関節固定を確実に行う関節内の移植骨片の固定インプラントとその導入法
【課題】 関節内部における移植骨片のため、関節の関節固定を確実にするための固定インプラントを提供する。
【解決手段】 関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための固定インプラントに関し、関節の関節固定を確実にするためのものであり、前記固定インプラント7は、骨に固着するための少なくとも2つのアンカー部材、及び、移植骨片のための固定化手段11を有し、前記アンカー部材は、関節の外側を延長する少なくとも1つの連結部材10によって、互いに連結され、固定化手段11は、アンカー部材8と共働して、関節の骨に関する移植骨片の遮断、及び、移植骨片に関する関節の骨の遮断を確実にするように、アンカー部材8の間に配置され、かつ前記連結部材10に連結されていることを特徴とする。
【解決手段】 関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための固定インプラントに関し、関節の関節固定を確実にするためのものであり、前記固定インプラント7は、骨に固着するための少なくとも2つのアンカー部材、及び、移植骨片のための固定化手段11を有し、前記アンカー部材は、関節の外側を延長する少なくとも1つの連結部材10によって、互いに連結され、固定化手段11は、アンカー部材8と共働して、関節の骨に関する移植骨片の遮断、及び、移植骨片に関する関節の骨の遮断を確実にするように、アンカー部材8の間に配置され、かつ前記連結部材10に連結されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科的固定インプラントの一般的な技術分野に関し、特に、関節固定(arthrodesis)を達成するために使用することを意図する固定インプラントの技術分野に関し、さらに詳しくは、関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための固定インプラントに関し、関節の関節固定を確実にするためのものである。
【背景技術】
【0002】
発明に係る固定インプラントは、関節の関節固定を達成するように、特に設計されている。前記関節は、特に、足首の関節であるが、限定されない。
【0003】
本発明は、本発明に係る固定インプラントの据え付け(emplacement)のための外科的方法にも、関する。
【0004】
関節固定は、外科的介入であり、「骨融合(bone fusion)」を引き起こすことによって、関節の動揺をほぼ完全に抑制することを目的とする。このような外科的介入は、患者が、ひどく重くかつ最終的な関節症(final arthrosis)を煩っているケースや、関節を形成する骨の軟骨が、非常に損傷しているケースにおいて、必要であることを証明することが可能である。
【0005】
このような介入を実施するために、我々は、関節の損傷している軟骨の表面を切除し、加圧によって、関節を形成している骨における相対している骨表面と接触させることで、骨接合(osteosynthesis)を可能とすることを、承知している。
【0006】
しかし、このような方法は、関係する肢節(limb)の短縮を導く可能性があり、これは、美的観点だけでなく、これが導く合併症(例えば、過度の跛行)のためにも、全く明らかに望ましくない。
【0007】
これらの不利な点を緩和するために、我々は、関節を形成している骨の両端における骨片を除外することによって、関節スペースの両側にハウジングを配置することを、承知している。当該ハウジングは、好ましくは円筒状であり、移植骨片によって充填されており、例えば、同一の患者から、例えば、腸骨稜から採取された骨の略円筒状コア試料である。
【0008】
したがって、この処置は、劣化した軟骨表面を処理し、問題となっている肢節の短縮なしに、損傷した骨の端部と、健康な移植骨片を交換することを、可能とする。そして、移植骨片は、一方の移植骨片と他方の骨との間における骨接合を可能とする目的を有し、関節を形成している骨に関して固定され、したがって、関節の関節固定を確実にする。
【0009】
多様な固定インプラントが、移植骨片と関節の関節固定との固定を確実にするために、使用可能である。したがって、第1骨と第2骨の間における関節のケースにおいては、シュタインマンピンが、通常、使用される。シュタインマンピンは、関節の第1骨、移植骨片及び関節の第2骨を、連続して交差するのに十分な長さを有する長尺のピン形状を呈する。このような固定インプラントは、関節の固定化に関する限り、有意な結果を得ることを可能とするが、しかし、無視し得ない不利な点に悩まされている。
【0010】
第1において、これらの固定インプラントは、据え付けのために、付加的な切開を必要とする。当該切開は、移植骨片を収容するために設計されたハウジングに配置する目的のため、既に形成された切開に、加えられる。この付加的な切開は、感染、及び手術あるいは術後の合併症のリスクを、大幅に増加させる効果を有する。
【0011】
加えて、シュタインマンピン固定インプラントは、関節の効果的なメンテナンスを確実にするために、関節スペースに関して斜めあるいは垂直に延長するように、一般的に配置される必要がある。特定の関節、例えば、足首の関節の場合、インプラントのこのような配位(orientation)は、リスクがあるため望ましくない。それは、患者の管理の際、特に、歩行の際、固定インプラントが、踵骨の足底の皮質(cortex)と交差し、足底の面(facies)の外側に、突出する可能性があるためである。
【0012】
さらに、固定インプラントの位置決めが不十分である場合、足底の面の軟組織の損傷を、導く可能性もある。一方、シュタインマンピンのような固定インプラントは、関節が小さい寸法の骨を伴う場合、位置決めが困難であることを証明することが可能である。したがって、インプラントの配位が不正確である場合、移植骨片が維持されず、設置されたインプラントが、実際上効果を有しないことが起こり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明に与えられる目的は、これまでに列挙された、さまざまな不利な点を治すこと、及び、関節の関節固定を確実にするために、関節スペースの両方の側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための新規な固定インプラントを提案することを意図し、一方で皮質(cortex)に対し、他方で関節を形成している骨の近傍における軟組織に対し、損傷のリスクを冒すことなく、特に、関節の効果的かつ安定したメンテナンスを、簡単な方法で、確実とすることを可能とする。
【0014】
本発明の別の目的は、破片化移植片及び/又は亀裂のある移植片の固定化に特に適した、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0015】
本発明の別の目的は、特に、足首の関節の場合における歩行の際に、関節に発揮される機械的ストレスに、効果的に耐えるように適合された、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0016】
本発明の別の目的は、その据え付けのために付加的な切開を必要としない、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0017】
本発明の別の目的は、既知のインプラントより低侵入性(less intrusive)である、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0018】
本発明の別の目的は、関節の解剖に適合している構造及び形状を呈する、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0019】
本発明の別の目的は、関節の堅実(solid)かつ快適なメンテナンスを可能とする、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0020】
本発明の別の目的は、その取り扱いが容易であり、手術のエラー削減を可能とする、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に与えられる目的は、関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のため、関節の関節固定を確実とするための固定インプラントによって、達成される。前記固定インプラントは、骨に導入するための少なくとも2つのアンカー部材、及び、移植骨片のための固定手段を有し、
前記アンカー部材は、基端部及び先端部を有し、前記先端部は、骨に導入するために適合されており、前記アンカー部材は、関節の外側を延長する少なくとも一つの連結部材によって、互いに連結されており、
前記固定手段は、前記アンカー部材と協同して、関節の骨に関する移植骨片の遮断、及び、移植骨片に関する関節の骨の遮断を確実にするように、前記アンカー部材の間に配置され、かつ前記連結部材に連結されており、前記固定手段は、プレートによって形成されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、固定インプラントを、関節スペースの両方の側に位置する骨の間に配置し、皮質や、関節を形成している骨の近傍における軟組織に損傷のリスクを冒すことなく、簡単で確実に関節の固定をする。しかも、効果的でかつ安定した関節のメンテナンスが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の他の特別な特徴及び効果は、以下に示される記述の理解、及び、単なる一例であり、非限定的に提供される添付の図面によって、さらに詳細に示される。
【0024】
図1と図7は、足首の関節を固定する2つの手術法を示す。
【0025】
関節の固定は、関節が、例えば人工器官を設置するような、他の簡単な外科手術の調整では効果がなく、崩壊した状態において必要になる。この場合には、完全に関節を固定することが必要になる。本発明は、足首の関節の場合が示すが、人間又は動物の体の関節の全てのタイプに適用できるものである。
【0026】
損傷した関節は、関節の隙間を区切る骨の軟骨組織の状態によって特徴づけられる。深刻な関節の場合、この軟骨は、著しく摺り減り、関節の痛み又は炎症を引き起こす可能性がある。
【0027】
図1と図7は、少なくとも2つの骨、すなわち、関節の隙間4の両側に位置する第1骨2と第2骨3から形成される関節1を表す。しかし、関節1は、例えば第1骨2と第2骨3の間に位置する第3骨があることが全く明らかであれば、これは本発明の構造組織を逸脱するものではない。
【0028】
様々な関節固定術が考えられるが、本発明に係る固定インプラントは、関節の隙間4の両側に位置する骨2と3の間に配置される移植骨片5によって関節固定用として特に構成されている。
【0029】
第1の方法は、既知であるが、関節の隙間4を区切っている骨2,3の端部2A、3Aに、例えば、円筒状のハウジング6を置くことでなされる。
【0030】
この第1の方法によれば、ハウジング6に含まれる骨破片が抽出されるが、骨コア試料は、患者の体の他の部分(例えば腸骨稜)から取得され、ハウジング6内にそれを導入するために前記骨破片は一度取り出される。
【0031】
この骨コア試料は、ハウジング6の内部に設置した後、ほぼ固体、すなわち、中空でもなく分裂もしていない移植骨片5が、移植骨片5と骨2,3の間の骨接合術を確実にするために骨2,3と関連して固定される。特に、骨接合術は、移植骨片5の出血する外側の骨表面5Aと、骨2,3の切断部6Aの表面又は骨との間で達成される。本発明の目的のために、移植骨片5の出血する外側の骨表面5Aは、移植骨片5が取り除かれた表面に対応する。円筒状のコア試料の場合、出血する外側の骨表面5Aは、コア試料の横の表面に対応する。切断部6Aの表面は、本発明の目的のために、ハウジング6の内壁6Iにほぼ一致する。
【0032】
この方法の変形例は、出願人によって発明された。上述の方法のように、出願人の発明方法は、好ましくは、円筒状のハウジング6を関節の隙間4の両側に収納する。他方、ハウジング6の内容物は、外へ取り出されない、すなわち、関節の隙間4の両側に位置する骨2,3の端部からそれぞれ取り除かれる骨破片2’,3’の切り出しはない。骨破片2’,3’は、ハウジング6内で並列し、また、例えば関節の隙間4から生成した隙間Iにより分離され、それから、移植骨片5を構成する。関節の擦り切れた軟骨の表面は、骨破片2’と3’を分ける隙間Iの両側で、かつ移植骨片5の中心に位置される。
