説明

開閉カバー用ヒンジ装置

【課題】開閉カバーに多量の用紙が積載されても開閉カバーの開き角度を精度よく保つことができ、また、開閉カバーに対して開き方向に過度な力が加わっても開閉カバーや回動軸の軸受部の破損を防止する仕組みを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置本体2に、回動軸2a、受け部2b,2cが設けられ、開閉カバー31に、軸受部31a、ストッパ部31b1を有する腕部31b、及びストッパ部31b2が設けられる。そして、軸受部31aは、開口部31a1を介して回動軸2aに嵌合され、開閉カバー31の開き状態でストッパ部31b1が受け部2bに係合して開閉カバー31の開き角度が規制される。また、開閉カバー31の開き状態で開閉カバー31に対して開き方向の力が加わることで、受け部2bに係合した状態のストッパ部31b1が弾性変形して受け部2bから離脱する際に、ストッパ部31b2が受け部2cに係合し、その後、軸受部31aが開口部31a1を介して回動軸2aから外れるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ等の画像形成装置に適用される開閉カバー用ヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置では、記録用紙としてロール紙を用い、ロール紙に印画して印画部分をカットした後、印画済用紙を上方に排紙するものがある。
【0003】
このような画像形成装置は、印画済用紙を立てた状態でスタックする為、排紙部に回動軸を介して開閉する開閉カバーを設け、印画時に開閉カバーを開いた状態にして印画済用紙の用紙受けとして使用している。
【0004】
この場合、排紙時に印画済用紙の先端部分を開閉カバーに当接させて多量の印画済用紙を立てた状態でスタックさせても、開閉カバーの開き角度が精度良く規制される必要がある。
【0005】
ところで、開閉カバーが開いた状態で、ユーザが不用意に開閉カバーに対して開き方向に過度な力を加えてしまうと、回動軸の取付部や開閉カバーが破損することがある。
【0006】
そこで、開閉カバーの開き角度を規制するストッパ部を開閉カバーの両側の回動軸のうちの片側のみに設けると共に、回動軸をテーパ形状にした技術が提案されている(特許文献1)。
【0007】
この提案では、開閉カバーの開き方向に過度な力が加わったとき、開閉カバーのストッパ部がない側が大きく開いて開閉カバーが捻じれ、これにより、回動軸が軸方向に移動して軸受部から外れることで、開閉カバーや回動軸の軸受部が破損することを防止している。
【0008】
また、回動軸の軸受部の一部に開口部を設けて開閉カバーの取り付けを容易にすると共に、弾性変形が可能なストッパ部を開口部から延長して設けた技術が提案されている(特許文献2)。
【0009】
この提案では、開閉カバーの開き方向に過度な力が加わったとき、ストッパ部が弾性変形して、開閉カバーがストッパ部から外れることで、開閉カバーや回動軸の軸受部の破損を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4449761号公報
【特許文献2】特公平06−088702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1では、ストッパ部が有る側の開閉カバーに対して開き方向に過度な力が加わると、回動軸が抜けにくくなり、軸受部が破損するおそれがある。
【0012】
また、開閉カバーの片側にしかストッパ部がないため、開閉カバーの開き方向の強度が不足し、開閉カバーに多量の印画済用紙が積載された場合に、開閉カバーが後方へ倒れて開き角度が不安定になり、排紙性能が低下する。
【0013】
上記特許文献2では、開閉カバーがストッパ部から外れた後、ユーザが気付いて開閉カバーを元の位置に戻さない限り、開閉カバーに対して開き方向に過度な力が加わると、回動軸の軸受部が破損するおそれがある。
【0014】
そこで、本発明は、開閉カバーに多量の用紙が積載されても開閉カバーの開き角度を精度よく保つことができ、また、開閉カバーに対して開き方向に過度な力が加わっても開閉カバーや回動軸の軸受部の破損を防止する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の開閉カバー用ヒンジ装置は、装置本体と、前記装置本体に対して開閉方向に回動可能に支持され、開き状態で用紙が積載される開閉カバーと、を備え、前記装置本体及び前記開閉カバーの一方の側に、周方向の一部が切り欠かれて周方向の各切断端の間に開口部が形成される軸受部と、前記軸受部の一方の前記切断端から延設されて、前記開口部から離反する側の側部に弾性変形が可能な第1のストッパ部を有する腕部と、前記第1のストッパ部から離れた位置に配置される第2のストッパ部と