開封前加熱用包装袋
【課題】開封前に加熱される内容品が収納される開封しやすい包装袋を提供する。
【解決手段】開封開始位置およびその近傍の周辺シール部11が包装袋10の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部12に、周辺外縁に端を発するノッチ14と該ノッチ14に連続しない開孔15とからなり、開孔15が包装袋10の開封予定方向に向かう第1の鋭角部17を有する開封開始部13を設ける。開封開始部13としては、開孔15が、ノッチ14の形成された側に、該ノッチ14に向けて凸となる円弧状の湾曲部16を有するものがあげられる。
【解決手段】開封開始位置およびその近傍の周辺シール部11が包装袋10の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部12に、周辺外縁に端を発するノッチ14と該ノッチ14に連続しない開孔15とからなり、開孔15が包装袋10の開封予定方向に向かう第1の鋭角部17を有する開封開始部13を設ける。開封開始部13としては、開孔15が、ノッチ14の形成された側に、該ノッチ14に向けて凸となる円弧状の湾曲部16を有するものがあげられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋(包装用袋)に関し、特に、開封しやすい開封前加熱用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋の不用意な開封を防止し、開封を容易にするため、開封部に貫通孔を設けることが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−100065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、切り口として貫通孔のみを形成した場合、開封に際してノッチがないので、一旦、貫通孔より外側に切断して開封のきっかけを作る必要がある。しかし、包装袋が、その内容品が湯煎等で開封前に加熱される用途に適用される場合は、開封の際、内容品の熱で包装袋が持ちにくく、開封しづらい、という問題があった。加熱された内容物の熱を避けるため、ノッチ付近のシール部の幅を広くすると、包装袋は持ちやすくなるがノッチが開けづらいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、開封しやすい開封前加熱用包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であって、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部が包装袋の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部に、周辺外縁に端を発するノッチと該ノッチに連続しない開孔とからなり、前記開孔が包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部を有する開封開始部が設けられていることを特徴とする開封前加熱用包装袋を提供する。
ここで、前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、該ノッチに向けて凸となる湾曲部を有することが好ましい。
また、前記湾曲部が円弧または円弧と直線とからなることが好ましい。
また、前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、第2の鋭角部を有することが好ましい。
また、第2の鋭角部が前記ノッチの形成された側において該ノッチの下方にずれた位置に向かう形状であることが好ましい。
また、前記膨出シール部および前記開封開始部が包装袋の少なくとも一方の側辺に設けられ、対向する側辺の外縁から前記開封開始部の開孔まで引き裂いた後、前記開封開始部の前記開孔の第2の鋭角部により、開封破断片が破断可能とされたことが好ましい。
また、前記開孔が、吊り下げ用の穴であることが好ましい。
また、前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることも可能である。
また、前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされたことが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の第1の鋭角部を有する開封前加熱用包装袋によれば、開封前に内容品が湯煎等で加熱され、開封の際に内容物の熱を避けるため、ノッチ付近のシール部の幅を広くしても、容易に開封することができる。
そして、膨出シール部に第1の鋭角部を有する開孔を設けたので、開孔の開封予定方向の幅を広くすることができ、開封開始部を発見しやすい。また、視力が大きく低下してノッチを見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部の表面を指でなぞることにより、開孔を見つけることができる。この場合、不用意な開封を避けるためにノッチの長さを短くしても、開孔を見つけることで、ノッチの所在を認識することができる。しかも、ノッチそのものを探さなくてもよく、包装袋の周縁エッジに触れる必要がないので、周縁エッジやノッチの角で指を傷つける恐れがない。
前記開孔が、ノッチの形成された側に、ノッチに向けて凸となる湾曲部を有する場合には、包装袋ごと湯煎して内容品を温めるに際して、開孔に箸等を通して湯煎から取り出すことができる。すなわち、開孔に箸を通して包装袋をぶら下げたり、フックを通して包装袋を吊り下げたりするときにも、湾曲部の側で重力を支えることができ、第1や第2の鋭角部から引き裂きが開始したり、さらにはその第1や第2の鋭角部の引き裂かれた箇所から内容品が漏れ出すことを防止することができる。
湾曲部が円弧または円弧と直線とからなるものであるとこの様な効果が顕著となる。
【0007】
本発明の第2の鋭角部を有する開封前加熱用包装袋によれば、対向する側辺外縁のノッチ等の開封手段から開封停止部となる開孔まで引き裂いて開封を進めた後、包装袋を持ち替えてその支持を開封停止部の側に移動し、さらに開封停止部の第2の鋭角部から周辺外縁まで切断線を形成することができる。これにより、切断時の反動を小さくし、内容品の飛び出しを防止して開封破断片を容易に除去することができる。特に、第2の鋭角部が周辺外縁側においてノッチの延長線上から下方にずれた位置に向かう様にしておくことで、包装袋を持ち替えてその支持を開封停止部の側に移動する際、内容品の重さで包装袋が斜めに傾いても切断の力を加えやすく、容易に開封破断片を除去することができる。
第2の鋭角部は、包装袋の横幅と充填される内容物の重量に応じて、水平ないし垂直の間の適宜な角度で、斜め下方に切り裂く方向に形成されるので、開孔にフックが挿通されて包装袋が吊り下げられた場合でも、第2の鋭角部から不用意な開封が開始されることがない。
【0008】
上述したように、本発明の包装袋における第1の鋭角部または第2の鋭角部を有する開孔は、フック等から吊り下げるために用いることも可能である。
前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることにより、膨出シール部の幅が広い場合でも、容易に開封することができる。
そして、前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされていると容易に引き裂くことができる。また、対向する側辺に開封開始部が設けられている場合には、確実に破断線を開封開始部に到達させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の包装袋の第1形態例を示す図であり、図1(a)は左側面図、図1(b)は平面図、図1(c)は正面図、図1(d)は底面図、図1(e)は図1(c)中のA−A線に沿う部分拡大断面図、図1(f)は膨らませた状態の中央縦断面図である。背面図は正面図と、右側面図は左側面図と、それぞれ同一に表されるので省略する。
