説明

防振パレット及びこれを備えた防振装置

【課題】搬送物の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物を載せる位置によって架台が傾斜することがない防振パレットを提供する。また、輸送手段の加減速時や傾斜時において、搬送物の横方向に作用する加速度を大幅に緩和することができる防振装置を提供する。
【解決手段】防振装置1Aは、防振パレット2と輸送用ショック低減装置28Aを備える。防振パレット2は、上部架台4と下部架台5との間にダイヤフラム型空気ばね7を備える。また防振パレット2は、上部架台4と下部架台5の距離が一定となるように自動的にダイヤフラム型空気ばね7の空気圧を調整する自動レベリング装置13を備える。輸送用ショック低減装置28Aは、搬送物26に水平方向の加速度αが作用したときに、搬送物26に作用する載置面6に平行な加速度成分を低減する方向に載置面6が傾くように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送中の搬送物に作用する振動を緩和するための防振パレット及びこれを備えた防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学精密機械、コンピュータやテレビ等の電子機器、ガラス工芸品等の、衝撃・振動により損傷を受け易い搬送物を、トラック、飛行機、船などの輸送手段で安全に輸送するためには、輸送中の搬送物に作用する振動を緩和する必要がある。そのため、従来、搬送物を輸送する際に、搬送物を防振パレットの上に設置して衝撃・振動から保護している。下記特許文献1には、従来の防振パレットが開示されている。
【0003】
図12は、特許文献1に開示された防振パレット70の構成図である。図12において、ベース71の台座プレート71a上に載せる防振パレット70は、下架台73と、搬送物74を載せる上架台72と、下架台73と上架台72の間に脚部として配置された防振手段75とを備え、防振手段75で上架台72を弾性的に支持する構成としたものである。防振手段75は、圧縮コイルばねの外周または内周に粘弾性シートを接着したダンピングコイルばねで形成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−297056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したコイルばねを用いた従来の防振パレット70では、搬送物の重量によってコイルばねの固有振動数が異なるため、補助ばね等でその都度固有振動数を調整する必要がある。また、搬送物74が載るところだけがコイルばねの撓みが大きくなるため、上架台72が傾斜するという問題がある。
【0006】
また、輸送手段が加速または減速する際には、慣性力によって搬送物に水平方向の加速度が作用し、この水平方向の加速度が搬送物74に悪影響を与えるという問題がある。一般的に構造物は上下方向には強いが横方向の力には弱いという性質がある。例えば、精密な位置精度が要求されるレンズを備えた精密機器の場合、水平方向の加速度を受けることによりレンズ位置がずれてしまい、輸送後にレンズ位置を再調整する必要が生じることがある。
【0007】
さらに、航空機により輸送する際に、離着陸時の傾斜角度によって搬送物74が傾くことで、重力加速度の分力が搬送物74の横方向に作用するため、精密機器に悪影響を与えるという問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、搬送物の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物を載せる位置によって架台が傾斜することがない防振パレットを提供することを課題とする。また、輸送手段の加減速時や傾斜時において、搬送物の横方向に作用する加速度を大幅に緩和することができる防振装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明の防振パレット及びこれを備えた防振装置は、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
(1)本発明の防振パレットは、上下方向に間隔を空けて配置された上部架台と下部架台とからなるパレット本体と、前記上部架台と前記下部架台との間に配置され、上部架台からの荷重を支持するとともに下部架台からの上下方向及び水平方向の振動を抑制するダイヤフラム型空気ばねと、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記の本発明の防振パレットは、上部架台と下部架台の間に配置する弾性支持手段として、ダイヤフラム型空気ばねを採用したものである。空気ばねは、搬送物の重量が変わっても固有振動数の変化が小さいため、補助ばね等による固有振動数の調整を行う必要がない。また、空気ばねの内容積を大きくすることで鉛直方向の固有振動数を下げることができ、性能が向上できる。また、ダイヤフラム型空気ばねは、水平方向に変位可能であるため、水平方向の振動を緩和することもできる。
【0012】
(2)また、上記(1)の防振パレットにおいて、前記上部架台と前記下部架台の一方または両方の内部には空気室が形成されており、前記ダイヤフラム型空気ばねの内部と前記空気室とが連通している。
【0013】
上記の構成によれば、架台に形成された空気室を補助空気タンクとして利用し、内容積を大きくすることができる。このため、別途の補助空気タンクを設置する必要がない。
【0014】
(3)また、上記(2)の防振パレットにおいて、前記上部架台と前記下部架台のうち前記空気室が形成されたものは、ハニカム構造パネルである。
【0015】
上記の構成によれば、ハニカム構造パネルはもともと空洞部を有し、これを利用して空気室を構成することができるので、架台として好適である。
【0016】
