説明

防煙垂れ壁及びシート端部保持具

【課題】 防煙垂れ壁の形成に用いる部品の運搬や取扱いが容易で且つ施工も容易にでき、しかも地震等の際に例え落下しても、板ガラスのように大きく飛び散って重大事故を引き起こす恐れの無い、見栄えの良い防煙垂れ壁を提供する。
【解決手段】 繊維強化樹脂シート6の両端をシート端部保持具8、8に保持させ、そのシート6に張力を加えてしわの無い状態に張り、そのシート6の上縁領域を天井に配したシート取付レール5に保持させ、下縁領域に化粧レール7を取り付けて、防煙垂れ壁1を形成する。シート端部保持具8は、シートをその全幅にわたり、両側から互い違いにシート延在方向(X方向)に対して略直角方向に押圧してシートに張力を付与する構成を有しており、シート6を延在方向に引っ張ると共に幅方向にも拡げ、シートをしわのない状態に張ることができ、見栄えの良い防煙垂れ壁を形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の天井に設けられる防煙垂れ壁及びそれに用いるのに好適なシート端部保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィスビル、ショッピングモール等の建築物の天井に防煙垂れ壁が設けられており、通常、その防煙垂れ壁には、視野を妨げないようにガラス板が使用されている。そのガラス板を天井に取り付けるには、ガラス板に穴をあけて、吊り金具で天井から吊り下げる方式や、天井に固定した吊り下げボルトにガラス受けを取り付け、そのガラス受けでガラス板の下端を支持する方式等が一般的である。ところが、これらの方式では構成部品が多く、施工も煩雑であるという問題があった。また、ガラス板を用いた防煙垂れ壁は、地震によってガラスが破損して落下するとか、ガラスが落下して大きく破損し、飛び散るといったことがあり、重大な事故につながる恐れがあるという問題もあった。
【0003】
そこで、ガラス板に替えて繊維強化樹脂シートを用いることが提案されている(例えば、特開2007−29109号公報参照)。この公報に記載の防煙垂れ壁は、ガラス繊維強化樹脂シートなどのシート材を巻き取ったシート材巻体を収容したボックスを天井面に垂直となるように取り付け、そのボックスからシート材を、上縁領域を天井に設けたガイドレールに保持させた状態で引き出し、先端を天井面に垂直に取り付けられた枠体に取り付けることで、シート材をボックスと枠体の間に張った構造のものである。この構造の防煙垂れ壁は、ガラス板に替えて繊維強化樹脂シートを用いているので、破損の恐れが無く、安全であり、また軽量であるので施工が容易である等の利点を有している。ところが、この防煙垂れ壁にも更に改良すべき点があった。すなわち、この防煙垂れ壁では、シート材を巻き取ったシート材巻体を収容したボックスを用いているため、このボックスがかさばるという問題があった。また、シート材をボックスと枠体の間に張っているが、シート材として繊維強化樹脂シートを用いた場合、そのシート材は伸びが小さいためしわが発生しやすく、特に垂直方向の1箇所或いは複数箇所に水平方向に延びるようにしわが生じやすく、シート材に加える張力を大きくしても、水平方向に延びるしわはなかなか無くならず、見栄えが悪くなりやすく、施工に熟練を要するという問題もあった。
【特許文献1】特開2007−29109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、繊維強化樹脂シートを用いながら、簡単な構造で且つ容易にその繊維強化樹脂シートをしわのない状態に張って天井に取り付けることができる、コンパクトな防煙垂れ壁を提供することを課題とする。また、その防煙垂れ壁において、繊維強化樹脂シートの両端を保持し、その繊維強化樹脂シートをしわを生じないように張るために用いるのに好適なシート端部保持具を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべくなされた本願請求項1に係る発明の防煙垂れ壁は、天井に配したシート取付レールと、該シート取付レールに上縁領域を把持されて吊下げられた繊維強化樹脂シートと、該繊維強化樹脂シートの両端を保持するように設けられた一対のシート端部保持具とを備え、該シート端部保持具は、前記繊維強化樹脂シートの端部を保持するシート端部保持手段と、該シート端部保持手段で保持された前記繊維強化樹脂シートをその全幅にわたり、両側から互い違いに前記繊維強化樹脂シートの延在方向に対して略直角方向に押圧して前記繊維強化樹脂シートに張力を付与するZ方向張力付与手段を有するという構成としたものである。なお、本明細書において、繊維強化樹脂シートの延在方向とは、一対のシート端部保持具の間に張られている繊維強化樹脂シートの張り方向すなわち天井に配したシート取付レールに平行な方向(通常、繊維強化樹脂シートの長手方向)を意味するものとする。そして、その繊維強化樹脂シートの延在方向をX方向とし、繊維強化樹脂シート平面上のX方向に直角な方向、すなわちシート端部保持具の延在方向に平行な方向をY方向とし、X方向、Y方向に直角な方向、すなわち繊維強化樹脂シート面に直角な方向をZ方向とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る防煙垂れ壁において、前記シート端部保持具のZ方向張力付与手段が、前記繊維強化樹脂シートを、一方の面からその全幅にわたって押圧可能な第一押圧用リブを備えた第一パーツと、前記繊維強化樹脂シートを、他方の面からその全幅にわたって且つ前記第一押圧用リブによる押圧位置とは異なる位置で押圧可能な第二押圧用リブを備えた第二パーツと、前記第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじを備えるという構成としたものである。
