説明

防犯灯

【課題】LEDを使用するにも関わらず照射面積を広くすることができる防犯灯を提供する。
【解決手段】防犯灯1は、太陽光パネル部10を備えると共に地上に立設される支持柱2と、この支持柱2に設けられ太陽光パネル部10で発電された電力を蓄電し、かつ交流電気として送り出す電源供給部と、支持柱2の上部で横方向に延出した横梁部材26と、この横梁部材26の先端領域部に設けられ複数のLEDランプ7を取付けるランプ取付け板55を有するランプ保持機構4と、太陽光パネル部10から電源供給部を経由して複数のLEDランプ7にわたって配線されたケーブル33と、を備えて構成され、ランプ保持機構4は、ランプ取付け板55の取付け中心Pに対して水平面内で回転可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防犯灯に係り、さらに詳しくは、外部電源のない所に設置することができると共にLED照明灯を使用するにも関わらず照射面積を広くすることができる防犯灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各地の道路や公園等には、街路灯や防犯灯等の屋外用照明器具装置が設置されている。
上記屋外用照明器具装置における光源としては、一般に、白熱電球や水銀灯や蛍光灯等が用いられていた。
【0003】
そして、近年では、長寿命化やエコ化、地球温暖化防止等の観点から、白熱電球等に替わる光源として、LED(Light Emittinng Diodo)を用いた屋外用照明器具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された屋外用照明器具では、複数の白色LEDおよび青色LEDを同時に照射できるような構成となっている。
【0004】
さらに、LEDを使用すると共に外部電源を必要とせずに設置できる多機能防犯灯が開発されている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された多機能防犯灯では、太陽電池モジュールで昼間充電した電気を蓄電池に充電し、その蓄電池からの電気により、LED照明灯を駆動させるような構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−135381号公報
【特許文献2】実用新案登録第3151529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に開示された屋外用照明器具では、複数の白色LEDおよび青色LEDを装備した灯具本体が支持柱2に設けられているが、白色LED等は光が拡散しないうえ灯具本体が固定されているので、照射面積が狭いという問題がある。
【0007】
また、前記特許文献2に開示された多機能防犯灯では、前述のように、太陽電池モジュールで昼間充電した電気を蓄電池に充電し、その蓄電池からの電気により、LED照明灯を駆動させるような構成となっているが、LED照明灯そのものは、支支持柱22に固定された状態であり、前記特許文献1に開示された屋外用照明器具と同様の問題がある。すなわち、LED照明灯が固定されているので、照射面積が狭いという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決するために、LEDを使用するにも関わらず照射面積を広くすることができる防犯灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本願発明の防犯灯は、太陽光パネル部を備えると共に地上に立設される支持柱と、この支持柱に設けられ前記太陽光パネル部で発電された電力を蓄電し、かつ交流電力として送り出すLED用電源供給部と、前記支持柱の上部で横方向に延設した横梁部材と、この横梁部材の先端領域部に設けられ複数のLEDランプを保持するランプ保持機構と、を備え、前記ランプ保持機構が予め設けられたランプ取付け板を水平面内で回転自在に保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の防犯灯によれば、ランプ保持機構により、複数のLEDランプを取付けたランプ取付け板が水平面内で回転するので、例えLEDランプの光の拡散が小さく一つ一つのLEDランプの照射面積が狭くても、回転する複数のLEDランプにより連続した光が形成される。その結果、LEDを使用するにも関わらず照射面積を広くすることができる。
また、複数のLEDランプを取付けたランプ取付け板が水平面内で回転するので、見た目にも面白く、初めて見た人は立ち止まって見上げる等、注目度も上がり、防犯上も優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る防犯灯の第1実施形態を示し防犯灯の全体構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態の防犯灯を示す全体正面図である。