【0033】
それから、出願人の方法は、それ自体を旋回させることにより、例えば、図7に示される回転Rの方向に4分の1回転させることにより、ハウジング6内で骨破片2’,3’から形成された移植骨片5を移動させる。この方法では、第1の骨破片2’の出血する外側の骨表面2’Aは、第2の骨3や骨の切断部3Sの表面に面して置かれる。同様に、第2の骨破片3’の出血する外側の骨表面3’Aは、第1骨2の切断部2Sの表面に面して置かれる。これは、このようにして骨2,3と骨破片2’、3’のそれぞれの骨接合術を可能となり、より概念的には、骨2,3と移植骨片5の骨接合術が可能となる。
【0034】
本発明の目的のために、「移植骨片(bone graft)」の表現は、骨の移植、すなわち関節1から離れて位置される体の部分から得られ、ハウジング6の内部に導入される骨の片、好ましくは一片を意味するか、あるいはハウジング6内の回転Rのような変位を受ける、ハウジング6構成中に関節1内から切り出される骨破片2’,3’のアセンブリを意味するかのいずれかである。したがって、移植骨片5は、一片の骨破片かハウジング6内の並列された複数の骨破片により形成され、全体的に単体を構成する。
【0035】
図3〜6は、図1に示される一片の移植骨片5の固定に使われるように、特に構成された固定インプラント7の種々の現実的変形例を示す。
【0036】
図9〜14は、図7に示される骨破片2’,3’により形成された移植骨片5の固定を確実にするために使われる、特に構成された固定インプラント7の現実的な他の変形例を示す。
【0037】
本発明によれば、固定インプラント7は、骨2,3に導入されるために設計された少なくとも2つのアンカー部材8を備えている。好ましくは、固定インプラント7は、骨2,3を備えている関節と同数のアンカー部材8を備えている。このように、関節1が2つの骨2,3から形成される場合、図3,4及び9に示されるように、固定インプラントは、好ましくは2つのアンカー部材8を備える。しかしながら、同じ骨のためのいくつかのアンカー部材を有する固定インプラントを備えることは、本発明の構成を逸脱しないことは明らかである。
【0038】
各々のアンカー部材8は、好ましくは、基端部8Aと先端部8Bの間で伸延する。加えて、先端部8Bは、骨2と3に導入されるために適応して、その端部が好ましくはテーパを付けられ、又は尖っている。この技術的手段により、各々のアンカー部材8は自己穿孔性の特徴を示し、骨の中へアンカー部材8を進入させることが可能となる。
【0039】
アンカー部材8は、少なくとも1つの連結部材10を介して互いに連結されることが最も好ましい。図2,8に示すように、連結部材10は、関節1の外側を伸延して関節の隙間4に重なり、したがって、アンカー部材8の間に、結果として骨2と3の間に、基本的に剛体の接続橋を形成する。この連結部材10は、このように固定インプラント7に、関節1が受けるさまざまな機械的応力に対してより耐えることが可能な構造上の剛性を与える。関節1と軟組織(図示せず)との間にその機能的位置で配置されている連結部材10は、好ましくは、周囲の軟組織に対して基本的に非侵入性の特徴を与える丸い端部を有している。
【0040】
好ましくは、アンカー部材8は、骨組織への進入を容易にする方法で、先端部8Bが実質的にテーパを付けられたアンカーアーム9から形成される。
【0041】
最も好ましくは、アンカー部材8、特にアンカーアーム9は、関節の隙間4と基本的に平行して伸延し、基本的に連結部材10に対して垂直である。固定インプラント7は、このとき最も好ましくはU字形状を有し、U字のアームは、アンカーアーム9から形成され、U字の基部は、連結部材10から形成される。
【0042】
しかし、アンカーアーム9が斜めに伸延し、連結部材10に対して垂直ではなく互いに近づくような方法で伸延する固定インプラントを構成することも明らかに考えられる。このようなアンカーアーム9は、最も好ましくは、骨2,3の互いに対する有効圧縮を確実にするために、縮み、そして骨2,3へ一度導入されて互いに近づくように、形状記憶材料から構成することができる。
【0043】
本発明によれば、固定インプラント7は、アンカー部材8の間に配置され、アンカー部材8と共働して、関節1の骨2,3に対する移植骨片5、そして逆の連結を確実にするような方法として連結部材10へ接続される移植骨片5の固定手段を有している。
【0044】
「共働して(in cooperation)」の表現は、固定化手段11が、一方ではアンカー部材8に対して、他方では関節1の骨2,3に対して、移植骨片5を固定するために、アンカー部材8と共に役割を果たすことを意味する。最も好ましくは、固定化手段11は、関節の隙間4とほぼ平行に長手方向X−X’に伸延し、基本的に関節の隙間に対して垂直又は斜めに伸延するステインマンピン(Steinman pins)のような従来技術の手段とは異なる。
【0045】
固定化手段11は、もちろん、移植骨片の安定かつ確かな固定を確実にするために適応された形状及び寸法を有する。ここにおいて、固定化手段は、移植骨片と関連するインプラントの単なる位置決めの指標ではなく、むしろ移植骨片にインプラントを機械的に埋め込むための手段である。
【0046】
固定化手段11は、明確に区別され、移植骨片に対し外来的であり、移植骨片との共働のために適応される。したがって、固定化手段11は、本発明の目的のために、直接的にかつそれ自体で、成長、骨又は組織の再生のための基材を形成しないが、むしろ移植骨片を連結するために、移植骨片と機械的に相互作用するユニットを形成する。
【0047】
したがって、固定化手段11は、最も好ましくは、連結部材10に接続される基部11Aと、基部11Aから反対側に配置された先端部11Bとの間に、長手方向のX−X’方向に伸延する。固定化手段11は、このように連結部材10に垂直に配置される。
【0048】
好ましくは、アンカーアーム9は、固定化手段11の長手方向の伸延方向X−X’に基本的に平行で、長手方向に伸延する。加えて、アンカーアーム9は、最も好ましくは、それらの長さに沿って、骨2,3の中への進入が容易になるように、基端部8Aと先端部8Bの間で減少するさまざまな厚さを有している。
【0049】
図3に示すように、アンカーアーム9は、固定化手段11と同じ長さを好ましくは有している。しかし、異なる長さのアンカーアーム9を構成することは、極めて明らかに考えられる。したがって、固定化手段11よりかなり長いアンカーアーム9を備えた固定インプラント7を構成することが考えられる(図4)。
【0050】
最も有利には、固定化手段11は、移植骨片5内部への導入のためのユニット12を有している。したがって、導入ユニット12は、単一の骨片から形成された一体型の移植骨片5の内部(図2)、あるいは移植骨片5内部で骨片2’,3’に分離している隙間Iの中(図7及び8)のいずれかに貫通するように適合されている。このため、導入ユニット12を形成している固定化手段11の先端部11Bは、好ましくは、点形状に形成されるか、又はテーパが付けられる。
【0051】
移植骨片5の効果的なメンテナンスを保証し、骨2及び3との骨接合を可能にするために、固定化手段11は、最も有利には、固定インプラント7まわりの移植骨片5の回転(及びその逆の移植骨片5まわりの固定インプラント7の回転もまた同じ)を防止するために適合された回転防止手段13を有している。
【0052】
図3に示されるように、回転防止手段13は、最も有利には、固定化手段11に沿って設けられた少なくとも1つの平坦部分14から形成されている。こうして、固定化手段11は、平坦部分14を形成する少なくとも1つの本質的に平坦な外面を有する趣旨の形状で提供され得る。
【0053】
本発明によれば、図3,6,9〜14に示すように、固定化手段11は、少なくとも1つのプレート35、すなわち2次元の部材から形成される。ここでは、「2次元の部材」によって平坦にされた形状の部材が示されており、その厚さは、長さ及び幅と比較して僅かである。換言すれば、そのような固定化手段11は、ブレード形状を提供し、空間の2方向に主として広がっており、後で詳細に説明されるねじ15のように本質的に空間の単一方向に伸延するものではない。
【0054】
本発明の目的のために、プレート35は、図9〜14の変形例におけるように比較的広げられた形を提供でき、あるいは図3の変形例におけるように細長い形を提供できる。
【0055】
プレート35から形成される固定化手段11の実施は、移植骨片5の優れたメンテナンスを可能にし、特に、亀裂が生じ、分割され、あるいはいくつかの小片にこわされた移植片の使用さえも許容する。この場合、プレート形状の固定化手段11の実施は、実際、十分に強固で安定した小片の相対的なブロッキングを保証し、関節が受ける(特に関節が足首の関節である場合の患者の体の重みがかかる)負荷に耐えることができる。
【0056】
プレート35は、本質的に一様に一定である厚さを有することができる。移植片がいくつかの小片から形成される場合において、プレートの寸法、特にその厚さは、プレートが小片をブロックするのに十分な体積を占めるように、小片間の自由空間の関数として好ましくは選択される。
【0057】
しかし、プレート35は、各々本質的に一定で他の断面の厚さと異なる厚さを示すいくつかの断面から成り立ち得る。この場合、各々の断面間の連結は、鋭くされて、例えば肩すなわち「段」の形状で提供されることができる。
【0058】
また、図3,9〜13に示され、及び後でさらに詳細に説明される好ましい実現の変形例において、プレート35は、「楔状の」テーパの付いた形状、すなわち、長手方向に、当該プレートの少なくとも一部分にわたって、先端部11Bから基端部11Aの方に、厚さが次第に増加する形状を示していることがわかる。
【0059】
この場合、以下にさらに詳細に説明されるが、固定化手段は、圧縮ユニット30を形成、あるいは圧縮ユニット30から形成される。
【0060】
図4に示される本発明の実現の変形例によれば、固定化手段11は、しかしながら、好ましくは自己ドリリング及び自己ねじ切りのねじ15から形成され、このために、長手方向X−X’に本質的に軸方向に延びる少なくとも1つの歯17Aから形成される準備手段17を備えていてもよい。
【0061】
最も有利には、ねじ15は、また、移植骨片5の内部にねじ止めする間、余分の骨物質の漸進的な排出を可能にするように、その丈に沿って配置される溝18を有している。
【0062】
本発明の第1実施形態によれば、図4に示されるように、固定化手段11、例えばねじ15は、連結部材10上に着脱可能に取り付けられる。このため、連結部材10は、最も有利には、貫通孔19が備えられており、この貫通孔19は、好ましくは、連結部材10の略中央に備えられて、固定化手段11を受け入れるのに適合している。このように、ねじ15は、最も有利には、基端部15Bの方に、当接部を形成するとともに貫通孔19の内部に備えられる肩部21を支持するように設計された頭部20を有している。
【0063】
図3,9及び10に示される本発明の実現の他の変形例によれば、固定化手段11は、最も有利には、連結部材10と永久に合体され、例えば連結部材10と一体に作られ、こうして一体的な全体を形成している。
【0064】
好ましくは、そして図3及び4に示されるように、アンカー手段8は、横に相隔たった2つのアンカーアーム9から形成されており、アンカーアーム9は、連結部材10の両側にお互いに平行に配置される。アンカーアーム9は、好ましくは連結部材10と一体に作られる。しかし、アンカーアーム9は、極めて明らかには、連結部材10と異なった部分から形成されることができ、例えば固定ねじによって連結部材10と合体される(変形例は図示せず)。特に有利には、アンカーアーム9は、好ましくは同一であり固定化手段11の両側に対称的に配置される。
【0065】
加えて、固定化手段11は、最も有利には、連結部材10に対して垂直に伸延するように、横のアンカーアーム9と略平行な中央アームから形成されている。
【0066】
さらにもっと好ましくは、アンカーアーム9と固定化手段11とは一体に作られており、こうして一体型の固定インプラント7を形成している。このような固定インプラントは、関節が受ける機械的ストレスに特によく耐える。
【0067】