【0010】
図1に示す包装袋10は、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部11が包装袋10の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部12に、周辺外縁に端を発するノッチ14と該ノッチ14に連続しない開孔15とからなる開封開始部13が設けられた包装袋であって、開孔15がノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部16と包装袋10の開封予定方向(図1(c)の左右方向)に向かう第1の鋭角部17とを有するものである。
【0011】
ノッチ14の形状としては、図1(c)に示す野球のホームベース形状のベースノッチに限定されるものではなく、このほか、V字状のVノッチ、U字状のUノッチ、I字状の切り込みからなるIノッチ(図2の符号14A参照)など、公知のノッチを採用することができる。
開孔15の湾曲部16は、ノッチに向けて凸となる形状であれば特に制限されず、円弧、楕円弧、放物線など、あるいはこれら同士、さらにはそれらと直線の組み合わせなど、種々の形状が可能である。これらのうち、湾曲部16が円弧または円弧と直線とからなるものであると、開孔15の縦方向の幅を大きくすることができるので、開孔15に箸等を通して湯煎から取り出すことが容易となる。
【0012】
また、第1の鋭角部17は、開封予定方向を向く第2のノッチとも言えるものであって、開封予定方向の終端で交差する一対の直線や曲線、ノッチ14と同様な形状のノッチ、あるいは湾曲部16を線対称としたような形状の開封予定方向に向けて凸となる円弧状の湾曲部にIノッチが付加されたもの等が採用可能である。
【0013】
図1に示した包装袋10は、一対の基材18,18を周辺部でシールすることにより製袋された平袋であり、周辺シール部11は、上部の開封側シール部19を含む四方に設けられている。また、膨出シール部12は、開封開始位置およびその近傍において、周辺シール部11の一部でシール幅を拡大したものである。膨出シール部12は、事前に内容品が加熱されている包装袋10を開封する際、指で摘む摘み部となるので、内容品から距離をおいて支える親指の位置などを考慮し、その幅は、10〜25mmとすることが好ましい。また、周辺シール部11のシール幅は、通常の包装体に採用される3〜12mm程度の幅である。
図1では、膨出シール部12が周辺外縁と平行に形成された態様が現されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、周辺シール部11が包装袋の底辺から上部に向かうに従い、漸次、拡幅するようにして、その上部を膨出シール部12としてもよい。
【0014】
包装袋10を構成する基材18としては、強靭であることが好ましく、強度が高い二軸延伸フィルムが積層されたラミネートフィルムなどを用いることができる。ラミネートフィルムは、少なくとも片面がヒートシール性を有することが必要であり、このようなラミネートフィルムとしては例えば、強靭な二軸延伸フィルムなどからなる基材層の表面にヒートシール性を有する樹脂からなるシーラント層を積層してなるラミネートフィルムを用いることができる。
さらに、ガスバリア性や水蒸気バリア性を付与するために、ポリ塩化ビニリデン層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層や金属箔、金属蒸着層、金属酸化物などのセラミックを蒸着してなるセラミック蒸着層などを設けたものが好適である。金属箔や金属蒸着層に用いられる金属としては、例えばアルミニウムを用いることができる。セラミックとしては、アルミナ(酸化アルミニウム)やシリカ(酸化ケイ素)等が例示される。
前記シーラント層を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。また、前記基材層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などからなる単層または多層の組み合わせを用いることができる。これらの基材層は、強度を上げるために複数積層されてもよい。
【0015】
本発明においては、開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であるので、加熱時に、包装袋10に内圧が発生する場合がある。また、その様な内容品として、例えば、カレーやシチュウなどの食品を包装するときは、充填後に充填口(図示せず)をシールして密封した後、通常、レトルト殺菌やボイル殺菌等の高温殺菌処理を行う。このときにも、包装袋10に内圧が発生する場合がある。そのため、シーラント層を厚くしたり、基材層の強度を高いものとしたりすることにより、充填密封された充填包装体を強靭なものとすることができる。その様な包装袋10を用いることにより、充填包装体を輸送する際、衝突や落下等の外力により、万が一ノッチ切れが起こったとしても、開孔15はノッチ14の側が湾曲部16となっているので、切れ目を開孔15に達したところで確実に止めることができ、内容物の漏出を防止することができる。充填前の包装袋に充填口を設ける位置は、特に限定されるものではなく、開封側シール部が設けられる箇所の他、包装袋の底部や側部などでも構わない。
【0016】
図1に示す包装袋10にカレーやシチュウなどの食品を充填した充填包装体を使用する時は、まず、開封開始部13を探すのであるが、本発明においては、膨出シール部12に第1の鋭角部17を有する開孔15を設けたので、開孔15の開封予定方向の幅を広くすることができ、開封開始部13を発見しやすい。
また、視力が大きく低下してノッチ14を見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部11の表面を指でなぞることにより、開孔15を見つけることができる。この場合、不用意な開封を避けるためにノッチ14の長さを短くしても、開孔15を見つけることで、ノッチ14の所在を認識することができる。しかも、ノッチ14そのものを探さなくてもよく、包装袋10の周縁エッジに触れる必要がないので、周縁エッジやノッチ14の角で指を傷つける恐れがない。なお、指を傷つけないように注意して、包装袋10の周縁エッジをなぞって、ノッチ14を見つけてもよいことは勿論である。
【0017】
そして、発見したノッチ14を起点として、開封開始部13から包装袋10を引き裂くことにより、開封時に生じる引き裂き線がまず開孔15に通じる。加熱された内容物を避けるようにノッチ14の近く(膨出シール部12の外側)を摘んでいても容易に引き裂き線を開孔15に通じさせることができるよう、開封開始部13を構成する該ノッチ14と該開孔15の間隔は、1mm〜4mmが望ましい。ここで、ノッチ14と開孔15の間隔とは、例えば、ノッチ14の先端から、該ノッチ14の延長方向で最初に開孔15の縁に達するまでの距離として規定することができる。
その後、開封予定方向を向く第2のノッチとも言える第1の鋭角部17から開封を再開すれば、反対側の側辺の開封開始部13(反対側の側辺に開封開始部13が設けられていない場合は、反対側の側辺外縁)まで包装袋10を横断する引き裂き線を容易に形成し開封することができる。このとき、ノッチ14から開孔15(詳しくは第1の鋭角部17)までの部分が全体として大きな裂け目となっているので、指の位置を第1の鋭角部17の近くに直さずとも、ノッチ14を引き裂いたときの指の位置のまま力を加え続けることで、容易に第1の鋭角部17から引き裂くことができる。
この様に、開封開始部13が第1の鋭角部17を有することにより、第1の鋭角部17から生じる引き裂き線が確実に開封予定方向に向かうので、意図しない方向へ引き裂き線が向かうことを防止することができ、開封が容易となる。
また、引き裂き線が膨出シール部12を横断するために必要な、ノッチ14および第1の鋭角部17からの引き裂き長さが、開孔15の大きさだけ短くて済むので、膨出シール部12の幅が広くても、開封しやすいものとなる。
【0018】
