説明

防水型機器

【課題】設定部材により防水筐体の外部から電気回路の設定を行う際、有底の凹陥部内部に固体あるいは液体状の異物が混入するのを簡便に防止することが可能な防水型機器の提供。
【解決手段】防水筐体の外部から電気回路の設定を行う設定部材35と、前記設定部材35が挿入可能なように前記防水筐体の上表面122に設けた開口から前記防水筐体の内部に突出する有底の複数の凹陥部と、前記防水筐体の内部に配置され、前記設定部材35の前記複数の凹陥部の各々への挿入による場の変化を非接触で検出する複数の設定部材35検出部と、いずれかの前記設定部材35検出部による検出結果に応じて前記電気回路の設定を行う電気回路設定部と、前記設定部材35を挿入した前記凹陥部からの前記設定部材35の抜け防止手段と、前記設定部材35を前記複数の凹陥部のいずれかに挿入すると同時に、前記複数の凹陥部の開口すべてを一度に閉鎖可能な開口閉鎖手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定部材により防水筐体の外部から電気回路の設定を行う際、有底の凹陥部内部に固体あるいは液体状の異物が混入するのを簡便に防止することが可能な防水型機器に関する。
【背景技術】
【0002】
防災システムにおいて、厨房や浴室等高湿度の環境に設置される感知器あるいは受信機等のような電気機器には、高い防水性が要求される。
特許文献1(ただし、本願出願時には未公開)は、このような防水型機器の一例を開示する。
【0003】
この防水型機器は、防水筐体の内部に電気回路を配置し、防水筐体の外部から電気回路の設定を行う設定部材と、それぞれ設定部材が挿入可能なように防水筐体の上表面に設けた開口から防水筐体の内部に突出する有底の複数の凹陥部と、防水筐体の内部に配置され、設定部材の各々の凹陥部への挿入による場の変化を非接触で検出する複数の設定部材検出部と、いずれかの設定部材検出部による検出結果に応じて電気回路の設定を行う電気回路設定部と、設定部材を挿入した凹陥部からの設定部材の抜け防止手段とを有する。
【0004】
このような防水型機器によれば、設定部材を有底の凹陥部に挿入することにより、対応する設定部材検出部が凹陥部への挿入による場の変化を非接触で検出し、電気回路設定部がこの検出結果に応じて電気回路の設定を行うので、防水筐体の外部から、防水型機器の防水性を損なうことなく、電気回路の設定を行うことが可能であり、抜け防止手段により、設定部材を挿入した凹陥部からの設定部材の意図しない抜けを防止することにより、電気回路の設定を安定して保持することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2009−277366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような防水型機器には、複数の有底の凹陥部を開口が上、底が下となる向きに配置することに起因して、以下のような技術的問題点が存する。
すなわち、防水型機器の使用中に凹陥部内に液体、あるいは固体の異物が混入する点である。
【0007】
より詳細には、このような防水型機器において、不意の、あるいはいたずらによる設定部材の抜け防止の観点、さらに機器自体の見栄えを損なわない点から、凹陥部は、防水筐体の裏面側に設置する必要があり、また、特に内蔵電池から電源供給を受ける防水機器では、当該防水型機器の電源のオンオフに加え、たとえば防水型機器に無線通信機能を設ける場合、その通信周波数チャンネルを選択設定する機能の必要性から、少なくとも複数の凹陥部を防水筐体の上表面に設けることが要求される。
このとき、設定部材を挿入する凹陥部はその開口が設定部材自体、あるいは設定部材を支持する支持部材により閉鎖されるものの、他の凹陥部はその開口が開いたままであり、凹陥部の内部に液体あるいは固体状の異物が混入する可能性が高い。
しかも、防水型機器の電気回路の設定は、概して、いったん設定したら長期間そのままに保持することが多いので、凹陥部の内部に混入した液体あるいは固体状の異物が長期間の間、放置される場合が多い。
【0008】
特に、防水筐体が樹脂製である場合には、凹陥部の内部に水分が長期間溜まり、それにより防水筐体自体が溶出し、機器の防水性が損なわれたり、場の状態に影響を与え、電気回路の設定が解除されたりすることがある。また、混入物の固着等により凹陥部に挿入した設定部材の引き抜きが困難になり、電気回路の設定変更が必要になった際に、作業困難や設定部材、凹陥部の破損等を招く虞がある。更に、混入物が設定部材自体を腐食等劣化させ、同様の問題に繋がる虞もあった。
この場合、設定部材とは別に、凹陥部の開口を閉鎖する閉鎖部材を用意すれば、設定部材と同様に、概して小型部材ゆえに紛失あるいは脱落の恐れが高く、また紛失しないとしても、それぞれの凹陥部に対して設定部材および閉鎖部材を個別にあてがうのでは、電気回路の設定作業が煩雑となる。
上記技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、設定部材により防水筐体の外部から電気回路の設定を行う際防水機器であって、有底の凹陥部内部に固体あるいは液体状の異物が混入するのを簡便に防止することが可能な防水型機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に防水型機器は、
