説明

開放型燃焼機器

【課題】燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上し得る開放型燃焼機器を提供する。
【解決手段】運転指令手段20により運転開始が指令されると、送風手段5を作動させ且つ点火手段2を作動させ且つ燃料断続手段Vを燃料供給状態に切り換える点火処理を実行する制御手段4が設けられた開放型燃焼機器であって、制御手段4が、ガスセンサ3,17の濃度対応信号が燃料漏れ又は不完全燃焼を検知するための異常検知用設定値よりもガス濃度が高い信号になって燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、燃料断続手段Vを供給停止状態に切り換えた後、ガスセンサ3,17の濃度対応信号が異常検知用設定値に比してガス濃度が等しいか低い濃度対応信号に設定された待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、バーナ1の燃焼開始を禁止するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給される燃料を燃焼させるバーナと、
前記バーナを点火する点火手段と
前記バーナに燃焼用空気を供給する送風手段と、
前記バーナへ燃料を供給する燃料供給状態と前記バーナへの燃料の供給を停止する燃料供給停止状態とに切り換え自在な燃料断続手段と、
可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応して可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方のガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサと、
運転指令手段により運転開始が指令されると、前記送風手段を作動させ且つ前記点火手段を作動させ且つ前記燃料断続手段を前記燃料供給状態に切り換える点火処理を実行する制御手段とが設けられた開放型燃焼機器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる開放型燃焼機器は、バーナの燃焼ガスが室内に放出される状態で運転されるものであり、具体例として、例えば、ガスファンヒータやガスストーブ等が挙げられる。
そして、運転指令手段により運転開始を指令すると、送風手段を作動させ且つ点火手段を作動させ且つ燃料断続手段を燃料供給状態に切り換える点火処理が実行されて、バーナが燃焼されるように構成されている。
【0003】
このような開放型燃焼機器の従来例として、可燃性ガスに感応してその可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサが設けられ、バーナの燃焼中にガスセンサの濃度対応信号に基づいて燃料漏れを検知すると、燃料断続手段を燃料供給停止状態に切り換えることによりバーナを消火するように構成されて、燃料漏れに対する安全対策が講じられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
又、このような開放型燃焼機器の別の従来例として、不完全燃焼ガスに感応してその不完全燃焼ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサが設けられ、バーナの燃焼中にガスセンサの濃度対応信号に基づいて不完全燃焼を検知すると、燃料断続手段を燃料供給停止状態に切り換えることによりバーナを消火するように構成されて、不完全燃焼に対する安全対策が講じられたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
そして、上記の特許文献1や特許文献2には記載されていないが、従来、このような開放型燃焼機器においては、燃料漏れを検知してバーナを消火したのちや、不完全燃焼を検知してバーナを消火したのちに、そのままの状態で運転指令手段により運転開始が指令されると、運転開始指令を受け付けて点火処理を実行するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−65989号公報
【特許文献2】特開2008−14551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の開放型燃焼機器では、燃料漏れを検知してバーナを消火したのちや不完全燃焼を検知してバーナを消火したのちに、運転指令手段により運転開始が指令されると、その状態のままで運転開始指令を受け付けて点火処理を実行するように構成されているので、燃料漏れや不完全燃焼の検知によりバーナを消火させたにもかかわらず、その後直ぐにバーナを点火してしまう可能性がある。よって、従来の開放型燃焼機器では、燃料漏れや不完全燃焼に対する安全性をより一層向上する上で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上し得る開放型燃焼機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の開放型燃焼機器は、供給される燃料を燃焼させるバーナと、
前記バーナを点火する点火手段と
前記バーナに燃焼用空気を供給する送風手段と、
前記バーナへ燃料を供給する燃料供給状態と前記バーナへの燃料の供給を停止する燃料供給停止状態とに切り換え自在な燃料断続手段と、
可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応して可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方のガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサと、
運転指令手段により運転開始が指令されると、前記送風手段を作動させ且つ前記点火手段を作動させ且つ前記燃料断続手段を前記燃料供給状態に切り換える点火処理を実行する制御手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記制御手段が、前記ガスセンサの濃度対応信号が燃料漏れ又は不完全燃焼を検知するための異常検知用設定値よりもガス濃度が高い信号になって燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、前記燃料断続手段を前記供給停止状態に切り換えた後、前記ガスセンサの濃度対応信号が前記異常検知用設定値に比してガス濃度が等しいか低い濃度対応信号に設定された待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、前記バーナの燃焼開始を禁止するように構成されている点にある。
【0009】
即ち、燃料漏れ又は不完全燃焼あるいはそれらの両方が検知されることにより、燃料断続手段が供給停止状態に切り換えられてバーナが消火されたときは、ガスセンサの濃度対応信号が待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、バーナの燃焼開始が禁止される。