【図3】前記実施形態の防犯灯の要部を示す正面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿った一部断面の平面図である。
【図5】前記実施形態の防犯灯の要部を示す縦断面図である。
【図6】図5におけるVI矢視で蓋を取り外した端子ボックスを示す図である。
【図7】本発明に係る防犯灯の第2実施形態における防犯灯の要部を示す正面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った一部断面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図1〜図6を参照して、本発明に係る防犯灯の第1実施形態を説明する。
【0013】
まず、図1、図2に基づいて、上記第1実施形態の防犯灯の全体構成を説明する。
本実施形態の防犯灯1は、太陽光パネル部10を備えると共に地上に立設される支持柱2と、この支持柱2に設けられ太陽光パネル部10で発電された電力を蓄電し、かつ交流電力として送り出すLED用電源供給部3と、上記支持柱2の上部で横方向に延設した横梁部材26と、この横梁部材26の先端領域部に設けられ複数(本実施形態では3個)のLEDランプ7を保持するランプ保持機構4と、このランプ保持機構4等を覆うカバー部材8と備えて構成されている。
【0014】
そして、ランプ保持機構4は、予め3個のLEDランプ7が取付けられているランプ取付け板55を、当該ランプ取付け板55の取付け中心Pの周りを水平面内で回転可自在に保持することができる。つまり、本発明では、3個のLEDランプ7が、水平面内で回転自在となっている。
【0015】
図2に示すように、支持柱22は、下部柱20と上部柱21とで構成されている。
下部柱20は、例えば角パイプで形成されると共に、その下部が地中に埋め込まれ、さらにベースプレート25がアンカーボルト22により固定されている。
上部柱21は例えば丸パイプで形成されている。そして、下部柱20と上部柱21とは、下部柱20の上端に固定されたフランジ23と、上部柱21の下端に固定されたフランジ24とを介して相互に固定されている。
【0016】
支持柱22の下部柱20には前記電源供給部3が設けられている。
この電源供給部3は、太陽光パネル部10で発電された電力を制御する充電制御器(コンバータ)30と、その電力を蓄電すると共に繰り返し使用できるバッテリー31と、電気の直流を交流に変換し、交流電力として出力するインバータ32と、上記各部材30,31,32等を接続するために配線されたケーブル33等を備えて構成されている。
これらのコンバーター30、2つのバッテリー31,31およびインバータ32は、それぞれが、支持柱22の下部柱20内に設けられた支持部材(図略)により支持されている。
【0017】
また、支持柱22の上部には、前記太陽光パネル部10が設けられている。
太陽光パネル部10は、上部柱21の上端に固定された枠体11と、この枠体11に取付けられた太陽光パネル本体12とで構成されている。
そして、上記枠体11は、太陽光をより効率よく受けられるように、太陽光パネル本体12の取付け角度の調整ができる構成となっている。
【0018】
前記支持柱22における上部柱21の上部には、当該上部柱21と略直交して横方向に延設された横梁部材26が取り付けられている。
この横梁部材26は例えば丸パイプで形成されている。また、横梁部材26と上部柱21とは、横梁部材26の下面と上部柱21の側面とにわたって設けられた補強リブ27によって補強されている。
【0019】
横梁部材26の途中にはスイッチ部15が設けられている。
スイッチ部15は、外気の明るさに対応してスイッチオン・スイッチオフが自動的に行われるような構成となっており、その時間の設定ができるようになっている。
例えば、季節に応じて16時〜20時にスイッチが入り、朝の5時〜6時にスイッチが切れるように設定することができる。
スイッチ部15には、支持柱22内に配線され、かつ前記インバータ32を経由した電源ケーブル33が横梁部材26の途中から引き出されて接続されると共に、スイッチ部15を経由した電源ケーブル33は、横梁部材26内に戻され、前記ランプ保持機構4側に向けて配線されている。
【0020】
前記ランプ保持機構4は、図3〜図5に示すように、上記横梁部材26の先端領域部に設けられている。
すなわち、ランプ保持機構4は、横梁部材26の先端下部に設けられ、かつ当該横梁部材26の先端に水平に延びたベース部材40を備えて構成され、このベース部材40は、長方形の板部材で形成されている。