最も有利には、図3,4,9及び10に示されるように、アンカーアーム9には、移植骨片5の中への導入方向Sと反対の方向S’への固定インプラント7の移動を防止するように特に設計された逆ロック手段16が備えられている。最も有利には、逆ロック手段16は、アンカーアーム9の外面から突出する少なくとも1つの突起部22から形成されている。さらにもっと好ましくは、逆ロック手段16は、長手方向X−X’においてアンカーアーム9に沿って配置された複数の突起部22から形成されている。
【0068】
アンカーアーム9は、最も有利には、固定化手段11に本質的に対向して位置され逆ロック手段16が配置される内面9Aを有している。したがって、内面9Aは、ノッチが付けられた外観を呈している。各突起22は、1つのノッチを形成しており、骨組織中へのアンカーアーム9の導入を促進するように設計された傾斜面22Aと、固定インプラント7が一旦関節1内に置かれたら固定インプラント7の導入方向Sにおいて当該固定インプラント7の係合が解除されるのを防止するための、長手方向X−X’に略垂直な水平面22Bとを提供している。
【0069】
本発明の特に有利な特徴によれば、固定化手段11は、移植骨片5を支持し、移植骨片5が関節1の骨2及び3を少なくとも部分的に支持するのに十分な圧力を移植骨片5上に働かせるのに適合された圧縮ユニット30から形成されており、移植骨片5と骨2及び3との間の骨接合を促進するようになっている。
【0070】
移植骨片がハウジング6の内部に配置された好ましくは一体型の骨小片5’の単一の小片から形成された図5に示される形状の場合、圧縮ユニット30は、ハウジング6の内壁6Iに対して圧縮方向Fに骨小片5’を押圧するように、少なくとも骨小片5’の外面5’Aの部分を支持するように適合されている。
【0071】
このため、前述したように、圧縮ユニット30は、好ましくは、プレート35から形成されており、その表面の一方が骨小片5’の外面5’Aと接触することになる。骨小片5’は、最も有利には、ハウジング6の全てを占めているというわけではない半円柱のブロックの形で提供されることができ、プレート35が支持可能な外面5’Aの略平坦部を提供している。
【0072】
図7及び8に示される方法によれば、移植骨片5は、隙間Iによって分離された少なくとも2つの骨小片2’,3’を有している。そして、圧縮ユニット30は、小さいクリアランスを伴って隙間Iの内部に導入されて、骨小片2’,3’上において矢印F’にしたがって外側に向かう、つまり半径方向の圧縮を引き起こすように適合されており、骨小片2’,3’をハウジング6の内壁6Iに対して押し戻し、これによって移植骨片5の膨張と、ハウジング6内、もっと一般的には関節1内における移植骨片5のブロッキングとを保証するようにしている。
【0073】
本発明の有利な特徴によれば、圧縮ユニット30が斬新な拡張手段32を備えているため、隙間Iへの圧縮ユニット30の導入が促進され、骨破片2',3’が確実に圧縮される。図10に示すように、拡張手段32は、厚さが可変である圧縮ユニット30の断面33に形成されることが最も好ましい。断面33は、連結部材10の取り付け側に位置する近接限界33Aと、その反対側に位置する離隔限界33Bとの間において、圧縮ユニット30の導入方向Sに延伸する。断面33の厚さは、骨破片2’,3’が確実に拡張されるように、離隔限界33Bと近接限界33Aとの間で、連続的に増加することが最も好ましい。
【0074】
しかしながら、断面33の厚さは、本発明の概念から逸脱しない限りにおいて、ほぼ一定であったり、あるいは、段階的に変更されてもよい。
【0075】
より詳細には、圧縮ユニット30は、移植骨片5の内部へ容易に導入されるように、テーパが付された末端部分を有する。末端部分は、拡張手段32に形成されることが最も好ましい。さらに、圧縮ユニット30は、断面33と厚さが一致する末端部分よりも、厚い近接部3,4を有してもよい。さらに、近接部3,4の厚さは、関節1を備えた患者の手足に、長さの不足が生じないように、隙間Iの幅、すなわち関節の隙間4の幅と等しいことが好ましい。
【0076】
圧縮ユニット30は、くさび状を呈するように、多面的で平らな形態に、プレート35に形成されることが好ましい。プレート35は、骨破片2’,3’が確実に圧縮するとともに効果的に拡張するように、形状記憶型の材料から形成され、隙間Iの内部に導入された後に、拡大するように設計されることが最も好ましい。より好ましくは、プレート35は、2つの表面35Aと35Bとを有し、少なくとも表面35Aの表面には溝が形成される。
【0077】
図10に示される第1の変形例に見られるように、溝36は、圧縮ユニット30の長手方向であるX−X’方向と、ほぼ平行な方向に延伸するように形成されることが最も好ましい。このような形状に形成されることによって、上述した圧縮効果がより一層発揮され得る。
【0078】
図9に示される他の変形例に見られるように、溝36は、圧縮ユニット30の長手方向であるX−X’方向とほぼ垂直な方向に延伸するように形成されてもよい。溝36がこのような形状に形成されることによって、移植片が移植骨片5の内部に導入された後に、移植片が引き出されるのを防止するロック手段として溝36が機能する利点がある。
【0079】
図10に示される代替的な変形例に見られるように、プレート35に形成される固定化手段11あるいは圧縮手段30は、主に拡張平面P内に延伸し、アンカーアーム9は、同じ拡張平面P内に取り付けられることが好ましい。
【0080】
本発明の有利な特徴によれば、固定インプラント7は、少なくとも1つの溝が形成された把持手段40を有する。より好ましくは、固定インプラント7は、固定インプラント7の両側に配置される2つの溝41が形成された把持手段40を有する。また、上述した2つの溝41は、連結部材10と固定化手段11との間に形成されることが一層好ましい。
【0081】
あるいは、図14に示すように、把持手段40は、好ましくは、固定化手段11と接続手段10との接合部に近接する範囲内において、移植片の厚さに適合する穴41Aに形成される。この穴41Aは、ロッド形状を呈する抽出器具、特に、骨から移植片が除去される必要が生じた際に当該移植片に対してレバーアームとしての機能を発揮する抽出器具の導入を可能とするものである。
【0082】
より詳細な実施形態において、さらに独自の発明が構成される。すなわち、圧縮ユニット30は、例えば、連結部材10を介してアンカー部材8に接続されない独立した部材となり得る。
【0083】
そして、固定インプラント7には、圧縮ユニット30だけが形成され、アンカー部材8は形成されない。
【0084】
図11〜13に示されるように、上述した全ての特徴を有する圧縮ユニット30は、アンカー部材8から独立して、移植骨片5の内部に導入されるように設計され得る。これにより、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’のそれぞれが、骨2及び3に取り付けられるにあたって、圧縮ユニット30が、例えば定着ねじのような、独立した固定手段として適用されることが可能となる。
【0085】
この場合には、圧縮ユニット30は、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’をハウジング6の内壁61に押圧するように、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’を支持し、さらに、移植骨片5を関節1の内部に確実に詰める。
【0086】
いかなる実施形態においても、新たな外科的介入が伴わないように、固定インプラント7、アンカー部材8、固定化手段11、あるいは圧縮ユニット30は、吸収性生体材料から形成されることが最も好ましい。
【0087】
図1〜13を参照して、固定インプラント7の外科的な取り付け方法について以下に述べる。
【0088】
本発明によれば、上記の外科的方法は、実質的に、ハウジング内部への移植骨片5の取り付け、あるいは位置決めのステップと、上述した固定インプラント7を用いた移植骨片5の固定ステップとを有している。
【0089】
この固定ステップは、関節を形成するために、骨片1及び3を固定する第1ステップa)を有する。この第1ステップa)において、関節1における骨片2,3のそれぞれの内部に、アンカー部材8が導入されるように、適当な衝撃手段が用いられることによって、1つあるいはそれ以上の衝撃が、例えば移植片や、例えば連結部材10あるいはアンカー部材8の一方に加えられる。そして、骨2と骨3とは、連結部材10を介して互いに結合される。
【0090】
外科的方法は、関節を形成する骨2と骨3に、移植骨片5を詰めるためのステップb)を有する。特に、固定化手段11が、アンカー部材8の一部ではない場合に、ステップb)は、ステップa)と同時に、あるいは、ステップa)と実質的に同時に実行され得る。固定化手段11が独立した部材である場合には、1あるいはそれ以上の衝撃が固定化手段11の近接部11Aに加えられることによって、移植骨片5の内部に、固定化手段11が導入され得る。この方法は、例えば、固定手段がくさび状を呈するプラスチック板35から形成されている場合に、適している。一方、固定化手段11が、ねじ15から形成されている場合には、ステップb)において、貫通孔19の内部にねじ15が導入され、当該導入後において、ねじ15が移植骨片5の内部(例えば、1つの骨小片5’の内部)に締結される。
【0091】
固定化手段11がアンカー部材8の一部である場合には、衝撃が加えられる状況下において、アンカー部材8が、骨2及び骨3の内部に導入されるのとほぼ同時に、固定化手段11は、移植骨片5の内部に導入される。
【0092】
本発明によれば、外科的方法は、関節の隙間4の両側に配置されるハウジング6の内部で、移植骨片5が圧縮されるステップc)を、さらに有することが好ましい。
【0093】
最も好ましくは、ステップa)とステップb)とステップc)とは同時に実行されることである。
【0094】
特に、移植骨片5が少なくとも骨破片2’,3’の2つから形成される場合、ステップc)では、骨破片2’,3’をハウジング6の内壁61へ向けて押し戻すために、骨片2’,3’に、外側へ向かう放射状あるいは遠心性の圧縮が、矢印F’方向に加えられる。この結果、移植骨片5と同様に、骨破片2’,3’は、一方ではハウジングの内部に、他方では関節1の内部に、確実に詰められる。
【0095】
上記のステップは、上述したステップa)及びb)とは、独立して実行され得て、それ自体、独自に発明を構成するものである。このステップにおいて、前記固定ユニット30が、アンカー部材8から独立しているか、アンカー部材8の一部であるかに関わらず、固定ユニット30は、固定インプラント7が形成されるために、骨破片2’と骨破片3’との間の隙間Iに、導入されることが好ましい。
【0096】
本発明によれば、固定インプラント7は、一時的あるいは永久的に、関節1と、前記関節1の内部の移植骨片5とを、確実に支持することが出来る。これにより、移植骨片5と、骨2及び3のそれぞれとの骨接合が、容易となる。
【0097】
さらに、本発明の固定インプラント7の他の利点は、単純な衝撃手段が用いられることによって、切開などを要することなく、容易に取り付けられることである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片を有する足首の関節を示す斜視図である。
【図2】関節のメンテナンスのための機能ポジションにある、本発明に係る固定インプラントを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る固定インプラントの第1実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る固定インプラントの別の実施の形態を示す側面図である。
【図5】移植骨片の加圧及び関節のメンテナンスのための機能ポジションにある、本発明に係る固定インプラントを示す正面図である。
【図6】図5に示される固定インプラントを示す、図5の線A−Aに関する断面図である。
【図7】足首の関節、及び関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片を示す斜視図で、前記移植骨片は、関節スペースによって分離される2つの骨片によって形成されている。
【図8】図7に示される関節の内部における所定位置に配置されている、本発明に係る固定インプラントを示す斜視図である。