防水筐体の内部に電気回路を配置した防水型機器において、前記防水筐体の外部から電気回路の設定を行う設定部材と、それぞれ前記設定部材が挿入可能なように前記防水筐体の上表面に設けた開口から前記防水筐体の内部に突出する有底の複数の凹陥部と、前記防水筐体の内部に配置され、それぞれ、前記設定部材の前記複数の凹陥部の各々への挿入による場の変化を非接触で検出する複数の設定部材検出部と、いずれかの前記設定部材検出部による検出結果に応じて前記電気回路の設定を行う電気回路設定部と、前記設定部材を挿入した前記凹陥部からの前記設定部材の抜け防止手段と、前記設定部材を前記複数の凹陥部のいずれかに挿入すると同時に、前記複数の凹陥部の開口すべてを一度に閉鎖可能な開口閉鎖手段とを有する、構成としている。

【0010】
以上の構成を有する防水型機器によれば、設定部材を有底の凹陥部に挿入することにより、対応する設定部材検出部が凹陥部への挿入による場の変化を非接触で検出し、電気回路設定部がこの検出結果に応じて電気回路の設定を行うので、防水筐体の外部から、防水型機器の防水性を損なうことなく、電気回路の設定を行うことが可能であり、抜け防止手段により、設定部材を挿入した凹陥部からの設定部材の抜けを防止することにより、電気回路の設定を安定して保持することが可能である。
【0011】
この場合、設定部材を複数の凹陥部のいずれかに挿入する際、開口閉鎖手段により、設定部材を複数の凹陥部のいずれかに挿入すると同時に、複数の凹陥部の開口すべてを一度に閉鎖可能であるので、有底の凹陥部内部に固体あるいは液体状の異物が混入するのを簡便に防止することが可能であり、特に防水筐体が樹脂製である場合には、凹陥部内部に水分(特にアルカリ性の雨水等)が長期間溜まることにより、防水筐体自体が溶出して、その防水性が損なわれるのを未然に防止することが可能である。

【0012】
また、前記開口閉鎖手段は、前記複数の凹陥部の開口を覆うに十分な広さの平面部を有するキャップであり、前記平面部には、前記設定部材の上端部を支持する支持部が設けられるのでもよい。
さらに、前記抜け防止手段は、前記設定部材が挿入される前記凹陥部以外の開口に圧入可能なように前記支持部と所定間隔を隔てる圧入部が前記平面部に設けられることにより形成されるのでもよい。
さらにまた、前記支持部は、前記設定部材の上端部に嵌合する嵌合穴を備え、前記設定部材を前記凹陥部に挿入する際、該凹陥部の開口に圧入可能な外形を有することにより、前記抜け防止手段を形成するのでもよい。
加えて、前記キャップは、厚みを有する定形材であり、前記上表面には、前記複数の凹陥部の延び方向に所定の間隔を隔てて、前記キャップを固定保持するための一対のクランプ爪が、前記上表面から上方に延びる向きに設けられ、該一対のクランプ爪が、前記抜け防止手段を形成するのでもよい。
さらに、前記一対のクランプ爪それぞれの上端部には、互いに向かって突出する突出片が設けられ、該突出片により前記キャップが前記一対のクランプ爪の間にスナップ嵌めすることにより、前記設定部材の上下方向の位置決めを行うのでもよい。
さらにまた、前記防水筐体の上表面には、矩形断面の溝が設けられ、前記複数の凹陥部は、前記溝の底面に設けられ、前記キャップが、前記溝に圧入可能であり、前記抜け防止手段を形成するのでもよい。
【0013】
また、さらに、人の指で摘み可能な大きさを有し、前記上表面に当接可能な平面部を備える摘みを有し、前記平面部には、前記設定部材を支持する支持部であって、前記設定部材を前記凹陥部に挿入する際、該凹陥部の開口に圧入可能な外形を有する支持部と、前記設定部材が挿入される前記凹陥部以外の開口に圧入可能なように、該支持部と所定間隔を隔てる圧入部とが設けられ、該支持部および該圧入部が、前記抜け防止手段および前記開口閉鎖手段を形成するのでもよい。
加えて、前記平面部の反対側には、前記設定部材の対応する位置に表示マークが設けられているのでもよい。
また、さらに、前記キャップと前記防水筐体とを接続する紐部材を有し、前記平面部には、該紐部材が通る凹部が設けられるのでもよい。
さらに、前記防水筐体は、透明な樹脂一体成形品でもよい。
さらにまた、前記防水筐体は、前記複数の凹陥部を取り囲む周壁を有し、該周壁の内周面には、前記紐部材を引っかけるための下方に延びるフック部材が設けられ、該フック部材の下方に開口部を有し、
さらに、前記防水筐体が内嵌可能な外カバーを有し、
該外カバーは、底面と該底面の周縁から上方に延びる周壁を有し、前記防水筐体の周壁の外周面が該外カバーの該周壁の内周面と対向する形態で、前記防水筐体が内嵌し、
該外カバーの前記底面の半径方向の所定位置には、上方に突出する突出部材が設けられ、前記防水筐体が前記外カバーに内嵌することにより、前記開口部を介して前記突出部材が前記フック部材の下端に当接して、前記紐部材の抜けが防止されるのでもよい。
さらにまた、前記設定部材は棒状磁石であり、前記設定部材検出部は、前記凹陥部に挿入された前記棒状磁石の磁気を検出することにより磁気検出信号を出力する磁気検出素子であるのがよい。
また、前記電気回路設定部は、前記設定部材検出部による検知結果に応じて、少なくとも前記電気回路に対する電源のオンとオフとを切替えるのがよい。
【0014】
