説明

開放通気筒の制気口手段取付構造と、開放通気筒の制気口手段取付方法

【課題】 制気口手段の取付枠5を開放通気筒1内に電動ドライバーやフレキシブルアダプターなどを使用しないでも、また開放通気筒1にスリットを設けないでも、また面ファスナーなど腐敗する恐れのある帯状部材4a、4bを使用しないでも簡易迅速に取り付けることを可能となす。
【解決手段】 開放通気筒1の内面上で制気口手段の取付枠5よりも奥側に位置した2箇所に金属板からなる帯状部材4a、4bの基端部b1が固着され、取付枠5が開口通気筒1に内嵌された状態で、帯状部材4aのそれぞれが取付枠5の下端箇所に曲げ掛けられた構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物内などでの空調用ダクトの設置工事において実施されるもので、先端に開口を具備した開放通気筒の制気口手段取付構造と、該構造を形成する上で寄与する、前記開放通気筒の制気口手段取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来例を示す縦断面図である。
従来の開放通気筒1は、図8に示すように、密閉状通気路qの先端が空調・換気対象室側へ開放される開口1aを有し、開口1aに制気口手段の取付枠5を内挿されている。制気口手段は、取付枠5をダクトである解放通気筒1の開放端内面に固定した後、角度自在調整可能な羽根が多数摺動可能に設けられ制気を自在にするためのレジスタ(図示せず)を、取付枠5の内部フランジにボルトで螺着することで固定するようにした、ユニバーサルレジスタである。
【0003】
開放通気筒1においては、取付枠5を開放通気筒1内の適正位置に固定させるさい、図示のように取付枠5と開放通気筒1とにタッピングビスrをねじ込んで結合させるようにするか、或いは、例えば特許文献1及び2などに開示されているように取付枠5と開放通気筒1を帯状部材を介して結合させている。
【0004】
ネジ部材rにより固定させる場合は、取付枠5の内方から電動ドライバーなどを使用してタッピングビスrをねじ込むようにするが、取付枠5の内方が狭いため、電動ドライバーの回転軸を水平方向に位置付けできにくく、作業が困難であった。
【0005】
一方、このような事態を改良するものとして、例えば特許文献1に開示された技術による場合は、金属板からなる帯状部材が開放通気筒1に形成されたスリットに係入される。このような技術によれば、開放通気筒1内の空気が、前記スリットと前記帯状部材との隙間を通じて外方へ漏れ出ることが生じることとなる。
【0006】
また、特許文献2に開示された技術による場合は、面ファスナーなどの非金属材からなる帯状部材が使用される。このさい、開放通気筒1内に空気が流通されることで、帯状部材にゴミなどが付着すると共に開放通気筒1内で結露などが生じて帯状部材が濡れることがあり、その結果、帯状部材が腐敗し、不衛生となる恐れがある。
【特許文献1】特開平5−203248号公報
【特許文献2】特開2004−53224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような実情に鑑みて創案されたものであり、制気口手段を、開放通気筒内の適正位置に手間少なく且つ、空気漏れの原因をなすスリットを形成することなく且つ、帯状部材の腐敗を生じさせることなく固定することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る開放通気筒の制気口手段取付構造は、密閉状通気路の先端に空調・換気対象側へ開放される開口を具備し該開口を通じて取付枠とレジスタ部からなる制気口手段を内嵌するものである四角形断面をなす開放通気筒には、対向した一対の内面の開放通気筒通風方向中心線上であって前記制気口手段の取付枠よりも反開放側となる各箇所に、金属板からなる一対の帯状部材の反開口側の基端部が前記開放通気筒通風方向中心線に沿ってそれぞれ固着され、前記制気口手段の取付枠には、前記開放通気筒に取り付けられた際に前記開放通