ベース部材40には、下端部に前記ランプ取付け板55が連結された回転機構部5が上方から下方にわたって配設され、かつ回転自在に保持されている。
【0021】
上記回転機構部5は、図5に詳細を示すように、ベース部材40を貫通して設けられたパイプ部材43と、ベース部材40に取付けられると共に上記パイプ部材43を回転自在に支持する菱フランジ形軸受42,42と、パイプ部材43の上端に設けられたロータリ・コネクタ44(回転持続コネクタ)と、このロータリ・コネクタ44の外筒部44Bを一体的に収納するロータリ・コネクタ用のカップリング45と、を備えて構成されている。
そして、パイプ部材43の下端部には、ランプ取付け板55の取付け部である円板状フランジ47が設けられている。
【0022】
上記菱フランジ形軸受42,42は、ユニット用玉軸受と菱形のフランジを持つ軸受箱を組み合わせた軸受ユニットであり、外輪部42Aと軸受の中心部である内輪部42Bとを有する構造である。
そして、外輪部42Aがベース部材40に固着され、内輪部42Bにパイプ部材43が一体になった状態で固着されている。したがって、内輪部42Bとパイプ部材43とが回転自在となっている。
さらに、菱フランジ形軸受42,42の上下方向のそれぞれの端部は、パイプ部材43の外周に装着された軸受押さえ46により位置決めされている。
【0023】
パイプ部材43の上端部には、前述のように、ロータリ・コネクタ用カップリング45が固着されている。また、このカップリング45の内部には、前記ロータリ・コネクタ44が収納され、かつカップリング45の外周からねじ込まれたビスによりカップリング45に取付けられ、これにより、両者45,44は一体的に構成されている。
【0024】
ここで、ロータリ・コネクタ44は、内筒部分44Aと外筒部分44Bとが相対的に回転自在な構造となっており、その内部に封入された水銀を介在させて接続するタイプのコネクタである。そして、外筒部分44Bがロータリ・コネクタ用カップリング45と一体化して前記取付け中心Pの周りを回転するようになっている。
【0025】
また、パイプ部材43の下端部に設けられた前記円板状フランジ47と前記軸受押さえ46との間には、後で詳述する回転力伝達機構62を構成する従動用スプロケット64と、スペーサ66とが配設されている。
そして、前記菱フランジ形軸受42、パイプ部材43、円板状フランジ47等の各部材の他、上記従動用スプロケット64およびスペーサ66を含んで前記回転機構部5が構成されている。
【0026】
前記ロータリ・コネクタ44の中心部、つまり、内筒部分44Aは固定機構部6を介して前記ベース部材40に固定されている。
すなわち、固定機構部6は、上記ロータリ・コネクタ44の内筒部44Aと、この内筒部44Aに固定用リング51を介して設けられた回転止め用ストッパ部52と、この回転止め用ストッパ部52と当接して内筒部44Aの回転を防止するストッパ部材53と、を備えて構成されている。
回転止め用ストッパ部52は短冊状板部材で形成され、固定用リング51に横方向に突出して設けられている。
一方、上記ストッパ部材53は板部材で断面L字状に形成され、上端部には、上記回転止め用ストッパ部52と当接する当接部53Aが形成されている。
【0027】
これにより、ロータリ・コネクタ44の外筒部分44Bがロータリ・コネクタカップリング45等と共に回転する際、それに連れて、ロータリ・コネクタ44の内筒部分44Aも回転しようとするが、回転止め用ストッパ52がストッパ部材53の当接部53Aに当接するので、ロータリ・コネクタ44の内筒部分44Aが固定された状態となる。
その結果、ロータリ・コネクタ44の内筒部分44Aに接続された電源ケーブル33Aの捩れを防止することができる。
【0028】
前記回転機構部5は、前記横梁部材26の先端領域部で前記ランプ保持機構4に併設されているランプ回転駆動機構60により駆動されるようになっている。
すなわち、ランプ回転駆動機構60は、図3に示すように、前記ベース部材40にモータ載置板67を介して保持された減速機付モータ61と、この減速機付モータ61の回転駆動力を前記ランプ取付け板55に伝達する回転力伝達機構62と、を備えて構成されている。
ここで、減速機付モータ61は、ベース部材40の先端部下面に設けられ前方に延設された上記モータ載置板67に設置されている。
【0029】
そして、回転力伝達機構62が、減速機付モータ61に装備された原動用スプロケット63と、ランプ取付け板55に前記円板状フランジ47およびスペーサ66を介して連結された従動用スプロケット64と、各スプロケット63,64相互間を連結する動力伝達部材であるチェーン65と、を備えて構成されている。
【0030】
