説明

間隙が最小化されたセラミック放電容器を備えたメタルハライドバーナ

本発明は、セラミック放電容器を備えたメタルハライドバーナと、当該バーナを備えたランプと、当該バーナを製造する方法とに関し、当該バーナは、それぞれが1つの端開口(3a,3b)を持つ2つの端部(2a,2b)を有する、充填物を収容するための1つの放電容器と、充填物(8)と、前記端開口(3a,3b)を閉止するための第1の及び第2の端閉止構造(4a,4b)と、前記端開口(3a,3b)と前記端閉止構造(4a,4b)との間の間隙(7a,7b)とを有し、前記第1の端閉止構造(4a)は、前記第2の端閉止構造(4b)とは、少なくとも、形状、部品の材料の種類及び/又は部品の構成において異なり、及び/又は、前記第1の間隙の形状は、前記第2の間隙の形状とは異なり、及び/又は、前記第1の端部は、前記第2の端部とは、形状、1つの部品の材料の種類及び/又は部品の構成において異なり、このため非対称なセラミックメタルハライドバーナが達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック放電容器を備えたメタルハライドバーナ(セラミック放電メタルハライドバーナ又はセラミックメタルハライドバーナとしても知られる)と、それぞれが1つの端開口(end opening)を持つ2つの端部を有する、充填物(filling)を収容するための1つの放電容器、充填物、前記端開口を閉止するための幾つかの部品を持つ第1の及び第2の端閉止構造(end closure construction)、並びに前記端開口と前記端閉止構造との間の第1の及び第2の間隙(crevice)を有するセラミックメタルハライドバーナを持つランプと、このようなバーナを製造するための方法とに関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、内径によって特徴付けられる放電空間を囲むセラミック壁を持つ放電容器を有するセラミックメタルハライドランプに関する。この放電容器は、端閉止構造によって閉止され、該放電容器の中には電極が構成され、これら電極の先端は、間に放電が維持される相互間隔(mutual spacing)を持つ。この電極は、フィードスルー素子によって導電体に接続され、該フィードスルー素子は、前記端閉止装置に嵌合してその中に突出し、接続手段によって前記端閉止装置に気密に接続される。この放電容器は、イオン化充填物によって満たされる。この充填物は、不活性ガス(例えばキセノン(Xe))及びイオン化塩を含む。本発明は、セラミックメタルハライドバーナのデザインに関し、より詳しくは、この端閉止構造の、そして放電容器の端部の、デザイン又は構成に関する、即ち、フィードスルーが放電容器に気密に接続されるようなフィードスルー、放電容器、及び/又は接続手段のデザインに関する。
【背景技術】
【0003】
メタルハライドランプは、多くのアプリケーションにおいて見られ、例えばヘッドライトアプリケーションにおいて用いられる自動車ランプとして自動車において見られる。
【0004】
セラミックメタルハライドランプ及び関連する製造プロセスは、従来技術から知られている。それでもなお、この従来技術から知られる欠点を回避するセラミックメタルハライドランプ及びその製造プロセスを提供することが、依然として必要である。セラミックメタルハライドバーナの高圧充填のため、前記高圧放電容器を気密に閉止することは、幾つかの問題を生じさせる。気密な封止のために前記放電容器を加熱することは、前記内部充填物が膨張又は蒸発することに至る。この結果、充填ガスの膨張は、低品質の封止を生じさせ、充填塩蒸発は、所望でないランプ特性を与える。このとき、この封止は、再生不可能な長さを持つこととなることを特徴とする。なぜなら、膨張ガスは、封止を前記放電容器から外方向に押す傾向にあるからである。更に、前記封止は、欠陥(例えば、気泡、及び/又は、小さいチャネルであって該チャネルに沿ってガスが逃げることができ、クラックにつながるチャネル等)を含むことになり、これは、封止機械強度を弱め、漏れにつながる。
【0005】
前記充填物の膨張又は蒸発を防止するために、代替の封止プロセス及びデザインを発見するための幾つかの試みがなされている。
【0006】
国際特許出願公開第00/67294号は、高圧放電ランプを説明し、より詳細には、ガス充填外側バルブによって囲まれた非常に小さい非常に高圧の充填容器を有するメタルハライドの高圧放電ランプを説明する。
【0007】
このランプは、非常にコンパクトな寸法を有する放電容器を持つという利点を持ち、このことは、このランプを自動車のヘッドランプのアプリケーションにとって非常に適切にする。電極の間隔と比較して小さい放電容器の内径のおかげで、放電アークは十分まっすぐであり、その発光表面は、十分にはっきりと境界決めされており、このため、この放電容器は、自動車ヘッドランプの光源として、特に、複雑な形状の反射体を有するヘッドランプにおいて、用いられることができる。
【0008】
しかし、既知のランプの1つの欠点は、このランプの放電容器を気密に閉止するときにこれを加熱する際の初期充填物の比較的大きい損失である。このことは、誤った色点セッティング及び色不安定性に至る。初期充填物の損失量が比較的大きいと、失われる初期充填物の量は変化する傾向がある。初期充填圧損失が、製造される全ランプについて正確に等しくない場合、このことは、ランプ特性における所望されない差異に至る。更なる欠点は、再生不能な初期封止セラミック長、前記放電容器を気密に閉止する際の泡及びチャネルを持つ低いシーラント品質、高いランプ動作温度範囲内における封止セラミックのクラッキング挙動も含み、このことは、漏れがちな封止を生じさせる。更に、この放電容器端構成の設計は、前記フィードスルーの外表面とセラミックプラグ内壁との間に幅広い隙間を有し、このことは、色の不安定性を生じさせる。これらの欠点は、現在の封止プロセスによって引き起こされるか、又は、現在の封止デザインに関連する。前記プロセスは、実際には、前記充填された放電容器のあまりに大きな表面を加熱しており、前記デザインは、前記フィードスルーと前記セラミックプラグとの間に大きすぎる隙間を生じる。
【0009】
米国特許第5,810,635号は、高圧放電ランプのためのセラミック放電容器を説明し、これは、熱機械的に適合する複合材料でできたプラグに挿入されたピン状フィードスルーを有する。フィードスルーは、プラグ内に直接焼結されている。加えて、前記フィードスルーは、放電容器の方向を向かないフィードスルーの周りの領域をセラミック封止材料で覆うことによってプラグに封止されている。本発明の主な目的は、長時間の気密性を得ることであり、これは、複合プラグ内に焼結されたフィードスルーのきつい嵌合によってまず保証され、その後、焼結フィットが緩くなったら、放電容器とは反対を向く封止セラミック材料によって保証される。セラミック放電容器の閉止の順序は、非常に重要である。即ち、第1に、焼結されたフィードスルーを有する複合プラグが容器の端において焼結され、次に、充填が、1つの筒形フィードスルーに位置する小さい穴を通じて又は放電容器横穴を通じて実行される。最終的には、この小さい開口は閉止される。本発明は、シーリングフリット長、フィードスルーとセラミックプラグとの間の隙間、及び、充填された放電容器をプラグを閉止する際に加熱することの問題を対象とする。
【0010】
しかし、米国特許第5,810,635号に記載の端構造のデザイン及びプロセスは2つの主な欠点を持つことが分かった。まず第1に、筒形フィードスルーデザイン、又は、横に穴のあいた放電容器デザインであって、この穴を通じて充填物が放電空隙に導入されることができるデザインの使用は、非常に小さくコンパクトなバーナにおいては非常に難しい。更に、筒状フィードスルーデザインは、その部品のうちの1つが通常サーメット等の薄い複合材料でできているので、非常に難しい。従って、説明されたランプ製造に関連する提案されたプロセスの順序は、即ち、まず放電容器を閉止してからこれを充填することは、非常にコンパクトなバーナには適用されることができない。
【0011】
前述のランプは、不十分なシーリング長のため、このランプがサーメットの穴とストッパとの間に間隙を形成することができ、このことは、特定の塩の利用の場合に色不安定性を生じる、という欠点を持つ。米国特許第5,810,635号の端構造の他の欠点は、シーリングフリットが、バーナの動作中に(特にこのシーリングフリットが穴全体を満たす場合に)間隙中で攻撃される、ということである。この端構造の第3の欠点は、バーナ漏れを生じさせる熱機械的に不適合な材料に起因するフィードスルーとサーメットとの間の小さい間隙に至るクラックの発生である。漏れやすいシーラントの他の理由は、例えば、焼結タイトフィットがゆるむ場合である。