つまり、燃料漏れが検知されてバーナが消火されたときは、可燃性ガスの濃度が燃料漏れを検知するための濃度よりも低い安全な濃度になるまで、運転指令手段により運転開始を指令しても、バーナの燃焼を再開することができない。
又、不完全燃焼が検知されてバーナが消火されたときは、不完全燃焼ガスの濃度が不完全燃焼を検知するための濃度よりも低い安全な濃度になるまで、運転指令手段により運転開始を指令しても、バーナの燃焼を再開することができない。
従って、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上し得る開放型燃焼機器を提供することができるようになった。
【0010】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記制御手段が、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、前記ガスセンサの濃度対応信号が前記待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、前記送風手段の作動を継続するように構成されている点にある。
【0011】
即ち、燃料漏れ又は不完全燃焼が検知されると、燃料断続手段が直ちに供給停止状態に切り換えられてバーナが消火されるが、ガスセンサの濃度対応信号が待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで送風手段の作動が継続される。それによって、室内の換気が促進されて、可燃性ガスの濃度又は不完全燃焼ガスの濃度が低下するのが促進されるので、ガスセンサの濃度対応信号が待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になってバーナの燃焼の再開が可能になるまでの時間が短縮されることになる。
つまり、燃料漏れ又は不完全燃焼が検知されてバーナが消火されたときに、安全にバーナの燃焼を再開できるようになるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0012】
ちなみに、運転停止指令に基づいてバーナを消火する通常の消火時は、一般には、燃料断続手段を燃料供給停止状態に切り換えてからポストパージ用の設定時間が経過すると送風手段を停止するように構成されるので、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知してバーナを消火するときも、通常のバーナの消火時と同様に、燃料断続手段を燃料供給停止状態に切り換えてからポストパージ用の設定時間が経過すると送風手段を停止するように構成することが考えられる。
しかしながら、ポストパージ用の設定時間は、開放型燃焼機器内の燃焼ガスを機器外に放出できる程度の短い時間に設定されるものであるので、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知してバーナを消火したときに、ポストパージ用の設定時間の間送風手段を作動させるだけでは、可燃性ガスの濃度又は不完全燃焼ガスの濃度が十分に低下するまで室内が換気されない。そして、ポストパージ用の設定時間が経過した以降は、自然換気により室内が換気されることになるので、ガスセンサの濃度対応信号が待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になって、安全にバーナの燃焼を再開できるようになるまでの時間を十分に短縮することができない。
従って、運転が再開できるようになるまでの時間が長くなるのを抑制して使い勝手が低下するのを抑制しながら、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上することができるようになった。
【0013】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記運転指令手段により運転開始が指令されると、前記ガスセンサを可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応させることが可能な検出可能状態にすべく前記ガスセンサを起動し、前記運転指令手段により運転停止が指令されると前記ガスセンサの作動を停止し、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知して前記燃料断続手段を前記供給停止状態に切り換えるときは、前記ガスセンサを前記検出可能状態に維持するように構成されている点にある。
【0014】
即ち、運転開始が指令されるとガスセンサを起動し、運転停止が指令されるとガスセンサの作動を停止するようにすることにより、待機電力を低減することができる。
そして、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知して燃料断続手段を供給停止状態に切り換えるときは、ガスセンサが検出可能状態に維持されるので、そのように検出可能状態に維持されたガスセンサの検出情報に基づいて、可燃性ガスの濃度又は不完全燃焼ガスの濃度が低下してバーナの燃焼を安全に再開できる状態になるのを的確に検出することができる。よって、運転開始が指令されるとガスセンサを起動するようにすることにより、ガスセンサが検出可能状態になるまでに多少の時間がかかっても、予め可燃性ガスの濃度又は不完全燃焼ガスの濃度が十分に低下して安全が確認された状態でバーナの燃焼を再開しているので、安全性が損なわれることがない。
従って、待機電力を低減しながらも、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上することができるようになった。
【0015】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記制御手段が燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、換気を促すことを示す情報を出力する警報手段が設けられている点にある。
【0016】
即ち、燃料漏れ又は不完全燃焼が検知されてバーナが消火されると、警報手段により、換気を促すことを示す情報が出力されるので、使用者は、そのような換気を促すことを示す情報を認識して、窓を開ける、換気扇を作動させる等、室内の換気を促進するための処置を講ずることができる。
従って、運転が再開できるようになるまでの時間が長くなるのをより一層抑制して使い勝手が低下するのをより一層抑制しながら、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上することができるようになった。