【0007】
請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る防煙垂れ壁において、前記シート端部保持具のシート端部保持手段が、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に前記繊維強化樹脂シートを押し付けて固定する取付用筒体を備えるという構成としたものである。
【0008】
請求項4に係る発明は、上記請求項1、2又は3に係る防煙垂れ壁において、前記シート端部保持具が、更に、前記シート端部保持手段を、前記繊維強化樹脂シートの延在方向に移動させて前記繊維強化樹脂シートの張力を調整するX方向張力調整手段を備えているという構成としたものである。
【0009】
請求項5に係る発明は、シートを、該シートの端部を保持して張るためのシート端部保持具であって、前記シートの端部を保持するシート端部保持手段と、該シート端部保持手段の近傍で前記シートをその全幅にわたり、両側から互い違いに前記シートの延在方向に対して略直角方向に押圧して前記シートに張力を付与するZ方向張力付与手段を有するという構成としたものである。
【0010】
請求項6に係る発明は、上記請求項5に係るシート端部保持具において、前記Z方向張力付与手段が、前記シートを、一方の面からその全幅にわたって押圧可能な第一押圧用リブを備えた第一パーツと、前記シートを、他方の面からその全幅にわたって且つ前記第一押圧用リブによる押圧位置とは異なる位置で押圧可能な第二押圧用リブを備えた第二パーツと、前記第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじを備えるという構成としたものである。
【0011】
請求項7に係る発明は、上記請求項6に係るシート端部保持具において、前記シート端部保持具のシート端部保持手段が、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に前記シートを押し付けて固定する取付用筒体を備えるという構成としたものである。
【0012】
請求項8に係る発明は、上記請求項5、6又は7に係るシート端部保持具において、前記シート端部保持具が、更に、前記シート端部保持手段を、前記シートの延在方向に移動させて前記シートの張力を調整するX方向張力調整手段を備えているという構成としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防煙垂れ壁は、繊維強化樹脂シートを張って防煙垂れ壁を形成したので、従来用いていたガラス板に比べて軽量で、施工性がよく、また、地震等で落下したとしても割れて飛び散るということがなく安全である。更に、この繊維強化樹脂シートは、その両端をシート端部保持具で引っ張っており、しかも、そのシート端部保持具は、繊維強化樹脂シートをその全幅にわたり、両側から互い違いに前記繊維強化樹脂シートの延在方向に対して略直角方向に押圧して前記繊維強化樹脂シートに張力を付与する構成としているので、繊維強化樹脂シートに延在方向(長手方向)すなわちX方向の張力を付与するのみならず、幅方向すなわちY方向に拡げる作用も得られ、しわの発生、特に水平方向に延びるしわの発生を効果的に防止できる。このため、この防煙垂れ壁はきわめて見栄えが良い。更に、繊維強化樹脂シートの両端に配置するシート端部保持具は、特許文献1に示す防煙垂れ壁に設けているボックスのように、繊維強化樹脂シートを収容しておく必要はないので、小型とすることができ、このため、防煙垂れ壁をコンパクトとすることができる。
【0014】
ここで、前記シート端部保持具のZ方向張力付与手段を、第一押圧用リブを備えた第一パーツと、第二押圧用リブを備えた第二パーツと、前記第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじを備えた構成とすると、調整ねじによって第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整することで、第一押圧用リブと第二押圧用リブによって繊維強化樹脂シートを互い違いにに押圧する量を調整し、繊維強化樹脂シートに付与する張力を調整してしわの発生を防止でき、容易に繊維強化樹脂シートをしわの無い状態に張ることができ、従って、繊維強化樹脂シートの張り作業を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記シート端部保持具のシート端部保持手段が、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に前記繊維強化樹脂