【0012】
この放電容器を気密に閉止することは、幾つかの問題を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の1つの目的は、上述の欠点が軽減されるセラミック放電容器及びメタルハライドランプを備えたメタルハライドバーナを提供することである。この目的を達成するために、提案されたバーナのデザイン、このバーナを製造するための材料、及び、このバーナを製造するための方法は、フィードスルーと端部との間の間隙を縮小することと、所望しない位置における堆積塩の蓄積を低減することとを目的とする。
【0014】
他の側面は、フィードスルーが端開口に構成された後に間隙が残り、この間隙は最冷点(coldest spot)となり、この間隙に沿って、例えば封止の近くの前記間隙の端において、偏析した塩が凝縮して腐食性の塩のたまりを形成することができる、ということである。このとき、このような間隙は、色の不安定性及び封止の腐食を助長する。
【0015】
しかし、前記「最冷点」は、偏析したイオン化塩充填物の凝縮を助長する。バーナ主対称軸に沿った間隙が長いほど、最冷点は、比較的熱い放電容器から遠くなり、従って、最冷点の温度はより低くなる。
【0016】
偏析したイオン化塩充填物の凝縮は、ランプの色座標及び色安定性に悪影響を及ぼす。更に、間隙内で封止に対して位置する腐食性塩のたまりの1つは、高圧放電容器の長時間の気密性に悪影響を及ぼす。従って、このようなランプの寿命は満足の行くものではない。しかし、塩の偏析の主な問題は、大きな間隙に起因して、ランプ動作中に、バーナ中の種々の位置における塩組成が変化する、ということである。
【0017】
従来技術から知られる欠点を克服するために、間隙が最小化された、即ち、改善された化学抵抗特性及び塩の凝縮の低下された余地を持つ、セラミックメタルハライドバーナデザインを提供することが必要である。
【0018】
従って、本発明の目的は、耐腐食性セラミックメタルハライドバーナを提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、間隙が最小化されたセラミックハライドバーナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
全ての問題は、セラミックメタルハライドバーナであって、それぞれが1つの端開口を持つ2つの端部を備えた、充填物を収容するための1つの放電容器と、充填物と、端開口と端閉止構造との間の第1の及び第2の間隙とを備え、前記第1の端閉止構造は、前記第2の端閉止構造とは、少なくとも、形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、部品の材料の種類及び/又は部品の配置において異なり、及び/又は、前記第1の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積が、前記第2の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積とは異なり、及び/又は、前記第1の端部が、前記第2の端部とは、形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、部品の材料の種類及び/又は部品の配置において異なり、このため、非対称のセラミックメタルハライドバーナが達成される、セラミックメタルハライドバーナを通じて検討される。
【0021】
本発明によれば、端閉止構造、間隙及び/又は端部の形状は、本体の形状及び/又は構造パラメータの全てを含み、これは、直径、長さ、外周、断面の形状、面積、表面積、体積等を含む。
【0022】
本発明によるこのセラミックメタルハライドバーナは、i)第1の貫通端開口を持つ第1の端部、ii)第2の貫通端開口を持つ第2の端部及びiii)両端開口に接続された放電空隙を構成要素として有する、充填物を収容するための少なくとも1つの放電容器と、充填物と、i)第1のフィードスルー及びii)第1のシーラントを構成要素として有する、前記第1の端開口を閉止するための第1の端閉止構造と、i)第2のフィードスルー及びii)第2のシーラントを構成要素として有する、前記第2の端開口を閉止するための第2の端閉止構造と、を有し、各フィードスルーは、少なくともその真中部分が端開口によって囲まれ間隙を形成し、前記フィードスルーは放電空隙の中に延在し、前記間隙はシーラントで少なくとも部分的に充填され、このため気密封止セラミックメタルハライドバーナが達成され、第1の端閉止構造が、第2の端閉止構造とは、少なくとも形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、部品の材料の種類及び/又は部品の配置において、及び/又は、前記第1の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積が、前記第2の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積とは異なり、及び/又は、第1の端部が、第2の端部とは、形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、部品の材料の種類及び/又は部品の配置において異なり、このため、非対称のセラミックメタルハライドバーナが達成される。
【0023】
本発明の1つの利点は、バーナの非対称性のため、堆積塩の蓄積がバーナの一方の側に誘導されることができるということである。従って、第1の側は、該第1の側が、起こり得る塩堆積をこの側の領域に位置させるのに適切になるように、第2の側と比較して異なったデザインを持つ。
【0024】
本発明における非対称的とは、第1の端部及び第1の端閉止構造を有するバーナの第1の側が、第2の端部及び第2の端閉止構造を有するバーナの第2の側とは異なることを意味する。差異は、形、形状、材料及び構成等の幾つかのパラメータによって決定されることができる。
【0025】
通常、バーナの両側は、対称的に、即ち、バーナを2つの等しい半分に切断する中央平面に対して対称的に、形成される。バーナは、また、その中心線の周りで回転対称である。
【0026】
もちろん、従来型のバーナは、製造プロセスにおける製作公差及び予期しない偏差又は材料における差異のせいで、或る種の非対称性を持ちうる。当然これは予期せぬ非対称性である。本発明における非対称は、計画された非対称性であり、バーナの2つの側における計画された異なった状態を生じる。
【0027】
放電容器内で放電アークを達成するために、セラミックメタルハライドバーナは2つのフィードスルーを有する。両方のフィードスルーは、その一端に位置する電極を有し、これら電極間に前記放電アークを達成するためにこれら電極は互いに対面する。電極は放電容器内に延在する。電極が接続されているフィードスルーのロッドは、放電容器内にも延在することができる。しかし、フィードスルーのために利用される材料に応じて、このロッドは、延伸されて端部にされることができ、これは伸張された栓(extended plug)であることができる。フィードスルーの位置の配置のパラメータは、温度と、フィードスルーの利用される材料のランプ充填物に対する対応する耐化学性とである。
【0028】
前記放電アークを達成するためには充填物が必要である。充填物は、貴ガス(例えばXe)及び塩(好適にはヨウ化物)を有する。充填物が容器を出ることを防止するためには、適切な端閉止構造が設けられなければならない。この理由のため、放電容器は2つの端部を持ち、各端部は、フィードスルーを該放電容器内に収容するための貫通した端開口を有し、端部は前記端閉止構造によって閉止される。通常、製作公差に起因して、また、端開口の中にフィードスルーを配置することのより簡単な取扱いのため、端部とフィードスルーとの間には隙間が生じる。その隙間、ギャップ又は間隙は、気密な放電バーナを提供するためには、気密に閉止されなければならない。従って、端閉止構造は、2つのフィードスルーの他に、各間隙又は隙間のための少なくとも1つのシーラントを有する。封止プロセスの間、当初の充填されていない間隙は、前記シーラントによって満たされる。
【0029】
封止プロセス及び放電アークの達成は高温で行われるため、室温で約8bar〜25barの圧力を持つ充填物は、放電容器の端の方へ膨張しようとする。動作中の放電容器の端における温度は、電極における温度又は放電アークにおける温度よりも低い。従って、充填物は、放電容器の両側の、より冷たい端で堆積を蓄積する傾向があり、これは上述の欠点に至る。