なお、二軸延伸フィルムは、縦と横の延伸が均一でない場合があること、および、引き裂き強度が高いことから、引き裂き線が開封予定方向からそれる場合があるので、開封開始部13に連続または近接して、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を、基材18の基材層に設けると、一の開封開始部13の開孔15から他の開封開始部13の開孔15に亘って直線状に切断を進行させることができるので好ましい。あるいは、PE、PP、PETやナイロンなどの一軸延伸フィルムや延伸倍率を調整したもの等の易引き裂き性フィルムをベースフィルムとして用いたり、ベースフィルムとシーラント層との間に介在させたりしてもよい。
【0019】
なお、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を設ける場合は、包装袋の全幅にわたって設けることもできるし、一の開封開始部13の開孔15から反対側の側辺外縁にわたって設けてもよい。そして、引き裂き線は、開孔15の第1の鋭角部17から直線状に引き裂ければ、反対側の開孔15に正確に到達することが好ましいが、必ずしもその必要はない。レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線は、包装袋10の表裏両方の基材18に設けることが好ましく、表裏両方の開封補助線の位置が一致していることがより好ましい。
【0020】
また、カレーやシチュウなどの食品を充填した包装体を温める場合に、包装袋10を開封することなくそのまま湯煎することが好ましい場合がある。その場合、開孔15は、湯煎した包装袋10を取り出すときに箸などを通すことができるので、お湯から包装体を取り出しやすくする。この観点からは、開孔15の大きさは、湾曲部16の高さ方向の幅が3〜12mm程度とすることが好ましい。また、開孔15をフック穴や箸穴として利用することを考えると、特に5〜10mmとすることが望ましい。また、開孔15は湾曲部16を有するので、開孔15にフックや箸を通すことで内容物が充填された包装袋がフックや箸にぶら下がった状態となっても、湾曲部16の側で重力を支えることができ、第1の鋭角部17から引き裂きが開始することを防止することができる。したがって、開孔15と第1の鋭角部17は、ここにフックや箸が貫通したり、指でなぞられる場合があることを考慮すると、シンプルで滑らかに連続する周縁を有する形状であることが好ましい。
【0021】
図2は、本発明の包装袋の第2形態例を示す図であり、第1形態例において、ノッチをIノッチとしたものである。
【0022】
図3は、本発明の包装袋の第3形態例を示す図である。以下、図3に基づいて第3形態例を、第1形態例と共通する部分を省略して説明する。図3に示す包装袋20は、膨出シール部22および開封開始部23,23が包装袋の左右両側に設けられたものであって、開封開始部23の開孔25がノッチ24の下方にずれた位置に向かう第2の鋭角部26を有するものである。
なお、図4は、本発明の包装袋の第4形態例を示す図であり、第3形態例において、ノッチをIノッチとしたものである。図4に示す第4形態例の包装袋20Aは、図3に示す第3形態例の包装袋20と同様の機能を有しているので、以下、図3を参照してこれらの包装袋を説明する。
【0023】
図3に示す包装袋20にカレーやシチュウなどの食品を充填した充填包装体を使用する時は、図5に示すように、一方の開封開始部23の側(図5(a)の左側)で包装袋20を支持してそのノッチ24を起点として包装袋20を引き裂くことにより、開封時に生じる引き裂き線がまず開孔25に通じた後、第1の鋭角部27から再び引き裂き線が生じて、一方の開封開始部23の開孔25から他方の開封開始部23(図5(a)の右側)の開孔まで達する第1の切断線L1を容易に形成することができる。
【0024】
さらに、図5(b)に示すように、包装袋20を持ち替え、左右を入れ替えて切断未了の開封開始部23の側(図5(b)の左側)で包装袋20を支持する。このとき、通常は、内容物の重量により、切断未了の開封開始部23の側がより上方となるように、包装袋20が傾くことが多い。この状態で、第1の切断線L1よりも上側の部分(開封側シール部29を含む破断片)の開封開始部23の近傍を摘まんで、図5(b)の白抜き矢印に示すように手前側に引っ張って、切断未了の開封開始部23の第2の鋭角部26から引き裂き線を生じて周辺外縁まで第2の切断線L2を形成することにより、破断片を、包装袋20の左右全幅にわたって除去することができる。第2の切断線L2を形成する際、袋を持ち替えても、切断線L2となる部分を略水平に保持することができるので、力の入れ具合を容易に加減でき、切断時の反動が小さく、内容品の飛び出しを防止することができる。このケースは右利きの人の場合であるが、左利きの人の場合は、左右を入れ替えて開封動作を行えばよい。
【0025】
なお、第2の切断線L2は、側辺外縁に斜めに交差してもよいし、直交してもよい。また、この場合は、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を包装袋の全幅にわたって設けることもできるし、一の開封開始部23の開孔25と他の開封開始部23間の開孔25にのみ設けてもよい。開封補助線を包装袋の全幅にわたって設けるとノッチ24を起点として包装袋20を引き裂くことが容易となる。開封補助線を一の開封開始部23の開孔25と他の開封開始部23の開孔25間にのみ設けるとノッチ24からの不用意な開封を有効に防止することができる。さらに、第2の切断線L2を誘導するように開封補助線を設けてもよい。
【0026】
なお、本形態例は、ノッチ24と第1の鋭角部27および第2の鋭角部26を有する開孔25とからなる開封開始部23を包装袋20の左右両側に備え、いずれの開封開始部23からでも開封を開始できる構成であるが、図6に示すように、一方の側辺にのみ、開封開始部13を設け、他方の側辺には、単なるノッチ101等の開封手段のみを設けた構成であっても、この開封手段から図5と同様の手順により開封することが可能である。この時は、第2の鋭角部102のみが機能し、第1の鋭角部17はなくてもよいことになる。
【0027】
つまり、図7に示すように、一方の側辺には、ノッチ14と他方の側辺に向かう形状の第1の鋭角部17を有する第1の開孔15とからなる開封開始部13を設け、他方の側辺には、側辺外縁(好ましくは、一方の側辺のノッチの延長線上よりも下方にずれた位置)に向かう形状の第2の鋭角部202を有する第2の開孔201を設け、第1の鋭角部を省略した構成であっても、図5と同様の手順により開封することが可能である。そして、この第2の開孔201は、円弧または円弧と直線とからなるなど、その形状や大きさ等、開封開始部13の開孔15に準じて、膨出シール部12に設け、箸やフックを通す孔としても利用することができる。
【0028】
ただし、図6に示すように、開孔15は、第1の鋭角部17および第2の鋭角部102の両方を有すると、第1の鋭角部17からも開封することができるので、開封の自由度が大きくなる。例えば、視力が大きく低下してノッチを見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部の表面を指でなぞることにより、開孔15を見つけることができ、第1の鋭角部17からも開封することができるので、両方の鋭角部17,102を備えることが好ましいのである。
この包装袋100の開封をノッチ14から開始する場合には、第1の鋭角部17を有する開孔15が開封開始部として機能し、ノッチ14から開孔15まで切り裂いた後、開封予定方向に向かう第1の鋭角部17を利用して包装袋100を開封することができる。
また、包装袋100の開封をノッチ101から開始する場合には、ノッチ101と対向する側辺の、ノッチ101の延長線上に位置する開孔15を開封停止部として利用し、ノッチ101からの開封線を開孔15で一旦停止した後、包装袋100を持ち替えてその支持を開孔15の側に移動し、さらに開封停止部の第2の鋭角部102から周辺外縁まで切断線を形成することができる。
【0029】