シートを押し付けて固定する取付用筒体を備える構成としておくと、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方の前に繊維強化樹脂シートの端部を位置させ、その上から取付用筒体を押し当て、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方にねじ等によって固定することで、繊維強化樹脂シートの端部を前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に固定して保持させることができ、従って、繊維強化樹脂シートの端部の長手方向(X方向)の所望位置を容易に第一パーツと第二パーツのいずれか一方に固定、保持させることができる。
【0016】
また、前記シート端部保持具が、更に、前記シート端部保持手段を、前記繊維強化樹脂シートの延在方向に移動させて前記繊維強化樹脂シートの張力を調整するX方向張力調整手段を備えた構成とすると、繊維強化樹脂シートに対する前記したZ方向張力付与手段による張力付与と、X方向張力調整手段による張力付与を併用して一層精密に張力調整を行うことができ、しわの発生を一層確実に防止できる。
【0017】
本発明のシート端部保持具は、所定位置に張るべきシートの端部をシート端部保持手段で固定保持し、Z方向張力付与手段によって前記シートに張力を付与することで、シートを、適当な張力を加えた状態で張ることができ、しかも、Z方向張力付与手段は、前記シートをY方向の全幅にわたり、両側から互い違いに前記シートの延在方向に対して略直角方向にすなわち略Z方向に押圧して前記シートに張力を付与するので、シートに延在方向(X方向)の張力を付与するのみならず、幅方向(Y方向)に拡げる作用も得られ、繊維強化樹脂シートのような伸びが小さく、しわの発生しやすいシートであっても、そのシートを、しわの無い状態で、特に水平方向に延びるしわの無い状態で張ることができる。かくして、このシート端部保持具を、繊維強化樹脂シートを張って防煙垂れ壁を形成する際に、その繊維強化樹脂シートの両端を保持して張るための手段として用いることで、繊維強化樹脂シートをしわの無い状態で張った、見栄えのよい防煙垂れ壁を形成できる。なお、本発明のシート端部保持具は、防煙垂れ壁を形成するために繊維強化樹脂シートを張るために用いるのに好適であるが、この用途に限定されるものではなく、また、張る対象のシートも繊維強化樹脂シートに限定されるものではなく、任意の用途において任意のシートを張るために用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る防煙垂れ壁を示す概略正面図、図2(a)は図1のA−A矢視概略断面図、図2(b)は図1のB−B矢視概略断面図、図3(a)、(b)、(c)、(d)はシート取付レールのカバー部材をレール本体から取り外す手順を示す概略断面図、図4は図1のC−C矢視概略断面図、図5は図4に示すシート端部保持具を分解して示す概略断面図、図6はシート端部保持具の主要部品を分解して示す概略斜視図、図7はシート端部保持具のカバーを示す概略斜視図、図8はシート端部保持具を、シートを保持させる途中の状態で示す概略断面図、図9はシート端部保持具の変形例を示す概略断面図である。なお、図1及び図4において本願明細書で用いるX方向、Y方向、Z方向を示す。ここで、図1におけるZ方向、図4におけるY方向は図の紙面に直角な方向である。図1、図2において、全体を参照符号1で示す、本発明の実施の形態に係る防煙垂れ壁は、天井2と壁、梁、柱等の側面3、3に囲まれた領域に配置されており、天井2に配したシート取付レール5と、該シート取付レール5に上縁領域を把持されて吊下げられた繊維強化樹脂シート(以下シートと略称する)6と、該シート6の下縁領域に取り付けられた化粧レール7と、シート6の両端を保持するように設けられた一対のシート端部保持具8、8と、シート取付レール5と化粧レール7とに両端を固定して設けられた板ばね9等を備えている。
【0019】
シート6には、煙の拡散を防止しうる強度を備えると共に難燃性を備えた繊維強化樹脂シートが用いられる。このような特性を持ったシート6としては、ガラス繊維強化樹脂シートを例示でき、特に、透明性を備えたものを用いることが、視界を遮ることがなく、防煙垂れ壁に美観を与えるので好ましい。透明性を備えたガラス繊維強化樹脂シートの好適な例としては、特許文献1に記載されているものを挙げることができる。
【0020】
