説明

関連データを表示するための方法、サーバ、およびプログラム

【課題】表示されているコンテンツに関連する、ユーザにとって有用なデータを効果的に提示できる方法を提供すること。
【解決手段】サーバ10は、表示装置20から、コンテンツに含まれるテキストデータを受信して複数の単語を抽出する。続いて、複数の単語のうち、予め記憶した選択補助データと所定の類似度を有するものを、キーワードデータとして選択し、表示装置20に送信する。そして、表示装置20から、表示されたキーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信し、受信した選択データに応じて、対応するキーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索し、表示装置20に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの内容に関連するデータを表示するための方法、サーバ、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した情報検索の方法は広く普及し、PC(Personal Computer)や携帯端末において、ブラウザを介した検索結果の閲覧が可能となっている。このような情報検索の要求は、生活の中で目にする様々なコンテンツに含まれるデータに対して起こりうるものである。そのような場合、例えばテレビ放送の視聴に際して、ユーザは、視聴を中断あるいは終了させた後に興味のある事柄についての情報検索を行う
【0003】
このような状況において、コンテンツの視聴を大きく中断させることなく、関連情報を提示するためのシステムが提案されており、例えば特許文献1には、映像コンテンツのトピックスに対応する情報に対しインターネット等からコンテンツ関連リンクを提供する方法が開示されている。
【特許文献1】特表2006−510248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法によれば、映像コンテンツからキーワードを抽出することはできても、ユーザ(視聴者)の意思や嗜好とは無関係であり、希望しない情報が検索される可能性もある。ユーザにとっては、有益な情報をタイムリーに取得できることが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、表示されているコンテンツに関連する、ユーザにとって有用なデータを効果的に提示できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のため、具体的には、以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) サーバが、表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させる方法であって、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信するステップと、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出するステップと、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶するステップと、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択するステップと、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信するステップと、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信するステップと、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索するステップと、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信するステップと、を含む方法。
【0008】
このような構成によれば、当該サーバは、前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信し、受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出し、前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶し、前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択し、選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信し、前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信し、受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索し、検索した前記関連データを前記表示装置に送信する。
【0009】
このことにより、当該サーバは、前記表示装置にて表示されるコンテンツから、関連データを検索するためのキーワードデータを抽出する。その際、選択補助データとの類似度により、キーワードの絞り込みを行うため、予め記憶した選択補助データとかけ離れたキーワードが抽出されることがなく、テーマを絞った関連データを効率的に検索できる可能性がある。
【0010】
更に、ユーザからキーワードの選択入力を受け付けることにより、要求に応じた検索結果を提示することが可能となる。そしてその際に、前述のようにテーマを絞ったキーワードが表示されることにより、ユーザのキーワード選択が容易となる可能性がある。
【0011】
(2) 前記選択補助データには、ユーザの属性を示すデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【0012】
このような構成によれば、当該サーバは、ユーザの属性を前記選択補助データとして記憶するため、ユーザの属性に関連したキーワードを提示することができる。その結果、ユーザの興味を引きやすいキーワードにより、関連データを効果的に検索できる可能性がある。
【0013】
(3) 前記選択補助データには、受信した前記選択データの履歴を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【0014】
