説明

間仕切構成体

【課題】 構成部材を組み替えるだけで、使用者の用途に応じて、「打合せ用什器」以外の態様に変更することができ、特に、「打合せ用什器」として使用する際の側端部の構成を使い勝手のよいものとした間仕切構成体を提供する。
【解決手段】床面上に立設した左右方向を向く間仕切パネル1の前面および/または後面に天板2を取付けて構成した間仕切構成体において、間仕切パネル1の少なくとも一方の側端部に、前方および/または後方を向く支持部材8を取付け、この支持部材8の外側面に設けた外側方を向く支持アーム16により、側部天板3を、間仕切パネル1の前面および/または後面に取付けた天板2の側端面に当接または近接させて支持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等の執務空間において作業用平面を提供するための間仕切構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の執務空間において、空間内を複数の小空間に区分するとともに、使用者に作業用平面を提供するための間仕切構成体としては、間仕切パネルの片面または両側面にブラケットを突設し、その上に作業用平面を形成する天板を支持させたものや(例えば特許文献1参照)、横長の支持体上に、複数の天板を前後および左右に並べて連結したもの(例えば特許文献2参照)等が一般的である。
また、多人数で会議やミーティングを行う場合には、一般的に会議用テーブルが用いられている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−204679号公報
【特許文献2】特開2009−261821号公報
【特許文献3】特開2009−165702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1および2に記載されているものは、複数の作業者が個別作業を行う場合には適しているが、多人数で会議やミーティングを行う場合には適していない。
また、特許文献3に記載されているような従来の会議用テーブルは、会議専用什器として構成されているため、使用者の用途に応じて態様を変更することはできず、使い勝手が悪い。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑みてなされたもので、構成部材を組み替えるだけで、用途に応じて、「個別作業用什器」、「打合せ用什器」、および「間仕切用什器」等に変更することができ、特に、「打合せ用什器」として使用する際の構成体の側端部の構成を使い勝手のよいものとした間仕切構成体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)床面上に立設した左右方向を向く間仕切パネルの前面および/または後面に天板を取付けて構成した間仕切構成体において、前記間仕切パネルの少なくとも一方の側端部に、前方および/または後方を向く支持部材を取付け、この支持部材の外側面に設けた外側方を向く支持アームにより、側部天板を、前記間仕切パネルの前面および/または後面に取付けた天板の側端面に当接または近接させて片持ち状に支持させる。
【0007】
このような構成とすると、間仕切パネルの側端部にも、側部天板を簡単かつ安定よく取付けることができるとともに、側部天板周辺の下肢空間を広く確保し、会議用テーブル等の「打合せ用什器」として使用する際の側端部の構成を使い勝手のよいものとすることができる。
また、側部天板等を外して、複数の間仕切パネルと天板とを左右方向に連結することにより、「個別作業用什器」に変更することができ、さらにその状態から天板を外すことにより、「間仕切用什器」に変更することができ、「打合せ用什器」としてだけでなく、多目的に利用することができる。
【0008】
(2)上記(1)項において、間仕切パネルの少なくとも一方の側端に、前後方向を向く支持部材の中間部を取付け、前記支持部材の外側面に設けた外側方を向く前後1対の支持アームにより、側部天板を片持ち状に支持させる。
【0009】
このような構成とすると、間仕切パネルの側端部の前後に取付けるべき2個の支持部材を1個とすることができ、部品点数を削減して、安価に製造することができるだけでなく、間仕切パネルの側端部の体裁をよくすることができる。
【0010】
(3)上記(1)または(2)項において、支持部材を、間仕切パネルの少なくとも一方の側端部に固着され、かつ前後の下端部が接床する側部フレームと一体的に形成する。
【0011】
このような構成とすると、側部フレームにより間仕切パネルの支持を安定させることができるとともに、側部天板を安定よく、強固に支持することができる。