上記ベース部材40およびモータ載置板67は、図4に示すように、平面長方形の板部材で形成されており、モータ載置板67は、ベース部材40に対してスライド可能となっている。
【0031】
すなわち、モータ載置板67の一端には、図5に示すように、横梁部材26の長手方向に沿って形成された長孔67Aが形成されており、これに対してベース部材40には上記長孔67Aに対応してねじ孔が形成されている。
したがって、モータ載置板67の下方から長孔67Aに向けて取付けボルト68を差込み、モータ載置板67を所定位置まで矢印Aで示す方向に沿ってスライドさせ、ねじ孔に取付けボルト68をねじ込むことにより、ベース部材40とモータ載置板67とを適宜位置に固定することができる。
【0032】
上記モータ載置板67のスライドは、図3、図4に示すように、テンション用ボルト70を操作することにより行うようになっている。
すなわち、テンション用ボルト70はベース部材40の一端部の上面に立設された取付台71のねじ部にねじ込まれるようになっており、テンションボルト70の先端部が減速機付モータ61の側面と当接可能となっている。
そのため、テンション用ボルト70を前進または後退させることにより、ベース部材40に対してモータ載置板67をスライドさせることができるようになっている。
そして、これにより、前記原動用スプロケット63と従動用スプロケット64間に掛けわたされるチェーン65のテンション(張力)を調整することができる。
【0033】
ここで、従動用スプロケット64と原動用スプロケット63とは、例えば4:1のギア比に構成されている。そして、原動用スプロケット63の回転速度が、例えば5rpmとなるように、モータの回転が減速されるようになっており、その結果、従動用スプロケット64は、1.25rpmの回転速度で回転することになる。つまり、3個のLEDランプ7は、それぞれ1.25rpmの回転速度で回転している。
なお、各LEDランプ7の回転速度は任意の回転速度に変更可能である。
【0034】
図5に詳細を示すように、前記ロータリ・コネクタ44の内筒部分44Aの端子に接続されるLEDランプ7用の電源ケーブル33Aは、横梁部材26内を配線された電源ケーブル33からケーブル分岐用の第1端子台75により分岐されるようになっている。
この第1端子台75では、LEDランプ7側に分岐される上記電源ケーブル33Aの他、ランプ回転駆動機構60を構成する減速機付モータ61側に分岐される電源ケーブル33Bが接続されるようになっている。
【0035】
すなわち、第1端子台75は、横梁部材26の端部に立設された支持部材76により支持されている。そして、横梁部材26内を通ってきた電源ケーブル33が第1端子台75の一端の入力端子に接続され、第1端子台75の他端の出力端子から、ロータリ・コネクタ44側、および減速機付モータ61側に分岐されるようになっている。
この際、ロータリ・コネクタ44側に分岐された電線ケーブル33Aは、内筒部分44Aの端子に接続されており、前述のように、ロータリ・コネクタ44の外筒部分44Bが回転しても、内筒部分44Aは固定されていて回転することがなく、その結果、電線ケーブル33Aが捩れることがない。
【0036】
前記パイプ部材43においてベース部材40の裏面に装着された菱フランジ形軸受42,42の下方には、上面が前記軸受押さえ46の下面に当接して、前記従動用スプロケット64が取付けられている。
また、前述のように、この従動用スプロケット64にはスペーサ66を介して円板状フランジ47が固着されている。ここで、パイプ部材43の下端は円板状フランジ47の貫通穴に嵌入され、かつ溶接により円板状フランジ47に固着されている。
【0037】
上記円板状フランジ47の上面には、前記ランプ取付け板55が固定されている。
このランプ取付け板55は所定厚さの板部材で形成され、図4に示すように、水平面内で120°ずつ均等に三方に分けられた平面略三角形形状に形成されている。そして、三角形のそれぞれの頂点域には、図3に示すように、下方に向けて略直角に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、この折り曲げ部がLEDランプ7の取付け部55Aとなっている。
【0038】
図5、図6に示すように、円板状フランジ47の下面には、蓋78を備えた四角箱状の端子ボックス79が取り付けられている。
端子ボックス79の内部には、パイプ部材43内に配線された前記LEDランプ用電源ケーブル33Aを3個のLEDランプ7に分岐するための第2端子台80が配置されている。この第2端子台80は、円板状フランジ47の下面に固定された支持部材76により、端子ボックス79の内部に宙吊り状態で支持されている。
【0039】