【0017】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記ガスセンサが、可燃性ガスに感応してその可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するように構成され、
ガス燃料供給源に対して装着された供給源側接続具が着脱自在で且つその供給源側接続具が接続された状態で前記バーナへのガス燃料を受け入れる機器側接続具と、
前記供給源側接続具と前記機器側接続具とが接続状態であるか非接続状態であるかを検知する接続状態検知手段とが設けられ、
前記制御手段が、燃料漏れを検知したときに、前記接続状態検知手段により前記接続状態から前記非接続状態への変化が検知された後に再び前記接続状態であると検知されるまで、前記バーナの燃焼開始を禁止するように構成されている点にある。
【0018】
即ち、供給源側接続具を機器側接続具に接続すると、接続状態検知手段により、供給源側接続具と機器側接続具とが接続状態であると検知され、供給源側接続具を機器側接続具から取り外すと、接続状態検知手段により、供給源側接続具と機器側接続具とが非接続状態であると検知される。
そして、燃料漏れが検知されたときには、接続状態検知手段により接続状態から非接続状態への変化が検知された後に再び接続状態であると検知されるまで、運転指令手段により運転開始を指令してもバーナの燃焼が再開されない。
【0019】
つまり、接続状態検知手段により接続状態であると検知されていても、塵、砂粒等、微小な異物を噛み込んだ状態で供給源側接続具が機器側接続具に接続されていることがあり、このような場合に、供給源側接続具と機器側接続具との接続箇所から燃料が漏れていることが考えられる。
そのような場合、一旦、供給源側接続具を機器側接続具から取り外して、再度、供給源側接続具を機器側接続具に接続し直すことにより、噛み込んだ異物が除去されて、燃料漏れが解消される可能性が大きい。
そこで、本特徴構成では、燃料漏れが検知されてバーナが消火されたときは、供給源側接続具を機器側接続具から取り外して供給源側接続具を機器側接続具に接続し直さないと、バーナの燃焼が再開されないようにしている。これにより、異物を噛み込んだ状態で供給源側接続具が機器側接続具に接続されている場合の燃料漏れの原因を解消した上で、バーナの燃焼を再開することができるのである。
従って、燃料漏れが検知されてバーナが消火されたときには、燃料漏れの原因を解消して可燃性ガスの濃度が安全な濃度に低下した後に、バーナの燃焼を再開することができるので、燃料漏れに対する安全性をより一層向上することができるようになった。
【0020】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記バーナが、吸気口及び吹出し口が設けられたケーシング内に設けられ、
前記送風手段が、前記吸気口を通して吸い込んだケーシング外の空気を燃焼用空気として前記バーナに供給し且つそのバーナの燃焼ガスを前記吹出し口からケーシング外に吹き出すように通風作用する状態で前記ケーシング内に設けられ、
前記ガスセンサが、前記吸気口を通して吸い込まれる空気中の可燃性ガス又は不完全燃焼ガスに感応するように前記吸気口又は前記吸気口付近に設けられている点にある。
【0021】
即ち、開放型燃焼機器の具体例が、ガス燃料や液体燃料を燃料とするファンヒータである場合、送風手段により、吸気口を通して吸い込んだケーシング外の空気を燃焼用空気としてバーナに供給し、並びに、そのバーナの燃焼ガスをケーシングに設けられた吹出し口からケーシング外に吹き出すことにより、暖房対象空間を暖房することになる。
そして、ガスセンサが、吸気口を通して吸い込まれる空気中の可燃性ガス又は不完全燃焼ガスに感応するように吸気口又は吸気口付近に設けられているので、暖房対象空間の空気中に含まれる可燃性ガス又は不完全燃焼ガスに感応してガスセンサから出力される濃度対応信号に基づいて、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知することができるようになり、燃料漏れ又は不完全燃焼により安全性が損なわれるのを的確に検知することができる。
従って、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上し得るファンヒータを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】開放型燃焼機器の概略構成を示す縦断側面図である。
【図2】開放型燃焼機器の制御構成のブロック図である。
【図3】プラグと継手部材とが接続されていない状態を示す継手部材の軸心に沿う面での一部断面図である。
【図4】プラグと継手部材とが接続された状態を示す継手部材の軸心に沿う面での一部断面図である。
【図5】開放型燃焼機器の制御動作のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明を開放型燃焼機器の一例としてのガスファンヒータに適用した場合の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、ガスファンヒータは、供給されるガス燃料を燃焼させるバーナ1と、そのバーナ1を点火する点火手段としてのイグナイタ2と、バーナ1に燃焼用空気を供給する送風手段としての送風機5と、バーナ1へガス燃料を供給する燃料供給状態とバーナ1へのガス燃料の供給を停止する燃料供給停止状態とに切り換え自在な燃料断続手段Vと、可燃性ガスとしてのガス燃料に感応して可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力する可燃性ガスセンサ3と、不完全燃焼ガスとしての一酸化炭素ガスに感応して不完全燃焼ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するCOセンサ17と、ガスファンヒータの運転を制御する制御手段としての制御部4等を備えて構成されている。
つまり、可燃性ガスに感応して可燃性ガスのガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサとして、前記可燃性ガスセンサ3が設けられ、不完全燃焼ガスに感応して不完全燃焼ガスのガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサとして、前記COセンサ17が設けられている。
このガスファンヒータには、更に、ガスファンヒータの駆動用電力を供給する定電圧回路6、及び、制御部4に各種制御指令を指令する操作部7も設けられている。
【0024】
図1に示すように、バーナ1は、背面の上方側に吸気口8を備え且つ前面の下方側に吹出し口9を備えたケーシング10内に収納されている。
そのケーシング10内には、吸気口8を通して吸い込まれたケーシング外の空気の一部をバーナ1に燃焼用空気として案内し、残部をバーナ1の燃焼ガスと混合させた状態で吹出し口9に案内するように、内部風路11が形成されている。又、吸気口8には、エアフィルタ12が設けられている。
