説明

開閉器用水抜き装置および開閉器の水抜き方法

【課題】架空された開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる開閉器用水抜き装置および開閉器の水抜き方法を提供する。
【解決手段】架空された開閉器2の底板3に水抜き穴を開けて、開閉器2内に溜まった水を除去する水抜き工具10と、この水抜き工具10を水抜き工具把持部41に把持し、架空された開閉器2に接近させて、開閉器2の底板3下方の所定位置に位置決めする取付工具40とを備え、取付工具40は、水抜き工具把持部41に把持された水抜き工具10の位置と角度を調整する位置調整機構部45と角度調整機構部60とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に水が侵入した架空された開閉器の水を抜き取るために使用する開閉器用水抜き装置および開閉器の水抜き方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
架空された配電用の開閉器は、気圧差や錆等の影響により、その内部に水が侵入する場合がある。このため、このような開閉器内部への水の浸入の有無を浸水測定器により定期的に測定し、水が浸入した開閉器の取り替え工事を行っている。この場合、工事の振動により、開閉器に侵入した水が飛び散り、開閉器内部において短絡、地絡が生じるおそれがある。このような短絡、地絡を回避するため、事前工事として、バイパスケーブルを施設して取り替え工事を行っている。
【0003】
取り替え工事前に開閉器に穴を開けて内部に溜まった水を除去すれば、短絡、地絡の発生が回避され、必ずしもバイパスケーブルを施設することなく、開閉器の取り替え工事を行うことができる。
【0004】
本発明者らは、先に、バイパスケーブルを施設することなく、架空された開閉器に迅速かつ確実に穴を開けて、内部に溜まった水を除去することのできる穴あけ工具を提案している(特許文献1)。
【0005】
特許文献1に開示された穴あけ工具100は、図15、図16に示すように、架空された開閉器2にこの穴あけ工具100を取り付けるための取付部101と、開閉器2の底板3に水抜き穴を開けるための切削機構部102と、この切削機構部102を支持し、水抜き穴から流れ出る水を受けるための水受け部103とを備えている。取付部101は、所定の間隔をあけて互いに平行に配置された1対の支持フレーム104、104を有し、1対の支持フレーム104、104の一端には、開閉器2の一方の側板4に接する固定当接部105が取り付けられ、他端には開閉器2の他方の側板5に所定の間隔をあけて対向する可動当接部106が取り付けられている。可動当接部106にはネジ軸107が螺合され、このネジ軸107を締め付けることにより、開閉器2の両側板4、5が固定当接部105とネジ軸107との間に挟持され、この取付部101によって穴あけ工具100が開閉器2に固定されることになる。
【0006】
また、切削機構部102は、把持部材108に把持されて水受け部103に固定され、水受け部103の底板に開口された貫通孔から上方に突出し、架空された開閉器2の底板3を円環状に切削して水抜き穴を開ける円筒形状のカッタ部109と、このカッタ部109の円筒内に設けられて、円環状に切削された底板3の切削断片を押動することにより、切削断片を底板3から切り離す押動部材(図示省略、図4参照)と、カッタ部109を回転駆動するモータ110とを備えたものである。
【0007】
このように構成された穴あけ工具100によれば、カッタ部109により円環状に切削された底板3の切削断片は、押動部材により押動されて底板3から切り離され、底板3に水抜き穴が形成される。このため、切削断片が開閉器2内の水圧により水抜き穴を塞ぐことがなく、水抜き穴が全開状態に維持される。その結果、開閉器2内部に侵入した水をこの水抜き穴を介して、迅速かつ確実に外部に除去することができる。
【特許文献1】特開2006−346826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の穴あけ工具100では、穴あけ工具100を開閉器2の底板3下方に接近させ、1対の支持フレーム104、104を開閉器2の底板3に沿って位置決めし、さらに、カッタ部109の回転軸心方向を開閉器2の底板3に垂直になるように穴あけ工具100の姿勢を調整しながら、穴あけ工具100を開閉器2の底板3に押し当て、開閉器2の両側板4、5を固定当接部105とネジ軸107との間で挟持させて、穴あけ工具100を開閉器2に固定する作業を、作業者が穴あけ工具100に接近した状態で実施する必要がある。
【0009】
このような一連の穴あけ工具100の姿勢調整作業ならびに開閉器2への固定作業は、高所作業用車輌に備えられた作業用バケット等を用いるにしても、高所での作業となり、不安定であるだけでなく、開閉器2内に水が溜まっている場合には、ショートにより被災する恐れもあり、大変危険である。
【0010】
したがって、作業車が開閉器2に接近することなく、穴あけ工具100の姿勢調整作業や開閉器2への固定作業を実施することのできる架空された開閉器用の水抜き装置の開発が望まれていた。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、架空された開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる開閉器用水抜き装置および開閉器の水抜き方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に係る開閉器用水抜き装置は、上記の課題を解決するため、架空された開閉器の底板に水抜き穴を開けて、前記開閉器内に溜まった水を除去する水抜き工具と、該水抜き工具を水抜き工具把持部に把持し、架空された前記開閉器に接近させて、前記開閉器の底板下方の所定位置に位置決めする取付工具とを備え、前記取付工具は、前記水抜き工具把持部に把持された前記水抜き工具の位置と角度を調整する位置調整機構部と角度調整機構部とを備えて構成されることを特徴とするものである。
【0013】
請求項1に係る開閉器用水抜き装置によれば、取付工具に、水抜き工具把持部に把持された水抜き工具の位置と角度を調整する位置調整機構部と角度調整機構部とが備えられており、この位置調整機構部および角度調整機構部を操作することにより、開閉器に接近することなく、水抜き工具を架空された開閉器に接近させて、開閉器の底板下方の所定位置に位置決めすることができ、したがって、架空された開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1に係る開閉器用水抜き装置において、前記水抜き工具は、遠隔操作棒で操作されて該水抜き工具を架空された前記開閉器に取り付けるための取付部と、前記開閉器の底板に水抜き穴を開けるための切削機構部と、該切削機構部を支持するとともに、水抜き穴から流れ出る水を受ける水受け部とを備え、前記切削機構部は、その上端部位に位置するカッタ部を回転させながら、上動させることにより、前記開閉器の底板に水抜き穴を切削開口することを特徴とするものである。
【0015】
請求項2に係る開閉器用水抜き装置によれば、開閉器に接近することなく、遠隔操作棒を用いて取付部を操作することにより、水抜き工具を架空された開閉器に取り付け、切削機構部のカッタ部を回転させながら、上動させることにより、開閉器の底板に水抜き穴を切削開口するため、水抜き工具の開閉器への固定作業および開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0016】
本発明の請求項3に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1または2に係る開閉器用水抜き装置において、前記取付工具は、高所作業用車輌の起伏支持部に取り付けられ、該起伏支持部の操作により前記水抜き工具を前記開閉器の底板下方に接近させるとともに、前記位置調整機構部と前記角度調整機構部の操作により前記開閉器の底板下の前記所定位置に位置決めし、前記水抜き工具は、1対の当接固定具を備え、前記取付工具により前記開閉器の底板下方に位置決めされた状態で、前記当接固定具が遠隔操作棒で操作されて前記開閉器を側方から挟持することにより、前記開閉器に固定されることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に係る開閉器用水抜き装置によれば、高所作業用車輌の起伏支持部に取付工具を取り付け、起伏支持部を引き起こし操作して水抜き工具を開閉器の底板下方に接近させ、位置調整機構部と角度調整機構部を操作して水抜き工具を開閉器の底板下の所定位置に位置決めした上で、開閉器に接近することなく、遠隔操作棒を用いて当接固定具を操作することにより、当接固定具で開閉器を側方から挟持して、水抜き工具を開閉器に固定することができるため、水抜き工具の開閉器への固定作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0018】
本発明の請求項4に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1〜3のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置において、前記取付工具の前記位置調整機構部は、前記水抜き工具を把持する前記水抜き工具把持部を上下動させて前記水抜き工具の上下方向の位置を調整する上下動機構部と、前記水抜き工具把持部を前後動させて前記水抜き工具の前後方向の位置を調整する前後動機構部とを備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に係る開閉器用水抜き装置によれば、取付工具の位置調整機構部が、上下動機構部と、前後動機構部とを備えて構成され、各機構部を操作することにより、簡単に、上下動機構部で水抜き工具把持部を上下動させて前記水抜き工具の上下方向の位置を調整するとともに、前後動機構部で水抜き工具把持部を前後動させて水抜き工具の前後方向の位置を調整することができるため、水抜き工具の位置調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0020】
本発明の請求項5に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項4に係る開閉器用水抜き装置において、前記上下動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端部に前記水抜き工具把持部を保持する上下駆動軸と、該上下駆動軸を覆い、前記上下駆動軸を上下動可能に支持する上下駆動軸外筒と、該上下駆動軸外筒を上下方向に把持する上下駆動軸外筒把持部と、前記上下駆動軸外筒の下端部に連設される操作軸とを備え、前記上下駆動軸の下位部分に前記操作軸の上位部分が螺嵌され、前記操作軸を回転させることにより、前記水抜き工具把持部を上下動させ、前記水抜き工具の上下方向の位置を調整することを特徴とするものである。
【0021】
請求項5に係る開閉器用水抜き装置によれば、上下動機構部は、上下駆動軸と、上下駆動軸外筒と、上下駆動軸外筒把持部と、操作軸とを備えて構成され、操作軸を回転させることにより、簡単に、水抜き工具把持部を上下動させ、水抜き工具の上下方向の位置を調整することができるため、水抜き工具の上下方向の位置調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0022】
本発明の請求項6に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項5に係る開閉器用水抜き装置において、前記前後動機構部は、前後方向に軸心が配され、前端部で前記上下駆動軸外筒把持部を支持する支持アームと、前端部が前記上下駆動軸外筒把持部に接続され、前記上下駆動軸外筒把持部を前後方向に駆動する前後駆動軸と、前記支持アームを前後動可能に支持する支持アーム基台と、前記前後駆動軸の後端部に接続して前記前後駆動軸を回転させ、前記前後駆動軸を前後方向に駆動させる前後駆動軸操作部とを備え、前記前後駆動軸操作部を操作して前記前後駆動軸を回転させることにより、前記上下駆動軸外筒把持部を前後動させ、前記水抜き工具の前後方向の位置を調整することを特徴とするものである。
【0023】