このような構成によれば、当該サーバは、ユーザが指定したキーワードの履歴を記憶するので、例えば、複数回指定されたキーワードや、別のユーザが指定したキーワードを優先的に提示することができる。その結果、検索要求の可能性が高いキーワードが提示されるため、ユーザは、効果的に有用な関連情報を取得できる可能性がある。
【0015】
(4) 前記選択補助データには、前記コンテンツに関する概要データを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【0016】
このような構成によれば、当該サーバは、予め用意された概要データ(テレビ放送の番組情報等)を選択補助データとすることにより、コンテンツの内容に沿ったキーワードを抽出することができる。その結果、当該サーバは、コンテンツと関係の薄いキーワードを排除できるため、コンテンツを視聴するユーザにとって有用な関連情報を無駄なく提示できる可能性がある。
【0017】
(5) 選択を禁止する単語および当該単語の選択を禁止する条件を示すデータを記憶するステップと、
当該条件に従い、前記キーワードデータを選択するステップと、を更に含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【0018】
このような構成によれば、当該サーバは、選択を禁止する単語および当該単語の選択を禁止する条件を示すデータを記憶し、当該条件に従い、前記キーワードデータを選択する。
【0019】
このことにより、当該サーバは、検索には相応しくないキーワードをチェックすることにより、それらを排除することができる。その結果、予め設定された条件により、不適切なキーワードの提示を回避することができる。
【0020】
なお、当該条件は、ユーザの属性によって、予め用意されたものの中から選択することとしてもよい。その場合には、例えば年齢等によりキーワードを制限することができる。
【0021】
(6) 前記表示装置からユーザ入力に基づく新たな単語データを受信し、前記キーワードデータとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶するステップを更に含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【0022】
このような構成によれば、当該サーバは、コンテンツから抽出したキーワードとは別に、ユーザが指定した新たなキーワードを記憶することができる。このことにより、ユーザの意思が反映されることとなるため、効果的な関連情報を提供できる可能性がある。
【0023】
また、同一のコンテンツを視聴する別のユーザに対して、新たなキーワードを介して間接的に情報提供できるため、効果的に付加情報を得られる可能性がある。
【0024】
(7) 前記表示装置からユーザ入力に基づく付加情報データを受信し、前記関連データとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶するステップと、
前記テキストデータを受信した際に、前記表示装置にて表示されている前記コンテンツに対応する前記付加情報データが記憶されている場合、当該付加情報データを前記表示装置に送信するステップと、を更に含む請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【0025】
このような構成によれば、当該サーバは、前記表示装置からユーザ入力に基づく付加情報データを受信し、前記関連データとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶し、前記テキストデータを受信した際に、前記表示装置にて表示されている前記コンテンツに対応する前記付加情報データが記憶されている場合、当該付加情報データを前記表示装置に送信する。
【0026】
このことにより、当該サーバは、コンテンツと関連付く付加情報データを記憶することにより、同一のコンテンツを視聴する別のユーザに対して、当該付加情報データを提示することができる。よって、コンテンツに対する評価等の情報を複数のユーザで共有することができるため、当該サーバは、効果的な情報共有の手段となりうる。
【0027】
(8) 前記表示装置から、前記コンテンツの映像データを受信するステップと、
受信した前記映像データから、テキストデータを抽出するステップと、を更に含む請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【0028】
このような構成によれば、当該サーバは、前記表示装置から、前記コンテンツの映像データを受信し、受信した前記映像データから、テキストデータを抽出する。
【0029】
このことにより、当該サーバは、コンテンツに含まれるテキストデータに加えて、映像データからもテキストデータを抽出するので、より多くのテーマ、キーワードを抽出してユーザに提供できる可能性がある。
【0030】
(9) 前記表示装置から、前記コンテンツの音声データを受信するステップと、
受信した前記音声データから、テキストデータを抽出するステップと、を更に含む請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
【0031】
このことにより、当該サーバは、コンテンツに含まれるテキストデータに加えて、音声データからもテキストデータを抽出するので、より多くのテーマ、キーワードを抽出してユーザに提供できる可能性がある。
【0032】
(10) 表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させるサーバであって、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信する手段と、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出する手段と、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶する手段と、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択する手段と、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信する手段と、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信する手段と、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索する手段と、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信する手段と、を備えるサーバ。
