説明

開閉可能な面格子

【課題】建物における窓などの開口部に固定され、必要時に面格子全体を開放、若しくは、一部の取外しを可能にした開閉可能な面格子を提供する。
【解決手段】建物開口部に取り付けられる支持フレーム(6)と、この支持フレームの内縁部に設けられた枢軸パイプ(8)と、この枢軸パイプ(8)にスライド可能に取り付けられた一対のスライド式面格子(2)と、各スライド式面格子(2)間に着脱可能に取り付けられ開閉する一対の回動式面格子(1)と、閉じた状態で回動式面格子(1)の抜脱を防止する抜脱防止機構と、閉じた状態で固定する錠機構とにより構成されることを特徴とする開閉可能な面格子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物における窓などの開口部に固定され、必要時に面格子全体を開放、若しくは、一部の取り外し可能にされる開閉可能な面格子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築物の窓などの開口部には、防犯対策のために所謂窓格子(面格子)が、通常は建物に対して固定的に取り付けられている。また回動方式により開閉の面格子は、可動格子体が蝶番によって建物の外方側へ大きく回動される構造であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それには次のような欠点や問題点があった。
(イ) 建物との一体化した固定構造の面格子では、火災等の緊急時に屋外への避難脱出の障害、及び、緊急時以外においても、必要に応じて、そこからの物品の搬出・搬入を行いたい場合に、面格子が邪魔になってその作業が容易に行えないという問題点があった。
(ロ) そのほか、回動により開閉する面格子においては、開放時に、可動格子体が蝶番によって建物の外方側へ大きく回動される構造となっているために、建物外方にその可動格子体の回動空間を確保することが必要になり、狭隘な場所での設置が困難であったり、可動格子体の開放時に屋外の状況に注意しながら開放作業を行う必要があるなどの問題点があった。
本発明は、これらの問題点の解決等をするためになされたものである。
【課題の解決するための手段】
【0004】
建物開口部に取り付けられる支持フレーム(6)と、この支持フレームの内縁部に設けられた枢軸パイプ(8)と、この枢軸パイプ(8)にスライド可能に取り付けられた一対のスライド式面格子(2)と、各スライド式面格子(2)間に着脱可能に取り付けられ開閉する一対の回動式面格子(1)と、閉じた状態で回動式面格子(1)の抜脱を防止する抜脱防止機構と、閉じた状態で固定する錠機構とにより構成する。以上を特徴とする開閉可能な面格子である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、通常は建物に対し固定的に取り付けられることによって、面格子としての機能を発揮して防犯の役目をするもので、防犯上の問題が生じることがない。
また、面格子のうち回動式面格子が不必要な状況のときには、簡単に取り外して他の場所に保管することで、設置以前の開放感も満たすことが可能となった。
そのうえ面格子の開放時に、スライドによる開閉と可動格子体が蝶番によって建物の外方側へ回動して開放する構造であるが、スライド式面格子については、建物外側に可動格子体の回動空間の確保が必要ないため、その分、回動空間が半減されることで、狭隘な場所での設置が可能となり、
面格子中央に具備された錠前の軽頑錠にて、屋内外から極めて簡単な操作で施錠・解錠ができるため、防犯上の安全も確保されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明による開放可能な面格子の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(イ) 開口部に取り付けられる支持フレーム(6)の構成は、図7、図8に示すように、直接建物開口部の壁体面に対して確固に取り付け、その支持フレーム(6)上部と下部の水平横フレーム部の内縁部に、窓格子(面格子)を装着するための、後述説明の枢軸パイプ(8)を固定的に結合する部材である。