【図9】加圧ユニットを備えている、本発明に係る固定インプラントの一実施の形態を示す斜視的側面図である。
【図10】本発明における圧縮ユニットを備えた固定インプラントの改良変形例を示す遠近法による側面図である。
【図11】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図12】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図13】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図14】本発明の他の実施形態におけるインプラントを示す概略図である。
【符号の説明】
【0099】
1…関節、
2,3…骨、
2’,3’…骨破片、
4…関節の空間、
5…移植骨片、
5’…骨小片、
5’A…外面、
6…ハウジング、
61…内壁、
7…固定インプラント、
8…アンカー部材、
8A…基端部、
8B…先端部、
9…アンカーアーム、
9A…内面、
10…連結部材、
11…固定化手段、
11A…基部、
11B…先端部、
12…導入ユニット、
13…回転防止手段、
14…平坦部、
16…逆ロック手段、
19…貫通孔、
22…突起、
27,37…骨破片、
30…圧縮ユニット、
32…拡張手段、
33A…近接限界、
33B…離隔限界、
3,4…近接部、
35…プレート、
35A,35B…面、
36…溝、
41…溝、
40…把持手段、
41A…穴、
I…隙間、
P…主平面、
S…導入、
S’…反対の方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科的固定インプラントの一般的な技術分野に関し、特に、関節固定(arthrodesis)を達成するために使用することを意図する固定インプラントの技術分野に関し、さらに詳しくは、関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための固定インプラントに関し、関節の関節固定を確実にするためのものである。
【背景技術】
【0002】
発明に係る固定インプラントは、関節の関節固定を達成するように、特に設計されている。前記関節は、特に、足首の関節であるが、限定されない。
【0003】
本発明は、本発明に係る固定インプラントの据え付け(emplacement)のための外科的方法にも、関する。
【0004】
関節固定は、外科的介入であり、「骨融合(bone fusion)」を引き起こすことによって、関節の動揺をほぼ完全に抑制することを目的とする。このような外科的介入は、患者が、ひどく重くかつ最終的な関節症(final arthrosis)を煩っているケースや、関節を形成する骨の軟骨が、非常に損傷しているケースにおいて、必要であることを証明することが可能である。
【0005】
このような介入を実施するために、我々は、関節の損傷している軟骨の表面を切除し、加圧によって、関節を形成している骨における相対している骨表面と接触させることで、骨接合(osteosynthesis)を可能とすることを、承知している。
【0006】
しかし、このような方法は、関係する肢節(limb)の短縮を導く可能性があり、これは、美的観点だけでなく、これが導く合併症(例えば、過度の跛行)のためにも、全く明らかに望ましくない。
【0007】
これらの不利な点を緩和するために、我々は、関節を形成している骨の両端における骨片を除外することによって、関節スペースの両側にハウジングを配置することを、承知している。当該ハウジングは、好ましくは円筒状であり、移植骨片によって充填されており、例えば、同一の患者から、例えば、腸骨稜から採取された骨の略円筒状コア試料である。
【0008】
したがって、この処置は、劣化した軟骨表面を処理し、問題となっている肢節の短縮なしに、損傷した骨の端部と、健康な移植骨片を交換することを、可能とする。そして、移植骨片は、一方の移植骨片と他方の骨との間における骨接合を可能とする目的を有し、関節を形成している骨に関して固定され、したがって、関節の関節固定を確実にする。
【0009】
多様な固定インプラントが、移植骨片と関節の関節固定との固定を確実にするために、使用可能である。したがって、第1骨と第2骨の間における関節のケースにおいては、シュタインマンピンが、通常、使用される。シュタインマンピンは、関節の第1骨、移植骨片及び関節の第2骨を、連続して交差するのに十分な長さを有する長尺のピン形状を呈する。このような固定インプラントは、関節の固定化に関する限り、有意な結果を得ることを可能とするが、しかし、無視し得ない不利な点に悩まされている。
【0010】
第1において、これらの固定インプラントは、据え付けのために、付加的な切開を必要とする。当該切開は、移植骨片を収容するために設計されたハウジングに配置する目的のため、既に形成された切開に、加えられる。この付加的な切開は、感染、及び手術あるいは術後の合併症のリスクを、大幅に増加させる効果を有する。
【0011】
加えて、シュタインマンピン固定インプラントは、関節の効果的なメンテナンスを確実にするために、関節スペースに関して斜めあるいは垂直に延長するように、一般的に配置される必要がある。特定の関節、例えば、足首の関節の場合、インプラントのこのような配位(orientation)は、リスクがあるため望ましくない。それは、患者の管理の際、特に、歩行の際、固定インプラントが、踵骨の足底の皮質(cortex)と交差し、足底の面(facies)の外側に、突出する可能性があるためである。
【0012】
さらに、固定インプラントの位置決めが不十分である場合、足底の面の軟組織の損傷を、導く可能性もある。一方、シュタインマンピンのような固定インプラントは、関節が小さい寸法の骨を伴う場合、位置決めが困難であることを証明することが可能である。したがって、インプラントの配位が不正確である場合、移植骨片が維持されず、設置されたインプラントが、実際上効果を有しないことが起こり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明に与えられる目的は、これまでに列挙された、さまざまな不利な点を治すこと、及び、関節の関節固定を確実にするために、関節スペースの両方の側に位置する骨の間に配置される移植骨片のための新規な固定インプラントを提案することを意図し、一方で皮質(cortex)に対し、他方で関節を形成している骨の近傍における軟組織に対し、損傷のリスクを冒すことなく、特に、関節の効果的かつ安定したメンテナンスを、簡単な方法で、確実とすることを可能とする。
【0014】
本発明の別の目的は、破片化移植片及び/又は亀裂のある移植片の固定化に特に適した、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0015】
本発明の別の目的は、特に、足首の関節の場合における歩行の際に、関節に発揮される機械的ストレスに、効果的に耐えるように適合された、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0016】
本発明の別の目的は、その据え付けのために付加的な切開を必要としない、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0017】
本発明の別の目的は、既知のインプラントより低侵入性(less intrusive)である、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0018】
本発明の別の目的は、関節の解剖に適合している構造及び形状を呈する、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0019】
本発明の別の目的は、関節の堅実(solid)かつ快適なメンテナンスを可能とする、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【0020】
本発明の別の目的は、その取り扱いが容易であり、手術のエラー削減を可能とする、新規な固定インプラントを提案することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に与えられる目的は、関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片のため、関節の関節固定を確実とするための固定インプラントによって、達成される。前記固定インプラントは、骨に導入するための少なくとも2つのアンカー部材、及び、移植骨片のための固定手段を有し、
前記アンカー部材は、基端部及び先端部を有し、前記先端部は、骨に導入するために適合されており、前記アンカー部材は、関節の外側を延長する少なくとも一つの連結部材によって、互いに連結されており、
前記固定手段は、前記アンカー部材と協同して、関節の骨に関する移植骨片の遮断、及び、移植骨片に関する関節の骨の遮断を確実にするように、前記アンカー部材の間に配置され、かつ前記連結部材に連結されており、前記固定手段は、プレートによって形成されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、固定インプラントを、関節スペースの両方の側に位置する骨の間に配置し、皮質や、関節を形成している骨の近傍における軟組織に損傷のリスクを冒すことなく、簡単で確実に関節の固定をする。しかも、効果的でかつ安定した関節のメンテナンスが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の他の特別な特徴及び効果は、以下に示される記述の理解、及び、単なる一例であり、非限定的に提供される添付の図面によって、さらに詳細に示される。
【0024】
図1と図7は、足首の関節を固定する2つの手術法を示す。
【0025】
関節の固定は、関節が、例えば人工器官を設置するような、他の簡単な外科手術の調整では効果がなく、崩壊した状態において必要になる。この場合には、完全に関節を固定することが必要になる。本発明は、足首の関節の場合が示すが、人間又は動物の体の関節の全てのタイプに適用できるものである。
【0026】
損傷した関節は、関節の隙間を区切る骨の軟骨組織の状態によって特徴づけられる。深刻な関節の場合、この軟骨は、著しく摺り減り、関節の痛み又は炎症を引き起こす可能性がある。
【0027】
図1と図7は、少なくとも2つの骨、すなわち、関節の隙間4の両側に位置する第1骨2と第2骨3から形成される関節1を表す。しかし、関節1は、例えば第1骨2と第2骨3の間に位置する第3骨があることが全く明らかであれば、これは本発明の構造組織を逸脱するものではない。
【0028】
様々な関節固定術が考えられるが、本発明に係る固定インプラントは、関節の隙間4の両側に位置する骨2と3の間に配置される移植骨片5によって関節固定用として特に構成されている。
【0029】
第1の方法は、既知であるが、関節の隙間4を区切っている骨2,3の端部2A、3Aに、例えば、円筒状のハウジング6を置くことでなされる。
【0030】
この第1の方法によれば、ハウジング6に含まれる骨破片が抽出されるが、骨コア試料は、患者の体の他の部分(例えば腸骨稜)から取得され、ハウジング6内にそれを導入するために前記骨破片は一度取り出される。
【0031】
この骨コア試料は、ハウジング6の内部に設置した後、ほぼ固体、すなわち、中空でもなく分裂もしていない移植骨片5が、移植骨片5と骨2,3の間の骨接合術を確実にするために骨2,3と関連して固定される。特に、骨接合術は、移植骨片5の出血する外側の骨表面5Aと、骨2,3の切断部6Aの表面又は骨との間で達成される。本発明の目的のために、移植骨片5の出血する外側の骨表面5Aは、移植骨片5が取り除かれた表面に対応する。円筒状のコア試料の場合、出血する外側の骨表面5Aは、コア試料の横の表面に対応する。切断部6Aの表面は、本発明の目的のために、ハウジング6の内壁6Iにほぼ一致する。
【0032】
この方法の変形例は、出願人によって発明された。上述の方法のように、出願人の発明方法は、好ましくは、円筒状のハウジング6を関節の隙間4の両側に収納する。他方、ハウジング6の内容物は、外へ取り出されない、すなわち、関節の隙間4の両側に位置する骨2,3の端部からそれぞれ取り除かれる骨破片2’,3’の切り出しはない。骨破片2’,3’は、ハウジング6内で並列し、また、例えば関節の隙間4から生成した隙間Iにより分離され、それから、移植骨片5を構成する。関節の擦り切れた軟骨の表面は、骨破片2’と3’を分ける隙間Iの両側で、かつ移植骨片5の中心に位置される。