【0030】
本発明による非対称セラミック金属ハライドバーナは、バーナの2つの側における異なった状態のため、塩が、端部及び端閉止構造が位置する領域である放電容器の一方の側に、少なくとも主に又は完全に保持される、という利点を持つ。従って、塩は、所定の予測された位置に付着し、この位置は、放電容器の1つの所定の側の端部領域の最冷点である。従って、塩が付着するこの側は、他方の側とは異なったデザインを持ち、該他方の側には塩は全く付着しないかより少量付着する。好適には、塩が付着する側は、最小化された間隙を有するか又は間隙のない側でなければならない。塩が付着しない側は、小さい間隙を持つことができ、このことは、製造をより容易にする。バーナの一方の側での塩の付着を防止するためには、塩が全く付着しないかより少量しか付着しない方の側における小さい間隙の最低温度は、バーナの最冷点の温度よりも高くなければならない。
【0031】
バーナの非対称なデザインは、より色安定なバーナを生じさせ、これは、増大された耐久性に至る。更に、NaPrヨウ化物以外の塩のより多種の塩が、充填物のために用いられることができ、これは例えば、より高い効率を持つが色安定性はより低い、NaCeヨウ化物である。
【0032】
他の利点は、異なった材料であって、気密封止にとってより適切であり、攻撃的な塩に対して標準のシーリングフリットよりも高い抵抗を持つが、高温で融解せず、より長い封止時間を必要とする材料が、シーラントとして用いられることができるということである。
【0033】
好適には、それぞれが少なくとも充填されていない部分及び充填された部分を持つ間隙は、封止プロセスの後、放電空隙に通じる第1の間隙の充填されていない部分の体積が、第2の間隙の対応する充填されていない部分の体積より小さく、及び/又は、封止プロセスの後、第1の間隙の充填されていない部分の断面積が、第2の間隙の充填されていない部分の対応する断面積より小さく、及び/又は、封止プロセスの後、第1の間隙の充填されていない部分の長さが、第2の間隙の対応する充填されていない部分の長さより短い、という点で異なる。
【0034】
好適には、第1の間隙の充填されていない部分の体積は、0.0mm以上0.25mm以下の範囲にあり、より好適には、0.00973mm以上0.0389mm以下の範囲にあり、最も好適には、0.01950mm以上0.097mm以下の範囲にある。
【0035】
好適には、第2の間隙の充填されていない部分の体積は、0.0mm以上0.5mm以下の範囲にあり、より好適には、0.01950mm以上0.04850mm以下の範囲にあり、最も好適には、0.03890mm以上0.19980mm以下の範囲にある。
【0036】
1つの間隙の断面積は、他の間隙の断面積より小さく、好適には、1つの間隙の断面積は、他の間隙の断面積よりも、0.1%〜15.0%、好適には、0.5%〜10.0%、最も好適には、1.0%〜5.0%大きく、及び/又は、1つの間隙の直径は、他の間隙の直径より小さく、好適には、1つの間隙の直径は、他の間隙の直径よりも、0.1%〜15.0%、より好適には、0.5%〜10.0%、最も好適には、1.0%〜5.0%大きい。
【0037】
第1の間隙の充填されていない部分の長さは、第2の間隙の長さより小さく、好適には、第1の間隙の充填されていない部分の長さは、0.0mm以上3.0mm以下の範囲であり、より好適には0.5mm以上2.0mm以下の範囲であり、最も好適には、1.0mm以上1.5mm以下の範囲である。
【0038】
第2の間隙の充填されていない部分の長さは、第1の間隙の充填されていない部分の長さより大きく、好適には、第2の間隙の充填されていない部分の長さは、0.0mm以上6.0mm以下の範囲であり、より好適には0.5mm以上4.0mm以下の範囲であり、最も好適には、1.0mm以上2.0mm以下の範囲である。
【0039】
間隙は、端閉止構造と端部との間の空間である。バーナの製造工程の後、間隙は封止工程によってシーラントで満たされる。技術的な理由のため、両方の間隙が前記シーラントによって100%満たされることができるわけではなく、このため、封止プロセスの後、間隙の充填されていない部分及び間隙の充填された部分が生じる。これらの間隙の体積、断面積及び/又は寸法は、間隙の両部分を説明することができる。
【0040】
間隙は、規定された体積を有するいかなる形状も持つことができる。塩が付着する側の間隙の体積は、例えば色不安定性を回避するため、可能な限り小さくなければならない。従って、塩が付着する側の間隙の充填されていない部分は、約0mmの体積を持ち、以下では第1の側と呼ばれる。理想的な状況は、当然、塩が全く付着しないか又はより少量しか付着しない側である第2の側の充填されていない間隙の体積も、約0mmであるということである。しかし、封止プロセスのため、これが全ての場合において可能であるというわけでない。
【0041】
その体積以外に、間隙は、バーナの中央線に沿って変化することができるこれら間隙の断面積によって説明されることができる。
【0042】
間隙の断面積は、端部の貫通した開口及び前記端部(又はより正確には端部の端開口)に構成されたフィードスルーに依存する。フィードスルー及び端部の貫通した端開口の両方とも、いかなる形式の断面も持つことができ、従って、間隙の断面は、フィードスルー及び端開口の断面から得られるいかなる断面も持つことができる。好適には、開口及びフィードスルーの断面は円形であり、このため、間隙の断面領域は環状の断面を持つ。好適には、第1の側及び第2の側の間隙の断面積は、0mm以上である。フィードスルーを端開口に挿入するための製作誤差等の、製造及び/又は技術的な理由のため、これは不可能である。従って、間隙の断面積は、式(π・R−π・R)によって規定され、ここで、Rは、端部の端開口の円形断面の半径であり、Rは、フィードスルーの断面の外径である。
【0043】
好適には、第1のフィードスルーの最大直径は、100μm以上1000μm以下の範囲であり、より好適には200μm以上600μm以下の範囲であり、最も好適には、300μm以上560μm以下の範囲である。30Wの自動車バーナについては、フィードスルーの直径は、例えば250μm以上500μm以下の範囲である。
【0044】
からRを減じた差は、好適には、0μm以上50μm以下であり、より好適には5μm以上25μm以下であり、最も好適には10μm以上15μm以下である。
【0045】
封止プロセスのためにシーリングフリットを用いるためには、RからRを減じた差は、好適には、10μm以上40μm以下であり、より好適には約30μmである。
【0046】
断面積は、フィードスルーの軸及び/又は端部の端開口の軸に沿って変化することができる。しかし、好適には、断面積は、軸に沿って一定である。
【0047】
従って、間隙はその外径(即ち端部の貫通した端開口の直径)及び/又はその内径(即ちフィードスルーの外径)によって規定されることができる。
【0048】
塩が付着するバーナの第1の側にある第1の間隙の直径と、塩が付着しないバーナの第2の側にある第2の間隙の直径とは、当然、全く同じ直径を持つことができる。第2の間隙の直径は、第1の間隙の直径よりも大きくなることさえできる。色不安定性を回避するために、間隙の直径は、可能な限り小さい。
【0049】
更に、環形間隙の直径は、開口及び/又はフィードスルーの軸に沿って変化することができる。好適には、直径は軸に沿って一定である。従って、その長さは、間隙を画定することができる。好適には、第1の間隙の長さは、第2の間隙の長さより短い。最良の形態において、第1の間隙の長さは、約0μmである。
【0050】
約0μmの第1の間隙長さが最良であるが、電極−フィードスルーの組合せのW電極とMo又はReロッド部分との間の接続に近い領域での高温のため、最大1.5mmの長さが許容可能である。高温においてさえも、塩はこの小さい間隙に入り込まない。
【0051】
体積が正確に測定されることはできない場合、本発明で言及される体積は、以下で説明されるように計算されることができる。従って、近似が必要であり、これは、真の体積を、パラメータが測定されることができる理想及び/又は理論的体の容積に換算する。
【0052】
上述の間隙は、主に管状の形状を持つ。従って、間隙の体積は、式
lc=(π・R22-π・R12)