この第2端子台80の一端部の2つの端子には、パイプ部材43内を経由した2本の電源ケーブル33Aがそれぞれ接続されるようになっている。そして、第2端子台80の他端部の3つの端子には、それぞれ3個のLEDランプ7と接続された電源ケーブル33Aの端部が接続されるようになっている。
【0040】
前記端子ボックス79の3面の側面には、キャプコン(商品名)と呼ばれる配線接続具82が、それぞれねじ込まれて取付けられている。
この配線接続具82には、上述のように、3個のLEDランプ7と接続された電源ケーブル33Aが挿通され、その端部が第2端子台80の他端部の3つの端子に接続されるようになっている。
【0041】
図3に示すように、各LEDランプ7は、前記ランプ取付け板55の取付け部55Aに当接固定される取付け座7aと、この取付け座7aの先端に水平面内で回動可能に設けられた軸部7bと、この軸部7bに設けられたランプ本体7cとを備えて構成されている。
【0042】
軸部7bには、ランプ本体7cの角度を調整することができるツマミ7dが設けられており、このツマミ7dを操作することにより、図3に仮想線で示すようにランプ本体7cを、垂直面に対して例えば15°の角度に設定することができる。
なお、3個の各LEDランプ7,7,7は、図4に示すように、取付け中心Pからの取付け距離Lが等しく設定されている。
【0043】
次に、以上のように構成された防犯灯1の作用を説明する。
太陽光パネル部10の太陽光パネル本体12により発電された電気はケーブル33からコンバータ30を経由してバッテリー31に送られ、当該バッテリー31に常時蓄電されている。
【0044】
今、夕方の設定された時間になり、スイッチ部15がオンになったら電源ケーブル33からの電気が第1端子台75で分岐され、LEDランプ用電源ケーブル33Aと、駆動用電源ケーブル33Bとに流れ、ロータリ・コネクタ44の内筒部44Aの端子に電流が流れると同時に、駆動用電源ケーブル33Bから減速機付モータ61に電流が流れる。
【0045】
ロータリ・コネクタ44の内筒部44Aに流れた電気は、ロータリ・コネクタ44を経由してパイプ部材43内に配線された上記電源ケーブル33Aを経由して第2端子台80に接続される。
次いで、第2端子台80で3方に分岐された電源ケーブル33A,33A,33Aからそれぞれ3個のLEDランプ7に電気が流れ、これにより、それぞれのLEDランプ7が点灯する。
なお、朝になって明るくなったら、スイッチ部15のスイッチが切られ、3個のLEDランプ7の点灯が自動的に停止される。
【0046】
同時に、減速機付モータ61が回転し、その回転により原動用スプロケット63が回転し、さらにチェーン65を介して従動用スプロケット64が回転する。
そのため、3個のLEDランプ7がゆっくりと所定回転速度、例えば1.25rpmで回転し、3個のLEDランプ7の下方を連続して照らし出す。
【0047】
以上のように構成された本第1実施形態の防犯灯1によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)防犯灯1が3個のLEDランプ7を備えており、設定された時間にスイッチ部15によりスイッチが入り、各LEDランプ7が点灯した後、設定された時間にスイッチが切られるまで、各LEDランプ7は、常時、所定回転速度で回転している。そのため、一つ一つのLEDランプ7の照射面積は狭いが、ランプの下方は3個のLEDランプ7により連続して照らされることになるので、結果的に照射面積を広くすることができる。そして、明るい場所を提供することができて、防犯に役立つものとなる。
【0048】
(2)電源として太陽光パネル部10が利用されているので、外部電源がなくても防犯灯1として使用することができると共に、エコ化を図ることができる。
【0049】
(3)電源供給部3を構成するバッテリー31が2個設置されているので、長時間の連続運転が可能となる。
【0050】
(4)横梁部材26内に配線された電源ケーブル33は、第1端子台75でLEDランプ用の電源ケーブル33Aと、モータ用の電源ケーブル33Bとに分岐され、また、パイプ部材43内に配線された電源ケーブル33Aは、第2端子台80で3個のLEDランプ7に接続される電源ケーブル33Aに分岐される。したがって、太陽光パネル62からの1本の電源ケーブル33を複数の部材用として容易に利用することができる。
【0051】
(5)3個のLEDランプ7のランプ本体7cは、ランプ7の軸部7bに装備されているツマミ7dを操作して軸部7bに対して角度調整をすることができるようになっているので、それぞれのLEDランプ7の角度を異なる角度とすることで、連続して回転する各LEDランプ7,7,7によって照射される光の幅を広くすることができ、これにより、照射面積を大幅に広くすることができる。
【0052】