送風機5は、吸気口8に対して吸い込み作用させ且つその吐出部を吹出し口9に臨ませた状態で、つまり、吸気口8を通して吸い込んだケーシング外の空気の一部を燃焼用空気としてバーナ1に供給し且つ残部をバーナ1の燃焼ガスと混合させた状態で吹出し口9からケーシング外に吹き出すように通風作用する状態で、内部風路11の途中に設けられている。
そして、送風機5の通風作用により、吸気口8を通して吸い込まれた暖房対象空間の空気にバーナ1の燃焼ガスを混合させて温風を生成し、その温風を吹出し口9から暖房対象空間に吹き出して、暖房対象空間を暖房することになる。
【0025】
図1に示すように、イグナイタ2は、バーナ1の炎口(図示省略)の上方に設けられ、更に、バーナ1の着火を検出する熱電対13も、バーナ1の炎口の上方に設けられている。
図1及び図2に示すように、バーナ1にガス燃料を供給する燃料供給路14には、その燃料供給路14を開閉する電磁式の開閉弁15、及び、バーナ1への燃料供給量を調整する電磁式の比例弁16が設けられ、これら開閉弁15と比例弁16とにより燃料断続手段Vが構成される。
燃料供給路14のガス受け入れ側の端部には、ガスホース29に装着された供給源側接続具としての継手部材30が着脱自在で且つその継手部材30が接続された状態でバーナ1へのガス燃料を受け入れる機器側接続具としてのプラグ40が装着されている。
又、継手部材30とプラグ40との接続状態を検知する接続状体検知手段としての接続検知スイッチ28が設けられている。
この実施形態では、ガスホース29は、例えば、都市ガス(13A等、メタンガス(CH4)を主成分とするガス)が供給される都市ガス管(図示省略)に接続されて、都市ガスがバーナ1に供給される。そして、可燃性ガスセンサ3は、例えば、可燃性ガスとしてのメタンガスに感応して可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するように構成されている。
【0026】
可燃性ガスセンサ3は、吸気口8を通して吸い込まれる空気中の可燃性ガスに感応するようにケーシング10の吸気口8に設けられ、COセンサ17も、吸気口8を通して吸い込まれる空気中の不完全燃焼ガスに感応するようにケーシング10の吸気口8に設けられている。
【0027】
定電圧回路6は、商用の交流電源を降圧し且つ整流平滑して所定の直流電圧を得るように構成されている。そして、ガスファンヒータに機器駆動用電力を供給するための電源コード18のプラグ19が商用電力が供給される電源コンセント(図示省略)に挿入されると、定電圧回路6から、制御部4にそれを駆動するための駆動用電力が供給されるように構成されている。
【0028】
可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17は、周知であるので詳細な説明及び図示を省略して簡単に説明する。
この実施形態では、例えば、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17はいずれも半導体式のセンサが用いられ、この半導体式のセンサは、酸化錫等の金属酸化物半導体からなり、可燃性ガスや一酸化炭素ガスに接触したときに抵抗値が変化するセンサ素子を備えて構成されている。
そして、可燃性ガスセンサ3は、可燃性ガスの濃度に応じて変化するセンサ素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力するように構成されて、センサ素子の抵抗値に応じた電圧(以下、検出電圧と記載する場合がある)を可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号として出力するように構成されている。
又、COセンサ17は、一酸化炭素ガスの濃度に応じて変化するセンサ素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力するように構成されて、センサ素子の抵抗値に応じた電圧(以下、検出電圧と記載する場合がある)を一酸化炭素ガスの濃度に応じた濃度対応信号として出力するように構成されている。
【0029】
例えば、可燃性ガスセンサ3は、可燃性ガスの濃度が高くなるほどそのセンサ素子の抵抗値が低くなって検出電圧が高くなるように構成され、同様に、COセンサ17も、一酸化炭素ガスの濃度が高くなるほどそのセンサ素子の抵抗値が低くなって検出電圧が高くなるように構成されている。
【0030】
各センサ3,17は、センサ素子を加熱する電気ヒータ(図示省略)、及び、その電気ヒータの加熱作動を制御する加熱制御部(図示省略)等を備えて構成され、各センサ3,17に定電圧回路6からセンサ駆動用電力が供給されるのに伴って、電気ヒータによりセンサ素子の加熱が開始され、以降、センサ素子の温度が所定の加熱目標温度になるように電気ヒータの加熱作動が制御されるように構成されている。
そして、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々のセンサ素子が夫々に対して設定された加熱目標温度に加熱されると、可燃性ガスセンサ3は可燃性ガスに感応してその可燃性ガスの濃度を十分な精度で検出可能な検出可能状態になり、COセンサ17は一酸化炭素ガスに感応してその一酸化炭素ガスの濃度を十分な精度で検出可能な検出可能状態になる。
【0031】
図3及び図4に基づいて、継手部材30、プラグ40及び接続検知スイッチ28について、説明を加える。
図3は、プラグ40に継手部材30が接続されていない非接続状態を示しており、図4は、プラグ40に継手部材30が接続された接続状態を示している。
【0032】
継手部材30は、図3に示すようにプラグ40に接続されていない非接続状態では、継手部材先端からのガス燃料の流出が停止される閉止状態となり、図4に示すようにプラグ40に接続された接続状態では、継手部材先端からのガス燃料の流出が許容される開放状態となるように構成されている。
継手部材30及びプラグ40の両者の構成については、公知な構成であるので、以下、簡単に説明する。
【0033】
継手部材30は、筒状本体31と、ガスホース29を接続するコネクタ32と、筒状本体31の内部にその軸心方向に沿って移動自在に配設された作動部材33と、筒状本体31の外周部の先端側にその軸心方向に沿って移動自在に配設された筒状のスリーブ部材34と、筒状本体31の外周部の基端側部分を覆うカバー部材35と、筒状本体31の先端側の部分にその周方向に間隔を隔てて形成された複数のボール配設孔に各別に配設された複数のロック用ボール36等を備えて構成されている。
【0034】
図3に示すように、閉止状態の継手部材30では、作動部材33が図示省略のコイルバネ等の付勢手段によりコネクタ32の側とは反対側に位置する状態に保持される。このように保持された作動部材33により、ロック用ボール36が径方向外方に押圧されてスリーブ部材34に係合する状態となり、スリーブ部材34が継手部材基端側に位置する状態に保持される。