、が設けられ、前記装置本体及び前記開閉カバーの他方の側に、前記開口部を介して前記軸受部が嵌合される回動軸と、前記開閉カバーの開き状態で前記第1のストッパ部が係脱可能に係合して前記開閉カバーの開き角度を規制する第1の受け部と、前記開閉カバーの開き状態で前記開閉カバーに対して開き方向の力が加わることで、前記第1の受け部に係合した状態の前記第1のストッパ部が弾性変形して前記第1の受け部から離脱する際に、前記第2のストッパ部が係脱可能に係合する第2の受け部と、が設けられ、前記第1のストッパ部が前記第1の受け部から離脱した状態で前記第2のストッパ部が前記第2の受け部に係合した後、前記軸受部が前記開口部を介して前記回動軸から外れるように構成される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、開閉カバーに多量の用紙が積載されても開閉カバーの開き角度を精度よく保つことができ、また、開閉カバーに対して開き方向に過度な力が加わっても開閉カバーや回動軸の軸受部の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態である開閉カバー用ヒンジ装置が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタの概略断面図である。
【図2】(a)はロール紙の印画部分の後端をカット位置まで搬送した状態を示す要部断面図、(b)はロール紙の印画部分の後端をカットして印画済用紙を排紙した状態を示す要部断面図である。
【図3】開閉カバーユニットが開いた状態のプリンタを背面側から見た斜視図である。
【図4】開閉カバーユニットを正面側から見た斜視図である。
【図5】開閉カバーユニットを取り付ける前のプリンタ本体の背面図である。
【図6】(a)は開閉カバーユニットを閉じた状態を示す要部断面図、(b)は開閉カバーユニットを開いた状態を示す要部断面図である。
【図7】(a)は開閉カバーユニットの第1のストッパ部がプリンタ本体の第1の受け部から離脱する状態を示す要部断面図、(b)はプリンタ本体から開閉カバーユニットが外れた状態を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態である開閉カバー用ヒンジ装置が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタにおける開閉カバーユニットを正面側から見た斜視図である。
【図9】開閉カバーユニットを取り付ける前のプリンタ本体を背面側から見た斜視図である。
【図10】(a)は開閉カバーユニットが開いた状態での第1のストッパ部における要部断面図、(b)は開閉カバーユニットが開いた状態での第2のストッパ部における要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である開閉カバー用ヒンジ装置が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタの概略断面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、記録用紙としてロール紙を用いるもので、プリンタ本体2の内部の下方位置には、ロール紙3を収納する用紙カセット4が配置されている。ここで、プリンタ本体2は、本発明の装置本体の一例に相当する。
【0021】
プラテンローラ6は、不図示のフレームに回転可能に支持され、インクリボン7は、供給側ボビン8aか供給され、巻取り側ボビン8bに巻き取られる。サーマルヘッド5は、インクリボン7とロール紙3を狭持した状態で、プラテンローラ6に押圧される。
【0022】
グリップローラ9は、駆動ローラとして不図示のステッピングモータに連結され、不図示の制御手段からの信号によりロール紙3の送り量を制御することが可能である。ピンチローラ10は、従動ローラであり、グリップローラ9側に付勢されている。
【0023】
グリップローラ9が駆動されてロール紙3が搬送されると、巻取り側ボビン8bが回転駆動され、インクリボン7が巻取り側ボビン8bに巻き取られる方向に搬送される。
【0024】
そして、ロール紙3とインクリボン7を搬送しつつ、サーマルヘッド5が発熱することにより、インクリボン7のインクがロール紙3に熱転写され、ロール紙3に文字や画像等を印画することができる。
【0025】
その後、ロール紙3の先端の余白部分をカットする為、ロール紙3をカット位置まで搬送してカッター11,12で先端の余白部分を切り屑3bとしてカットする。切り屑3bは、切り屑収納部18へ排紙される。
【0026】
次に、ロール紙3の印画部分の後端の余白部分をカットする為、印画部分の後端をカット位置まで搬送してカッター11,12で後端の余白部分をカットし、印画済用紙3aとしてスタック部23へ排紙する。
【0027】