なお、上記の第2の鋭角部102,202を有する開孔15,201は、包装袋100,200をフック(図示せず)に吊り下げるための吊り下げ穴として用いることができる。開孔15は円弧状の湾曲部16,203を開孔の上方に有するので、フックが円柱状の部材あるいはそれを屈曲させたものからなるものであると、湾曲部16がフックの外周面に密着する。また、第2の鋭角部102,202は、包装袋100,200の横幅と充填される内容物の重量に応じて、水平ないし垂直の間の適宜な角度で、斜め下方に切り裂く方向に形成されると、開孔15,201にフックが挿通されて包装袋100,200が吊るされるような場合であっても、第2の鋭角部102,202から不用意な開封が開始されることがないので好ましい。
【0030】
その他の形態例としては、図8や図9に示すように、開孔35,45がノッチ34,44の形成された側において、略水平に向かう第2の鋭角部36,46を有する形態例が挙げられる。図8では第2の鋭角部36は、ノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部に設けられた曲線状、図9では第2の鋭角部46は、ノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部を備えず、第1の鋭角部47と線対称な直線状(開孔45が略六角形状)である。これらの包装袋30,40の場合でも、第3形態例や第4形態例の包装袋20,20Aと同様、第2の鋭角部36,46を起点として終端部の切断線を形成することができ、それらと同様に切断時の反動が小さく、内容品の飛び出しを防止することができる。この場合は、終端部の切断線を形成する際、袋が傾かないよう、水平に保持することが望ましい。
【0031】
また、図10に示す形態例の包装袋10Bのように、開封側シール部19または他の周辺シール部11に孔19Aを設けることで、店頭で陳列する際に、このフック孔19Aにフックを通して吊り下げることができる。
【0032】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。本発明に適用可能な包装袋の形態は特にこれに限定されるものではなく、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンディングパウチなど種々の形態を採用することが可能である。また、図1,図2,図10に示す形態例の包装袋10,10A,10Bでは、ノッチおよび開孔からなる開封開始部が包装袋の左右両側に設けられた態様を示したが、包装体の開口幅が狭い場合には、内容品の充填適性に差し障ることがあるので、その場合は、いずれか片側にのみ開封開始部を設けてもよい。
【0033】
また、本発明の包装袋においては、一の膨出シール部に複数の開孔を設けても良い。例えば、図11に示すように、一の膨出シール部12に周辺外縁に端を発するノッチ14と、該ノッチ14の開封予定方向の延長線上に位置する複数の開孔151,152を設け、それぞれの開孔151,152が、包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部171,172を有することにより、まずはノッチ14から第1の開孔151までを開封し、次いで、第1の開孔151の第1の鋭角部171から第2の開孔152までを開封し、さらに、第2の開孔152の第1の鋭角部172を利用して、包装袋の全幅を開封することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、食品などの開封前の加熱を必要とする各種内容品の包装に利用することができる。とりわけ、カレーやシチュウなどレトルト食品の包装に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の包装袋の第1形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のA−A線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図2】本発明の包装袋の第2形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のB−B線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図3】本発明の包装袋の第3形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のC−C線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図4】本発明の包装袋の第4形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のD−D線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図5】図3に示す包装袋を開封する手順における(a)第1工程、および(b)第2工程を説明する説明図である。
【図6】本発明の包装袋の第5形態例を示す正面図である。
【図7】本発明の包装袋の第6形態例を示す正面図である。
【図8】本発明の包装袋の第7形態例を示す正面図である。
【図9】本発明の包装袋の第8形態例を示す正面図である。
【図10】本発明の包装袋の第9形態例を示す正面図である。
【図11】一の膨出シール部にノッチ及び複数の開孔を設けてなる開封開始部の構成例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0036】
10,10A,10B,20,20A,30,40,100,200…包装袋、11,21,31,41…周辺シール部、12,22,32,42…膨出シール部、13,13A,23,23A,33,43…開封開始部、14,14A,24,24A,34,44,101…ノッチ、15,25,35,45,151,152,201…開孔、16,203…湾曲部、26,36,46,102,202…第2の鋭角部、17,27,37,47,171,172…第1の鋭角部、18,28…基材、19,29,39,49…開封側シール部、19A…フック孔。
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋(包装用袋)に関し、特に、開封しやすい開封前加熱用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋の不用意な開封を防止し、開封を容易にするため、開封部に貫通孔を設けることが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−100065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、切り口として貫通孔のみを形成した場合、開封に際してノッチがないので、一旦、貫通孔より外側に切断して開封のきっかけを作る必要がある。しかし、包装袋が、その内容品が湯煎等で開封前に加熱される用途に適用される場合は、開封の際、内容品の熱で包装袋が持ちにくく、開封しづらい、という問題があった。加熱された内容物の熱を避けるため、ノッチ付近のシール部の幅を広くすると、包装袋は持ちやすくなるがノッチが開けづらいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、開封しやすい開封前加熱用包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であって、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部が包装袋の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部に、周辺外縁に端を発するノッチと該ノッチに連続しない開孔とからなり、前記開孔が包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部を有する開封開始部が設けられていることを特徴とする開封前加熱用包装袋を提供する。