そして、閉止状態の継手部材30では、筒状本体31の内部と作動部材33の内部とが非連通状態となり、継手部材30の先端からのガス燃料の流出が停止されることになる。
【0035】
又、図4に示すように、開放状態の継手部材30では、プラグ40により作動部材33が継手部材基端側に押し込まれて、筒状本体31の内部と作動部材33の内部とが連通状態となって、コネクタ32、筒状本体31の内部、作動部材33の内部に亘って連通路が形成されることになり、ガス燃料がコネクタ32から流入して継手部材30の先端から流出することが許容される。
そして、開放状態の継手部材30では、ロック用ボール36がプラグ40のロック溝47に嵌まり込み、ロック用ボール36がスリーブ部材34に係合する状態が解除されて、スリーブ部材34が図示省略のコイルバネ等の付勢手段により継手部材先端側に移動する。
【0036】
図3及び図4に示すように、プラグ40は、その基端から先端に向けて、プラグ本体部41と、そのプラグ本体部41よりも小径の小径部42と、その小径部42よりも小径で継手部材30に接続される接続部43と、軸心方向に貫通する内部ガス流路44とを備えて構成されている。
接続部43は、先端側の第1環状部45と基端側の第2環状部46とそれらの間のロック溝47とを備えて構成されている。
その接続部43は、継手部材30の筒状本体31内にその内周面に摺接する状態で挿入可能に構成され、小径部42の外径は、継手部材30のスリーブ部材34の内径よりも小径であり、プラグ本体部41の外径は、継手部材30のスリーブ部材34の内径よりも大径である。
【0037】
接続検知スイッチ28は、突出する方向(図3で破線矢印にて示す)に付勢された作用部28sを備えて、その作用部28sが押し込まれた状態でオン状態になるように構成されている。
そして、このような接続検知スイッチ28が、その作用部28sがプラグ40のプラグ本体部41よりも先端側に突出する状態で、そのプラグ本体部41の外周部に設けられている。
図示は省略するが、接続検知スイッチ28のオンオフ信号が制御部4に伝送されるように、接続検知スイッチ28と制御部4とがリード線にて接続されている。
【0038】
次に、プラグ40に継手部材30を接続したり継手部材30をプラグ40から取り外すときのプラグ40及び継手部材30夫々の作用、並びに、接続検知スイッチ28の作用について説明する。
継手部材30をプラグ40に接続するときは、図3に示す如き閉止状態の継手部材30を、その筒状本体31内にプラグ40の接続部43を挿入させる状態でプラグ40に向けて移動させる。すると、プラグ40の接続部43により作動部材33が継手部材基端側に押し込まれながら、図4に示す如く、ロック用ボール36が接続部43のロック溝47に近づいてそのロック溝47に嵌まり込み、それに伴って、スリーブ部材34がロック用ボール36に係合される状態が解除されて、スリーブ部材34が継手部材先端側に突出して、継手部材30がプラグ40に接続される。そして、そのようにスリーブ部材34が継手部材先端側に突出すると、スリーブ部材34の先端面が接続検知スイッチ28の作用部28sに当接してその作用部28sが押し込まれることになって、接続検知スイッチ28がオン状態に切り換えられる。
【0039】
継手部材30をプラグ40から取り外すときは、図4に示す如きプラグ40に接続された継手部材30のスリーブ部材34を図示省略の付勢手段の付勢力に抗して継手部材基端側に移動させる。すると、接続検知スイッチ28の作用部28sがスリーブ部材34により押圧される状態が解除されて作用部28sが突出し、それによって接続検知スイッチ28がオフ状態に切り換えられる。又、ロック用ボール36が径方向外方に移動することが許容される状態となり、それによって、継手部材30をプラグ40の接続部43から引き抜くことが可能となり、継手部材30をプラグ40から取り外すことができる。
【0040】
図2に示すように、操作部7には、ガスファンヒータの運転開始及び運転停止を指令する運転指令手段としての運転スイッチ20、燃料漏れや不完全燃焼を検知したときに換気を促す旨のメッセージ等を報知するスピーカ21、燃料漏れや不完全燃焼を検知したときに点灯する異常報知ランプ22、暖房目標温度を設定する温度設定部23、暖房目標温度、室内温度等の各種情報を表示する表示部(図示省略)等が設けられている。
運転スイッチ20は、押し操作が繰り返される毎に、運転開始と運転停止とが交互に指令されるように構成されている。
【0041】
以下、制御部4の制御動作について説明する。
制御部4には、予め、燃料漏れを検知するための可燃性ガスセンサ3の濃度対応信号に設定された燃料漏れ検知用設定値Sma(異常検知用設定値に相当する)、その燃料漏れ検知用設定値Smaよりも可燃性ガス濃度が低い濃度対応信号に設定された燃料漏れ時待機解除用設定値Smr(待機解除用設定値に相当する)、不完全燃焼を検知するためのCOセンサ17の濃度対応信号に設定された不完全燃焼検知用設定値Sca(異常検知用設定値に相当する)、及び、その不完全燃焼検知用設定値Scaよりも一酸化炭素ガス濃度が低い濃度対応信号に設定された不完全燃焼時待機解除用設定値Scr(待機解除用設定値に相当する)が記憶されている。
この実施形態では、燃料漏れ時待機解除用設定値Smrが燃料漏れ検知用設定値Smaよりも可燃性ガス濃度が低い濃度対応信号に設定され、不完全燃焼時待機解除用設定値Scrが不完全燃焼検知用設定値Scaよりも一酸化炭素ガス濃度が低い濃度対応信号に設定されているが、燃料漏れ検知用設定値Smaや不完全燃焼検知用設定値Scaは安全サイドの設定値であるため、燃料漏れ時待機解除用設定値Smrが燃料漏れ検知用設定値Smaと可燃性ガス濃度が等しい濃度対応信号に設定され、不完全燃焼時待機解除用設定値Scrが不完全燃焼検知用設定値Scaと一酸化炭素ガス濃度が等しい濃度対応信号に設定されてもよい。
【0042】
ちなみに、燃料漏れ検知用設定値Smaは、例えば3000ppmのメタンガスの濃度に対応する濃度対応信号に設定され、燃料漏れ時待機解除用設定値Smrは、例えば1000ppmのメタンガスの濃度に対応する濃度対応信号に設定される。
又、不完全燃焼検知用設定値Scaは、例えば300ppmの一酸化炭素ガスの濃度に対応する濃度対応信号に設定され、不完全燃焼時待機解除用設定値Scrは、例えば100ppmのメタンガスの濃度に対応する濃度対応信号に設定される。
【0043】
制御部4は、電源コード18のプラグ19が電源コンセントに挿入されるのに伴って駆動用電力の供給が開始されると制御動作を開始する。
そして、制御部4は、運転スイッチ20により運転開始が指令されると、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々を検出可能状態にすべく、夫々にセンサ駆動用電力を供給するように夫々の加熱制御部の作動を制御することにより夫々を起動し、並びに、接続検知スイッチ28がオン状態であって継手部材30とプラグ40とが接続状態であると検知されると、バーナ1を点火する点火処理を実行し、以降、運転スイッチ20により運転停止が指令されると、バーナ1を消火する消火処理を実行するように構成されている。