(4)また、上記(2)又は(3)の防振パレットにおいて、前記上部架台と前記下部架台の両方に前記空気室が形成されており、前記上部架台と前記下部架台の空気室同士が可撓性を有する空気配管によって連結されている。
【0017】
上記の構成によれば、上部架台と下部架台の空気室同士を、可撓性を有する空気配管によって連通させることで、空気ばねの内容積をより大きくすることができる。
【0018】
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかの防振パレットにおいて、前記ダイヤフラム型空気ばねと前記上部架台の間または前記ダイヤフラム型空気ばねと前記下部架台の間に積層ゴムが配置されている。
【0019】
上記の構成よれば、積層ゴムを追加することで、水平方向の変位可能量を大きくすることができる。
【0020】
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかの防振パレットにおいて、前記ダイヤフラム型空気ばねが複数個、互いに離間した位置に設置されており、さらに、前記複数のダイヤフラム型空気ばねの各々に付帯して設けられ、前記上部架台と下部架台との間の距離に連動する高さセンサの出力に基づいて前記距離が一定となるように自動的に前記ダイヤフラム型空気ばねの空気圧を調整する自動レベリング装置を備える。
【0021】
上記の構成によれば、自動レベリング装置によって架台レベルの変化を検知し、空気ばねに対して圧縮空気の給排気が行われ、自動的に上部架台のレベルが維持されるため、搬送物を載せる位置によって上部架台が傾斜することがない。
【0022】
(7)本発明の防振装置は、上記(1)乃至(6)のいずれかの防振パレットと、前記防振パレットを載せるための載置面を有し、搬送物が防振パレットに載置された状態で前記搬送物に水平方向の加速度が作用したときに、前記搬送物に作用する前記載置面に平行な加速度成分を低減する方向に前記載置面が傾くように構成された輸送用ショック低減装置と、を備えることを特徴とする。
【0023】
上記の本発明の構成によれば、輸送用ショック低減装置により、輸送手段の加減速時には、搬送物の載置面が水平面に対して傾斜することで水平方向の加速度(慣性力による加速度)と重力加速度の合力が載置面に対して垂直に近づく。これにより、搬送物の横方向に作用する加速度を大幅に低減することができる。また、上記の輸送用ショック低減装置の構成によれば、航空機の離着陸時における傾斜時には、航空機の傾斜をキャンセルする方向に、載置面が航空機に対する相対的な姿勢を自動的に変化させるので、載置面をほぼ水平に維持できる。これにより、重力加速度の分力が搬送物の横方向に作用することがないので、航空機の離着陸時における傾斜時に、搬送物の横方向に加速度が作用することを防止できる。
【0024】
(8)また、上記(7)の防振装置において、前記輸送用ショック低減装置は、前記水平な加速度方向に延びるガイドレールと、前記載置面を有し前記ガイドレール上を移動自在な載置台とを備え、前記ガイドレールは、前記載置台が前記水平な加速度方向に移動したときに前記載置面の移動方向の前方が相対的に高く後方が相対的に低くなるようなレール形状を有する。
【0025】
上記の構成によれば、水平方向の加速度を受けたときに、載置台がガイドレール上を移動することで、搬送物に作用する載置面に平行な加速度成分を低減する方向に載置面が傾
くようにすることができる。
【0026】
(9)また、上記(8)の防振装置において、前記ガイドレールは、前記水平な加速度方向に延びる直線レール部と、該直線レール部の両端の各々に連結され該両端からの水平方向距離が大きくなるにつれてレール高さが高くなるように湾曲する曲線レール部とからなる
【0027】
(10)また、上記(8)の防振装置において、前記ガイドレールは、下に凸となるように全体が湾曲したレール形状を有する。
【0028】
このように、ガイドレールは、直線レール部と湾曲レール部からなる形状でも、全体が湾曲した形状でもよい。
【0029】
(11)また、上記(8)乃至(10)のいずれかの防振装置において、前記載置台には、前記ガイドレールが延びる方向の前後に離間してガイドレール上をスライド可能な第1及び第2のガイドブロックが設けられており、前記第1ガイドブロック及び第2ガイドブロックは、前記載置台に対して回転自在に取り付けられている。
【0030】
上記の構成によれば、載置台に対して各ガイドブロックが回転自在に取り付けられているので、載置台がガイドレールに沿って移動する際にガイドブロックが載置台に対して自由に回転する。これにより、ガイドブロックが滑らかにガイドレール上を移動することができる。
【0031】
(12)また、上記(7)の防振装置において、前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台を吊り下げ支持する吊り手段と、該吊り手段の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる吊点移動装置と、を備え、前記吊り手段は、前記水平な加速度方向の前後に離間した位置で前記載置台を吊り下げ支持する第1吊り材と第2吊り材とを有し、前記第1吊り材及び前記第2吊り材の下端は前記載置台に揺動可能に連結されており、前記第1吊り材及び前記第2吊り材の上端は前記輸送用ショック低減装置が設置される構造物のうち前記載置台の上方に位置する部位に揺動可能に連結されており、前記吊点移動装置は、前記水平な加速度方向に直交する水平側面から見て前記第1吊り材及び前記第2吊り材がハの字形状をなす姿勢となるように、前記吊り手段の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる。
【0032】
上記の構成によれば、第1吊り材及び第2吊り材がハの字形状をなす姿勢となるように傾いているので、水平方向の加速度を受けたときに、架台の水平方向への移動に伴って、搬送物に作用する載置面に平行な加速度成分を低減する方向に載置面が傾くようにすることができる。