請求項6に係る開閉器用水抜き装置によれば、前後動機構部は、支持アームと、前後駆動軸と、支持アーム基台と、前後駆動軸操作部とを備えて構成され、前後駆動軸操作部を操作して前後駆動軸を回転させることにより、簡単に、上下駆動軸外筒把持部を前後動させ、水抜き工具の前後方向の位置を調整することができるため、水抜き工具の前後方向の位置調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0024】
本発明の請求項7に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1〜6のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置において、前記取付工具の前記角度調整機構部は、上下方向に配された旋回軸回りに前記水抜き工具把持部を旋回させて前記水抜き工具の旋回角を調整する旋回動機構部と、上下方向に配され、上端に該旋回動機構部を保持する支柱を前後方向に傾動させることにより前記水抜き工具把持部を上下方向に傾動させ、前記水抜き工具の上下角を調整する上下傾動機構部と、前記支柱を左右方向に傾動させて前記水抜き工具の左右角を調整する左右傾動機構部とを備えることを特徴とするものである。
【0025】
請求項7に係る開閉器用水抜き装置によれば、取付工具の角度調整機構部が、旋回動機構部と、上下傾動機構部と、左右傾動機構部とを備えて構成され、各機構部を操作することにより、簡単に、旋回動機構部で水抜き工具把持部を旋回軸周りに旋回させて水抜き工具の旋回角を調整するとともに、上下傾動機構部で支柱を前後方向に傾動させて水抜き工具の上下角を調整し、左右傾動機構部で支柱を左右方向に傾動させて水抜き工具の左右角を調整することができるため、水抜き作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0026】
本発明の請求項8に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項7に係る開閉器用水抜き装置において、前記旋回動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端に前記水抜き工具把持部を保持する位置調整機構部を支持する旋回軸と、該旋回軸の下端を旋回可能に支持し、該旋回軸を旋回させる旋回動操作部とを備え、前記旋回動操作部を操作して前記旋回軸を旋回させることにより、前記水抜き工具把持部を前記旋回軸周りに旋回させて前記水抜き工具の旋回角を調整することを特徴とするものである。
【0027】
請求項8に係る開閉器用水抜き装置によれば、旋回動機構部が、旋回軸と、旋回動操作部とを備えて構成され、旋回動操作部を操作して旋回軸を旋回させることにより、簡単に、水抜き工具把持部を旋回軸周りに旋回させて水抜き工具の旋回角を調整することができるため、水抜き工具の旋回角の調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0028】
本発明の請求項9に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項8に係る開閉器用水抜き装置において、前記上下傾動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端が前記旋回軸に接続される支柱と、該支柱の下端で該支柱を傾動可能に支持する軸受部と、前記支柱の中間部位で該支柱に接続される支柱把持部と、該支柱把持部に前端が接続され、該支柱把持部を前後方向に駆動する前後動軸と、該前後動軸の後方部位を保持し、該前後動軸を前後方向に駆動する上下傾動操作部とを備え、前記上下傾動操作部を操作して前記前後動軸を前後動させることにより、前記軸受部を中心にして前記支柱を前後方向に傾動させ、これに伴って前記水抜き工具把持部を上下方向に傾動させて前記水抜き工具の上下角を調整することを特徴とするものである。
【0029】
請求項9に係る開閉器用水抜き装置によれば、上下傾動機構部が、支柱と、軸受部と、支柱把持部と、前後動軸と、上下傾動操作部とを備えて構成され、上下傾動操作部を操作して前後動軸を前後動させることにより、簡単に、軸受部を中心にして支柱を前後方向に傾動させ、これに伴って水抜き工具把持部を上下方向に傾動させて水抜き工具の上下角を調整することができるため、水抜き工具の上下角の調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0030】
本発明の請求項10に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項9に係る開閉器用水抜き装置において、前記左右傾動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端が前記支柱に接続される左右傾動軸と、該左右傾動軸の下端にピン結合される左右動部材と、該左右動部材に係合し、該左右動部材を左右方向に駆動する操作軸とを備え、前記操作軸を回転させて前記左右動部材を左右動させることにより、前記軸受部を中心にして前記支柱を左右方向に傾動させ、これに伴って前記水抜き工具把持部を左右方向に傾動させて前記水抜き工具の左右角を調整することを特徴とするものである。
【0031】
請求項10に係る開閉器用水抜き装置によれば、左右傾動機構部が、左右傾動軸と、左右動部材と、操作軸とを備えて構成され、操作軸を回転させて左右動部材を左右動させることにより、簡単に、軸受部を中心にして支柱を左右方向に傾動させ、これに伴って水抜き工具把持部を左右方向に傾動させて水抜き工具の左右角を調整することができるため、水抜き工具の左右角の調整作業を迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0032】
本発明の請求項11に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1〜10のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置において、前記水抜き工具の前記水受け部の近辺に、前記開閉器の底板に向けて一定の傾斜角度をもってレーザ光を発射する1対のレーザスポット照射部が配置され、双方の前記レーザスポット照射部から前記底板に照射された2つの光点の離間状態を確認することにより、前記取付工具の前記位置調整機構部および前記角度調整機構部を動作させて、前記水抜き工具を前記開閉器の下方の所定位置に位置決めすることを特徴とするものである。
【0033】
請求項11に係る開閉器用水抜き装置によれば、1対のレーザスポット照射部から開閉器の底板に照射された2つの光点の離間状態を確認することにより、水抜き工具の開閉器の底板に対する位置と距離が判断でき、それに対応して、作業者が開閉器に近付くことなく、位置調整機構部および角度調整機構部を操作して取付工具の位置調整および角度調整を行い、水抜き工具を開閉器の下方の所定位置に位置決めすることができ、水抜き工具の位置決め作業をより迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。なお、1対のレーザスポット照射部を一定の傾斜角度をもって、水抜き工具を開閉器の下方の所定位置にあるときに、1つの光点になるよう設定しておけば、水抜き工具の位置決め作業をより迅速、確実に実施することができる。
【0034】
本発明の請求項12に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1〜11のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置において、前記水抜き工具の前記水受け部の最上位位置に接触センサが配置され、該接触センサが前記開閉器の底板への接触状態を確認することにより、前記取付工具の前記位置調整機構部および前記角度調整機構部を動作させて、前記水抜き工具を前記開閉器の下方の所定位置に位置決めすることを特徴とするものである。
【0035】
請求項12に係る開閉器用水抜き装置によれば、水受け部の最上位位置に配置された接触センサにより、水抜き工具と開閉器底板との接触状態を確認することができ、これらを確認しながら、取付工具の位置調整および角度調整を行い、水抜き工具を開閉器の下方の所定位置に位置決めすることができる。接触センサが少し離れた位置から接触状態を確認できる態様のものであれば、接触状態の確認のために、作業者が開閉器に近付く必要がなく、水抜き工具の位置決め作業をより迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0036】
本発明の請求項13に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項12に係る開閉器用水抜き装置において、前記接触センサは前記水受け部の最上位位置に複数個配置され、該複数個の接触センサを前記開閉器の底板に接触させたときに、その接触状態とともに、前記水抜き工具と前記開閉器の底板との平行度を確認することを特徴とするものである。
【0037】
請求項13に係る開閉器用水抜き装置によれば、水受け部の最上位位置に複数個配置された接触センサにより、水抜き工具と開閉器底板との接触状態とともに、平行度をも確認することができ、これらを確認しながら、取付工具の位置調整および角度調整を行い、水抜き工具を開閉器の下方の所定位置に位置決めすることができる。接触センサが少し離れた位置から接触状態や平行度を確認できる態様のものであれば、接触状態や平行度の確認のために、作業者が開閉器に近付く必要がなく、水抜き工具の位置決め作業をより迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【0038】
本発明の請求項14に係る開閉器用水抜き装置は、上記の請求項1〜13のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置において、さらに、前記水抜き工具に有線で接続され、前記水抜き工具に水抜き作業の操作を行う受信機と、該受信機に無線で接続され、前記受信機に水抜き作業の動作指示を行う送信機とを備え、地上に配置された前記送信機からの動作指示を前記受信機に送信し、前記受信機により前記水抜き工具を操作することにより、前記開閉器の底板に対する水抜き作業を実施することを特徴とするものである。
【0039】
請求項14に係る開閉器用水抜き装置によれば、開閉器用水抜き装置の近くに有線で接続された受信機を配置し、開閉器用水抜き装置から離れた位置に無線で接続された送信機を配置し、送信機からの動作指示を受信機に送信し、受信機により水抜き工具を操作することにより、開閉器の底板に対する水抜き作業を実施することができ、より安全に水抜き作業を実施することができる。
【0040】
本発明の請求項15に係る開閉器の水抜き方法は、請求項1〜14のいずれか一項に係る開閉器用水抜き装置を用い、該開閉器用水抜き装置の取付工具を高所作業用車輌の起伏支持部に取り付け、該起伏支持部を操作して該開閉器用水抜き装置の水抜き工具を架空された開閉器の底板下方に接近させるとともに、前記取付工具に備えられた位置調整機構部および角度調整機構部を操作して前記開閉器の底板下の前記所定位置に位置決めし、前記水抜き工具により、前記開閉器の底板に水抜き穴を開けて、前記開閉器内に溜まった水を除去することを特徴とするものである。
【0041】
請求項15に係る開閉器の水抜き方法によれば、取付工具に、水抜き工具把持部に把持された水抜き工具の位置と角度を調整する位置調整機構部と角度調整機構部とが備えられており、この位置調整機構部および角度調整機構部を操作することにより、開閉器に接近することなく、水抜き工具を架空された開閉器に接近させて、開閉器の底板下方の所定位置に位置決めすることができ、したがって、架空された開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る開閉器用水抜き装置および開閉器の水抜き方法によれば、架空された開閉器の水抜き作業を、迅速、確実に、かつ、安全に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の開閉器用水抜き装置に係る最良の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