によって計算されることができる。ここで、lは間隙の長さであり、Rは間隙の外径でり、Rは間隙の内径である。第1の実施例では、第1の間隙の体積は0mmであり、第2の間隙の容量(0mmとなることは技術的に不可能である)は、0.0194778mm(R=0.15mm、R=0.16mm、l=2mm)である。本発明の第2の実施例において、第1の間隙の体積は、0.0201mmであり(R=0.15mm、R=0.17mm、l=1mm)、第2の間隙の体積は、0.0804mmであり(R=0.15mm、R=0.17mm、l=4mm)、即ち、比率は25%である。
【0053】
長さは、例えばX線で、顕微鏡により、及び/又は、裸眼で測定する場合のような他の測定方法により(放電容器は間隙の領域では透明だから)、又は、バーナを縦方向に切断して断面を研磨することにより、容易に測定されることができる。
【0054】
本発明の他の実施例において、シーラントは、封止プロセス後、第1の間隙内に位置する第1のシーラントの位置は、第2の間隙内の第2のシーラントの位置と比較して、第1の端開口の第1の内側端開口の近くに構成される点で異なる。好適には、第1のシーラントと第1の内側端開口との間の距離は、0.0mm以上1.5mm以下の範囲(例えば0.1mm)であり、より好適には、0.3mm以上1.0mm以下の範囲(例えば0.4mm)であり、最も好適には、0.5mm以上0.7mm以下の範囲(例えば0.6mm)である。
【0055】
間隙のない又は少なくとも間隙の最小化されたセラミックメタルハライドバーナを達成するためには、間隙を満たすシーラントは、内側端開口に可能な限り近く位置しなければならない。内側端開口は、端開口が放電空隙に統合する端開口の部分である。バーナを気密に封止するためには、シーラントが間隙の全てを長手方向又は軸方向に満たすことは必要でない。気密バーナを達成するためには、シーラントは、間隙を径方向に完全に満たさなければならない。即ち、シーラントは、対応するフィードスルー及び対応する端部に中断無しに接触しなければならない。放電空隙の方に面する間隙の部分を最小化するためには、シーラントは内側端開口に可能に限り近く位置しなければならない。第1の側(塩が付着する側)では、シーラントは、内側端開口に可能に限り近く位置しなければならない。即ち、内側端開口から1.5mmより小さい距離の位置に位置しなければならない。好適には、放電空隙の方に面するシーラントの表面は、対応する内側端開口から1.5mmの場所より近くに位置する。第2のシーラント、より正確には、放電空隙の方を向く第2のシーラントの表面と、第2の内側端開口との間の距離は、6.0mmより大きくなるべきではない。
【0056】
好適には、第1のシーラントは、PtNb又はPtZr等の金属又は合金を含む群から選択される材料からなり、及び/又は、第2のシーラントは、既知のシーリングフリットの材料、この既知のシーリングフリットより高い含量のAl粉を有するシーラントフリットの材料、Al−Dy−SiOを含む群から選択される材料からなり、及び/又は、封止プロセスの後の第1の間隙内の第1のシーラントの充填レベルは第2の間隙内の第2のシーラントの充填レベルより大きいという点で、第1の及び第2のシーラントは、異なる。
【0057】
好適には、第1の間隙の充填レベルは、第2の間隙の充填レベルよりも、0.1%以上35%以下、より好適には1%以上20%以下、最も好適には2%以上15%以下だけ大きい。
【0058】
第1の間隙を満たすシーラントと第2の間隙を満たすシーラントとの両方のシーラントが、同一又はほぼ同一の比重量を持つ場合には、重量は、2つのシーラント間で区別するのに適切な基準である。
【0059】
シーラントの量は、隙間を満たすために用いられるシーラントの量である。量は、重量で与えられることができるが、異なったシーラント材料の異なった比重量に関しては、重量の代わりに、間隙を満たすシーラントの体積が、シーラントの量を規定するために用いられる。従って、第1の隙間の第1のシーラントの容量は、第2の隙間の第2のシーラントの容量より小さい。従って、材料はバーナの一方の側で低減されることができる。
【0060】
充填レベルとは、本発明では、間隙の充填されていない部分と間隙の充填された部分との比を意味する。100%の充填レベルは、完全に充填された間隙に等しく、50%の充填レベルは、シーラントによって半分だけ充填された間隙であるので、間隙の充填された部分の体積は間隙の充填されていない部分の体積に等しい。
【0061】
前記したように、気密なバーナを得るためには100%の充填レベルを達成することは必要でない。むしろ、間隙の断面がシーラントで完全に満たされるということが重要である。シーラントの位置は、間隙内のいかなる場所であってもよいが、好適には、可能な限り内側端開口に近い。
【0062】
本発明の他の実施例においては、第1の端開口の断面積は、第2の端開口の断面積よりも小さい。例えば、第1の端開口及び第2の端開口の断面積が円形であり、第2の端開口の断面積の直径が500μmであり、第1の端開口の断面積の直径が300μmであれば、比は、以下の式に従って計算されることができる:
【数1】

これは、第1の端開口の断面積は、第2の端開口の断面積の36%であることを意味する。
【0063】
非対称セラミック金属ハライドバーナを達成するためには、2つの端開口は、非対称性が得られるように形状において異なることができ、放電バーナの他の部品は異ならない。第2の端開口の断面積が、第1の端開口の断面積より大きいか又は小さくなることが可能であり、セラミックメタルハライドバーナの第1の及び第2の側の他の部品間の差の場合には、両方の断面積も同じでありえる。第1の端開口の断面積が第2の端開口の断面積に等しく、これら断面積は可能な限り小さいことが好ましく、好適には、端開口の断面積は、フィードスルーの対応する断面積と同じ大きさである。しかし、前述のように、充填物のため、第2の端開口の断面積は、第1の端開口の断面積より大きいことが有用でありうる。充填物が塩ペレットを有し、その直径が、好適には100μm以上600μm以下、より好適には200μm以上500μm以下、最も好適には250μm以上450μmであれば、第1の端開口の円形の断面領域が実現され、第2の端開口の断面積は第1の端開口の断面積より大きくなることができる。これは、当然、セラミックメタルハライドバーナの非対称な構成も生じさせる。
【0064】
放電バーナの2つの側が異なることができる他の部品は、フィードスルーである。フィードスルーは、少なくとも電極及びロッド部分を有する。
【0065】
本発明の他の実施例において、フィードスルーのうちの一方は、フィードスルーのうちの他方よりも多くの部品で構成され、好適には、前記フィードスルーのうちの一方は、少なくとも2つ、より好適には3つ、最も好ましくは4つの部分の部品を有し、及び/又は、フィードスルーのうちの一方の最大断面積は、フィードスルーのうちの他方の最大断面積より大きく、及び/又は、フィードスルーのうちの一方のロッド及び/又は電極長さは、フィードスルーのうちの他方のロッド及び/又は電極長さより短い。
【0066】
好適には、第1のフィードスルーは、少なくとも3つの電極フィードスルー部分を有する。即ち、放電空隙内に位置する放電アークを達成するための電極と、シーラントと接触する端開口に囲まれた本体と、端部の外に位置する延長部とである。異なった電極フィードスルー部分は、それらの異なった材料及び/又は寸法によって互いに識別可能である。
【0067】
2つの部分からなる電極とフィードスルーとの組合せは、例えばW電極と溶接によってW電極に接続されたMo又はReロッドとを有する。3部分電極フィードスルーの組合せは、例えば、放電空隙内に位置したW電極と、シーリングフリットで覆われたより小さい部分のための端部に位置したサーメットロッドと、部分的に端部内にあり(シーリングフリットでカバーされる)、部分的に端部外にあるNbロッドとを有する。
【0068】
好適には、本発明による第1のフィードスルーは、一直線に整列された少なくとも2つの本体部分から構成された本体を有する。2つの本体部分は、異なった材料でできており、及び/又は、異なった寸法を持つ。放電アークと接触している又は接触する本体部分は、充填物に対して耐性がなければならない。従って、少なくとも、放電空隙のより近くに位置する本体部分(即ち内側本体部分)は、充填物に耐える材料でできている。外部又は外側本体部分のより近くに位置する部分は、Alのような材料でできた放電容器の熱膨張率に少なくとも部分的に整合する熱膨張率を持つ材料でできている。熱的に整合する膨張率以外にも、外側本体部分の材料は、放電と接触するならば、充填物に対しても耐性がなければならない。これは、高価で製造がずっと困難な勾配サーメット(gradient cermets)に対するより単純な変形例である。フィードスルーの本体は、第3の部分を有することさえでき、これは、本体の他の部分とは、その形状において異なっていてよい。好適には、本体の第3の部分は、その形状においてより小さく、凹部にシーラントを位置させるために、放電空隙内に至る凹部を形成する。第2のフィードスルーは、試験されてよく知られた3部フィードスルーであってよい。なぜなら、間隙のサイズに関する限り、セラミックメタルハライドバーナの第2の側についての要件は、第1の側よりも低いからである。これらの3部分フィードスルーは、電極、本体及び延長部を有し、ここで、本体は幾つかの部分には分割されない。