気筒通風方向中心線に沿うように形成される外周包囲体と、前記開放通気筒通風方向中心線に直交し前記開口の縁に衝接可能となされたフランジ部とからなる折れ曲がり部材が備わり、さらに前記開放通気筒に前記制気口手段の取付枠を挿入する際に前記2つの帯状部材の前記開口側の先端部が対応する位置のそれぞれに、前記外周包囲体から前記フランジ部に及ぶ透孔が形成されており、前記制気口手段の取付枠が前記開放通気筒に内嵌されるときに前記帯状部材のそれぞれが前記透孔に内挿されると共に、前記制気口手段の取付枠が正規位置に内嵌された状態で、それぞれの前記帯状部材の先部が前記外周包囲体の内面側の反開口側へ折り曲げられる構造である。
【0009】
次に本発明に係る開放通気筒の制気口手段取付方法は、密閉状通気路の先端に空調・換気対象側へ開放される開口を具備し該開口を通じて取付枠とレジスタ部からなる制気口手段を内嵌するものである四角形断面をなす開放通気筒には、対向した一対の内面の開放通気筒通風方向中心線上であって前記制気口手段の取付枠よりも反開放側となる各箇所に、金属板からなる一対の帯状部材の反開口側の基端部が前記開放通気筒通風方向中心線に沿ってそれぞれ固着され、前記制気口手段の取付枠には、前記開放通気筒に取り付けられた際に前記開放通気筒通風方向中心線に沿うように形成される外周包囲体と、前記開放通気筒通風方向中心線に直交し前記開口の縁に衝接可能となされたフランジ部とからなる折れ曲がり部材が備わり、さらに前記開放通気筒に前記制気口手段の取付枠を挿入する際に前記2つの帯状部材の前記開口側の先端部が対応する位置のそれぞれに、前記外周包囲体から前記フランジ部に及ぶ透孔が形成されており、前記制気口手段の取付枠が前記開放通気筒に内嵌されるときに前記帯状部材のそれぞれが前記透孔に内挿されると共に、前記制気口手段の取付枠が正規位置に内嵌された状態で、それぞれの前記帯状部材の先部が前記外周包囲体の内面側の反開口側へ折り曲げられるように実施する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電動ドライバーやフレキシブルアダプターなどを使用しないでも、また開放通気筒にスリットを設けないでも、また面ファスナーなど腐敗する恐れのある部材を使用しないでも簡易迅速に開放通気筒内に制気口手段を取り付けることができる。さらには、帯状部材が開放通気筒の外面側に露出しないものとなるため、開放通気筒を現場の狭隘な場所に設置するさいに帯状部材の外方露出箇所が他所へ引っ掛かって作業の障害をなすことを回避できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面にもとづいて、本発明の実施形態を詳述する。
図1は本実施例の一部をなす開口通気筒を開口側の斜め下方から見た図、図2は前記開口通気筒の開口を経て嵌挿される制気口手段の取付枠を示す斜視図である。
【0012】
図1において、1は開口通気筒である。該開放通気筒1は先端が空調・換気対象室側に開放された開口1aとなされている通気筒を言うものであり、建築物などの天井面や壁面と関連した位置に固設されて、建築物などに形成された空調用通気ダクトと連通されるように使用される。
【0013】
図1に示す開口通気筒1は、四角筒部材の一端を閉鎖した筒本体部2と、該筒本体部2の閉鎖端側の周壁部に筒本体部2の内方と連通した状態に固設された円筒部材からなる接続口部3とからなっている。接続口部3の開放口3aは空調用通気ダクトの内方とフレキシブルな通気筒などを介して連通されるものであり、また筒本体部1や接続口部3は一般に亜鉛鋼板などの含む薄い鉄板で形成される。
【0014】
筒本体部2の内方には、亜鉛鋼板などの金属材からなる帯状部材4a、4bが、筒本体部2の内壁面の対向した一対の平面2a、2bの内面上の通風方向幅中央のそれぞれに筒本体部2の中心線a1に沿って位置されると共に、開放通気筒1の前記平面箇所2a、2b上の通風方向幅中央の反開口側(奥側)に2〜10cm程度は離れた2位置c1、c2の点で帯状部材4a、4bとも端部b1を点溶接で固着されている。各帯状部材4a、4bは、一般に、長手方向の寸法(長さ)を図2に示した制気口手段の取付枠5の高さd1よりも少なくとも数cm以上長く、短手方向の寸法(幅)を例えば、2cm乃至4cmの範囲内の大きさの帯状とし、長手方向に穏やかに曲げて、帯状部材の開口側の先端部が開放通気筒1の内部空間に位置するようにしている。
