説明

防汚シート、防汚皮膜形成方法、及び防汚皮膜除去方法

【課題】基材の形状への追従性がよい防汚皮膜を形成することができる防汚シート、前記防汚シートを用いた防汚皮膜形成方法、及び前記防汚皮膜の剥離を容易に行うことができる防汚皮膜除去方法の提供。
【解決手段】支持体1と、前記支持体上に形成され、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンの少なくともいずれかを含有する防汚成分を有する防汚層2と、前記防汚層上に形成され、シリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する接着層3とを有する防汚シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防汚シート、防汚皮膜形成方法、及び防汚皮膜除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、ポリカーボネート−ABS混合樹脂、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのプラスチックは、軽量性、易加工性、耐衝撃性などが特に優れている。そのため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示機器の基材、PC筐体、光デイスク基板、プラスチックレンズなどのプラスチック製品として、種々の用途に用いられている。
【0003】
しかしながら、これらプラスチック製品は、表面硬度が低く、傷がつきやすいため、ポリカーボネート、及びポリエチレンテレフタレートのような透明な樹脂は、その傷により樹脂が持つ本来の透明性及び外観が著しく損なわれるという問題がある。
【0004】
そこで、プラスチック製品には、耐摩耗性を付与するため、その表面に活性エネルギー線硬化性を有するハードコート材料が使用されている。このハードコート材料をプラスチック製品の表面に塗布し硬化層を形成することで、プラスチック製品は耐摩耗性を得ることができる。
しかし、このような活性エネルギー線硬化性を有するハードコート材料により形成される硬化層は、表面に指紋、及び皮脂が付着しやすく、かつその汚れを簡単に除去できないという問題がある。すなわち、汚れによりプラスチック製品の美観及び透明性が損なわれる。
【0005】
このような問題を解決するため、プラスチック製品の表面を低エネルギー性表面にすることで、指紋、及び皮脂をはじき、これらを付着し難くして、汚れに対する耐性を高める試みがされている。
【0006】
例えば、ポリジメチルシロキサン基のような撥水性シリコーン樹脂骨格を導入した化合物を含有する組成物を基材に塗布して、基材表面を撥水撥油化し防汚処理を施す技術が提案されている。また、基材表面にパーフルオロアルキル基を導入し、基材表面を撥水撥油化し防汚処理を施す技術が提案されている。
しかし、これらの提案の技術では、防汚処理を行った筐体などのプラスチック製品は撥水撥油性であるため、製品識別シール、顧客識別票などの接着剤付きシールがプラスチック製品に貼付できなくなるという問題がある。また、防汚処理が半永久的にその防汚能力を維持できればよいが、現状の防汚処理そのものの寿命は2年間〜3年間程度であって、防汚性能を維持できる期間が短いという問題がある。
【0007】
そこで、防汚性及びハードコート性を有するシートを用いる方法が提案されている。具体的には、防汚剤及び紫外線硬化型樹脂を含有するエネルギー線硬化性樹脂組成物により形成される硬化層を支持体上に有するシートを用いる。
【0008】
この提案の技術では、防汚層と接着層との接着性が悪く、防汚層上に、直接、接着層を形成することができないため、防汚層と接着層との間に支持体を設けた防汚シートが用いられている。そのため、柔軟性に欠け、プラスチック製品などの基材への追従性が十分ではないという問題がある。
【0009】
したがって、基材の形状への追従性がよい防汚皮膜を形成することができる防汚シート、前記防汚シートを用いた防汚皮膜形成方法、及び前記防汚皮膜の剥離を容易に行うことができる防汚皮膜除去方法の提供が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−7986号公報
【特許文献2】特開平10−310455号公報
【特許文献3】特開平10−104403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、基材の形状への追従性がよい防汚皮膜を形成することができる防汚シート、前記防汚シートを用いた防汚皮膜形成方法、及び前記防汚皮膜の剥離を容易に行うことができる防汚皮膜除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための手段としては、以下の記載した通りである。即ち、
開示の防汚シートは、支持体と、前記支持体上に形成され、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンの少なくともいずれかを含有する防汚成分を有する防汚層と、前記防汚層上に形成され、シリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する接着層とを有する。
開示の防汚皮膜形成方法は、基材に、開示の防汚シートを、前記防汚シートの接着層が前記基材に接するように貼付し、前記基材上に前記接着層と防汚層を含む防汚皮膜を形成する方法である。
開示の防汚皮膜除去方法は、開示の防汚皮膜形成方法により基材上に形成された防汚皮膜の防汚層に、支持体上にシリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する接着層が形成された防汚皮膜除去シートを、前記接着層が前記防汚層に接するように貼付した後に、前記基材から前記防汚皮膜除去シートを剥がすことにより、前記防汚皮膜を前記基材から除去する方法である。