カットされた印画部分の後端の余白部分は、切り屑3bとして切り屑収納部18へ排紙される。ガイド部材17は、開閉動作により、切り屑3bと印画済用紙3aとの搬送経路を切り替える。
【0028】
開閉カバーユニット30は、プリンタ本体2に対して開閉方向に回動可能に支持される開閉カバー31と、スライド部材32,33とを備える。スライド部材32,33は、開閉カバー31から図1の矢印A方向に2段式で引き出し可能な構造になっており、図1では、最大に引き出された状態を示している。本実施形態では、開閉カバーユニット30の開き状態で、プリンタ本体2から印画済用紙3aを上方に排紙して、排紙した印画済用紙3aを立てた状態で開閉カバーユニット30に積載する。
【0029】
次に、図2を参照して、印画済用紙3aの排紙について説明する。
【0030】
図2(a)はロール紙3の印画部分の後端をカット位置まで搬送した状態を示す要部断面図、図2(b)はロール紙3の印画部分の後端をカットして印画済用紙3aを排紙した状態を示す要部断面図である。
【0031】
図2(a)に示すように、ロール紙3は、排紙ローラ13と従動ローラ14とで狭持された状態で排紙ローラ13の回転駆動により搬送される。そして、図2(a)の状態で排紙ローラ13の回転を一端停止し、カッターの可動刃11を固定刃12側へ移動させることで、ロール紙3の印画部分の後端をカットし、印画済用紙3aを形成する。
【0032】
その後、排紙ローラ13を再駆動して印画済用紙3aを排紙方向へ搬送し、印画済用紙3aの後端が排紙ローラ13と従動ローラ14との狭持部を通過すると、図2(b)に示すように、押し出し部材15によって印画済用紙3aがスタック部23に押し出される。
【0033】
押し出し部材15は、不図示のバネ部材により矢印B方向(閉じ方向)に付勢されている。印画済用紙3aは、まず先端部が開閉カバーユニット30に当接し、当接した先端部が支点となって後端部が押し出し部材23により押し出されてスタック部23にスタックされる。
【0034】
このとき、印画済用紙3aの先端部が開閉カバーユニット30に当接した際の角度θ1が大きいと、印画済用紙3aの後端が排紙ローラ13でスリップしたり、排紙ローラ13を越えた付近で留まったりする可能性がある。この場合、印画済用紙3aをスタック部23へ押し出すことができず、次の印画済用紙の排紙の妨げになり、用紙詰まりなどの不具合が発生してしまう。
【0035】
また、開閉カバーユニット30が開き過ぎて、印画済用紙3aの姿勢角度θ2が小さくなり過ぎると、押し出し部材15で印画済用紙3aの後端を押し出すことができず、上記同様の問題が発生してしまう。
【0036】
上記角度θ1,θ2は,指定した印画済用紙3aの長さにも大きく関係するため、開閉カバーユニット30の開き角度は精度良く保たれる必要がある。
【0037】
図3は開閉カバーユニット30が開いた状態のプリンタ1を背面側から見た斜視図、図4は開閉カバーユニット30を正面側から見た斜視図、図5は開閉カバーユニット30を取り付ける前のプリンタ本体2の背面図である。
【0038】
図3及び図4において、スライド部材32,33は、開閉カバー31から最大に引き出されており、開閉カバー31及びスライド部材32,33にそれぞれ形成されたリブ31c,32a,33aは、排紙された印画済用紙3aの支えとなる部分となっている。
【0039】
開閉カバー31の幅方向両側の下部には、それぞれ軸受部31a及び腕部31bが形成され、腕部31bは、弾性変形可能とされている。また、開閉カバー31の幅方向の一側の下部には、開閉カバーユニット30を開き方向に付勢するトーションバネ34が設けられている。
【0040】
図5に示すように、プリンタ本体2の幅方向両側には、それぞれ開閉カバー31の軸受部31aが回動可能に嵌合される回動軸2a、及び開閉カバー31の腕部31bが挿入される穴部2dが形成されている。
【0041】
穴部2dは、プリンタ本体2の外装カバーに形成されている。また、開閉カバー31の腕部31bには、プリンタ本体2の内壁に係脱可能に係合して開閉カバーユニット30の開き角度を規制するストッパ部が設けられている。なお、ストッパ部の詳細については、後述する。
【0042】
図6(a)は、プリンタ本体2の回動軸2a及び穴部2dにそれぞれ開閉カバー31の軸受部31a及び腕部31bが挿入された状態で、かつ開閉カバーユニット30を閉じた状態を示す要部断面図である。図6(b)は、図6(a)の状態から開閉カバーユニット30を開いた状態を示す要部断面図である。
【0043】
図6に示すように、軸受部31aは、周方向の一部が切り欠かれることで、周方向の各切断端の間に開口部31a1が形成され、開口部31a1を介して回動軸2aに軸受部31aが回動可能に嵌合される。本実施形態では、軸受部31aの周方向の各切断端は、図6(a)に示す開閉カバーユニット30の閉じ状態においては、略上下方向に配置されている。