【0015】
図2に制気口手段の取付枠5を示す。取付枠5は、開放通気筒1に内挿する際の枠となる構造体であり、市販される製品としては、開度を調整するシャッター18(図3)も装備されていることが多い。取付枠5には、角度自在調整可能な羽根が多数摺動可能に設けられ制気を自在にするためのレジスタ部10(図4)が施工現場で取り付けられる。レジスタ部10及びシャッター18について、その詳細は後述することとするが、取付枠5とレジスタ部10とにより制気口手段が構成される。
【0016】
図2において、制気口手段の取付枠5は、薄い金属板からなる四角筒状の外周囲包囲体6を備えており、外周囲包囲体6は下段四角筒部7、中段四角筒部8及び上段四角筒部9を基準線a2に沿って段重ね状且つ同心状に形成され、それぞれの段は一辺の長さを下側から順に小さくしている。
【0017】
下段四角筒部7は、4つの隅角部に基準線a2方向の切込みe1を形成されており、外周面部をなす各平面部7a及び、基準線a2に直交した半径面部7bをこれら切込みe1により切り離された状態となっている。したがって、各平面部7aは基準線a2に直交した方向の横向き辺部が半径面部7bを介して中段四角筒部8の対応する平面部8aと連続して中段四角筒部8に支持されている。このため、それぞれの平面部8aの下端縁回りの矢印方向f1へ弾性揺動可能となっている。
【0018】
各平面部7aの下縁部の両端を除いた箇所は、さらに下方へ延長された後に横外方へ90度折り曲げられることにより、細幅平面部からなるフランジ部7cが形成されている。そして、各平面部7aとその対応するフランジ部7cとからなる折れ曲がり部位g1のうち前記した2つの帯状部材4a、4bの位置に対応する2位置、即ち、対向した2つの平面部7a、7aのそれぞれに係る折れ曲がり部位g1、g1の中央位置に、その平面部7aからフランジ部7cに及ぶ細長状の透孔g2が形成されている。
【0019】
中段四角筒部8は、4つの平面部8aを各隅角部で完全に結合されて形成された外周面部と、該外周面部の上縁を延長し中心線側へ90度曲げして形成された比較的幅広の半径面部8bとを具備している。このさい、半径面部8bは外周囲包囲体6の剛性を増大させる上で大きく寄与するものである。
【0020】
上段四角筒部9は、中段四角筒部8の半径面部8bの内周縁を上方へ延長することにより4つの平面部9aを各隅角部で完全に結合した状態の外周面部を形成すると共に、各平面部9aの上縁のそれぞれを独立状にさらに上方へ延長させた後に横外方へ90度曲げすることにより、細幅平面部からなるフランジ部9bを形成している。
【0021】
図3は本実施例に係る制気口手段取付構造を示す正面視断面図、図4は前記制気口手段取付構造を示す側面視断面図、図5は前記制気口手段取付構造を図3及び図4中の下方から見た図である。
【0022】
図3乃至図5において、下段四角筒部7の下端部にはレジスタ部10が装着される。レジスタ部10は、四角筒部11とこれの内方に設けられた多数の羽根部材12とを備えている。四角筒部材11は中心線a1に沿った4つの平面部11a、11b、11c、11dを具備すると共に隣接した2つの平面部11a、11b、11c、11dの側辺を密状に結合されており、また隅角部のそれぞれの上端箇所に中心線a1側へ幾分張り出した状態に形成された孔形成片13を備えており、また4つの平面部11a、11b、11c、11dの下端縁を中心線a1から離れる側へ延長してフランジ部としての半径面部14を形成されると共に、半径面部14の外周縁を上方へ幾分延長させてなる縁部14aを形成される。また、半径面部14の上面には、スポンジなどの弾性パッキン部材15が止着されている。一方、各羽根部材12は対向した一対の平面部11a、11bの間の略全長範囲に基準線a2と直交した方向に沿わせて配置すると共にこれら平面部11a、11bに対し図示しない抵抗付与手段を介して支点軸h1回りの揺動操作可能に止着されている。