【0069】
本発明の他の実施例において、セラミックメタルハライドバーナの放電容器は、一方の端部の長さが他方の端部の長さより大きい点で2つの端部が異なり、このため、非対称放電容器が得られるように、構成される。端部の長さは、バーナの最冷点の温度への影響を持つ。他の自由度の中でも、この最冷点の温度は調整されることができる。他の自由度は、例えば、端閉止構造の大きさ、又は、先端から底部までの距離(即ち電極の上部から放電容器の底部への距離)による追加の外部又は内部ヒートシンクである。最冷点温度は、第1の側に近くなければならない。これは、第1の端閉止構造を第2の端閉止構造より大きくすることによって達成されることができる。しかし、第1の端の近くの最冷点温度が、例えば先端から底部までの距離又はヒートシンクによって調整されるなら、第2の端閉止構造は、第1の端閉止構造よりも長くなることができる。従って、両側での最終的な端部長さは、第1の間隙のない又は間隙の低減された端閉止構造及び制限された間隙を有する第2の端閉止構造を作るための炉とのシーリング等の技術的な可能性によって主に決定される。
【0070】
本発明の別の実施例において、セラミックメタルハライドバーナの放電容器は、第1の端部分の体積が第2の端部分の体積より大きくなるように構成される。
【0071】
本発明の他の実施例において、セラミックメタルハライドバーナの放電容器は、第1の端部分の断面積が第2の端部分の断面積より大きくなるように構成される。
【0072】
好適には、端部の形状は管状であり、以下の式によって規定される体積を有する。
Vep=l・π・(Rd22-Rd12)
ここで、Vepは端部の体積であり、lは端部の長さであり、Rdは端部の外径であり、Rdは端部の内径である。第1の端部分及び第2の端部分が等しい半径を持つ場合には、第1の端部分と第2の端部分との間の差は、異なった長さlによってのみ達成されることができる。
【0073】
第2の端部分の長さは、好適には0.5mm以上12mm以下であり、より好適には1.0mm以上8.0mm以下であり、最も好適には2.0mm以上4.0mm以下である。
【0074】
第1の端部の長さは、好適には0.5mm以上10.0mmであり、より好適には1.0mm以上6.0mm以下であり、最も好適には2.0mm以上3.0mm以下である。例えば、第1の端部分の長さは1.5mmであり、第2の端部分の長さは、4.0mmであり、このとき両長さの比は
【数2】

と計算され、これは、この例では第1の端部分の長さは第2の端部分の長さの37.5%であることを意味する。
【0075】
当然、第1の端部分の長さが第2の端部分の長さより短ければ、非対称セラミック金属ハライドバーナも達成されることができる。金属又は合金が、第1の端閉止構造を第1の端部分に封止するためのシーラントとして用いられるなら、第1の端部分の長さは第2の端部分の長さより短くなることができる。放電管中で第1のシーリングの近くのコールドスポットを達成するためには、第2のフィードスルーの一部としてではなく、第1のフィードスルーの一部としてのより長い電極ロッドの利用によって、より大きい先端から底までの距離が、実現されることができる。ヒートシンク(例えば電流リード線又はフィードスルーに接続された金属冷却フィン)を加えることも可能である。
【0076】
端部が管状形状を持つ場合には、第1の端部分の内径Rdが、第2の端部分の内径Rdより小さいことも可能である。その場合、第1の端部分の断面積は、第2の端部分の断面積より大きい。好適には、第1の端部分の外径Rdは、第2の端部分の外径Rdと比較して同じであり、このため、両方の端部の形状は同じであり、非対称セラミック金属ハライドバーナは、既存のソケット又は取付けに挿入されることができる。
【0077】
他の実施例において、少なくとも1つの端部及び/又は1つのフィードスルーは、空隙内に延在する凹部を持ち、ここで、前記凹部は、封止プロセスの前に、対応するシーラントで少なくとも部分的に充填することができる。
【0078】
フィードスルーに凹部を形成することは、放電容器内にシーラントを入れるための簡単な方法である。シーラントは後で融解されることができ、融解されたシーラントを充填されていない間隙に入れる毛管力により、また、放電空隙内の圧力により、充填されていない間隙を内部から充填する。このため、封止プロセスの後には、間隙の充填されていない部分は全く生じないか又は小さい部分しか生じない。シーラントを放電容器内に入れる他の方法は、端部が放電容器に焼結される前に、少なくとも1つの端部に、放電空隙に通じる凹部を形成することである。
【0079】
より好適には、第1の端部及び/又は第1のフィードスルーは、それぞれ、第2の端部及び/又は第2のフィードスルーとは、第2の端部及び/又は第2のフィードスルーが、シーラントをその中に位置させるための空隙に通じる凹部を持つ点で異なる。この凹部内には、シーラントが位置させられることができ、このため、封止プロセスの間、前記シーラントは、融解し、放電空隙内の圧力のため、内部から間隙に流入する。当然、第1の端部及び/又は第1のフィードスルーが、シーラントをその中に配置するための空隙に至る凹部を持つことは可能であるが、第2の端部及び/又は第2のフィードスルーのみが凹部を持って、より良好な、間隙が最小化された放電バーナが達成されることが、好ましい。
【0080】
1つの利点は、セラミックメタルハライドバーナが、好適には5W以上250W以下、より好適には8W以上70W以下、最も好適には15W以上35W以下のパワーで動作可能であり、バーナが、室温で、放電容器内の好適には1bar以上40bar以下、より好適には5bar以上30bar以下、最も好適には8bar以上25bar以下の圧力で満たされる、ということである。動作中、この圧力は、約7倍高い。
【0081】
上述の放電容器内圧力及び/又はパワーは、放電アークを準備するための時間を主に決定する。例えば、高いXe圧力は、有利には、ランプの立上り段階中に、より高いランプ電圧を生じる。結果として、ランプの立上り段階の間のランプパワー入力は、同じ立上り電流でより大きい。この電流は、バラストで制限される。従って、ランプは、この限られた電流でより速い立上りを示す。立上り段階の間にランプ中で消失するパワーは、燃焼の間の上述した定格パワーとは異なる。立上り段階は、バーナが特定の光レベルに到達する段階である。ランプの立上り時間は、低圧で達成される。即ち、好適には、充填圧力は5bar以上10bar以下の範囲内である。他方では、バーナの速い立上りを達成するには特定のパワーが必要である。自動車ランプの場合には、バーナを立ち上げるためのこのパワーは、5W〜40Wの範囲である。更に、放電容器内の高圧は、より高い効率及び管壁へのより低い熱伝導に至る。
【0082】
本発明の第2の側面は、2つのフィードスルーと、2つの端開口及び充填物を収容するための空隙を持つ2つの端部を備えた1つの放電容器と、2つの端閉止構造と、前記フィードスルーを放電容器の対応する端部と気密に接続するシーラントとを有する、間隙が最小化されたセラミックメタルハライドバーナを製造する方法であって、少なくとも1つのシーラントを、前記放電容器に、少なくとも1つの端部の凹部に、及び/又は前記放電容器内に通じる少なくとも1つのフィードスルーの凹部に、配置するステップと、前記端部を前記放電容器に焼結するステップと、前記第1の端閉止構造を前記第1の端開口に対して封止することにより前記第1の端部分を閉止するステップと、残りの端開口を通じて前記放電容器をイオン化充填物で充填するステップと、前記第2のフィードスルーを前記第2の端開口に配置することによって前記第2の端開口を閉止して、前記第2のフィードスルーを前記第2の端部分に第2のシーラントで気密に接続して、気密セラミックメタルハライドバーナが得られるようにするステップとを有し、好適には、少なくとも1つのシーラントが内部から間隙を満たす方法を提供することである。
【0083】
好適には、第2のシーリングだけが、フィードスルーの凹部に位置するシーラントによって行われる。その場合、融解したシーラントは、拡張する充填物(例えばXe)によって間隙内に押し込まれる。