【0044】
本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置1について、図1、図2に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置による水抜き作業を説明するための斜視図であり、図2は、この開閉器用水抜き装置の構造を説明するための斜視図である。
【0045】
本実施の形態に係る水抜き装置1(開閉器用水抜き装置)は、電柱6の支持枠体7(D管)に架空された開閉器2の底板3に水抜き穴を開けて、開閉器2内に溜まった水を除去する水抜き工具10と、この水抜き工具10を水抜き工具把持部41に把持し、架空された開閉器2に接近させて、開閉器2の底板3下の所定位置に位置決めする取付工具40とを備えて構成される。本発明の水抜き装置1は、図1に示すように、取付工具40を高所作業用車輌のブーム8に取り付け、この取付工具40の水抜き工具把持部41に把持された水抜き工具10を開閉器2に接近させて開閉器2の底板3下方に固定し、水抜き工具10の内部に備えたカッタ部27を回転させながら上方に前進動させて、開閉器2の底板3に水抜き穴を形成するものである。
【0046】
(水抜き工具10の構成)
先ず、水抜き工具10の構成について、図2および図3〜図5に基づいて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置に用いられる水抜き工具の構造を説明するための斜視図であり、また、図4は、この水抜き工具の切削機構部の構造を説明するための、一部を切り欠いて示す斜視図であり、図5は、この切削機構部と水受け部の構造を説明するための断面図である。ここで、図3において、1対の支持フレーム12、12の軸方向を前後方向とし、支持フレーム12の軸方向に垂直でかつ水平な方向を左右方向とし、支持フレーム12の軸方向に垂直でかつ鉛直な方向を上下方向として、図中に矢印で示す方向を前方、後方、左方、右方、上方および下方として、以下、水抜き工具10の構成と動作について説明する。
【0047】
水抜き工具10は、図2に示すように、架空された開閉器2に本水抜き工具10を取り付けるための取付部11と、開閉器2の底板3に水抜き穴を開けるための切削機構部25と、この切削機構部25を支持するとともに、水抜き穴から抜き取られた水を受ける水受け部20とで構成されている。
【0048】
(取付部11)
取付部11は、所定の間隔をあけて互いに平行に配置された直棒状の1対の支持フレーム12、12を有し、1対の支持フレーム12、12の一端側には、開閉器2の一方(前方)の側板4に当接する固定当接部13が取り付けられ、他端側には開閉器2の他方(後方)の側板5に対して適当な間隔をあけて対向する可動当接部14が前後方向に移動可能に取り付けられている。
【0049】
固定当接部13は、1対の支持フレーム12、12の端部を所定の間隔で保持する固定当接本体部13aと、この固定当接本体部13aの上面中央部から上方に向けて立設される固定支軸13bと、この固定支軸13bの上端付近から後方(開閉器2の一方の側板4に対向する方向)に向けて突設される固定支軸当接部13cとにより構成される。また、固定当接本体部13a左右端の後方側の位置に、アンテナ13dが上方に向けて立設されている。このアンテナ13dは、取付工具40を高所作業用車輌のブーム8に取り付け、水抜き工具10を開閉器2に固定するために接近させる際に、水抜き工具10と開閉器2(底板3、側板4)との間の相互の位置関係を確認するために用いられるものである。
【0050】
可動当接部14は、1対の支持フレーム12、12の中間部を所定の間隔で保持する可動当接本体部14aと、この可動当接本体部14aの上面中央部に上方に向けて立設される可動支軸14bとで構成され、支持フレーム12の軸方向に沿って移動可能に取り付けられている。すなわち、可動当接本体部14aには、1対の支持フレーム12、12が挿通される貫通孔14cが設けられ、可動当接本体部14aを、貫通孔14cを挿通する1対の支持フレーム12、12によりガイドして、支持フレーム12の軸方向に沿って移動することができる。
【0051】
また、可動当接本体部14aの下端面には、支持フレーム12が挿通される貫通孔14cに達するネジ穴(図示省略)が設けられており、このネジ穴に螺合する固定ネジ軸15が、1対の支持フレーム12、12に向けて進退可能に配設されている。固定ネジ軸15の下端には固定用リング部15aが形成され、フック付き回転治具を用いて固定用リング部15aを正転方向に回転することにより、固定ネジ軸15を1対の支持フレーム12、12に当接させ、可動当接本体部14aを支持フレーム12の軸方向の所定位置に固定することができ、固定用リング部15aを逆転方向に回転することにより、固定ネジ軸15を1対の支持フレーム12、12から離脱させ、可動当接本体部14aを支持フレーム12の軸方向に沿って移動可能な状態にすることができる。可動当接本体部14aを支持フレーム12の軸方向の所定位置に固定することにより、可動ネジ軸16を開閉器2の側板5に対して所定の間隔をあけた位置(可動ネジ軸16の前進動により開閉器2を挟持するに適した位置)に位置決めすることができる。
【0052】
可動ネジ軸16は、可動支軸14bの上端付近に設けられたネジ穴に螺合して配され、この可動ネジ軸16の前方端に可動ネジ軸端当接部16aが設けられるとともに、可動ネジ軸16の後方端に六角柱形状の係合柱部16bが設けられている。この可動ネジ軸16の後方端に設けられた六角柱形状の係合柱部16bに操作ハンドルを装着し、この操作ハンドルを用いて係合柱部16bを正転方向に回転させて、可動ネジ軸16を前進動させることにより、可動ネジ軸16の前方端に配設された可動ネジ軸端当接部16aを開閉器2の側板5に当接させることができる。このようにして、取付部11により開閉器2の両側板4、5が固定当接部13(固定支軸当接部13c)と可動当接部14(可動ネジ軸端当接部16a)との間に挟持され、1対の支持フレーム12、12が開閉器2の底板3に沿って配置された状態で、水抜き工具10が開閉器2に固定される。
【0053】
(水受け部20)
水受け部20は、水受け工具10の1対の支持フレーム12、12の間に架け渡されてカッタ部27により切削開口された水抜き穴から流れ出る水を受ける水受け容器21と、水受け容器21に隣接して配置され、開閉器2の底板3に向けて一定の傾斜角度をもってレーザ光を発射する1対のレーザポインタ22(レーザスポット照射部)と、水受け容器21の最上位位置に配置された接触センサ23とで構成される。
【0054】
水受け容器21は、1対の支持フレーム12、12の軸方向に対して垂直に立設され、カッタ部27を挟んで前後に配された2枚の側板21aと、1対の支持フレーム12、12の軸方向に対して平行に立設され、1対の支持フレーム12、12の内方でカッタ部27を挟んで左右に配された2枚の仕切り板21bと、2枚の側板21aと2枚の仕切り板21bの下方を覆う底板21cとにより、上方が開放された形状として構成され、支持フレーム12の軸方向に沿って移動可能に取り付けられている。すなわち、水受け容器21の側板21aの下方位置には、1対の支持フレーム12、12が挿通される貫通孔21dが設けられ、水受け容器21を、貫通孔21dを挿通する1対の支持フレーム12、12によりガイドして、支持フレーム12の軸方向に沿って移動することができる。
【0055】
また、側板21aの下端面には、支持フレーム12が挿通される貫通孔21dに達するネジ穴(図示省略)が設けられており、このネジ穴に螺合する固定ネジ軸24が、1対の支持フレーム12、12に向けて進退可能に配設されている。固定ネジ軸24の下端には固定用リング部24aが形成され、フック付き回転治具を用いて固定用リング部24aを正転方向に回転することにより、固定ネジ軸24を1対の支持フレーム12、12に当接させ、水受け容器21を支持フレーム12の軸方向の所定位置に固定することができ、固定用リング部24aを逆転方向に回転することにより、固定ネジ軸24を1対の支持フレーム12、12から離脱させ、水受け容器21を支持フレーム12の軸方向に沿って移動可能な状態にすることができる。水受け容器21を支持フレーム12の軸方向の所定位置に固定することにより、カッタ部27を底板3下方の所定位置(水抜き穴を切削開口する予定の位置)に位置決めすることができる。
【0056】
また、この水受け容器21の底板21cには、カッタ部27が上方に向けて進退動可能に突出するカッタ突出開口21eと、水受け容器21に溜まった水を外部に排出するホース(図示省略)が接続される排水口(図示省略)が設けられている。さらに、水受け容器の周辺には、水準器(図示省略)と、レーザポインタ22と、接触センサ23とが配置されている。水準器は、水受け容器21の底板21cの裏面側に配置され、水受け容器21の下方から底板21cを見上げた際に、水受け容器21の水平度、さらには支持フレーム12の水平度を確認することができる。
【0057】
レーザポインタ22は、開閉器2の底板3に向けてレーザ光を発射するものであり、水受け容器21を構成する2つの側板21aの外側近辺に配置され、双方のレーザポインタ22、22から照射された2つのレーザ光が、水受け容器21の上辺から所定寸法離れた位置において1つの光点として結像するように一定の照射角度に調整されており、取付工具40の位置調整機構部45および角度調整機構部60を動作させて水抜き工具10を開閉器2に対して下方から接近させる際に、レーザポインタ22、22から開閉器2の底板3に向けて照射される2つの光点の離間状態を確認しながら、水抜き工具10を開閉器2下方から所定寸法離れた位置に位置決めすることができる。
【0058】
接触センサ23は、水受け容器21を構成する2枚の側板21aの上面に対角に位置して2個配置されている。この接触センサ23は、頂部に接触する非接触物の負荷に応じて機械的に変位するものであり、この頂部の変位状態を外部から確認してその負荷状態を簡単に認識できるように、外周面に配された表示部に複数のマーキングが施されている。これらの接触センサ23、23が開閉器2の底板3に接触し、負荷状態に対応した表示部のマーキングを確認することにより、水抜き工具10の開閉器2の底板3に対する接触状態および平行度を確認することができる。
【0059】
(切削機構部25)
切削機構部25は、先端部分にカッタ部27を有する回転体26、回転体26を回転させる回転駆動力を発生するモータ32、モータ32での回転駆動力をカッタ部27の前進動に変換して伝達する差動機構部29等から構成されている。モータ32は、その回転軸心方向が水受け容器21の底板21cと平行になるように把持部材37を介して底板21cに支持され、モータ32に連設された減速機構部(図示省略)を介することにより、その出力軸32aが底板21cに対して垂直となるように構成されている。
【0060】
回転体26の先端部は、円筒形状に形成され、その先端面および外周面に切刃27a、27bを有するカッタ部27となっている。外周面に螺旋状に形成された切刃27b、27b間には、排水溝27cが形成されている。回転体26のカッタ部27と反対側に位置する回転体基部28の外周にはネジ部28aが形成され、また、回転体基部28の軸心位置には下方に開口した六角穴状部28bが形成されている。
【0061】
回転体26の先端部(カッタ部27)における円筒内の空間には、付勢バネ材35で付勢される押動部材34が配置されている。押動部材34はピン形状部34aとスカート部34bとからなり、スカート部34bはガイド筒33によって上下方向に摺動可能に案内されている。ガイド筒33はカッタ部27の円筒内の空間に圧入固定され、押動部材34のピン形状部34aはガイド筒33によって上方への突出位置が規制されている。押動部材34は、カッタ部27によって円環状に切削された開閉器2の底板3の切削断片を、押動により底板3から切り離す機能を有し、切削断片の跡に形成された水抜き穴からスムースに水が排出されるようにしている。
【0062】
モータ32は、モータ32の出力軸32a側に連設された角胴部32d内部に減速機構部(図示省略)を有し、かさ歯車を含む減速装置により減速されるとともに、回転軸心が上方(底板21cに対して垂直)に変換され、回転軸心の縮径部32bから突出する断面六角形状の出力軸32aが回転体基部28の六角穴状部28bに嵌挿され、出力軸32aの回転が回転体26の回転、ひいてはカッタ部27の回転として伝達されるように構成されている。また、モータ32の出力軸32aの回転は、差動機構部29を介して、回転体26(カッタ部27)の前進動(底板3の切削時)と後退動(底板3からの待避時)に変換される。