【0033】
それから、出願人の方法は、それ自体を旋回させることにより、例えば、図7に示される回転Rの方向に4分の1回転させることにより、ハウジング6内で骨破片2’,3’から形成された移植骨片5を移動させる。この方法では、第1の骨破片2’の出血する外側の骨表面2’Aは、第2の骨3や骨の切断部3Sの表面に面して置かれる。同様に、第2の骨破片3’の出血する外側の骨表面3’Aは、第1骨2の切断部2Sの表面に面して置かれる。これは、このようにして骨2,3と骨破片2’、3’のそれぞれの骨接合術を可能となり、より概念的には、骨2,3と移植骨片5の骨接合術が可能となる。
【0034】
本発明の目的のために、「移植骨片(bone graft)」の表現は、骨の移植、すなわち関節1から離れて位置される体の部分から得られ、ハウジング6の内部に導入される骨の片、好ましくは一片を意味するか、あるいはハウジング6内の回転Rのような変位を受ける、ハウジング6構成中に関節1内から切り出される骨破片2’,3’のアセンブリを意味するかのいずれかである。したがって、移植骨片5は、一片の骨破片かハウジング6内の並列された複数の骨破片により形成され、全体的に単体を構成する。
【0035】
図3〜6は、図1に示される一片の移植骨片5の固定に使われるように、特に構成された固定インプラント7の種々の現実的変形例を示す。
【0036】
図9〜14は、図7に示される骨破片2’,3’により形成された移植骨片5の固定を確実にするために使われる、特に構成された固定インプラント7の現実的な他の変形例を示す。
【0037】
本発明によれば、固定インプラント7は、骨2,3に導入されるために設計された少なくとも2つのアンカー部材8を備えている。好ましくは、固定インプラント7は、骨2,3を備えている関節と同数のアンカー部材8を備えている。このように、関節1が2つの骨2,3から形成される場合、図3,4及び9に示されるように、固定インプラントは、好ましくは2つのアンカー部材8を備える。しかしながら、同じ骨のためのいくつかのアンカー部材を有する固定インプラントを備えることは、本発明の構成を逸脱しないことは明らかである。
【0038】
各々のアンカー部材8は、好ましくは、基端部8Aと先端部8Bの間で伸延する。加えて、先端部8Bは、骨2と3に導入されるために適応して、その端部が好ましくはテーパを付けられ、又は尖っている。この技術的手段により、各々のアンカー部材8は自己穿孔性の特徴を示し、骨の中へアンカー部材8を進入させることが可能となる。
【0039】
アンカー部材8は、少なくとも1つの連結部材10を介して互いに連結されることが最も好ましい。図2,8に示すように、連結部材10は、関節1の外側を伸延して関節の隙間4に重なり、したがって、アンカー部材8の間に、結果として骨2と3の間に、基本的に剛体の接続橋を形成する。この連結部材10は、このように固定インプラント7に、関節1が受けるさまざまな機械的応力に対してより耐えることが可能な構造上の剛性を与える。関節1と軟組織(図示せず)との間にその機能的位置で配置されている連結部材10は、好ましくは、周囲の軟組織に対して基本的に非侵入性の特徴を与える丸い端部を有している。
【0040】
好ましくは、アンカー部材8は、骨組織への進入を容易にする方法で、先端部8Bが実質的にテーパを付けられたアンカーアーム9から形成される。
【0041】
最も好ましくは、アンカー部材8、特にアンカーアーム9は、関節の隙間4と基本的に平行して伸延し、基本的に連結部材10に対して垂直である。固定インプラント7は、このとき最も好ましくはU字形状を有し、U字のアームは、アンカーアーム9から形成され、U字の基部は、連結部材10から形成される。
【0042】
しかし、アンカーアーム9が斜めに伸延し、連結部材10に対して垂直ではなく互いに近づくような方法で伸延する固定インプラントを構成することも明らかに考えられる。このようなアンカーアーム9は、最も好ましくは、骨2,3の互いに対する有効圧縮を確実にするために、縮み、そして骨2,3へ一度導入されて互いに近づくように、形状記憶材料から構成することができる。
【0043】
本発明によれば、固定インプラント7は、アンカー部材8の間に配置され、アンカー部材8と共働して、関節1の骨2,3に対する移植骨片5、そして逆の連結を確実にするような方法として連結部材10へ接続される移植骨片5の固定手段を有している。
【0044】
「共働して(in cooperation)」の表現は、固定化手段11が、一方ではアンカー部材8に対して、他方では関節1の骨2,3に対して、移植骨片5を固定するために、アンカー部材8と共に役割を果たすことを意味する。最も好ましくは、固定化手段11は、関節の隙間4とほぼ平行に長手方向X−X’に伸延し、基本的に関節の隙間に対して垂直又は斜めに伸延するステインマンピン(Steinman pins)のような従来技術の手段とは異なる。
【0045】
固定化手段11は、もちろん、移植骨片の安定かつ確かな固定を確実にするために適応された形状及び寸法を有する。ここにおいて、固定化手段は、移植骨片と関連するインプラントの単なる位置決めの指標ではなく、むしろ移植骨片にインプラントを機械的に埋め込むための手段である。
【0046】
固定化手段11は、明確に区別され、移植骨片に対し外来的であり、移植骨片との共働のために適応される。したがって、固定化手段11は、本発明の目的のために、直接的にかつそれ自体で、成長、骨又は組織の再生のための基材を形成しないが、むしろ移植骨片を連結するために、移植骨片と機械的に相互作用するユニットを形成する。
【0047】
したがって、固定化手段11は、最も好ましくは、連結部材10に接続される基部11Aと、基部11Aから反対側に配置された先端部11Bとの間に、長手方向のX−X’方向に伸延する。固定化手段11は、このように連結部材10に垂直に配置される。
【0048】
好ましくは、アンカーアーム9は、固定化手段11の長手方向の伸延方向X−X’に基本的に平行で、長手方向に伸延する。加えて、アンカーアーム9は、最も好ましくは、それらの長さに沿って、骨2,3の中への進入が容易になるように、基端部8Aと先端部8Bの間で減少するさまざまな厚さを有している。
【0049】
図3に示すように、アンカーアーム9は、固定化手段11と同じ長さを好ましくは有している。しかし、異なる長さのアンカーアーム9を構成することは、極めて明らかに考えられる。したがって、固定化手段11よりかなり長いアンカーアーム9を備えた固定インプラント7を構成することが考えられる(図4)。
【0050】
最も有利には、固定化手段11は、移植骨片5内部への導入のためのユニット12を有している。したがって、導入ユニット12は、単一の骨片から形成された一体型の移植骨片5の内部(図2)、あるいは移植骨片5内部で骨片2’,3’に分離している隙間Iの中(図7及び8)のいずれかに貫通するように適合されている。このため、導入ユニット12を形成している固定化手段11の先端部11Bは、好ましくは、点形状に形成されるか、又はテーパが付けられる。
【0051】
移植骨片5の効果的なメンテナンスを保証し、骨2及び3との骨接合を可能にするために、固定化手段11は、最も有利には、固定インプラント7まわりの移植骨片5の回転(及びその逆の移植骨片5まわりの固定インプラント7の回転もまた同じ)を防止するために適合された回転防止手段13を有している。
【0052】
図3に示されるように、回転防止手段13は、最も有利には、固定化手段11に沿って設けられた少なくとも1つの平坦部分14から形成されている。こうして、固定化手段11は、平坦部分14を形成する少なくとも1つの本質的に平坦な外面を有する趣旨の形状で提供され得る。
【0053】
本発明によれば、図3,6,9〜14に示すように、固定化手段11は、少なくとも1つのプレート35、すなわち2次元の部材から形成される。ここでは、「2次元の部材」によって平坦にされた形状の部材が示されており、その厚さは、長さ及び幅と比較して僅かである。換言すれば、そのような固定化手段11は、ブレード形状を提供し、空間の2方向に主として広がっており、後で詳細に説明されるねじ15のように本質的に空間の単一方向に伸延するものではない。
【0054】
本発明の目的のために、プレート35は、図9〜14の変形例におけるように比較的広げられた形を提供でき、あるいは図3の変形例におけるように細長い形を提供できる。
【0055】
プレート35から形成される固定化手段11の実施は、移植骨片5の優れたメンテナンスを可能にし、特に、亀裂が生じ、分割され、あるいはいくつかの小片にこわされた移植片の使用さえも許容する。この場合、プレート形状の固定化手段11の実施は、実際、十分に強固で安定した小片の相対的なブロッキングを保証し、関節が受ける(特に関節が足首の関節である場合の患者の体の重みがかかる)負荷に耐えることができる。
【0056】
プレート35は、本質的に一様に一定である厚さを有することができる。移植片がいくつかの小片から形成される場合において、プレートの寸法、特にその厚さは、プレートが小片をブロックするのに十分な体積を占めるように、小片間の自由空間の関数として好ましくは選択される。
【0057】
しかし、プレート35は、各々本質的に一定で他の断面の厚さと異なる厚さを示すいくつかの断面から成り立ち得る。この場合、各々の断面間の連結は、鋭くされて、例えば肩すなわち「段」の形状で提供されることができる。
【0058】
また、図3,9〜13に示され、及び後でさらに詳細に説明される好ましい実現の変形例において、プレート35は、「楔状の」テーパの付いた形状、すなわち、長手方向に、当該プレートの少なくとも一部分にわたって、先端部11Bから基端部11Aの方に、厚さが次第に増加する形状を示していることがわかる。
【0059】
この場合、以下にさらに詳細に説明されるが、固定化手段は、圧縮ユニット30を形成、あるいは圧縮ユニット30から形成される。
【0060】
図4に示される本発明の実現の変形例によれば、固定化手段11は、しかしながら、好ましくは自己ドリリング及び自己ねじ切りのねじ15から形成され、このために、長手方向X−X’に本質的に軸方向に延びる少なくとも1つの歯17Aから形成される準備手段17を備えていてもよい。
【0061】
最も有利には、ねじ15は、また、移植骨片5の内部にねじ止めする間、余分の骨物質の漸進的な排出を可能にするように、その丈に沿って配置される溝18を有している。
【0062】
本発明の第1実施形態によれば、図4に示されるように、固定化手段11、例えばねじ15は、連結部材10上に着脱可能に取り付けられる。このため、連結部材10は、最も有利には、貫通孔19が備えられており、この貫通孔19は、好ましくは、連結部材10の略中央に備えられて、固定化手段11を受け入れるのに適合している。このように、ねじ15は、最も有利には、基端部15Bの方に、当接部を形成するとともに貫通孔19の内部に備えられる肩部21を支持するように設計された頭部20を有している。
【0063】
図3,9及び10に示される本発明の実現の他の変形例によれば、固定化手段11は、最も有利には、連結部材10と永久に合体され、例えば連結部材10と一体に作られ、こうして一体的な全体を形成している。
【0064】
好ましくは、そして図3及び4に示されるように、アンカー手段8は、横に相隔たった2つのアンカーアーム9から形成されており、アンカーアーム9は、連結部材10の両側にお互いに平行に配置される。アンカーアーム9は、好ましくは連結部材10と一体に作られる。しかし、アンカーアーム9は、極めて明らかには、連結部材10と異なった部分から形成されることができ、例えば固定ねじによって連結部材10と合体される(変形例は図示せず)。特に有利には、アンカーアーム9は、好ましくは同一であり固定化手段11の両側に対称的に配置される。
【0065】
加えて、固定化手段11は、最も有利には、連結部材10に対して垂直に伸延するように、横のアンカーアーム9と略平行な中央アームから形成されている。
【0066】
さらにもっと好ましくは、アンカーアーム9と固定化手段11とは一体に作られており、こうして一体型の固定インプラント7を形成している。このような固定インプラントは、関節が受ける機械的ストレスに特によく耐える。
【0067】