【0044】
制御部4は、点火処理では、送風機5を作動させ、その送風機5の作動後、プリパージ用設定時間が経過するとイグナイタ2を作動させ且つ開閉弁15及び比例弁16夫々を開弁し、熱電対13の起電力によりバーナ1の着火を検知するとイグナイタ2の作動を停止する(燃料供給状態に切り換えることに相当する)処理を実行し、消火処理では、開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁し(燃料供給停止状態に切り換えることに相当する)、それらの閉弁後、ポストパージ用設定時間が経過すると送風機5を停止させる処理を実行する。ちなみに、プリパージ用設定時間は例えば4〜7秒の範囲の時間に設定され、ポストパージ用設定時間は例えば100〜160秒の範囲の時間に設定される。
【0045】
制御部4は、点火処理の開始時点から消火処理が終了するまでの間、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmに基づいて燃料漏れの発生の有無を検知する燃料漏れ検知処理を実行し、並びに、COセンサ17の検出電圧Vcに基づいて不完全燃焼の発生の有無を検知する不完全燃焼検知処理を実行する。
そして、制御部4は、燃料漏れ検知処理において可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ検知用設定値Smaよりも高くなって(即ち、燃料漏れ検知用設定値Smaよりも可燃性ガス濃度が高い信号になることに相当する)燃料漏れを検知すると、送風機5の作動を継続した状態で開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁するように構成されている。
【0046】
このようにして、燃料漏れを検知すると、バーナ1の燃焼を停止するのであるが、本発明では、このような燃料漏れによりバーナ1の燃焼を停止させた後には、可燃性ガスの濃度が燃料漏れを検知するための濃度よりも低い安全な濃度になるまで、バーナ1の燃焼を再開することができないようにしている。
つまり、本発明では、制御部4は、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなり(即ち、燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも可燃性ガス濃度が低い信号になることに相当する)、且つ、接続検知スイッチ28がオフ状態になった後に再びオン状態になる(即ち、非接続状態であると検知された後に再び接続状態であると検知されることに相当する)まで、運転スイッチ20による運転開始の指令を受け付けない(即ち、バーナ1の燃焼開始を禁止することに相当する)ように構成されている。
又、制御部4は、燃料漏れ検知処理において燃料漏れを検知すると、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなるまで、送風機5の作動を継続するように構成されている。
【0047】
制御部4は接続検知スイッチ28がオン状態である(即ち、継手部材30とプラグ40とが接続状態であると検知されることに相当する)ときに点火処理を実行することになり、継手部材30とプラグ40とが接続状態であると検知された状態で燃料漏れ検知処理が実行されるので、制御部4が、燃料漏れを検知したときに接続検知スイッチ28により前記接続状態であると検知されている場合は、接続検知スイッチ28により前記非接続状態であると検知された後に再び前記接続状態であると検知されるまで、バーナ1の燃焼開始を禁止するように構成されていることになる。
【0048】
又、制御部4は、不完全燃焼検知処理においてCOセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼検知用設定値Scaよりも高くなって不完全燃焼を検知すると、送風機5の作動を継続した状態で開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁するように構成されている。
このようにして、不完全燃焼を検知すると、バーナ1の燃焼を停止するのであるが、本発明では、このような不完全燃焼によりバーナ1の燃焼を停止させた後には、不完全燃焼ガスの濃度が不完全燃焼を検知するための濃度よりも低い安全な濃度になるまで、バーナ1の燃焼を再開することができないようにしている。
つまり、本発明では、制御部4は、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなるまで、運転スイッチ20による運転開始の指令を受け付けないように構成されている。
又、制御部4は、不完全燃焼検知処理において不完全燃焼を検知すると、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなるまで、送風機5の作動を継続するように構成されている。
【0049】
又、制御部4は、燃料漏れ検知処理において燃料漏れを検知して開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁するときは、可燃性ガスセンサ3のセンサ素子の温度をその加熱目標温度にするための加熱制御部の制御を継続し、並びに、COセンサ17のセンサ素子の温度をその加熱目標温度にするための加熱制御部の制御を継続することにより、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々を検出可能状態に維持するように構成されている。
又、制御部4は、不完全燃焼検知処理において不完全燃焼を検知して開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁するときも、同様に、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々を検出可能状態に維持するように構成されている。
【0050】
更に、制御部4は、燃料漏れ検知処理において燃料漏れを検知すると、あるいは、不完全燃焼検知処理において不完全燃焼を検知すると、スピーカ21により使用者に部屋の換気を促す旨の換気メッセージを報知するように構成されている。
つまり、制御部4とスピーカ21により、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると換気を促すことを示す情報を出力する警報手段Aが構成されている。
【0051】
次に、制御部4による一連の制御動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御部4は、電源コード18のプラグ19が電源コンセントに挿入されるのに伴って駆動用電力が供給されると、制御動作を開始する。