ここで、前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、該ノッチに向けて凸となる湾曲部を有することが好ましい。
また、前記湾曲部が円弧または円弧と直線とからなることが好ましい。
また、前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、第2の鋭角部を有することが好ましい。
また、第2の鋭角部が前記ノッチの形成された側において該ノッチの下方にずれた位置に向かう形状であることが好ましい。
また、前記膨出シール部および前記開封開始部が包装袋の少なくとも一方の側辺に設けられ、対向する側辺の外縁から前記開封開始部の開孔まで引き裂いた後、前記開封開始部の前記開孔の第2の鋭角部により、開封破断片が破断可能とされたことが好ましい。
また、前記開孔が、吊り下げ用の穴であることが好ましい。
また、前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることも可能である。
また、前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされたことが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の第1の鋭角部を有する開封前加熱用包装袋によれば、開封前に内容品が湯煎等で加熱され、開封の際に内容物の熱を避けるため、ノッチ付近のシール部の幅を広くしても、容易に開封することができる。
そして、膨出シール部に第1の鋭角部を有する開孔を設けたので、開孔の開封予定方向の幅を広くすることができ、開封開始部を発見しやすい。また、視力が大きく低下してノッチを見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部の表面を指でなぞることにより、開孔を見つけることができる。この場合、不用意な開封を避けるためにノッチの長さを短くしても、開孔を見つけることで、ノッチの所在を認識することができる。しかも、ノッチそのものを探さなくてもよく、包装袋の周縁エッジに触れる必要がないので、周縁エッジやノッチの角で指を傷つける恐れがない。
前記開孔が、ノッチの形成された側に、ノッチに向けて凸となる湾曲部を有する場合には、包装袋ごと湯煎して内容品を温めるに際して、開孔に箸等を通して湯煎から取り出すことができる。すなわち、開孔に箸を通して包装袋をぶら下げたり、フックを通して包装袋を吊り下げたりするときにも、湾曲部の側で重力を支えることができ、第1や第2の鋭角部から引き裂きが開始したり、さらにはその第1や第2の鋭角部の引き裂かれた箇所から内容品が漏れ出すことを防止することができる。
湾曲部が円弧または円弧と直線とからなるものであるとこの様な効果が顕著となる。
【0007】
本発明の第2の鋭角部を有する開封前加熱用包装袋によれば、対向する側辺外縁のノッチ等の開封手段から開封停止部となる開孔まで引き裂いて開封を進めた後、包装袋を持ち替えてその支持を開封停止部の側に移動し、さらに開封停止部の第2の鋭角部から周辺外縁まで切断線を形成することができる。これにより、切断時の反動を小さくし、内容品の飛び出しを防止して開封破断片を容易に除去することができる。特に、第2の鋭角部が周辺外縁側においてノッチの延長線上から下方にずれた位置に向かう様にしておくことで、包装袋を持ち替えてその支持を開封停止部の側に移動する際、内容品の重さで包装袋が斜めに傾いても切断の力を加えやすく、容易に開封破断片を除去することができる。
第2の鋭角部は、包装袋の横幅と充填される内容物の重量に応じて、水平ないし垂直の間の適宜な角度で、斜め下方に切り裂く方向に形成されるので、開孔にフックが挿通されて包装袋が吊り下げられた場合でも、第2の鋭角部から不用意な開封が開始されることがない。
【0008】
上述したように、本発明の包装袋における第1の鋭角部または第2の鋭角部を有する開孔は、フック等から吊り下げるために用いることも可能である。
前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることにより、膨出シール部の幅が広い場合でも、容易に開封することができる。
そして、前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされていると容易に引き裂くことができる。また、対向する側辺に開封開始部が設けられている場合には、確実に破断線を開封開始部に到達させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の包装袋の第1形態例を示す図であり、図1(a)は左側面図、図1(b)は平面図、図1(c)は正面図、図1(d)は底面図、図1(e)は図1(c)中のA−A線に沿う部分拡大断面図、図1(f)は膨らませた状態の中央縦断面図である。背面図は正面図と、右側面図は左側面図と、それぞれ同一に表されるので省略する。
【0010】
図1に示す包装袋10は、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部11が包装袋10の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部12に、周辺外縁に端を発するノッチ14と該ノッチ14に連続しない開孔15とからなる開封開始部13が設けられた包装袋であって、開孔15がノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部16と包装袋10の開封予定方向(図1(c)の左右方向)に向かう第1の鋭角部17とを有するものである。
【0011】
ノッチ14の形状としては、図1(c)に示す野球のホームベース形状のベースノッチに限定されるものではなく、このほか、V字状のVノッチ、U字状のUノッチ、I字状の切り込みからなるIノッチ(図2の符号14A参照)など、公知のノッチを採用することができる。
開孔15の湾曲部16は、ノッチに向けて凸となる形状であれば特に制限されず、円弧、楕円弧、放物線など、あるいはこれら同士、さらにはそれらと直線の組み合わせなど、種々の形状が可能である。これらのうち、湾曲部16が円弧または円弧と直線とからなるものであると、開孔15の縦方向の幅を大きくすることができるので、開孔15に箸等を通して湯煎から取り出すことが容易となる。
【0012】
また、第1の鋭角部17は、開封予定方向を向く第2のノッチとも言えるものであって、開封予定方向の終端で交差する一対の直線や曲線、ノッチ14と同様な形状のノッチ、あるいは湾曲部16を線対称としたような形状の開封予定方向に向けて凸となる円弧状の湾曲部にIノッチが付加されたもの等が採用可能である。
【0013】
図1に示した包装袋10は、一対の基材18,18を周辺部でシールすることにより製袋された平袋であり、周辺シール部11は、上部の開封側シール部19を含む四方に設けられている。また、膨出シール部12は、開封開始位置およびその近傍において、周辺シール部11の一部でシール幅を拡大したものである。膨出シール部12は、事前に内容品が加熱されている包装袋10を開封する際、指で摘む摘み部となるので、内容品から距離をおいて支える親指の位置などを考慮し、その幅は、10〜25mmとすることが好ましい。また、周辺シール部11のシール幅は、通常の包装体に採用される3〜12mm程度の幅である。
図1では、膨出シール部12が周辺外縁と平行に形成された態様が現されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、周辺シール部11が包装袋の底辺から上部に向かうに従い、漸次、拡幅するようにして、その上部を膨出シール部12としてもよい。
【0014】
包装袋10を構成する基材18としては、強靭であることが好ましく、強度が高い二軸延伸フィルムが積層されたラミネートフィルムなどを用いることができる。ラミネートフィルムは、少なくとも片面がヒートシール性を有することが必要であり、このようなラミネートフィルムとしては例えば、強靭な二軸延伸フィルムなどからなる基材層の表面にヒートシール性を有する樹脂からなるシーラント層を積層してなるラミネートフィルムを用いることができる。