形状は、図7に示すように、開口壁の周りに確固に取り付ける、口の字形の平板枠材で、枢軸パイプ(8)を固定的に結合するため、支持フレーム(6)上部の水平横フレーム部には、後述説明の保持アーム(5)と、下部の水平横フレーム部には、後述説明する支持脚(14)とが支持フレーム(6)より一体的に突設した形状の部材である。
(a) 上述の保持アーム(5)とは、図7に示すように、面格子の装着(取り付け)に必要な部材である枢軸パイプ(8)を支持フレーム(6)に対して、上部の水平横フレーム部の左右両端と、中央部の三箇所に設けられた一体的に突設した部材である。その突設した形状の部材の先端には、面格子を装着の枢軸パイプ(8)を水平に貫通して結合を図るための、後述説明する円柱孔状の固定孔(16)を有した部材である。
(b) 上述の支持脚(14)とは、保持アーム(5)の固定孔(16)の設置部署と同様、図7に示すように、支持フレーム(6)下部の水平横フレームの左右両端と中央部の三箇所に、前記説明の上部の保持アーム(5)と対向する位置にあって、支持フレーム(6)より一体的に突設した形状の部材で、枢軸パイプ(8)を支持フレーム(6)に結合可能にするための、後述説明する調整保持体(13)との仲介の部材である。
(c) 上述の固定孔(16)とは、図7、図17に示すように、支持フレーム(6)上部と下部の水平横フレーム部の左右両端と中央部の三箇所に、上下対向の位置関係に設けられた円柱孔状の部材で、その円柱孔状の固定孔(16)の中に、面格子装着の枢軸パイプ(8)を貫通による固定で支持フレーム(6)との結合を図る部材である。
上部と下部の各固定孔(16)の設置部位は、上部の固定孔(16)は、先に説明した図7に示すように、保持アーム(5)の先端に、下部の固定孔(16)は図15に示すように、後述説明する調整保持体(13)に、それぞれ設けられ、その固定孔(16)の円柱孔状の内面は、左右両端部の固定孔(16)は、ただの円柱孔状であるが、枢軸パイプ(8)の貫通の終点となる中央部の固定孔(16)については、図6に示すように、内面部の両サイドに雌の螺刻(20)が施され、そこへ左右双方からの枢軸パイプ(8)の先端部の雄の螺刻(20)部が螺着により固定的に結合する構造となっている。
(ロ) 上述の枢軸パイプ(8)の構成について説明する。
(a) 枢軸パイプ(8)とは、図8に示すように、支持フレーム(6)上部と下部の水平横フレーム部の内縁部に固定孔(16)に支えられて平行に設けられ、その枢軸パイプ(8)に矩形状の可動格子体の窓格子(面格子)である、後述説明する回動式面格子(1)とスライド式面格子(2)(以下「両面格子」という。)を確実に懸架状態に装着して、移動開閉を可能にした重要な部材である。
(b) 形状は、図16に示すように、後述説明の嵌合ロッド(4)が挿入するための中空軸(19)を有した細長い円柱状のパイプで、片側先端には雄の螺刻(20)を施した4本のパイプで構成されている。
(c) 枢軸パイプ(8)を支持フレーム(6)に結合する方法は、既に固定孔(16)等の説明に於いて触れておるが、図6、図8に示すように、雄の螺刻(20)を施した枢軸パイプ(8)の先端を、支持フレーム(6)上部と下部の横フレーム左右両端の固定孔(16)の外側より、それぞれ一本ずつを中央部の固定孔(16)に向かって貫通させ、双方からの雄の螺刻(20)が、中央部の固定孔(16)内面部の両サイドに施された雌の螺刻(20)部にて螺着によって枢軸パイプ(8)が水平で固定的に結合する構造である。
