具21,22の連結部27を構成する軸60、および取付金具28,29の環状の軸受部材61,62の形成位置は、図14に示すように、柱体4,5の内側に形成しても良いし、また図16,図17に示すように、柱体4,5の正面側に形成しても良く、その形成位置は開口3の形状に応じて適宜変更しても良い。
【0034】
なお、上記各実施例では、支承手段20を一対の連結金具21,22と取付金具28,29とにより構成し、この各連結金具21,22と取付金具28,29とを互いに連結する構造を採用したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、たとえば、図18の概念斜視図で示すように、支承手段20を、それぞれABS等の合成樹脂により形成された位置決めブロック70と、この位置決めブロック70を柱体4,5に位置決め固定するこれもABS等の合成樹脂により形成された板状の固定ブロック71と、この固定ブロック71及び位置決めブロック70をそれぞれ柱体4,5に固着する工業用マジックテープ(登録商標)72からなる貼着手段73、および位置決めブロック70内に位置決めされた弾性体のチューブ体を位置決め固定する一端固定の工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75とから構成するようにしても良い。
【0035】
なお、上述したマジックテープ(登録商標)とは、パイルを使用した離着自由なテープを示している。
【0036】
このうち、位置決めブロック70は、周面にチューブ体11を嵌挿する円弧形状の切り欠70aが形成され、その表面にはチューブ体11の損傷を防止するためスポンジ状の弾性体からなるクッション部材70bが貼着されている。
【0037】
上述した支承手段20によると、まず図19で示すように、各柱体4,5の所定位置に予め固着された各工業用マジックテープ(登録商標)72を介して固定ブロック71を貼着し、その後、図20で示すように止水シート40を路面上に配設する。
【0038】
その後、図21で示すように、この固定ブロック71に工業用マジックテープ(登録商標)72を介して位置決めブロック70を位置決め固定し、さらに、この位置決めブロック70の切り欠70a内にチューブ体11を矢印の如く嵌挿する。
【0039】
その後、図22の要部断面図で示すように、工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75をチューブ体11に巻回させ、その自由端74aを位置決めブロック70上面に形成された取り付け凹部70c内の工業用マジックテープ(登録商標)74に貼着固定する。
【0040】
その後、前述した図5で示す一方あるいは双方のカプラー14の外周面に突設された液物注入口15から液物、例えば水道水を注入すると、図23で示すように、チューブ体11は、工業用マジックテープ(登録商標)74からなる固定手段75により位置決めブロック70の切り欠70a内に位置決め固定されつつ、直径及び長手方向に膨張及び伸張して円柱体形状となって当該位置決めブロック70内に位置決め支承され、これにより図24で示すように、構造物2の開口3を形成する柱体4,5間を閉塞する堰50が形成される。
【0041】
従って、この実施例の開口止水装置10によっても、図25で示すように、圧力の高い水、あるいは土砂等(矢印A)が急激に弾性体のチューブ11により構成された堰50に押し寄せても、当該チューブ11がその弾性力により湾曲変形してその圧力を吸収するので、当該堰50が決壊する虞を可及的に防止し、高い止水能力を発揮することができる。
【0042】
なお、上記各実施例では、図4で示すように、予め開口3を形成する柱体4,5間を囲繞するように略コの字形状の止水シート40を開口3の正面に位置する路面上に配設するようにしたが、この止水シート40は必ずしも必要ではなく、開口3の正面を構成する路面の表面粗さが小さければ、チューブ体11の路面に対する密着力により十分止水能力を発揮することができ、この場合は止水シート40は不要である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、この発明は、特にその止水能力を向上させるとともに、その敷設性を向上させるようにした開口止水装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1はこの発明に係る開口止水装置の正面図。
【図2】図2は図1の平面図。
【図3】図3はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図4】図4はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図5】図5はこの発明に係る開口止水装置の配設手順を示す図。
【図6】図6は支承手段の取り付け手順を示す要部概念斜視図。
【図7】図7は支承手段の取り付け手順を示す要部概念斜視図。
【図8】図8はこの発明に係る開口止水装置を配設した状態を示す図。
【図9】図9は図8のE視による要部破断拡大図。
【図10】図10は連結金具の拡大断面図。
【図11】図11はこの発明に係る開口止水装置の作用を示す平面図。
【図12】図12は支承手段の他の実施例を示す概念斜視図。
【図13】図13は支承手段の他の実施例を示す概念斜視図。
【図14】図14はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例を示す平面図。
【図15】図15はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例の作用を示す平面図。
【図16】図16はこの発明に係る開口止水装置のさらに他の実施例を示す平面図。
【図17】図17はこの発明に係る開口止水装置の他の実施例の作用を示す平面図。
【図18】図18は支承手段のさらに他の実施例を示す概念斜視図。
【図19】図19は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図20】図20は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図21】図21は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念斜視図。
【図22】図22は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念断面図。
【図23】図23は支承手段のさらに他の実施例の組み立て順序を示す概念断面図。
【図24】図24は支承手段のさらに他の実施例の作用を示す図。
【図25】図24は支承手段のさらに他の実施例の作用を示す図。
【図26】図26は従来の開口止水装置を示す平面図。
【図27】図27は従来の開口止水装置の問題点を示す平面図。
【符号の説明】
【0045】
2…構造物
3…開口
4,5…柱体
10…開口止水装置
11…チューブ体
12,13…端末手段
14…カプラー
15…液物注入口
16…エアー抜き口
17…排出口
18…封止ネジ
20…支承手段
21,22…連結金具
28,29…取付金具
40…止水シート
50…堰
70…位置決めブロック
70a…円弧状の切り欠
70b…弾性体からなるクッション部材
71…板状の固定ブロック
72,74…離着自由なテープ
73…貼着手段