【発明の効果】
【0013】
開示の防汚シートによれば、基材の形状への追従性がよい防汚皮膜を形成することができる。
開示の防汚皮膜形成方法によれば、基材の形状への追従性がよい防汚皮膜を形成することができる。
開示の防汚皮膜除去方法によれば、防汚皮膜を容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、防汚皮膜形成方法を説明するための概略図である(その1)。
【図1B】図1Bは、防汚皮膜形成方法を説明するための概略図である(その2)。
【図1C】図1Cは、防汚皮膜形成方法を説明するための概略図である(その3)。
【図2A】図2Aは、防汚皮膜除去方法を説明するための概略図である(その1)。
【図2B】図2Bは、防汚皮膜除去方法を説明するための概略図である(その2)。
【図2C】図2Cは、防汚皮膜除去方法を説明するための概略図である(その3)。
【図2D】図2Dは、防汚皮膜除去方法を説明するための概略図である(その4)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(防汚シート)
本発明の防汚シートは、支持体と、防汚層と、接着層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の層を有する。
前記防汚シートは、前記支持体、前記防汚層、及び前記接着層をこの順で有する。
【0016】
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のプラスチックフィルムが挙げられる。
【0017】
前記プラスチックフィルムの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PC(ポリカーボネート)、アセテート系樹脂、アクリル系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、ポリアミド、ポリアリレート、セロファン、ポリエーテルスルホン、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。
【0018】
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましく、25μm〜75μmが特に好ましい。
【0019】
前記支持体は、その表面に離型処理がされていてもよいし、離型処理がされていなくてもよい。前記防汚層は、防汚成分を含有することから表面エネルギーが低く、前記支持体との付着性が低いことから、前記支持体の表面に離型処理をしなくとも、前記支持体は、前記防汚層から容易に剥離することができる。
【0020】
<防汚層>
前記防汚層としては、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンの少なくともいずれかを含有する防汚成分を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
前記防汚層が、前記防汚成分を有することで、後述の防汚皮膜形成方法により前記防汚皮膜が形成された基材は、防汚性を得ることができる。
【0021】
−防汚成分−
前記防汚成分は、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンの少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、直鎖シロキサンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましい。
【0022】
前記オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロキサン基を有する重合体、有機フッ素化合物基を有する重合体、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物を有する重合体などが挙げられる。
前記オルガノシロキサン基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジシロキサンジイル基、トリシロキサンジイル基等の直鎖シロキサン基、シクロトリシロキサンジイル基、シクロテトラシロキサンジイル基等の環状シロキサン基などが挙げられる。
前記有機フッ素化合物基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基などが挙げられる。
前記オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体としては、市販品を用いることができる。前記オルガノシロキサン基を有する重合体の市販品としては、例えば、SH−1107(東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0023】
前記有機フッ素化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3−(2−ペルフルオロヘキシルエトキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパンパーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
前記有機フッ素化合物の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200〜2,000が好ましく、300〜1,000がより好ましく、300〜600が特に好ましい。