(ハ) 上述の調整保持体(13)の構成について説明する。
(a) 調整保持体(13)とは、図1、図6(b)に示すように、支持フレーム(6)下部の水平横フレーム部よりの一体的に突設した支持脚(14)と枢軸パイプ(8)を確実に結合するための仲介の結合部材である。
(b) 形状は、図14、図15に示すように、枢軸パイプ(8)を貫通して結合を図るための固定孔(16)を有し、固定孔(16)と支持フレーム(6)の間隔等に狂いが生じて、面格子装着に支障が生じた時に調整を図る上下方向に余裕をもった、後述説明の調整孔(17)が設けられた形状の部材である。
(c) 調整保持体(13)と前述の支持脚(14)との結合方法は、図14、図15に示すように、内側の調整孔(17)より支持脚(14)側へ差し込む、各二本のワッシャー付きボルトを調整保持体(13)と支持脚(14)の接触面の支持脚(14)側に施された雌の螺刻(20)のネジ穴へ調整孔(17)にて間隔を調整しながら支持脚(14)とネジ止め固着を図るものである。
(二) これより、本発明による開放可能な窓格子である「両面格子」の構成等の細部を次の(ホ)、(ヘ)にて説明するにあたり、その内容を分かり易くする為に、「両面格子」の装着方法の基本的な違いについて概要を先に説明する。
「両面格子」の装着の違いは、図1、図10に示すように、スライド式面格子(2)自体は、装着の連結部材を有しない矩形状の可動窓格子体である。そのため装着には、該面格子(2)の両外端部側の上下四箇所に、後述詳しく説明する連結部材である嵌合ロッド(4)及び遊嵌体(7)とを組み合わせた、合体構造のスライド式面格子(以下「合体スライド式面格子」という。)の連結部材を枢軸パイプ(8)に、直接結合して装着(取り付け)を図る方法に対して、他方の回動式面格子(1)の装着(取り付け)方法は、図1に示すように、既に装着されているスライド式面格子(2)の側面に設けた鉄旗蝶番(10)を介して結合する装着の方式で、「両面格子」の機能面等の特殊性から基本的に装着方法が違っていることである。
(ホ) これよりスライド式面格子(2)の構成について説明する。
(a) スライド式面格子(2)の構成は、図1、図4に示すように後述説明するロッド螺嵌体(3)と、それに結合固定する嵌合ロッド(4)と、遊嵌体(7)を上下先端部に有した格子縦枠(15)と、鉄旗蝶番(10)と、その鉄旗蝶番(10)より閉じた状態で回動式面格子(1)の抜脱を防止する抜脱防止機構の突起体(9)と、により構成され、枢軸パイプ(8)にスライド可能に取り付けられた左右一対の矩形状、縦格子状枠組の可動格子体の窓格子(面格子)である。
(b) スライド式面格子(2)自体は、枢軸パイプ(8)への装着専用の連結部材を有しないにより構成された左右一対の矩形状、縦格子状枠組の可動格子体の窓格子(面格子)である。装着を可能にするためには、そのスライド式面格子(2)の両外端部側の上下に、後述説明の連結部材の嵌合ロッド(4)を、他方の両内端部側の上下には、格子縦枠(15)に施された連結部材の遊嵌体(7)を結合した「合体スライド式面格子」の形態にて装着する構成となっている。図1、図4、図5に示すように、支持フレーム(6)上部と下部の水平横フレーム部に設けられた枢軸パイプ(8)に、「合体スライド式面格子」の二種類の連結部材を直接連結することで、スライド式面格子(2)の円滑な自由左右な移動開閉と堅牢な装着が可能な構成となっている。この連結部材である嵌合ロッド(4)と遊嵌体(7)の装着(取り付け)方法の詳しい説明は、これからの各項目の個々にて説明をする。また、そのスライド式面格子(2)の側面には、後述説明する回動開閉を可能とする回動式面格子(1)を鉄旗蝶番(10)を介して装着するが、その鉄旗蝶番(10)は、後述説明のスライド式面格子(2)の格子縦枠(15)において回動軸となる嵌合部を軸支して、面格子全体の保持と重量に耐え、移動と回動開閉を可能にした防犯機能の保持安定と均衡を保った主要な装着手段となっている。