【0033】
(13)また、上記(7)の防振装置において、前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台の姿勢を可変に支持する円弧ガイド機構とを備え、該円弧ガイド機構は、円弧状ガイドに沿って前記水平な加速度方向の前後に前記載置面より上方にある揺動中心周りに揺動自在な揺動部を有する。
【0034】
上記の構成によれば、水平方向の加速度を受けたときに、円弧ガイド機構により揺動部が傾くことで、搬送物に作用する載置面に平行な加速度成分を低減する方向に載置面が傾くようにすることができる。
【0035】
(14)また、上記(7)の防振装置において、前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台の姿勢を可変に支持する傾斜ガイド機構とを備え、該傾斜ガイド機構は、前記水平な加速度方向の前後に互いに逆傾斜の2つの直線傾斜ガイドを有し、前記載置台とともに前記水平な加速度方向に移動したときに移動方向の前方が上昇し後方が下降するように前記載置台を傾ける。
【0036】
上記の構成によれば、水平方向の加速度を受けたときに、傾斜ガイド機構により、搬送物に作用する載置面に平行な加速度成分を低減する方向に載置面が傾くようにすることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の防振パレットによれば、搬送物の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物を載せる位置によって架台が傾斜することがない。
本発明の防振装置によれば、輸送手段の加減速時や傾斜時において、搬送物の横方向に作用する加速度を大幅に緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0039】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる防振装置1Aの構成を示す図である。図1において、防振装置1はコンテナ19の内部に設置されている。またこの防振装置1は本発明の防振パレット2を備える。なお防振装置1は、コンテナ19の内部に設置されるほか、航空機の貨物室や、トラックの荷台に直接設置されてもよい。
【0040】
図1に示すように、防振装置1Aは、搬送物26を載せて輸送中に搬送物26に伝わる振動を緩和する防振パレット2と、防振パレット2を載せて搬送物26に水平方向の加速度αが作用したときに載置面6を傾斜させる輸送用ショック低減装置28Aとを備える。
【0041】
まず、防振パレット2の構成について説明する。
防振パレット2は、輸送用ショック低減装置28Aの載置台32に取り外し可能に設置されている。図1に示すように、防振パレット2は、上下方向に間隔を空けて配置された上部架台4と下部架台5とからなるパレット本体3と、上部架台4と下部架台5との間に配置され上部架台4からの荷重を支持するとともに下部架台5からの上下方向及び水平方向の振動を抑制するダイヤフラム型空気ばね7とを備える。図1に示すようにダイヤフラム型空気ばね7は、上部架台4と下部架台5の間に互いに適宜の間隔をおいて複数個設置されている。
【0042】
本実施形態において、上部架台4と下部架台5はともにハニカム構造パネルで構成されている。上部架台4の上面は搬送物26を載せる載置面となっている。ダイヤフラム型空気ばね7と下部架台5との間には、ダイヤフラム型空気ばね7を支持する脚部20が配置されている。
【0043】
図2は、図1のA部拡大図である。図2に示すように、ハニカム構造パネルで構成された上部架台4と下部架台5の内部には、ハニカムセルによって空気室23,24が多数形成されている。
【0044】
ダイヤフラム型空気ばね7は、円筒型の上部保持材9と、上部保持材9の内側に配置された円筒型の下部保持材10と、上部保持材9と下部保持材10の間に配置された円筒型のダイヤフラム8とから構成されている。ダイヤフラム8は、ゴム材で構成された弾性膜であり、リング状の外側部8aと内側部8bとが下部で連結された形状を有している。また外側部8aの上部が上部保持材9と連結され、内側部8bの上部が下部保持材10と連結されることで、内部に空気室11が形成されている。この空気室11に圧縮空気が封入されている。
【0045】
ダイヤフラム型空気ばね7は上記のように構成されているので、振動による上部保持材9と下部保持材10の上下方向及び水平方向の相対位置変位に追従してダイヤフラム8が変形することで、上下方向及び水平方向の振動を吸収できる。
【0046】
このように本発明の防振パレット2は、上部架台4と下部架台5の間に配置する弾性支持手段として、ダイヤフラム型空気ばね7を採用したものである。空気ばね7は、搬送物26の重量が変わっても固有振動数の変化が小さいため、補助ばね等による固有振動数の調整を行う必要がない。また、ダイヤフラム型空気ばね7は、水平方向に変位可能であるため、水平方向の振動を緩和することもできる。
【0047】
ここで、空気ばね7のばね定数kは下記[数1]の(1)式で示され、固有振動数fは下記[数1]の(2)式で示される。したがって、空気ばね7の内容積を大きくすることで鉛直方向の固有振動数を下げることができ、性能が向上できる。
【数1】


ここで、Mは質量、Pは荷重、δは撓み、pは内圧(ゲージ圧)pは大気圧、Aは有効受圧面積、Vは内容積(補助タンクを含む)、γはポリトロール指数である。
【0048】
本実施形態では図2に示すように、空気ばね7の空気室と上部架台4の空気室とを、上部保持材9に形成された接続穴9aを介して連通することで、空気ばね7の内容積を大きくしている。また、この場合、上部架台4の空気室同士を連通させることで、さらに内容積を大きくすることができる。なお、上部架台4と下部架台5の一方又は両方を、ハニカム構造パネル以外のパネルで構成してもよく、この場合、そのパネルの内部に空気室を形成することで、上記と同様に空気ばね7の内容積を大きくしてもよい。