【0023】
レジスタ部10は外周囲包囲体6の下段四角筒部7内に嵌合されて固定されるものであり、固定にさいしては、各孔形成片13の孔に比較的長いボルト16を下側から挿入し、一方では、中段四角筒部8の隅角部の下端近傍に雌ネジ孔形成片17を中心線a1側へ幾分張り出した状態に固設し、各ボルト16の先部を雌ネジ孔形成片17の雌ネジ部に螺合させる。
【0024】
各羽根部材12は適宜な揺動操作具を使用して揺動操作力が付与されることにより抵抗付与手段の抵抗に抗して支点軸h1回りの任意位置に揺動変位し、変位後は抵抗付与手段の抵抗でその揺動位置を保持される。
【0025】
上段四角筒部9の内方にはシャッタ18が形成されている。該シャッタ18は、対向した一対の平面部9a、9aの略全長範囲に位置され羽根部材12と直交した方向に沿わせられた多数の弁板19を備えると共に、各弁板19が一対の平面部9a、9aに対し支点軸h2回りの揺動可能に装着されるほか、多数の弁板19を支点軸h2回りの任意位置へ同期的に揺動変位させ位置保持させるための弁操作機構20を具備する。
【0026】
弁操作機構20は、レジスタ部10の下方から羽根部材12間を通じて縦入力軸部材21に六角レンチなどの適宜な回転操作具を挿入され回転操作されることにより縦入力部材21が回転操作具の回転操作量に対応した位置まで回動変位されて変位後の位置を保持される回転入力部22と、該回転入力部22に入力された回転変位の方向及び大きさに対応して各弁体19を支点軸h2回りの特定方向へ特定角度だけ同期的に揺動させるリンク機構23とを具備している。
【0027】
回転入力部22は、図4に示すように、外周囲包囲体6に固定された軸受板24を介して縦入力軸部材21を回転制動力付与機構の回転抵抗力に抗しての回転可能に支持すると共に、縦入力軸部材21からアーム部材25を片持ち状に張り出させて、アーム部材25をリンク機構23に連係させている。
【0028】
各弁体19は、金属板で全体を四角形状に形成されたものであって、幅方向の両端部に円弧状屈曲部19aを具備すると共に、これら円弧状屈曲部19aを除いた部位を平面状の板部19bとなっている。これら弁体19は、縦入力軸部材21が開放側の限界位置まで回動されたとき、支点軸h2回りの開放側へ揺動されて図3に示すように中心線a1に沿った姿勢となって外周囲包囲体6の内方を全開状態となし、逆に縦入力軸部材21が閉鎖側の限界位置まで回動されたとき、支点軸h2回りの閉鎖側へ揺動され図3中に点線j1で示すように中心線a1方向と直交した姿勢となって、隣接した弁体19、19の円弧状屈曲部19a、19aが上下配置に接触した状態となることにより、外周囲包囲体6の内方を閉鎖状態とし、また縦入力軸部材21が開放側の限界位置と閉鎖側の限界位置との間の任意位置に回動されたときには回転入力部材21の位置に対応した開放状態を維持するように機能するものである。
【0029】
次に本実施に係る制気口手段取付構造を建築物の天井面に関連させて形成するさいの手順の一例についてさらに図6及び図7などをも参照して説明する。ここに、図6及び図7は制気口手段取付構造の形成手順を示す説明図である。
【0030】
工場内において、設計図に基づいて図1に示すように開口通気筒1内に帯状部材4a、4bを固着したものを製作し、これを作業現場に運搬する。
【0031】
そして、作業現場である建築物内の天井計画高さよりも上側スペースに筒本体部2を縦向きに配置し適宜な支持手段を介して固定させる。このさい、筒本体部2の下端縁は図3及び図4に示すように取付予定の天井板26の室内表面高さに略合致させる。また建築物内に既に設置されている図示しない空調用通気ダクトの通気孔と、接続口部3の開放口3aとをフレキシブルな通気筒を介して連通させる。この後、天井板mを取り付けるのであり、このさい天井板mには筒本体部2の直下位置に四角状の透孔を形成し、該透孔内に筒本体部2の下端部を内挿させる。