(ヘ) 回動式面格子(1)の構成について説明する。
(a) 回動式面格子(1)構成は、図1、図10に示すように、各スライド式面格子間に、上下2個の鉄旗蝶番(10)を介して、開閉する着脱可能な状態に取り付けられ、他方の左右双方の中央縦枠に互いに隣接した側には、後述説明の穿設の錠差込孔(12)と、その縦枠延長線上の上下の外方に突出して設けられた、後述説明の握着体(11)と、により構成された左右一対の矩形状、縦格子状枠組の可動格子体の窓格子(面格子)である。
(b) 回動式面格子(1)の装着(取り付け)方法は、図1、図10に示すように、前項のスライド式面格子(2)の方法と異なり、上記に於いて説明した通り、既に確実な装着済みのスライド式面格子(2)の側面を利用するもので、その側面に施された上下2個の雌の鉄旗蝶番(10)に、回動式面格子(1)側の雄の鉄旗蝶番(10)を介して連結する装着(取り付け)方法で、回動式面格子(1)は、その鉄旗蝶番(10)の嵌合部を回動軸として建物の外方側への回動による開閉と、懸架状態に装着した自由左右な移動開閉と着脱が可能な機能を有する装着の仕組みである。
又、閉鎖時における状態での回動式面格子(1)の固定方法は、図1、図2に示すように、回動式面格子(1)の左右双方の中央縦枠に互いに隣接した延長線上の上下の外方に突出して設けられた部材の握着体(11)によって、握着による枢軸パイプ(8)への定着と回動時のストッパー役を果たす開閉の仕組みである。
(c) 回動式面格子(1)の着脱方法は、図10に示すように、90度以上大きく回動したところで持ち上げると、突起体(9)との接触面が屈折により乖離して、鉄旗蝶番(10)の回動軸となる嵌合部より、着脱が可能となる特殊防犯性能を施した構造で、回動式面格子(1)が不必要な状況のときは、簡単に取り外して他の場所に保管することで、設置以前の開放感を一部満たすことが可能な構成となっている。
(ト) 次に、上述の連結部材の遊嵌体(7)の構成について説明する。
(a) 遊嵌体(7)の構造は、図1、図4に示すように、後述説明の格子縦枠(15)の上下先端部に設けられた円環部の部材で、そこに枢軸パイプ(8)を挿通し、スライド式面格子(2)の一方側を装着する連結部材のことである。円環部の内径の大きさは、遊嵌体(7)が枢軸パイプ(8)に懸架状態に装着して自由左右な移動開閉の挿通に支障の無い口径の構造である。スライド式面格子(2)の装着は、先に説明したように、二種類の連結部材が車の両輪の如く必要で、もう一方の部材である嵌合ロッド(4)を他方側に取り付けるのであるが、その方法については、別項目の(リ)において詳しく説明する。
(b) 遊嵌体(7)の枢軸パイプ(8)への連結要領は、図4に示すように、スライド式面格子(2)に遊嵌体(7)及び嵌合ロッド(4)とを結合した「合体スライド式面格子」を支持フレーム(6)の内縁部に宛がい、枢軸パイプ(8)が固定孔(16)両外端部の上下左右4箇所より貫通して支持フレーム(6)の中央部の固定的に結合する組み立ての過程において、上下左右4箇所の遊嵌体(7)の円環部に枢軸パイプ(8)を挿通することで、連結し装着する構造である。勿論、スライド式面格子(2)装着の相手側である連結部材の嵌合ロッド(4)についても遊嵌体(7)同様作業工程の中で中空部(19)へ挿入を実施して装着の連結を図るものである。
(c) その遊嵌体(7)とスライド式面格子(2)との合体方法は、遊嵌体(7)と格子縦枠(15)とは一体の部材であるので、スライド式面格子(2)の側面に図4に示すように、四本のワッシャー付きボルトを使って格子縦枠(15)を結合するが、その結合の細部については後述項目(ヌ)の格子縦枠(15)の構成において説明する。