【0033】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【0034】
(11) 前記選択補助データには、ユーザの属性を示すデータを含むことを特徴とする請求項10に記載のサーバ。
【0035】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(2)と同様の効果が期待できる。
【0036】
(12) 前記選択補助データには、受信した前記選択データの履歴を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のサーバ。
【0037】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(3)と同様の効果が期待できる。
【0038】
(13) 前記選択補助データには、前記コンテンツに関する概要データを含むことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載のサーバ。
【0039】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(4)と同様の効果が期待できる。
【0040】
(14) 選択を禁止する単語および当該単語の選択を禁止する条件を示すデータを記憶する手段と、
当該条件に従い、前記キーワードデータを選択する手段と、を更に備える請求項10から請求項13のいずれかに記載のサーバ。
【0041】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(5)と同様の効果が期待できる。
【0042】
(15) 前記表示装置からユーザ入力に基づく新たな単語データを受信し、前記キーワードデータとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶する手段を更に備える請求項10から請求項14のいずれかに記載のサーバ。
【0043】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(6)と同様の効果が期待できる。
【0044】
(16) 前記表示装置からユーザ入力に基づく付加情報データを受信し、前記関連データとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶する手段と、
前記テキストデータを受信した際に、前記表示装置にて表示されている前記コンテンツに対応する前記付加情報データが記憶されている場合、当該付加情報データを前記表示装置に送信する手段と、を更に備える請求項10から請求項15のいずれかに記載のサーバ。
【0045】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(7)と同様の効果が期待できる。
【0046】
(17) 前記表示装置から、前記コンテンツの映像データを受信する手段と、
受信した前記映像データから、テキストデータを抽出する手段と、を更に備える請求項10から請求項16のいずれかに記載のサーバ。
【0047】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(8)と同様の効果が期待できる。
【0048】
(18) 前記表示装置から、前記コンテンツの音声データを受信する手段と、
受信した前記音声データから、テキストデータを抽出する手段と、を更に備える請求項10から請求項17のいずれかに記載のサーバ。
【0049】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(9)と同様の効果が期待できる。
【0050】
(19) 表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させるプログラムであって、サーバに、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信するステップと、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出するステップと、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶するステップと、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択するステップと、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信するステップと、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信するステップと、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索するステップと、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信するステップと、を実行させるプログラム。
【0051】
このような構成によれば、当該プログラムを当該サーバ上で実行することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、表示されているコンテンツに関連する、ユーザにとって有用なデータを効果的に提示できる方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
【0054】
[システムの全体構成]
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムの全体構成を示す概略図である。
【0055】
表示装置20は、所定の種類のコンテンツを表示する装置であって、例えば、テレビ、PC、ゲーム機等がこれにあたる。そして、当該コンテンツは、ネットワークを介して、あるいは放送電波を受信することにより取得する。
【0056】
サーバ10は、表示装置20とネットワークを介して接続されており、表示装置20からコンテンツデータおよび選択補助データを受信することにより、関連情報の検索に利用するキーワードデータを抽出する。
【0057】