前記重量平均分子量は、例えば、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、ポリスチレンを基準として測定することができる。
前記有機フッ素化合物としては、市販品を用いることができる。前記有機フッ素化合物の市販品としては、例えば、MF−100(三菱マテリアル社製、3−(2−ペルフルオロヘキシルエトキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパン)などが挙げられる。
【0024】
前記直鎖シロキサンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキサンなどが挙げられる。
前記直鎖シロキサンの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000以下が好ましく、100〜2,000がより好ましい。
前記直鎖シロキサンとしては、市販品を用いることができる。前記直鎖シロキサンの市販品としては、例えば、KF−868(信越シリコーン社製)、KF−865(信越シリコーン社製)、KF−864(信越シリコーン社製)などが挙げられる。
【0025】
−その他の成分−
前記防汚層が含有し得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリレート共重合体、硬化触媒などが挙げられる。
【0026】
−−硬化触媒−−
前記硬化触媒としては、前記オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、前記有機フッ素化合物、並びに前記直鎖シロキサンの少なくともいずれかを硬化させることができる触媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒などが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で白金触媒が好ましい。
前記白金触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体、白金−アセチルアセテートなどが挙げられる。
【0027】
前記硬化触媒としては、市販品を用いることができる。前記白金触媒の市販品としては、例えば、SRX 212(東レ・ダウコーニング社製)、SD 4580 PSA(東レ・ダウコーニング社製)、SD 4584 PSA(東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0028】
前記硬化触媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記防汚層における前記防汚成分(前記オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、前記有機フッ素化合物、並びに前記直鎖シロキサン)100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01質量部〜5質量部がより好ましく、0.02質量部〜1質量部が特に好ましい。
【0029】
前記防汚層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜500μmが好ましく、20μm〜300μmがより好ましく、50μm〜200μmが特に好ましい。
【0030】
<接着層>
前記接着層としては、シリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記防汚層は前記防汚成分を含有するために他の材質との接着性が低いが、前記接着層が前記シリコーン樹脂を含有することで、前記防汚層と前記接着層は接着することができる。
前記接着層は、前記硬化触媒を含有することで、前記防汚シートを前記基材に貼付した際に、十分な接着力を得ることができる。
【0031】
−シリコーン樹脂−
前記シリコーン樹脂としては、前記接着層に接着性を付与できるシリコーン樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができる。前記シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、DC2050(ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0032】
−硬化触媒−
前記硬化触媒としては、前記シリコーン樹脂を硬化させることができる触媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒などが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で白金触媒が好ましい。
前記白金触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体、白金−アセチルアセテートなどが挙げられる。
【0033】
前記硬化触媒としては、市販品を用いることができる。前記白金触媒の市販品としては、例えば、SRX 212(東レ・ダウコーニング社製)、SD 4580 PSA(東レ・ダウコーニング社製)、SD 4584 PSA(東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0034】
前記硬化触媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記接着層の前記シリコーン樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01質量部〜5質量部がより好ましく、0.02質量部〜1質量部が特に好ましい。