(チ) 前述のロッド螺嵌体(3)とは、図1、図6に示すように、一対のスライド式面格子(2)の上部と下部位置の外部両端部に、面格子の中央方向側に双方が対向の位置関係に設けられ、次に説明する嵌合ロッド(4)を結合するための雌の螺刻(20)が施された、スライド式面格子(2)より突設された嵌合ロッド(4)を水平に螺着して確実に結合を図るための連結用の部材である。
(リ) これより上述の嵌合ロッド(4)の構成について説明する。
(a) 嵌合ロッド(4)の形状は、図4、図6に示すように、円柱の棒状で、長さはスライド式面格子(2)横幅の2倍弱、太さは枢軸パイプ(8)の中空部(19)を両外端部より左右に摺動できる程の太さで、片方の結合根幹部の先端には、前述のロッド螺嵌体(3)の雌螺刻(20)に螺着結合するための、雄の螺刻(20)を施された左右二本ずつの四本の部材で構成されておる。
(b) 嵌合ロッド(4)の枢軸パイプ(8)への連結要領は、図1、図4、図6に示すように、支持フレーム(6)上部と下部の横フレーム部に固着の枢軸パイプ(8)両外端部の上下左右4個所の中空部(19)の先端より、スライド式面格子(2)と一体の嵌合ロッド(4)の先端部を直接四方の両外端より挿入させることで左右に摺動可能の状態に装着し、スライド開閉を可能にした構造であるが、この装着は嵌合ロッド(4)側のみの装着で、該面格子の装着には、もう一方側に連結部材である遊嵌体(7)の装着が必要で、その構成、形状及び組み立て等については、既に説明した通りである。
(ヌ) 上述の格子縦枠(15)の構成について説明する。
(a) 格子縦枠(15)の構成要素は、図4に示すように、枢軸パイプ(8)を貫通する上下先端部に円環部分を有した遊嵌体(7)と、その格子縦枠(15)の上方側面には、回動式面格子(1)の抜脱を防止する抜脱防止機構である後述説明の突起体(9)と、回動式面格子(1)を装着と回動のため、側面の上下に雌の鉄旗蝶番(10)とが施された構成の部材である。
(b) 格子縦枠(15)とスライド式面格子(2)との合体方法は、図4に示すように、ワッシャー付きボルト4本が格子縦枠(15)の穴を貫通させ、スライド式面格子(2)の側面に施してある雌の螺刻(20)にネジ止めで固着を図るものである。
(ル) 突起体(9)の構成について説明する。
(a) 突起体(9)の形状は、図1、図4に示すように、スライド式面格子(2)附属部材の格子縦枠(15)の側面上方部に回動式面格子(1)側へ突設の抜脱防止用の方形状をした小突起体である。
(b) その防犯対策等の仕組みは、回動式面格子(1)が閉鎖、施錠され固着維持した使用状況において、不法侵入者が鉄旗蝶番(10)の回動軸となる嵌合部より回動式面格子(1)全体を持ち上げて抜脱行動を起こしても、抜脱を防止する抜脱防止機構である、図1、図2に示す、突起体(9)と 軽頑錠(18)とによって、上部方向への移動が阻止され、抜脱不可能な構造となっている。
(オ) 面格子の施錠・開錠は、図2に示すように、面格子が閉鎖、施錠され固着維持した使用状況、即ち閉じた状態で固定する錠機構を有し、回動式面格子(1)の左右双方の中央側縦枠に互いに隣接した穿設の錠差込孔(12)において市販の軽頑錠(18)を操作する錠前つきの防犯格子であり、その軽頑錠(18)にて屋内外から極めて簡単な操作で施錠・解錠ができるため、防犯上の安全も確保されている。
(ワ) また、本発明の構成要素が複雑化し、シンプルで堅牢な一体構造を取り入れてない理由は、枢軸パイプ(8)については、支持フレーム(6)の横フレーム部の上部と下部位置に、それぞれ2本ずつを連列状態で使用して中央部の固定孔(16)にて双方を固定しているが、上部と下部それぞれ一本ずつの計2本で使用すると、一本の枢軸パイプ(8)では、面格子全体の装着と組み立ての過程で固定孔(16)の関係等から組み立てが不可能なためである。その他にも、スライド式面格子(2)が単体の構成でなく附属部材の格子縦枠(15)との別構成、嵌合ロッド(4)及びロッド螺嵌体(3)等についても同様に、面格子全体の組み立ての構成が一体では不可能なために構成要素が数多くなっていることである。又、支持フレーム(6)下部の水平横フレーム部の調整保持体(13)が支持フレーム(6)の水平横フレーム部よりの一体的に突出した突起部材にしなかったのは、支持フレーム(6)等の間隔等に狂いが生じて、面格子装着に支障が生じた時に調整が可能にするために別部材としたものである。