【0049】
また本実施形態では上部架台4の空気室23と下部架台5の空気室24とが可撓性を有する空気配管12によって連結されている。空気配管12は、上部架台4と下部架台5にそれぞれ形成された接続穴25a,25bを介して空気室23,24と連通している。空気配管12の上端と直接連通している空気室23は、直接または他の空気室を介して空気ばね7と連通している。また空気配管12の下端と直接連通している空気室24は、下部架台5内の他の一つ以上の空気室と連通している。このような構成により、空気ばね7の内容積をさらに大きくすることができる。
【0050】
本実施形態において、ダイヤフラム型空気ばね7を支持する脚部20は積層ゴム21で構成されている。積層ゴム21は、複数のゴム材と金属板を交互に積み重ねた構造を有し、水平方向に変位可能である。このように脚部20として、積層ゴム21を採用することで、水平方向の変位可能量を大きくすることができる。なお、ダイヤフラム型空気ばね7と積層ゴム21の位置関係は、図2に示したものと上下逆であってもよい。
【0051】
本実施形態の防振パネルは、さらに上部架台4と下部架台5と間の距離を一定に保持する自動レベリング装置13を備える。自動レベリング装置13は、複数のダイヤフラム型空気ばね7の各々に付帯して設けられ、上部架台4と下部架台5との間の距離に連動する高さセンサ14の出力に基づいて上記の距離が一定となるように自動的にダイヤフラム型空気ばね7の空気圧を調整する。
【0052】
図3は、空気ばね7と自動レベリング装置13の配置構成を示す平面図である。図3の構成例では、空気ばね7と自動レベリング装置13の組が、左右前後方向に計8つ配置されている。
【0053】
図4は、自動レベリング装置13の概略構成図である。図4において、自動レベリング装置13は、上部架台4と下部架台5との間の距離に連動する高さセンサ14と、高さセンサ14の検出量に応じて作動するエアバルブ16と、エアバルブ16に一方のポートに接続されたコンプレッサ17とを備える。エアバルブ16の他方のポートには、空気ばね7が接続されている。
【0054】
高さセンサ14が上部架台4と下部架台5との間の距離の変化を感知すると、その変化量に合わせてエアバルブ16が空気ばね7に空気を給排気する。上記の距離が所定の距離となると、給排気が自動的に停止するようになっている。このように自動レベリング装置13によって、上部架台4のレベルが自動的に維持されるため、搬送物26を載せる位置によって上部架台4が傾斜することがない。
【0055】
次に、上記の輸送用ショック低減装置28Aの構成について説明する。
図1において、輸送用ショック低減装置28は、防振パレット2を載せるための載置面6を有し、搬送物26が防振パレット2に載置された状態で搬送物26に水平方向の加速度αが作用したときに、搬送物26に作用する載置面6に平行な加速度成分を低減する方向に載置面6が傾くように構成されている。
【0056】
本実施形態において、輸送用ショック低減装置28Aは、水平な加速度α方向に延びるガイドレール29と、載置面6を有しガイドレール29上を移動自在な載置台32とを備える。ガイドレール29は、載置台32が水平な加速度α方向に移動したときに載置面6の移動方向の前方が相対的に高く後方が相対的に低くなるようなレール形状を有する。ガイドレール29はコンテナ19の床に設置されたレール架台31によって支持されている。
【0057】
図1では、ガイドレール29の第1構成例が示されている。第1構成例のガイドレール29は、水平な加速度α方向に延びる直線レール部29aと、直線レール部29aの両端の各々に連結されこの両端からの水平方向距離が大きくなるにつれてレール高さが高くなるように湾曲する曲線レール部29b,29cとからなる。曲線レール部29b,29cが円弧形状である場合、その円弧の半径によって決定される固有周期は、トラック、航空機、船舶などの輸送手段から入力される衝撃、振動などに共振しないように、十分大きな数値に設定されるのがよい。また、ガイドレール29b、29cはV字のように端部に向い直線的に高くなる形状でもよい。
【0058】
また載置台32には、ガイドレール29が延びる方向の前後に離間してガイドレール29上をスライド可能な第1及び第2のガイドブロック33,34が設けられている。図1の構成例において、直線レール部29aの長さは、第1ガイドブロック33と第2ガイドブロック34の離間距離と同じに設定されているが、想定される水平方向の加速度などの諸条件に応じて、上記の離間距離より長くても短くても良い。また、ガイドブロックは浮上防止機構が付いた車輪を使用してもよい。
【0059】
第1ガイドブロック33及び第2ガイドブロック34はベアリング35を介して、載置台32に対して回転自在に取り付けられている。ベアリング35としては、90°のV溝形状の転動面に円筒ころがスペーサリテーナを介して交互に直交配置された構造を有しラジアル荷重、アキシアル荷重およびモーメント荷重などのあらゆる方向の荷重を負荷することができるクロスローラリングが好適である。
【0060】
次に、図5及び図6を参照し、上記のように構成された輸送用ショック低減装置28Aの動作について説明する。
【0061】
搬送物26が載置された防振パレット2が輸送用ショック低減装置28に載置された状態において、輸送手段の加減速により搬送物26に水平方向の加速度α(慣性力による加速度)が作用すると、図5に示すように、搬送物26は防振パレット2及び載置台32と一体となって加速度α方向に移動する。この移動に伴い、載置面6が水平面に対して傾斜することで水平方向の加速度αと重力加速度Gの合力αが載置面6に対して垂直に近づく。これにより、搬送物26の横方向に作用する加速度を大幅に低減することができる。
【0062】