最も有利には、図3,4,9及び10に示されるように、アンカーアーム9には、移植骨片5の中への導入方向Sと反対の方向S’への固定インプラント7の移動を防止するように特に設計された逆ロック手段16が備えられている。最も有利には、逆ロック手段16は、アンカーアーム9の外面から突出する少なくとも1つの突起部22から形成されている。さらにもっと好ましくは、逆ロック手段16は、長手方向X−X’においてアンカーアーム9に沿って配置された複数の突起部22から形成されている。
【0068】
アンカーアーム9は、最も有利には、固定化手段11に本質的に対向して位置され逆ロック手段16が配置される内面9Aを有している。したがって、内面9Aは、ノッチが付けられた外観を呈している。各突起22は、1つのノッチを形成しており、骨組織中へのアンカーアーム9の導入を促進するように設計された傾斜面22Aと、固定インプラント7が一旦関節1内に置かれたら固定インプラント7の導入方向Sにおいて当該固定インプラント7の係合が解除されるのを防止するための、長手方向X−X’に略垂直な水平面22Bとを提供している。
【0069】
本発明の特に有利な特徴によれば、固定化手段11は、移植骨片5を支持し、移植骨片5が関節1の骨2及び3を少なくとも部分的に支持するのに十分な圧力を移植骨片5上に働かせるのに適合された圧縮ユニット30から形成されており、移植骨片5と骨2及び3との間の骨接合を促進するようになっている。
【0070】
移植骨片がハウジング6の内部に配置された好ましくは一体型の骨小片5’の単一の小片から形成された図5に示される形状の場合、圧縮ユニット30は、ハウジング6の内壁6Iに対して圧縮方向Fに骨小片5’を押圧するように、少なくとも骨小片5’の外面5’Aの部分を支持するように適合されている。
【0071】
このため、前述したように、圧縮ユニット30は、好ましくは、プレート35から形成されており、その表面の一方が骨小片5’の外面5’Aと接触することになる。骨小片5’は、最も有利には、ハウジング6の全てを占めているというわけではない半円柱のブロックの形で提供されることができ、プレート35が支持可能な外面5’Aの略平坦部を提供している。
【0072】
図7及び8に示される方法によれば、移植骨片5は、隙間Iによって分離された少なくとも2つの骨小片2’,3’を有している。そして、圧縮ユニット30は、小さいクリアランスを伴って隙間Iの内部に導入されて、骨小片2’,3’上において矢印F’にしたがって外側に向かう、つまり半径方向の圧縮を引き起こすように適合されており、骨小片2’,3’をハウジング6の内壁6Iに対して押し戻し、これによって移植骨片5の膨張と、ハウジング6内、もっと一般的には関節1内における移植骨片5のブロッキングとを保証するようにしている。
【0073】
本発明の有利な特徴によれば、圧縮ユニット30が斬新な拡張手段32を備えているため、隙間Iへの圧縮ユニット30の導入が促進され、骨破片2',3’が確実に圧縮される。図10に示すように、拡張手段32は、厚さが可変である圧縮ユニット30の断面33に形成されることが最も好ましい。断面33は、連結部材10の取り付け側に位置する近接限界33Aと、その反対側に位置する離隔限界33Bとの間において、圧縮ユニット30の導入方向Sに延伸する。断面33の厚さは、骨破片2’,3’が確実に拡張されるように、離隔限界33Bと近接限界33Aとの間で、連続的に増加することが最も好ましい。
【0074】
しかしながら、断面33の厚さは、本発明の概念から逸脱しない限りにおいて、ほぼ一定であったり、あるいは、段階的に変更されてもよい。
【0075】
より詳細には、圧縮ユニット30は、移植骨片5の内部へ容易に導入されるように、テーパが付された末端部分を有する。末端部分は、拡張手段32に形成されることが最も好ましい。さらに、圧縮ユニット30は、断面33と厚さが一致する末端部分よりも、厚い近接部3,4を有してもよい。さらに、近接部3,4の厚さは、関節1を備えた患者の手足に、長さの不足が生じないように、隙間Iの幅、すなわち関節の隙間4の幅と等しいことが好ましい。
【0076】
圧縮ユニット30は、くさび状を呈するように、多面的で平らな形態に、プレート35に形成されることが好ましい。プレート35は、骨破片2’,3’が確実に圧縮するとともに効果的に拡張するように、形状記憶型の材料から形成され、隙間Iの内部に導入された後に、拡大するように設計されることが最も好ましい。より好ましくは、プレート35は、2つの表面35Aと35Bとを有し、少なくとも表面35Aの表面には溝が形成される。
【0077】
図10に示される第1の変形例に見られるように、溝36は、圧縮ユニット30の長手方向であるX−X’方向と、ほぼ平行な方向に延伸するように形成されることが最も好ましい。このような形状に形成されることによって、上述した圧縮効果がより一層発揮され得る。
【0078】
図9に示される他の変形例に見られるように、溝36は、圧縮ユニット30の長手方向であるX−X’方向とほぼ垂直な方向に延伸するように形成されてもよい。溝36がこのような形状に形成されることによって、移植片が移植骨片5の内部に導入された後に、移植片が引き出されるのを防止するロック手段として溝36が機能する利点がある。
【0079】
図10に示される代替的な変形例に見られるように、プレート35に形成される固定化手段11あるいは圧縮手段30は、主に拡張平面P内に延伸し、アンカーアーム9は、同じ拡張平面P内に取り付けられることが好ましい。
【0080】
本発明の有利な特徴によれば、固定インプラント7は、少なくとも1つの溝が形成された把持手段40を有する。より好ましくは、固定インプラント7は、固定インプラント7の両側に配置される2つの溝41が形成された把持手段40を有する。また、上述した2つの溝41は、連結部材10と固定化手段11との間に形成されることが一層好ましい。
【0081】
あるいは、図14に示すように、把持手段40は、好ましくは、固定化手段11と接続手段10との接合部に近接する範囲内において、移植片の厚さに適合する穴41Aに形成される。この穴41Aは、ロッド形状を呈する抽出器具、特に、骨から移植片が除去される必要が生じた際に当該移植片に対してレバーアームとしての機能を発揮する抽出器具の導入を可能とするものである。
【0082】
より詳細な実施形態において、さらに独自の発明が構成される。すなわち、圧縮ユニット30は、例えば、連結部材10を介してアンカー部材8に接続されない独立した部材となり得る。
【0083】
そして、固定インプラント7には、圧縮ユニット30だけが形成され、アンカー部材8は形成されない。
【0084】
図11〜13に示されるように、上述した全ての特徴を有する圧縮ユニット30は、アンカー部材8から独立して、移植骨片5の内部に導入されるように設計され得る。これにより、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’のそれぞれが、骨2及び3に取り付けられるにあたって、圧縮ユニット30が、例えば定着ねじのような、独立した固定手段として適用されることが可能となる。
【0085】
この場合には、圧縮ユニット30は、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’をハウジング6の内壁61に押圧するように、骨小片5’あるいは骨破片2’,3’を支持し、さらに、移植骨片5を関節1の内部に確実に詰める。
【0086】
いかなる実施形態においても、新たな外科的介入が伴わないように、固定インプラント7、アンカー部材8、固定化手段11、あるいは圧縮ユニット30は、吸収性生体材料から形成されることが最も好ましい。
【0087】
図1〜13を参照して、固定インプラント7の外科的な取り付け方法について以下に述べる。
【0088】
本発明によれば、上記の外科的方法は、実質的に、ハウジング内部への移植骨片5の取り付け、あるいは位置決めのステップと、上述した固定インプラント7を用いた移植骨片5の固定ステップとを有している。
【0089】
この固定ステップは、関節を形成するために、骨片1及び3を固定する第1ステップa)を有する。この第1ステップa)において、関節1における骨片2,3のそれぞれの内部に、アンカー部材8が導入されるように、適当な衝撃手段が用いられることによって、1つあるいはそれ以上の衝撃が、例えば移植片や、例えば連結部材10あるいはアンカー部材8の一方に加えられる。そして、骨2と骨3とは、連結部材10を介して互いに結合される。
【0090】
外科的方法は、関節を形成する骨2と骨3に、移植骨片5を詰めるためのステップb)を有する。特に、固定化手段11が、アンカー部材8の一部ではない場合に、ステップb)は、ステップa)と同時に、あるいは、ステップa)と実質的に同時に実行され得る。固定化手段11が独立した部材である場合には、1あるいはそれ以上の衝撃が固定化手段11の近接部11Aに加えられることによって、移植骨片5の内部に、固定化手段11が導入され得る。この方法は、例えば、固定手段がくさび状を呈するプラスチック板35から形成されている場合に、適している。一方、固定化手段11が、ねじ15から形成されている場合には、ステップb)において、貫通孔19の内部にねじ15が導入され、当該導入後において、ねじ15が移植骨片5の内部(例えば、1つの骨小片5’の内部)に締結される。
【0091】
固定化手段11がアンカー部材8の一部である場合には、衝撃が加えられる状況下において、アンカー部材8が、骨2及び骨3の内部に導入されるのとほぼ同時に、固定化手段11は、移植骨片5の内部に導入される。
【0092】
本発明によれば、外科的方法は、関節の隙間4の両側に配置されるハウジング6の内部で、移植骨片5が圧縮されるステップc)を、さらに有することが好ましい。
【0093】
最も好ましくは、ステップa)とステップb)とステップc)とは同時に実行されることである。
【0094】
特に、移植骨片5が少なくとも骨破片2’,3’の2つから形成される場合、ステップc)では、骨破片2’,3’をハウジング6の内壁61へ向けて押し戻すために、骨片2’,3’に、外側へ向かう放射状あるいは遠心性の圧縮が、矢印F’方向に加えられる。この結果、移植骨片5と同様に、骨破片2’,3’は、一方ではハウジングの内部に、他方では関節1の内部に、確実に詰められる。
【0095】
上記のステップは、上述したステップa)及びb)とは、独立して実行され得て、それ自体、独自に発明を構成するものである。このステップにおいて、前記固定ユニット30が、アンカー部材8から独立しているか、アンカー部材8の一部であるかに関わらず、固定ユニット30は、固定インプラント7が形成されるために、骨破片2’と骨破片3’との間の隙間Iに、導入されることが好ましい。
【0096】
本発明によれば、固定インプラント7は、一時的あるいは永久的に、関節1と、前記関節1の内部の移植骨片5とを、確実に支持することが出来る。これにより、移植骨片5と、骨2及び3のそれぞれとの骨接合が、容易となる。
【0097】
さらに、本発明の固定インプラント7の他の利点は、単純な衝撃手段が用いられることによって、切開などを要することなく、容易に取り付けられることである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片を有する足首の関節を示す斜視図である。
【図2】関節のメンテナンスのための機能ポジションにある、本発明に係る固定インプラントを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る固定インプラントの第1実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る固定インプラントの別の実施の形態を示す側面図である。
【図5】移植骨片の加圧及び関節のメンテナンスのための機能ポジションにある、本発明に係る固定インプラントを示す正面図である。
【図6】図5に示される固定インプラントを示す、図5の線A−Aに関する断面図である。
【図7】足首の関節、及び関節スペースの両側に位置する骨の間に配置される移植骨片を示す斜視図で、前記移植骨片は、関節スペースによって分離される2つの骨片によって形成されている。
【図8】図7に示される関節の内部における所定位置に配置されている、本発明に係る固定インプラントを示す斜視図である。
【図9】加圧ユニットを備えている、本発明に係る固定インプラントの一実施の形態を示す斜視的側面図である。