さらに、前記防水筐体には、前記複数の凹陥部と前記フック部材との間に、接続部材保持部が設けられ、該接続部材保持部は、上方に開口し、開口部が常時は閉鎖する下方に延びる切り込みを備え、前記接続部材を上方から開口部を介して切り込みに押し込むことにより、前記接続部材保持部により前記接続部材を挟持するのでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
防水型機器として、無線式の防水型感知器を例として、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1において、本実施形態の防水型感知器10は、天井設置状態に於ける下方(図示右側)に向けて温度検出部16を設けた防水筐体本体18との間に、回路基板24を設置する密閉中空部120を形成する防水筐体カバー20と、防水筐体カバー20が内嵌可能な外カバー12とを有し、防水筐体カバー20は、上方に開口し、上表面122に設けた、後に説明する第1設定穴30および第2設定穴32を取り囲む周壁124を有し、一方、外カバー12は、同様に上方に開口し、底面126と底面126の周縁128から上方に延びる周壁130を有し、防水筐体カバー20の周壁124の外周面が外カバー12の周壁130の内周面と対向する形態で、防水筐体カバー20が内嵌する。防水筐体本体18と防水筐体カバー20とは、シールリング22を介して固定され、それにより防水性を確保している。
防水型感知器10は、通常、防水筐体カバー20および外カバー12の開口部を上に向けて、たとえば天井部に、開口部を閉鎖するように取り付けられる。
【0017】
図2および図3に示すように、外カバー12の下部に形成したガードカバー14の内部に、サーミスタなどを用いた温度検出部16を、火災による熱気流を受けるように配置しており、外カバー12の下側箇所の位置には発報表示灯として動作するLED15を設け、天井設置状態に於ける床面側からその作動状態を視認可能としている。
【0018】
防水型感知器10のケーシングを構成する防水筐体本体18、防水筐体カバー20および外カバー12はそれぞれ、一体成形の樹脂製であるのが好ましく、特に防水筐体カバー20を透明樹脂製にすることにより、後に説明する盛り部150、設定部材25の上下方向位置決めとしてのクランプ部材158を省略することが可能である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の防水型感知器10は、外カバー12の天井面側に位置することになる防水筐体20の上表面122に第1設定穴30および第2設定穴32を互いに所定間隔を隔てて形成している。この間隔は、後に説明する第1磁気検出素子25に対して第2設定穴32に挿入される設定部材35が影響を及ぼさず、また第2磁気検出素子26に対して第1設定穴30に挿入される設定部材35が影響を及ぼさない観点から設定される。第1設定穴30および第2設定穴32はそれぞれ、防水筐体カバー20の上表面122に設けた開口から防水筐体カバー20の内部に突出する有底の凹陥部を形成する。
【0020】
図4には、防水型感知器10に設けた防水筐体カバー20側に収納した2本の電池42の組込み状態が明確に示されている。本実施形態にあっては、設定部材35の設定用磁石36(図5参照)を挿入する第1設定穴30および第2設定穴32を2本の電池42の間のスペースを使用して配置するようにしており、これによって、電池42を収納していても設定部材35を挿入する複数の設定穴を裏面側に形成することができる。
図5に示すように、第1設定穴30および第2設定穴32のいずれかに対しては、後に説明する設定部材35を挿入することで、防水筐体に収納した電気回路の設定を行うことができる。
【0021】
設定部材35は、本実施形態にあっては細い円筒棒状の設定用磁石36を使用しており、それに対応して、回路基板24上の、第1設定穴30および第2設定穴32底部とそれぞれ対向近接する位置に、第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26を設定部材検出部として配置している。これらの磁気検出素子としては例えばホール素子を使用することができる。ホール素子は等価的に抵抗ブリッジ回路で表すことができ、磁気を近付けると抵抗ブリッジ回路の平衡が崩れ、磁気の強さに応じた磁気検出信号を出力する。またホール素子には、S極またはN極のみを検出する単極検出型と、S極またはN極の両方を検出する両極検出型があるが、本実施形態にあってはどちらを使用してもよい。なお、ホール素子の代わりに、リードスイッチ等を用いて磁気を検出してもよい。
この場合、設定用磁石36の第1設定穴30あるいは第2設定穴32への挿入深さは、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32に挿入することにより、第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26が設定用磁石36の磁気を検出可能なように、間隔D2(図9参照)を設定する。
設定部材35について説明すれば、設定部材35は、本実施形態にあっては細い円筒棒状の設定用磁石36を使用しており、その上端部がゴムキャップ38に取り付けられている。
【0022】