また本実施形態の構成によれば、載置台32に対して各ガイドブロック33,34が回転自在に取り付けられているので、載置台32がガイドレール29に沿って移動する際にガイドブロック33,34が載置台32に対して自由に回転する。これにより、ガイドブロック33,34が滑らかにガイドレール29上を移動することができる。
【0063】
また、航空機の離着陸時における傾斜時には、図6に示すように、航空機の傾斜(角度θ)をキャンセルする方向に、載置面6が航空機に対する相対的な姿勢を自動的に変化させるので、載置面6をほぼ水平に維持できる。これにより、重力加速度の分力が搬送物26の横方向に作用することがないので、航空機の離着陸時における傾斜時に、搬送物26の横方向に加速度が作用することを防止できる。
【0064】
なお、上記のガイドレール29に代えて、図7に示す第2構成例のガイドレール30を採用してもよい。直線レール部29aを有する第1構成例のガイドレール29と異なり、第2構成例のガイドレール30は、直線レール部29aを有さず、下に凸となるように全体が湾曲したレール形状を有する。ガイドブロック33,34の移動を滑らかにするため、ガイドレール30の湾曲は円弧形状であるのが良い。湾曲度ないし曲率は、想定される水平方向の加速度の大きさなどの諸条件に応じて、適切な値に設定される。
【0065】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態にかかる防振装置1Bの構成を示す図であり、(A)は全体側面図、(B)はB−B矢視図、(C)は部分拡大図である。図8において、防振装置1はコンテナ19の内部に設置されている。またこの防振装置1Bは、防振パレット2と輸送用ショック低減装置28Bとを備える。防振パレット2は第1実施形態と同様の構成を有する。
【0066】
図8(A)(B)において、輸送用ショック低減装置28Bは、搬送物26を載置する載置面6を有する。載置面6は、輸送用コンテナ19が静置されている状態において、ほぼ水平面であることが好ましい。また輸送用ショック低減装置28Bは、搬送物26に作用する水平方向の加速度αにより、載置面6に平行な加速度成分を低減する方向に載置面6が傾動するようになっている。
【0067】
図8(A)(B)において、本発明の輸送用ショック低減装置28Bは、載置面6を有する載置台38と、載置台38を吊り下げ支持する吊り手段39と、この吊り手段39の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる吊点移動装置40を備える。
【0068】
吊り手段39は、水平な加速度α方向の前後に離間した位置で載置台38を吊り下げ支持する第1吊り材39aと第2吊り材39bとを有している。本実施形態では、第1吊り材39aと第2吊り材39bは水平な加速度αに対して水平直角方向(図8(B)で左右方向)に2本ずつ設けられており、合計4本の吊り材で載置台38を吊り下げ支持している。
【0069】
第1吊り材39a及び第2吊り材39bの下端は載置台38に揺動可能に連結されている。第1吊り材39a及び第2吊り材39bの上端は輸送用ショック低減装置28Bが設置される構造物(コンテナ19)のうち載置台38の上方に位置する部位(コンテナ19の天井フレーム)に揺動可能に連結されている。
【0070】
第1及び第2の吊り材39a,39bの上端はフレキシブル連結手段を介して輸送用コンテナ19の天井に連結され、吊り材39a,39bの下端はフレキシブル連結手段を介して載置台38に連結されている。なお、図8の構成例においてフレキシブル連結手段はユニバーサルジョイントであるが、球面軸受などの他のフレキシブル連結手段であってもよい。また、吊材自体をワイヤ又はロープで構成して、上端及び下端をそれぞれ揺動可能に連結してもよい。
【0071】
また、この例において、第1及び第2の吊り材39a,39bは、バネとダンパーを内蔵し、載置台38に作用する上下方向の振動や加速度を緩和するショックアブゾーバとしても機能するようになっている。さらに、載置台38の下部と輸送用コンテナ19とを連結するショックアブゾーバ41を備え、載置台38に作用する水平方向の振動や加速度を緩和するようになっている。
【0072】
吊点移動装置40は、水平な加速度α方向に直交する水平側面から見て第1吊り材39a及び第2吊り材39bがハの字形状をなす姿勢となるように、吊り手段39の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる。図8の構成例では、直線ガイドと図示しない送りネジにより、第1及び第2の吊り材39a,39bの上端を水平方向に移動できるようになっている。
【0073】
次に、図9を参照し、本実施形態における輸送用ショック低減装置28Bの動作について説明する。図9において、(A)は静置状態、(B)は図で左右方向の加速度αが作用した状態を示している。
【0074】
図9(A)に示すように、静置状態において、吊点移動装置40により、第1及び第2の吊り材39a,39bが加速度α方向に直交する水平側面から見てハの字形状の姿勢となるように、第1及び第2の吊り材39a,39bの上端を水平な加速度α方向(図で左右方向)に移動させておく。
【0075】
この静置状態(A)において、第1及び第2の吊り材39a,39bの傾斜角度(この図では15度)は、予想される加速度αに応じて任意に設定する。また、図9(A)の側面(加速度α方向)から見て、左右の吊り材は左右平行を維持するのが好ましい。しかし、側面方向にも加速度を受ける場合には、同様にハの字形状に傾斜させてもよい。
【0076】
静置状態(A)に加速度αが作用すると、図9(B)の状態に移行する。この場合、加速度αが作用する下流側(図で左側)の第2吊り材39bは、上端を中心に加速度αの方向に揺動し(この図で約10度)、その下端は静置状態(A)より上昇する。同様に、加速度αが作用する上流側(図で右側)の第1吊り材39aは、上端を中心に加速度αの方向に揺動し(この図で約10度)、その下端は静置状態(A)より下降する。
【0077】