サーバ10は、Webサーバ30にて管理されている情報を、前述のキーワードデータおよび選択補助データに基づいて検索することにより、受信したコンテンツデータに対する関連データを抽出する。この関連データを表示装置20に送信することにより、ユーザに対してコンテンツの関連データを提示することができる。
【0058】
ここで、選択補助データは、キーワードデータを効率的に選択するためのデータであって、表示装置20から適宜受信することにより、無駄なキーワードデータを抽出する可能性を減らす。なお、選択補助データは、表示装置20から受信するだけではなく、サーバ10が直接ユーザからの入力を受け付けてもよい。あるいはネットワーク上の所定の記憶装置(例えば、Webサーバ30等)から受け付けることとしてもよい。
【0059】
更に、この選択補助データをサーバ10に記憶することにより、過去の履歴や他のユーザからのデータを必要に応じて利用することができるため、サーバ10は、複数の表示装置20に対して効果的な情報提供サーバとなりうる。
【0060】
[サーバの構成]
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ10の構成を示すブロック図である。
【0061】
制御部110、記憶部120、入力部130、表示部140、通信制御部150は、バス160を介して接続されている。
【0062】
制御部110は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該コンピュータ全体の制御を行う。制御部110は、記憶部120に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能(図3〜5にて後述する)を実現している。
【0063】
記憶部120は、制御部110と組み合わせてプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のバルクメモリ、および当該バルクメモリの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリを含んでよい。記憶部120を実現するコンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気テープ、磁気ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、光ディスク等が含まれる。
【0064】
記憶部120には、制御部110にて実行されるプログラムに付随する各種テーブル群や変数等も記憶され、例えば、図6〜7にて後述するテーブルが含まれる。
【0065】
入力部130は、ユーザによる入力の受け付けを行うものであり、キーボード、ポインティング・デバイス等を含んでよい。入力部130は、直接または介在I/Oコントローラを介して当該コンピュータと接続することができる。
【0066】
表示部140は、ユーザにデータの入力を受け付ける画面を表示したり、当該コンピュータによる演算処理結果の画面を表示したりするものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。表示部140は、直接または介在I/Oコントローラを介して当該コンピュータと接続することができる。
【0067】
本実施形態においては、入力部130を介して、サーバ10の管理者から前述の選択補助データの入力を受け付けることができる。その際、表示部140は、受け付けや入力確認のための画面表示を行う。
【0068】
通信制御部150は、当該コンピュータを専用ネットワークまたは公共ネットワークを介して別の演算処理システムまたは記憶装置と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。通信制御部150は、モデム、ケーブルモデムおよびイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。これにより、サーバ10は、表示装置20あるいはWebサーバ30と各種データの送受信を行う。
【0069】
なお、本実施形態では、サーバ10を表示装置20とは独立した装置としたが、構成はこれには限られない。例えば、表示装置20がサーバ10の機能を含む単一の装置として構成してもよいし、サーバ10と表示装置20が、専用の有線ケーブルや無線通信によって接続されることとしてもよい。
【0070】
単一の装置とする場合には、表示装置20が、上述したサーバ10のハードウェアを備える。その場合、表示装置20は、制御部110による制御のもと、通信制御部150を介して放送電波を受信し、表示部140においてコンテンツおよび検索結果の表示を行う。そして、入力部130から、キーワードの選択入力等、後述の各種ユーザ入力データを受け付ける。
【0071】
[メイン処理]
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおけるメイン処理の流れを示す図である。
【0072】
ステップS105では、表示装置20は、コンテンツの表示を行う。具体的には、例えばテレビの場合であれば、受信した放送電波からユーザの選択入力に応じて、一の番組(コンテンツ)を表示する。
【0073】
ステップS110では、表示装置20は、ステップS105にて表示したコンテンツデータをサーバ10に送信する。コンテンツには映像データや音声データが含まれており、例えばデジタル放送の場合であれば、テキストデータも含んでいる場合がある。
【0074】
ステップS115では、サーバ10は、ステップS110にて受信したコンテンツデータから、テキストデータを抽出する。具体的には、コンテンツデータにテキストデータを含んでいる場合には、当該データを抽出する。更には、映像データに含まれるテキストデータ(テロップ等、画像として映像データに含まれるテキスト情報等)を読み取る。また、音声データを解析し、テキストデータに変換することにより抽出してもよい。
【0075】
ステップS120では、サーバ10は、ステップS115にて抽出したテキストデータに対して、形態素解析を行う。これにより、テキストデータを構成する複数の単語を抽出することができる。更に、抽出した単語の中から、名詞のみを選択する等の絞り込みを行ってもよい。
【0076】
ステップS125では、サーバ10は、ステップS120にて抽出した単語の中から、キーワードデータを選択する。このキーワードデータは、関連データを検索するための検索キーとなるものであり、コンテンツデータに含まれる単語から選択することにより、表示装置20にて表示中のコンテンツに連動した関連データを検索することが可能となる。