【0044】
そして、軸受部31aの上方の切断端から腕部31bがプリンタ本体2の内部に向けて延設され、腕部31bの先端部における開口部31a1から離反する側の側部には、第1のストッパ部31b1が設けられている。また、軸受部31aの下方の切断端の近傍には、第2のストッパ部31b2が設けられている。
【0045】
プリンタ本体2の外装カバーに形成された穴部2dの内壁面側の周縁には、図6(b)に示す開閉カバーユニット30の開き状態で第1のストッパ部31b1が係脱可能に係合する第1の受け部2bが設けられている。
【0046】
開閉カバーユニット30の開き状態で第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bに係合することで、開閉カバーユニット30の開き角度を精度よく保つことができる。
【0047】
図7(a)は開閉カバーユニット30の第1のストッパ部31b1がプリンタ本体2の第1の受け部2bから離脱する状態を示す要部断面図、図7(b)はプリンタ本体2から開閉カバーユニット30が外れた状態を示す要部断面図である。
【0048】
図6(b)の状態から開閉カバーユニット30に対して開き方向に過度な力が加わると、第1のストッパ部31b1に大きな負荷が発生し、図7(a)に示すように、腕部31bが弾性変形して第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bから離脱する。
【0049】
そして、第2のストッパ部31b2が第2の受け部2cに係脱可能に係合して、開閉カバーユニット30の回動支点が第2のストッパ部31b2へ移る。
【0050】
その後、図7(b)に示すように、回動軸2aが軸受部31aの開口部31a1から抜け、開閉カバーユニット30がプリンタ本体2から外れる。
【0051】
ここで、本実施形態では、第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bから離脱する前に、第2のストッパ部31b2を第2の受け部2cに係合させる。これにより、第1のストッパ部31b1による保持力を減少させたり、回動軸2aが軸受部31aの開口部31a1を通過する負荷を軽減させたりすることができる。
【0052】
また、第2のストッパ部31b2を第2の受け部2cから離脱させるために必要な荷重を、第1のストッパ部31b1を第1の受け部2bから離脱させるために必要な荷重より小さく設定している。
【0053】
具体的には、回動軸2aの中心から第1のストッパ部31b1までの距離d1を回動軸2aの中心から第2のストッパ部31b2までの距離d2より長く設定している。これにより、第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bから外れたままの不安定な状態を回避することができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、第1のストッパ部31b1で開閉カバー31の開き角度を保持し、開閉カバー31に対して過度な力が加わった場合、腕部31bの弾性変形により第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bから離脱する。
【0055】
そして、第2のストッパ部31b2が第2の受け部2cに係合して、回動軸2aが軸受部31aの開口部31a1から抜け、開閉カバーユニット30がプリンタ本体2から外れる。
【0056】
これにより、開閉カバー31に多量の印画済用紙3aが積載されても開閉カバー31の開き角度を精度よく保つことができ、また、開閉カバー31に対して開き方向に過度な力が加わっても開閉カバー31や回動軸2aの軸受部31aの破損を防止することができる。
【0057】
また、本実施形態では、腕部31bを回動軸2a付近の穴部2dに挿入し、軸受部31aを開口部31a1を介して回動軸2aに嵌合することで、開閉カバーユニット30を容易にプリンタ本体2に取り付けることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、プリンタ本体2及び開閉カバー31の一方の側を開閉カバー31とし、他方の側をプリンタ本体2としている。従って、開閉カバー31側に軸受部31aを設け、プリンタ本体2側に回動軸2aを設けた場合を例示したが、開閉カバー31側に回動軸2aを設け、プリンタ本体2側に軸受部31aを設けるようにしてもよい。すなわち、図7における開閉カバー31とプリンタ本体2の外装カバーとの関係が逆になるようにしてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、図8〜図10を参照して、本発明の第2の実施形態である開閉カバー用ヒンジ装置が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタについて説明する。なお、上記第1の実施形態と重複する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図8は開閉カバーユニット43を正面側から見た斜視図、図9は開閉カバーユニット43を取り付ける前のプリンタ本体2を背面側から見た斜視図である。