これにより、載置台38は加速度α方向の前方側(図で左側)が上昇し、加速度α方向の後方側(図で右側)が下降するので、全体として載置面6に平行な加速度成分を低減する方向に、載置面6が傾く(この図で約5度)。
【0078】
上述したように、本発明では、載置台38を吊り手段39により輸送用コンテナ19の天井フレームから吊るす。吊り手段39は、トラックの例にみるように、進行方向にはハの字に傾斜し、直角方向の断面では鉛直になる。第1及び第2の吊り材39a,39bの両端はフレキシブル連結手段でコンテナ19の天井フレームと載置台38に連結されているので、載置台38は軸方向、直角方向に移動することができる。
【0079】
なお第1及び第2の吊り材39a,39bは、好ましくは棒状のものであるが、載置台38の重さ、搬送物26の重さによっては、ロープ状のものでもよい。また、載置台38と第1及び第2の吊り材39a,39bの間に、バネとダンパーを設け、載置台38のゆれる振動数と減衰を調整してもよい。
【0080】
本実施形態の防振装置1Bによれば、防振パレット2を備えるので、第1実施形態と同様に、搬送物26の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物26を載せる位置によって架台が傾斜することがない。
【0081】
また、図9(A)(B)において、輸送用ショック低減装置28Bは、擬似的に吊点43から吊り下げられたブランコ(振子)になっているので、全体として水平方向に動き、水平振動を吸収することができる。
【0082】
また、第1吊り材39a及び第2吊り材39bがハの字形状をなす姿勢となるように傾いているので、水平方向の加速度αを受けたときに、載置台38が水平方向へ移動する。この移動に伴い、搬送物26の載置面6が水平面に対して傾斜することで水平方向の加速度αと重力加速度Gの合力が載置面6に対して垂直に近づく。これにより、搬送物26の横方向に作用する加速度を大幅に低減することができる。
【0083】
また、航空機の離着陸時における傾斜時には、第1実施形態(図6)と同様に、航空機の傾斜をキャンセルする方向に、載置面6が航空機に対する相対的な姿勢を自動的に変化させるので、載置面6をほぼ水平に維持できる。これにより、重力加速度の分力が搬送物26の横方向に作用することがないので、航空機の離着陸時における傾斜時に、搬送物26の横方向に加速度が作用することを防止できる。
【0084】
また第1及び第2の吊り材39a,39bと載置台38の間にスプリングを設けることにより、固有振動数を最適化でき、かつ設置位置が空間を阻害しない。さらに、吊り材と載置台38の間に減衰器(ダンパー)を配置して減衰を最適化できる、かつ設置位置が空間を阻害しない。
【0085】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態にかかる防振装置1Cの構成を示す図であり、(A)は静置状態、(B)は加速度αが作用した作動状態を示している。図10において、防振装置1Cは、輸送手段における所定の設置場所に設置されている。この設置場所は、コンテナの内部、船舶や航空機の貨物室、トラックの荷台などの、上下及び水平方向の振動や水平方向の加速度が発生する場所である限り、特に限定されない。
【0086】
またこの防振装置1Cは、防振パレット2と輸送用ショック低減装置28Cとを備える。防振パレット2は第1実施形態と同様の構成を有する。
図10に示すように、輸送用ショック低減装置28Cは、防振パレット2を載せる載置面6を有する載置台45と、載置台45の姿勢を可変に支持する円弧ガイド機構46とを備える。載置面6は、静置されている状態において、ほぼ水平面であることが好ましい。
【0087】
円弧ガイド機構46は、円弧状ガイド47aに沿って水平な加速度α方向の前後に載置面6より上方にある揺動中心a周りに揺動自在な揺動部47と、揺動部47を揺動自在に支持する支持架台48とを備える。
【0088】
載置台45は揺動部47で支持されている。揺動部47に設けられた円弧状ガイド47aの形状は、aを中心とする円弧と一致する。
図10の構成例において、支持架台48は、ベース架台50と、ベース架台50に設置され円弧状ガイド47aに沿って揺動部47を支持する複数の自由回転可能なローラ49とからなる。
【0089】
なお、円弧ガイド機構46は、図10の構成例に限定されず、円弧状ガイド47aとローラ49の上下関係を逆にして、円弧状ガイド47aでローラ49を案内してもよい。
また、図8と同様に、ベース架台50の下部と輸送用コンテナ19とを連結するショックアブゾーバ(図示せず)を備え、ベース架台50に作用する水平方向の振動や加速度を緩和するのが好ましい。
【0090】
本実施形態の防振装置1Cによれば、防振パレット2を備えるので、第1実施形態と同様に、搬送物26の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物26を載せる位置によって架台が傾斜することがない。
【0091】
また、円弧ガイド機構46により載置台45を揺動自在に支持しているので、搬送物26が水平方向の加速度αを受けたときに、図10(B)に示すように、載置台45が水平方向へ移動する。この移動に伴い、搬送物26の載置面6が水平面に対して傾斜することで水平方向の加速度αと重力加速度Gの合力が載置面6に対して垂直に近づく。これにより、搬送物26の横方向に作用する加速度を大幅に低減することができる。
【0092】
この場合、慣性力が長時間かかる場合には、移動量が大きくなりすぎるおそれがある。そのような場合には、所定の許容範囲内に入るように移動量を制限し、かつストッパにあたる時の力をコントロールするのがよい。
【0093】
また、航空機の離着陸時における傾斜時には、第1実施形態(図6)と同様に、航空機の傾斜をキャンセルする方向に、載置面6が航空機に対する相対的な姿勢を自動的に変化させるので、載置面6をほぼ水平に維持できる。これにより、重力加速度の分力が搬送物26の横方向に作用することがないので、航空機の離着陸時における傾斜時に、搬送物26の横方向に加速度が作用することを防止できる。