【0035】
前記接着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましく、5μm〜20μmが特に好ましい。
【0036】
<防汚シートの作製方法>
前記防汚シートの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に前記防汚層を形成し、形成された前記防汚層上に前記接着層を形成する方法が挙げられる。
【0037】
−防汚層の形成−
前記防汚層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記防汚成分を含有する塗布液を前記支持体上に塗布した後に加熱硬化する方法が挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコート、スピンコート、ダイコート、カレンダーコート、スプレーコートなどが挙げられる。
前記加熱硬化の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜130℃がより好ましく、80℃〜120℃が特に好ましい。
前記加熱硬化の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間〜30分間が好ましく、3分間〜20分間がより好ましく、5分間〜15分間が特に好ましい。
【0038】
−接着層の形成−
前記接着層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シリコーン樹脂及び前記硬化触媒を含有する塗布液を前記防汚層上に塗布した後に加熱硬化する方法が挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコート、スピンコート、ダイコート、カレンダーコート、スプレーコートなどが挙げられる。
前記加熱硬化の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜110℃がより好ましく、70℃〜100℃が特に好ましい。
前記加熱硬化の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間〜40分間が好ましく、3分間〜30分間がより好ましく、5分間〜25分間が特に好ましい。
【0039】
前記防汚シートは、上記構造を有しているため、前記支持体を前記防汚層から剥がしつつ基材に貼付することが可能なため、前記支持体を有さない防汚皮膜(前記防汚層、及び前記接着層)を基材に貼付することができる。そのため、前記防汚シートは、柔軟性があり、基材への追従性に優れる。
【0040】
(防汚皮膜形成方法)
本発明の防汚皮膜形成方法は、基材に、本発明の前記防汚シートを、前記防汚シートの接着層が前記基材に接するように貼付し、前記基材上に前記接着層と防汚層を含む防汚皮膜を形成することを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
【0041】
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示機器、PC筐体、光デイスク基板、プラスチックレンズ等のプラスチック製品などが挙げられる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、ポリカーボネート−ABS混合樹脂、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。
【0042】
前記基材の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0043】
<貼付>
前記貼付は、前記接着層が前記基材と接するように行う。
前記貼付の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材に、前記防汚シートを前記接着層と前記基材とが接するように載せた後に、前記防汚シートの前記支持体をローラー、スキージなどで押圧する方法が挙げられる。
【0044】
前記貼付は、加熱しながら行うことが好ましい。加熱を行うことで、確実に貼付させることができる。
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜75℃が好ましく、50℃〜60℃がより好ましい。
前記加熱の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5分間〜2分間が好ましく、1分間〜1.5分間がより好ましい。
前記加熱は、前記押圧の際に行ってもよいし、前記押圧をした後に行ってもよい。
【0045】
前記貼付を行うことで、前記基材上に前記接着層と前記防汚層を含む防汚皮膜が形成される。前記防汚皮膜は、支持体を有しないため、柔軟性があり前記基材への追従性に優れる。
【0046】
前記貼付をした後、又は前記貼付の際に、必要により、前記防汚層から前記支持体を剥離する。前記貼付をした後の剥離のタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記貼付の直後に行ってもよいし、前記防汚皮膜が形成された前記基材の使用直前に行ってもよい。
【0047】
前記防汚皮膜形成方法の一例について図を参照して説明する。図1A〜図1Cは、前記防汚皮膜形成方法を説明するための概略図である。まず、支持体1上に防汚層2及び接着層3をこの順で有する防汚シート4を準備する(図1A)。続いて、防汚シート4を、基材6に、接着層3が基材6と接するように貼付する(図1B)。この際に加熱を行うことで、接着層3と基材6とが確実に接着する。以上により、接着層3と防汚層2を含む防汚皮膜5が基材6上に形成される。そして支持体1を防汚層2から剥離することにより、防汚層2が最表面に形成された基材6が得られる。防汚皮膜5は支持体4を有しないため、基材6の形状への追従性に優れる。