【0061】
図10(a)は開閉カバーユニット30が開いた状態での第1のストッパ部31b1における要部断面図、図10(b)は開閉カバーユニット30が開いた状態での第2のストッパ部41b2における要部断面図である。
【0062】
本実施形態では、第2のストッパ部41b2は、軸受部31aより開閉カバー31の幅方向(回動軸2aの軸線19方向)内側に離れて設けられている。
【0063】
第2のストッパ部41b2は、開閉カバーユニット43の開き状態でプリンタ本体2の外装カバーに設けられた第2の受け部42cと開閉カバーユニット43の開き方向に隙間を介して対向している。
【0064】
図10の状態から開閉カバーユニット43に対して開き方向に過度な力が加わると、第1のストッパ部31b1に大きな負荷が発生し、腕部31bが弾性変形して第1のストッパ部31b1が第1の受け部2bから離脱する。
【0065】
そして、第2のストッパ部41b2が第2の受け部42cに係合して、開閉カバーユニット43の回動支点が第2のストッパ部41b2へ移る。
【0066】
その後、上記第1の実施形態と同様に、回動軸2aが軸受部31aの開口部31a1から抜け、開閉カバーユニット43がプリンタ本体2から外れる。その他の構成、及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0067】
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 プリンタ
2 プリンタ本体
2a 回動軸
2b 第1の受け部
2c 第2の受け部
30 開閉カバーユニット
31 開閉カバー
31a 軸受部
31a1 開口部
31b1 第1のストッパ部
31b2 第2のストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に対して開閉方向に回動可能に支持され、開き状態で用紙が積載される開閉カバーと、を備え、
前記装置本体及び前記開閉カバーの一方の側に、
周方向の一部が切り欠かれて周方向の各切断端の間に開口部が形成される軸受部と、
前記軸受部の一方の前記切断端から延設されて、前記開口部から離反する側の側部に弾性変形が可能な第1のストッパ部を有する腕部と、
前記第1のストッパ部から離れた位置に配置される第2のストッパ部と、が設けられ、
前記装置本体及び前記開閉カバーの他方の側に、
前記開口部を介して前記軸受部が嵌合される回動軸と、
前記開閉カバーの開き状態で前記第1のストッパ部が係脱可能に係合して前記開閉カバーの開き角度を規制する第1の受け部と、
前記開閉カバーの開き状態で前記開閉カバーに対して開き方向の力が加わることで、前記第1の受け部に係合した状態の前記第1のストッパ部が弾性変形して前記第1の受け部から離脱する際に、前記第2のストッパ部が係脱可能に係合する第2の受け部と、が設けられ、
前記第1のストッパ部が前記第1の受け部から離脱した状態で前記第2のストッパ部が前記第2の受け部に係合した後、前記軸受部が前記開口部を介して前記回動軸から外れるように構成される、ことを特徴とする開閉カバー用ヒンジ装置。
【請求項2】
前記第2のストッパ部は、前記第1のストッパ部が前記第1の受け部から離脱する前に前記第2の受け部に係合する、ことを特徴とする請求項1に記載の開閉カバー用ヒンジ装置。
【請求項3】
前記第2のストッパ部を前記第2の受け部から離脱させるために必要な荷重は、前記第1のストッパ部を前記第1の受け部から離脱させるために必要な荷重より小さく設定される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉カバー用ヒンジ装置。
【請求項4】
前記回動軸の中心と前記第1のストッパ部との距離は、前記回動軸の中心と前記第2のストッパ部との距離より長く設定される、ことを特徴とする請求項3に記載の開閉カバー用ヒンジ装置。
【請求項5】
前記装置本体は、画像形成装置の装置本体であり、前記開閉カバーは、開き状態で前記装置本体から上方に排紙された印画済用紙を立てた状態で積載する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の開閉カバー用ヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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