シート取付レール5は、シート6の上端を保持して吊り下げることができるものであれば、その構造は任意であるが、この実施の形態では、シート6の上端領域をほぼ全長に渡って把持して吊り下げることができるものが使用されている。このシート取付レール5は、図2、図3から良く分かるように、ねじ11によって天井2に取り付けられるレール本体12と、そのレール本体12に着脱可能なカバー部材13を有している。レール本体12及びカバー部材13は、アルミ、ステンレス等の金属材で作られ、全長に亘ってほぼ同一断面の型材で形成されている。レール本体12は、天井に固定するための頂壁12aと、その頂壁12aの一端から下方に延び、下端領域にシート把持用の本体側把持面12cを形成した本体側側壁12bと、その本体側側壁12bの中央領域から内側にほぼ水平に延び先端を上向きに折り曲げた形状の本体側係止爪12dと、頂壁12aの他端近傍に下方に延びるように形成されたストッパ12eを備えている。一方、カバー部材13は、レール本体12に取り付けた状態で、本体側側壁12bに対向するように設けられたカバー側側壁13bと、カバー側側壁13bの中央領域から内側にほぼ水平に延び先端を下向きに折り曲げた形状のカバー側係止爪13dと、カバー側側壁13bの下端から略L字状に延びるように形成され、本体側把持面12cに対向したカバー側把持面13cを形成するシート把持部13eと、そのカバー側把持面13cを本体側把持面12cに向かって押すためにカバー側把持面13cの背後を押すことができるようカバー側側壁13bにねじ込まれた押しボルト15を備えている。押しボルト15はカバー側把持面13cの全長をあまりむらが生じないように押してシートを良好に把持できるよう、シート取付レール5の長手方向に適当な間隔をあけて複数個が設けられている。このように、シート6をカバー側把持面13cを介して押しボルト15で押す構成としたことで、シート6を広い面積で押すことができ、シート6にしわを生じることなく、把持できる。
【0021】
このレール本体12とカバー部材13とは、図3(a)に示すように、本体側係止爪12dとカバー側係止爪13dとを互いに係止させることで、カバー部材13の上端がレール本体12の頂壁12aの端部下面とストッパ12eに突き当たり、且つカバー側把持面13cが本体側把持面12cに近接して対向する位置となる状態で、カバー部材13をレール本体12にパチンと取り付けることができる形状に作られている。また、本体側側壁12bとカバー側側壁13bの外面形状は、シート取付レール5の垂直な中心軸線に対してほぼ対称となるように定めている。この構成により、シート取付レール5に良好な外観を与えることができる。
【0022】
図3(a)に示すように、レール本体12にカバー部材13を取り付けた状態から、カバー部材13を取り外すには、図3(b)に示すように、カバー部材13を時計方向に旋回させてカバー側側壁13bの上端をレール本体12の頂壁12aから外し、次いで、図3(c)に示すように、カバー部材13を斜め上方に押し上げることで、本体側係止爪12dとカバー側係止爪13dとの係止を解除してカバー部材13を取り外すことができる。また、この逆の動作でカバー部材13をレール本体12に容易にパチンと取り付けることができる。
【0023】
シート取付レール5の本体側把持面12cとカバー側把持面13cの上方には、シート6を挿入させるための空間16が形成されている。この空間16を設けたことにより、図2(a)に示すように、シート6の上縁を空間16内に挿入させた状態でシート6を把持でき、天井面に上下方向の大きいうねりがあって、それに取り付けたシート取付レール6にもうねりが生じていた場合でも、空間16内に挿入されるシート6の長さが変わるのみで、シート6に無理な力を加えることなく、そのシート6をシート取付レール5で良好に把持できる。このため、シート6にしわが生じることはほとんどない。更に、シート取付レール5の本体側把持面12cとカバー側把持面13cとは、シート取付レール6の全長に延びており、このため、シート6の上縁領域の全長をはさみ付けて把持でき、この点からもシート6にしわが生じることはほとんどない。
【0024】
化粧レール7は、シート6の下縁領域に取り付けてシート6の下縁領域の見栄えを良くすると共に、シート6の下縁領域をはさみ付けることでシート6の下端領域にしわが発生するのを更に確実に抑制するため、及びぶつかり防止のためのものである。この化粧レール7は、略U字状の化粧レール本体18と、その中に配置された当て板19と、当て板19の背面を押すことができるように化粧レール本体18にねじ込まれた押しボルト20を備えている。化粧レール本体18と当て板19の互いに向かい合った面は、化粧レール7の全長に亘って延びており、シート6の下縁領域をはさみ付けて把持する把持面18a、19aとなっている。この把持面18a、19aでシート6の下縁領域をはさみ付けることで、化粧レール7がシート6に取り付けられると共に、そのシート6にしわが入らないように拘束することができる。押しボルト20は当て板19の全長をあまりむらが生じないように押してシート6を良好に把持面18aに押し付けることができるよう、化粧レール7の長手方向に適当な間隔をあけて複数個が設けられている。
【0025】
図1、図2(b)において、板ばね9はその両端をシート取付レール5及び化粧レール7に固定して設けられている。この板ばね9は、シート取付レール5及び化粧レール7に固定された位置間の長さが、同じ位置に取り付けられているシート6の長さよりも長くなるように定められている。このため、図2(b)に誇張して示すように、板ばね9は湾曲した状態となっており、バネ力によってシート6に幅方向(Y方向)の張力を付与することができる。これによっても、シート6にしわが入るのを防止できる。なお、図面の実施の形態では、板ばね9の両端を、シート6と一緒にシート取付レール5及び化粧レール7に把持させる構成としているが、板ばね9の取付方法はこれに限らず、ねじ等によって板ばね9のみをシート取付レール5や化粧レール7に固定する構造としてもよい。また、設置場所によっては、化粧レール7及び/又は板ばね9は省略してもよい。