【0048】
(防汚皮膜除去方法)
本発明の防汚皮膜除去方法は、本発明の前記防汚皮膜形成方法により前記基材上に形成された前記防汚皮膜の前記防汚層に、支持体上に接着層が形成された防汚皮膜除去シートを、前記接着層が前記防汚層に接するように貼付した後に、前記基材から前記防汚皮膜除去シートを剥がすことにより、前記防汚皮膜を前記基材から除去する方法である。
【0049】
<防汚皮膜除去シート>
前記防汚皮膜除去シートは、支持体上に接着層が少なくとも形成されてなり、更に必要に応じて、その他の層を有する。
【0050】
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記防汚シートの説明において記載した支持体が挙げられる。
【0051】
−接着層−
前記接着層としては、シリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0052】
前記接着層は、前記シリコーン樹脂を含有することで、前記防汚層と接着することができる。
前記接着層は、前記硬化触媒を含有することで、前記防汚皮膜除去シートを前記防汚層に貼付した際に、十分な接着力を得ることができる。
【0053】
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記防汚シートの説明において記載した前記シリコーン樹脂が挙げられる。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記防汚皮膜形成方法の説明において記載した前記硬化触媒が挙げられる。
【0054】
前記接着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましく、5μm〜20μmが特に好ましい。
【0055】
−防汚皮膜除去シートの作製方法−
前記防汚皮膜除去シートの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に接着層を形成するための塗布液を塗布し、加熱硬化することにより形成する方法が挙げられる。
【0056】
前記塗布液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シリコーン樹脂と、前記硬化触媒とを少なくとも含有する塗布液が挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコート、スピンコート、ダイコート、カレンダーコート、スプレーコートなどが挙げられる。
【0057】
前記加熱硬化の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜110℃がより好ましく、70℃〜100℃が特に好ましい。
前記加熱硬化の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間〜40分間が好ましく、3分間〜30分間がより好ましく、5分間〜25分間が特に好ましい。
【0058】
<貼付>
前記貼付は、前記防汚皮膜除去シートの前記接着層が前記防汚層に接するように行う。
前記貼付は、前記基材と前記防汚皮膜の前記接着層との接着力よりも、前記防汚層と前記防汚皮膜除去シートの前記接着層との接着力が大きくなるように行うことが好ましい。
前記基材と前記防汚皮膜の前記接着層との接着力よりも、前記防汚層と前記防汚皮膜除去シートの前記接着層との接着力を大きくすることで、前記基材から前記防汚皮膜除去シートを剥がす際に、前記基材上に前記防汚皮膜の前記接着層、及び前記防汚層が残ることなく、前記防汚皮膜を前記基材から除去することができる。
【0059】
前記基材と前記防汚皮膜の前記接着層との接着力よりも、前記防汚層と前記防汚皮膜除去シートの前記接着層との接着力を大きくする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記貼付の際に加熱を行う方法、即ち、前記防汚皮膜除去シートを前記防汚層に加熱しながら貼付することが好ましい。更に、前記防汚皮膜の前記接着層における硬化触媒濃度よりも、前記防汚皮膜除去シートの前記接着層における硬化触媒濃度を高くすることで、より確実に、前記基材と前記防汚皮膜の前記接着層との接着力よりも、前記防汚層と前記防汚皮膜除去シートの前記接着層との接着力を大きくすることができる。
【0060】
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜80℃が好ましく、60℃〜70℃がより好ましい。
前記加熱の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2分間〜5分間が好ましく、3分間〜4分間がより好ましい。
【0061】
<剥離>
前記貼付の後に、前記基材から前記防汚皮膜除去シートを剥がすことにより、前記防汚皮膜を前記基材から除去することができる。
【0062】
前記防汚皮膜除去方法の一例について図を参照して説明する。図2A〜図2Dは、前記防汚皮膜除去方法を説明するための概略図である。まず、支持体8上に接着層7を有する防汚皮膜除去シート9を準備する(図2A)。続いて、前記防汚皮膜形成方法により基材6上に形成された防汚皮膜5の防汚層2に、防汚皮膜除去シート9を、接着層7が防汚層2に接するように貼付する(図2B)。この際に加熱を行うことで、基材6と接着層3との接着力よりも、防汚層2と接着層7との接着力を大きくすることができる。続いて、防汚皮膜除去シート9を、基材6から剥離すると、防汚皮膜除去シート9と防汚皮膜5とが一体として剥がれ、防汚皮膜5を基材6から剥離できる(図2C、図2D)。