【0094】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図11は、本発明の第4実施形態にかかる防振装置1Dの構成を示す図であり、(A)は静置状態、(B)は加速度αが作用した作動状態を示している。図11において、防振装置1は、輸送手段における所定の設置場所に設置されている。この設置場所は、コンテナ19の内部、船舶や航空機の貨物室、トラックの荷台などの、上下及び水平方向の振動や水平方向の加速度が発生する場所である限り、特に限定されない。
【0095】
またこの防振装置1Dは、防振パレット2と輸送用ショック低減装置28Dとを備える。防振パレット2は第1実施形態と同様の構成を有する。
図11に示すように、輸送用ショック低減装置28Dは、防振パレット2を載せる載置面6を有する載置台52と、載置台52の姿勢を可変に支持する傾斜ガイド機構53とを備える。載置面6は、静置されている状態において、ほぼ水平面であることが好ましい。
【0096】
傾斜ガイド機構53は、水平な加速度α方向の前後に互いに逆傾斜の2つの直線傾斜ガイド54a,54bを有し、載置台52とともに水平な加速度α方向に移動したときに載置面6の加速度α方向の前方が上昇し後方が下降するように載置台52を傾ける。直線傾斜ガイド54a,54bは載置台52を支持し揺動する揺動部54に設けられ、水平な加速度α方向に対して直交する水平側面から見て上下逆のハの字形状に傾斜している。
【0097】
また傾斜ガイド機構53は、揺動部54を揺動自在に支持する支持架台56と備える。図11の構成例において、支持架台56は、ベース架台58と、ベース架台58に設置され直線傾斜ガイド54a,54bに沿って揺動部54を支持する複数の自由回転可能なローラ57とからなる。
【0098】
なお、傾斜ガイド機構53は、図11の構成例に限定されず、直線傾斜ガイド54a,54bとローラ57の上下関係を逆にして、直線傾斜ガイド54a,54bでローラ57を案内してもよい。
また、図8と同様に、ベース架台58の下部と輸送用コンテナ19とを連結するショックアブゾーバ(図示せず)を備え、ベース架台58に作用する水平方向の振動や加速度を緩和するのが好ましい。
【0099】
本実施形態の防振装置1Dによれば、防振パレット2を備えるので、第1実施形態と同様に、搬送物26の重量が変わっても固有振動数を調整する必要が無く、搬送物26を載せる位置によって架台が傾斜することがない。
【0100】
また、傾斜ガイド機構53により載置台52を揺動自在に支持しているので、搬送物26が水平方向の加速度αを受けたときに、図11(B)に示すように、載置台52が水平方向へ移動する。この移動に伴い、搬送物26の載置面6が水平面に対して傾斜することで水平方向の加速度αと重力加速度Gの合力が載置面6に対して垂直に近づく。これにより、搬送物26の横方向に作用する加速度を大幅に低減することができる。
【0101】
この場合、慣性力が長時間かかる場合には、移動量が大きくなりすぎるおそれがある。そのような場合には、所定の許容範囲内に入るように移動量を制限し、かつストッパにあたる時の力をコントロールするのがよい。
【0102】
また、航空機の離着陸時における傾斜時には、第1実施形態(図6)と同様に、航空機の傾斜をキャンセルする方向に、載置面6が航空機に対する相対的な姿勢を自動的に変化させるので、載置面6をほぼ水平に維持できる。これにより、重力加速度の分力が搬送物26の横方向に作用することがないので、航空機の離着陸時における傾斜時に、搬送物26の横方向に加速度が作用することを防止できる。
【0103】
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる防振装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の防振パレットにおける空気ばねと自動レベリング装置の配置構成を示す平面図である。
【図4】本発明の防振パレットにおける自動レベリング装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる防振装置における輸送用ショック低減装置の動作を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる防振装置における輸送用ショック低減装置の動作を説明する別の図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる防振装置における輸送用ショック低減装置の別の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる防振装置の全体構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる防振装置の動作を説明する図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかる防振装置の構成及び動作を示す図である。
【図11】本発明の第4実施形態にかかる防振装置の構成及び動作を示す図である。
【図12】従来の防振パレットの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1A〜1D 防振装置
2 防振パレット
3 パレット本体
4 上部架台
5 下部架台
6 載置面
7 ダイヤフラム型空気ばね
8 ダイヤフラム
8a 外側部
8b 内側部
9 上部保持材
9a 接続穴
10 下部保持材
11 空気室
12 空気配管
13 自動レベリング装置
14 高さセンサ
16 エアバルブ
17 コンプレッサ
20 脚部
21 積層ゴム
23、24 空気室
25a、25b 接続穴
26 搬送物
28 輸送用ショック低減装置
29 ガイドレール
29a 直線レール部
29b 曲線レール部
30 ガイドレール