【0026】
図4〜図8において、シート6の両端を保持するシート端部保持具8は、シート6の端部を固定、保持するシート端部保持手段22と、該シート端部保持手段22で保持されているシート6をY方向の全幅にわたり、両側から互い違いに、シートの延在方向(X方向、以下シート延在方向という)に対して略直角方向に押圧してシート6に張力を付与するZ方向張力付与手段23と、シート端部保持手段22を、シート延在方向に移動させてシート6の張力を調整するX方向張力調整手段24と、カバー25等を備えている。
【0027】
Z方向張力付与手段23は、第一パーツ26と、それに向かい合うように配置された第二パーツ27と、第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじ28等を備えている。第一パーツ26と第二パーツ27はそれぞれ、アルミ、ステンレス等の金属材や繊維強化樹脂等で作られ、全長にわたってほぼ同一断面の部材で構成されており、その長さは、シート6のY方向の全幅(天井から吊り下げたシート6の垂直方向の全幅)以上に設定されている。
【0028】
第一パーツ26は、その中央領域に、取付用筒体31をシート6を介して嵌合可能な大きさの凹部30を形成している。取付用筒体31は、第一パーツ26の凹部30にシート6のほぼ全幅を押し付けて固定するためのもので、アルミ、ステンレス等の金属材や繊維強化樹脂等で作られ、全体が角筒状をなしており、長手方向の適当な箇所に、取付ねじ33を通すための穴34を形成している。この取付用筒体31及び第一パーツ26の凹部30を形成した領域は、シート6の端部を固定、保持するシート端部保持手段22を構成するものである。図5に示すように、第一パーツ26の前にシート6の端部を位置させ、その上から取付用筒体31を押し当て、その取付用筒体31を凹部30内に押し込み、取付ねじ33で凹部30の底面に固定することで、図8に示すように、シート6の端部を第一パーツ26に容易に固定することができる。また、その際、第一パーツ26の前に位置させるシート6の長手方向の位置を所望のようにしておくことで、シート6の長手方向の所望の位置を第一パーツ26に固定することができる。なお、図5に示すように、取付ねじ33を第一パーツ26の凹部30の底面にねじ止めするため、第一パーツ26にはねじ穴35を設けているが、このねじ穴35は、あらかじめ形成しておいてもよいし、取付ねじ33をねじ打ち機でねじ込むことで、ねじ込みと同時にねじ穴35を形成してもよい。また、取付用筒体31でシート6の端部を固定する際、取付用筒体31にあらかじめシート6の端部を巻き付けて固定しておき、その状態で取付用筒体31を第一パーツ26に固定してもよい。
【0029】
第一パーツ26には更に、凹部30よりも先端側に、間隔をあけて2個の第一押圧用リブ36を設けている。この第一押圧用リブ36は、一対のシート端部保持具8、8間にシート6を張った時にそのシートの張り方向すなわちシート延在方向(X方向)に対して略直角になるように形成されており、その先端にシート6を押圧するための押圧面36aを備えている。この押圧面36aはシート6のY方向の全幅にわたる長さを有しており、シート延在方向(X方向)に直角で且つシート面に平行にすなわちY方向に、直線状に延びるように形成されている。押圧面36aの形状は、平面状でもよいし、両端の角部に丸みを付けた形状でもよいし、円弧面状でもよい。第二パーツ27は、第一パーツ26の第一押圧用リブ36に向かい合うように且つシート延在方向(X方向)に位置をずらせて交互にシート6に接触するように配置された2個の第二押圧用リブ37を備えている。この第二押圧用リブ37も、シート延在方向(X方向)に対して略直角になるように形成されており、且つその先端に押圧面37aを備えている。この押圧面37aもシート6のY方向の全幅にわたる長さを有しており、シート延在方向(X方向)に直角で且つシート面に平行にすなわちY方向に、直線状に延びるように形成されている。押圧面37aの形状も、平面状でもよいし、両端の角部に丸みを付けた形状でもよいし、円弧面状でもよい。第二パーツ27には、長手方向の適当な箇所に、調整ねじ28を通すための穴40が形成されており、第一パーツ26には穴40に対向する位置にねじ穴41が形成されている。ねじ穴41は調整ねじ28を取り付ける前にあらかじめ形成しておいてもよいし、調整ねじ28をねじ打ち機でねじ込む際にねじ込みによって形成してもよい。これらの構成により、図4、図8に示すように、第一パーツ26の凹部30に取付用筒体31によってシート6の端部を固定し、第二パーツ27をシート6をはさむように第一パーツに向かい合わせ、第二パーツ27側から調整ねじ28を通し、第一パーツ26にねじ込んで行くことで、シート6をその全幅にわたり、両側から互い違いにシート延在方向に対して略直角方向に押圧してシート6に張力を付与することができ、一対のシート端部保持具8、8の間にシート6をしわの無い状態で張ることができる。
【0030】