より詳細には、図6ないし図8に示すように、ゴムキャップ38は、第1設定穴30および第2設定穴32それぞれの開口を覆うに十分な広さの平面部140を有し、平面部140には、設定用磁石36の上端部を支持する支持部142が設けられ、設定用磁石36が挿入される設定穴(第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれか)以外の設定穴の開口に圧入可能なように支持部142と所定間隔を隔てる圧入部144が設けられる。
支持部142は、設定用磁石36の上端部に嵌合する嵌合穴146を備え、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32に挿入する際、第1設定穴30あるいは第2設定穴32の開口に圧入可能な外形を有することにより、抜け防止手段を形成する。
【0023】
一方、圧入部144は、支持部142と同様な形状を有し、第1設定穴30あるいは第2設定穴32の開口に圧入可能な外形を有し、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれか一方の開口に挿入する際、設定用磁石36が挿入されない第1設定穴30あるいは第2設定穴32の他方の開口に同時に圧入可能なように、支持部142との間に所定間隔D1を隔てる。
【0024】
第1設定穴30および第2設定穴32は、図9に示すように、ともに同じ形状を有し、下方に向かって先細の円錐台状の穴であり、それに伴い、支持部142および圧入部144も、円錐台状である。第1設定穴30および第2設定穴32を同じ形状とすることにより、設定用磁石36を第1設定穴30および第2設定穴32のどちらに挿入しても、圧入部144を他方の設定穴の開口に圧入させることが可能である。
ゴムキャップ38は、厚みを有する定形材、たとえば略直方体形状であり、ユーザが小型の設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれかに挿入する際、挿入しやすいように、人の指で摘める程度の大きさを有する摘みの役割も果たす。
【0025】
ゴムキャップ38の平面部140と反対側の面には、設定用磁石36の対応する位置に盛り部150を設け、通常、ゴムキャップ38および防水筐体カバー20は不透明であることから、ユーザがゴムキャップ38を摘まんで、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれかに上方から挿入する際或いは挿入後、ゴムキャップ38のどちら側に設定用磁石36が位置するかが判別しづらいことから、設定用磁石36の位置表示マークとしての機能を有する。この点で、盛り部150は、単に反対側の面に貼付するシール等でもよいし、盛り部でなく凹部としてもよい。
嵌合穴146の上部には細い径の空気抜き穴(図示せず)が形成されており、嵌合穴146に設定用磁石36を嵌め込んだ際に内部の空気を空気抜き穴を介して外部へ逃がすことで、嵌合穴146に圧縮空気が残って挿入抵抗となり、反発力により設定用磁石36が押し出されることを防いでいる。
【0026】
またゴムキャップ38には、図10に示すように、接続部材としての紐部材40が結び付けられており、それに対応して、ゴムキャップ38の平面部140において、支持部142と圧入部144の間には、紐部材40の結び目等を埋設収容可能に凹部152が設けられる。これにより、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれかに上方から挿入する際、平面部140を防水筐体カバー20の上表面122に当接することにより開口を閉鎖するのに紐部材40が邪魔とならないようにしている。凹部152の大きさは、このような観点から定めればよい。一方、平面部140の反対側の凹部152の対応する位置には、補強用凸部154が設けられ、凹部152を設けることに伴うゴムキャップ38の強度低下を補強すると共に、全体の肉厚を極力均一化して成型性を改善している。
図10に示すように、紐部材40の他端は、筐体側に係止され、設定部材35が脱落しないようにしている。
【0027】
より詳細には、図11に示すように、防水筐体カバー20の周壁124の内周面には、紐部材40を引っかけるため下方に延びるフック部材155が設けられ、フック部材155の下方に開口部156を有し、一方、図12に示すように、外カバー12の底面126の半径方向の所定位置には、上方に突出する突出部材157が設けられ、防水筐体カバー20が外カバー12に内嵌することにより、開口部156を介して突出部材157の外側面158の上部がフック部材155の下端に当接することにより、紐部材40の抜けが防止されるようにしている。フック部材155を設ける周壁124の内周面上の周方向位置は、適宜に定めればよい。
【0028】
また、図5および図10に示すように、第1設定穴30あるいは第2設定穴32とフック部材155との間には、紐部材40を挟持する接続部材保持部160が設けられ、接続部材保持部160により紐部材40を保持するようにしている。より詳細には、接続部材保持部160は、電池42の挿入位置に設けられ、上方に開口し、開口部162が常時は閉鎖する下方に延びる切り込み164を備え、紐部材40を上方から開口部162を介して切り込み161に押し込むことにより、接続部材保持部160により紐部材40を確実に挟持するようにしている。なお、接続部材保持部160は、防水筐体カバー20と一体成形されるのが好ましい。
【0029】