【0032】
次に制気口手段の取付枠5を、手作業などにより、開口通気筒1の開口1aを通じてその内方に押し込む。このさい、各帯状部材4a、4bは取付枠5の外周囲包囲体6の外面と筒本体部2の内面との間に位置した状態となる。取付枠5の押し込み操作中、帯状部材4a、4bは筒状本体部2と共に、下段四角筒部7を中心線a1側へ押して弾性変位させるため、帯状部材4a、4bは取付枠5の押し込み処理の障害となることはない。
【0033】
取付枠5のフランジ部7cが天井板26の室内表面に近づくと、帯状部材4a、4bの下端がフランジ部7cに到達するが、このとき帯状部材4a、4bの下端を透孔g2に内挿させるように処理する。この後は、図6Aに示すように、フランジ部7cが天井板26の室内表面に衝接されるまで取付枠5を筒本体部2内に押し込み、この押し込み状態を保持したまま、帯状部材4a、4bの下部を手指により図6Bに示すようにその先端が上向きとなるように内側の奥側へ折り曲げて鈎状とする。透孔g2が平面部7aにまで及んでいるため、折り曲げた部分は、平面部7aの面内の範囲で折り曲げられ、フランジ部7cの位置まで突出することはない。
【0034】
これにより、取付枠5は筒本体部2内にて帯状部材4a、4bに安定的に吊り下げられた状態となり、また該状態の下で下段四角筒部7の平面部7aが筒本体部2内で弾性により外方へ拡開しようとするため4つの平面部7aは筒本体部2の内面や帯状部材4a、4bに圧着され、取付枠5の遊動する隙間は生成されない。この結果、使用中の、遊動隙間に起因したガタツキ音などの発生は防止される。
【0035】
次に図7Aに示すように、レジスタ部10を筒本体部2の下方から制気口手段2に近接させてこれの下段四角筒部7の下部内にレジスタ部10の四角筒部11を嵌合させる。この後、図7Bに示すように、フランジ部14の弾性パッキン部材15が取付枠5のフランジ部7cの下面に圧接されるまで押し上げる。この押し上げ状態を保持しつつ、各孔形成片13の孔にボルト16を下側から挿通させ、その先部を中段四角筒部8の隅角部の雌ネジ孔形成片17の雌ネジ部に螺合させて締結する。
【0036】
これにより、レジスタ部10はボルト16の引き上げ力により弾性パッキン部材を介して取付枠5のフランジ部7cの下面に押圧されると共に縁部14aの上端を天井板mの室内表面に衝接された状態となる。このさい、弾性パッキン部材15は取付枠5のフランジ部7cの下面に圧接されて透孔g2を覆うと共にレジスタ部10のフランジ部14と取付枠5の外周囲包囲体6の下端との隙間を密状に埋める上で寄与する。
【0037】
上記のように形成された制気口手段取付構造は図示しない空調用通気ダクト内の空気を開口通気筒1、取付枠5及びレジスタ部10を通じて室内側へ吹き出すために使用されたり、或いはこれとは逆に、室内の空気をレジスタ部10、取付枠5及び開口通気筒1を通じて空調用通気ダクト内に吸い込ませるために使用される。
【0038】
該制気口手段取付構造の使用において、開口通気筒1内の空気の流動を遮断するさいは取付枠5の回転入力部22の縦入力軸部材21を操作してシャッタ18を閉鎖状態とし、また室内側への空気の吹き出し方向を変更するさいはレジスタ部10の羽根部材12の支点軸h1回りの揺動角度を変更操作する。また室内側からレジスタ部10の羽根部材12群の間を通して取付枠5などが見えないようにしたいときにも、羽根部材12の揺動角度を変更することにより対応できる。
【0039】
次に上記実施においては、天井面に取付けた構造を示したが、本実施に係る制気口手段取付構造を室内の縦壁面に形成するときは、先の実施形態の姿勢を中心線a1が水平となるように変更すると共に天井板mを壁面材に置き換えた構成とするのであり、その他の点は先の実施形態の場合と変わりない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施例に係る制気口手段取付構造の一部をなす開口通気筒を開口側の斜め下方から見た図である。