ここで、シート端部保持具8によってシート6を張るには、第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37によってシート6をその面に略直角方向に押さなくても、シート6の端部を固定、保持している第一パーツ26及び取付用枠体31をシート延在方向(X方向)に引っ張って、シート6にシート延在方向の張力を加え、シート6を張ることは可能である。ところが、単に第一パーツ26及び取付用枠体31をシート延在方向に引っ張ってシート6を張った場合、第一パーツ26と取付用枠体31でシート6を全幅にわたって均等に固定、保持していても、シート6を引っ張った際にシート6に幅を縮小させる方向の力が作用するためか、シート6の幅方向の1箇所或いは複数箇所に、シート延在方向に延びるしわが生じてしまい、張力を増減させても、そのしわはなかなか取れない。これに対し、本実施の形態では、第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37の押圧面36a、37aがシート6を互い違いにシート延在方向に直角に押圧しているので、シート6がその押圧面36a、37aに強く押し付けられ、シート6の幅方向に直線状に延びている押圧面36a、37aで拘束されることでシート6が幅方向に拡げられるようになる。このため、シート6を押圧面36a、37aに沿って幅方向に拡げることができ、しわの発生を防止することができる。ここで、第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37はそれぞれ1個ずつでも、シート6に対して或る程度のしわ防止効果を得られるので、1個ずつ設ける構成としてもよいが、第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37によるしわ防止効果は、これらの使用個数が多いほど、また、シート6が第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37に対してなす角度を小さくしてシート6に対する第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37の押圧力を高くするほど、大きくなるので、第一押圧用リブ36、第二押圧用リブ37は、合わせて3個以上(一方を1個以上、他方を2個以上)設けることが好ましく、図面の実施の形態では、それぞれ2個ずつ設けている。
【0031】
シート端部保持具8のX方向張力調整手段24は、壁面等の側面3に取付ねじ44で取付可能なフランジ部45aを備えた、断面略コ字状の連結部材45と、その連結部材45のフランジ部45aとは反対側にあるフランジ部45bに形成している穴46に通された張力調整ねじ47と、第一パーツ26の、凹部30をはさんで第一押圧用リブ36とは反対側に第一押圧用リブ36と平行に(従って、シート延在方向に直角に)形成された連結用壁48と、その連結用壁48に形成されたねじ穴49等を備えている。張力調整ねじ47及びねじ穴49はシート6の幅方向における張力分布を調整できるよう、連結部材45及び連結用壁48の長さ方向の複数箇所に設けられている。図6から良く分かるように、連結部材45のフランジ部45aには、取付ねじ44を通して固定するための溝51が形成されており、また、張力調整ねじ47を通す穴46の延長上に、張力調整ねじ47の頭部を通り抜けさせるための穴52も形成されている。連結部材45も、アルミ、ステンレス等の金属材や繊維強化樹脂等で作られている。第一パーツ26には更に、連結用壁48の両側に直角にガイド部50a、50bが形成されており、連結部材45を嵌合させうるようになっている。これらの構成により、図4、図8に示すように、連結部材45を壁、梁、柱等の側面3に取付ねじ44で取り付け、その連結部材45が第一パーツ26のガイド部50a、50bの間に入り込むように第一パーツ26を配置し、張力調整ねじ47を連結用壁48のねじ穴49にねじ込むことで、第一パーツ26を連結部材45を介して側面3に固定することができ、更に、張力調整ねじ47を締めたり、ゆるめたりすることで、第一パーツ26をシート延在方向(X方向)に動かし、その第一パーツ26に固定しているシート6の、シート延在方向(X方向)の張力を直接調整できる。なお、この実施の形態では、第一パーツ26に一対のガイド部50a、50bを形成し、その間に連結部材45を挿入させる構成としており、これによって連結部材45に対する第一パーツ26の取付位置を容易に定めることができる利点を有しているが、ガイド部材50a、50bはなくても、第一パーツ26の連結部材45に対する取付は可能であるので、ガイド部材50a、50bの一方若しくは双方を省略してもよい。
【0032】
図4〜図8において、カバー25は、組み立てた状態の連結部材45、第一パーツ26、第二パーツ27を覆うものであり、この実施の形態では、側面25a、25a、前面25b、底面25cを備えた一体構造のものが用いられている。なお、前面25bにはシート6を通すためのスリット25dが形成されている。カバー25は、金属材、樹脂等で作られる。
【0033】