【0063】
差動機構部29は、ナット体30と連結ギア体31とで構成される。ナット体30は、回転体基部28を覆うように構成された略円筒状の部材であり、その内周面にネジ部30aが形成されるとともに、外周面の下方位置にギア部30bが形成されている。内周面のネジ部30aは、回転体基部28の外周面に形成されたネジ部28aに螺合している。また、連結ギア体31の外周面における上部位置および下方位置には、それぞれ上方ギア部31aと下方ギア部31bとが形成され、この上方ギア部31aと下方ギア部31bとが一体に回転するように構成され、上方ギア部31aがナット体30のギア部30bに係合するとともに、下方ギア部31bがモータ32の出力軸32aの下方に位置する駆動ギア部32cに係合している。
【0064】
このように構成された差動機構部29により、モータ32の出力軸32aの回転が、駆動ギヤ部32cを介して連結ギア体31の下方ギヤ部31bに伝達され、この下方ギア部31bと一体関係にある上方ギア部31aを介してナット体30のギア部30bに伝達され、ナット体30が回転されることになる。そして、回転体26およびナット体30は出力軸32aにより軸方向以外(円周方向)の動きが拘束され、このナット体30の回転に伴い、その内周面に形成されたネジ30aに螺合する回転体基部28のネジ部28aを介して、モータ32の正回転時には回転体26(カッタ部27)を前進動させ、逆回転時には回転体26(カッタ部27)を後退動させることができる。
【0065】
モータ32の出力軸32aの回転数をαとし、駆動ギア体32cの歯数をa、下部ギア部31bの歯数をb、上部ギア部31aの歯数をc、ギア部30bの歯数をd、ネジ部28aとネジ部30aのピッチをeとし、カッタ部27(回転体26)の回転数をαとすると、カッタ部27(回転体26)の前進速度vは次式で表される。
【0066】
v = α × e ×{1−(a/b)×(c/d)}
上記の歯数a、b、c、d、およびピッチeを適宜選定することにより、カッタ部27(回転体26)の前進速度vを大幅に減速した適正な速度とすることができる。
【0067】
水受け容器21の底板21cに形成されたカッタ突出開口21eの下方には、略扁平円筒形状をした把持部材37が取り付けられる。カッタ部27を備えた回転体26は、水受け容器21の底板21cに形成されたカッタ突出開口21eを通って、カッタ部27の先端が開閉器2の底板3に対向するように突出配置される。切削機構部25の回転体26およびナット体30の側方にあっては、回転体26およびナット体30を回転可能に把持する取付部材36が配設されるとともに、底板21cのカッタ突出開口21eを水密状態で封止する把持部材37が配設され、取付部材36の上端外周面に形成された突出耳部と把持部材37との間がボルトとナット(図示省略)により締着されることによって、切削機構部25が水受け容器21の底板21cに固定支持される。なお、モータ32の角胴部32dが配される側の反対側の端面には、一端が後述の受信機90に接続されるケーブル92の他端を接続するためのケーブル接続口32eが設けられている。
【0068】
(切削機構部25の動作)
ここで、切削機構部25の動作について説明する。なお、水抜き装置1を用いた水抜き作業の手順については、後に詳述する。
【0069】
水受け容器21の上辺部分(接触センサ23)を開閉器2の底面3に密着するように配置した状態で、切削機構部25のモータ32を正回転方向に駆動させると、モータ32の出力軸32aの回転が回転体26に伝達され、カッタ部27を回転させるとともに、連結ギア体31を介してナット体30に伝達され、カッタ部27を矢印A方向に前進動させ、カッタ部27は開閉器2の底板3を円環状に切削する。
【0070】
押動部材34は、付勢バネ材35の付勢力により突出動しようとし、カッタ部27により円環状に切削されて切削断片が切り離されたときには、この切削断片を突き飛ばして確実に底板3から離脱させて、底板3に水抜き穴が開口される。そして、開閉器2内に溜まった水が、全開状態の水抜き穴からカッタ部27の排出溝27cを通って流れ出し、水受け容器21に一端受け入れられ、さらに底板21cに設けられた排水口からホースを通って外部に排出されることになる。また、水抜き穴が開けられたときに、モータ32を停止し、さらに逆回転方向に回転させ、カッタ部27を後退動させて水抜き穴から離脱させると、開閉器2内に溜まっていた水が一気に外部に排出されることになる。
【0071】
(取付工具40の構成と動作)
次に、取付工具40の構成とその動作について、図2および図6〜図9に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置に用いられる取付工具の構造を説明するための斜視図であり、図7は、この取付工具の構造を説明するための側面(縦)断面図であり、図8は、この取付工具の角度調整機構部の構造を説明するための、(a)はA−A断面図であり、(b)はB−B断面図であり、図9は、その動作を説明するための斜視図である。ここで、図6において、1対の支持フレームの軸方向を前後方向とし、この軸方向に垂直でかつ水平面に位置する方向を左右方向とし、この軸方向に垂直でかつ鉛直面に位置する方向を上下方向として、図中に表示するように、前方、後方、左方、右方、上方および下方として、以下に説明する。
【0072】
取付工具40は、モータ32を把持して水抜き工具10を支持する水抜き工具把持部41と、水抜き工具把持部41を角度調整機構部60に対して上下方向(Y方向)および前後方向(X方向)に移動させ、その位置を調整する位置調整機構部45と、角度調整機構部60を支持する支持枠体84に対して水抜き工具把持部41を旋回動(θ方向)、上下傾動(α方向)および左右傾動(β方向)させ、その旋回角、上下角および左右角の角度を調整する角度調整機構部60と、取付工具40(支持枠体84)を高所作業用車輌のブーム8に固定するブーム挟持板85と、を備えて構成される。
【0073】
(水抜き工具把持部41)
水抜き工具把持部41は、上下位置に互いに平行に配された1対の把持板42(上方把持板42a、下方把持板42b)と、1対の把持板42に開口された貫通孔に挿通され、1対の把持板42を互いに平行に連結保持する2本の把持板連結軸43と、1対の把持板42に開口された別の貫通孔に挿通され、回転することで1対の把持板42のうちの上方把持板42aを上下方向に駆動する把持板駆動軸44とを備えている。
【0074】
把持板連結軸43は、1対の把持板42のうちの下方把持板42bに対して固定され、上方把持板42aに対しては遊嵌されている。把持板駆動軸44は、2本の把持板連結軸43の間に互いに隣接して配置され、その上端部が上方把持板42aに対して回転可能に固定され、下方端が下方把持板42bに開口された貫通孔を挿通して回転可能に支持されるとともに、把持板駆動軸端リング部44aが下方端に連設されている。
【0075】
2本の把持板連結軸43および把持板駆動軸44の軸心表面には、互いに螺合し合うネジ溝が形成されており、把持板駆動軸44下端の把持板駆動軸端リング部44aを正転方向に回転させることにより、上方把持板42aが下動する。そして、この上方把持板42aの下動動作により、上方把持板42aと下方把持板42bとの間に配置されたモータ32の角胴部32dが挟持され、水抜き工具10が保持されることになる。また、把持板駆動軸端リング部44aを逆転方向に回転させれば、上方把持板42aが上動し、上方把持板42aと下方把持板42bとの間に挟持されていたモータ32(水抜き工具10)が解放されることになる。
【0076】
(位置調整機構部45)
位置調整機構部45は、水抜き工具10を支持する水抜き工具把持部41を上下動させて水抜き工具10の上下方向の位置を調整する上下動機構部46と、水抜き工具把持部41を前後動させて水抜き工具10の前後方向の位置を調整する前後動機構部51とを備えて構成される。
【0077】
(上下動機構部46)
上下動機構部46は、上端部に水抜き工具把持部41を保持する円筒形状の上下駆動軸47と、上下駆動軸47を覆い、上下駆動軸47を上下動可能に支持する上下駆動軸外筒48と、上下駆動軸外筒48を把持する上下駆動軸外筒把持部49と、上下駆動軸47の円筒内に上方部分(上方延伸軸部50a)が挿通される操作軸50とを備えて構成され、操作軸50の下方部分が上下駆動軸外筒48の下面より突出している。上下駆動軸47の係合雌ネジ47aに螺合する雄ネジ部が表面に形成された上下駆動軸47は、上下駆動軸外筒48に上下動可能に遊嵌されており、上下駆動軸47の下方部位に形成された係合雌ネジ部47aが、上下駆動軸47内に挿通された操作軸50の上方延伸軸部50aの外周面に形成された雄ネジ部分に螺合しており、操作軸50の回転により、図9に示されるY方向に上下動するよう操作軸50に接続されている。
【0078】
また、操作軸50の下端面に六角穴形状の係合凹部50bが形成されている。この係合凹部50bに操作ハンドル先端の断面六角形状の凸部を係合させ、操作ハンドルを正転方向に回転させることにより、操作軸50に螺合する上下駆動軸47が上下駆動軸外筒48(上下駆動軸外筒48を支持する上下駆動軸外筒把持部49)に対して上方(図9に示されるY方向の上方側)に向けて駆動される。操作ハンドルを逆転方向に回転させることにより、上下駆動軸47が上下動軸外筒把持部49に対して下方(図9に示されるY方向の下方側)に向けて駆動される。なお、上下動機構部46による上下駆動軸47の上下動ストロークは、250〜400mm(本実施の形態では300mm)の寸法に設定されている。
【0079】
なお、上下駆動軸47の上部には、上下駆動軸47の軸心に対して回転可能な状態で水抜き工具支持部47bが外嵌され、この水抜き工具支持部47bに水抜き工具把持部41(水抜き工具10)が取り付けられたとき、水抜き工具支持部47bは、1対の把持板42a、42bの把持面が上下駆動軸47の軸心に対して垂直な面内に位置して回転するよう、水抜き工具把持部41を支持する。これにより、水抜き工具支持部47bに外部から水抜き工具10を回転させるような力を水抜き工具10の一部を介して加えると、水抜き工具支持部47bに支持された水抜き工具10を上下駆動軸47の軸心回りに旋回させることができる。
【0080】
(前後動機構部51)
前後動機構部51は、左右位置に互いに平行に配されて先端部が上下駆動軸外筒把持部49に連結される一対の支持アーム52、52と、先端部が上下駆動軸外筒把持部49の側面に接続され、上下駆動軸外筒把持部49を前後方向に駆動する前後駆動軸53と、1対の支持アームを前後動可能に支持する支持アーム基台54と、前後駆動軸53の後方部位に接続して前後駆動軸53を前後方向に駆動させる前後駆動軸操作部55とを備えている。前後駆動軸操作部55には、前後駆動軸53の後方部位に接続するかさ歯車56と、前後駆動軸53の軸方向に対して垂直に配された操作軸57と、操作軸57の端部に固定され、かさ歯56車に係合するかさ歯車58とが配設されている。
【0081】
一対の支持アーム52、52は、その先端部が上下駆動軸外筒把持部49の側板に垂直に固定されるとともに、その後端部が支持アーム基台54の内部に設けられた貫通孔に遊嵌され、前後動可能に支持されている。また、前後駆動軸53は、一対の支持アーム52、52の間に配置され、その先端部が上下駆動軸外筒把持部49の側面に接続され、その後方部位に形成された雄ネジ部が、前後駆動軸操作部55内部に配設されたかさ歯車56の中央貫通孔に形成された雌ネジ部に螺合している。また、前後駆動軸53の軸方向に対して垂直な上下方向に配された操作軸57は、前後駆動軸操作部55の底板に回転可能に保持され、前後駆動軸操作部55内部に位置する上端部にかさ歯車58が固定され、このかさ歯車58がかさ歯車56に係合している。操作軸57の下端部は前後駆動軸操作部55の下方に突出し、その端面には六角穴形状の係合凹部57aが形成されている。
【0082】