さらに、ガスバリア性や水蒸気バリア性を付与するために、ポリ塩化ビニリデン層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層や金属箔、金属蒸着層、金属酸化物などのセラミックを蒸着してなるセラミック蒸着層などを設けたものが好適である。金属箔や金属蒸着層に用いられる金属としては、例えばアルミニウムを用いることができる。セラミックとしては、アルミナ(酸化アルミニウム)やシリカ(酸化ケイ素)等が例示される。
前記シーラント層を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。また、前記基材層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などからなる単層または多層の組み合わせを用いることができる。これらの基材層は、強度を上げるために複数積層されてもよい。
【0015】
本発明においては、開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であるので、加熱時に、包装袋10に内圧が発生する場合がある。また、その様な内容品として、例えば、カレーやシチュウなどの食品を包装するときは、充填後に充填口(図示せず)をシールして密封した後、通常、レトルト殺菌やボイル殺菌等の高温殺菌処理を行う。このときにも、包装袋10に内圧が発生する場合がある。そのため、シーラント層を厚くしたり、基材層の強度を高いものとしたりすることにより、充填密封された充填包装体を強靭なものとすることができる。その様な包装袋10を用いることにより、充填包装体を輸送する際、衝突や落下等の外力により、万が一ノッチ切れが起こったとしても、開孔15はノッチ14の側が湾曲部16となっているので、切れ目を開孔15に達したところで確実に止めることができ、内容物の漏出を防止することができる。充填前の包装袋に充填口を設ける位置は、特に限定されるものではなく、開封側シール部が設けられる箇所の他、包装袋の底部や側部などでも構わない。
【0016】
図1に示す包装袋10にカレーやシチュウなどの食品を充填した充填包装体を使用する時は、まず、開封開始部13を探すのであるが、本発明においては、膨出シール部12に第1の鋭角部17を有する開孔15を設けたので、開孔15の開封予定方向の幅を広くすることができ、開封開始部13を発見しやすい。
また、視力が大きく低下してノッチ14を見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部11の表面を指でなぞることにより、開孔15を見つけることができる。この場合、不用意な開封を避けるためにノッチ14の長さを短くしても、開孔15を見つけることで、ノッチ14の所在を認識することができる。しかも、ノッチ14そのものを探さなくてもよく、包装袋10の周縁エッジに触れる必要がないので、周縁エッジやノッチ14の角で指を傷つける恐れがない。なお、指を傷つけないように注意して、包装袋10の周縁エッジをなぞって、ノッチ14を見つけてもよいことは勿論である。
【0017】
そして、発見したノッチ14を起点として、開封開始部13から包装袋10を引き裂くことにより、開封時に生じる引き裂き線がまず開孔15に通じる。加熱された内容物を避けるようにノッチ14の近く(膨出シール部12の外側)を摘んでいても容易に引き裂き線を開孔15に通じさせることができるよう、開封開始部13を構成する該ノッチ14と該開孔15の間隔は、1mm〜4mmが望ましい。ここで、ノッチ14と開孔15の間隔とは、例えば、ノッチ14の先端から、該ノッチ14の延長方向で最初に開孔15の縁に達するまでの距離として規定することができる。
その後、開封予定方向を向く第2のノッチとも言える第1の鋭角部17から開封を再開すれば、反対側の側辺の開封開始部13(反対側の側辺に開封開始部13が設けられていない場合は、反対側の側辺外縁)まで包装袋10を横断する引き裂き線を容易に形成し開封することができる。このとき、ノッチ14から開孔15(詳しくは第1の鋭角部17)までの部分が全体として大きな裂け目となっているので、指の位置を第1の鋭角部17の近くに直さずとも、ノッチ14を引き裂いたときの指の位置のまま力を加え続けることで、容易に第1の鋭角部17から引き裂くことができる。
この様に、開封開始部13が第1の鋭角部17を有することにより、第1の鋭角部17から生じる引き裂き線が確実に開封予定方向に向かうので、意図しない方向へ引き裂き線が向かうことを防止することができ、開封が容易となる。
また、引き裂き線が膨出シール部12を横断するために必要な、ノッチ14および第1の鋭角部17からの引き裂き長さが、開孔15の大きさだけ短くて済むので、膨出シール部12の幅が広くても、開封しやすいものとなる。
【0018】
なお、二軸延伸フィルムは、縦と横の延伸が均一でない場合があること、および、引き裂き強度が高いことから、引き裂き線が開封予定方向からそれる場合があるので、開封開始部13に連続または近接して、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を、基材18の基材層に設けると、一の開封開始部13の開孔15から他の開封開始部13の開孔15に亘って直線状に切断を進行させることができるので好ましい。あるいは、PE、PP、PETやナイロンなどの一軸延伸フィルムや延伸倍率を調整したもの等の易引き裂き性フィルムをベースフィルムとして用いたり、ベースフィルムとシーラント層との間に介在させたりしてもよい。
【0019】
なお、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を設ける場合は、包装袋の全幅にわたって設けることもできるし、一の開封開始部13の開孔15から反対側の側辺外縁にわたって設けてもよい。そして、引き裂き線は、開孔15の第1の鋭角部17から直線状に引き裂ければ、反対側の開孔15に正確に到達することが好ましいが、必ずしもその必要はない。レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線は、包装袋10の表裏両方の基材18に設けることが好ましく、表裏両方の開封補助線の位置が一致していることがより好ましい。
【0020】
また、カレーやシチュウなどの食品を充填した包装体を温める場合に、包装袋10を開封することなくそのまま湯煎することが好ましい場合がある。その場合、開孔15は、湯煎した包装袋10を取り出すときに箸などを通すことができるので、お湯から包装体を取り出しやすくする。この観点からは、開孔15の大きさは、湾曲部16の高さ方向の幅が3〜12mm程度とすることが好ましい。また、開孔15をフック穴や箸穴として利用することを考えると、特に5〜10mmとすることが望ましい。また、開孔15は湾曲部16を有するので、開孔15にフックや箸を通すことで内容物が充填された包装袋がフックや箸にぶら下がった状態となっても、湾曲部16の側で重力を支えることができ、第1の鋭角部17から引き裂きが開始することを防止することができる。したがって、開孔15と第1の鋭角部17は、ここにフックや箸が貫通したり、指でなぞられる場合があることを考慮すると、シンプルで滑らかに連続する周縁を有する形状であることが好ましい。
【0021】
図2は、本発明の包装袋の第2形態例を示す図であり、第1形態例において、ノッチをIノッチとしたものである。
【0022】
図3は、本発明の包装袋の第3形態例を示す図である。以下、図3に基づいて第3形態例を、第1形態例と共通する部分を省略して説明する。図3に示す包装袋20は、膨出シール部22および開封開始部23,23が包装袋の左右両側に設けられたものであって、開封開始部23の開孔25がノッチ24の下方にずれた位置に向かう第2の鋭角部26を有するものである。
なお、図4は、本発明の包装袋の第4形態例を示す図であり、第3形態例において、ノッチをIノッチとしたものである。図4に示す第4形態例の包装袋20Aは、図3に示す第3形態例の包装袋20と同様の機能を有しているので、以下、図3を参照してこれらの包装袋を説明する。