【0012】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、側部フレームを、前後方向を向く支持部材と、上端が前記支持部材に固着された前後1対の脚杆と、両脚杆の下部同士を連結する下部連結杆とからなるものとし、前記支持部材と各脚杆との結合部分に跨って、前記支持部材と各脚杆との外側面に、支持アームの基端部を固着する。
【0013】
このような構成とすると、側部フレームにより間仕切パネルの支持を安定させることができるとともに、支持アームを側部フレームに強固に固着することができ、側部天板を安定よく、強固に支持することができる。
【0014】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、間仕切パネルの高さを、天板および側部天板の高さと同一か、またはそれより低くする。
【0015】
このような構成とすると、天板および側部天板の上方に間仕切パネルが突出することがなくなり、使用者の目線を遮るものがなくなるので、「打合せ用什器」としての使い勝手をよりよくすることができる。
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、支持アームの下面を、先端に向かって上向きに傾斜する傾斜面とする。
【0016】
このような構成とすると、側部天板の下方における使用者の下肢空間を広くすることができ、使い勝手をさらによくすることができるとともに、体裁をよくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、構成部材を組み替えるだけで、使用者の用途に応じて、「個別作業用什器」、「打合せ用什器」、および「間仕切用什器」等に変更することができ、特に、「打合せ用什器」として使用する際の側端部の構成を使い勝手のよいものとした間仕切構成体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の間仕切構成体の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】同じく、分解斜視図である。
【図3】本発明の間仕切構成体の第2の実施形態の斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図4のV−V線拡大横断平面図である。
【図6】図4のVI部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の間仕切構成体の第1の実施形態を示す。
図1および図2に示すように、この間仕切構成体は、「打合せ用什器」としての会議用テーブルとしたときのもので、床面上に立設した左右方向を向く左右2個の間仕切パネル1、1の側端同士を互いに結合したもののそれぞれの前面および後面に、基本となる横長の天板2、2を取付け、さらに、間仕切パネル1、1の連結体の各側端に、前後方向を向く側部天板3を、最も外側の天板2、2の側端面に当接または近接させて、片持ち状に取付けたものよりなっている。
【0020】
各間仕切パネル1は、方形の枠体4にパネル5を着脱自在に装着したものよりなり、枠体4の下端両側部に設けた1対の高さ調節用のアジャスタボルト6、6をもって接床している。
【0021】
左右の間仕切パネル1、1の結合は、パネル5を外した状態で、左右の枠体4、4同士をボルト・ナット(図示略)をもって固定することによって行ってもよいが、左右の枠体4、4の側端同士を互いに当接させた状態で、その前後面より、図2に示すように、側面視倒立L字状をなす中間脚7、7を、左右の枠体4、4に跨るように当接させてボルト(図示略)締めするか、または左右の枠体4、4に設けた係合孔(図示略)に、中間脚7の背面に設けた下向フック(図示略)を係止させることによって行ってもよい。
【0022】
中間脚7の上端に形成された前後方向を向く水平腕7aの上面には、左右の天板2、2の側端同士が互いに突き合わせた状態で載置され、下方からボルト(図示略)締めすることによって固着されている。
【0023】
間仕切パネル1、1の連結体の各側端部には、前後方向を向く支持部材8と、上端が支持部材8に固着され、かつ下端に高さ調節用のアジャスタボルト9が設けられた前後1対の脚杆10、10と、両脚杆10、10の下部同士を連結する前後方向を向く下部連結杆11とからなる側部フレーム12における前後方向の中間部が結合されている。
【0024】
この結合に際して、支持部材8および下部連結杆11の内側面における前後方向の中間部に、間仕切パネル1の側端部の平面視と補形をなすコ字状の切欠き13、14を設け、この切欠き13、14に間仕切パネル1の側端部を嵌合した上で、間仕切パネル1と支持部材8および下部連結杆11とを、L形金具等の取付金具15とボルト・ナット(図示略)をもって互いに固着してある。