【0084】
このようなバーナは、以下の態様で製造される。
【0085】
貫通した端開口を有する端部及び放電管は、焼結される。端部及び放電管は、両方とも、好適には多結晶アルミナAl即ちPCA材料でできている。端部の端開口を閉じるための第1のステップは、第1の完全な電極フィードスルー組合せ又は第1の端閉止構造が、第1の端部分に挿入され、合金のリングが、フィードスルー部分の周りの端部上に位置決めされ、端部の端開口から突出する、というものである。好適には、端部の端開口内にフィードスルーを配置することは、非常に小さい隙間又は間隙に至り、最も好適には、0mmに可能な限り近い体積を持つ充填されていない間隙に至る。次に、端部、フィードスルー及び封止リングは、加熱され、このため、封止リングは融解し始め、従って、隙間に流入することによってフィードスルーと端部との間の隙間を満たす。封止プロセスの後に端閉止構造と端部分との間において結果として得られる(又はより正しくは残りの)充填されていない間隙は、非常に小さい体積を持つべきであり、好適には、0mmのオーダーの体積を持つ、即ち、充填されていない間隙は存在しない。最小化された間隙を達成するためには、Nbの代わりに少量のZrを添加されたPtを含む群から選択される合金がシーラントとして利用される。この材料は、攻撃的なメタルハライドフィリングに対して高温でより耐性がある。フィードスルーの材料に応じて、この充填材料は、特定のフィードスルー材料を攻撃しない。例えばNbフィードスルー材料の場合には、充填物はフィードスルーを攻撃するので、その攻撃を回避するための他の手段が組み込まれなければならない。ハロゲン化物に対する合金の抵抗は、その組成に依存する。組成は自由に選択することができない。充填物としてのバーナの使用の場合には、Pt−Nb合金は、充分に不活性でなければならない。なぜなら、そうでなければ、放電管充填物と接触する領域では、Nbがシーラントから消失するからである。一般的に、合金は、組成に依存することの他に、標準的なシーリングフリットよりも耐性が高いと言うことができる。
【0086】
封止プロセスの後、最小化された充填されていない間隙を得るためには、合金は、間隙の断面全体又は代替的に間隙全体を充填しなければならない。このことは、その後塩が間隙内に入りこんで堆積を生じ、色不安定性を生じることを不可能にする。気密接続を達成するために、融解プロセスは、グローブボックス内でAr環境下で行われる。封止時間は、比較的長く、2秒以上600秒以下(例えば4秒)、好適には5秒以上60秒以下(例えば10秒)最も好適には15秒以上30秒以下(例えば20秒)かかりうる。
【0087】
封止時間は、主に、どの温度が用いられるか、或る時間内の或る温度レベルにおける化学反応に対してどの加熱及び冷却期間が好ましいか、及び、材料における応力の蓄積に依存する。
【0088】
好適には金属又は合金を有する第1のシーリングは、放電管中にはガス逆圧がないので、ゆっくりと行われることができる。
【0089】
第1のシーリングの後、即ち、第1の端閉止構成の第1の端部への密封が行われた後、バーナ、又はより詳細には放電容器、又はむしろ放電空隙は、塩を含む充填物で満たされる。充填プロセスもAr環境下で行われる。
【0090】
充填プロセスは、以下でより詳細に説明される。
【0091】
第2の端閉止構造が放電空隙内に構成される前に、放電空隙は、第2の端部の第2の端開口を通じて塩ペレットで満たされる。ペレットは、上述のとおり、実質的に球状であり、好適には100μm以上600μm以下(例えば150μm)、より好適には200μm以上500μm以下(例えば250μm)、最も好適には250μm以上450μm以下(例えば310μm)の直径を持つ。
【0092】
最後に、気密放電バーナを達成するために第2のシーリングが作られる。この封止は、高いXe圧の下で行われる。Xeの圧力は、室温では、好適には1bar以上40bar以下であり、より好適には5bar以上30bar以下であり、最も好適には8bar以上25bar以下である。Omega又はリニア炉での封止プロセスによる容器中のXeの膨張を避けるには、この封止は、可能な限り速く行われなければならない。第2の封止の封止時間は、可能な限り放電容器内のXeの加熱を回避するため、短くなければならない。第2の封止時間は、0.1秒以上10.0秒以下、好適には0.5秒以上5.0秒以下、最も好適には1.0秒以上2.5秒以下である。
【0093】
気密で長い耐久性のシーリングである良好なシーリングを実現するには、Xeで充填された容器から十分に大きい距離の特定の端部長さが、必要である。好適には十分な長さは1mm以上40mm以下であり、より好適には5mm以上20mm以下であり、最も好適には8mm以上15mm以下であり、この長さは、Xeを加熱しすぎることを避けるのに必要である。
【0094】
第2の封止プロセスのためのシーラントは、異なった領域に位置決めされることができる。シーラントは、端部、放電容器又はフィードスルーのいずれかの、凹部の中に位置することができる。好適には、シーラントは放電容器内で融解し、放電容器内の圧力により、融解したシーラントが放電容器の内部から外部に流れる。放電容器外に位置するシーラントについては、例えば、延在する第2のフィードスルーの周りで端部の上でシーリングフリットリングを用いることにより、フリットは、加熱によって融解し、毛管力のため間隙に流入する。短い封止時間を実現するために、シーリングフリットは低い融点を有する材料でできている。この低融点フリットの高速加熱によって、十分に長い封止領域が達成されることができ、ここで、Xeからの逆圧の軽微な影響しか測定可能でない。十分に長いシーリングフリット長さは、好適には1.0mm以上8.0mm以下、より好適には1.5mm以上4.0mm以下、最も好適には2.0mm以上3.0mm以下であり、このため、気密バーナが達成されることができる。
【0095】
フリットより高い融解温度を持つ金属又は合金でできているシーラントを端部内のフィードスルーの周りで用いる場合には、加熱は非常に短い時間で行われなければならず、加熱は局所的な加熱でなければならない。端部内に位置する金属又は合金を加熱するための時間は、好適には0.1秒以上600.0秒以下、より好適には5.0秒以上100秒以下、最も好適には10.0秒以上60秒以下である。融解した金属は、次に、膨張するXeのため、隙間又は充填されていない間隙に押し入れられる。
【0096】
好適には、照明目的のランプ、特に、ヘッドランプ、又は、店用照明、家用照明、アクセント照明、スポット照明、シアター照明、コンシューマTVアプリケーション、ファイバーオプティックスアプリケーション及びプロジェクションシステムのアプリケーションのうちの1つにおける使用のためのランプは、少なくとも1つのセラミックメタルハライドバーナを有する。
【0097】
本発明によるランプは、好適には、5W以上250W以下、より好適には8W以上70W以下、最も好適には10W以上35W以下のパワーを持つランプである。典型的には、自動車用ランプは、約30Wのパワーで動作する。ランプは、好適には、20V以上120V以下、より好適には30V以上70V以下、最も好適には35V以上65V以下の電圧で動作する。
【0098】
上述の機能を有するセラミック金属ハロゲン化物を用いることにより、ランプは、より高い色安定性を持ち、これは、より長い耐久性に至り、更に、より小さい寸法を持つ。
【0099】
最も短い端閉止構造は、電極のチップから端閉止構造の末端までの最短距離によって制限される。端閉止構造は、ランプの上に位置決めされる。これは、可能な限り短いランプを得る。なぜなら、光中心長さ、即ち、放電アークの中心からランプのソケット上の基準面への距離が、規定値だからである。この規定値は、ランプが用いられるアプリケーションによって異なる。上述は、好適には、自動車石英バーナについて当てはまる。セラミック自動車バーナについては、規定値は、異なった値で標準化されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0100】
本発明のこれらの及び他の側面は、以下で説明される実施例を参照して説明され明らかにされる。
【0101】