この係合凹部57aに操作ハンドル先端の断面六角形状の凸部を係合させ、操作ハンドルを正転方向に回転させることにより、かさ歯車56、58が回転するのに伴って、かさ歯車56に螺合する前後駆動軸53が前方(図9に示されるX方向の前方側)に向けて移動され、上下駆動軸外筒把持部49が支持アーム52に支持された状態で支持アーム基台54に対して前方に向けて駆動される。また、操作ハンドルを逆転方向に回転させることにより、前後駆動軸53が回転しながら後方(図9に示されるX方向の後方側)に向けて移動され、上下駆動軸外筒把持部49が支持アーム基台54に対して後方に向けて駆動される。なお、前後動機構部51による前後駆動軸53の前後動ストロークは250〜400mm(本実施の形態では300mm)の寸法に設定されている。
【0083】
本発明の実施の形態に係る取付工具40では、上記のように構成された位置調整機構部45を有することにより、上下動機構部46により水抜き工具把持部41を上下動させて水抜き工具10の上下方向の位置を調整するとともに、前後動機構部51により上下駆動軸外筒把持部49を前後動させて水抜き工具10の前後方向の位置を調整することができる。
【0084】
(角度調整機構部60)
角度調整機構部60は、位置調整機構部45(前後動機構部51)を保持し、上下方向に配された旋回軸62回りに前後動機構部51を旋回軸62に垂直な面内で旋回させる旋回動機構部61と、この旋回動機構部61を保持する上下方向に配された支柱67を前後方向に傾動させることにより、前後動機構部51を上下方向に傾動させる上下傾動機構部66と、旋回動機構部61を保持する支柱67を左右方向に傾動させることにより、前後動機構部51を左右方向に傾動させる左右傾動機構部80とを備えて構成される。なお、角度調整機構部60における後述の支柱67等の駆動部材を主体とする要部は防塵カバー59により覆われ、また、角度調整機構部60等の各操作部は樹脂カバーにより覆われ、作業現場の埃や水から保護されている。
【0085】
(旋回動機構部61)
旋回動機構部61は、その旋回動操作部63内部で上下方向に軸心が配された旋回軸62の上端が、旋回動操作部63より突出して前後動機構部51(支持アーム基台54)に接続して、前後動機構部51を保持するとともに、旋回軸62の下端が、旋回動操作部63内部でウォームギア64aに接続し、ウォームギア64aとウォーム64bからなるウォーム歯車64およびかさ歯車(図示省略)を有する駆動伝達機構部を介して、操作軸65に接続している。この操作軸65は、その端部が旋回動操作部63から外部に突出し、その端面に六角穴形状の係合凹部65aが形成されている。
【0086】
この係合凹部65aに操作ハンドルを装着し、この操作軸65を正・逆回転することにより、前後動機構部51(支持アーム52)を旋回軸62を中心にして、旋回軸62に垂直な面内で旋回させることができる。すなわち、旋回軸62が鉛直方向に位置する基準姿勢では、旋回動機構部61は、前後動機構部51を水平面内で、前方方向(支持アーム52の長手方向がブーム8と平行になる状態)を基準にして、支持アーム基台54を左右方向(図9に示されるθ方向)に旋回させることができる。本実施の形態において、旋回動機構部61の旋回角は、前方方向を基準にして左右方向にそれぞれ最大90°旋回するように設定されている。
【0087】
実際の水抜き作業においては、地表面の起伏や障害物が存在し、開閉器2に対して水抜き工具10を接近させる際に、必ずしも、開閉器2の長手方向の側板に平行(側板4、5に垂直)に高所作業用車輌のブーム8を配置することができず、開閉器2の長手方向の側面に対して斜め下方向から水抜き工具10を接近させる場合にあって、水抜き工具把持部41に把持された水抜き工具10の支持フレーム12、12を開閉器2の長手方向の側面に平行にして水抜き工具10を開閉器2に接近させるためには、この旋回動機構部61を用いて、支持アーム52(ブーム8に平行)の軸方向に対して水抜き工具把持部41を旋回させて、水抜き工具10の支持フレーム12が開閉器2の長手方向の側板に対して平行になるように調整することになる。
【0088】
(上下傾動機構部66)
上下傾動機構部66の中心部には、上下方向に軸心が配された円筒形状の支柱67を備え、この支柱67の上端が、支柱67と旋回動機構部61の旋回軸62との軸心が一致する状態で旋回軸62の下端に接続して、旋回動機構部61を保持するとともに、この支柱67の下端に取り付けられた球面部材68が、球面軸受69により支持されており、支柱67は球面軸受69を中心に半径方向のいずれの方向にも傾動可能に構成されている。球面軸受69が軸受保持部70に保持され、さらに軸受保持部70が支持枠体84のブーム挟持板85に設けられた貫通孔に嵌挿された支持管材86により支持されることにより、取付工具40(前後動機構部51、旋回動機構部61)を保持する支柱67が支持枠体84によって傾動可能に支持されている。すなわち、球面部材68、球面軸受69および軸受保持部70により、支柱67の下端でこの支柱67を傾動可能に支持する軸受部が構成されている。
【0089】
また、この支柱67の中間部位に、支柱67を取り囲むように四辺の部材で構成された支柱把持部71が配置され、支柱の左右両側に配された支柱把持部71の側方部材71aが、支柱67を左右方向に貫通するボルト72とナット72aにより支柱67に接続されるとともに、この支柱把持部71の後方側に配された後方部材71bの中央部に前後動軸73の前端が接続されている。
【0090】
一方、上下傾動機構部66の後方に配設された上下傾動操作部74には、その前壁74aに設けられた貫通孔を挿通するように前後動軸73が配されており、この前後動軸73の後端側部分の外周面に雄ネジが形成され、内周面に雌ネジが形成された管状部材75がこの雄ネジに螺合する状態で配設されている。この管状部材75は、その前方側部分が上下傾動操作部74の前壁74aに取り付けられた軸受76により傾動可能に支持されるとともに、前後動軸73を摺動可能に保持し、前壁74aを隔てた後方側部分の外周面にかさ歯車77が固設されている。また、上下傾動操作部74の側壁74bには、側壁74bに設けられた貫通孔を挿通するように操作軸78が配されており、上下傾動操作部74内に位置する操作軸78の端部にかさ歯車79が固設され、このかさ歯車79が管状部材に固設されたかさ歯車77に係合している。また、上下傾動操作部74から外部に突出した操作軸78の端面に六角穴形状の係合凹部78aが形成されている。
【0091】
この係合凹部78aに操作ハンドルを装着し、この操作軸78を正・逆回転することにより、前後動機構部51(支持アーム52)を、支柱67と支持アーム52とで規定される面内で支柱67とともに上下方向に傾動させることができる。すなわち、操作軸78を回転させると、かさ歯車77、79を介して管状部材75が回転し、この管状部材75に螺合された前後動軸73が前後方向に駆動されることになる。そして、この前後動軸73の前後動が支柱把持部71に伝達され、これにより、支柱67が球面軸受69を中心に前後方向に傾動され、これに伴い支柱67に支持された旋回動機構部61、前後動機構部51(支持アーム基台54)が前後方向(図9に示されるα’方向)に傾動され、前後動機構部51の支持アーム52が上下方向(図9に示されるα方向)に傾動されることになる。支柱67が鉛直方向に位置し、支持アーム52が水平方向に位置する基準姿勢では、上下傾動機構部66は、支持アーム52と支柱67とを含む鉛直面内で、支持アーム52を水平面に対して上下方向に傾動させることができる。本実施の形態において、上下傾動機構部66の傾動角(支持アーム52の傾動角=水抜き工具10の上下角)は、水平面(方向)を基準にして上下方向にそれぞれ最大15°傾動するように設定されている。
【0092】
なお、水抜き作業におけるブーム8の予定引き起こし角度は、作業対象となる架空された開閉器2に対して、予め適切と想定される作業角度として、いくつかの上下角(例えば、30°、45°、50°など)の中から設定される。本実施の形態において、ブーム当接板89の取付角度が45°に設定されており、設定された予定引き起こし角度とブーム当接板89の取付角度(45°)との差分に対応して、水抜き工具10の上下角の事前調整が必要となる。本実施の形態では、支持枠体84の適所に支柱67の傾動角度を表示する調整メモリ(図示省略)が設けられ、この調整メモリを確認しながら、上下傾動機構部66を操作して水抜き工具10の上下角を調整しておくことができる。
【0093】
また、実際の水抜き作業においては、地表面の起伏や障害物が存在し、開閉器2に対して水抜き工具10を接近させる際に、高所作業用車輌のブーム8を予定引き起こし角度に引き起こしても、必ずしも、前後動機構部51の支持フレーム52を開閉器2の底板3に平行(水平)にすることができず、さらに、ブーム8をこの予定引き起こし角度に引き起こした状態で、この上下傾動機構部66を操作することにより、支柱67の軸方向が鉛直方向に位置する(これにより、支持アーム52、支持フレーム12が水平に位置決めされる)ように調整することができる。
【0094】
このように、上下傾動機構部66の操作軸78に装着された操作ハンドルを操作し、この操作軸78を正・逆回転することにより、上下傾動機構部66の支柱67を鉛直方向に傾動させ、支持アーム52の上下角を調整して、水抜き工具把持部41に把持された水抜き工具10の支持フレーム12を開閉器2の底板3に平行にすることができる。
【0095】
(左右傾動機構部80)
左右傾動機構部80の中心部には、上下方向に軸心が配された左右傾動軸81を備え、この左右傾動軸81の上端が、円筒形状の支柱67の下端内部に嵌挿されて、球面部材68とともに固定されるとともに、左右傾動軸81の下端が、左右動部材82の上端に結合ピン82aにより左右動部材82に対して左右方向に傾動可能な状態で接続されている。一方、支持枠体84のブーム挟持板85の前方上方位置に設けられ貫通孔に支持管材86が嵌挿されるとともに、この支持管材86内を挿通して操作軸83が回転可能に嵌め込まれている。なお、支持管材86は、操作軸83が嵌挿されて、大きな荷重に耐えうるに十分な強度を有し、支持管材86に装着される軸受保持部70を介して支柱67に保持された取付工具40(前後動機構部51、旋回動機構部61)を確実に支持する。
【0096】
操作軸83の左右方向の中間部位には外周面に雄ネジ部が形成されるとともに、左右動部材82の下端側には、操作軸83が挿通される貫通孔を有する操作軸挿通部82bが形成されており、この操作軸挿通部82bの貫通孔に内嵌されて、内周面に操作軸83の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成された円環状の操作軸把持部材82cが係止ネジ82dにより固定されている。また、ブーム挟持板85の外面から側方に突出した操作軸83の端面に、六角穴形状の係合凹部83aが形成されている。
【0097】
この係合凹部83aに操作ハンドルを装着し、この操作軸83を正・逆回転することにより、操作軸83の雄ネジ部に螺合する操作軸把持部材82cに誘導されて、左右動部材82が左右方向に駆動され、これに伴い、左右動部材82にピン結合された左右傾動軸81およびこの左右傾動軸81に接続された支柱67が、球面軸受69を中心にして左右方向に傾動されることになる。そして、支柱67が鉛直方向に位置し、支持アーム52が水平方向に位置する基準姿勢では、左右傾動機構部80は、前後動機構部51の支持アーム52に垂直で支柱67を含む鉛直面内で、支柱67を左右方向に傾動させる、すなわち、水平面に対して支持アーム52を左右方向(図9に示されるβ方向)に傾動させることができる。本実施の形態において、左右傾動機構部80の傾動角(支持アーム52の傾動角=水抜き工具10の左右角)は、水平面(方向)を基準にして左右方向にそれぞれ最大15°傾動するように設定されている。
【0098】
実際の水抜き作業においては、地表面の起伏や障害物が存在し、開閉器2に対して水抜き工具10を接近させる際に、高所作業用車輌のブーム8の引き起こし角度を想定される角度に設定しても、必ずしも、前後動機構部51の支持フレーム52を開閉器2の底板3に平行(水平)にすることができず、ブーム8を予定引き起こし角度に設定し、さらにこの予定引き起こし角度に引き起こした状態で、上下動機構部46を操作して水抜き工具10を開閉器2の底板3に接近させた上で、この左右傾動機構部80を操作して、支柱67の軸方向が鉛直方向に位置する(これにより、支持アーム52、支持フレーム12が水平に位置決めされる)ように調整することができる。
【0099】