【0077】
ステップS130では、サーバ10は、ステップS125にて選択したキーワードデータの中から、更にユーザによる選択入力を受け付けるため、選択肢となる当該キーワードデータを表示装置20に送信する。
【0078】
ステップS135では、表示装置20は、ステップS130にて受信したキーワードデータの中から、ユーザより一または複数の選択入力を受け付ける。具体的には、例えば図8のキーワード表示例に示すように、表示中のコンテンツ映像に重ねて、キーワードデータのリストを表示させる。その後、表示装置20の入力部(リモコン等)により、ユーザからの入力を受け付ける。
【0079】
図8のキーワード表示例では、映像コンテンツに基づいたキーワードデータのリストを検索情報として、画面左上に表示している。このリストには、映像コンテンツのテロップに含まれる「○○時計」を抽出して表示している。
【0080】
なお、リストの表示は、コンテンツ映像に重ねてもよいし、別画面として表示してもよい。ただし、コンテンツ映像の変形を少なく、かつ、その視聴を妨げにくい位置に表示させることが望ましい。
【0081】
ステップS140では、表示装置20は、ステップS135にて選択されたキーワードデータを示す選択データをサーバ10に送信する。なお、選択データは、一のキーワードデータを示すものであってもよいし、複数のキーワードデータを示すものであってもよい。複数の場合には、複合検索キーとなり、検索される関連データを絞り込むこととなる。
【0082】
ステップS145では、サーバ10は、ステップS140にて受信した選択データに基づいて、選択されたキーワードデータを検索キーとして、関連データ(Webページデータ等)の検索を行う。具体的には、既存の検索技術を用いることができ、一般的には、Webページに含まれるデータとのマッチングにより検索を行う。
【0083】
ステップS150では、サーバ10は、ステップS145にて検索した関連データを表示装置20に送信する。この関連データは、Webページそのものであってもよいし、Webページを示すリンクデータ(URL)であってもよい。
【0084】
ステップS155では、表示装置20は、ステップS150にて受信した関連データを表示する。具体的には、関連データをコンテンツ映像と共に表示させるため、例えば、図9に示す検索結果表示例のように、2画面に分割し、その一方に表示させることとしてよい。これにより、ユーザは、コンテンツ映像を見続けることができ、効率的に関連データを確認することができる。
【0085】
図9の検索結果表示例は、図8のキーワード表示例において「○○時計」の選択を受け付けた場合の画面を示している。ここでは、選択されたキーワードによりインターネットを検索した結果として、ヒット件数を表示すると共に、検索された複数の関連情報へのリンクを順位付けして表示している。ユーザは、このリンクを選択することにより、関連データの詳細を表示させることができる。
【0086】
また、表示装置20は、検索結果を映像コンテンツと並べて表示させるため、映像コンテンツを縮小して表示している。別の態様としては、映像コンテンツの視認を大きく妨げない位置に重ねて、検索結果を表示させることとしてもよい。
【0087】
なお、本処理フローにおけるキーワードデータの抽出(ステップS115〜S125)は、コンテンツデータの受信に応じて、すなわち、コンテンツの表示中の部分について行う。これにより、キーワードデータの表示(ステップS135)は、コンテンツの表示に連動するため、時間の経過と共に、表示されるキーワードデータはリアルタイムで変化していくこととなる。そして、ユーザは、適宜これらのキーワードデータを選択することにより、必要に応じて検索結果(関連データ)を表示させることができる。
【0088】
[キーワードデータの選択処理]
図4は、本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおけるキーワードデータの選択処理の流れを示す図である。本処理は、メイン処理(図3)のステップS125に相当する。
【0089】
ステップS205では、サーバ10は、選択補助データの読み込みを行う。具体的には、選択補助データは、ユーザあるいはコンテンツに関するデータであって、例えば、図6に示すユーザ情報テーブルや、図7に示すコンテンツ情報テーブルとして、予め記憶している。
【0090】
ユーザ情報テーブル(図6)には、ユーザを識別するID(ユーザIDフィールド)に関連付けて、性別、年齢や居住地域等のユーザの属性情報(ユーザ情報フィールド)、当該ユーザが検索に用いたキーワード(検索キーワードフィールド)、検索を行ったコンテンツ(コンテンツIDフィールド)、および検索を行った時刻(時刻フィールド;例えば、コンテンツの開始からの経過時間等で示される)を記憶している。
【0091】
これにより、ユーザの属性や検索履歴が記憶されるので、ユーザの属性に関係の深いキーワードや、検索頻度の高いキーワード等を選択することができる。また、検索対象のコンテンツおよび検索時刻を用いて、同一コンテンツを視聴している別のユーザに、該当のキーワードを提示して検索を促すこともできる。
【0092】
コンテンツ情報テーブル(図7)には、コンテンツを識別するID(コンテンツIDフィールド)に関連付けて、当該コンテンツの概要を示すデータ(概要フィールド)、ユーザが追加入力したキーワード(追加キーワードフィールド)、当該コンテンツに関して頻出したキーワード(頻出キーワードフィールド)、当該キーワードによる検索が実行された時間帯(検索時刻フィールド;例えば、コンテンツの開始からの経過時間の範囲等で示される)を記憶している。
【0093】
ここで、概要を示すデータは、例えば、テレビ番組の番組表データ等であって、コンテンツ(テレビ番組)の内容に関するキーワードを多数含んでいる。そのため、これらに基づいてキーワードを選択することにより、コンテンツの内容に沿ったものとすることができる。
【0094】
また、追加キーワードは、ユーザが入力することによりサーバ10に送信されたキーワードであって、コンテンツデータから抽出されたキーワードとは別にユーザが新たに指定したものである。これにより、別のユーザにより間接的に情報提供を受けることができ、検索の幅が広がる可能性がある。
【0095】
また、頻出キーワードは、当該コンテンツにおいて、複数のユーザから指定されたキーワードであって、多数のユーザの関心事項である可能性が高い。よって、サーバ10は、頻出キーワードを優先的に提示することにより、ユーザに対して効率的に情報提供を行える可能性がある。