【0023】
図3に示す包装袋20にカレーやシチュウなどの食品を充填した充填包装体を使用する時は、図5に示すように、一方の開封開始部23の側(図5(a)の左側)で包装袋20を支持してそのノッチ24を起点として包装袋20を引き裂くことにより、開封時に生じる引き裂き線がまず開孔25に通じた後、第1の鋭角部27から再び引き裂き線が生じて、一方の開封開始部23の開孔25から他方の開封開始部23(図5(a)の右側)の開孔まで達する第1の切断線L1を容易に形成することができる。
【0024】
さらに、図5(b)に示すように、包装袋20を持ち替え、左右を入れ替えて切断未了の開封開始部23の側(図5(b)の左側)で包装袋20を支持する。このとき、通常は、内容物の重量により、切断未了の開封開始部23の側がより上方となるように、包装袋20が傾くことが多い。この状態で、第1の切断線L1よりも上側の部分(開封側シール部29を含む破断片)の開封開始部23の近傍を摘まんで、図5(b)の白抜き矢印に示すように手前側に引っ張って、切断未了の開封開始部23の第2の鋭角部26から引き裂き線を生じて周辺外縁まで第2の切断線L2を形成することにより、破断片を、包装袋20の左右全幅にわたって除去することができる。第2の切断線L2を形成する際、袋を持ち替えても、切断線L2となる部分を略水平に保持することができるので、力の入れ具合を容易に加減でき、切断時の反動が小さく、内容品の飛び出しを防止することができる。このケースは右利きの人の場合であるが、左利きの人の場合は、左右を入れ替えて開封動作を行えばよい。
【0025】
なお、第2の切断線L2は、側辺外縁に斜めに交差してもよいし、直交してもよい。また、この場合は、レーザーなどで形成された連続または断続する溝からなる開封補助線を包装袋の全幅にわたって設けることもできるし、一の開封開始部23の開孔25と他の開封開始部23間の開孔25にのみ設けてもよい。開封補助線を包装袋の全幅にわたって設けるとノッチ24を起点として包装袋20を引き裂くことが容易となる。開封補助線を一の開封開始部23の開孔25と他の開封開始部23の開孔25間にのみ設けるとノッチ24からの不用意な開封を有効に防止することができる。さらに、第2の切断線L2を誘導するように開封補助線を設けてもよい。
【0026】
なお、本形態例は、ノッチ24と第1の鋭角部27および第2の鋭角部26を有する開孔25とからなる開封開始部23を包装袋20の左右両側に備え、いずれの開封開始部23からでも開封を開始できる構成であるが、図6に示すように、一方の側辺にのみ、開封開始部13を設け、他方の側辺には、単なるノッチ101等の開封手段のみを設けた構成であっても、この開封手段から図5と同様の手順により開封することが可能である。この時は、第2の鋭角部102のみが機能し、第1の鋭角部17はなくてもよいことになる。
【0027】
つまり、図7に示すように、一方の側辺には、ノッチ14と他方の側辺に向かう形状の第1の鋭角部17を有する第1の開孔15とからなる開封開始部13を設け、他方の側辺には、側辺外縁(好ましくは、一方の側辺のノッチの延長線上よりも下方にずれた位置)に向かう形状の第2の鋭角部202を有する第2の開孔201を設け、第1の鋭角部を省略した構成であっても、図5と同様の手順により開封することが可能である。そして、この第2の開孔201は、円弧または円弧と直線とからなるなど、その形状や大きさ等、開封開始部13の開孔15に準じて、膨出シール部12に設け、箸やフックを通す孔としても利用することができる。
【0028】
ただし、図6に示すように、開孔15は、第1の鋭角部17および第2の鋭角部102の両方を有すると、第1の鋭角部17からも開封することができるので、開封の自由度が大きくなる。例えば、視力が大きく低下してノッチを見つけにくい人の場合であっても、周辺シール部の表面を指でなぞることにより、開孔15を見つけることができ、第1の鋭角部17からも開封することができるので、両方の鋭角部17,102を備えることが好ましいのである。
この包装袋100の開封をノッチ14から開始する場合には、第1の鋭角部17を有する開孔15が開封開始部として機能し、ノッチ14から開孔15まで切り裂いた後、開封予定方向に向かう第1の鋭角部17を利用して包装袋100を開封することができる。
また、包装袋100の開封をノッチ101から開始する場合には、ノッチ101と対向する側辺の、ノッチ101の延長線上に位置する開孔15を開封停止部として利用し、ノッチ101からの開封線を開孔15で一旦停止した後、包装袋100を持ち替えてその支持を開孔15の側に移動し、さらに開封停止部の第2の鋭角部102から周辺外縁まで切断線を形成することができる。
【0029】
なお、上記の第2の鋭角部102,202を有する開孔15,201は、包装袋100,200をフック(図示せず)に吊り下げるための吊り下げ穴として用いることができる。開孔15は円弧状の湾曲部16,203を開孔の上方に有するので、フックが円柱状の部材あるいはそれを屈曲させたものからなるものであると、湾曲部16がフックの外周面に密着する。また、第2の鋭角部102,202は、包装袋100,200の横幅と充填される内容物の重量に応じて、水平ないし垂直の間の適宜な角度で、斜め下方に切り裂く方向に形成されると、開孔15,201にフックが挿通されて包装袋100,200が吊るされるような場合であっても、第2の鋭角部102,202から不用意な開封が開始されることがないので好ましい。
【0030】
その他の形態例としては、図8や図9に示すように、開孔35,45がノッチ34,44の形成された側において、略水平に向かう第2の鋭角部36,46を有する形態例が挙げられる。図8では第2の鋭角部36は、ノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部に設けられた曲線状、図9では第2の鋭角部46は、ノッチに向けて凸となる円弧状の湾曲部を備えず、第1の鋭角部47と線対称な直線状(開孔45が略六角形状)である。これらの包装袋30,40の場合でも、第3形態例や第4形態例の包装袋20,20Aと同様、第2の鋭角部36,46を起点として終端部の切断線を形成することができ、それらと同様に切断時の反動が小さく、内容品の飛び出しを防止することができる。この場合は、終端部の切断線を形成する際、袋が傾かないよう、水平に保持することが望ましい。
【0031】
また、図10に示す形態例の包装袋10Bのように、開封側シール部19または他の周辺シール部11に孔19Aを設けることで、店頭で陳列する際に、このフック孔19Aにフックを通して吊り下げることができる。
【0032】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。本発明に適用可能な包装袋の形態は特にこれに限定されるものではなく、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンディングパウチなど種々の形態を採用することが可能である。また、図1,図2,図10に示す形態例の包装袋10,10A,10Bでは、ノッチおよび開孔からなる開封開始部が包装袋の左右両側に設けられた態様を示したが、包装体の開口幅が狭い場合には、内容品の充填適性に差し障ることがあるので、その場合は、いずれか片側にのみ開封開始部を設けてもよい。
【0033】