図1は、前記セラミックメタルハライドバーナの第1の側1a及び第2の側1bを示すセラミックメタルハライドバーナの断面の2つの切り抜き図を表す。図の右側に示される第1の側1aは、放電容器のうち、第1の端部2aが接続されている部分を示す。放電容器及び第1の端部2aの断面の両方が、管状形状を持ち、ここで、第1の端部2aは、第1の端開口3aを持ち、中心線に沿って延在する。焼結プロセスの前の第1の端部2aの外径は、放電容器の断面の内径より小さく、このため、第1の端部2aは、放電容器によって完全に囲まれ、それらの中心線が整列した状態で、放電容器の断面内に部分的に構成されることができる。焼結プロセスの後、端部2a(又は図1中では伸張された栓)の外径は、放電容器の断面の内径と等しいか又はこれより僅かに大きい、即ち、放電容器の断面は、端部の周りで縮小する。放電容器及び第1の端部2aは、焼結によって接合される。第1の端部2aは、円形断面を有する第1の貫通した端開口3aを持つ。気密なバーナを達成するために、端開口3aは、第1の端閉止構造4aによって閉止される。第1の端閉止構造4aは、第1のフィードスルー5a及び第1のシーラント6aを有する。第1のフィードスルー5aは、電極と、幾つかの部分からなる本体とを有し、ここで、全ての部分はその中心線に沿って並べられるので、実質的に円筒状のフィードスルーが得られる。第1のフィードスルー5aは、部分的に第1の端開口3a内に配置され、第1のフィードスルー5aは、第1の端部2aの両側(放電容器の内部及び放電容器の外部)に延在する。従って、第1のフィードスルー5aの主要部又は本体は、第1の端部2aによって周囲を囲まれる。第1の端部2aと第1のフィードスルー5aとの間には、封止される前には、小さいギャップ(いわゆる隙間又は第1の間隙7a)が存在する。第1の間隙7aは、第1の間隙7aを少なくとも部分的に充填する第1のシーラント6aによって満たされ、これにより、第1のフィードスルー5aと第1の端部分2aとの間の気密接続が達成される。
【0102】
第1のシーラントは、金属、合金及び/又はシーリングフリットを含む群から選択される材料からなる。シーリングフリットは、高融点シーリングフリット及び/又は高温下でメタルハライド充填物に耐える高含量のAlを有するシーリングフリットでなければならない。容器及び端部2a、2bは、多結晶セラミック材料を含む材料でできている。図1において、第1の間隙7aは、前記第1のシーラント6aで完全に充填され、このため、封止プロセス後に約0mmの体積を有する第1の充填されていない間隙7aが得られる。従って、放電バーナの第1の側1aは、塩(黒い点として示される)が位置させられる、間隙のない側である。
【0103】
図の左側には、セラミックメタルハライドバーナの第2の側1bが示される。第2の側1bは、第1の側1aと比較して、類似した構成を持つ。第2の側で、放電容器の断面が示され、これに、貫通する第2の端開口3bを有する第2の端部2bが焼結される。第2の端部2bは、第1の端部2aと類似した形状を持つが、長さが短く、第1の端開口3aと比較して小さい第2の端開口3bを持つ。即ち、円形断面を持つ第2の端開口3bの直径は、第1の端開口3aの直径より小さい。従って、第1のフィードスルー4aと比較して類似した構成を持つと共に前記第2の端開口3b内に構成される第2のフィードスルー4bは、より小さい直径を持ち、より小さい第2の端開口3b内に嵌まる。第2のフィードスルー5bと第2の端部分2bとの間の間隙は、封止プロセスの後、部分的にしか充填されないので、第1の間隙7aの体積より大きい体積を有する第2の間隙7bが得られる。
【0104】
充填物8は放電空隙内に配置され、ここで、塩は、放電バーナの非対称性のため、主に第1の側1aに位置させられる。
【0105】
図1によるセラミックメタルハライドバーナの切り抜き図は、封止プロセスの後の状態にある。第1の間隙7aは第1のシーラント6aによって完全に充填され、これはこの場合、PtNbシーラントである。第2の間隙7bは、Al−Dy SiO−シーラントのような標準的なシーラントである第2のシーラント6bでは、完全には充填されない。第2の間隙7bは完全に封止されないものの、黒い点として示される充填物は、間隙を持たない第1の側1aに維持される。第1の間隙7aを完全に充填するためには、第1の封止プロセスが起こる前には充填物が放電容器内にないということが必要である。充填物がないときのみ、シーラントとしてPtNbを用いるために必要である長い封止時間及び高温が可能である。代替的に、Ar等の貴ガスが、最終的な充填物の代わりに用いられることができる。
【0106】
完全に充填された間隙を生成するプロセスは、非常に困難である。
【0107】
完全に充填された間隙を達成するための1つの可能な解決策が、図2に示される。
【0108】
図2は、セラミックメタルハライドバーナの第2の側1bの断面図の拡大切り抜き図を示す。切り抜き図は、放電容器の管状領域に接続されている管状の第2の端部2bを示す。第2の端部2bは、円形断面を持つ第2の貫通した端開口3bを持つ。第2の複数部分からなるフィードスルー5bは、放電空隙内及びバーナ外に延在する前記第2の端開口3bに構成される。第2のフィードスルー5bは、第2の電極ロッド9b及び第2の本体10bを有する。第2の電極ロッド9b及び第2の本体10bは、それらの中央線が並んだ状態で、隣接して構成される。第2の端部2bは、第2のフィードスルー5bの第2の本体10b及び第2の電極ロッド9bを部分的に囲む。第2の電極ロッド9bは、約250μmの直径を有する円形断面を持つ。第2の本体10bは、第2のフィードスルー5bの中央線に同心で並べられる2つの円筒状部分を有する。第1の円筒状部分は第2の本体10bの第2の内側部分11bであり、第2の円筒状部分は第2の本体10bの第2の外側部分12bである。第2の内側部分11bの直径は約250μmであり、第2の外側部分12bの直径は約500μmである。更に、第2のフィードスルー5bの第2の電極ロッド9bは、管形の第2のシーラント6bによって囲まれる。第2のシーラント6bの内径は、第2の電極ロッド9bの外径より僅かに大きく、このため、第2のシーラント6bは、第2のシーラント6bと第2の電極ロッド9bとの間の隙間が全くないか小さな隙間しかない状態で、第2の電極ロッド9bの周りを囲む。第2のシーラント6bの外径は、第2のフィードスルー5bの本体10bの第2の外側部分12bの外径とほぼ同じ大きさであるか、又は、これより小さいので、第2のシーラント6bは、第2の端開口3bに容易に嵌合する。第2のフィードスルー5bの第2の本体10bと第2の端部分2bとの間には第2の間隙7bが存在し、この第2の間隙7bは、約10〜20μmの幅を持つ環形断面を持つ。図2は、封止プロセスの前のバーナの状態を示す。封止プロセスの間、第2のシーラント6bは、融解して、その位置から第2の間隙7b内に流れ、従って、少なくとも部分的に第2の間隙7bを満たし、このため、封止プロセスの後の最小化された充填されていないの第2の間隙7b又は封止プロセスの後の最大化された充填された間隙7bが、得られる。
【0109】
封止プロセスの後に完全に充填された第2の間隙7bを達成するためには、封止プロセスの前の第2のシーラント6bの体積は、封止プロセスの前の充填されていない第2の間隙7bの体積より大きいか又はこれと等しくなければならない。第2の間隙7bが、第2のロッド電極9bに可能な限り近く充填されることは、重要である。従って、第2のシーラント6bは、封止プロセスの前に放電容器内に位置決めされる。融解すると、第2のシーラント6bは、毛管力によって、また、加熱によって引き起こされる放電容器内部の上昇圧力によって、第2の間隙7bに押し入れられる。従って、第2の間隙7bは、放電空隙に最も近い側から封止される。この封止の方法によって、第2の間隙7bは、まず、第2の電極ロッド9bにより近い端で満たされる。
【0110】
上述した全般的な構成は、少なくとも1つの部品の形状及び/又は少なくとも1つの部品の材料が、第2の側1bの形状及び/又は材料と異なるという例外はあるが、第1の側についても同様に有効である。
【0111】
図3は、第2の端開口3bを持つ第2の端部2bを有するセラミックメタルハライドバーナの第2の側1bの断面図の拡大切り抜き図を示す。本実施例において、円形断面を持つ第2の端開口3bは、約560μmの直径を持つ。第2の電極ロッド13b及び第2のフィードスルー5bの第2の本体10bは、前記第2の端開口3bに構成される。第2の本体10b及び第2の電極ロッド13bの両方は、約250μmの直径を有する円形断面を持つ。管形の第2のシーラント6bは、第2の本体12b及び第2の電極ロッド13bの周りを部分的に囲み、ここで、第2のシーラント6b自体は、第2の端部分2bによって周りを囲まれる、即ち、第2のシーラント6bは、第2のフィードスルー5bと第2の端部分2bとの間に挟まれるように構成される。環形の断面積を持つ第2のシーラント6bは、偏心した貫通した開口を持つ。この開口に、第2のフィードスルー5bは位置する。第2のシーラント6bの幅は、約95μm〜約155μmで変化する。