75…固定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に形成された開口に、液物の流入を阻止する堰を形成するようにした開口止水装置において、
前記堰は、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体と、該チューブ体を前記構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段とを少なくとも備えたことを特徴とする開口止水装置。
【請求項2】
前記チューブ体は、注入された液物により膨らみ伸張すると略円柱体形状になることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項3】
前記チューブ体は両端にそれぞれ端末手段が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項4】
前記端末手段は、液物注入口、エアー抜き口、および液物の排出口と、該排出口を密封する封止ネジとを少なくとも備えた略円筒形のカプラーからなることを特徴とする請求項3に記載の開口止水装置。
【請求項5】
前記支承手段は、前記チューブ体に嵌挿する一対の連結金具と、前記構造物の開口を形成する柱体あるいは壁体に固着され、前記連結金具と連結する一対の取付金具とからなることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項6】
前記連結金具は前記取付金具に対して回動不可能に連結されることを特徴とする請求項5に記載の開口止水装置。
【請求項7】
前記連結金具は前記取付金具に対して回動自在に連結されることを特徴とする請求項6に記載の開口止水装置。
【請求項8】
前記支承手段は、離着自由なテープからなる貼着手段を介し柱体あるいは壁体に固着される板状の固定ブロックと、該固定ブロックに離着自由なテープからなる貼着手段介して位置決め固定され、前記弾性体のチューブ体を位置決め支承する位置決めブロックと、該位置決めブロックに前記弾性体のチューブ体を固定する離着自由なテープからなる固定手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項9】
前記位置決めブロックには、前記弾性体のチューブ体を嵌挿する円弧状の切り欠が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項10】
前記切り欠の周面には弾性体からなるクッション部材が貼着されていることを特徴とする請求項9に記載の開口止水装置。
【請求項11】
前記離着自由なテープからなる固定手段は、前記位置決めブロック及び前記弾性体のチューブ体を巻回して該弾性体のチューブ体を前記位置決めブロックに位置決め固定することを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項12】
前記固定ブロック及び位置決めブロックは樹脂により形成されていることを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項13】
前記構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間であって、前記チューブ体と前記支承手段が配置される路上には弾性体の止水シートが配設されることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項1】
構造物に形成された開口に、液物の流入を阻止する堰を形成するようにした開口止水装置において、
前記堰は、注入された液物により膨らみ伸張する弾性体のチューブ体と、該チューブ体を前記構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間に位置決め支承させる支承手段とを少なくとも備えたことを特徴とする開口止水装置。
【請求項2】
前記チューブ体は、注入された液物により膨らみ伸張すると略円柱体形状になることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項3】
前記チューブ体は両端にそれぞれ端末手段が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項4】
前記端末手段は、液物注入口、エアー抜き口、および液物の排出口と、該排出口を密封する封止ネジとを少なくとも備えた略円筒形のカプラーからなることを特徴とする請求項3に記載の開口止水装置。
【請求項5】
前記支承手段は、前記チューブ体に嵌挿する一対の連結金具と、前記構造物の開口を形成する柱体あるいは壁体に固着され、前記連結金具と連結する一対の取付金具とからなることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項6】
前記連結金具は前記取付金具に対して回動不可能に連結されることを特徴とする請求項5に記載の開口止水装置。
【請求項7】
前記連結金具は前記取付金具に対して回動自在に連結されることを特徴とする請求項6に記載の開口止水装置。
【請求項8】
前記支承手段は、離着自由なテープからなる貼着手段を介し柱体あるいは壁体に固着される板状の固定ブロックと、該固定ブロックに離着自由なテープからなる貼着手段介して位置決め固定され、前記弾性体のチューブ体を位置決め支承する位置決めブロックと、該位置決めブロックに前記弾性体のチューブ体を固定する離着自由なテープからなる固定手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【請求項9】
前記位置決めブロックには、前記弾性体のチューブ体を嵌挿する円弧状の切り欠が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項10】
前記切り欠の周面には弾性体からなるクッション部材が貼着されていることを特徴とする請求項9に記載の開口止水装置。
【請求項11】
前記離着自由なテープからなる固定手段は、前記位置決めブロック及び前記弾性体のチューブ体を巻回して該弾性体のチューブ体を前記位置決めブロックに位置決め固定することを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項12】
前記固定ブロック及び位置決めブロックは樹脂により形成されていることを特徴とする請求項8に記載の開口止水装置。
【請求項13】
前記構造物の開口を形成する柱体間あるいは壁体間であって、前記チューブ体と前記支承手段が配置される路上には弾性体の止水シートが配設されることを特徴とする請求項1に記載の開口止水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−9506(P2006−9506A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191429(P2004−191429)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(501474519)エン・テク株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(501474519)エン・テク株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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