このように、本発明の実施の形態に係る取付工具40では、上記のように構成された角度調整機構部60を有することにより、旋回動機構部61を操作して上下方向に配された旋回軸62回りに前後動機構部51を旋回させて、水抜き工具10の旋回角を調整するとともに、上下傾動機構部66を操作して上下方向に配された支柱67を前後方向に傾動(前後動機構部51を上下方向に傾動)させて、水抜き工具10の上下角を調整し、左右傾動機構部80を操作して支柱67を左右方向に傾動(前後動機構部51を左右方向に傾動)させて、水抜き工具10の左右角を調整することができる。これにより、水抜き工具10の支持フレーム12を開閉器2の底板3に対して平行(水平)に、かつ、開閉器2の長手方向の側板に対して平行(側板4、5に垂直)に角度調整(位置決め)した上で、水抜き工具10を開閉器2に当接させ、固定当接部13と可動当接部14により挟持して固定することができる。
【0100】
(ブーム8への固定)
支持枠体84は、左右方向に互いに平行に配された2枚のブーム挟持板85が、軸受保持部70およびブーム当接板89を挟んで固定され、取付工具40を支持するに十分な剛性を有するものとして構成されており、軸受保持部70およびこの軸受保持部70に保持された球面軸受69を介して支柱67を支持し、これにより取付工具40(支持アーム基台54)を支持している。そして、このブーム挟持板85の前方上方位置に設けられた貫通孔に支持管材86が嵌挿されるとともに、この支持管材86を挿通する左右傾動機構部80の操作軸83や、後方上方位置に取り付けられた上下傾動機構部66の操作軸78を回転操作することにより、支柱67を介して、取付工具40(支持アーム基台54)を三次元的方向(前後方向および左右方向)に自在に傾動させることができる。
【0101】
また、2枚のブーム挟持板85の上方位置には、ブーム挟持板85を外方から覆う枠体側板87が連結部材88を介して、適当な間隔を隔てて取り付けられており、上下傾動機構部66および左右傾動機構部の80を保護している。
【0102】
さらに、2枚のブーム挟持板85の前方下方位置には、それらの間にブーム当接板89が架け渡されてブーム挟持板85同士を連結して、支持枠体84に高い剛性を付与するとともに、ブーム当接板89の下方位置に貫通孔が設けられている。このブーム当接板89を高所作業用車輌のブーム8上面に当接させ、貫通孔にボルト85aを挿通して、2枚のブーム挟持板85の間を締め付けることにより、支持枠体84、延いては、この支持枠体84に支持される取付工具40をブーム8に固定することができる。なお、ブーム当接板89は、前後動機構部51の支持アーム52の軸方向に対して、ブーム8の予定引き起こし角度として設定される角度の中での代表的な角度(例えば、45°)に傾斜させて、2枚のブーム挟持板85の間に取り付けられている。
【0103】
(送受信機による操作)
なお、本実施の形態の水抜き装置1は、図10に示すように、水抜き工具10に有線(ケーブル92)で接続され、水抜き工具10に水抜き作業の操作を行う受信機90と、この受信機90に無線で接続され、受信機90に水抜き作業の動作指示を行う送信機91とを備えて構成される。送信機91には、水抜き工具10のカッタ部27の前進動・後退動および停止の動作を切替可能に指示する動作指示スイッチ91aが設けられている。なお、このカッタ部27の前進動・後退動動作に連動してモータ32が回転し、カッタ部27の前後動停止動作に連動してモータ32の回転が停止するように設定されている。なお、ケーブル92の両端には接続端子が接続され、それぞれ送信機91とモータ32のケーブル接続口32eとに接続されている。
【0104】
地上に配置された送信機91から動作指示スイッチ91aを操作して、カッタ部27の前進動を指示する動作指示を受信機90に送信し、受信機90により水抜き工具10のモータ32を正回転方向に駆動制御することにより、開閉器2の底板3に対して水抜き穴を開口するとともに、水抜き穴を開口した後、送信機91から動作指示スイッチ91aを操作して、カッタ部27の停止、さらに後退動を指示する動作指示を受信機90に送信し、受信機90により水抜き工具10のモータ32を停止、逆回転方向に駆動制御することにより、カッタ部27を水抜き穴から待避させて、水抜き作業を実施することができる。
【0105】
(開閉器2の水抜き方法)
以下に、上記のように構成された水抜き装置1を用いて行う開閉器2の水抜き方法(作業)について、図10〜図14に基づいて説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いて行う水抜き作業の状況を説明するための、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。また、図11は、本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いた開閉器の水抜き作業における準備調整作業の手順を示すフロー図であり、図12は、水抜き作業における水抜き装置の固定作業および穴あけ作業の手順を示すフロー図である。さらに、図13は、水抜き作業において、旋回角を0°に設定したときの作業状況を説明するための、(a)は前方から見た正面図であり、(b)は左方から見た側面図であり、図14は、旋回角を右90°に設定したときの作業状況を説明するための、(a)は前方から見た正面図であり、(b)は左方から見た側面図である。なお、図14に示される作業状況は、図1、図10の斜視図に示される作業状況に対応するものである。
【0106】
水抜き作業の対象となる開閉器2は、電柱6の地上約6〜7mの高さに取り付けられた側面視略コ字状の支持枠体7(D管)の上腕部に固定されている。この架空された開閉器2に対して、地上から高所作業用車輌のブーム8に取り付けた水抜き装置1を接近させ、水抜き作業を行うに際して、地表面の起伏や障害物の存在により、図13、図14に示されるように、位置調整機構部45および角度調整機構部60を操作して、水抜き工具10の支持フレーム12を開閉器2の長手方向の側面に平行(側面4、5に対して垂直)にして水抜き工具10を開閉器2に接近させ、固定当接部13と可動当接部14により開閉器2の側板4、5を挟持して、水抜き装置1を開閉器2に固定することになる。
【0107】
具体的に、図13に示される状態では、旋回動機構部61の旋回角を0°(ブーム8の長手方向と支持アーム52の軸方向とが平行となる角度)に設定し、この支持アーム52の軸方向に対して水抜き工具10のモータ32の回転軸心方向が垂直となるように上下動機構部46の上下駆動軸外筒把持部49の把持角度を設定している。また、図14に示される状態では、旋回動機構部61の旋回角を右90°(ブーム8の長手方向と支持アーム52の軸方向とが垂直となる角度)に設定し、この支持アーム52の軸方向に対して水抜き工具10のモータ32の回転軸心方向が平行となるように上下動機構部46の上下駆動軸外筒把持部49の把持角度を設定している。
【0108】
このようにして、高所作業用車輌のブーム8を開閉器2の真下の下方位置(図13)あるいは側方に離れた下方位置(図14)であっても、ブーム8を開閉器2の長手方向の側面に平行にして配置して、水抜き装置1を開閉器2に固定することができる。さらに、ブーム8を開閉器2の長手方向の側面に対して平行に配置できず、開閉器2の斜め側方の下方位置からブーム8に取り付けた水抜き装置1を開閉器2に接近させる場合であっても、上下動機構部46の上下駆動軸外筒把持部49の把持角度および旋回動機構部61の旋回角を、その作業現場に応じた適正角度に設定することにより、支持フレーム12を開閉器2の長手方向の側面に平行にして配置して、水抜き装置1を開閉器2に固定することができる。
【0109】
以下、図11、図12に示されたフロー図に基づき、水抜き作業の手順について説明する。
【0110】
(水抜き工具の調整)
先ず、ステップS01において、開閉器2の長手方向の全長(開閉器2の側板4、5間の長さ)を確認し、取付部11の可動当接部14を開閉器2の全長に対応した所定の位置(開閉器2の全長に対して25mm程度の間隔をあける位置)に移動し、固定用リング部15aを回転させて固定ネジ軸15を締め付け、可動当接部14を1対の支持フレーム12、12に固定する。このとき、可動当接部14の可動ネジ軸16を開閉器2の側板5に対して待避した位置(固定支軸14bと可動ネジ軸端当接部16aの固定支軸14b側端面との間に5mm程度の隙間を設けた状態)に設定しておく。なお、支持フレーム12、12が、水抜き作業の対象となる開閉器2の全長に対して短い場合には、延長用の支持フレームを装着させることにより対応する。
【0111】
また、開閉器2の全長に対応して、切削機構部25のカッタ部27が底板3の所望の位置に位置して水抜き穴が切削開口されるように、水受け部20を移動し、固定用リング部24aを回転させて固定ネジ軸24を軽く締め付け、水受け部20を1対の支持フレーム12、12にスライド移動可能な状態で位置決めする。
【0112】
次に、1対のレーザポインタ22、22のそれぞれの取付部を操作して照射角度を調整し、カッタ部27の回転軸上で、かつ、水受け容器21の上辺から所定寸法(本実施の形態では250mm)離れた位置に、各レーザポインタ22から照射されたレーザ光が1つの光点として結像される状態にする。なお、この水受け容器21の上辺からレーザ光が1つの光点として結像する位置までの距離(所定寸法)は、水抜き工具10の上下動機構部46による押上げストローク(本実施の形態では300mm)以内の寸法に設定される。
【0113】
(フック、ホース、ケーブル等の接続と確認)
続いて、ステップS02において、水受け容器21の底板21cに設けられた排水口にホース93を取り付けるとともに、モータ32のケーブル接続口32eにケーブル92の一端を接続し、受信機90にケーブル92の他端を接続した上で、送信機91の動作指示スイッチ91aを操作して、カッタ部27の上面が水受け容器21の上面より下方に位置するように調整する。
【0114】
(取付工具の調整)
次に、ステップS03において、上下動機構部46の操作軸50の下端面に形成された係合凹部50bに操作ハンドル96の先端(断面六角形状の凸部)を差し込み、この操作ハンドル96を操作して上下駆動軸47を下動させ、ほぼ下端位置に位置するように設定する。また、左右傾動機構部80の操作軸83の端面に形成された係合凹部83aに別の操作ハンドル96の先端を差し込み、この操作ハンドル96を操作して水抜き工具把持部41(前後動機構部51)が左右方向の中間位置に位置するように調整する。
【0115】
さらに、上下傾動機構部66の操作軸78の端面に形成された係合凹部78aに別の操作ハンドル96の先端を差し込み、この操作ハンドル96を操作して、水抜き工具10の上下角をブーム8の予定引き起こし角度になるように調整する。なお、ブーム8の予定引き起こし角度は、作業対象となる架空された開閉器2に応じて、いくつかの角度(30°、45°、50°など)の中から設定される。本実施の形態において、ブーム当接板89の取付角度が45°に設定されており、設定された予定引き起こし角度とブーム当接板89の取付角度(45°)との差分に対応して、上下傾動機構部66を操作して事前に水抜き工具10の上下角を調整しておくことにより、ブーム8を引き起こした後に水抜き工具10を開閉器2の底板3と平行(水平)に調整する作業を簡易化することができる。
【0116】
次に、前後動機構部51の操作軸57の下端面に形成された係合凹部57aに別の操作ハンドル96の先端を差し込み、この操作ハンドル96を操作して、支持アーム52の中間部位がほぼ支柱67の上方に位置するように調整する。また、作業対象となる架空された開閉器2に対するブーム8の接近方向、すなわち、水抜き装置把持部41の支持アーム52に対する偏移角度を確認した上で、旋回動機構部61の操作軸65の端面に形成された係合凹部65aに別の操作ハンドル96の先端を差し込み、この操作ハンドル96を操作して、旋回動機構部61の旋回角を水抜き装置把持部41の支持アーム52に対する偏移角度になるように調整する。
【0117】
(高所作業用車輌のブームへの取付工具の取り付け)
次に、ステップS04において、高所作業用車輌のブーム8を跨ぐようにして取付工具40(支持枠体84)の1対のブーム挟持板85の間に嵌め合わせ、ブーム8上面にブーム当接板89を当接させた上で、ブーム挟持板85に形成された貫通孔にボルト85aを挿入し、ナットを締め付けて、取付工具40をブーム8に固定する。