【実施例】
【0063】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、特に明記のない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
【0064】
(実施例1)
オルガノシロキサン基を有する重合体(SH−1107、東レ・ダウコーニング社製)100部と白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液を、支持体(ポリエチレンテレフタレート、ルミラー、東レ社製、厚み60μm)上にダイコータを用いて塗布し、100℃で10分間加熱硬化させ、平均厚み100μmの防汚層を形成した。続いて、防汚層上に、シリコーン樹脂(DC2050、ダウコーニング社製)100部と白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を混合した塗布液を、ダイコータを用いて塗布し、80℃で15分間加熱硬化させ、平均厚み10μmの接着層を形成し、防汚シートを作製した。
続いて、この防汚シートを、基材としての防汚処理がされていないノートPC筐体(FMV7250、富士通株式会社製、ポリカーボネート−ABS混合樹脂)の天板面に、接着層が接するように貼付した後に、ドライヤーで60℃で1分間加熱し接着させた。接着後に支持体を防汚層から剥がし、防汚皮膜が形成された基材を得た。
【0065】
<評価>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
−鉛筆硬度−
JIS 5600−5−4に従って鉛筆硬度を測定した。
防汚層は鉛筆硬度5以上の硬さであることが好ましい。
【0067】
−防汚性−
防汚皮膜上に指を押し当て、指紋をつけた後、ハイガーゼ(旭化成せんい社製)を用いて拭き取った。指紋をつける前(初期)、指紋をつけた後(指紋付着後)、及びハイガーゼを用いて拭取った後(拭取り後)のそれぞれについて、防汚皮膜上の5箇所で光沢度計(IG−410、堀場製作所製)を用いて60°グロスを測定した。それらのグロス値、グロス値の回復率(%)[〔(拭取り後)/(初期値)〕×100]、及びそれらの平均値を表1に示す。なお、拭取る際の終点は、防汚皮膜を90°の角度(垂直方向)から目視で見たときに指紋跡が見えなくなったときとし、そのときの拭取り回数(往復を2回として計算)を表1に示す。
【0068】
<防汚皮膜の除去>
支持体(ポリエチレンテレフタレート、ルミラー、東レ社製、厚み60μm)上に、シリコーン樹脂(DC2050、ダウコーニング社製)100部と白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.20部を混合した塗布液を、ダイコータを用いて塗布し、80℃で7分間加熱硬化させ、平均厚み10μmの接着層を形成し、防汚皮膜除去シートを作製した。
続いて、上記で得られた防汚皮膜が形成された基材の防汚層に、防汚皮膜除去シートを、接着層が接するように貼付し、70℃で4分間加熱した。続いて、防汚皮膜除去シートを前記基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0069】
(実施例2)
実施例1において、防汚層を形成する塗布液を、オルガノシロキサン基を有する重合体(SH−1107、東レ・ダウコーニング社製)100部、有機フッ素化合物(MF−100、三菱マテリアル社製)10部、及び白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚皮膜が形成された基材を作製した。
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
<防汚皮膜の除去>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材を用い、実施例1と同様にして、防汚皮膜除去シートを基材の防汚層に貼付けた後に、防汚皮膜除去シートを基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0071】
(実施例3)
実施例1において、防汚層を形成する塗布液を、アクリレート共重合体(ライトアクリレートNP−8EA、共栄社化学工業社製)100部、オルガノシロキサン基を有する重合体(SH−1107、東レ・ダウコーニング社製)100部、及び白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚皮膜が形成された基材を作製した。
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
<防汚皮膜の除去>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材を用い、実施例1と同様にして、防汚皮膜除去シートを基材の防汚層に貼付けた後に、防汚皮膜除去シートを基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0073】
(実施例4)
実施例1において、防汚層を形成する塗布液を、オルガノシロキサン基を有する重合体(SH−1107、東レ・ダウコーニング社製)100部、重量平均分子量2,000以下の直鎖シロキサン(KF−868、信越シリコーン社製)10部、及び白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚皮膜が形成された基材を作製した。