(カ) 前記本発明の面格子および支持フレーム(6)等の材質は、アルミニウム、鉄、合成樹脂もしくは、その合金で押し出し形成された堅牢な材料を用い、面格子は角型パイプを所要寸法で枠組された、外枠に所要の間隔で格子構成部を縦方向に配列した縦格子構造で、特に嵌合ロッド(4)の材質はスライド式面格子(2)最両端部の枢軸パイプ(8)に対する装着の連結部材であるため、「両面格子」が連動するスライド・回動開閉に耐え、特に開放時に於いての最両端部の重量等に耐える堅牢な材料を用いるものである。
また開口部等の面積状況に応じて、中間の横方向に桟を1、2本配列を増加して補強を図るなど必要に応じ、このような縦格子構造以外の格子状枠組に構成させたものであってもよい。尚、支持フレーム(6)については、建物構造、開口部等の状況に応じて、フレーム縦枠を各図面の実線より切断機等で切り外して、枢軸パイプ(8)が水平に固着する支持フレーム(6)上部と下部位置の横フレームのみで、固定して使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の使用状態を示す外観斜視図
【図2】 本発明の面格子全体正面図
【図3】 本発明の可動面格子本体の正面図
【図4】 本発明のスライド式面格子周辺の一部拡大分解斜視図
【図5】 本発明の図11におけるA−B線の正面断面図
【図6】 本発明の枢軸パイプ周辺の一部を切欠した拡大断面図 (a)は上部枢軸パイプと保持アーム (b)は下部枢軸パイプと調整保持体
【図7】 本発明の支持フレームと壁体面との使用状態を示す斜視図
【図8】 本発明の図7に枢軸パイプを取り付けた使用状態を示す斜視図
【図9】 本発明の面格子の開放状態を示す正面図
【図10】 本発明の回動式とスライド式面格子の着脱状態を示す分解斜視図
【図11】 本発明の側面図
【図12】 本発明の平面図
【図13】 本発明の底面図
【図14】 本発明の調整保持体と支持脚との結合状態を示す分解斜視図
【図15】 本発明の図14の結合状態を示す側面よりの断面図
【図16】 本発明の枢軸パイプの斜視図 (a)は左側枢軸パイプ (b)は右側枢軸パイプ
【図17】 本発明の下部枢軸パイプの使用状態を示す分解斜視図
【符号の説明】
【0008】
1 回動式面格子
2 スライド式面格子
3 ロッド螺嵌体
4 嵌合ロッド
5 保持アーム
6 支持フレーム
7 遊嵌体
8 枢軸パイプ
9 突起体
10 鉄旗蝶番
11 握着体
12 錠差込孔
13 調整保持体
14 支持脚
15 格子縦枠
16 固定孔
17 調整孔
18 軽頑錠
19 中空軸
20 螺刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に取り付けられる支持フレームと、この支持フレームの内縁部に設けられた枢軸パイプと、この枢軸パイプにスライド可能に取り付けられた一対のスライド式面格子と、各スライド式面格子間に着脱可能に取り付けられ開閉する一対の回動式面格子と、閉じた状態で回動式面格子の抜脱を防止する抜脱防止機構と、閉じた状態で固定する錠機構とにより構成される開閉可能な面格子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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