(6)3個のLEDランプ7が、ランプ保持機構4の取付け中心Pの周りを、所定の回転速度、例えば1.25rpmで回転するので、見た目にも面白く、初めて見た人は立ち止まって見上げる等、注目度も上がり、防犯上も優れた防犯灯1とすることができる。
【0053】
次に、図7、図8に基づいて、本発明に係る防犯灯の第2実施形態を説明する。
なお、第2実施形態の防犯灯1Aにおいて前記第1実施形態の防犯灯1と同一の構造および同一の使用部材には同一符号を付し、詳細な説明は異なる部分のみについて行う。
【0054】
第2実施形態の防犯灯1Aは、3個設けられたLEDランプ7A,7B,7Cの取付け中心Pからの距離をそれぞれ異なる寸法に設定したものである。
すなわち、第1のLEDランプ7Aの取付け中心Pからの距離がL1に設定されているのに対し、図8の左回り方向に配置された第2のLEDランプ7Bの取付け中心Pからの距離がL2に設定され、同様に、第3のLEDランプ7Cの取付け中心Pからの距離がL3に設定されている。
そのため、各LEDランプ7A,7b,7Cを取付けるランプ取付け板85は、前記第1実施形態のランプ取付け板55に対して変形した略三角形形状となっており、当該三角形のそれぞれの頂点域にLEDランプ7A等を取付ける取付け部85Aが形成されている。
【0055】
各LEDランプ7A,7b,7Cが以上のように配置されており、それぞれが取付け中心Pの回りを回転するので、図7に示すように、各LEDランプ7A,7b,7Cによって照射される光の幅が、取付け中心Pからの距離L1とL3とにわたる寸法の幅を形成するので、照射面積が大幅に増大する。
【0056】
そして、この第2実施形態においても、前記第1実施形態の図3で示したように、3個のLEDランプ7のそれぞれの角度調整が可能となっており、それぞれを同じ角度、あるいは異なる角度に設定することができる。
【0057】
以上のように構成された本第2実施形態の防犯灯1Aによれば、前記(1)〜(6)と同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(7)3個設けられたLEDランプ7A,7b,7Cの取付け中心Pからの距離が、それぞれL1,L2,L3と、異なる寸法に設定されており、それぞれが取付け中心Pの回りを回転するので、各LEDランプ7A,7b,7Cによって照射される光の幅が、取付け中心Pからの距離L1とL3とにわたる寸法の幅に形成される。その結果、照射面積が大幅に増大する。
【0058】
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0059】
例えば、前記第1、第2実施形態では、LEDランプ7を3個配置したが、複数個であれば例えば2個でもよいが、3個以上、例えば90°ずつの均等位置に4個配置してもよい。
【0060】
また、前記各実施形態では、電源供給部3を構成するバッテリー31を2個配置したが、これに限らない。より長時間の運転が可能となるように、3個、4個あるいはそれ以上設けてもよい。但し、この場合は、下部柱20内に収納することが困難となるので、下部柱20の下部に当該下部柱20を覆うようなバッテリー収納用の格納庫を設けるようにすることもできる。
【0061】
さらに、前記各実施形態では、回転力伝達機構62を従動用スプロケット64と原動用スプロケット63およびこれらの各スプロケット64,63間に掛けわたされたチェーン65で構成したが、これに限らない。例えば、平ベルト車および平ベルト、あるいはVベルト車およびVベルトを用いた回転力伝達機構としてもよい。
【0062】
また、前記各実施形態では、ロータリ・コネクタ44の内筒部分を固定するためのストッパ部材53をベース部材40に設けたが、これに限らない。例えば、横梁部材26に設けてもよい。
【0063】
また、前記各実施形態では、ランプ取付け板55のランプ取付け部55Aは、略三角形形状の各頂点部を下方に向けて折り曲げて形成されているが、これに限らない。ランプ取付け板のランプ取付け部を折り曲げずに、3個のLEDランプ7をランプ取付け板の外周3等分位置の裏面に直接取付けるようにしてもよい。このようにすれば、折り曲げ作業の手間が省ける。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本願発明は、道路脇や公園、団地の出入り口等に防犯灯として設置する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 防犯灯
2 支持柱
3 電源供給部
4 ランプ保持機構
5 回転機構部
6 固定機構部
7 LEDランプ
10 太陽光パネル部
15 スイッチ部
30 コンバータ
31 バッテリー
32 インバータ
40 ベース部材
42 菱フランジ型軸受
43 パイプ部材
44 ロータリ・コネクタ