なお、間仕切パネル1の前後面の所要の高さに左右方向を向くあり溝状の長孔(図示略)が設けられているときは、その長孔に板ナット(図示略)を嵌合して、その板ナットに、取付金具15に挿通させたボルト(図示略)を螺合させて締付けるようにするのがよい。
【0025】
支持部材8における脚杆10との結合部分の外側面と、脚杆10の上部の外側面とにかけて、外側方を向く前後1対の支持アーム16、16の基端が固着されている。
各支持アーム16は、水平の上面16aと、先端に向かって上向きに傾斜する下面16bとを有する先細り形状をなし、その上面16aによって側部天板3を、片持ち状に強固に安定よく支持しうるようになっている。
【0026】
側部天板3は、その内側縁を最も外側の天板2、2の側端面に当接または近接させて、その天板2、2の側端部とともに支持部材8上に載置し、かつ前後の支持アーム16、16上にも載置して、それらの下方よりボルト(図示略)締めすることにより、支持部材8および支持アーム16、16に固着されている。
【0027】
各天板2は、その一方の側端部が支持部材8上に載置され、かつ他方の側端部が中間脚7における水平腕7aの上面に載置され、それらの下方よりボルト(図示略)締めすることにより、支持部材8および中間脚7に固着されている。
【0028】
第1の実施形態においては、すべての天板2および側部天板3の高さは、いわゆるローパーティションとした間仕切パネル1の高さよりわずかに低くしてあるが、後述する第2の実施形態のように、間仕切パネル1を、すべての天板2および側部天板3の高さより低くすることもある。
【0029】
側部フレーム12の外側面、および内側面における間仕切パネル1より前後の部分は、化粧パネルまたは側部カバーにより覆われているが、ここでは、それらの化粧パネル等の図示および説明は省略してある。
【0030】
第1の実施形態は、以上のような構成としてあるので、間仕切パネル1の側端にも、側部天板3を簡単かつ安定よく取付けることができ、会議用テーブル等の「打合せ用什器」として使用する際の側端部の構成を使い勝手のよいものとすることができる。
【0031】
また、側部天板3を外して、複数の間仕切パネル1と天板2とを左右方向に連結することにより、「個別作業用什器」に変更することができ、さらにその状態から天板を外すことにより、「間仕切用什器」に変更することができ、「打合せ用什器」としてだけでなく、多目的に利用することができる。
【0032】
さらに、間仕切パネル1の側端部に、前後方向を向く支持部材8の中間部を取付け、支持部材8の外側面に設けた外側方を向く前後1対の支持アーム16、16により、側部天板3を支持したこと、または、間仕切パネル1の側端部に、前後方向を向く支持部材8と、上端が支持部材8に固着された前後1対の脚杆10、10と、両脚杆10、10の下部同士を連結する下部連結杆11とからなる側部フレーム12における前後方向の中間部を連結し、支持部材8における脚杆10との結合部分の外側面から脚杆10の外側面にかけて、外側方を向く支持アーム16の基端を固着したことにより、間仕切パネル1の側端部の前後に取付けるべき2個の支持部材8を1個とすることができ、部品点数を削減して、安価に製造することができるだけでなく、間仕切パネル1の側端部の体裁をよくすることができ、また、側部フレーム12により間仕切パネル1の支持を安定させることができるとともに、支持アーム16を側部フレームに強固に固着することができ、側部天板3を安定よく、強固に支持することができる。
【0033】
図3〜図6は、本発明の間仕切構成体の第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態におけるのと同一または類似の部材には、同一の符号をもって図示するに止め、それらについての詳細な説明は省略する。
【0034】
第2の実施形態においては、間仕切パネル1を、すべての天板2および側部天板3の高さより低くし、その間仕切パネル1の高さを低くしたことによって間仕切パネル1の上面とすべての天板2および側部天板3との間に形成される空所17を配線収容空間とし、その空所17の上方を、左右方向に長い複数のカバー18をもって覆うようにしてある。
【0035】
各カバー18は、縦断側面形状が下向コ字状なす本体部18aにおける上面の前後縁に、前後の天板2、2の対向縁上に載置されるようにした拡幅フランジ18bを連設したものとしてある。
【0036】
このような構成とすると、天板2および側部天板3の上方に間仕切パネル1が突出することがなくなり、使用者の目線を遮るものがなくなるので、「打合せ用什器」としての使い勝手をよりよくすることができる。
また、空所17を配線収容空間として使用することができる。
【0037】