【0118】
(取付工具への水抜き工具の取り付け)
次に、ステップS05において、水抜き工具10のモータ32の角筒部32dを取付工具40の水抜き工具把持部41(上方把持板42aと下方把持板42bとの間)に位置決めして、把持板駆動軸端リング部44aを正転方向に回転させ、上方把持板42aを下方把持板42bに向けて下動させて上方把持板42aと下方把持板42bとの間に水抜き工具10を把持し、固定する。
【0119】
もし、作業場所周辺の状況から、水抜き工具把持部41でモータ32の角筒部32dを把持した場合に、水抜き工具10を開閉器2に接近させ、固定させるのが難しいと判断されるときには、上方把持板42aと下方把持板42bとに円筒形状把持用のアダプター(図示省略)を装着して、モータ32本体の円筒形状部を把持するようにする。
【0120】
(高所作業用車輌のブームの引き起こし)
次に、ステップS06において、取付工具40および水抜き工具10が高所作業用車輌のブーム8に確実に固定されていることを確認した上で、高所作業用車輌のブーム8を予定されるブーム引き起こし角度まで引き起こす。
【0121】
(水抜き工具の水平調整)
次に、ステップS07において、旋回動機構部61、上下傾動機構部66および左右傾動機構部80のそれぞれの操作軸65、78、83の端面に設けられた六角穴形状の係合凹部65a、78a、83aに操作ハンドル96の先端(断面六角形状の凸部)を係合させ、水受け容器21の底板21cの下面に配設された水準器を確認しながら、各操作ハンドル96を操作して水抜き工具10が水平となるように、すなわち、切削機構部25のカッタ部27の回転軸心方向が鉛直方向に位置するように調整する。
【0122】
また、上下動機構部46および前後動機構部51のそれぞれの操作軸50、57の端面に設けられた六角穴形状の係合凹部50b、57aに、軸方向の中間部分にフレキシブル連結部を有する操作ハンドル96の先端(断面六角形状の凸部)を係合させ、上記の旋回動機構部61、上下傾動機構部66および左右傾動機構部80による角度調整作業に支障のない場所で操作できるようにしておく。
【0123】
(取付工具の開閉器の下方位置への移動、高さ調整)
次に、ステップS11において、レーザポインタ22、22を作動させ、レーザポインタ22、22からのレーザ光照射を開始するとともに、開閉器2に近い下方位置に移動して、旋回動機構部61および前後動機構部51に装着された各操作ハンドル96を操作して、水抜き工具10を開閉器2の直下位置に移動させる。さらに、水抜き工具10を遠隔操作工具を用いて把持しながら回転させ、水抜き工具10の支持フレーム12の軸方向が開閉器2の長手方向とほぼ平行になるように調整する。また、レーザポインタ22、22から照射されるレーザ光の位置を確認し、水抜き工具10(カッタ部27)が水抜き穴を切削する予定の位置のほぼ真下に位置するように調整する。
【0124】
次に、高所作業用車輌のブーム8を操作して、水抜き工具10を開閉器2の直下位置で、水受け容器21の上辺から開閉器2の底板3までの距離が上下動機構部46の押上げストローク(本実施の形態では300mm)以内となる位置まで接近させる。そして、さらに、レーザポインタ22、22から照射されるレーザ光のスポットが1つの光点になる位置(本実施の形態では、開閉器2の底板3までの距離が250mm)まで緩やかに接近させる。
【0125】
(水平状態の確認)
次に、ステップS12において、水受け容器21の底板21cの下面に配設された水準器を確認し、水抜き工具10の水平状態が得られている場合には、そのまま次ステップS14に移行する。水抜き工具10の水平状態が得られていない場合には、ステップS13に移行し、角度調整機構部60による角度調整を実施する。
【0126】
ステップS13においては、上下傾動機構部66および左右傾動機構部80に装着された各操作ハンドル96を操作して水抜き工具10が水平となる状態に、すなわち、切削機構部25のカッタ部27が鉛直方向に位置するように調整する。なお、水受け容器21の底板21cに配設された水準器での確認が難しいときには、取付工具40(下方把持板42b)の下面に配設された水準器により水平度を確認する。この調整操作により、水抜き工具10の水平状態が確認されれば(ステップS12)、次のステップ14に移行する。
【0127】
(上下動機構部による高さ調整)
次に、ステップS14において、上下動機構部46に装着された操作ハンドル96を操作して、水抜き工具10を上動させ、さらに、前後動機構部51に装着された操作ハンドル96を操作して、固定当接部13に設けたアンテナ13dが開閉器2の側板4(前面)に接触するような状態を維持しながら、水抜き工具10を徐々に上動させる。
【0128】
(開閉器との接触状態の確認)
次に、ステップS15において、水受け容器21の上辺に配設された複数の接触センサ23の表示部のマーキングを確認し、すべての接触センサ23が開閉器2の底板3に接触したことが検知されたときには、次のステップ17に移行する。水受け容器10に配設された複数の接触センサ23のうち、一部の接触センサ23で開閉器2の底板3に接触したことが検知されないときには、ステップ16に移行し、上下傾動機構部66および左右傾動機構部80に装着された各操作ハンドル96を操作して、水抜き工具10が開閉器2の底板3に対して平行となるよう再調整し、すべての接触センサ23が開閉器2の底板3に接触するように操作する。この調整操作により、すべての接触センサ23が開閉器2の底板3に接触したことが検知されれば(ステップS15)、次のステップ17に移行する。
【0129】
(水抜き工具の開閉器への固定)
次に、ステップS17において、遠隔操作棒95の先端回転部にアングルスパナと六角ソケット付き回転冶具を取り付けるとともに、遠隔操作棒95の手元操作部にトルクレンチを取り付け、六角ソケットを水抜き工具10の可動当接部14の係合柱部16bに係合する。そして、トルクレンチを締め方向に廻し、可動ネジ軸端当接部16aを開閉器側板5(背面)に当接させ、さらにトルクレンチが空回りするまで廻すことにより、開閉器2の側板4(前面)に当接した固定当接部13(固定支軸当接部13c)と開閉器2の側板5(背面)に当接した可動当接部14(可動ネジ軸端当接部16a)とで開閉器2を挟持し、水抜き工具10(水抜き装置1)を開閉器2に固定する。
【0130】
また、別の遠隔操作棒95の先端回転部にフック付き回転冶具を取り付けるとともに、手元操作部に操作ハンドルを取り付け、フックを水受け容器21の固定用リング部24aに係合させる。そして、操作ハンドルを回転させ、固定ネジ軸24の先端部を支持フレーム12に当接させることにより、水受け部20を支持フレーム12に固定する。これにより、以降の作業において、水受け部20(すなわち、カッタ部27を含む切削機構部25)が開閉器2の底板3の水抜き穴切削位置から移動するのを防止することができる。
【0131】
(取付工具からの水抜き工具の切り離し)
次に、ステップS18において、水抜き工具把持部41の把持板駆動軸端リング部44aに遠隔操作棒95のフック付き回転冶具のフックを係合させ、把持板駆動軸端リング部44aを逆転方向に回転させ、水抜き工具10(モータ32)が水抜き工具把持部41に把持されている状態を解除する。そして、上下動機構部46や前後動機構部51、旋回動機構部61、左右傾動機構部80などを操作して、水抜き工具10を取付工具40から離脱させる。
【0132】
(穴あけ作業の実施)
次に、ステップS19において、すべての準備作業が完了したことを確認した上で、送信機91および受信機90の電源を入れ、送信機91の動作指示スイッチ91aを切削ONにして水抜きのための底板切削作業を開始する。これにより、送信機91から切削作業開始の動作指示が無線で受信機90に送信され、さらに、受信機90により水抜き工具10のモータ32を回転させる操作が実行されることにより、開閉器2の底板3に対する切削作業が実施される。なお、受信機90は、開閉器2のほぼ直下位置に配置されるが、送信機91は、開閉器2の直下位置より離れた位置に配置され、水抜き作業における操作者の安全が確保されることになる。
【0133】
そして、水受け容器21に接続されたホース93から水が流れ出してきたら、開閉器2の底板3に対する切削作業が完了したものと判断し、送信機91の動作指示スイッチ91aを切削OFFにして切削作業を終了させる。さらに、ホース93から水が流れ出してこなくなったら、開閉器2内の水が無くなり、水抜きが完了したものと判断し、送信機91および受信機90の電源を切り、後は、後片付け作業に入る。最後に、開閉器2の底板3に開口された水抜き穴に閉塞栓が取り付けることにより、一連の水抜き作業を終了する。
【0134】
なお、水受け容器21に接続されたホース93から水が流れ出してきた時点で、送信機91の動作指示スイッチ91aを切削OFFにし、さらに、動作指示スイッチ91aを待避ONに切り換えることにより、水抜き穴からの水の排水速度を速めて、水抜き作業をより早期に完了させることもできる。
【0135】
(上記の実施の形態における変形例)
上記の実施の形態では、取付工具40の位置調整機構部45が、上下動機構部46と、前後動機構部51とを備えて構成され、取付工具40の角度調整機構部60が、旋回動機構部61と、上下傾動機構部66と、左右傾動機構部80とを備えて構成されているが、取付工具40の位置調整機構部45および角度調整機構部60が、このような上下動機構部46や、前後動機構部51、旋回動機構部61、上下傾動機構部66、左右傾動機構部80の各機構部で構成されることに限定されるものではなく、これらの各機構部に代えて、あるいは、加えて、さらに別の機構部(例えば、水抜き工具把持部41を左右方向に駆動させ、水抜き工具10の左右方向の位置を調整する左右動機構部や、支柱67を左右方向に傾動させることにより水抜き工具把持部41を上下方向に傾動させ、水抜き工具10の上下角を調整する上下傾動機構部)が備えられてもよい。また、上下動機構部46や、前後動機構部51、旋回動機構部61、上下傾動機構部66、左右傾動機構部80の各機構部における駆動機構や傾動機構も、実施の形態に示された各機構部の態様に限定されるものではない。
【0136】
上記の実施の形態では、接触センサ22が水受け容器21側板21aの上面で互いに対角をなす位置に2個配置されているが、接触センサの個数は、2個に限定されず、3個以上でもよく、また、1個でもよい。少なくとも1個の接触センサ23が開閉器2の底板3に接触することにより、水抜き工具10と開閉器2の底板3との接触状態を確認することができ、2個以上配設されると、さらに水抜き工具10の開閉器2の底板3に対する平行度をも確認することができる。
【0137】
上記の実施の形態では、付勢バネ材35の付勢力により押動部材34をカッタ部27の先端面から突出動させる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えばソレノイド等の電気的手段により押動部材34を突出動させてもよい。
【0138】