そして、制御部4は、運転スイッチ20により運転開始が指令されると、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々を検出可能状態にすべくセンサ起動処理を実行し、続いて、接続検知スイッチ28がオン状態かオフ状態かを判別することにより継手部材30とプラグ40とが接続状態であるか非接続状態であるかを判別して、非接続状態の場合は、スピーカ21により継手部材30が接続されていない旨の接続異常メッセージを報知し、接続状態である場合は、バーナ1を点火する点火処理を実行する(ステップ#1〜5)。
【0052】
制御部4は、その点火処理の実行後、運転スイッチ20により運転停止が指令されるまで、暖房対象空間の温度を検出する室温センサ(図示省略)の検出温度が暖房目標温度になるように比例弁16の開度を調節してバーナ1の燃焼量を調整する燃焼量調整制御、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmに基づいて燃料漏れの発生の有無を検知する燃料漏れ検知処理、及び、COセンサ17の検出電圧Vcに基づいて不完全燃焼の発生の有無を検知する不完全燃焼検知処理を実行し、燃料漏れ及び不完全燃焼のいずれも検知しない状態で運転スイッチ20により運転停止が指令されると、消火処理を実行し、並びに、可燃性ガスセンサ3及びCOセンサ17夫々へのセンサ駆動用電力の供給を停止するように夫々の加熱制御部の作動を制御するセンサ停止処理を実行した後、リターンする(ステップ#6〜11)。
ちなみに、制御部4は、燃焼量調整制御を燃焼量調整用の設定周期毎に実行し、並びに、燃料漏れ検知処理及び不完全燃焼検知処理を異常検知用の設定周期毎に実行する。
【0053】
制御部4は、ステップ#7において、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ検知用設定値Smaよりも高くなって燃料漏れを検知すると、開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁し、異常報知ランプ22を点灯し、並びに、スピーカ21により使用者に部屋の換気を促す旨の換気メッセージ及び継手部材30の接続し直しを促す旨の接続し直しメッセージを報知し、その後、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなり、且つ、接続検知スイッチ28がオフ状態になった後に再びオン状態になって継手部材30がプラグ40に再接続されたことを判別すると、異常報知ランプ22を消灯し、送風機5を停止し、並びに、センサ停止処理を実行した後、リターンする(ステップ#12〜19,11)。
このステップ#7での燃料漏れ検知では、接続検知スイッチ28により継手部材30とプラグ40との接続異常が検知されていないが、異物を噛み込んだ状態で継手部材30とプラグ40とが接続されている場合もあるので、「継手部材30の接続をし直して下さい」等の接続し直しメッセージを報知するように構成されている。
つまり、燃料漏れが検知されると、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなり、且つ、接続検知スイッチ28により継手部材30とプラグ40とが非接続状態であると検知された後に再び接続状態であると検知されるまで、運転スイッチ20による運転開始の指令が受け付けられず、ガスファンヒータの運転を再開することができない。
【0054】
又、制御部4は、ステップ#8において、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼検知用設定値Scaよりも高くなって不完全燃焼を検知すると、開閉弁15及び比例弁16夫々を閉弁し、異常報知ランプ22を点灯し、並びに、スピーカ21により換気メッセージを報知し、その後、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなると、異常報知ランプ22を消灯し、送風機5を停止し、並びに、センサ停止処理を実行した後、リターンする(ステップ#20〜23,18,19,11)。
つまり、不完全燃焼が検知されると、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなるまで、運転スイッチ20による運転開始の指令が受け付けられず、ガスファンヒータの運転を再開することができない。
【0055】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態においては、制御部4を、燃料漏れ検知処理において燃料漏れを検知したときは、開閉弁15及び比例弁16を閉弁した後、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなるまで送風機5の作動を継続するように構成したが、開閉弁15及び比例弁16の閉弁後、ポストパージ用設定時間が経過すると、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなるか否かに拘わらず、送風機5を停止するように構成しても良い。
又、制御部4を、不完全燃焼検知処理において不完全燃焼を検知したときは、開閉弁15及び比例弁16を閉弁した後、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなるまで送風機5の作動を継続するように構成したが、開閉弁15及び比例弁16の閉弁後、ポストパージ用設定時間が経過すると、COセンサ17の検出電圧Vcが不完全燃焼時待機解除用設定値Scrよりも低くなるか否かに拘わらず、送風機5を停止するように構成しても良い。
【0056】
(ロ) 供給源側接続具30と機器側接続具40とが接続状態であるか非接続状態であるかを検知する接続状態検知手段を設ける場合、その接続状態検知手段の具体構成は、上記の実施形態において例示した接続検知スイッチ28に限定されるものではない。
例えば、機器側接続具40に一対の端子部を設け、供給源側接続具30に、それが機器側接続具40に正常に接続された状態で前記一対の端子部を電気的に導通状態にする導通部を設けて、それら一対の端子部と導通部とにより接続状態検知手段を構成しても良い。
【0057】
(ハ) 上記の実施形態において設けた接続状態検知手段を省略しても良い。
この場合、制御部4は、運転スイッチ20により運転開始が指令されると、点火処理を実行するように構成する。又、制御部4を、燃料漏れ検知処理において燃料漏れを検知すると、開閉弁15及び比例弁16夫々の閉弁後、可燃性ガスセンサ3の検出電圧Vmが燃料漏れ時待機解除用設定値Smrよりも低くなるまで、バーナ1の燃焼開始を禁止するように構成する。
【0058】