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】
<防汚皮膜の除去>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材を用い、実施例1と同様にして、防汚皮膜除去シートを基材の防汚層に貼付けた後に、防汚皮膜除去シートを基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0075】
(実施例5)
実施例1において、防汚層を形成する塗布液を、有機フッ素化合物(MF−100、三菱マテリアル社製)100部、重量平均分子量2,000以下の直鎖シロキサン(KF−868、信越シリコーン社製)10部、及び白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚皮膜が形成された基材を作製した。
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
<防汚皮膜の除去>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材を用い、実施例1と同様にして、防汚皮膜除去シートを基材の防汚層に貼付けた後に、防汚皮膜除去シートを基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0077】
(実施例6)
実施例1において、防汚層を形成する塗布液を、アクリレート共重合体(ライトアクリレートNP−8EA、共栄社化学工業社製)100部、重量平均分子量2,000以下の直鎖シロキサン(KF−868、信越シリコーン社製)10部、及び白金触媒(SRX 212、東レ・ダウコーニング社製)0.05部を含有する塗布液に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚皮膜が形成された基材を作製した。
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0078】
<防汚皮膜の除去>
上記により得られた防汚皮膜が形成された基材を用い、実施例1と同様にして、防汚皮膜除去シートを基材の防汚層に貼付けた後に、防汚皮膜除去シートを基材から剥がしたところ、前記基材と前記防汚皮膜の接着層との界面から剥離が生じ、前記基材から前記防汚皮膜を除去することができた。なお、前記基材には、前記防汚皮膜の接着層や防汚層は残っていなかった。
【0079】
(比較例1)
基材としての防汚処理がされていないノートPC筐体(FMV7250、富士通株式会社製、ポリカーボネート−ABS混合樹脂)に対して、防汚皮膜を形成せず、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】

【0081】
実施例1〜6では、基材上に鉛筆硬度がHB〜Hの防汚皮膜が形成されていた。また、防汚性評価では、拭取り回数が少なく、かつ光沢の回復率が非常に高いことから、防汚性に優れる結果が得られた。
一方、比較例1の基材は、拭取り回数が多い上に、光沢の回復率は低く、防汚性は不十分であった。
【0082】
また、実施例1〜6の防汚皮膜は、防汚皮膜除去シートを用いることにより、容易に除去することができた。
【符号の説明】
【0083】
1 支持体
2 防汚層
3 接着層
4 防汚シート
5 防汚皮膜
6 基材
7 接着層
8 支持体
9 防汚皮膜除去シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体上に形成され、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンの少なくともいずれかを含有する防汚成分を有する防汚層と、
前記防汚層上に形成され、シリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する接着層と
を有することを特徴とする防汚シート。
【請求項2】
防汚成分が、オルガノシロキサン基及び有機フッ素化合物基の少なくともいずれかを有する重合体、有機フッ素化合物、並びに直鎖シロキサンから選択される2種以上を含有する請求項1に記載の防汚シート。
【請求項3】
基材に、請求項1から2のいずれかに記載の防汚シートを、前記防汚シートの接着層が前記基材に接するように貼付し、前記基材上に前記接着層と防汚層を含む防汚皮膜を形成することを特徴とする防汚皮膜形成方法。
【請求項4】
加熱しながら貼付する請求項3に記載の防汚皮膜形成方法。
【請求項5】
貼付をした後に、防汚層から支持体を剥離する請求項3から4のいずれかに記載の防汚皮膜形成方法。
【請求項6】
請求項3から5のいずれかに記載の防汚皮膜形成方法により基材上に形成された防汚皮膜の防汚層に、支持体上にシリコーン樹脂及び硬化触媒を含有する接着層が形成された防汚皮膜除去シートを、前記接着層が前記防汚層に接するように貼付した後に、前記基材から前記防汚皮膜除去シートを剥がすことにより、前記防汚皮膜を前記基材から除去することを特徴とする防汚皮膜除去方法。
【請求項7】
防汚皮膜除去シートを防汚層に加熱しながら貼付する請求項6に記載の防汚皮膜除去方法。


【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate


【公開番号】特開2012−166518(P2012−166518A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31179(P2011−31179)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】