【0096】
その際、検索時刻を関連付けて記憶しておくことにより、該当する時間帯にキーワードを提示することができるため、コンテンツの表示と連動したタイムリーな情報提供が可能となる。
【0097】
なお、これらの選択補助データは、表示装置20から随時受信して記憶することとしてよく、システムを運用して行くに従って、情報量を増すこととなる。
【0098】
ステップS210では、サーバ10は、メイン処理にて抽出したコンテンツデータに含まれる単語について、ステップS205にて読み込んだ選択補助データとの類似度を算出する。これにより、選択補助データと関連の深い単語が抽出される。
【0099】
ステップS215では、サーバ10は、選択条件のチェックを行う。具体的には、例えば、15歳未満のユーザには所定のキーワードの提示を禁止する等の選択条件に関するデータを予め記憶しておく。これにより、ユーザ情報テーブル(図6)のユーザ情報フィールドを参照することで、ステップS210にて類似度が高いと算出された単語であっても、選択対象から除外することができる。
【0100】
なお、この選択条件に関するデータは、サーバ10にて入力を受け付けてもよいし、表示装置20からユーザ入力データを受信することにより記憶してもよい。
【0101】
ステップS220では、サーバ10は、キーワードの選択を行う。具体的には、ステップS210にて算出された類似度が高い単語であって、ステップS215の選択条件により除外されないものを選択する。これにより、表示装置20にて表示中のコンテンツに連動したキーワードを選択し、ユーザに提示することができる。
【0102】
[付加データの送信処理]
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおける付加データの送信処理の流れを示す図である。本処理では、同一のコンテンツを視聴する別のユーザに対して、当該コンテンツに関する付加情報(例えば、評価や関連知識等)を送信する。
【0103】
ステップS305では、表示装置20aは、表示しているコンテンツに関する付加データの入力を受け付け、サーバ10に送信する。ここで、入力の受け付けはコンテンツの表示と同時に行ってもよいし、別のタイミングで、コンテンツの指定と共に受け付けてもよい。
【0104】
ステップS310では、サーバ10は、ステップS305にて受信した付加データを、コンテンツと関連付けて記憶する。複数のユーザから受信して記憶することにより、コンテンツに関する付加データの情報量が増加するため、当該コンテンツを視聴するユーザは、多くの関連情報を容易に知ることができる。
【0105】
サーバ10は、表示装置20bからコンテンツデータを受信すると(ステップS315)、記憶した付加データを読み出し(ステップS320)、受信したコンテンツに関連する付加データを表示装置20bに送信する(ステップS325)。そして、表示装置20bは、受信した付加データを表示することにより、ユーザに対してタイムリーな関連情報を提示することができる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ10の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおけるメイン処理の流れを示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおけるキーワードデータの選択処理の流れを示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ視聴システムにおける付加データの送信処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係るユーザ情報テーブルを示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンテンツ情報テーブルを示す図である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係るキーワード表示例を示す図である。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係る検索結果表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
10 サーバ
20、20a、20b 表示装置
30 Webサーバ
110 制御部
120 記憶部
130 入力部
140 表示部
150 通信制御部
160 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが、表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させる方法であって、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信するステップと、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出するステップと、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶するステップと、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択するステップと、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信するステップと、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信するステップと、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索するステップと、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記選択補助データには、ユーザの属性を示すデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択補助データには、受信した前記選択データの履歴を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択補助データには、前記コンテンツに関する概要データを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