【図2】上記制気口手段取付構造の制気口手段を示す斜視図である。
【図3】上記制気口手段取付構造を示す正面視断面図である。
【図4】上記制気口手段取付構造を示す側面視断面図である。
【図5】上記制気口手段取付構造を図3及び図4中の下方から見た図である。
【図6】上記制気口手段取付構造の形成手順を示す説明図である。
【図7】上記制気口手段取付構造の形成手順を示す説明図である。
【図8】従来の制気口手段取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 開放通気筒
1a 開口
2a 内面
2b 内面
4a 帯状部材
4b 帯状部材
5 制気口手段
6 外周囲包囲体
7a 平面部
7c フランジ部
a1 中心線
b1 基端部
e1 切り込み
g1 折れ曲がり部位
g2 透孔
n2 鈎状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉状通気路の先端に空調・換気対象側へ開放される開口を具備し該開口を通じて取付枠とレジスタ部からなる制気口手段を内嵌するものである四角形断面をなす開放通気筒には、対向した一対の内面の開放通気筒通風方向中心線上であって前記制気口手段の取付枠よりも反開放側となる各箇所に、金属板からなる一対の帯状部材の反開口側の基端部が前記開放通気筒通風方向中心線に沿ってそれぞれ固着され、
前記制気口手段の取付枠には、前記開放通気筒に取り付けられた際に前記開放通気筒通風方向中心線に沿うように形成される外周包囲体と、前記開放通気筒通風方向中心線に直交し前記開口の縁に衝接可能となされたフランジ部とからなる折れ曲がり部材が備わり、さらに前記開放通気筒に前記制気口手段の取付枠を挿入する際に前記2つの帯状部材の前記開口側の先端部が対応する位置のそれぞれに、前記外周包囲体から前記フランジ部に及ぶ透孔が形成されており、
前記制気口手段の取付枠が前記開放通気筒に内嵌されるときに前記帯状部材のそれぞれが前記透孔に内挿されると共に、前記制気口手段の取付枠が正規位置に内嵌された状態で、それぞれの前記帯状部材の先部が前記外周包囲体の内面側の反開口側へ折り曲げられる構成を特徴とする開放通気筒の制気口手段取付構造。
【請求項2】
密閉状通気路の先端に空調・換気対象側へ開放される開口を具備し該開口を通じて取付枠とレジスタ部からなる制気口手段を内嵌するものである四角形断面をなす開放通気筒には、対向した一対の内面の開放通気筒通風方向中心線上であって前記制気口手段の取付枠よりも反開放側となる各箇所に、金属板からなる一対の帯状部材の反開口側の基端部が前記開放通気筒通風方向中心線に沿ってそれぞれ固着され、
前記制気口手段の取付枠には、前記開放通気筒に取り付けられた際に前記開放通気筒通風方向中心線に沿うように形成される外周包囲体と、前記開放通気筒通風方向中心線に直交し前記開口の縁に衝接可能となされたフランジ部とからなる折れ曲がり部材が備わり、さらに前記開放通気筒に前記制気口手段の取付枠を挿入する際に前記2つの帯状部材の前記開口側の先端部が対応する位置のそれぞれに、前記外周包囲体から前記フランジ部に及ぶ透孔が形成されており、
前記制気口手段の取付枠が前記開放通気筒に内嵌されるときに前記帯状部材のそれぞれが前記透孔に内挿されると共に、前記制気口手段の取付枠が正規位置に内嵌された状態で、それぞれの前記帯状部材の先部が前記外周包囲体の内面側の反開口側へ折り曲げられる構成を特徴とする開放通気筒の制気口手段取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−222238(P2009−222238A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63873(P2008−63873)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】