また、本発明の包装袋においては、一の膨出シール部に複数の開孔を設けても良い。例えば、図11に示すように、一の膨出シール部12に周辺外縁に端を発するノッチ14と、該ノッチ14の開封予定方向の延長線上に位置する複数の開孔151,152を設け、それぞれの開孔151,152が、包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部171,172を有することにより、まずはノッチ14から第1の開孔151までを開封し、次いで、第1の開孔151の第1の鋭角部171から第2の開孔152までを開封し、さらに、第2の開孔152の第1の鋭角部172を利用して、包装袋の全幅を開封することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、食品などの開封前の加熱を必要とする各種内容品の包装に利用することができる。とりわけ、カレーやシチュウなどレトルト食品の包装に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の包装袋の第1形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のA−A線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図2】本発明の包装袋の第2形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のB−B線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図3】本発明の包装袋の第3形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のC−C線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図4】本発明の包装袋の第4形態例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は底面図、(e)は(c)中のD−D線に沿う部分拡大断面図、(f)は袋を膨らませた状態の中央縦断面図である。
【図5】図3に示す包装袋を開封する手順における(a)第1工程、および(b)第2工程を説明する説明図である。
【図6】本発明の包装袋の第5形態例を示す正面図である。
【図7】本発明の包装袋の第6形態例を示す正面図である。
【図8】本発明の包装袋の第7形態例を示す正面図である。
【図9】本発明の包装袋の第8形態例を示す正面図である。
【図10】本発明の包装袋の第9形態例を示す正面図である。
【図11】一の膨出シール部にノッチ及び複数の開孔を設けてなる開封開始部の構成例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0036】
10,10A,10B,20,20A,30,40,100,200…包装袋、11,21,31,41…周辺シール部、12,22,32,42…膨出シール部、13,13A,23,23A,33,43…開封開始部、14,14A,24,24A,34,44,101…ノッチ、15,25,35,45,151,152,201…開孔、16,203…湾曲部、26,36,46,102,202…第2の鋭角部、17,27,37,47,171,172…第1の鋭角部、18,28…基材、19,29,39,49…開封側シール部、19A…フック孔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であって、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部が包装袋の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部に、周辺外縁に端を発するノッチと該ノッチに連続しない開孔とからなり、前記開孔が包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部を有する開封開始部が設けられていることを特徴とする開封前加熱用包装袋。
【請求項2】
前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、該ノッチに向けて凸となる湾曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項3】
前記湾曲部が円弧または円弧と直線とからなることを特徴とする請求項2に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項4】
前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、第2の鋭角部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項5】
第2の鋭角部が前記ノッチの形成された側において該ノッチの下方にずれた位置に向かう形状であることを特徴とする請求項4に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項6】
前記膨出シール部および前記開封開始部が包装袋の少なくとも一方の側辺に設けられ、対向する側辺の外縁から前記開封開始部の開孔まで引き裂いた後、前記開封開始部の前記開孔の第2の鋭角部により、開封破断片が破断可能とされたことを特徴とする請求項4または5に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項7】
前記開孔が、吊り下げ用の穴であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項8】
前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項9】
前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項1】
開封前に加熱される内容品が収納される包装袋であって、開封開始位置およびその近傍の周辺シール部が包装袋の内側に膨出してシールされてなる膨出シール部に、周辺外縁に端を発するノッチと該ノッチに連続しない開孔とからなり、前記開孔が包装袋の開封予定方向に向かう第1の鋭角部を有する開封開始部が設けられていることを特徴とする開封前加熱用包装袋。
【請求項2】
前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、該ノッチに向けて凸となる湾曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項3】
前記湾曲部が円弧または円弧と直線とからなることを特徴とする請求項2に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項4】
前記開孔が、前記ノッチの形成された側に、第2の鋭角部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項5】
第2の鋭角部が前記ノッチの形成された側において該ノッチの下方にずれた位置に向かう形状であることを特徴とする請求項4に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項6】
前記膨出シール部および前記開封開始部が包装袋の少なくとも一方の側辺に設けられ、対向する側辺の外縁から前記開封開始部の開孔まで引き裂いた後、前記開封開始部の前記開孔の第2の鋭角部により、開封破断片が破断可能とされたことを特徴とする請求項4または5に記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項7】
前記開孔が、吊り下げ用の穴であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項8】
前記開孔が、一の膨出シール部に複数形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【請求項9】
前記包装袋が開封開始位置から直線状に引き裂き可能とされたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の開封前加熱用包装袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−137882(P2010−137882A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314784(P2008−314784)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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