紐部材40としては例えば可撓性の合成樹脂などの紐状成形品が使用される。なお図5にあっては、設定部材35の紐部材は省略している。また、図10の例では、ゴムキャップ38とフック部材155の間を、紐部材を結びつけることによって脱落を防止しているが、紐部材を結びつける代わりに、ゴムキャップの成形時に紐部材とゴムキャップを一体にして成形し、筐体と紐部材40を一体にして成形してもよい。
【0030】
図5および図9に示すように、防水筐体カバー20の上表面122には、第1設定穴30と第2設定穴32とを結ぶ方向に所定の間隔を隔てて、ゴムキャップ38を固定保持するための一対のクランプ爪158が、上表面122から上方に延びる向きに設けられ、一対のクランプ爪158が、設定部材35の抜け防止手段を形成する。さらに、一対のクランプ爪158それぞれの上端部には、互いに向かう方向に所定量突出する突出片160が設けられ、突出片160によりゴムキャップ38を一対のクランプ爪158の間にスナップ嵌めすることにより、設定部材35の上下方向の位置決めを行う。すなわち、ユーザがゴムキャップ38を摘まんで、設定用磁石36を第1設定穴30あるいは第2設定穴32のいずれかに上方から挿入する際、設定用磁石36を選択した設定穴にどの程度挿入すればよいか判別しづらいことから、このようなスナップ嵌めにより、この点を明確にしたものである。もちろん、設定部材35を確実に保持するためでもある。なお、一対のクランプ爪158は、防水筐体が樹脂製である場合に、同筐体に一体成形してもよい。
【0031】
図13は、設定部材35の変形例を示す。この例では、設定用磁石36をゴムキャップ38の平面部140に設けた穴(図示せず)に圧入固定するようにしており、図9とは異なり、設定部材35の支持部142により、設定部材35が挿入される設定穴の圧入をしていない。この例によれば、設定用磁石36を選択した設定穴(図では、第1設定穴30)に挿入することにより、ゴムキャップ38の平面部140により、第1設定穴30および第2設定穴32それぞれの開口が閉鎖されるとともに、圧入部144をもう一方の設定穴(図では、第2設定穴32)に圧入することにより、設定用磁石36の抜けを防止することが可能である。
【0032】
図14は、設定部材35のさらなる変形例を示す。この例では、設定用磁石36を選択した設定穴(図では、第1設定穴30)に挿入することにより、ゴムキャップ38の平面部140により、第1設定穴30および第2設定穴32それぞれの開口が閉鎖される点では共通であるが、圧入部144をもう一方の設定穴(図では、第2設定穴32)に圧入することにより、設定用磁石36の抜けを防止するのではなく、このような圧入部144の代替として、一対のクランプ部材158によりゴムキャップ38を平面部140を介して防水筐体カバー20の上表面122に押し当て、以て設定用磁石36の抜けを防止している。
【0033】
図15は、設定部材35のさらなる変形例を示す。この例では、設定用磁石36を選択した設定穴(図では、第1設定穴30)に挿入することにより、ゴムキャップ38の平面部140により、第1設定穴30および第2設定穴32それぞれの開口が閉鎖される点では共通であるが、図13のように、一対のクランプ部材158により設定用磁石36の抜けを防止するのではなく、このような一対のクランプ部材158の代替として、設定用磁石36を支持する支持部142を圧入部として活用することにより、設定用磁石36の抜けを防止している。
なお、他の変形例として、防水筐体の上表面122には、矩形断面の溝(図示せず)を設け、第1設定穴30と第2設定穴32とを溝の底面に設け、ゴムキャップ38を溝に圧入可能とすることにより、抜け防止手段を形成するのでもよい。
図16に示すように、防水型感知器10には、プロセッサ72、無線通信部74、メモリ78、センサ部80、表示部82、設定部材35検出部84、試験操作検出部86及び電池電源90が設けられている。
【0034】
無線通信部74には送信回路92が設けられており、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行う。無線通信部74のチャネル周波数は、400MHz帯の特定小電力無線局標準規格で使用可能な複数のチャネル周波数の内、本実施形態にあっては2つのチャネル周波数f1,f2を選択的に使用する。この周波数チャネルを、以下の説明にあってはチャネルA、チャネルBとして説明する。
【0035】
メモリ78には送信元ID94が格納されている。本実施形態の防水型感知器10にあっては、火災などのイベントを検出したときに、所定の電文フォーマットからなる電文信号(以下、電文という)を送信する。電文フォーマットは位相修正信号、送信元ID、電文内容及びエラーチェックコードで構成され、受信側では送信元IDを見て登録されているノートIDに一致するかどうか判断してから電文内容の意味を判断して処理するようにしている。
センサ部80には温度検出部16が設けられ、温度検出部16としては例えばサーミスタなどが使用され、温度検出信号をプロセッサ72に出力する。表示部82には発報表示灯として機能するLED15が設けられている。LED15は発報表示と同時に、無線通信部74からの試験通信などの際にも表示駆動される。
設定部材検出部84には、前述のような第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26が設けられている。