第1の実施形態においては、間仕切パネル1と側部フレーム12とを結合するのに、取付金具15とボルト・ナット(図示略)を用いているが、第2の実施形態においては、図4および図5に示すように、各間仕切パネル1の枠体4における上下部の前後両面に設けた左右方向を向くあり溝19、19と、互いに直角をなす取付片20a、20bの上下面を二等辺三角形の上下1対の水平片20c、20cにより閉塞したものよりなる結合部材20、20と、板ナット21と、ボルト22とを用いている。
【0038】
すなわち、図4〜図6に示すように、側部フレーム12における支持部材8と下部連結杆11との内面中央部に、間仕切パネル1の外側端を突き当てて、その前後の角隅部における間仕切パネル1の各あり溝19と等高の位置に、結合部材20の直角の角部をそれぞれ突き当て、間仕切パネル1の各あり溝19における開口部19aの上下幅より上下幅を大とした奥部19bに、板ナット21をあり溝19の長手方向に摺動可能として、また開口部19aからは脱落しないようにして嵌合し、各板ナット21と、結合部材20における一方の取付片20aとを、開口部19aに挿通したボルト22をもって締着固定し、かつ結合部材20における他方の取付片20bを、別のボルト22をもって、支持部材8および下部連結杆11の内側面に締着固定してある。
【0039】
このような構成とすると、間仕切パネル1と側部フレーム12とを、簡単かつ強固に、しかも体裁よく結合することができる。
【0040】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、例えば次のような変形した態様での実施が可能である。
(1) 側部天板3を、間仕切パネル1、1の連結体の一方の両側端部のみに取付け、同じく他方の側端部には、側部天板3を取り付けないままとするか、またはそれに代えて、側部パネル等の別の部材を取付ける。
(2) 間仕切パネル1、1の前面または後面のみに天板2、2を取付け、それに合わせて、側部パネル3も図示のものを前後方向の中間部で2分割したものとし、間仕切パネル1の一方の側端部に取付けた前方または後方を向く支持部材の外側面に前後1対の支持アームを取付け、この支持アームと支持部材とにより、上記2分割した形状の天板2を支持する。
(3) 間仕切パネル1、1の高さを、すべての天板2および側部天板3の高さと同一とし、間仕切パネル1、1の上端面を、すべての天板2および側部天板3の上面と整合させる。
(4) 側部天板3を、天板2の側端面に近接させて、すなわち、若干離間させて支持させる。
【符号の説明】
【0041】
1 間仕切パネル
2 天板
3 側部天板
4 枠体
5 パネル
6 アジャスタボルト
7 中間脚
7a水平腕
8 支持部材
9 アジャスタボルト
10 脚杆
11 下部連結杆
12 側部フレーム
13、14 切欠き
15 取付金具
16 支持アーム
16a上面
16b下面
17 空所
18 カバー
18a本体部
18b拡幅フランジ
19 あり溝
19a開口部
19b奥部
20 結合部材
20a、20b 取付片
20c水平片
21 板ナット
22 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に立設した左右方向を向く間仕切パネルの前面および/または後面に天板を取付けて構成した間仕切構成体において、
前記間仕切パネルの少なくとも一方の側端部に、前方および/または後方を向く支持部材を取付け、この支持部材の外側面に設けた外側方を向く支持アームにより、側部天板を、前記間仕切パネルの前面および/または後面に取付けた天板の側端面に当接または近接させて片持ち状に支持させたことを特徴とする間仕切構成体。
【請求項2】
間仕切パネルの少なくとも一方の側端部に、前後方向を向く支持部材の中間部を取付け、前記支持部材の外側面に設けた外側方を向く前後1対の支持アームにより、側部天板を片持ち状に支持させた請求項1記載の間仕切構成体。
【請求項3】
支持部材を、間仕切パネルの少なくとも一方の側端部に固着され、かつ前後の下端部が接床する側部フレームと一体的に形成した請求項1または2記載の間仕切構成体。
【請求項4】
側部フレームを、前後方向を向く支持部材と、上端が前記支持部材に固着された前後1対の脚杆と、両脚杆の下部同士を連結する下部連結杆とからなるものとし、前記支持部材と各脚杆との結合部分に跨って、前記支持部材と各脚杆との外側面に、支持アームの基端部を固着した請求項1〜3のいずれかに記載の間仕切構成体。
【請求項5】
間仕切パネルの高さを、天板および側部天板の高さと同一か、またはそれより低くした請求項1〜4のいずれかに記載の間仕切構成体。
【請求項6】
支持アームの下面を、先端に向かって上向きに傾斜する傾斜面とした請求項1〜5のいずれかに記載の間仕切構成体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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