上記の実施の形態に示された送信機91の動作指示スイッチ91aは、水抜き工具10のカッタ部27の進退動と停止とを指示するものであったが、これに加えて、カッタ部27(モータ32)の回転速度を指示する動作指示スイッチが設けられてもよい。カッタ部27(モータ32)の回転速度を切削過程において変化するように指示することができれば、水抜き穴の切削開口作業をより迅速に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、内部に水が侵入した架空された開閉器から水を排除するため、地上からの遠隔操作により、安全に使用することのできる開閉器用の水抜き装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置による水抜き作業を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置の構造を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置に用いられる水抜き工具の構造を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置の水抜き工具の切削機構部の構造を説明するための、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置の水抜き工具の切削機構部と水受け部の構造を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置に用いられる取付工具の構造を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置に用いられる取付工具の構造を説明するための側面(縦)断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置の取付工具の角度調整機構部の構造を説明するための、(a)はA−A断面図であり、(b)はB−B断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置の取付工具の角度調整機構部の動作を説明するための斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いて行う水抜き作業の状況を説明するための、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いた開閉器の水抜き作業における準備調整作業の手順を示すフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いた開閉器の水抜き作業における水抜き装置の固定作業および穴あけ作業の手順を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いて行う水抜き作業において、旋回角を0°に設定したときの作業状況を説明するための、(a)は前方から見た正面図であり、(b)は左方から見た側面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る開閉器用水抜き装置を用いて行う水抜き作業において、旋回角を右90°に設定したときの作業状況を説明するための、(a)は前方から見た正面図であり、(b)は左方から見た側面図である。
【図15】従来の開閉器用水抜き工具の構造を説明するための斜視図である。
【図16】従来の開閉器用水抜き工具の構造を説明するための側面断面図である。
【符号の説明】
【0141】
1 水抜き装置
2 開閉器
3 底板
4 一方の側板(前面)
5 他方の側板(背面)
8 ブーム(起伏支持部)
10 水抜き工具
11 取付部
12 支持フレーム
13 固定当接部(当接固定具)
14 可動当接部(当接固定具)
20 水受け部
21 水受け容器
22 レーザポインタ(レーザスポット照射部)
23 接触センサ
25 切削機構部
26 回転体
27 カッタ部
32 モータ
40 取付工具
41 水抜き工具把持部
45 位置調整機構部
46 上下動機構部
47 上下駆動軸
48 上下駆動軸外筒
49 上下駆動軸外筒支持部
50、57、65、78、83 操作軸
51 前後動機構部
52 支持アーム
53 前後駆動軸
54 支持アーム基台
55 前後駆動軸操作部
60 角度調整機構部
61 旋回動機構部
62 旋回軸
63 旋回動操作部
66 上下傾動機構部
67 支柱
68 球面部材(軸受部)
69 球面軸受(軸受部)
70 軸受保持部(軸受部)
71 支柱把持部
73 前後動軸
74 上下傾動操作部
80 左右傾動機構部
81 左右傾動軸
82 左右動部材
84 支持枠体
85 ブーム挟持板
89 ブーム当接板
90 受信機
91 送信機
95 遠隔操作棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空された開閉器の底板に水抜き穴を開けて、前記開閉器内に溜まった水を除去する水抜き工具と、該水抜き工具を水抜き工具把持部に把持し、架空された前記開閉器に接近させて、前記開閉器の底板下方の所定位置に位置決めする取付工具とを備え、
前記取付工具は、前記水抜き工具把持部に把持された前記水抜き工具の位置と角度を調整する位置調整機構部と角度調整機構部とを備えて構成されることを特徴とする開閉器用水抜き装置。
【請求項2】
前記水抜き工具は、遠隔操作棒で操作されて該水抜き工具を架空された前記開閉器に取り付けるための取付部と、前記開閉器の底板に水抜き穴を開けるための切削機構部と、該切削機構部を支持するとともに、水抜き穴から流れ出る水を受ける水受け部とを備え、
前記切削機構部は、その上端部位に位置するカッタ部を回転させながら、上動させることにより、前記開閉器の底板に水抜き穴を切削開口することを特徴とする請求項1に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項3】
前記取付工具は、高所作業用車輌の起伏支持部に取り付けられ、該起伏支持部の操作により前記水抜き工具を前記開閉器の底板下方に接近させるとともに、前記位置調整機構部と前記角度調整機構部の操作により前記開閉器の底板下の前記所定位置に位置決めし、
前記水抜き工具は、1対の当接固定具を備え、前記取付工具により前記開閉器の底板下方に位置決めされた状態で、前記当接固定具が遠隔操作棒で操作されて前記開閉器を側方から挟持することにより、前記開閉器に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項4】
前記取付工具の前記位置調整機構部は、前記水抜き工具を把持する前記水抜き工具把持部を上下動させて前記水抜き工具の上下方向の位置を調整する上下動機構部と、前記水抜き工具把持部を前後動させて前記水抜き工具の前後方向の位置を調整する前後動機構部とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項5】
前記上下動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端部に前記水抜き工具把持部を保持する上下駆動軸と、該上下駆動軸を覆い、前記上下駆動軸を上下動可能に支持する上下駆動軸外筒と、該上下駆動軸外筒を上下方向に把持する上下駆動軸外筒把持部と、前記上下駆動軸外筒の下端部に連設される操作軸とを備え、
前記上下駆動軸の下位部分に前記操作軸の上位部分が螺嵌され、前記操作軸を回転させることにより、前記水抜き工具把持部を上下動させ、前記水抜き工具の上下方向の位置を調整することを特徴とする請求項4に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項6】
前記前後動機構部は、前後方向に軸心が配され、前端部で前記上下駆動軸外筒把持部を支持する支持アームと、前端部が前記上下駆動軸外筒把持部に接続され、前記上下駆動軸外筒把持部を前後方向に駆動する前後駆動軸と、前記支持アームを前後動可能に支持する支持アーム基台と、前記前後駆動軸の後端部に接続して前記前後駆動軸を回転させ、前記前後駆動軸を前後方向に駆動させる前後駆動軸操作部とを備え、
前記前後駆動軸操作部を操作して前記前後駆動軸を回転させることにより、前記上下駆動軸外筒把持部を前後動させ、前記水抜き工具の前後方向の位置を調整することを特徴とする請求項5に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項7】
前記取付工具の前記角度調整機構部は、上下方向に配された旋回軸回りに前記水抜き工具把持部を旋回させて前記水抜き工具の旋回角を調整する旋回動機構部と、上下方向に配され、上端に該旋回動機構部を保持する支柱を前後方向に傾動させることにより前記水抜き工具把持部を上下方向に傾動させ、前記水抜き工具の上下角を調整する上下傾動機構部と、前記支柱を左右方向に傾動させて前記水抜き工具の左右角を調整する左右傾動機構部とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項8】
前記旋回動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端に前記水抜き工具把持部を保持する位置調整機構部を支持する旋回軸と、該旋回軸の下端を旋回可能に支持し、該旋回軸を旋回させる旋回動操作部とを備え、
前記旋回動操作部を操作して前記旋回軸を旋回させることにより、前記水抜き工具把持部を前記旋回軸周りに旋回させて前記水抜き工具の旋回角を調整することを特徴とする請求項7に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項9】
前記上下傾動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端が前記旋回軸に接続される支柱と、該支柱の下端で該支柱を傾動可能に支持する軸受部と、前記支柱の中間部位で該支柱に接続される支柱把持と、該支柱把持に前端が接続され、該支柱把持を前後方向に駆動する前後動軸と、該前後動軸の後方部位を保持し、該前後動軸を前後方向に駆動する上下傾動操作部とを備え、
前記上下傾動操作部を操作して前記前後動軸を前後動させることにより、前記軸受部を中心にして前記支柱を前後方向に傾動させ、これに伴って前記水抜き工具把持部を上下方向に傾動させて前記水抜き工具の上下角を調整することを特徴とする請求項8に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項10】
前記左右傾動機構部は、上下方向に軸心が配され、上端が前記支柱に接続される左右傾動軸と、該左右傾動軸の下端にピン結合される左右動部材と、該左右動部材に係合し、該左右動部材を左右方向に駆動する操作軸とを備え、
前記操作軸を回転させて前記左右動部材を左右動させることにより、前記軸受部を中心にして前記支柱を左右方向に傾動させ、これに伴って前記水抜き工具把持部を左右方向に傾動させて前記水抜き工具の左右角を調整することを特徴とする請求項9に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項11】
前記水抜き工具の前記水受け部の近辺に、前記開閉器の底板に向けて一定の傾斜角度をもってレーザ光を発射する1対のレーザスポット照射部が配置され、双方の前記レーザスポット照射部から前記底板に照射された2つの光点の離間状態を確認することにより、前記取付工具の前記位置調整機構部および前記角度調整機構部を動作させて、前記水抜き工具を前記開閉器の下方の所定位置に位置決めすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項12】
前記水抜き工具の前記水受け部の最上位位置に接触センサが配置され、該接触センサの前記開閉器の底板への接触状態を確認することにより、前記取付工具の前記位置調整機構部および前記角度調整機構部を動作させて、前記水抜き工具を前記開閉器の下方の所定位置に位置決めすることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項13】
前記接触センサは前記水受け部の最上位位置に複数個配置され、該複数個の接触センサを前記開閉器の底板に接触させたときに、その接触状態とともに、前記水抜き工具と前記開閉器の底板との平行度を確認することを特徴とする請求項12に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項14】
さらに、前記水抜き工具に有線で接続され、前記水抜き工具に水抜き作業の操作を行う受信機と、該受信機に無線で接続され、前記受信機に水抜き作業の動作指示を行う送信機とを備え、
地上に配置された前記送信機からの動作指示を前記受信機に送信し、前記受信機により前記水抜き工具を操作することにより、前記開閉器の底板に対する水抜き作業を実施することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の開閉器用水抜き装置を用い、
該開閉器用水抜き装置の取付工具を高所作業用車輌の起伏支持部に取り付け、該起伏支持部を操作して該開閉器用水抜き装置の水抜き工具を架空された開閉器の底板下方に接近させるとともに、前記取付工具に備えられた位置調整機構部および角度調整機構部を操作して前記開閉器の底板下の前記所定位置に位置決めし、
前記水抜き工具により、前記開閉器の底板に水抜き穴を開けて、前記開閉器内に溜まった水を除去することを特徴とする開閉器の水抜き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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