試験操作検出部86には試験操作検出用磁気検出素子96が設けられている。試験操作検出用磁気検出素子96は、防水型感知器10の通信試験などのために外部から試験用磁石を近付けると、その磁気を検出して磁気検出信号をプロセッサ72に出力し、通信試験などの試験動作を行わせる。
プロセッサ72にはプログラムの実行により実現する機能として、チャンネル設定部100及び感知器処理部102が設けられている。
チャンネル設定部100において、第1磁気検出素子25は、設定部材35の設定用磁石36を、第1設定穴30に挿入したときに磁気検出信号を出力し、これを受けてチャネル設定部100が無線通信部74におけるチャネルAを選択した状態に設定する。
それに対して、第2磁気検出素子26は、設定部材35の設定用磁石36を、第2設定穴32に挿入したときに磁気検出信号を出力し、これを受けてチャネル設定部100が無線通信部74におけるチャネルBを選択した状態に設定する。
【0036】
感知器処理部102は、センサ部80の温度検出部16から出力される温度検出信号を読み込んで所定の閾値と比較しており、検出温度が所定の閾値を超えたときあるいは検出温度の変化率が所定の閾値を超えたときに火災と判断し、火災イベントを含む電文を無線通信部74からアンテナ76により受信機側に送信し、受信機側で火災警報を行わせる。
また感知器処理部102は、火災イベント以外に、復旧、電池切れ、障害、定期通報を含むイベント発生を検出して送信処理を行わせる。
更に、試験操作検出部86に設けている試験操作検出用磁気検出素子96からの磁気検出信号が得られた場合には、試験用の電文を無線通信部74から送信させる。
【0037】
電池電源90からの電源供給はスイッチング素子106を介して行われる。スイッチング素子106は第1磁気検出素子25または第2磁気検出素子26の検出出力の有無に応じて電源制御部104によりオンオフ制御される。第1磁気検出素子25、第2磁気検出素子26、電源制御部104及びスイッチング素子106に対しては、電池電源90から電源ライン108により常時、電源供給が行われている。これに対しプロセッサ72側の回路については、スイッチング素子106の出力となる電源ライン110により電源供給がオンオフ制御されることになる。
【0038】
防水型感知器10を使用しない状態にあっては、第1設定穴30および第2設定穴32のいずれにも、設定部材35の設定用磁石36が挿入されていないことで、第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26それぞれから磁気検出信号が電源制御部104に出力されず、これに基づき電源制御部104はスイッチング素子106をオフしており、電池電源90からプロセッサ72側に対する電源供給が行われず、防水型感知器10は実質的に停止状態となっている。なお、このような状態でも、設定部材35は紐部材40により筐体に接続されており、紛失のおそれはない。
【0039】
防水型感知器10を使用する場合には、第1設定穴30に設定部材35の設定用磁石36を挿入することにより、第1磁気検出素子25からの磁気検出信号が出力されて、電源制御部104がスイッチング素子106をオンし、電池電源90から電源ライン110によりプロセッサ72側の各回路部に電源供給が行われて動作状態となるとともに、プロセッサ72のチャネル設定部100により第1磁気検出素子25からの磁気検出信号が出力されることで、チャネルAが選択される設定が行われる。一方、第2設定穴32に設定部材35の設定用磁石36を挿入することにより、第2磁気検出素子26からの磁気検出信号が出力されて、電源制御部104がスイッチング素子106をオンし、電池電源90から電源ライン110によりプロセッサ72側の各回路部に電源供給が行われて動作状態となるとともに、プロセッサ72のチャネル設定部100により第2磁気検出素子26からの磁気検出信号が出力されることで、チャネルBが選択される設定が行われる。
図17にあっては、設定モードとして設定モード1〜3に分けて示しており、第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26それぞれによる設定部材35の検出をYES、非検出をNOで示し、これに対応した内容を右側に示している。
まず設定モード1にあっては、第1磁気検出素子25および第2磁気検出素子26いずれの検出出力も得られず、この状態にあっては電源オフが設定されている。
設定モード2にあっては、第1磁気検出素子25が非検出から検出に変化しており、第2磁気検出素子26は非検出のままであり、この状態にあっては電源オンおよびチャネルAが選択される設定が行われる。
設定モード3にあっては、第2磁気検出素子26が非検出から検出に変化しており、第1磁気検出素子25は非検出のままであり、この状態にあっては電源オンおよびチャネルBが選択れる設定が行われる。
【0040】
以上の構成を有する防水型機器によれば、設定部材35を有底の凹陥部を構成する第1設定穴30あるいは第2設定穴32に挿入することにより、対応する設定部材検出部が凹陥部への挿入による場の変化を非接触で検出し、電気回路設定部がこの検出結果に応じて電気回路の設定を行うので、防水筐体の外部から、防水型機器の防水性を損なうことなく、電気回路の設定を行うことが可能であり、抜け防止手段により、設定部材35を挿入した凹陥部からの設定部材35の抜けを防止することにより、電気回路の設定を安定して保持することが可能である。