31 レール架台
32 載置台
33、34 ガイドブロック
35 ベアリング
38 載置台
39 吊り手段
39a 第1吊り材
39b 第2吊り材
40 吊点移動装置
41 ショックアブゾーバ
45 載置台
46 円弧ガイド機構
47 揺動部
47a 円弧状ガイド
48 支持架台
49 ローラ
50 ベース架台
52 載置台
53 傾斜ガイド機構
54 揺動部
54a、54b 直線傾斜ガイド
56 支持架台
57 ローラ
58 ベース架台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に間隔を空けて配置された上部架台と下部架台とからなるパレット本体と、
前記上部架台と前記下部架台との間に配置され、上部架台からの荷重を支持するとともに下部架台からの上下方向及び水平方向の振動を抑制するダイヤフラム型空気ばねと、を備えることを特徴とする防振パレット。
【請求項2】
前記上部架台と前記下部架台の一方または両方の内部には空気室が形成されており、前記ダイヤフラム型空気ばねの内部と前記空気室とが連通している、請求項1記載の防振パレット。
【請求項3】
前記上部架台と前記下部架台のうち前記空気室が形成されたものは、ハニカム構造パネルである、請求項2記載の防振パレット。
【請求項4】
前記上部架台と前記下部架台の両方に前記空気室が形成されており、前記上部架台と前記下部架台の空気室同士が可撓性を有する空気配管によって連結されている、請求項2又は3記載の防振パレット。
【請求項5】
前記ダイヤフラム型空気ばねと前記上部架台の間または前記ダイヤフラム型空気ばねと前記下部架台の間に積層ゴムが配置されている、請求項1乃至4のいずれか記載の防振パレット。
【請求項6】
前記ダイヤフラム型空気ばねが複数個、互いに離間した位置に設置されており、
さらに、前記複数のダイヤフラム型空気ばねの各々に付帯して設けられ、前記上部架台と下部架台との間の距離に連動する高さセンサの出力に基づいて前記距離が一定となるように自動的に前記ダイヤフラム型空気ばねの空気圧を調整する自動レベリング装置を備える、請求項1乃至5のいずれか記載の防振パレット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか記載の防振パレットと、
前記防振パレットを載せるための載置面を有し、搬送物が防振パレットに載置された状態で前記搬送物に水平方向の加速度が作用したときに、前記搬送物に作用する前記載置面に平行な加速度成分を低減する方向に前記載置面が傾くように構成された輸送用ショック低減装置と、を備えることを特徴とする防振装置。
【請求項8】
前記輸送用ショック低減装置は、前記水平な加速度方向に延びるガイドレールと、前記載置面を有し前記ガイドレール上を移動自在な載置台とを備え、
前記ガイドレールは、前記載置台が前記水平な加速度方向に移動したときに前記載置面の移動方向の前方が相対的に高く後方が相対的に低くなるようなレール形状を有する、請求項7記載の防振装置。
【請求項9】
前記ガイドレールは、前記水平な加速度方向に延びる直線レール部と、該直線レール部の両端の各々に連結され該両端からの水平方向距離が大きくなるにつれてレール高さが高くなるように湾曲する曲線レール部とからなる、請求項8記載の防振装置。
【請求項10】
前記ガイドレールは、下に凸となるように全体が湾曲したレール形状を有する、請求項8記載の防振装置。
【請求項11】
前記載置台には、前記ガイドレールが延びる方向の前後に離間してガイドレール上をスライド可能な第1及び第2のガイドブロックが設けられており、
前記第1ガイドブロック及び第2ガイドブロックは、前記載置台に対して回転自在に取り付けられている、請求項8乃至10のいずれか記載の防振装置。
【請求項12】
前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台を吊り下げ支持する吊り手段と、該吊り手段の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる吊点移動装置と、を備え、
前記吊り手段は、前記水平な加速度方向の前後に離間した位置で前記載置台を吊り下げ支持する第1吊り材と第2吊り材とを有し、前記第1吊り材及び前記第2吊り材の下端は前記載置台に揺動可能に連結されており、前記第1吊り材及び前記第2吊り材の上端は前記輸送用ショック低減装置が設置される構造物のうち前記載置台の上方に位置する部位に揺動可能に連結されており、
前記吊点移動装置は、前記水平な加速度方向に直交する水平側面から見て前記第1吊り材及び前記第2吊り材がハの字形状をなす姿勢となるように、前記吊り手段の上端と下端の一方または両方を水平方向に移動させる、請求項7記載の防振装置。
【請求項13】
前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台の姿勢を可変に支持する円弧ガイド機構とを備え、
該円弧ガイド機構は、円弧状ガイドに沿って前記水平な加速度方向の前後に前記載置面より上方にある揺動中心周りに揺動自在な揺動部を有する、請求項7記載の防振装置。
【請求項14】
前記輸送用ショック低減装置は、前記載置面を有する載置台と、該載置台の姿勢を可変に支持する傾斜ガイド機構とを備え、
該傾斜ガイド機構は、前記水平な加速度方向の前後に互いに逆傾斜の2つの直線傾斜ガイドを有し、前記載置台とともに前記水平な加速度方向に移動したときに移動方向の前方が上昇し後方が下降するように前記載置台を傾ける、請求項7記載の防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−269649(P2009−269649A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121414(P2008−121414)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】