次に、上記構成の防煙垂れ壁1の施工方法を説明する。図1〜図3において、まず、天井2にシート取付レール5のレール本体12をねじ止めし、図8に示すように、壁、梁、柱等の側面3、3にシート端部保持具8の連結部材45をねじ止めし、その連結部材45に第一パーツ26を取り付ける。次いで、シート6の両端をそれぞれ、シート端部保持具8の第一パーツ26に取付用筒体31によって固定し、その後、第二パーツ27をシート6をはさむように第一パーツに向かい合わせ、第二パーツ27側から調整ねじ28を通し、第一パーツ26にねじ込んで行く。これにより、図4に示すように、第一パーツ26の第一押圧用リブ36と第二パーツ27の第二押圧用リブ37がシート6をその全幅にわたり、両側から互い違いにシート延在方向に対して略直角方向に押圧し、シート6に張力を付与する。そして、調整ねじ28の締め込み量を調整してシート6に加える張力を調整する。また、必要に応じ、連結部材45と第一パーツ26を連結している張力調整ねじ47の締め込み量を調整してシート6に加える張力を調整する。これらの調整により一対のシート端部保持具8、8の間にシート6をしわの無い状態で張ることができる。なお、この時、図2、図3において、シート取付レール5のカバー部材13はレール本体12から取り外しておく。また、シート端部保持具8に対するシート6の高さ方向の取付位置は、シート6の上縁がレール本体12の把持面12cより上となるように定めておく。これにより、両側のシート端部保持具8でシート6を張った時、その上縁領域はレール本体12の把持面12cに面する位置となる。
【0034】
次に、図2(a)に示すように、シート取付レール5のレール本体12にカバー部材13をパチンと取り付ける。これにより、シート6の上縁領域は、向かい合った把持面12c、13cではさまれた状態となり、その後、押しボルト15を締め込むことで、シート6の上縁領域の把持面12c、13cによる把持を確実とできる。次に、シート6の下端領域に化粧レール7を取り付け、押しボルト20を締め込むことで、シート6の下端領域を把持面18a、19aではさみ付ける。その後、板ばね9をシート取付レール5と化粧レール7に取り付ける。以上により、シート6をしわのない状態に張ってシート取付レール5に保持させた構造の防煙垂れ壁1が形成される。なお、防煙垂れ壁1の施工方法は、上記に限らず、例えば、シート6を固定した第一パーツ26に連結部材45を取り付けるか或いは第一パーツ26にまず連結部材45を取り付け、シート6を第一パーツ26に固定し、その後に、連結部材45を側面3、3にねじ止めし、第二パーツ27を第一パーツ26に調整ねじ28によって取り付けてシート6に張力を付与し、必要に応じて張力調整ねじ47の締め込み量を調整するという方法を採っても良い。
【0035】
以上のように、この防煙垂れ壁1は、シート6の両端をシート端部保持具8、8に取り付け、上縁領域をシート取付レール5に保持させ、下縁領域に化粧レール7を取り付け、更に板ばね9を取り付けるという操作によって形成できるので、施工がきわめて簡単で且つ短時間で施工できる。形成された防煙垂れ壁1はガラス板を用いておらず、ガラス繊維強化樹脂シートなどの軽量なシート6を用いているので、地震等においても破損して落下するということが起こり難く、しかも例え落下したとしても、ガラス板のように割れて周囲に飛び散るということがなく、安全である。更に、シート6をしわの無い状態に張ることができるので、きわめて美観が良く、しかもシート6の両端にはシート6に張力を付与する機構を備えたシート端部保持具8を配置するのみで良いので、あまり嵩張らず、コンパクトな構造とできるといった利点も有している。
【0036】
なお、以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で適宜変更可能である。例えば、前記した実施の形態におけるシート端部保持具8はX方向張力調整手段24を備え、シートのシート延在方向の張力を直接調整可能としており、X方向張力調整手段24とZ方向張力付与手段23を併用して精密な張力調整が可能であるという利点を有しているが、このX方向張力調整手段は省略してもよい。図9はその場合の実施の形態に係るシート端部保持具8Aを示すものである。このシート端部保持具8Aでは、第一パーツ26Aの一端に、壁、柱等の側面3にねじ止めするための取付用壁55を備え、第一パーツ26Aを直接側面3に固定する構成としている。その他の構成は、図4〜図8に示すシート端部保持具8と同様である。図9に示すシート端部保持具8Aにおいても、第一パーツ26Aに第二パーツ27を調整ねじ28で締め込むことで、第一パーツ26Aの第一押圧用リブ36と第二パーツ27の第二押圧用リブ37でシート6をその全幅にわたり、両側から互い違いにシート延在方向に対して略直角方向に押圧し、シート6に張力を付与することができ、シート6をしわの無い状態で張ることができる。
【0037】
また、前記した実施の形態では、シート6の端部を第一バーツ26に固定しているが、これに代えて第二パーツ27に固定する構成としてもよいし、更には、Z方向張力付与手段23を構成する第一パーツ26、第二パーツ27とは別の部品を設け、それにシート6を固定、保持させる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る防煙垂れ壁を示す概略正面図