【0041】
この場合、ユーザが設定部材35のゴムキャップ38を摘んで、設定用磁石36をたとえば、第1設定穴30に挿入する際、開口閉鎖手段により、設定部材35を第1設定穴30に挿入すると同時に、第1設定穴30および第2設定穴32の開口すべてを一度に閉鎖可能であるので、有底の凹陥部内部に固体あるいは液体状の異物が混入するのを簡便に防止することが可能であり、特に防水筐体が樹脂製である場合には、凹陥部内部に水分(特にアルカリ性の水溶液等)が長期間を経て溜まることにより、防水筐体自体が溶出等して、その防水性が損なわれるのを未然に防止すること等が可能である。
なお、ユーザが設定部材35をゴムキャップ38を摘んで、たとえば、設定部材35を第1設定穴30から抜け、第2設定穴30に挿入することにより、設定を変更する際、単にゴムキャップ38の向きを180度変えることにより、そのまま第2設定穴30に挿入することが可能である。

以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
【0042】
たとえば、本実施形態においては、2つの凹陥部を設け、それに対応して、1つの圧入部144を設ける場合を説明したが、それに限定されることなく、電気回路に設定する内容に応じて、たとえば3つの凹陥部を設け、3つの凹陥部の延び方向に互いに所定の間隔を隔てて、2つの圧入部144を設け、設定部材35を凹陥部内に挿入する際、それと同時に2つの圧入部144それぞれを対応する凹陥部に圧入してもよい。
【0043】
さらに、本実施形態においては、2つの凹陥部を閉鎖するのに、設定部材35の支持部142を圧入部144とし、それ以外に別途圧入部144を設けたうえで、さらにキャップにより2つの凹陥部の開口を閉鎖する場合を説明したが、それに限定されることなく、設定部材35の支持部142を圧入部144とし、それ以外に別途圧入部144を設けて、対応する凹陥部を閉鎖する限り、キャップはユーザが設定部材35を凹陥部内に挿入する際の摘みとするに必要な大きさとし、キャップにより2つの凹陥部の開口を閉鎖しなくてもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、2つの凹陥部を閉鎖するのに、設定部材35の支持部142を圧入部144とし、それ以外に別途圧入部144を設ける場合を説明したが、それに限定されることなく、キャップにより2つの凹陥部の開口を閉鎖する限り、設定部材35の凹陥部からの抜けを防止するうえで、圧入部144はいずれか一方としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の防水型機器として無線式の防水型感知器の実施形態を示した断面図
【図2】本発明の防水型機器として無線式の防水型感知器の実施形態を示した正面図
【図3】図2の防水型感知器を下側から見た平面図
【図4】本発明の防水型機器として無線式の防水型感知器の実施形態を示した、図1と直交する向きの断面図
【図5】図1の防水型感知器を裏面側から示した斜視図
【図6】設定部材35を上方から見た斜視図
【図7】設定部材35を下方から見た斜視図
【図8】設定部材35の断面図
【図9】設定部材35を設定穴に挿入した状態を示す部分断面図
【図10】図5において、本発明の防水型機器に用いる設定部材35を装着した状態を示す斜視図
【図11】防水筐体カバーに設けたフック部材155まわりの部分図
【図12】外カバー12に設けた突出部材157まわりの部分図
【図13】設定部材35を設定穴に挿入した状態を示す図9の変形例
【図14】設定部材35を設定穴に挿入した状態を示す図9の変形例
【図15】設定部材35を設定穴に挿入した状態を示す図9の変形例
【図16】設定部材35の検出に応じて電源のオン、オフを設定するブロック図
【図17】図16の設定処理を一覧で示した説明図
【符号の説明】
【0046】
10:防水型感知器
12:カバー
14:ガードカバー部
15:LED
16:温度検出部
18:防水筐体本体
20:防水筐体カバー
22:シールリング
24:回路基板
25:第1磁気検出素子
26:第2磁気検出素子
28:矩形凹陥溝
30:第1設定穴
32:第2設定穴
35:設定部材
36:設定用磁石
38:ゴムキャップ
40:紐部材
42:電池
72:プロセッサ
74:無線通信部
76:アンテナ
78:メモリ
80:センサ部
82:表示部
84:設定部材検知部
86:試験操作検出部
90:電池電源
92:送信回路
94:送信元ID
96:試験操作検出用磁気検出素子
98:動作モード処理部
100:チャンネル設定部
102:感知器処理部
104:電源制御部
106:スイッチング素子
108,110:電源ライン
120 密閉中空部
122 上表面
124 周壁
126 底面
128 周縁
130 周壁
140 平面部
142 支持部
158 クランプ部材
144 圧入部
146 嵌合穴
150 盛り部
152 凹部
154 補強凸部
155 フック部材
157 突起部材
158 突出爪
160 接続部材保持部
162 開口部