45 ロータリ・コネクタ用カップリング
47 円板状フランジ
53 ストッパ部材
55 LEDランプ取付け板
60 ランプ回転駆動機構
61 減速機付きモータ
62 回転力伝達機構
63 原動用スプロケット
64 従動用スプロケット
65 動力伝達部材であるチェーン
70 テンション用ボルト
75 第1端子台
79 端子ボックス
80 第2端子台
A スライド方向
P 取付け中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネル部を備えると共に地上に立設される支持柱と、
この支持柱に設けられ前記太陽光パネル部で発電された電力を蓄電し、かつ交流電力として送り出すLED用電源供給部と、
前記支持柱の上部で横方向に延設した横梁部材と、
この横梁部材の先端領域部に設けられ複数のLEDランプを保持するランプ保持機構と、を備え、
前記ランプ保持機構が、予め設けられたランプ取付け板を水平面内で回転自在に保持することを特徴とする防犯灯。
【請求項2】
請求項1に記載した防犯灯において、
前記ランプ保持機構を、
前記横梁部材の先端に水平に固着されたベース部材と、
このベース部材に回転自在に保持されると共に当該ベース部材に上方から下方にわたって配設された回転機構部と、を備えて構成し、
この回転機構部の下端部に前記ランプ取付け板を連結したことを特徴とする防犯灯。
【請求項3】
請求項2に記載した防犯灯において、
前記回転機構部を、
前記ベース部材を貫通しかつ軸受け42を介して回転自在に配置されたパイプ部材と、前記パイプ部材の上端に設けられたロータリ・コネクタと、を備えて構成し、
前記パイプ部材の下端部に前記ランプ取付け板用の取付け部を設け、
前記ロータリ・コネクタの中心部を、固定機構部を介して前記ベース部材に固定したことを特徴とする防犯灯。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載した防犯灯において、
前記回転機構部を駆動するランプ回転駆動機構を、前記横梁部材の先端領域部で前記ランプ保持機構に併設し、
前記ランプ回転駆動機構を、
前記ベース部材に保持された減速機付モータ61と、この減速機付モータ61の回転駆動力を前記ランプ取付け板に伝達する回転力伝達機構62と、を備えて構成したことを特徴とする防犯灯。
【請求項5】
請求項4に記載した防犯灯において、
前記回転力伝達機構62を、
前記減速機付モータ61に装備された原動用スプロケットと、
前記ランプ取付け板に連結された従動用スプロケットと、
前記各スプロケット相互間を連結する動力伝達部材と、を備えて構成したことを特徴とする防犯灯。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載した防犯灯において、
前記複数のLEDランプを3個のLEDランプで構成すると共に、これらのLEDランプを前記ランプ取付け板の外周部に等間隔で配置したことを特徴とする防犯灯。
【請求項7】
請求項6に記載した防犯灯において、
前記ランプ取付け板の外周部に前記3個のLEDランプをそれぞれ取付けるランプ取付け部を設け、これらの各ランプ取付け部を前記ランプ取付け板の平面部に対して下方に向けて折り曲げ形成したことを特徴とする防犯灯。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載した防犯灯において、
前記支持柱と前記ランプ保持機構との間に配置され設定された時間に自動的にオン・オフ切り替えを行うスイッチ部と、を備えて構成したことを特徴とする防犯灯。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれか一つに記載した防犯灯において、
前記ランプ取付け板の取付け中心から前記3個のLEDランプのランプ部中心までの取付け寸法を等しい距離に設定したことを特徴とする防犯灯。
【請求項10】
請求項6ないし請求項8のいずれか一つに記載した防犯灯において、
前記ランプ取付け板の取付け中心から前記3個のLEDランプのランプ部中心までの取付け寸法をそれぞれ異なる距離に設定したことを特徴とする防犯灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−238475(P2012−238475A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106747(P2011−106747)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(500457542)共栄テクノス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】