【図10】本発明における圧縮ユニットを備えた固定インプラントの改良変形例を示す遠近法による側面図である。
【図11】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図12】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図13】本発明における圧縮ユニットの種々の実施形態を示す遠近法による側面図である。
【図14】本発明の他の実施形態におけるインプラントを示す概略図である。
【符号の説明】
【0099】
1…関節、
2,3…骨、
2’,3’…骨破片、
4…関節の空間、
5…移植骨片、
5’…骨小片、
5’A…外面、
6…ハウジング、
61…内壁、
7…固定インプラント、
8…アンカー部材、
8A…基端部、
8B…先端部、
9…アンカーアーム、
9A…内面、
10…連結部材、
11…固定化手段、
11A…基部、
11B…先端部、
12…導入ユニット、
13…回転防止手段、
14…平坦部、
16…逆ロック手段、
19…貫通孔、
22…突起、
27,37…骨破片、
30…圧縮ユニット、
32…拡張手段、
33A…近接限界、
33B…離隔限界、
3,4…近接部、
35…プレート、
35A,35B…面、
36…溝、
41…溝、
40…把持手段、
41A…穴、
I…隙間、
P…主平面、
S…導入、
S’…反対の方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節(1)の固定を確立するため関節の空間(4)の両側に位置する骨(2,3)の間に配置された、移植骨片(5)のための固定インプラントであって、
前記骨(2,3)に導入されるように構成され、基端部(8A)と先端部(8B)が設けられ、前記先端部(8B)が前記骨(2,3)に導入するように構成され、関節(1)の外部で伸延する少なくとも1つの連結部材(10)に各々が接続されている少なくとも2つのアンカー部材(8)と、
前記アンカー部材(8)の間に配置され、かつ、前記アンカー部材(8)と共働し、関節(1)の骨(2,3)に関する前記移植骨片(5)の遮断、逆に前記移植骨片(5)に関する関節(1)の骨(2,3)の遮断を行なうように前記連結部材(10)に連結され、1枚のプレートからなる、前記移植骨片(5)の固定化手段(11)と、
を有する固定インプラント。
【請求項2】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)内に導入ユニット(12)を有することを特徴とする請求項1に記載の固定インプラント。
【請求項3】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)に連結された基部(11A)とテーパが付けられた先端部(11B)と間で長手軸線(X−X’)方向に伸延され、前記導入ユニットを形成することを特徴とする請求項2に記載の固定インプラント。
【請求項4】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)の回転を防止する回転防止手段(13)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項5】
前記回転防止手段(13)は、前記固定化手段(11)に沿って配置された少なくとも1つの平坦部(14)から形成されることを特徴とする請求項4に記載の固定インプラント。
【請求項6】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)上に着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項7】
前記連結部材(10)挿通し前記固定化手段(11)に達する1つの貫通孔(19)を有することを特徴とする請求項6に記載の固定インプラント。
【請求項8】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)に永久的に結合されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固定インプラント。
【請求項9】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)を支持し、当該移植骨片(5)と前記骨(2,3)との間で骨接合を行うように関節(1)の骨(2,3)を少なくとも部分的に支持するに十分な圧力が移植骨片(5)に作用する圧縮ユニット(30)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固定インプラント。
【請求項10】
前記移植骨片(5)は、少なくとも1つの移植骨片(5)から形成され、前記関節の空間(4)の両側に位置する前記骨(2,3)の端部に嵌入されるハウジング(6)内に配置され、前記ハウジング(6)は内壁(61)が設けられ、前記圧縮ユニット(30)は前記ハウジング(6)の内壁(61)に対し前記骨小片(5’)を圧縮するように該骨小片(5’)の外面(5'A)を支持するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の固定インプラント。
【請求項11】
前記移植骨片(5)は、隙間(I)によって分かれた少なくとも2つの骨破片(2’と3’)を有し、前記圧縮ユニット(30)は、前記隙間(I)内で導入され、前記ハウジング(6)の内壁(61)に対して、骨破片(27と37)を押し戻すために外部放射方向から圧縮し、移植骨片(5)の膨張と関節(1)内での閉鎖を確立することを特徴とする請求項10に記載の固定インプラント。
【請求項12】
前記圧縮ユニット(30)は、前記隙間(I)への導入が進行するとき、骨小片の圧縮が確立する拡張手段(32)を有することを特徴とする請求項11に記載の固定インプラント。
【請求項13】
前記拡張手段(32)は、前記連結部材(10)の側部に位置する近接限界(33A)と反対の離隔限界(33B)との間の圧縮ユニット(30)の導入(S)の方向に伸延する圧縮ユニットの断面(33)から形成されることを特徴とする請求項12に記載の固定インプラント。
【請求項14】
前記圧縮ユニット(30)は、前記移植骨片(5)への導入を容易にするように構成された、テーパが付けられた末端部分を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項15】
前記圧縮ユニット(30)は、実質的に末端部分より厚い近接部(3,4)を有することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項16】
前記圧縮ユニット(30)は、本質的にプリズム状で平坦なプレート(35)から形成されることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項17】
前記プレート(35)は、本質的に平行な2つの主面(35Aと35B)を有し、当該主面(35Aと35B)の少なくとも1方は溝(36)を有することを特徴とする請求項16に記載の固定インプラント。
【請求項18】
前記溝(36)は、前記圧縮ユニット(30)の長手方向(X−X’)と平行な方向に伸延することを特徴とする請求項17に記載の固定インプラント。
【請求項19】
前記溝(36)は、前記圧縮ユニット(30)の長手方向に対し垂直な方向に伸延することを特徴とする請求項17に記載の固定インプラント。
【請求項20】
前記アンカー部材(8)は、複数のアンカーアーム(9)から形成され、当該アンカーアーム(9)の先端部(8B)は、骨組織に導入を容易にするためにテーパを付けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項21】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)の長手方向(X−X’)と平行な方向に伸延することを特徴とする請求項20に記載の固定インプラント。
【請求項22】
前記固定化手段(11)は、主平面(P)で伸延し、当該主平面(P)内に位置していることを特徴とする請求項20又は21に記載の固定インプラント。
【請求項23】
前記アンカーアーム(9)は、長手方向に種々の厚さを有することを特徴とする請求項20〜22のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項24】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)と同じ長さであることを特徴とする請求項20〜23のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項25】
前記アンカーアーム(9)は、異なる長さを有することを特徴とする請求項20〜23のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項26】
前記アンカーアーム(9)は、前記移植骨片(5)への導入(S)の方向に対し反対の方向(S’)への固定インプラント(7)の変位を防止する逆ロック手段(16)が設けられたことを特徴とする請求項20〜25のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項27】
前記逆ロック手段(16)は、前記アンカーアーム(9)の外面から突出する少なくとも1つの突起(22)から形成されることを特徴とする請求項26に記載の固定インプラント。
【請求項28】
前記逆ロック手段(16)は、前記アンカーアーム(9)に沿って配置される複数の突起(22)から形成されることを特徴とする請求項27に記載の固定インプラント。
【請求項29】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)に面するように位置した内面(9A)を有し、前記逆ロック手段(16)が前記内面(9A)に配置されていることを特徴とする請求項26〜28のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項30】
把持手段(40)を有することを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項31】
前記把持手段(40)は、前記固定インプラント(7)の両側に配置される2つの溝(41)から形成されることを特徴とする請求項30に記載の固定インプラント。
【請求項32】
前記把持手段(40)は、好ましくは、前記固定化手段(11)と前記連結部材との間の接合部の近くの、前記固定インプラント(7)の厚さを挿通して合致する穴(41A)から形成されることを特徴とする請求項30に記載の固定インプラント。
【請求項33】
前記アンカー部材(8)は、相互に離間した2つの横向アンカーアーム(9)から形成され、前記連結部材(10)の両側で各々反対側に配置され、相互に平行で、前記固定化手段(11)は、前記アンカーアーム(9)に平行な中央アームから形成され、当該中央アームが前記連結部材(10)に関し垂直に伸延していることを特徴とする請求項1〜32のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項34】
前記連結部材(10)は、前記関節の空間(4)を覆うように配置されることを特徴とする請求項1〜33のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項35】
関節(1)の固定を確立するため、関節の空間(4)の両側に位置する骨(2,3)の間に配置された移植骨片(5)に対し固定インプラントを導入する手術法であって、
前記固定インプラントによって移植骨片(5)の固定する固定ステップ(a)を有する固定インプラント導入法。
【請求項36】
前記固定ステップ(a)は、前記関節(1)を形成する骨(2と3)を固定化することを特徴とする請求項35に記載の固定インプラント導入法。
【請求項37】
前記固定ステップ(a)は、各々の骨(2と3)にアンカー部材(8)を導入する方法で固定インプラントに1つ以上の衝撃によって実行されることを特徴とする請求項35又は36に記載の固定インプラント導入法。
【請求項38】
前記手術法は、関節を形成する前記骨(2と3)に移植骨片(5)の遮断をする遮断ステップ(b)を有することを特徴とする請求項35〜37のいずれか1つに記載の固定インプラント導入法。
【請求項39】