(ニ) 燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると換気を促すことを示す情報を出力する警報手段Aの具体構成は、上記の実施形態において例示した如きスピーカ21を備えて構成する場合に限定されるものではない。例えば、換気を促すことを示すメッセージを表示出力する表示装置や、ランプを備えて構成しても良い。又、スピーカ21、表示装置及びランプのうちのいずれか2つ又は全てを備えて構成しても良い。
【0059】
(ホ) 上記の実施形態においては、可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応して可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方のガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサとして、可燃性ガスセンサ3とCOセンサ17との両方を設けたが、いずれか一方を設けても良い。
【0060】
(ヘ) 可燃性ガスセンサ3やCOセンサ17のタイプは、上記の実施形態において例示した如き半導体式に限定されるものではなく、例えば、接触燃焼式、赤外線式、電気化学式等、種々のタイプのセンサを用いることが可能である。
【0061】
(ト)上記の実施形態では、燃料としてガス燃料を用いるバーナ1を備えた開放型燃焼機器に本発明を適用する場合について例示したが、本発明は燃料として液体燃料を用いるバーナ1を備えた開放型燃焼機器にも適用することが可能であり、この場合は、可燃性ガスセンサ3により、液体燃料を気化させたガスの濃度を検出することになる。
又、燃料としてガス燃料を用いるバーナ1を備えた開放型燃焼機器に本発明を適用する場合、ガス燃料はメタンを主成分とする都市ガスに限定されるものではなく、例えばプロパンガスでも良い。
【0062】
(チ) 本発明は、上記の実施形態において例示したガスファンヒータ以外に、ガスストーブ、石油ファンヒータ、石油ストーブ、給湯装置等、種々の開放型燃焼機器に適用することができる
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、燃料漏れと不完全燃焼との少なくとも一方に対する安全性をより一層向上し得る開放型燃焼機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 バーナ
2 点火手段
3 ガスセンサ
4 制御手段
5 送風手段
8 吸気口
9 吹出し口
10 ケーシング
17 ガスセンサ
20 運転指令手段
28 接続状態検知手段
30 供給側接続具
40 機器側接続具
A 警報手段
V 燃料断続手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される燃料を燃焼させるバーナと、
前記バーナを点火する点火手段と
前記バーナに燃焼用空気を供給する送風手段と、
前記バーナへ燃料を供給する燃料供給状態と前記バーナへの燃料の供給を停止する燃料供給停止状態とに切り換え自在な燃料断続手段と、
可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応して可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方のガス濃度に応じた濃度対応信号を出力するガスセンサと、
運転指令手段により運転開始が指令されると、前記送風手段を作動させ且つ前記点火手段を作動させ且つ前記燃料断続手段を前記燃料供給状態に切り換える点火処理を実行する制御手段とが設けられた開放型燃焼機器であって、
前記制御手段が、前記ガスセンサの濃度対応信号が燃料漏れ又は不完全燃焼を検知するための異常検知用設定値よりもガス濃度が高い信号になって燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、前記燃料断続手段を前記供給停止状態に切り換えた後、前記ガスセンサの濃度対応信号が前記異常検知用設定値に比してガス濃度が等しいか低い濃度対応信号に設定された待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、前記バーナの燃焼開始を禁止するように構成されている開放型燃焼機器。
【請求項2】
前記制御手段が、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、前記ガスセンサの濃度対応信号が前記待機解除用設定値よりもガス濃度が低い信号になるまで、前記送風手段の作動を継続するように構成されている請求項1に記載の開放型燃焼機器。
【請求項3】
前記制御手段が、前記運転指令手段により運転開始が指令されると、前記ガスセンサを可燃性ガスと不完全燃焼ガスとの少なくとも一方に感応させることが可能な検出可能状態にすべく前記ガスセンサを起動し、前記運転指令手段により運転停止が指令されると前記ガスセンサの作動を停止し、燃料漏れ又は不完全燃焼を検知して前記燃料断続手段を前記供給停止状態に切り換えるときは、前記ガスセンサを前記検出可能状態に維持するように構成されている請求項1又は2に記載の開放型燃焼機器。
【請求項4】
前記制御手段が燃料漏れ又は不完全燃焼を検知すると、換気を促すことを示す情報を出力する警報手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の開放型燃焼機器。
【請求項5】
前記ガスセンサが、可燃性ガスに感応してその可燃性ガスの濃度に応じた濃度対応信号を出力するように構成され、
ガス燃料供給源に対して装着された供給源側接続具が着脱自在で且つその供給源側接続具が接続された状態で前記バーナへのガス燃料を受け入れる機器側接続具と、
前記供給源側接続具と前記機器側接続具とが接続状態であるか非接続状態であるかを検知する接続状態検知手段とが設けられ、
前記制御手段が、燃料漏れを検知したときに、前記接続状態検知手段により前記接続状態から前記非接続状態への変化が検知された後に再び前記接続状態であると検知されるまで、前記バーナの燃焼開始を禁止するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の開放型燃焼機器。
【請求項6】
前記バーナが、吸気口及び吹出し口が設けられたケーシング内に設けられ、
前記送風手段が、前記吸気口を通して吸い込んだケーシング外の空気を燃焼用空気として前記バーナに供給し且つそのバーナの燃焼ガスを前記吹出し口からケーシング外に吹き出すように通風作用する状態で前記ケーシング内に設けられ、
前記ガスセンサが、前記吸気口を通して吸い込まれる空気中の可燃性ガス又は不完全燃焼ガスに感応するように前記吸気口又は前記吸気口付近に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の開放型燃焼機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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