【0112】
図3の切り抜き図は、封止工程が完成する前の状態を示す。
【0113】
図3は、本発明によるバーナの第2の側1bを示すが、図3に記載される構成は、前記バーナの第1の側について一般に当てはめ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】セラミックメタルハライドバーナの2つの領域の断面図を示す。
【図2】セラミックメタルハライドバーナの第2の側の断面図の拡大切り抜き図を示す。
【図3】セラミックメタルハライドバーナフィードスルーの第2の側の断面図の拡大切り抜き図を示す。
【符号の説明】
【0115】
1a (バーナの)第1の側
1b (バーナの)第2の側
2a 第1の端部
2b 第2の端部
3a 第1の端開口
3b 第2の端開口
4a 第1の端閉止構造
4b 第2の端閉止構造
5a 第1のフィードスルー
5b 第2のフィードスルー
6a 第1のシーラント
6b 第2のシーラント
7a 第1の間隙
7b 第2の間隙
8 充填物
9b 第2の電極ロッド
10b 第2の本体
11b 第2の内側部分
12b 第2の外側部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック放電容器を備えたメタルハライドバーナであって、
−それぞれが1つの端開口を持つ2つの端部を備えた、充填物を収容するための1つの放電容器と、
−充填物と、
−前記端開口を閉止するための幾つかの部品を持つ第1の及び第2の端閉止構造と、
−前記端開口と前記端閉止構造との間の第1の及び第2の間隙と、
を備え、
−前記第1の端閉止構造は、前記第2の端閉止構造とは、少なくとも、形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、部品の材料の種類及び/又は部品の配置において異なり、及び/又は、
−前記第1の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積は、前記第2の間隙の形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積とは異なり、及び/又は、
−前記第1の端部は、前記第2の端部とは、形状、直径、長さ、外周、断面積、表面積、体積、1つの部品の材料の種類及び/又は部品の配置において異なり、
−このため非対称なセラミックメタルハライドバーナが達成される、
セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項2】
請求項1に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、それぞれが少なくとも充填されていない部分及び充填された部分を持つ前記第1の及び第2の間隙は、
−封止プロセスの後、前記放電空隙に通じる前記第1の間隙の前記充填されていない部分の体積は、前記第2の間隙の対応する前記充填されていない部分の体積より小さく、及び/又は、
−前記第1の間隙の前記充填されていない部分の断面積は、前記第2の間隙の前記充填されていない部分の対応する断面積より小さく、及び/又は、
−前記封止プロセスの後、前記第1の間隙の前記充填されていない部分の長さは、前記第2の間隙の前記対応する前記非充填の部分の長さより短い、
点で異なる、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、第1の及び第2のシーラントは、前記封止プロセスの後、前記第1の間隙内に位置する前記第1のシーラントの位置が、前記第2の間隙内の前記第2のシーラントの位置と比較して、前記第1の端開口の前記第1の内側端開口のより近くに構成される、点で異なり、前記第1のシーラントと前記第1の内側端開口との間の距離は、好適には0mm〜2.5mmであり、より好適には0.5mm〜2.0mmであり、最も好適には0.7mm〜1.5mmである、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、前記第1の及び第2のシーラントは、
−前記第1のシーラントが、金属又は合金を含む群から選択される材料からなり、及び/又は、
−前記第2のシーラントが、既知のシーリングフリットの材料、前記既知のシーリングフリットより高い含量のAl粉を有するシーラントフリットの材料、Al−Dy−SiOを含む群から選択される材料からなり、及び/又は、
−前記封止プロセスの後における前記第1の間隙の前記充填された部分内の前記第1のシーラントの充填レベルが、前記第2の間隙の前記充填された部分内の前記第2のシーラントの充填レベルより大きい、
点で異なる、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、第1の及び第2のフィードスルーは、
−前記フィードスルーのうちの一方は、前記フィードスルーのうちの他方よりも多くの部品で構成され、好適には、前記フィードスルーのうちの1つは、少なくとも2つ、より好適には3つ、最も好ましくは4つの部品を有し、及び/又は、
−前記フィードスルーのうちの一方の最大断面積は、前記フィードスルーのうちの他方の最大断面積より大きく、及び/又は、
−前記フィードスルーのうちの一方のロッド及び/又は電極の長さは、前記フィードスルーのうちの他方のロッド及び/又は電極の長さより短い、
点で異なる、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、前記放電容器は、前記第1の及び第2の端部が、
−非対称な放電容器が得られるように、前記端部のうちの一方の前記長さが、前記端部のうちの他方の前記長さより大きい点で異なる
ように構成される、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、前記端部のうちの少なくとも一方及び/又は前記フィードスルーのうちの少なくとも一方は、前記空隙内まで延在する凹部を持ち、当該凹部は、対応するシーラントで少なくとも部分的に充填可能である、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナにおいて、当該バーナは、好適には5W以上250W以下、より好適には8W以上70W以下、最も好適には10W以上35W以下のパワーで動作可能であり、及び/又は、当該バーナは、室温で、好適には1bar以上40bar以下、より好適には5bar以上30bar以下、最も好適には8bar以上25bar以下の放電容器内圧力で満たされる、セラミックメタルハライドバーナ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナを製造する方法であって、
i)少なくとも1つのシーラントを、前記放電容器に、少なくとも1つの端部の凹部に、及び/又は前記放電容器内に通じる少なくとも1つのフィードスルーの凹部に、配置するステップと、
ii)前記端部を前記放電容器に焼結するステップと、
iii)前記第1の端閉止構造を前記第1の端開口に対して封止することにより前記第1の端部分を閉止するステップと、
iv)少なくとも1つの端開口を通じて前記放電容器をイオン化充填物で充填するステップと、
v)前記第2のフィードスルーを前記第2の端開口に配置することによって前記第2の端開口を閉止して、前記第2のフィードスルーを前記第2の端部分に第2のシーラントで気密に接続して、気密セラミックメタルハライドバーナが得られるようにするステップと、
を有する方法。
【請求項10】
照明目的のランプ、特に、ヘッドランプ、及び/又は、店用照明、家用照明、アクセント照明、スポット照明、シアター照明、コンシューマTVアプリケーション、ファイバーオプティクスアプリケーション及びプロジェクションシステムのアプリケーションのうちの1つにおける使用のためのランプであって、少なくとも1つの請求項1乃至9の何れか1項に記載のセラミックメタルハライドバーナを有するランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−521620(P2007−521620A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534883(P2006−534883)
【出願日】平成16年10月11日(2004.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052041
【国際公開番号】WO2005/038858
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】