前記手術法は、前記移植骨片(5)を圧縮する圧縮ステップ(c)を有することを特徴とする請求項35〜38のいずれか1つに記載の固定インプラント導入法。
【請求項40】
前記ステップ(a)(b)は、同時に行うことを特徴とする請求項37及び38に記載の固定インプラント導入法。
【請求項41】
前記ステップ(a)(b)(c)は、同時に行うことを特徴とする請求項39及び40に記載の固定インプラント導入法。
【請求項1】
関節(1)の固定を確立するため関節の空間(4)の両側に位置する骨(2,3)の間に配置された、移植骨片(5)のための固定インプラントであって、
前記骨(2,3)に導入されるように構成され、基端部(8A)と先端部(8B)が設けられ、前記先端部(8B)が前記骨(2,3)に導入するように構成され、関節(1)の外部で伸延する少なくとも1つの連結部材(10)に各々が接続されている少なくとも2つのアンカー部材(8)と、
前記アンカー部材(8)の間に配置され、かつ、前記アンカー部材(8)と共働し、関節(1)の骨(2,3)に関する前記移植骨片(5)の遮断、逆に前記移植骨片(5)に関する関節(1)の骨(2,3)の遮断を行なうように前記連結部材(10)に連結され、1枚のプレートからなる、前記移植骨片(5)の固定化手段(11)と、
を有する固定インプラント。
【請求項2】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)内に導入ユニット(12)を有することを特徴とする請求項1に記載の固定インプラント。
【請求項3】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)に連結された基部(11A)とテーパが付けられた先端部(11B)と間で長手軸線(X−X’)方向に伸延され、前記導入ユニットを形成することを特徴とする請求項2に記載の固定インプラント。
【請求項4】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)の回転を防止する回転防止手段(13)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項5】
前記回転防止手段(13)は、前記固定化手段(11)に沿って配置された少なくとも1つの平坦部(14)から形成されることを特徴とする請求項4に記載の固定インプラント。
【請求項6】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)上に着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項7】
前記連結部材(10)挿通し前記固定化手段(11)に達する1つの貫通孔(19)を有することを特徴とする請求項6に記載の固定インプラント。
【請求項8】
前記固定化手段(11)は、前記連結部材(10)に永久的に結合されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固定インプラント。
【請求項9】
前記固定化手段(11)は、前記移植骨片(5)を支持し、当該移植骨片(5)と前記骨(2,3)との間で骨接合を行うように関節(1)の骨(2,3)を少なくとも部分的に支持するに十分な圧力が移植骨片(5)に作用する圧縮ユニット(30)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固定インプラント。
【請求項10】
前記移植骨片(5)は、少なくとも1つの移植骨片(5)から形成され、前記関節の空間(4)の両側に位置する前記骨(2,3)の端部に嵌入されるハウジング(6)内に配置され、前記ハウジング(6)は内壁(61)が設けられ、前記圧縮ユニット(30)は前記ハウジング(6)の内壁(61)に対し前記骨小片(5’)を圧縮するように該骨小片(5’)の外面(5'A)を支持するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の固定インプラント。
【請求項11】
前記移植骨片(5)は、隙間(I)によって分かれた少なくとも2つの骨破片(2’と3’)を有し、前記圧縮ユニット(30)は、前記隙間(I)内で導入され、前記ハウジング(6)の内壁(61)に対して、骨破片(27と37)を押し戻すために外部放射方向から圧縮し、移植骨片(5)の膨張と関節(1)内での閉鎖を確立することを特徴とする請求項10に記載の固定インプラント。
【請求項12】
前記圧縮ユニット(30)は、前記隙間(I)への導入が進行するとき、骨小片の圧縮が確立する拡張手段(32)を有することを特徴とする請求項11に記載の固定インプラント。
【請求項13】
前記拡張手段(32)は、前記連結部材(10)の側部に位置する近接限界(33A)と反対の離隔限界(33B)との間の圧縮ユニット(30)の導入(S)の方向に伸延する圧縮ユニットの断面(33)から形成されることを特徴とする請求項12に記載の固定インプラント。
【請求項14】
前記圧縮ユニット(30)は、前記移植骨片(5)への導入を容易にするように構成された、テーパが付けられた末端部分を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項15】
前記圧縮ユニット(30)は、実質的に末端部分より厚い近接部(3,4)を有することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項16】
前記圧縮ユニット(30)は、本質的にプリズム状で平坦なプレート(35)から形成されることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項17】
前記プレート(35)は、本質的に平行な2つの主面(35Aと35B)を有し、当該主面(35Aと35B)の少なくとも1方は溝(36)を有することを特徴とする請求項16に記載の固定インプラント。
【請求項18】
前記溝(36)は、前記圧縮ユニット(30)の長手方向(X−X’)と平行な方向に伸延することを特徴とする請求項17に記載の固定インプラント。
【請求項19】
前記溝(36)は、前記圧縮ユニット(30)の長手方向に対し垂直な方向に伸延することを特徴とする請求項17に記載の固定インプラント。
【請求項20】
前記アンカー部材(8)は、複数のアンカーアーム(9)から形成され、当該アンカーアーム(9)の先端部(8B)は、骨組織に導入を容易にするためにテーパを付けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項21】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)の長手方向(X−X’)と平行な方向に伸延することを特徴とする請求項20に記載の固定インプラント。
【請求項22】
前記固定化手段(11)は、主平面(P)で伸延し、当該主平面(P)内に位置していることを特徴とする請求項20又は21に記載の固定インプラント。
【請求項23】
前記アンカーアーム(9)は、長手方向に種々の厚さを有することを特徴とする請求項20〜22のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項24】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)と同じ長さであることを特徴とする請求項20〜23のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項25】
前記アンカーアーム(9)は、異なる長さを有することを特徴とする請求項20〜23のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項26】
前記アンカーアーム(9)は、前記移植骨片(5)への導入(S)の方向に対し反対の方向(S’)への固定インプラント(7)の変位を防止する逆ロック手段(16)が設けられたことを特徴とする請求項20〜25のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項27】
前記逆ロック手段(16)は、前記アンカーアーム(9)の外面から突出する少なくとも1つの突起(22)から形成されることを特徴とする請求項26に記載の固定インプラント。
【請求項28】
前記逆ロック手段(16)は、前記アンカーアーム(9)に沿って配置される複数の突起(22)から形成されることを特徴とする請求項27に記載の固定インプラント。
【請求項29】
前記アンカーアーム(9)は、前記固定化手段(11)に面するように位置した内面(9A)を有し、前記逆ロック手段(16)が前記内面(9A)に配置されていることを特徴とする請求項26〜28のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項30】
把持手段(40)を有することを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項31】
前記把持手段(40)は、前記固定インプラント(7)の両側に配置される2つの溝(41)から形成されることを特徴とする請求項30に記載の固定インプラント。
【請求項32】
前記把持手段(40)は、好ましくは、前記固定化手段(11)と前記連結部材との間の接合部の近くの、前記固定インプラント(7)の厚さを挿通して合致する穴(41A)から形成されることを特徴とする請求項30に記載の固定インプラント。
【請求項33】
前記アンカー部材(8)は、相互に離間した2つの横向アンカーアーム(9)から形成され、前記連結部材(10)の両側で各々反対側に配置され、相互に平行で、前記固定化手段(11)は、前記アンカーアーム(9)に平行な中央アームから形成され、当該中央アームが前記連結部材(10)に関し垂直に伸延していることを特徴とする請求項1〜32のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項34】
前記連結部材(10)は、前記関節の空間(4)を覆うように配置されることを特徴とする請求項1〜33のいずれか1つに記載の固定インプラント。
【請求項35】
関節(1)の固定を確立するため、関節の空間(4)の両側に位置する骨(2,3)の間に配置された移植骨片(5)に対し固定インプラントを導入する手術法であって、
前記固定インプラントによって移植骨片(5)の固定する固定ステップ(a)を有する固定インプラント導入法。
【請求項36】
前記固定ステップ(a)は、前記関節(1)を形成する骨(2と3)を固定化することを特徴とする請求項35に記載の固定インプラント導入法。
【請求項37】
前記固定ステップ(a)は、各々の骨(2と3)にアンカー部材(8)を導入する方法で固定インプラントに1つ以上の衝撃によって実行されることを特徴とする請求項35又は36に記載の固定インプラント導入法。
【請求項38】
前記手術法は、関節を形成する前記骨(2と3)に移植骨片(5)の遮断をする遮断ステップ(b)を有することを特徴とする請求項35〜37のいずれか1つに記載の固定インプラント導入法。
【請求項39】
前記手術法は、前記移植骨片(5)を圧縮する圧縮ステップ(c)を有することを特徴とする請求項35〜38のいずれか1つに記載の固定インプラント導入法。
【請求項40】
前記ステップ(a)(b)は、同時に行うことを特徴とする請求項37及び38に記載の固定インプラント導入法。
【請求項41】
前記ステップ(a)(b)(c)は、同時に行うことを特徴とする請求項39及び40に記載の固定インプラント導入法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−75598(P2006−75598A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258572(P2005−258572)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(505337054)ニュウディール ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(505337054)ニュウディール ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】
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