【図2】(a)は図1のA−A矢視概略断面図、(b)は図1のB−B矢視概略断面図
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)はシート取付レールのカバー部材をレール本体から取り外す手順を示す概略断面図
【図4】図1のC−C矢視概略断面図
【図5】図4に示すシート端部保持具を分解して示す概略断面図
【図6】シート端部保持具の主要部品を分解して示す概略斜視図
【図7】シート端部保持具のカバーを示す概略斜視図
【図8】シート端部保持具を、シートを保持させる途中の状態で示す概略断面図
【図9】シート端部保持具の変形例を示す概略断面図
【符号の説明】
【0039】
1 防煙垂れ壁
2 天井
3 側面
5 シート取付レール
6 繊維強化樹脂シート(シート)
7 化粧レール
8、8A シート端部保持具
9 板ばね
11 ねじ
12 レール本体
13 カバー部材
18 化粧レール本体
19 当て板
22 シート端部保持手段
23 Z方向張力付与手段
24 X方向張力調整手段
25 カバー
26、26A 第一パーツ
27 第二パーツ
28 調整ねじ
30 凹部
31 取付用筒体
33 取付ねじ
34 穴
35 ねじ穴
36 第一押圧用リブ
36a 押圧面
37 第二押圧用リブ
37a 押圧面
40 穴
41 ねじ穴
44 取付ねじ
45 連結部材
46 穴
47 張力調整ねじ
48 連結用壁
49 ねじ穴
50a、50b ガイド部
51 溝
52 穴
55 取付用壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に配したシート取付レールと、該シート取付レールに上縁領域を把持されて吊下げられた繊維強化樹脂シートと、該繊維強化樹脂シートの両端を保持するように設けられた一対のシート端部保持具とを備え、該シート端部保持具は、前記繊維強化樹脂シートの端部を保持するシート端部保持手段と、該シート端部保持手段で保持された前記繊維強化樹脂シートをその全幅にわたり、両側から互い違いに前記繊維強化樹脂シートの延在方向に対して略直角方向に押圧して前記繊維強化樹脂シートに張力を付与するZ方向張力付与手段を有することを特徴とする防煙垂れ壁。
【請求項2】
前記シート端部保持具のZ方向張力付与手段が、前記繊維強化樹脂シートを、一方の面からその全幅にわたって押圧可能な第一押圧用リブを備えた第一パーツと、前記繊維強化樹脂シートを、他方の面からその全幅にわたって且つ前記第一押圧用リブによる押圧位置とは異なる位置で押圧可能な第二押圧用リブを備えた第二パーツと、前記第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじを備えていることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ壁。
【請求項3】
前記シート端部保持具のシート端部保持手段は、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に前記繊維強化樹脂シートを押し付けて固定する取付用筒体を備えていることを特徴とする請求項2の記載の防煙垂れ壁。
【請求項4】
前記シート端部保持具は、更に、前記シート端部保持手段を、前記繊維強化樹脂シートの延在方向に移動させて前記繊維強化樹脂シートの張力を調整するX方向張力調整手段を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の防煙垂れ壁。
【請求項5】
シートを、該シートの端部を保持して張るためのシート端部保持具であって、前記シートの端部を保持するシート端部保持手段と、該シート端部保持手段で保持された前記シートをその全幅にわたり、両側から互い違いに前記シートの延在方向に対して略直角方向に押圧して前記シートに張力を付与するZ方向張力付与手段を有することを特徴とするシート端部保持具。
【請求項6】
前記Z方向張力付与手段が、前記シートを、一方の面からその全幅にわたって押圧可能な第一押圧用リブを備えた第一パーツと、前記シートを、他方の面からその全幅にわたって且つ前記第一押圧用リブによる押圧位置とは異なる位置で押圧可能な第二押圧用リブを備えた第二パーツと、前記第一パーツと第二パーツのZ方向の間隔を調整する調整ねじを備えていることを特徴とする請求項5記載のシート端部保持具。
【請求項7】
前記シート端部保持手段は、前記第一パーツと第二パーツのいずれか一方に前記シートを押し付けて固定する取付用筒体を備えていることを特徴とする請求項6の記載のシート端部保持具。
【請求項8】
更に、前記シート端部保持手段を、前記シートの延在方向に移動させて前記シートの張力を調整するX方向張力調整手段を備えていることを特徴とする請求項5、6又は7記載のシート端部保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−60965(P2009−60965A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229213(P2007−229213)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)