164 切り込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水筐体の内部に電気回路を配置した防水型機器において、前記防水筐体の外部から電気回路の設定を行う設定部材と、それぞれ前記設定部材が挿入可能なように前記防水筐体の上表面に設けた開口から前記防水筐体の内部に突出する有底の複数の凹陥部と、前記防水筐体の内部に配置され、それぞれ、前記設定部材の前記複数の凹陥部の各々への挿入による場の変化を非接触で検出する複数の設定部材検出部と、いずれかの前記設定部材検出部による検出結果に応じて前記電気回路の設定を行う電気回路設定部と、前記設定部材を挿入した前記凹陥部からの前記設定部材の抜け防止手段と、前記設定部材を前記複数の凹陥部のいずれかに挿入すると同時に、前記複数の凹陥部の開口すべてを一度に閉鎖可能な開口閉鎖手段とを有する、ことを特徴とする防水型機器。
【請求項2】
前記開口閉鎖手段は、前記複数の凹陥部の開口を覆うに十分な広さの平面部を有するキャップであり、前記平面部には、前記設定部材の上端部を支持する支持部が設けられる、請求項1に記載の防水型機器。
【請求項3】
前記抜け防止手段は、前記設定部材が挿入される前記凹陥部以外の開口に圧入可能なように前記支持部と所定間隔を隔てる圧入部が前記平面部に設けられることにより形成される、請求項2に記載の防水型機器。
【請求項4】
前記支持部は、前記設定部材の上端部に嵌合する嵌合穴を備え、前記設定部材を前記凹陥部に挿入する際、該凹陥部の開口に圧入可能な外形を有することにより、前記抜け防止手段を形成する、請求項2または請求項3に記載の防水型機器。
【請求項5】
前記キャップは、厚みを有する定形材であり、前記上表面には、前記複数の凹陥部の延び方向に所定の間隔を隔てて、前記キャップを固定保持するための一対のクランプ爪が、前記上表面から上方に延びる向きに設けられ、該一対のクランプ爪が、前記抜け防止手段を形成する、請求項2に記載の防水型機器。
【請求項6】
前記一対のクランプ爪それぞれの上端部には、互いに向かって突出する突出片が設けられ、該突出片により前記キャップを前記一対のクランプ爪の間にスナップ嵌めすることにより、前記設定部材の上下方向の位置決めを行う、請求項5に記載の防水型機器。
【請求項7】
前記防水筐体の上表面には、矩形断面の溝が設けられ、前記複数の凹陥部は、前記溝の底面に設けられ、前記キャップが、前記溝に圧入可能であり、前記抜け防止手段を形成する、請求項2に記載の防水型機器。
【請求項8】
さらに、人の指で摘み可能な大きさを有し、前記上表面に当接可能な平面部を備える摘みを有し、前記平面部には、前記設定部材を支持する支持部であって、前記設定部材を前記凹陥部に挿入する際、該凹陥部の開口に圧入可能な外形を有する支持部と、前記設定部材が挿入される前記凹陥部以外の開口に圧入可能なように、該支持部と所定間隔を隔てる圧入部とが設けられ、該支持部および該圧入部が、前記抜け防止手段および前記開口閉鎖手段を形成する、請求項1に記載の防水型機器。
【請求項9】
前記平面部の、前記上表面に当接する面と反対側の面には、前記設定部材の対応する位置に所定の表示マークが設けられている、請求項2に記載の防水型機器。
【請求項10】
さらに、前記キャップと前記防水筐体とを接続する接続部材を有し、前記平面部には、該接続部材の一部を収容可能な凹部が設けられる、請求項2に記載の防水型機器。
【請求項11】
前記防水筐体は、透明または半透明な樹脂一体成形品である、請求項1に記載の防水型機器。
【請求項12】
前記防水筐体は、前記複数の凹陥部を取り囲む周壁を有し、該周壁の内周面には、下方に延在するフック部材が設けられ、該フック部材の下方に開口部を有し、
さらに、前記防水筐体が内嵌可能な外カバーを有し、
該外カバーは、底面と該底面の周縁から上方に延在する周壁を有し、前記防水筐体の周壁の外周面が該外カバーの該周壁の内周面と対向する形態で、前記防水筐体が内嵌し、
該外カバーの前記底面の半径方向の所定位置には、上方に突出する突出部材が設けられ、前記防水筐体が前記外カバーに内嵌することにより、前記開口部を介して前記突出部材が前記フック部材の下端に当接して、前記接続部材、前記フック部材、前記突出部材および前記外カバーの外周壁とで環状枠として閉鎖形成される拘束部によって、前記接続部材部を脱落不能に拘束する、請求項1ないし請求項11いずれか1項に記載の防水型機器。
【請求項13】
前記設定部材は棒状磁石を有し、前記設定部材検出部は、前記凹陥部に挿入された前記棒状磁石の磁気を検出することにより磁気検出信号を出力する磁気検出素子である、請求項1に記載の防水型機器。
【請求項14】
前記電気回路設定部は、前記設定部材検出部による検知結果に応じて、少なくとも前記電気回路に対する電源のオンとオフとを切替える、請求項1に記載の防水型機器。
【請求項15】
前記防水筐体には、前記複数の凹陥部と前記フック部材との間に、接続部材保持部が設けられ、該接続部材保持部は、上方に開口し、開口部が常時は閉鎖する下方に延びる切り込みを備え、前記接続部材を上方から開口部を介して切り込みに押し込むことにより、前記接続部材保持部により前記接続部材を挟持する、請求項12に記載の防水型機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−128543(P2012−128543A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277629(P2010−277629)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】