選択を禁止する単語および当該単語の選択を禁止する条件を示すデータを記憶するステップと、
当該条件に従い、前記キーワードデータを選択するステップと、を更に含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記表示装置からユーザ入力に基づく新たな単語データを受信し、前記キーワードデータとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶するステップを更に含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記表示装置からユーザ入力に基づく付加情報データを受信し、前記関連データとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶するステップと、
前記テキストデータを受信した際に、前記表示装置にて表示されている前記コンテンツに対応する前記付加情報データが記憶されている場合、当該付加情報データを前記表示装置に送信するステップと、を更に含む請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記表示装置から、前記コンテンツの映像データを受信するステップと、
受信した前記映像データから、テキストデータを抽出するステップと、を更に含む請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記表示装置から、前記コンテンツの音声データを受信するステップと、
受信した前記音声データから、テキストデータを抽出するステップと、を更に含む請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させるサーバであって、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信する手段と、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出する手段と、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶する手段と、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択する手段と、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信する手段と、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信する手段と、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索する手段と、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信する手段と、を備えるサーバ。
【請求項11】
前記選択補助データには、ユーザの属性を示すデータを含むことを特徴とする請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
前記選択補助データには、受信した前記選択データの履歴を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のサーバ。
【請求項13】
前記選択補助データには、前記コンテンツに関する概要データを含むことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載のサーバ。
【請求項14】
選択を禁止する単語および当該単語の選択を禁止する条件を示すデータを記憶する手段と、
当該条件に従い、前記キーワードデータを選択する手段と、を更に備える請求項10から請求項13のいずれかに記載のサーバ。
【請求項15】
前記表示装置からユーザ入力に基づく新たな単語データを受信し、前記キーワードデータとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶する手段を更に備える請求項10から請求項14のいずれかに記載のサーバ。
【請求項16】
前記表示装置からユーザ入力に基づく付加情報データを受信し、前記関連データとして、前記コンテンツを識別するデータと関連付けて記憶する手段と、
前記テキストデータを受信した際に、前記表示装置にて表示されている前記コンテンツに対応する前記付加情報データが記憶されている場合、当該付加情報データを前記表示装置に送信する手段と、を更に備える請求項10から請求項15のいずれかに記載のサーバ。
【請求項17】
前記表示装置から、前記コンテンツの映像データを受信する手段と、
受信した前記映像データから、テキストデータを抽出する手段と、を更に備える請求項10から請求項16のいずれかに記載のサーバ。
【請求項18】
前記表示装置から、前記コンテンツの音声データを受信する手段と、
受信した前記音声データから、テキストデータを抽出する手段と、を更に備える請求項10から請求項17のいずれかに記載のサーバ。
【請求項19】
表示装置において表示されるコンテンツの内容に関連するデータを、当該表示装置に表示させるプログラムであって、サーバに、
前記表示装置から、前記コンテンツに含まれるテキストデータを受信するステップと、
受信した前記テキストデータから複数の単語を抽出するステップと、
前記複数の単語からキーワードデータを選択するための選択補助データを記憶するステップと、
前記複数の単語のうち、前記選択補助データと所定の類似度を有するものを、前記キーワードデータとして選択するステップと、
選択した前記キーワードデータを、前記表示装置に送信するステップと、
前記表示装置から、前記キーワードデータのうち、少なくとも一を選択する選択データを受信するステップと、
受信した前記選択データに応じて、対応する前記キーワードデータと関連する関連データを、ネットワーク上から検索するステップと、
検索した前記関連データを前記表示装置に送信するステップと、を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−39743(P2010−39743A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201605(P2008−201605)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(500521522)株式会社オプティム (73)
【Fターム(参考)】